JP3257365B2 - 排気還流装置付副室式エンジン - Google Patents

排気還流装置付副室式エンジン

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JP3257365B2
JP3257365B2 JP23752395A JP23752395A JP3257365B2 JP 3257365 B2 JP3257365 B2 JP 3257365B2 JP 23752395 A JP23752395 A JP 23752395A JP 23752395 A JP23752395 A JP 23752395A JP 3257365 B2 JP3257365 B2 JP 3257365B2
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combustion gas
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気還流装置付副
室式エンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】副室式エンジン、特に車両用の副室式デ
ィーゼルエンジンにおいて、排出ガス中の有害成分であ
るNOを低減するために、排気ガスの一部を吸気側に
還流するようにした排気還流装置(以下場合により、E
GR装置という)が広く採用されている。通常のEGR
装置は、エンジンの排気通路から抽出した排気ガスを、
同エンジンの吸気通路に導いて吸気に混合し、シリンダ
内に供給するように構成されている。従って、排気還流
(以下場合により、EGRという)を行なわない場合と
較べ、還流される排気ガス量分だけ吸入される新気が減
少し、相応して空気過剰率が小さくなるため、燃焼不良
に起因してスモークが発生し易い欠点がある。特に、N
の排出量が多い高負荷時に空気過剰率が小さくな
り、EGRを行なうとスモークが大幅に悪化するので、
EGRを行なうことができなくなり十分なNO低減効
果が得られない不具合があった。
【0003】上記通常のEGR装置を具えた副室式エン
ジンの問題点を解決するために、吸入行程でシリンダ内
に新気が吸入され吸気弁が閉じたのち、副室内に排気ガ
スを圧送するようにした構成が、特開平4−16665
6号公報に開示されている。この既提案の構成では、副
室内に排気ガスを圧送する手段として、エンジンのクラ
ンク軸に連動して往復駆動されるピストンと、同ピスト
ンが摺動自在に嵌装されるシリンダと、夫々リード弁か
らなる吸入弁及び吐出弁とを具えた副シリンダと呼称さ
れている往復式ポンプ装置が設けられているので、同ポ
ンプ装置から吐出された加圧排気ガスを複数のシリンダ
の副室に夫々供給する配管も含めて、構造的に極めて複
雑になり、製造コストが高くなる欠点があり、さらに、
往復式ポンプ装置の駆動に費されるエンジンの出力損失
及びポンプ運転により発生する騒音が大きい等の不具合
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み創案されたもので、EGRを行なうことによって新
気の吸入量が減少することがなく、従ってNOの低減
が望ましいエンジンの実質的にすべての運転領域におい
て、出力、燃費等エンジン性能、及びスモーク性能を著
しく損なうことなく効果的にEGRを行なうことがで
き、これによって排出ガス中のNOを有効に低減する
ことができる構造簡単かつ安価な副室式エンジンを提供
することを、主たる目的とするものである。本発明の他
の目的は、エンジンの各シリンダの圧縮行程において副
室内に燃焼ガスを供給するピストン、ダイヤフラム等可
動壁部材の所要駆動力が小さく、従ってエンジンの出力
損失が小さく、しかも上記可動壁部材の駆動に伴なう運
転騒音が小さいEGR装置付副室式エンジンを提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、シリンダ内の主燃焼室に噴孔を介して連
通する副室と、同副室に連通路を介して接続されその内
部に可動壁部材を具えた可変容積の燃焼ガス貯溜室と、
上記連通路に介装されて上記副室と上記燃焼ガス貯溜室
との連通を制御する弁装置と、上記弁装置を開閉する第
1のアクチュエータと、上記燃焼ガス貯溜室の上記可動
壁部材に作動的に連結されて上記燃焼ガス貯溜室の容積
を増減させる第2のアクチュエータと、エンジンの運転
状態に応じ上記第1及び第2アクチュエータを制御し
て、膨張行程の所望期間に上記副室内の排気ガスを上記
連通路を介し上記燃焼ガス貯溜室内に流入させると共
に、圧縮行程の所望期間に上記燃焼ガス貯溜室の容積を
減少させて上記燃焼ガス貯溜室内の上記燃焼ガスを上記
連通路を介し上記副室内に供給するように作動する制御
装置とを具備したことを特徴とする排気還流装置付副室
式エンジンを提案するものである。
【0006】請求項2に係る発明は、上記可動壁部材
が、シリンダ状をなす上記燃焼ガス貯溜室内に摺動自在
に嵌装されたピストンであり、上記アクチュエータが、
上記制御装置により付勢されたとき、上記ピストンを一
方向に駆動して上記燃焼ガス貯溜室の容積を減少させる
ソレノイドと、上記制御装置により同ソレノイドが消勢
されたとき、上記可動壁部材を反対方向に駆動して上記
燃焼ガス貯溜室の容積を増大させるリターンスプリング
とを有する電磁式アクチュエータであることを特徴とす
る。また、請求項3に係る発明は、上記制御装置が、膨
張行程の中期に上記副室内の排気ガスが燃焼ガス貯溜室
に供給されるように、上記第1及び第2アクチュエータ
を制御することを特徴とする。
【0007】請求項4に係る発明は、上記制御装置が、
エンジンの負荷及び回転数に応じて上記第1アクチュエ
ータを制御し、上記弁装置の膨張行程における開弁時期
を変化させることを特徴とする。さらに、請求項の発
明は、膨張行程中に上記副室から燃焼ガス貯溜室に流入
する燃焼ガスの流入終了時の圧力が、圧縮行程において
上記燃焼ガス貯溜室内の燃焼ガスの副室内への供給終了
時における筒内圧力より高く設定されたことを特徴とす
る。また請求項の発明は、エンジンの高速高負荷運転
時に、圧縮上死点付近で上記弁装置を開き上記副室と燃
焼ガス貯溜室とを一時的に連通させることにより燃焼室
容積を実質的に増大させるように構成したことを特徴と
する。
【0008】本発明の実施に際して、上記弁装置は、上
記第1アクチュエータによって、上記連通路を閉止して
上記副室と燃焼ガス貯溜室との連通を遮断する閉位置
と、上記連通路を開通して上記副室と燃焼ガス貯溜室と
を連通させる開位置の何れかに選択的に駆動されるロー
タリバルブ又はスライドバルブであることが好ましく、
また、上記第2アクチュエータは、上記制御装置により
付勢されたとき、上記可動壁部材を一方向に駆動して上
記燃焼ガス貯溜室の容積を減少させるソレノイドと、上
記制御装置により同ソレノイドが消勢されたとき、上記
可動壁部材を反対方向に駆動して上記燃焼ガス貯溜室の
容積を増大させるリターンスプリングとを有する電磁式
アクチュエータであることが望ましい。 さらに、本発明
の実施に当り、上記可動壁部材は、シリンダ状をなす燃
焼ガス貯溜室内に摺動自在に嵌装されたピストンである
ことが好ましい。しかし、上記可動壁部材は、上記燃焼
ガス貯溜室内に設けられその一方向の変位によって同貯
溜室の容積を増大し、反対方向の変位によって同貯溜室
の容積を減少するダイヤフラムでも良い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施形態を
添付図面について具体的に説明する。先づ、図1の要部
構成図において、符号10はその一部のみを示したクラ
ンクケース、12は同クランクケース10内に形成され
又は同クランクケース10に嵌装されたシリンダライナ
によって形成されたシリンダ14に摺動自在に嵌装され
たピストンである。同ピストン12の頂面には、クラン
クケース10にヘッドガスケット16を介して装架され
たシリンダヘッド18の下面と協働して、シリンダ14
内の主燃焼室を形成する凹部20が設けられている。
【0010】上記シリンダヘッド18には、この実施例
では釣鐘型をなす副室又は渦流室22が設けられ、同副
室22は口金24内に斜設された噴孔26を介して上記
主燃焼室に連通する。また、上記副室22のドーム状を
なす上方部分に、シリンダ14の軸線に対し略平行な副
室軸線に対し傾斜して燃料噴射弁28が配設され、また
同燃料噴射弁28に隣接してグロープラグ30が配置さ
れている。
【0011】さらに、上記副室22のドーム状をなす頂
部側方におけるシリンダヘッド18内に、シリンダ状を
なす燃焼ガス貯溜室32が設けられ、同燃焼ガス貯溜室
32と、上記副室頂部とが連通路34によって連結され
ている。上記連通路34内に、上記燃焼ガス貯溜室32
と副室22との連通を制御する弁装置36が介装されて
いる。この実施例では、上記弁装置36は、全体として
円筒状をなす弁本体38と、同弁本体38内に直径方向
に突設された弁孔40とを具えたロータリバルブとして
示されており、同ロータリバルブ36は適宜の回転型又
は揺動型アクチュエータからなる第1アクチュエータ4
2によって、図1の紙面に直角方向に延在する弁軸線の
周りに廻動される。
【0012】上記燃焼ガス貯溜室32内に可動壁部材4
4が設けられ、図示の実施例では、同可動壁部材が燃焼
ガス貯溜室内に摺動自在に嵌装されたピストンとして示
されている。同ピストン44にはアーマチヤ46が固着
され、同アーマチヤ46はソレノイド48及びリターン
スプリング50と協働する。同ソレノイド48が消勢さ
れてると、アーマチヤ46に連結されたピストン44が
リターンスプリング50によって、図1に示されている
右方位置に変位し、燃焼ガス貯溜室32は最大の内容積
となる。また、ソレノイド48が付勢されると、アーマ
チヤ46がリターンスプリング50を圧縮して左動し、
ピストン44が図中に一点鎖線で示した左方位置に変位
して、燃焼ガス貯溜室32は最小内容積の状態となる。
上記ソレノイド48、アーマチヤ46及びリターンスプ
リング50によって、可動壁部材又はピストン44を駆
動する電磁式の第2アクチュエータ52が構成され、ま
た燃焼ガス貯溜室32は上記可動壁部材44によって、
その内容積を制御される可変容積室を形成している。
【0013】上記第1アクチュエータ42及び第2アク
チュエータ52は、マイクロコンピュータを含むコント
ロールユニット又は制御装置54によって制御され、同
コントロールユニット又は制御装置54は、エンジンの
冷却水温度を検知する温度センサ56の冷却水温情報T
wと、エンジンの回転数を検知する回転数センサ58の
回転数情報Neと、エンジンの各シリンダの燃料噴射弁
28に燃料を供給する燃料噴射ポンプ(図示せず)の燃
料供給量を制御するコントロールレバーの位置を検知す
るレバーポジションセンサ60の燃料供給量情報Lp
と、エンジンのクランク軸の回転角即ちクランク角を検
知するクランク角センサ62のクランク角情報θc等を
受容して、各シリンダの第1アクチュエータ42及び第
2アクチュエータ52に駆動出力を供給する。
【0014】上記EGR装置付副室式エンジンの作動
を、図1の概略構成図及び図2の筒内圧力線図を参照し
て簡単に説明する。図2に実線で示した曲線Pは、上
記燃焼ガス貯溜室32を具備していない通常の副室式エ
ンジンのシリンダ内の圧力(筒内圧力)を示す。上記通
常のエンジンでは、実線Pで示されているようにピス
トン12がシリンダ14内を下降する吸気行程におい
て、開いている吸気弁Viから吸気が吸入され、続く圧
縮行程において、同吸気弁Viがクランク角θで閉じ
たのち上動するピストン12によって吸気が圧縮され
る。圧縮された吸気は噴孔26から副室22内に流入し
て縦方向の旋回流を形成する。圧縮行程の終期に、燃料
噴射弁28から図1に点線で示されているように燃料が
噴射され、燃料噴霧は圧縮されて高温になった吸気と混
合して着火し、副室22内で予混合燃焼が行なわれる。
【0015】副室22内の燃焼ガスは噴孔26からシリ
ンダ14内の主燃焼室に流入して拡散燃焼が行なわれ
る。ピストン12が圧縮上死点を超えた膨張行程又は燃
焼行程において筒内圧力が図示のように下降し、膨張行
程の終期に、排気弁Veがクランク角θで開いて排気
が行なわれ、排気行程の終期に吸気弁Viが開かれ、以
下上記サイクルが繰り返される。
【0016】本発明に係る副室式エンジンでは、上記膨
張行程の中期、例えば図2のクランク角θaにおいて、
圧縮行程中閉止されていた弁装置36が、コントロール
ユニット又は制御装置54により第1アクチュエータ4
2が駆動されることによって、図1に示されているよう
に開放される。このとき前行程で付勢されていた第2ア
クチュエータ52のソレノイド48が消勢されるので、
左方位置にあったピストン44がリターンスプリング5
0の弾性的付勢力によって右方位置即ち燃焼ガス貯溜室
32の容積が増大する方向に押され、これと同時に上記
弁装置36の開放により、副室22内の燃焼ガスが連通
路34を通って燃焼ガス貯溜室32内に流入し、ピスト
ン44を図中実線で示した右方位置に向い移動させる。
次に、エンジンの運転状態に応じコントロールユニット
又は制御装置54により設定された時間後、即ち図2に
クランク角θbで示されている時点で、第1アクチュエ
ータ42が駆動されて弁装置36は、図1の連通位置か
ら略90゜廻動されて連通路34が閉止される。上記副
室22から燃焼ガス貯溜室32への燃焼ガスの流入によ
って、筒内圧Pcは、図3に点線で示したように、僅か
に低くなる。
【0017】続く排気行程及び吸気行程は、実質的に従
前のエンジンと同様である。次に、圧縮行程に入りクラ
ンク角θで吸気弁Viが閉じると同時に、又は閉じた
後(図3では前者が例示されている)、コントロールユ
ニット又は制御装置54により、第1アクチュエータ4
2が駆動されて弁装置36が開かれ、略同時に第2アク
チュエータ52のソレノイド48が付勢される。ソレノ
イド48の付勢により、アーマチヤ46がリターンスプ
リング50を圧縮して図1において左方に変位し、ピス
トン44が燃焼ガス貯溜室32内に充填されていた燃焼
ガスを、連通路34を経て副室22内に圧送し図中に一
点鎖線で示した左方位置に変位する。ピストン44が上
記左方位置に達したクランク角θにおいて、コントロ
ールユニット又は制御装置54により、再び第1アクチ
ュエータ42が駆動されて弁装置36が閉止される。上
記燃焼ガス貯溜室30内の燃焼ガスが圧縮行程において
副室22内に供給されることにより、筒内圧力Pcは、
図3に点線で示したように僅かに上昇する。
【0018】上記コントロールユニット又は制御装置5
4の作動態様を纏めたものが、図4のフローチャートで
示されている。プログラムがスタートすると、ステップ
で初期設定が行なわれ、弁装置36は閉、可動壁部
材を形成するピストン44は第2アクチュエータ52の
ソレノイド48の消勢により右方位置Bに設定される。
次に、ステップSにおいて、クランク角θcが読み込
まれ、ステップSにおいて、クランク角θcが、圧縮
行程における上記クランク角θとθとの間にあるか
どうかが調べられる。
【0019】ステップS。においてYESの場合、ス
テップはSに進み、上述したように第1アクチュエー
タ42が駆動されて弁装置36が開かれ、同時に第2ア
クチュエータ52が付勢されてピストン44が左方位置
Aに駆動され、燃焼ガス貯溜室32内の燃焼ガスが副室
22に供給される。クランク角θcがクランク角θ
通過してNOになると、ステップSにおいて、クラン
ク角θcが膨張行程におけるクランク角θとθとの
間に入ったかどうかが、判断される。クランク角θc
が、θを越えθに達するまでは、当然NOと判断さ
れるので、ステップはSに進み、第1アクチュエータ
42が駆動されて、弁装置36が閉じられる。
【0020】ステップSSにおいてYESと判断され
ると、ステップSに進み、エンジン負荷を表わす燃料
噴射ポンプのコントロールレバー位置Lp及びエンジン
回転数Neが読み込まれ、続いて、ステップSにおい
て、エンジンの運転状態に応じた燃焼ガス貯溜室32へ
の排気ガス流入量を設定する流入開始クランク角θa
(弁装置36の開放時期)及び流入終了クランク角θb
(弁装置36の閉止時期)が設定される。即ち、上記燃
焼ガス貯溜室32は、図1に示されている可動壁部材又
はピストン44が右方行程端まで変位したとき、そのエ
ンジンが必要とする最大のEGR量が得られるような容
積を有するが、エンジンの負荷Lp及び回転数Neに応
じ、適切なEGR量が、弁装置36の開閉クランク角θ
a及びθbにより設定されるのである。
【0021】次に、ステップSにおいて、クランク角
θcが上記θa以上になったかどうかが調べられる。ま
だθaに達しないNOの時は、勿論弁装置36は閉状態
に維持され、θa以上になったYESのときは、ステッ
プS10に進み、弁装置36が開かれると共に、第2ア
クチュエータ52が消勢される。従って、ピストン44
が副室22から流入する燃焼ガス圧力とリターンスプリ
ング50のばね力とによって右動する。ステップS11
において、クランク角θcが、エンジンの運転状態に応
じ設定されたθbに達したと判定されると、ステップS
12において第1アクチュエータ42により弁装置36
が閉止され、燃焼ガス貯溜室32には設定量の排気ガス
が貯溜され、プログラムはリターンする。
【0022】なお、燃焼ガス貯溜室32内に貯溜される
燃焼ガスの圧力は、多少の流入慣性を考慮しても、流入
終了時期θbにおける副室22内の燃焼ガス圧力で略定
まるので、圧縮行程における燃焼ガス還流の終了時期
は、図2の筒内圧力線図において、圧縮行程中の筒内圧
力が、クランク角θbにおける筒内圧力より低い時点で
燃焼ガスの供給が終了するように、クランク角θを設
定することが好ましく、これによって、第2アクチュエ
ータ52に要求される圧送能力を小さくすることがで
き、小型のアクチュエータで燃焼ガスを還流させること
が可能となる。
【0023】上記本発明の構成によれば、膨張行程の中
期に副室22から燃焼ガス貯溜室32に貯溜された燃焼
ガスが、圧縮行程において吸気弁Viが閉じたのち副室
22に還流されるので、エンジンの新気吸入量が減少す
ることがなく、空気過剰率の低減によるスモーク発生の
不具合を有効に解消することができ、また副室22にの
みEGRが行なわれるので、予混合燃焼が抑制されるこ
とによってNOが低減され、主燃焼室での拡散燃焼は
促進されるため、この点からもスモークの発生が抑止さ
れる。上記の結果、EGRが可能なエンジンの運転領域
を拡大し、実質的にエンジンの如何なる運転状態でも、
スモークの発生を有効に抑止しながら、適切なタイミン
グで適切な量のEGRを行なうことができることとな
り、NOの低減が極めて効果的に達成される利点があ
る。
【0024】さらに、上記本発明の構成によれば、前記
既提案の装置のように、排気ガス圧送用の副シリンダ即
ち構造極めて複雑かつ高価な往復式ポンプ装置及び付帯
する配管や接手等を必要とせず、通常シリンダ14の排
気容積に対して0.5〜1.0%程度の小さい容積の燃
焼ガス貯溜室32と、同貯溜室に収容される小型の可動
壁部材又はピストン44と、同可動壁部材を駆動する小
容量の第2アクチュエータ52と、小型のロータリバル
ブ等の弁装置36など、すべての構成部材が構造簡単か
つ小型軽量な部材で構成されるので、製造コストが安
く、運転騒音が小さく、また可動壁部材の駆動に費やさ
れるエンジンの出力損失が小さい利点があり、また本質
的に構造複雑なシリンダヘッド18の内部又はこれに隣
接して配置し得るスペース的利点もある。
【0025】なおまた、上記膨張行程中期に燃焼ガスを
燃焼ガス貯溜室32内に貯溜して圧縮行程中に副室22
に還流することに加え、NOの発生量が多い高速高負
荷運転時に、図2の筒内圧線図において、圧縮上死点付
近のクランク角θで、一時的に弁装置36を開くと共
に、第2アクチュエータ52を消勢して副室22から燃
焼ガス貯溜室32への燃焼ガスの流入を許容すると、一
時的に副室22の燃焼室容積が増大したこととなって燃
焼温度が低下し、この結果、NOの発生をさらに低減
し得る追加の利点がある。なお、図2の筒内圧線図にお
いて圧縮上死点付近に点線で示されているように、上記
一時的な弁装置36の開放及び第2アクチュエータ52
の消勢によって、筒内圧線図のピーク部分に、若干の圧
力低下が生じる。
【0026】上記実施例においては、弁装置36が狭い
スペースでの設置に適したロータリバルブとして例示さ
れているが、図3に示されているように、連通路34を
横切って丸棒又は板状の弁体36′を設け、同弁体3
6′をカムその他の駆動手段からなる第1アクチュエー
タ42によって矢印方向(図1の紙面に直角方向)に駆
動することによって、連通路34を開閉するスライドバ
ルブでも良く、さらに配置スペース上許容されれば、ポ
エット弁等でも良い。また、可動壁部材44としてピス
トンが例示されているが、ピストンに代えダイヤフラム
又はベローズ等を代替採用することができる。なおま
た、第2アクチュエータ52として、構造簡単で配置が
容易な電磁式アクチュエータが例示されているが、エア
シリンダ、油圧シリンダその他適宜のアクチュエータを
代替採用することができる。なおまた、上述した図4の
フローチャートも適宜修正を加えることができ、例えば
ステップS及びSにおけるクランク角θ,θ
θ及び〜θを、夫々エンジンの運転状態に応じ変更
することができ、この場合ステップSのエンジン負荷
Lp及びエンジン回転数Neの読み込みは、ステップS
のクランク角θcの読み込みと同時に行なわれること
が好ましい。
【0027】
【発明の効果】叙上のように、本発明に係る排気還流装
置付副室式エンジンは、シリンダ内の主燃焼室に噴孔を
介して連通する副室と、同副室に連通路を介して接続さ
れその内部に可動壁部材を具えた可変容積の燃焼ガス貯
溜室と、上記連通路に介装されて上記副室と上記燃焼ガ
ス貯溜室との連通を制御する弁装置と、上記弁装置を開
閉する第1のアクチュエータと、上記燃焼ガス貯溜室の
上記可動壁部材に作動的に連結されて上記燃焼ガス貯溜
室の容積を増減させる第2のアクチュエータと、エンジ
ンの運転状態に応じ上記第1及び第2アクチュエータを
制御して、膨張行程の所望期間に上記副室内の排気ガス
を上記連通路を介し上記燃焼ガス貯溜室内に流入させる
と共に、圧縮行程の所望期間に上記燃焼ガス貯溜室の容
積を減少させて上記燃焼ガス貯溜室内の上記燃焼ガスを
上記連通路を介し副室内に供給するように作動する制御
装置とを具備してなることを特徴とし、排出ガス中のN
Oxを低減することが必要なエンジンの実質的にすべて
の運転領域において、出力燃費等のエンジン性能、及び
スモーク性能を著しく損なうことなく、EGRを行なう
ことができ、これによってNOxを効果的に低減するこ
とができる構造簡単かつ安価な副室式エンジンを提供す
ることができ、更にEGR装置の作動のために費やすエ
ンジンの出力の消費が小さく、また運転騒音が小さいこ
の種エンジンを提供し得る利点がある。
【0028】また、本発明において、上記制御装置は、
エンジンの負荷及び回転数に応じて上記第1アクチュエ
ータを制御し、上記弁装置の膨張行程における開弁時期
を変化させることにより、エンジンの運転状態に応じ適
切な量のEGRを行なうことができ、排気ガス中のNO
を効果的に低減し得ると共に、スモークの発生を有効
に抑制し得る利点がある。さらに、上記制御装置は、膨
張行程の中期に上記副室内の排気ガスが燃焼ガス貯溜室
に供給されるように、上記第1及び第2アクチュエータ
を制御することにより、エンジンの出力を殆んど犠牲に
することなく、EGR用の排気ガスを貯溜室に取り入れ
ることができる利点がある。なおまた、膨張行程中に上
記副室から燃焼ガス貯溜室に流入する燃焼ガスの流入終
了時の圧力が、圧縮行程において上記燃焼ガス貯溜室内
の燃焼ガスの副室内への供給終了時における筒内圧力よ
り高く設定されることにより、NO の低減が必要な実
質的にすべてのエンジンの運転状態において、スモーク
性能の著しい悪化を伴なうことなく、効果的なEGRを
行ない、排出ガス性能の向上を達成し得る利点がある。
さらにまた、エンジンの高速高負荷運転時に、圧縮上死
点付近で上記弁装置を開き上記副室と燃焼ガス貯溜室と
を一時的に連通させることにより燃焼室容積を実質的に
増大させるように構成したことにより、NO の発生が
特に多いエンジンの運転領域において、EGRの効果と
相俟ってNO の発生を一層抑制し得る効果がある。
【0029】 また本発明の実施に際して、上記弁装置
が、上記第1アクチュエータによって、上記連通路を閉
止して上記副室と燃焼ガス貯溜室との連通を遮断する閉
位置と、上記連通路を開通して上記副室と燃焼ガス貯溜
室とを連通させる開位置の何れかに選択的に駆動される
ロータリバルブ又はスライドバルブとすることによっ
て、シリンダヘッドの狭いスペース内における弁配置が
容易になる追加の利点があり、さらに上記第2アクチュ
エータを、上記制御装置により付勢されたとき、上記可
動壁部材を一方向に駆動して上記燃焼ガス貯溜室の容積
を減少させるソレノイドと、上記制御装置により同ソレ
ノイドが消勢されたとき、上記可動壁部材を反対方向に
駆動して上記燃焼ガス貯溜室の容積を増大させるリター
ンスプリングとを有する電磁式アクチュエータにより構
成することによって、小型軽量かつ安価で運転騒音が小
さいEGR装置を提供し得る追加の利点がある。 さらに
また、上記可動壁部材が、シリンダ状をなす燃焼ガス貯
溜室内に摺動自在に嵌装されたピストンによって構成さ
れ、もしくは、上記可動壁部材が、上記燃焼ガス貯溜室
内に設けられ、その一方向の変位によって同貯溜室の容
積を増大し、反対方向の変位によって同貯溜室の容積を
減少するダイヤフラムによって構成されることにより、
上記第2アクチュエータを小型軽量でシリンダヘッド内
部又はその周辺の狭いスペースに配設し得る付加的の利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】通常の副室式エンジンの筒内圧と本発明に係る
副室式エンジンの筒内圧とを対比して示した線図であ
る。
【図3】図1に示したエンジンにおける弁装置36の変
形例を示した部分的断面図である。
【図4】図1におけるコントロールユニット又は制御装
置の作動態様を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…クランクケース、12…ピストン、14…シリン
ダ、18…シリンダヘッド、22…副室、24…口金、
26…噴孔、28…燃料噴射弁、32…燃焼ガス貯溜
室、34…連通路、36…弁装置、42…第1アクチュ
エータ、44…可動壁部材(ピストン)、46…アーマ
チヤ、48…ソレノイド、50…リターンスプリング、
52…第2アクチュエータ、54…コントロールユニッ
ト又は制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02B 19/08 F02B 19/08 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/07 580 F02M 25/07 570 F02B 17/00 F02B 19/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内の主燃焼室に噴孔を介して連
    通する副室と、同副室に連通路を介して接続されその内
    部に可動壁部材を具えた可変容積の燃焼ガス貯溜室と、
    上記連通路に介装されて上記副室と上記燃焼ガス貯溜室
    との連通を制御する弁装置と、上記弁装置を開閉する第
    1のアクチュエータと、上記燃焼ガス貯溜室の上記可動
    壁部材に作動的に連結されて上記燃焼ガス貯溜室の容積
    を増減させる第2のアクチュエータと、エンジンの運転
    状態に応じ上記第1及び第2アクチュエータを制御し
    て、膨張行程の所望期間に上記副室内の排気ガスを上記
    連通路を介し上記燃焼ガス貯溜室内に流入させると共
    に、圧縮行程の所望期間に上記燃焼ガス貯溜室の容積を
    減少させて上記燃焼ガス貯溜室内の上記燃焼ガスを上記
    連通路を介し上記副室内に供給するように作動する制御
    装置とを具備したことを特徴とする排気還流装置付副室
    式エンジン。
  2. 【請求項2】 上記可動壁部材が、シリンダ状をなす上
    記燃焼ガス貯溜室内に摺動自在に嵌装されたピストンで
    あり、上記アクチュエータが、上記制御装置により付勢
    されたとき、上記ピストンを一方向に駆動して上記燃焼
    ガス貯溜室の容積を減少させるソレノイドと、上記制御
    装置により同ソレノイドが消勢されたとき、上記可動壁
    部材を反対方向に駆動して上記燃焼ガス貯溜室の容積を
    増大させるリターンスプリングとを有する電磁式アクチ
    ュエータであることを特徴とする請求項1記載の排気還
    流装置付副室式エンジン。
  3. 【請求項3】 上記制御装置は、膨張行程の中期に上記
    副室内の排気ガスが燃焼ガス貯溜室に供給されるよう
    に、上記第1及び第2アクチュエータを制御することを
    特徴とする請求項1記載の排気還流装置付副室式エンジ
    ン。
  4. 【請求項4】 上記制御装置は、エンジンの負荷及び回
    転数に応じて上記第1アクチュエータを制御し、上記弁
    装置の膨張行程における開弁時期を変化させることを特
    徴とする請求項1記載の排気還流装置付副室式エンジ
    ン。
  5. 【請求項5】 膨張行程中に上記副室から燃焼ガス貯溜
    室に流入する燃焼ガスの流入終了時の圧力が、圧縮行程
    において上記燃焼ガス貯溜室内の燃焼ガスの副室内への
    供給終了時における筒内圧力より高く設定されたことを
    特徴とする請求項1記載の排気還流装置付副室式エンジ
    ン。
  6. 【請求項6】 エンジンの高速高負荷運転時に、圧縮上
    死点付近で上記弁装置を開き上記副室と燃焼ガス貯溜室
    とを一時的に連通させることにより燃焼室容積を実質的
    に増大させるように構成したことを特徴とする請求項1
    記載の排気還流装置付副室式エンジン。
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