JP3254799B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JP3254799B2
JP3254799B2 JP07718293A JP7718293A JP3254799B2 JP 3254799 B2 JP3254799 B2 JP 3254799B2 JP 07718293 A JP07718293 A JP 07718293A JP 7718293 A JP7718293 A JP 7718293A JP 3254799 B2 JP3254799 B2 JP 3254799B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマー
組成物に関する。更に詳しくは、機械的性質に優れ、加
硫ゴム代替が可能なオレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマー(以下、「TP
E」と言う。)は加硫工程が不要であり、通常の熱可塑
性樹脂の成形機で加工が可能と言う特徴をいかして、自
動車部品、家電部品或いは雑貨等を始めとする広い分野
において用途が開発されてきている。この中でオレフィ
ン系TPE組成物は、特開昭48-26838号公報等により公
知である。しかし、この組成物は加硫ゴム代替分野に対
しては柔軟性、引張り破断強度、破断伸びや圧縮永久歪
み等の点で加硫ゴムより劣るため、用途に限界がある。
これらの性能を改良する為、鉱物油系軟化剤やペルオキ
シド非架橋型炭化水素系ゴム状物質の添加による柔軟性
の付与や、架橋助剤を併用して架橋度を高め圧縮永久歪
みを改良する試みが種々なされている。(例えば、特公
昭56-15740号公報等)。
【0003】然しながら、これらの組成物では、仮に架
橋度を高めて圧縮永久歪みを改良したとしても、そのた
めに柔軟性の低下や引張試験における破断強度や破断伸
びの低下あるいは組成物表面への軟化剤のブリード等が
起こり、物性バランスの優れたオレフィン系TPE組成
物を得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】斯かる現状において本
願発明が解決すべき課題は、オレフィン系TPE、特に
低硬度(ショアーA硬度で90以下)のオレフィン系T
PEにおいて、柔軟性、機械的特性(特に引張り破断強
度、破断伸び、圧縮永久歪み)で加硫ゴム代替が可能
で、ブロー成形性、押出成形性又は射出成形性等の良好
なオレフィン系TPE組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記従来法
の欠点を克服するために鋭意研究を重ねた結果、予め特
定の鉱物油系軟化剤を含有させた油展オレフィン系共重
合体軟化剤ゴムとエチレン系重合体樹脂を用い、これら
を含有する混合物を部分架橋してなる組成物が柔軟性、
機械的特性に優れていることを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち本発明は、100℃ムーニー粘度(M
1+4 100℃)が120〜350であるオレフィン系
共重合体ゴム100重量部当たり、鉱物油系軟化剤を2
0〜150重量部含有する油展オレフィン系共重合体ゴ
ム(A)40〜95重量%とエチレン系重合体樹脂
(B)5〜60重量%の合計100重量に対し、有機過
酸化物(C) 0.005〜2.0 重量部、架橋助剤(D)
0.01〜4.0 重量部、ポリブテン、ポリイソブチレンおよ
びブチルゴムから選ばれる少なくとも1種の重合体
(E) 0〜100重量部、並びにプロピレン系重合体
樹脂(F) 5〜100重量部からなる混合物を部分架
橋してなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成
物に関するものである。以下本発明につき具体的に詳述
する。
【0006】本発明において油展オレフィン系共重合体
ゴム(A)で使用されるオレフィン系共重合体ゴムと
は、例えばエチレン−プロピレン系共重合体ゴム、エチ
レン−プロピレン−非共役ジエン系ゴム、エチレン−ブ
テン−非共役ジエン系ゴム、プロピレン−ブタジエン系
共重合体ゴムの如く、オレフィンを主成分とする無定型
ランダムな弾性共重合体である。これらの中で、特にエ
チレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴムが好ましい。
非共役ジエンとしてはジシクロペンタジエン、1,4−
ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボル
ネン、エチリデンノルボルネン等があるが、特にエチリ
デンノルボルネンが好ましい。
【0007】より好ましい具体的な例としては、プロピ
レン含有量が10〜55重量%、好ましくは20〜40
重量%、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエン含有
量が1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%のエチ
レン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴ
ム(以下、「EPDM」という。)であり、且つその1
00℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が、120〜
350、好ましくは140〜300である。プロピレン
含有量が10重量%より少ないと柔軟性が失われ、55
重量%より多いと機械的特性が低下する傾向にある。エ
チリデンノルボルネンに代表される非共役ジエン含有量
が1%より少ないと機械的特性が低下し、30重量%よ
り多いと射出成形性が低下する傾向にある。100℃ム
ーニー粘度(ML1+4 100℃)が、120より低いと
機械的特性が失われ、350より高いと成形品の外観が
損なわれる。然るに、ムーニー粘度が120〜350の
EPDMを用いると機械的特性が大きく、引張破断強度
や破断伸びを飛躍的に向上させ、又架橋効率が高くなる
ことで、機械的性質、特に強度、圧縮永久歪みの向上を
もたらす。EPDMは公知の方法で製造されたものを用
いることが出来る。
【0008】次に、本発明で使用される鉱物油系軟化剤
とは、加工性の改良や機械的特性を改良する目的で配合
される高沸点の石油留分でパラフィン系、ナフテン系又
は芳香族系等があるが、パラフィン系が好ましく用いら
れる。芳香族成分が多くなると汚染性が強くなり、透明
製品或は明色製品を目的とする用途に限界を生じ、好ま
しくない。
【0009】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)は、
オレフィン系共重合体ゴム100重量部あたり鉱物油系
軟化剤を20〜150重量部、好ましくは30〜120
重量部含有するものである。20重量部より少ないとオ
レフィン系TPE組成物の流動性が低下し、特に押出加
工性と射出成形性が損なわれる。一方、150重量部よ
り多くなると可塑性が著しく増加して加工性が悪くな
り、その上、製品の物性などの性能が低下するので好ま
しくない。そして、油展オレフィン系共重合体ゴム
(A)の100℃ムーニー粘度(ML 1+4 100℃)
は、好ましくは30〜100、より好ましくは40〜9
0である。30より低いと機械的特性が失われ、100
より高いと成形加工が困難になる傾向にある。
【0010】ムーニー粘度が120〜350のEPDM
を用いて鉱物油系軟化剤を大量に配合すると、柔軟性の
確保と流動性の向上による加工性の改良、及び機械的特
性の改良を同時に満足させることの可能なオレフィン系
TPE組成物を得ることが出来る。一般にオレフィン系
TPE組成物には流動性向上剤として鉱物油系軟化剤が
用いられているが、本研究者らの研究によれば、油展E
PDMを用いない場合にはEPDMの粘度には関係な
く、EPDM100重量部当たり鉱物油系軟化剤を40
重量部以上配合すると、TPE組成物表面に軟化剤のブ
リードが発生し、製品の汚染、粘着等がみられて好まし
くない。然し、100℃ムーニー粘度が120〜350
のEPDM100重量部当たり20〜150重量部の鉱
物油系軟化剤を予め配合した油展EPDMを用いると、
軟化剤のブリードがなく、製品の汚染や粘着が認められ
ず、かつ破断強度、破断伸び、圧縮永久歪みなどの物性
の秀れたTPE組成物を得ることが出来る。この鉱物油
系軟化剤の配合比が大きいにもかかわらず、軟化剤のブ
リードが認められないのは、ムーニー粘度の高いEPD
Mを用いると鉱物油系軟化剤の許容油展量の上限が上昇
すること、予め好適に加えられた軟化剤がEPDMの中
に均一分散する為等と考えられる。
【0011】EPDMの油展方法は公知の方法が用いら
れる。例えば、ロールやバンバリーミキサーのような装
置を用い、EPDMと鉱物油系軟化剤を機械的に混練す
る方法で油展する方法、あるいはEPDM溶液に所定量
の鉱物油系軟化剤を添加し、その後、スチームストリッ
ピング等の方法により脱溶媒して得る方法などがある。
このうち好ましい油展方法としてはEPDM溶液を用い
る方法であり、EPDM溶液は重合で得られるEPDM
溶液を用いる方が、操作が容易である。
【0012】本発明におけるエチレン系重合体樹脂
(B)としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(エチレ
ン単位が85モル%を越えるエチレンと炭素数3ないし
10のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。)、エ
チレン単位が85モル%を越えるエチレンと酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き
極性基とオレフィン系二重結合を有する単量体との共重
合体などのポリエチレン系樹脂を好ましく例示すること
ができ、なかでもメルトインデックス(190℃)が0.
01ないし200g/10分、とくに 0.1ないし100g
/10分のポリエチレン系樹脂が好ましい。このような
(B)成分のエチレン系重合体樹脂は動的に熱処理する
工程で、(A)成分の油展オレフィン系共重合体ゴムと
部分共架橋することにより本発明の熱可塑性エラストマ
ー組成物の強度の上昇に寄与する。
【0013】(B)成分の配合効果を達成するために、
エチレン系重合体樹脂(B)は油展オレフィン系共重合
体ゴム(A)との重量比(A)/(B)が40/60な
いし95/5、好ましくは60/40ないし90/10
となるように配合する。95/5より(B)成分が少な
いと(B)成分添加の目的が達せられず、40/60よ
り(B)成分が多いと熱可塑性エラストマー組成物の流
動性が低下し、成形性が悪化する。
【0014】本発明においては必要に応じてポリブテ
ン、ポリイソブチレンおよびブチルゴムから選ばれる少
なくとも1種の重合体(E)を配合することができる。
これらのうちでは、ポリイソブチレンが性能および取扱
上最も好ましい。
【0015】油展オレフィン共重合体ゴム(A)及びエ
チレン系重合体樹脂(B)からなる混合物を部分架橋さ
せる有機過酸化物(C)としては、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシ
ン−3、ジクミルパーオキシド等がある。これらの中で
は臭気性、スコーチ性の点で特に2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好まし
い。
【0016】有機過酸化物(C)の添加量は油展オレフ
ィン系共重合体ゴム(A)とエチレン系重合体樹脂
(B)の合計100重量部に対して 0.005〜2.0 重量
部、好ましくは0.01〜 0.6の範囲で選ぶことが出来る。
0.005重量部未満では架橋反応の効果が小さく、 2.0重
量部を超えると反応の制御が難しく、又経済的にも有利
ではない。
【0017】本発明の組成物を製造する際、有機過酸化
物による部分架橋生成時に架橋助剤(D)として、N,
N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビス
マレイミド、P−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、
ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、ジビ
ニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、
ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレー
ト等の多官能性化合物が配合される。このような化合物
の配合により、均一且つ緩和な架橋反応が起こり、機械
的特性を向上させることが可能である。
【0018】該架橋助剤(D)の添加量は油展オレフィ
ン系共重合体ゴム(A)とエチレン系重合体樹脂(B)
の合計100重量部に対して、0.01〜4.0 重量部の範囲
で選ぶことが出来る。好ましくは0.05〜2.0 重量部であ
る。0.01重量部未満では効果が現れ難く、4重量部超え
ることは経済的に有利ではない。
【0019】本発明において使用されるプロピレン系重
合体樹脂(F)は、ポリプロピレン又はプロピレンと炭
素数が2以上のα−オレフィンとの共重合体樹脂が好ま
しい。炭素数が2以上のα−オレフィンの具体例として
はエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−
1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−
1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン等がある。これら重合体樹脂のメルトフローレートは
好ましくは 0.1〜100g/10分であり、より好まし
くは 0.5〜50g/10分の範囲である。メルトフロー
レートが 0.1g/10分より小さくても100g/10
分より大きくても加工性に問題点が生じてくる。又、本
発明によるエラストマー組成物中のプロピレン系重合体
樹脂(F)の量は、油展オレフィン系共重合体ゴム
(A)とエチレン系重合体樹脂(B)の合計100重量
部に対して、5〜100重量部である。好ましくは10
〜70重量部である。
【0020】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)、エ
チレン系重合体樹脂(B)、有機過酸物(C)、架橋助
剤(D)、必要により重合体(E)、およびプロピレン
系重合体樹脂(F)からなる混合物を部分架橋して熱可
塑性エラストマー組成物を得る具体的製法につき以下説
明する。油展オレフィン系共重合体ゴム(A)、エチレ
ン系重合体樹脂(B)、有機過酸化物(C)、架橋助剤
(D)、必要により重合体(E)、およびプロピレン系
重合体樹脂(F)等を特定の割合で混合し、動的に熱処
理する。即ち溶融して混練する。混合混練装置としては
従来より公知の非開放型バンバリーミキサー、二軸押出
機等が用いられる。混練温度は150℃〜300℃で1
〜30分位行えばよい。この組成物の製造において必要
により、無機充填剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止
剤、着色剤等の副資材を配合することが出来る。
【0021】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)、エ
チレン系重合体樹脂(B)、架橋助剤(D)、必要によ
り重合体(E)、およびプロピレン系重合体樹脂(F)
等を配合、混練する際の好ましい方法としては、油展オ
レフィン系共重合体ゴム(A)、エチレン系重合体樹脂
(B)、架橋助剤(D)、およびプロピレン系重合体樹
脂(F)との混合物、必要により更に重合体(E)や前
記副資材を所定の割合で配合し、公知の非解放型混練機
のバンバリーミキサー等を用いて150〜250℃の温
度範囲で充分混練均一化を図った後、この組成物を有機
過酸化物(C)とタンブラー又はスーパーミキサー等の
密閉式混合機で充分にブレンドする。次いで、このブレ
ンド物を強混練力の得られる二軸連続押出機を用いて、
200℃〜300℃で動的に熱処理することにより、部
分架橋になる熱可塑性エラストマー組成物を得ることが
出来る。
【0022】前記副資材としては、例えば、帯電防止剤
の具体例として、以下のようなものがある。すなわち、
(イ)第一級アミン塩、第三級アミン、第四級アンモニ
ウム化合物、ピリジン誘導体等のカチオン系のもの、
(ロ)硫酸化油、石ケン、硫酸化エステル油、硫酸化ア
ミド油、オレフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコー
ル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エ
チルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスル
ホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン系のもの、
(ハ)多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪ア
ルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレ
ンオキサイド付加物、脂肪酸アミノまたは脂肪酸アミド
のエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエ
チレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレ
ンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エ
ステルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリ
コール等の非イオン系のもの、(ニ)カルボン酸誘導
体、イミダゾリン誘導体等の両性系のものが一般に使用
可能であるが、特に非イオン系、中でもポリオキシエチ
レンアルキルアミンやポリオキシエチレンアルキルアミ
ドないしそれらの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸
エステル等が好ましい。
【0023】上記の帯電防止剤は、単一の種類のものを
用いても、2種以上の混合物を用いても良い。また、そ
の配合量は本発明による熱可塑性エラストマー組成物1
00重量部に対し、好ましくは約0.03〜2重量部、より
好ましくは約0.04〜1重量部である。配合割合をこれ以
上にすると、表面への滲出、熱可塑性エラストマー組成
物とした場合の物性低下等がおこり、好ましくない。こ
の帯電防止剤の添加により、柔軟性を有し、かつ、ベタ
ツキ感のない成形品が得られる。また、ベタツキ感及び
軟化剤のブリードがなくなることによる埃等の付着が減
少すると同時に、帯電防止剤本来の働きである帯電性が
減少し、帯電による埃の付着も減少する。
【0024】一方、成形品表面の性状として、滑り性が
望まれる場合もあるが、これに対しては高級脂肪酸アミ
ドを使用することができる。該高級脂肪酸アミドの具体
例としては、ラウリン酸アミド、バルミチン酸アミド、
ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドなどの飽和脂肪
酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブライ
ジン酸アミド、エライジン酸アミドなどの不飽和脂肪酸
アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビ
スオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンビスオレイン酸アミドなどのビス脂肪酸ア
ミドなどが用いられる。特に好ましい高級脂肪酸アミド
としては、融点が約70℃から110℃の化合物であ
る。上記の高級脂肪酸アミドの配合量は、本発明による
熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対し、好ま
しくは約0.03〜2重量部、より好ましくは約0.04〜1重
量部である。配合割合をこれ以上にすると、表面への高
級脂肪酸アミドの滲出、熱可塑性エラストマー組成物の
物性低下等がおこり、好ましくない。
【0025】前記副資材は本発明によるエラストマー組
成物を製造する段階においても、加工時又は加工後の製
品の使用時においても配合することが可能である。
【0026】本発明の熱可塑性エラストマー組成物にお
いては強度、成形性およびゴム的性質を損わない範囲
で、無機充填剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシ
ウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ
土、雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫
酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシ
ウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、
ガラス球、シラスバルーン、カーボン繊維等あるいは着
色剤、例えばカーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、
べんがら、群青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レー
キ顔料、フタロシアニン顔料等を配合することができ
る。
【0027】本発明ではまたフェノール系、サルファイ
ト系、フェニルアルカン系、フォスフアイト系あるいは
アミン系安定剤の如き公知の酸化防止剤、耐候剤等をオ
レフィン系プラスチックあるいはオレフィン系共重合体
ゴムで使用する程度配合することができる。
【0028】また(C)有機過酸化物の分解を促進する
ために、トリスエチルアミン、トリブチルアミン、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノ)フェノール等の三級
アミンやアルミニウム、コバルト、パナジウム、銅、カ
ルシウム、ジルコニウム、マンガン、マグネシウム、
鉛、水銀等のナフテン酸塩、オクタン酸塩等の有機金属
カルボン酸塩を動的に熱処理する工程で併用することも
できる。
【0029】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
通常の熱可塑性プラスチックで使用されている装置で成
形でき、押出成形、カレンダー成形やとくに射出成形に
適している。本発明の製造方法で得られた組成物は、部
分架橋されているため、耐熱性、耐候性、引張特性、柔
軟性および反撥弾性等のゴム的性質が優れており、かつ
流動性が良好であるため、大型肉厚製品とした際、フロ
ーマークやひけのない外観の良好な製品が得られる。
【0030】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の用
途としては、ボデイパネル、バンパー部品、サイドシー
ルド、ステアリングホイール等の自動車部品、靴底、サ
ンダル等の履物、電線被覆、コネクター、キャッププラ
グ等の電気部品、ゴルフクラブグリップ、野球バットグ
リップ、水泳プール、水泳用フイン、水中眼鏡等のレジ
ャー用品、ガスケット、防水布、ガーデンホース、ベル
ト等の製品が挙げられる。本発明の熱可塑性エラストマ
ーは、とくにバンパー部品の如き大型肉厚製品の用途に
適している。
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではない。尚、これらの実施例および比較例にお
けるシート成形加工及び物性測定に用いた試験方法は以
下の通りである。 (1)ムーニー粘度(ML1+4 100℃):ASTM
D−927−57Tに準拠した。EPDMについて数1
で算出した。
【0032】
【数1】 log(ML1 /ML2 )=0.0066(△PHR) ML1 :EPDMのムーニー粘度 ML2 :油展EPDMのムーニー粘度 △PHR:EPDM 100重量部当たりの油展量
【0033】(2)硬度:ASTM D−2240に準
拠した。(Aタイプ、瞬間値) (3)破断点応力:JIS K−6301に準拠した。
(JIS−3号ダンベル、引張り速度200mm/mi
n) (4)破断点伸び:同上 (5)圧縮永久歪み:JIS K−6301に準拠し
た。(70℃、22Hr、圧縮率25%)
【0034】(6)射出成形性:東芝機械社製IS10
0EN−3A型射出成形機使用。 成形温度220℃、金型温度50℃、射出10秒、冷却
30秒。 金型形状150mm×90mm×2mmピンゲート使用。 フローマーク、ひけの有無について観察した。判定ラン
クは以下の通り。 フローマーク、ひけについて ○:なし。 △:ごく限られた範囲にのみ見られる。 ×:全面にわたり見られる。
【0035】(7)押出成形性:ユニオンプラスチック
製USV型25mmφ押出機。 フルフライトタイプスクリュー、スクリュー回転数30
rpm。Tダイを使用し、判定は押出肌について行っ
た。判定ランクについては以下の通り。 ○:優れる △:良 ×:不良
【0036】(8)オイルブリード性:射出成形品を7
0℃オーブン中に1時間放置し、成形品表面にブリード
するオイルを目視にて観察。判定ランクは以下の通り。 ○:ブリードは全くなし。 △:ブリードがわずか有り。 ×:ブリード有り。
【0037】実施例1 EPDM(ML1+4 100℃=143、プロピレン含量
=30重量%、ヨウ素価=10)の5重量%ヘキサン溶
液中に、EPDM100重量部当り鉱物油系軟化剤(出
光興産、ダイアナプロセスオイルPW−380)40重
量部を添加し、その後スチームストリッピングで脱溶媒
した油展EPDM(ML1+4 100℃=53)72重量
部、ビスタネックスMML−100(ポリイソブチレ
ン、エッソ化学社製)7重量部、密度が 0.920g/cm3
エチレン−ブテン−1共重合体樹脂(スミカセン−L
FA201−0、住友化学社製)14重量部、ポリプロ
ピレン(MFR=12g/10分、住友ノーブレンFL
8013)7重量部、およびスミライザーBM(N,
N’−m−フェニレンビスマレイミド、住友化学社製)
0.2重量部をバンバリーミキサーで170〜200℃×
7分間混練した後、押出機を用いてペレット状マスター
バッチを作製した。次いで、マスターバッチ100重量
部当り0.05重量部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン(以下、「有機過酸化
物」と記す。)をヘンシェルミキサーを用いて均一ブレ
ンド操作を10分間行った。このブレンド物を強混練力
の得られる2軸混練押出機を用いて、220℃±10℃
で70秒間動的熱処理を行い、部分架橋してなる熱可塑
性エラストマー組成物を得た。得られたエラストマー組
成物の物性及び成形性評価などを行った。硬度、引張試
験、圧縮永久歪みの物性測定には射出成形で得た2mm厚
のプレートを用いた。評価結果は表1に示す。
【0038】比較例1 実施例1においてマスターバッチを製造する際、油展E
PDM72重量部をJSR EP−24(ML1+4 10
0℃=70、プロピレン含量=44重量%、ヨウ素価=
12のEPDM、日本合成ゴム社製)50重量部および
鉱物油系軟化剤PW−380 22重量部に代えた他は
実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。
【0039】実施例2〜3 実施例1で得られたエラストマー組成物(中間組成物)
100重量部に対して、FL8013またはFA201
−0を20重量部配合し、成形、物性評価を行った。結
果を表1に示す。
【0040】比較例2〜3 比較例1で得られたエラストマー組成物(中間組成物)
100重量部に対して、FL8013またはFA201
−0を20重量部配合し、成形、物性評価を行った。結
果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、オ
イルブリードが極めて少なく、機械的性質、外観等に優
れた熱可塑性エラストマー組成物を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−28232(JP,A) 特開 平1−103639(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100℃ムーニー粘度(ML1+4 100
    ℃)が120〜350であるオレフィン系共重合体ゴム
    100重量部当たり、鉱物油系軟化剤を20〜150重
    量部含有する油展オレフィン系共重合体ゴム(A)40
    〜95重量%とエチレン系重合体樹脂(B)5〜60重
    量%の合計100重量に対し、有機過酸化物(C)
    0.005〜2.0 重量部、架橋助剤(D) 0.01〜4.0 重量
    部、ポリブテン、ポリイソブチレンおよびブチルゴムか
    ら選ばれる少なくとも1種の重合体(E) 0〜100
    重量部、並びにプロピレン系重合体樹脂(F) 5〜1
    00重量部からなる混合物を部分架橋してなることを特
    徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】オレフィン系共重合体ゴムが、エチレン−
    プロピレン−非共役ジエン系ゴムである請求項1記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】エチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴ
    ムが、プロピレン含有量が10〜55重量%、エチリデ
    ンノルボルネン含有量が1〜30重量%のエチレン−プ
    ロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴムである
    請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)の1
    00℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が、30〜1
    00である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】エチレン系重合体樹脂(B)が、低密度ポ
    リエチレン、高密度ポリエチレンまたはエチレン−α−
    オレフィン共重合体樹脂である請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】鉱物油系軟化剤が、パラフィン系軟化剤で
    ある請求項1記載の組成物。
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