JP2985622B2 - カレンダー成形加工用熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

カレンダー成形加工用熱可塑性エラストマー組成物

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JP2985622B2
JP2985622B2 JP31550193A JP31550193A JP2985622B2 JP 2985622 B2 JP2985622 B2 JP 2985622B2 JP 31550193 A JP31550193 A JP 31550193A JP 31550193 A JP31550193 A JP 31550193A JP 2985622 B2 JP2985622 B2 JP 2985622B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマー
組成物に関する。更に詳しくは、機械的性質に優れ、ブ
リードが少なく外観良好な、加硫ゴム代替が可能なカレ
ンダー成形用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマー(以下、「TP
E」と言う。)は加硫工程が不要であり、通常の熱可塑
性樹脂の成形機で加工が可能と言う特徴をいかして、自
動車部品、家電部品或いは雑貨等を始めとする広い分野
において用途が開発されてきている。この中でオレフィ
ン系TPE組成物は、特開昭48-26838号公報等により公
知である。しかし、この組成物は加硫ゴム代替分野に対
しては柔軟性、引張り破断強度、破断伸びや圧縮永久歪
み等の点で加硫ゴムより劣るため、用途に限界がある。
これらの性能を改良する為、鉱物油系軟化剤やペルオキ
シド非架橋型炭化水素系ゴム状物質の添加による柔軟性
の付与や、架橋助剤を併用して架橋度を高め圧縮永久歪
みを改良する試みが種々なされている。(例えば、特公
昭56-15740号公報等)。
【0003】然しながら、これらの組成物では、仮に架
橋度を高めて圧縮永久歪みを改良したとしても、そのた
めに柔軟性の低下や引張試験における破断強度や破断伸
びの低下あるいは組成物表面への軟化剤のブリード等が
起こり、物性バランスの優れたオレフィン系TPE組成
物を得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】斯かる現状において本
願発明が解決すべき課題は、オレフィン系TPE、特に
低硬度(ショアーA硬度で90以下)のオレフィン系T
PEにおいて、ブリードが少なく外観良好な、柔軟性、
機械的特性(特に引張り破断強度、破断伸び、圧縮永久
歪み)で加硫ゴム代替が可能で、カレンダー成形性の良
好なオレフィン系TPE組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記従来法
の欠点を克服するために鋭意研究を重ねた結果、予め特
定の鉱物油系軟化剤を含有させた油展オレフィン系共重
合体ゴムとプロピレン系重合体樹脂を用い、この混合物
を部分架橋してなる組成物が柔軟性、機械的特性に優れ
ていることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち
本発明は、100℃ムーニー粘度(ML1+4100
℃)が120〜350であるオレフィン系共重合体ゴム
100重量部当たり、該オレフィン系共重合体ゴムを含
む溶液に鉱物油系軟化剤を添加し、その後脱溶媒して得
られ、該鉱物油系軟化剤を20〜150重量部含有する
油展オレフィン系共重合体ゴム(A)40〜95重量%
とプロピレン系重合体樹脂(B)5〜60重量%からな
る混合物を、有機過酸化物の存在下に動的に熱処理して
なる部分架橋組成物100重量部に対し、エチレン系重
合体樹脂(C)5〜100重量部および高級脂肪酸アミ
ド(D)0.03〜2重量部を含有してなることを特徴
とするカレンダー成形加工用熱可塑性エラストマー組成
物に関するものである。以下本発明につき具体的に詳述
する。
【0006】本発明において油展オレフィン系共重合体
ゴム(A)で使用されるオレフィン系共重合体ゴムと
は、例えばエチレン−プロピレン系共重合体ゴム、エチ
レン−プロピレン−非共役ジエン系共重合体ゴム、エチ
レン−ブテン−非共役ジエン系共重合体ゴム、プロピレ
ン−ブタジエン系共重合体ゴムの如く、オレフィンを主
成分とする無定型ランダムな弾性共重合体である。これ
らの中で、特にエチレン−プロピレン−非共役ジエン系
共重合体ゴムが好ましい。非共役ジエンとしてはジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタ
ジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネ
ン等があるが、特にエチリデンノルボルネンが好まし
い。
【0007】より好ましい具体的な例としては、プロピ
レン含有量が10〜55重量%、好ましくは20〜40
重量%、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエン含有
量が1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%のエチ
レン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴ
ム(以下、「EPDM」という。)であり、且つその1
00℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が、120〜
350、好ましくは140〜300である。プロピレン
含有量が10重量%より少ないと柔軟性が失われ、55
重量%より多いと機械的特性が低下する傾向にある。エ
チリデンノルボルネンに代表される非共役ジエン含有量
が1%より少ないと機械的特性が低下し、30重量%よ
り多いと射出成形性が低下する傾向にある。100℃ム
ーニー粘度(ML1+4 100℃)が、120より低いと
機械的特性が失われ、350より高いと成形品の外観が
損なわれる。然るに、ムーニー粘度が120〜350の
EPDMを用いると機械的特性が大きく、引張破断強度
や破断伸びを飛躍的に向上させ、又架橋効率が高くなる
ことで、機械的性質、特に強度、圧縮永久歪みの向上を
もたらす。EPDMは公知の方法で製造されたものを用
いることが出来る。
【0008】次に、本発明で使用される鉱物油系軟化剤
とは、成形加工性の改良や機械的特性を改良する目的で
配合される高沸点の石油留分でパラフィン系、ナフテン
系又は芳香族系等があるが、パラフィン系が好ましく用
いられる。芳香族成分が多くなると汚染性が強くなり、
透明製品或は明色製品を目的とする用途に限界を生じ、
好ましくない。
【0009】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)は、
オレフィン系共重合体ゴム100重量部あたり鉱物油系
軟化剤を20〜150重量部、好ましくは30〜120
重量部含有するものである。20重量部より少ないとオ
レフィン系TPE組成物の流動性が低下し、特にカレン
ダー成形加工性が損なわれる。一方、150重量部より
多くなると可塑性が著しく増加して加工性が悪くなり、
その上、製品の物性などの性能が低下するので好ましく
ない。そして、油展オレフィン系共重合体ゴム(A)の
100℃ムーニー粘度(ML 1+4 100℃)は、好まし
くは30〜100、より好ましくは40〜90である。
30より低いと機械的特性が失われ、100より高いと
成形加工が困難になる傾向にある。
【0010】ムーニー粘度が120〜350のEPDM
を用いて鉱物油系軟化剤を大量に配合すると、柔軟性の
確保と流動性の向上による加工性の改良、及び機械的特
性の改良を同時に満足させることの可能なオレフィン系
TPE組成物を得ることが出来る。一般にオレフィン系
TPE組成物には流動性向上剤として鉱物油系軟化剤が
用いられているが、本研究者らの研究によれば、油展E
PDMを用いない場合にはEPDMの粘度には関係な
く、EPDM100重量部当たり鉱物油系軟化剤を40
重量部以上配合すると、TPE組成物表面に軟化剤のブ
リードが発生し、製品の汚染、粘着等がみられて好まし
くない。然し、100℃ムーニー粘度が120〜350
のEPDM100重量部当たり20〜150重量部の鉱
物油系軟化剤を予め配合した油展EPDMを用いると、
軟化剤のブリードがなく、製品の汚染や粘着が認められ
ず、かつ破断強度、破断伸び、圧縮永久歪みなどの物性
の秀れたTPE組成物を得ることが出来る。この鉱物油
系軟化剤の配合比が大きいにもかかわらず、軟化剤のブ
リードが認められないのは、ムーニー粘度の高いEPD
Mを用いると鉱物油系軟化剤の許容油展量の上限が上昇
すること、予め好適に加えられた軟化剤がEPDMの中
に均一分散する為等と考えられる。
【0011】EPDM等のオレフィン系共重合体ゴムの
油展方法としては、オレフィン系共重合体ゴムを含む溶
液に所定量の鉱物油系軟化剤を添加し、その後、スチー
ムストリッピング等の方法により脱溶媒する方法が用い
られる。ここで、オレフィン系共重合体ゴムを含む溶液
としては、重合で得られる溶液を用いる方が、操作が容
易である。
【0012】本発明において使用されるプロピレン系重
合体樹脂(B)は、ポリプロピレン又はプロピレンと炭
素数が2以上のα−オレフィンとの共重合体樹脂が好ま
しい。炭素数が2以上のα−オレフィンの具体例として
はエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−
1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−
1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン等がある。これら重合体樹脂のメルトフローレートは
0.1〜100g/10分が好ましく、より好ましくは
0.5〜50g/10分の範囲である。メルトフローレー
トが 0.1g/10分より小さくても100g/10分よ
り大きくても成形加工性に問題点が生じてくる。又、本
発明によるオレフィン系TPE組成物中のプロピレン系
重合体樹脂(B)の量が5重量%より少ないと流動性が
低下して成形品の外観不良を招き、60重量%より多い
と柔軟性がなくなる。
【0013】本発明におけるエチレン系重合体樹脂
(C)としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(エチレ
ン単位が85モル%を越えるエチレンと炭素数3ないし
10のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。)、エ
チレン単位が85モル%を越えるエチレンと酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き
極性基及びオレフィン系二重結合を有する単量体との共
重合体などのポリエチレン系樹脂を好ましく例示するこ
とができ、なかでもメルトインデックス(190℃)が
0.01ないし200g/10分、とくに0.1ないし100
g/10分のポリエチレン系樹脂が好ましい。このよう
な(C)成分のエチレン系重合体樹脂は動的に熱処理す
る工程で配合し、(A)成分の油展オレフィン系共重合
体ゴムと部分共架橋することも可能であり、また、部分
架橋組成物を得た後に配合することも可能である。
【0014】(C)成分の配合効果を達成するために、
エチレン系重合体樹脂(C)の含有量は、部分架橋組成
物100重量部に対し、5〜100重量部、好ましくは
10〜80重量部である。成分(C)が5重量部未満で
はカレンダー成形性に劣り、100重量部を越えると耐
熱性が低下する。
【0015】本発明において、高級脂肪酸アミド(D)
の具体例としては、ラウリン酸アミド、バルミチン酸ア
ミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドなどの飽
和脂肪酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、
ブライジン酸アミド、エライジン酸アミドなどの不飽和
脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチ
レンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸
アミド、エチレンビスオレイン酸アミドなどのビス脂肪
酸アミドなどが用いられる。特に好ましい高級脂肪酸ア
ミドとしては、融点が約70℃から110℃の化合物で
ある。該高級脂肪酸アミド(D)は、動的に熱処理する
工程での配合も可能であり、また部分架橋組成物を得た
後に配合することも可能である。高級脂肪酸アミド
(D)の含有量は、本発明による部分架橋組成物100
重量部に対し、0.03〜2重量部、好ましくは0.04〜1重
量部である。含有量をこれ以上にすると、表面への高級
脂肪酸アミドの滲出、熱可塑性エラストマー組成物とし
た場合の物性低下等がおこり、好ましくない。
【0016】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)及び
プロピレン系重合体樹脂(B)からなる混合物を部分架
橋させる有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシ
ン−3、ジクミルパーオキシド等がある。これらの中で
は臭気性、スコーチ性の点で特に2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好まし
い。
【0017】有機過酸化物の添加量は油展オレフィン系
共重合体ゴム(A)とプロピレン系重合体樹脂(B)の
合計100重量部に対して 0.005〜2.0 重量部、好まし
くは0.01〜 0.6重量部の範囲で選ぶことが出来る。 0.0
05重量部未満では架橋反応の効果が小さく、 2.0重量部
を超えると反応の制御が難しく、又経済的にも有利では
ない。
【0018】本発明の組成物を製造する際、有機過酸化
物による部分架橋時に架橋助剤として、N,N’−m−
フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミ
ド、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニ
ルグアニジン、トリメチロールプロパン、ジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多
官能性の化合物を配合することが出来る。このような化
合物の配合により、均一且つ緩和な架橋反応が起こり、
機械的特性を向上させることが可能である。
【0019】該架橋助剤の添加量は油展オレフィン系共
重合体ゴム(A)とプロピレン系重合体樹脂(B)の合
計100重量部に対して、0.01〜4.0 重量部の範囲で選
ぶことが出来る。好ましくは0.05〜2.0 重量部である。
0.01重量部未満では効果が現れ難く、4重量部超えるこ
とは経済的に有利ではない。
【0020】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)及び
プロピレン系重合体樹脂(B)からなる混合物を、有機
過酸化物の存在下に動的に熱処理してなる部分架橋組成
物を得る具体的製法につき以下説明する。油展オレフィ
ン系共重合体ゴム(A)、プロピレン系重合体樹脂
(B)、及び有機過酸化物、必要に応じ更に架橋助剤等
を特定の割合で混合し、動的に熱処理する。即ち溶融し
て混練する。混合混練装置としては従来より公知の非開
放型バンバリーミキサー、二軸押出機等が用いられる。
混練温度は150℃〜300℃で1〜30分位行えばよ
い。この組成物の製造において必要により、無機充填
剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、着色剤等の副資
材を配合することが出来る。
【0021】更に詳しくは、油展オレフィン系共重合体
ゴム(A)およびプロピレン系重合体樹脂(B)、必要
により更に架橋助剤、エチレン系重合体樹脂(C)、高
級脂肪酸アミド(D)や前記副資材を所定の割合で配合
し、非解放型混練機のバンバリーミキサー等を用いて1
50〜250℃の温度範囲で充分混練均一化を図った
後、得られた組成物と有機過酸化物をタンブラー又はス
ーパーミキサー等の密閉式混合機で充分にブレンドす
る。次いで、このブレンド物を強混強力の得られる二軸
連続押出機等を用いて、200〜300℃で動的に熱処
理することにより、部分架橋組成物を得ることが出来
る。
【0022】前記副資材としては、例えば、帯電防止剤
の具体例として、以下のようなものがある。すなわち、
(イ)第一級アミン塩、第三級アミン、第四級アンモニ
ウム化合物、ピリジン誘導体等のカチオン系のもの、
(ロ)硫酸化油、石ケン、硫酸化エステル油、硫酸化ア
ミド油、オレフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコー
ル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エ
チルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスル
ホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン系のもの、
(ハ)多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪ア
ルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレ
ンオキサイド付加物、脂肪酸アミノまたは脂肪酸アミド
のエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエ
チレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレ
ンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エ
ステルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリ
コール等の非イオン系のもの、(ニ)カルボン酸誘導
体、イミダゾリン誘導体等の両性系のものが一般に使用
可能であるが、特に非イオン系、中でもポリオキシエチ
レンアルキルアミンやポリオキシエチレンアルキルアミ
ドないしそれらの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸
エステル等が好ましい。
【0023】上記の帯電防止剤は、単一の種類のものを
用いても、2種以上の混合物を用いても良い。また、そ
の配合量は本発明による部分架橋組成物100重量部に
対し、好ましくは約0.03〜2重量部、より好ましくは約
0.04〜1重量部である。配合割合をこれ以上にすると、
表面への滲出、熱可塑性エラストマー組成物とした場合
の物性低下等がおこり、好ましくない。この帯電防止剤
の添加により、柔軟性を有し、かつ、ベタツキ感のない
成形品が得られる。また、ベタツキ感及び軟化剤のブリ
ードがなくなることによる埃等の付着が減少すると同時
に、帯電防止剤本来の働きである帯電性が減少し、帯電
による埃の付着も減少する。
【0024】なお、前記副資材は、後述の本発明による
熱可塑性エラストマー組成物を製造する段階において
も、成形加工時又は成形加工後の製品の使用時において
も配合することが可能である。
【0025】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
には、流動性およびゴム的性質を損わない範囲で無機充
填剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレ
ー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、
アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウ
ム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化
モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、シ
ラスバルーン、カーボン繊維等あるいは着色剤、例えば
カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、べんがら、群
青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レーキ顔料、フタ
ロシアニン顔料等を配合することができる。本発明では
またフェノール系、サルファイト系、フェニルアルカン
系、フォスフアイト系あるいはアミン系安定剤の如き公
知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止
剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤等をオレフィン系
プラスチックあるいはオレフィン系共重合体ゴムで使用
する程度配合することができる。更に、本発明による熱
可塑性エラストマー組成物は、本発明の目的を損ねない
範囲内において、ポリイソブチレン等のポリマーを適宜
配合したものであってもよい。
【0026】本発明において、部分架橋組成物を得た後
に、(C)エチレン系重合体樹脂や(D)高級脂肪酸ア
ミドを均一に配合する際の好ましい方法としては、部分
架橋組成物のペレットとエチレン系重合体樹脂のペレッ
トおよび高級脂肪酸アミドをいったんV型ブレンダー、
タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシエル
ミキサー等で混合後、押出機、ミキシングロール、ニー
ダー、バンバリーミキサー等で混練する方法を挙げるこ
とができる。耐候剤、酸化防止剤、着色剤等は前記工程
のいずれの段階において配合してもよい。
【0027】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
は、通常の熱可塑性プラスチックで使用されているカレ
ンダー成形装置で成形したときのカレンダー成形加工性
に優れている。
【0028】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
は、また(A)成分が部分架橋されているため、耐熱
性、耐候性、引張特性、柔軟性および反撥弾性等のゴム
的性質が優れており、かつ流動性が良好であるため、カ
レンダー成形によるシートの高速加工が可能であり、外
観の良好な製品が得られる。
【0029】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
から得られるカレンダー成形シートの用途としては、ボ
デイパネル、サイドシールド、内装部品表皮等の自動車
部品、靴底、サンダル等の履物、水泳プール、水泳用フ
イン等のレジャー用品、ガスケット、防水布、ベルト等
の製品が考えられる。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではない。尚、これらの実施例および比較例にお
けるカレンダーシート成形加工及び物性測定に用いた試
験方法は以下の通りである。 (1)ムーニー粘度(ML1+4 100℃):ASTM
D−927−57Tに準拠した。EPDMについて数1
で算出した。
【0031】
【数1】 log(ML1 /ML2 )=0.0066(△PHR) ML1 :EPDMのムーニー粘度 ML2 :油展EPDMのムーニー粘度 △PHR:EPDM 100重量部当たりの油展量
【0032】(2)カレンダー成形加工性:判定は成形
シート肌について行った。判定ランクについては以下の
通り。 ○:優れる △:良 ×:不良
【0033】(3)オイルブリード性:カレンダー成形
加工シートを70℃オーブン中に1時間放置し、成形品
表面にブリードするオイルを目視にて観察。判定ランク
は以下の通り。 ○:ブリードは全くなし。 △:ブリードがわずか有り。 ×:ブリード有り。
【0034】実施例1 EPDM(ML1+4 100℃=143、プロピレン含量
=30重量%、ヨウ素価=10)の5重量%ヘキサン溶
液中に、EPDM100重量部当り鉱物油系軟化剤(出
光興産、ダイアナプロセスオイルPW−380)40重
量部を添加し、その後スチームストリッピングで脱溶媒
した油展EPDM(ML1+4 100℃=78)77重量
部、ビスタネックスMML−100(ポリイソブチレ
ン、エッソ化学社製)8重量部、ポリプロピレン(MF
R=12g/10分、住友ノーブレンFL8013)1
5重量部、エルカ酸アミド0.5重量部、およびスミライ
ザーBM(N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、
住友化学社製) 0.3重量部をバンバリーミキサーで17
0〜200℃×7分間混練した後、押出機を用いてペレ
ット状マスターバッチを作製した。次いで、マスターバ
ッチ100重量部当り 0.1重量部の2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(以下、
「有機過酸化物」と記す。)をヘンシェルミキサーを用
いて均一ブレンド操作を10分間行った。このブレンド
物を強混練力の得られる2軸混練押出機を用いて、22
0℃±10℃で70秒間動的熱処理を行い、部分架橋組
成物を得た。得られた部分架橋組成物100重量部に対
して、低密度ポリエチレン(スミカセンG801)を4
0重量部配合し成形、物性評価などを行った。評価結果
は表1に示す。
【0035】比較例1 実施例1においてマスターバッチを製造する際、油展E
PDM77重量部をJSR EP−24(ML1+4 10
0℃=70、プロピレン含量=44重量%、ヨウ素価=
12のEPDM、日本合成ゴム社製)55重量部および
鉱物油系軟化剤PW−380 22重量部に代えた他は
実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、オ
イルブリードが極めて少なく、機械的性質、外観等に優
れたカレンダー成形加工用熱可塑性エラストマー組成物
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 23/26 57:02 23:04) (56)参考文献 特開 昭54−16554(JP,A) 特開 昭57−209941(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 5/00 - 5/59 B29C 55/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100℃ムーニー粘度(ML1+4100
    ℃)が120〜350であるオレフィン系共重合体ゴム
    100重量部当たり、該オレフィン系共重合体ゴムを含
    む溶液に鉱物油系軟化剤を添加し、その後脱溶媒して得
    られ、該鉱物油系軟化剤を20〜150重量部含有する
    油展オレフィン系共重合体ゴム(A)40〜95重量%
    とプロピレン系重合体樹脂(B)5〜60重量%からな
    る混合物を、有機過酸化物の存在下に動的に熱処理して
    なる部分架橋組成物100重量部に対し、エチレン系重
    合体樹脂(C)5〜100重量部および高級脂肪酸アミ
    ド(D)0.03〜2重量部を含有してなることを特徴
    とするカレンダー成形加工用熱可塑性エラストマー組成
    物。
  2. 【請求項2】オレフィン系共重合体ゴムが、エチレン−
    プロピレン−非共役ジエン系共重合体ゴムである請求項
    1記載の組成物。
  3. 【請求項3】エチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴ
    ムが、プロピレン含有量が10〜55重量%、エチリデ
    ンノルボルネン含有量が1〜30重量%のエチレン−プ
    ロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴムである
    請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】油展オレフィン系共重合体ゴム(A)の1
    00℃ムーニー粘度(ML1+4100℃)が、30〜
    100である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】プロピレン系重合体樹脂(B)が、ポリプ
    ロピレン又はプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂
    である請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】鉱物油系軟化剤が、パラフィン系軟化剤で
    ある請求項1記載の組成物。
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