JP3254395B2 - セメント系建材および壁材の製造方法 - Google Patents

セメント系建材および壁材の製造方法

Info

Publication number
JP3254395B2
JP3254395B2 JP34045796A JP34045796A JP3254395B2 JP 3254395 B2 JP3254395 B2 JP 3254395B2 JP 34045796 A JP34045796 A JP 34045796A JP 34045796 A JP34045796 A JP 34045796A JP 3254395 B2 JP3254395 B2 JP 3254395B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten slag
cement
cooling
flow
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34045796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1130008A (ja
Inventor
公一 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP34045796A priority Critical patent/JP3254395B2/ja
Publication of JPH1130008A publication Critical patent/JPH1130008A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3254395B2 publication Critical patent/JP3254395B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融スラグを混和
材料として含む新規なセメント系建材、及び、壁材の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴミ焼却灰、下水汚泥の溶融
スラグが、タイルなどの焼成品、コンクリート、路盤材
などの用途に有効利用されつつある(例えば、特開平6
−339672号公報、特開平6−279084号公
報、特開平6−57715号公報参照)。
【0003】焼成品においては、溶融スラグを粘土及び
融材と混合して、成形および焼成することによって製品
化されており、この場合では溶融スラグは粘土の代替物
として用いられている。また、コンクリートにおいて
は、溶融スラグは、セメントモルタルに必要な砂の代替
として用いられている。
【0004】また、路盤材においては、アスファルトの
代替物として用いられている。これら従来技術において
は、溶融スラグの粒径は比較的大きなものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、溶融ス
ラグの用途が次第に拡大するに至っているが、未だ溶融
スラグを、セメント系建材(例えば壁材)の混和材料と
して用いる技術は開発されてはいない。溶融スラグを壁
材に用いるに際して問題となるのは、どの混和材料と置
換させるか、及び、溶融スラグをどのように処理して混
合するかである。
【0006】従来の壁材の混和材料としては、フライア
ッシュ、珪砂、パーライト、パルプ等の種々のものが用
いられており、強度、耐候性、比重等の各種の物性を良
好にするための最適な配合が研究・開発されている。溶
融スラグを混合することによって、上記の物性が極端に
悪化するものは実用性がない。例えば、壁材は、十分な
タワミ強度及び小さな比重(1.0程度)が要求される
とともに、釘打ち等がなされるために脆性が小さくなけ
ればならないが、上記た従来の溶融スラグを用いた成
形品はいずれも脆性に富むものであった。
【0007】本発明は、溶融スラグを粉末化することに
よりフライアッシュや珪砂と代替し得るという新たな発
見に基づき、ごみ焼却灰の溶融スラグ流又は下水汚泥焼
却灰の溶融スラグ流をシングルアトマイズ処理又はダブ
ルアトマイズ処理した溶融スラグ粉末を建材混和材料と
して用いた新規なセメント系建材を提供することを目的
とする。さらに、本発明は、前記溶融スラグ粉末を用い
た壁材の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、溶融ス
ラグを種々の粒径に粉砕し、かかる溶融スラグ粉末をセ
メント系建材の種々の混和材料と置換して、成形された
建材の物性を試験した結果、溶融スラグ粉末を、フライ
アッシュ又は珪砂と代替可能であることを見出した。
【0009】かかる発見に基づき、セメントと、フライ
アッシュと、その他の所要の材料とを混合して成形され
る建材において、前記フライアッシュの全部又は一部に
代えて溶融スラグ粉末を混合しており、該溶融スラグ粉
末は、ごみ焼却灰の溶融スラグ流又は下水汚泥焼却灰の
溶融スラグ流を旋回している冷却液層に注入して冷却凝
固するシングルアトマイズ処理又は前記溶融スラグ流を
ガスジェットの吹き付けで溶滴に分断し、これを旋回し
ている冷却液層に注入して冷却凝固するダブルアトマイ
ズ処理して髭状ガラス繊維又は綿状ガラス繊維とガラス
粒との混合物よりなることを特徴とするセメント系建材
を開発することができた。また、セメントと、珪砂と、
その他の所要の材料とを混合して成形される建材におい
て、前記珪砂の全部又は一部に代えて溶融スラグ粉末を
混合しており、該溶融スラグ粉末は、ごみ焼却灰の溶融
スラグ流又は下水汚泥焼却灰の溶融スラグ流を旋回して
いる冷却液層に注入して冷却凝固するシングルアトマイ
ズ処理又は前記溶融スラグ流をガスジェットの吹き付け
で溶滴に分断し、これを旋回している冷却液層に注入し
て冷却凝固するダブルアトマイズ処理して髭状ガラス繊
維又は綿状ガラス繊維とガラス粒との混合物よりなるこ
とを特徴とするセメント系建材を開発することができ
た。
【0010】これらのように、フライアッシュ又は珪砂
に代えて溶融スラグ粉末を混合したセメント系建材によ
れば、フライアッシュ又は珪砂を節約できるとともに、
溶融スラグの付加価値を高めることができ、上記した本
発明の産業上の利用価値は多大なものとなるし、溶融ス
ラグ(ガラス)が表面に存在することによって、光沢模
様ができて壁材として有益であるし、溶融スラグを混合
することで配合割合にもよるが釘打の際にクラックの発
生を少なくできる。
【0011】溶融スラグ粉末は、メジアン径が40μm
以下に微粉化するのが好ましい。このように微粉化され
た溶融スラグ粉末は、同様に粉状であるフライアッシュ
又は珪砂と代替した場合に、成形された建材の物理的性
質に差ほど影響を及ぼさない。以上のように、溶融スラ
グをセメント系建材の混和材料として使用可能となった
ので、溶融スラグを用いて適度な物性を備えた壁材を製
造可能となった。
【0012】即ち、本発明の壁材の製造方法は、粉末化
した溶融スラグ(好ましくはメジアン径が40μm以下
のもの)は、ごみ焼却灰の溶融スラグ流又は下水汚泥焼
却灰の溶融スラグ流旋回している冷却液層に注入して
冷却凝固するシングルアトマイズ処理又は前記溶融スラ
グ流をガスジェットの吹き付けで溶滴に分断し、これを
旋回している冷却液層に注入して冷却凝固するダブルア
トマイズ処理して髭状ガラス繊維又は綿状ガラス繊維と
ガラス粒との混合物よりなり、この溶融スラグ粉末を、
セメント及びその他の壁材用材料と混合して成形するこ
とを特徴としている。かかる製造方法によれば、フライ
アッシュや珪砂、又はそれらと同等の従来公知の混和材
料に代えて、溶融スラグ粉末を用いることができるた
め、材料の有効利用を図り得る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明が適用されるセメントセメ
ント系建材としては、外壁材や屋根材などの種々の建材
があり、これら各種の建材に本発明の溶融スラグの使用
法を適用できる。例えば、外壁材は、セメントと、溶融
スラグ粉末と、フライアッシュと、珪砂と、パーライト
と、シリカヒュームと、パルプと、水とを、所要量ずつ
混合して成形することができる。
【0014】ここで、溶融スラグ粉末は、フライアッシ
ュ及び/又は珪砂と代替し得るものである。したがっ
て、フライアッシュを全く混合せずに、フライアッシュ
に代えて溶融スラグ粉末を混合することができる。同様
に、珪砂を全く混合せずに、珪砂に代えて溶融スラグ粉
末を混合することができる。セメントとしては、アルミ
ナセメント、超速硬セメント、耐酸セメント、耐硫酸塩
セメント、油井セメント、白色セメント、カラーセメン
ト、コロイドセメント等、種々のものを用いることがで
きる。
【0015】フライアッシュは、例えば、火力発電所で
微粉炭の燃焼した粉塵を集めたものである。このフライ
アッシュの化学成分は、およそ、シリカ53〜63%、
アルミナ24〜29%、酸化鉄3〜8%であり、また、
フライアッシュの鉱物組成は、およそ、ガラス質70〜
85%、ムライト8〜16%、石英5〜12%である。
【0016】珪砂としては、例えば、ガラスの切粉が利
用される。すなわち、本実施形態において、珪砂とは微
粉化されたシリカである。パーライトは、本実施形態で
は軽量化目的のために混合するものである。シリカヒュ
ームは、フェロシリコン(ケイ素鉄)やシリコンメタル
の製造時に発生する廃ガスを集塵することによって得ら
れる超微粒子の産業副産物であり、真比重は2.1〜
2.2程度であり、単位容積重量は250〜300kg
/m3でかさ密度がいちじるしく小さく、比表面積は約
20万cm2 /g、平均粒径は20〜30μmである。
【0017】パルプは、針葉樹又は広葉樹のいずれから
成形されたものも利用することができ、また、機械パル
プ、化学パルプ又はセミケミカルパルプのいずれをも利
用することが可能である。外壁材に混合するパルプとし
ては、古紙を再利用することができる。ここで、溶融ス
ラグは、フライアッシュ又は珪砂に代替し得るものであ
るから、フライアッシュ又は珪砂の量を削減して溶融ス
ラグ粉末を増加することにより、溶融スラグ粉末を混合
しない基本配合により成形された外壁材と同等の物性を
備えた外壁材とすることが可能である。
【0018】そして、各材料を所要量ずつ混合した後、
振動成形またはプレス成形によって、外壁材を製造する
ことができる。かかる成形工程は、従来公知の種々の手
法を採用することができる。本発明の製造方法の特徴
は、粉末化した溶融スラグを壁材用混和材料と混合する
点にあり、成形工程を何ら特定するものではない。溶融
スラグ粉末の製造方法としては、溶融スラグを振動ミル
によって粉砕する乾式粉砕のほか、アトマイズ処理装置
による微細化方法がある。本実施形態に用いる溶融スラ
グ粉末は、メジアン径が40μm以下のものであること
が望ましい。
【0019】なお、溶融スラグとしては、下水汚泥焼却
灰溶融スラグや、ゴミ焼却灰溶融スラグ等の各種のもの
を利用できる。
【0020】
【実施例】以下、下水汚泥焼却水砕溶融スラグ又はゴミ
焼却灰溶融水砕スラグをフライアッシュに代替した実施
例、及び、下水汚泥焼却水砕溶融スラグ又はゴミ焼却灰
溶融水砕スラグを珪砂に代替した実施例について説明す
る。溶融スラグ試料は、下水汚泥焼却灰溶融スラグ又は
ゴミ焼却灰溶融スラグを水によって急冷して作製した粒
状の水砕溶融スラグを、それぞれメジアン径が40μm
以下になるまで振動ミルによって乾式粉砕したものを用
いた。
【0021】試料として用いた下水汚泥焼却灰溶融スラ
グ、及び、ゴミ焼却灰溶融スラグの鉱物組成は、蛍光X
線分析の結果、表1の通りであった。
【0022】
【表1】
【0023】表2に、外壁材の基本配合(溶融スラグを
混合しない場合の配合)と、この基本配合に含まれるフ
ライアッシュを溶融スラグ粉末に代替した各配合を示
す。なお、表2に示した各配合による外壁材は、それぞ
れの配合より材料を十分に混練してなる混合物(モルタ
ル)を、80kg/cm2 の条件においてプレス成形
し、70°C、100%RHの条件において17時間養
生し、175°C、11時間オートクレープ養生し、そ
の後、十分に乾燥させることによって製作した。
【0024】
【表2】
【0025】この表2に示されるように、基本配合にお
いては、フライアッシュは347g含まれており、セメ
ント及び水を除く混和材料(フライアッシュ、珪砂、パ
ーライト、シリカヒューム、パルプ)の重量の総和は1
005.5gであるから、混和材料の総和に対するフラ
イアッシュの重量比は、およそ35%である。表2に示
した実施例では、基本配合に含まれている35%のフラ
イアッシュのうち5%を溶融スラグ粉末に代替した配
合、10%を代替した配合、20%を代替した配合、3
5%を代替した配合(フライアッシュの全部を溶融スラ
グに代替したもの)で、それぞれ壁材を製作し、物性試
験を行った。
【0026】ゴミ焼却灰水砕溶融スラグ粉末を用いた壁
材の物性試験結果を表3に、下水汚泥焼却灰溶融スラグ
粉末を用いた壁材の物性試験結果を表4にそれぞれ示
す。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】なお、表3に示す基本配合の場合の物性
と、表4に示す基本配合の場合の物性が異なるのは、ロ
ットが異なるためである。但し、基本配合と比較すべき
配合の壁材は、同じロットで製作した。これら表3、表
4に示すように、フライアッシュ35%中の10%を溶
融スラグ粉末に代替した配合では、殆ど物性変化は見ら
れなかった。
【0030】また、ゴミ焼却灰水砕溶融スラグ粉末を用
いた場合は、フライアッシュの全部(35%)を代替し
た場合であっても、十分に実用的な物性を得ることがで
きている。一方、下水汚泥焼却灰水砕溶融スラグ粉末を
用いた場合は、フライアッシュの20%を代替したもの
までは実用的な物性を得ることができているが、全部を
代替したものでは、破壊荷重、比例限界荷重の低下が激
しくなっており、かかる壁材の用途は限られたものとな
ることが予想される。
【0031】次に、外壁材の基本配合に含まれる珪砂を
溶融スラグ粉末に代替した各配合を、表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】この表5に示されるように、基本配合にお
いては、珪砂は99.1g含まれており、セメント及び
水を除く混和材料(フライアッシュ、珪砂、パーライ
ト、シリカヒューム、パルプ)の重量の総和は100
5.5gであるから、混和材料の総和に対するフライア
ッシュの重量比は、およそ10%である。表5に示した
実施例では、基本配合に含まれている10%の珪砂のう
ち5%を溶融スラグ粉末に代替した配合、10%を代替
した配合(珪砂の全部を溶融スラグに代替したもの)
で、それぞれ壁材を製作し、物性試験を行った。
【0034】ゴミ焼却灰水砕溶融スラグ粉末を用いた壁
材の物性試験結果を表6に、下水汚泥焼却灰溶融スラグ
粉末を用いた壁材の物性試験結果を表7にそれぞれ示
す。
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】これら表6、表7に示されるように、いず
れの溶融スラグ粉末を用いた場合でも、物性変化は殆ど
みられなかった。かかる実施例から、珪砂の全部を溶融
スラグ粉末に代替しても、生産される壁材の物性を同等
のものとすることが可能であることが明らかとなった。
なお、本願発明者らは、溶融スラグ粉末を低コストで大
量生産できるアトマイズ処理装置をも開発している。以
下、図1に基づいてこの装置を説明する。
【0038】該装置は、溶融スラグが注入される原料容
器1と、この原料容器1の下側に配設された冷却用筒体
2とを備え、冷却用筒体2の上端開口を覆う上蓋3に
は、この上蓋3に着脱自在なガス分断器4が上蓋3の中
心開口3aに嵌挿させた状態で取付けられている。原料
容器1は、その上部開口を閉塞するための蓋体5を備
え、この蓋体5には、その中心位置にガス供給口5aが
形成されている。一方、原料容器1の底壁中央部に、上
下に貫通する細孔形状の溶湯ノズル孔6が形成されてい
る。さらに、原料容器1の外周に、加熱用コイル7が巻
回されており、この加熱用コイル7への通電によって、
原料容器1内に注入された溶融スラグ8を所定の温度に
加熱保持し得るように構成されている。
【0039】前記冷却用筒体2は略円筒状に形成され、
筒体軸心を鉛直方向に対して10〜30°の角度で傾斜
させて配設されている。この冷却用筒体2には、上蓋3
のやや下側外周に冷却液供給流路9が環状に設けられて
いる。そして、この冷却液供給流路9に通ずる複数の冷
却液噴出孔10が周方向等間隔に形成されている。これ
ら噴出孔10は、筒体2の内周面に接線方向から冷却液
を噴出供給できるように開口されている。
【0040】上記の冷却液供給通路9に加圧した冷却液
を供給し、これを冷却液噴出孔10から噴出させると、
冷却用筒体2の内周面に、この内周面に沿って高速で旋
回しながら流下する冷却液層11が形成される。なお、
この冷却用筒体2の内周面下分側には、冷却液層11の
層厚を調整するための層厚調整用リング12が取付けら
れている。このリング12によって冷却液の流下速度が
抑えられ、上下にわたって略一定内径の冷却液層11が
より少ない流量で形成される。
【0041】冷却用筒体2の冷却液排出端である下端開
口には排出管13が接続されており、この排出管13の
下流端には、図示していないが、生成された溶融スラグ
粉末を冷却液から分離するための回収用網かごが設けら
れている。なお、冷却液は、冷却用筒体2の冷却液供給
流路9へと戻され循環されるように構成されている。前
記ガス分断器4は、その中心が原料容器1の溶湯ノズル
孔6と同軸上に位置するように、冷却用筒体2の上蓋3
に取付けられている。このガス分断器4には、その中心
位置に、上下に貫通する細孔形状のノズル孔14が形成
されている。また、このノズル孔14を囲うように、例
えばカーボン発熱体より成る補助加熱ヒータ15がこの
ガス分断器4内に装着されている。このヒータ15への
通電により、上記ノズル孔14を通して流下する溶融ス
ラグの温度低下が抑えられ、所定の温度に保持されるよ
うになっている。
【0042】さらに、このガス分断器4には、上記補助
加熱ヒータ15の外側に、外部から圧縮ガスが供給され
るガス室16が環状に形成されている。そして、このガ
ス室16から、図中矢印で示すように、ガス分断器4の
下側に向かうガスジェットGjが噴射されるように構成
されている。このガスジェットは、ガス分断器4から下
側に逆円錐状に吹き出されて、ノズル孔14の下端開口
よりやや下側の位置で交差した後、円錐状に拡がるよう
に設定されている。
【0043】次に、冷却用筒体2の上蓋3にガス分断器
4を取付けた場合(以下、この状態での製造を「ダブル
アトマイズ処理」という)の溶融スラグ粉末の製造手順
について説明する。この場合、原料容器1の溶湯ノズル
孔6に栓を取付けて、原料容器1に溶融スラグ8を注入
し、また、冷却用筒体2の冷却液供給流路9に冷却液
(水)を供給して、冷却用筒体2内に冷却液層11を形
成する操作を行う。
【0044】このとき、さらにガス分断器4の補助加熱
ヒータ15への通電を、このガス分断器4のノズル孔1
4を通して流下する溶融スラグ流8aが所定の溶融温度
で保持されるように調整すると共に、ガス室16に例え
ば圧縮空気等の圧縮ガスを供給し、ガス分断器4の下側
に配置した逆円錐状のガスジェットGjを形成する。こ
の状態で、原料容器1の蓋体5のガス供給口5aを通し
て所定の圧力に調整された圧縮ガスを供給すると共に、
溶湯ノズル孔6を塞ぐ栓を外すことによって、原料容器
1内の溶融スラグ8を、溶湯ノズル孔6を通して下方に
流下させる。
【0045】このときの溶融スラグ流8aは、一旦、ガ
ス分断器4のノズル孔14内に流入し、さらに、このノ
ズル孔14における下端部の径に応じた細流となって、
ガスジェットGjの交点部に流下する。そして、ここで
溶融スラグ流8aはガスジェットGjの吹き付けによっ
て微細な筋状の溶滴に分断される。この溶滴は、ガスジ
ェットGjと共に冷却液層11に運ばれ、冷却液層11
内に注入されて、この冷却液層11内でさに、前記同
様の分断化作用を受けながら冷却凝固する。
【0046】溶融スラグは比較的粘性が大きく、かつ、
表面張力が小さいために、上記のようなダブルアトマイ
ズ処理では、ガスジェットGjの吹き付けによって繊維
状に分断される。これが冷却液層11内に注入され、さ
らに分断作用を受けながら冷却凝固することによって、
径が数μm〜数十μmまで微細化された溶融スラグ粉体
が生成される。この生成物は、冷却用筒体2から排出管
13へと冷却液と共に排出され、回収用網かご内で冷却
液から分離され回収される。
【0047】かかるダブルアトマイズ処理によれば、メ
ジアン径が40μm以下の溶融スラグ粉体を、短時間で
容易に生成することが可能になった。なお、上記の装置
は、ガス分断器4を取付けない状態(この状態での製造
を「シングルアトマイズ処理」という)でも溶融スラグ
粉末を生成することができ、この場合は、メジアン径が
200μm以下のものを生成することが可能であった。
【0048】次に、上記の装置を使用し、ゴミ焼却灰
と、下水汚泥の焼却灰とを用いて、シングルアトマイズ
処理とダブルアトマイズ処理とを試験的に行った結果の
一例を表にして示す。すなわち、上記各処理で得られる
生成物の性状は、溶融状態での粘性および表面張力に大
きく依存する。一方、ゴミや下水汚泥の溶融スラグ、さ
らには一般的な鉱物原料を溶融したものであっても、こ
れらは組成変動が大きく、したがって、溶融状態での粘
性や表面張力も種々異なるものとなる。
【0049】そこで、例えばゴミ焼却灰を用いた溶融ス
ラグや下水汚泥を用いた溶融スラグの各種組成での溶融
温度と粘性との関係を予め調べ、また、冷却用筒体2に
流下させるときの溶融温度や溶湯ノズル孔6の穴径、さ
らに冷却用筒体2内の冷却液層11の流速などの製造条
件と生成物の性状との関係を予め調べておくことで、以
降は、組成に応じた条件を設定することで、所要の径の
粉粒状、或いはロックウール状に細片化された生成物を
安定して得ることができる。
【0050】このような観点から、ゴミ焼却灰と下水汚
泥の焼却灰とについて、各種製造条件で処理を行い、こ
のときの条件と生成物の性状との関係を試験的に求めた
結果の一例を表8、表9に示している。表8は、シング
ルアトマイズ処理での処理条件と、得られた生成物の性
状とを示したものであり、表9は、ダブルアトマイズ処
理での処理条件と、得られた生成物の性状とを示したも
のである。なお、これらの処理に使用した装置での前記
冷却用筒体2は、その内径が100mm、筒体軸心の傾
斜角は20°である。
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】表8におけるテストNo.1、No.2
は、ゴミ焼却灰を用いて前記したシングルアトマイズ処
理を同表に示すような条件で行ったものであり、この場
合の生成物は、径50〜90μmの髭状ガラス繊維と、
径80〜320μmのガラス粒との混合物が得られてい
る。その実体顕微鏡写真を図2に示す。テストNo.3
では、下水汚泥の焼却灰を用いており、この場合には、
径4〜140μmの髭状ガラス繊維とガラス粒との混合
物が得られている。その実体顕微鏡写真を図3に示す。
【0054】一方、表2におけるテストNo.4、N
o.5は、ゴミ焼却灰を用いてダブルアトマイズ処理を
同表に示す条件で行ったものであり、この場合、径2μ
m程度の綿状ガラス繊維と、径80μm程度のガラス粒
との混合物が得られている。その実体顕微鏡写真を図4
に示す。テストNo.6では、下水汚泥の焼却灰を用い
ており、この場合には、径2〜120μmの綿状ガラス
繊維が得られている。その実体顕微鏡写真を図5に示
す。
【0055】このようにして得られた溶融スラグ粉末
を、そのまま建材混和材料として使用してもよいし、篩
いにかけて粒径の比較的大きなものを除去し、メジアン
径を小さくした上で建材混和材料として使用することも
できる。また、各種の条件を最適化することにより、上
記の装置によって、数μm程度に粒径が揃った生成物を
得て、かかる生成物を建材混和材料として使用できる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外壁材等のセメント系建材の混和材料としての溶融スラ
粉末の新規な用途を提供できながら、該溶融スラグ
としてごみ焼却灰の溶融スラグ流又は下水汚泥焼却灰
の溶融スラグ流旋回している冷却液層に注入して冷却
凝固するシングルアトマイズ処理又は前記溶融スラグ流
をガスジェットの吹き付けで溶滴に分断し、これを旋回
している冷却液層に注入して冷却凝固するダブルアトマ
イズ処理して髭状ガラス繊維又は綿状ガラス繊維とガラ
ス粒との混合物とすることによって、物性変化は殆どみ
られないセメント系建材を提供でき、溶融スラグ粉末
代替される他の材料(フライアッシュ、珪砂)の節減を
図ることができるとともに、溶融スラグ自体の付加価値
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融スラグのアトマイズ処理による微粉化装置
を示す縦断面図である。
【図2】ゴミ焼却灰溶融スラグをシングルアトマイズ処
理して得られた生成物の粒子構造の一例を示す顕微鏡写
真(倍率10倍)である。
【図3】下水汚泥焼却灰溶融スラグをシングルアトマイ
ズ処理して得られた生成物の粒子構造の一例を示す顕微
鏡写真(倍率10倍)である。
【図4】ゴミ焼却灰溶融スラグをダブルアトマイズ処理
して得られた生成物の粒子構造の一例を示す顕微鏡写真
(倍率10倍)である。
【図5】下水汚泥焼却灰溶融スラグをダブルアトマイズ
処理して得られた生成物の粒子構造の一例を示す顕微鏡
写真(倍率10倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C04B 28/02 C04B 18:04 18:04 18:08) Z 18:08) B09B 3/00 303D (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 18/04 C04B 18/08 C04B 14/06 C04B 28/00 - 28/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントと、フライアッシュと、その他
    の所要の材料とを混合して成形される建材において、 前記フライアッシュの全部又は一部に代えて溶融スラグ
    粉末を混合しており、該溶融スラグ粉末は、ごみ焼却灰
    の溶融スラグ流又は下水汚泥焼却灰の溶融スラグ流
    回している冷却液層に注入して冷却凝固するシングル
    トマイズ処理又は前記溶融スラグ流をガスジェットの吹
    き付けで溶滴に分断し、これを旋回している冷却液層に
    注入して冷却凝固するダブルアトマイズ処理して髭状ガ
    ラス繊維又は綿状ガラス繊維とガラス粒との混合物より
    なることを特徴とするセメント系建材。
  2. 【請求項2】 セメントと、珪砂と、その他の所要の材
    料とを混合して成形される建材において、 前記珪砂の全部又は一部に代えて溶融スラグ粉末を混合
    しており、該溶融スラグ粉末は、ごみ焼却灰の溶融スラ
    グ流又は下水汚泥焼却灰の溶融スラグ流旋回している
    冷却液層に注入して冷却凝固するシングルアトマイズ処
    又は前記溶融スラグ流をガスジェットの吹き付けで溶
    滴に分断し、これを旋回している冷却液層に注入して冷
    却凝固するダブルアトマイズ処理して髭状ガラス繊維又
    は綿状ガラス繊維とガラス粒との混合物よりなることを
    特徴とするセメント系建材。
  3. 【請求項3】 溶融スラグ粉末は、メジアン径が40μ
    m以下のものであることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のセメント系建材。
  4. 【請求項4】 融スラグ粉末は、ごみ焼却灰の溶融ス
    ラグ流又は下水汚泥焼却灰の溶融スラグ流旋回してい
    る冷却液層に注入して冷却凝固するシングルアトマイズ
    処理又は前記溶融スラグ流をガスジェットの吹き付けで
    溶滴に分断し、これを旋回している冷却液層に注入して
    冷却凝固するダブルアトマイズ処理して髭状ガラス繊維
    又は綿状ガラス繊維とガラス粒との混合物よりなり、こ
    の溶融スラグ粉末を、セメント及びその他の壁材用材料
    と混合して成形することを特徴とする壁材の製造方法。
  5. 【請求項5】 溶融スラグ粉末は、メジアン径が40μ
    m以下となされている請求項4に記載の壁材の製造方
    法。
JP34045796A 1996-12-04 1996-12-04 セメント系建材および壁材の製造方法 Expired - Fee Related JP3254395B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34045796A JP3254395B2 (ja) 1996-12-04 1996-12-04 セメント系建材および壁材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34045796A JP3254395B2 (ja) 1996-12-04 1996-12-04 セメント系建材および壁材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1130008A JPH1130008A (ja) 1999-02-02
JP3254395B2 true JP3254395B2 (ja) 2002-02-04

Family

ID=18337155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34045796A Expired - Fee Related JP3254395B2 (ja) 1996-12-04 1996-12-04 セメント系建材および壁材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3254395B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001115158A (ja) * 1999-10-15 2001-04-24 Shigenori Yamada ゴミの溶融スラグを用いた粒状土の製造方法
JP4167845B2 (ja) * 2002-03-29 2008-10-22 株式会社エーアンドエーマテリアル セメント系無機硬化体及びその製造法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
笠井、小林編 セメント.コンンクリート用混和材料 61年5月15日 技術書院発行 28、32頁

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1130008A (ja) 1999-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU692120B2 (en) Quenching fused materials
JP5640307B2 (ja) ブラスト用研削材及びブラスト用研削材の製造方法。
CN105722803A (zh) 用于减少炉渣绒形成的干式粒化炉渣的方法和设备
KR19980702994A (ko) 용광로 슬래그를 사용하여 시멘트 클링커를 제조하는 방법 및장치
JP2008126117A (ja) 工業用の改質フライアッシュとその製造方法
US5478392A (en) Porous granulated steel slag composition and use of such as aggregate or cement replacement in building materials, road building and embankment
NO118360B (ja)
PL185575B1 (pl) Sposób i urządzenie do topienia odzyskiwanych materiałów krzemianowych
JP3254395B2 (ja) セメント系建材および壁材の製造方法
RU2258867C2 (ru) Способ обработки остатков от сжигания из сжигательной установки
JPH05294687A (ja) 球状水硬性物質の製造装置
JPS63262453A (ja) 噴出溶射用のセラミツク−ガラス粒子およびその製法
JPH1029830A (ja) 細片状鉱物質原料の製造方法
SU1418308A1 (ru) Способ получени шлаковой пемзы
RU2100131C1 (ru) Способ получения гранулированной шлакообразующей смеси
JP3630051B2 (ja) 水砕スラグの製造方法および製造設備
KR200218184Y1 (ko) 고로 슬래그 수재의 미립 균질화 장치
JP2018002563A (ja) 水硬性石灰及びその製造方法
JPH05247505A (ja) 複合金属粉末の製造方法
JPH11209106A (ja) 球状粒子の製造方法
SU1252311A1 (ru) Устройство дл производства шлаковой пемзы
JPH0648763A (ja) ロックウ−ル中のショット粒率制御方法
JPS5811384B2 (ja) コンクリ−ト打設工法
CA1073214A (en) Process and apparatus for production of slag material of reduced density
JP2002115840A (ja) 廃棄物の生成スラグコントロール法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees