JP3254213B2 - ねじ付き筒状連結部 - Google Patents

ねじ付き筒状連結部

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JP3254213B2
JP3254213B2 JP51062190A JP51062190A JP3254213B2 JP 3254213 B2 JP3254213 B2 JP 3254213B2 JP 51062190 A JP51062190 A JP 51062190A JP 51062190 A JP51062190 A JP 51062190A JP 3254213 B2 JP3254213 B2 JP 3254213B2
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    • E21EARTH OR ROCK DRILLING; MINING
    • E21BEARTH OR ROCK DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B17/00Drilling rods or pipes; Flexible drill strings; Kellies; Drill collars; Sucker rods; Cables; Casings; Tubings
    • E21B17/02Couplings; joints
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  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)
  • Joints That Cut Off Fluids, And Hose Joints (AREA)
  • Mutual Connection Of Rods And Tubes (AREA)
  • Cable Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、例えば石油、ガス、地熱、投棄およびその
他の井戸のケーシングとして機能することのできる、好
ましくは大径パイプのための、ねじ付き筒状連結部に関
する。
発明の背景 深層且つまた不良環境に於ける石油、ガス、地熱エネ
ルギーおよび地下反応装置並びに投棄場所の調査には、
従来の井戸よりも多数のケーシングストリング(スチー
ルパイプ)を有する井戸が必要とされる。製造されるケ
ーシングおよびチュービングストリングの必要寸法は比
較的固定されているために、ますます深くなる深度に設
置される大径ケーシングが深い或いは不良環境の井戸に
一般に必要とされるのである。
大径ケーシングストリング上の大径ねじ付き連結体の
性能要求値は本質的には小さな寸法のケーシング連結体
に関する性能要求値と同じである。しかし大きな寸法に
於いてこれらの要求値を満足することはいまだに非常に
困難である。理想的な筒状連結体は負荷容量および幾何
学形状の両方に於いて完全に明白である。このことはパ
イプストリングがあらゆる点に於いてあたかも1本の連
続した接続部のないパイプ長さ部分であるように作用す
ることを意味している。不幸なことにこの理想的に明白
な機械的連結体はこれ迄実現されていない。
明白な幾何学形状および明白な負荷容量の間に於ける
良好な妥協は、ねじ結合(T&C)連結部によって達成
できる。事実、この形状は3つの標準的な工業用連結
部、すなわちAPI(アメリカン・ペトロリウム・インス
ティテュート)、8R(LTCおよびSTC)およびBTCの連結
部の2つに使用されている。不幸なことに外径で40.64c
m〜50.8cm(16〜20インチ)もの比較的大きなケーシン
グ寸法に於いては、これらのAPI規格連結部は重大な欠
陥を有していて、その欠陥のために比較的浅い深度や良
好環境の下での使用に限定されている。
工業用のAPI規格連結部の欠陥を解消するために、所
有権の与えられたさまざまな筒状連結部が開発されてき
た。これらは上述した妥協を少なくとも部分的に具現す
るものであるが、異なる(末広がりの)設計原理に基づ
いている。例えば考えを同じくする提唱者は、別個に鍛
造し、しかる後パイプ本体に溶接される鍛造品に対して
機械加工を施した所有権のある連結体を探求してきた。
この溶接連結体の大きな難点はパイプ本体と連結体との
間の整合不良にある。更に、ほぼ明白な負荷容量がこの
形式の連結部によって達成することはできるが、これは
幾何学形状の明白さを実質的に失い且つまた非常な高コ
ストの上でのみ、達成できる。
他の設計は、冷間加工によって形成された端部を有す
るか否かに拘らずに、端部がプレーンなパイプに機械加
工して一体化した非常に複雑なねじを備えた結合部を開
発することに集中した。これらの所有権のあるねじはほ
ぼ明白な幾何学形状を有する、すなわち達成できるが、
それらの負荷容量は不十分であった。まず第1に圧力お
よび軸線方向負荷の容量がパイプ本体のそれらの値より
も実質的に小さい。また、実際にこれらの結合部の全て
は、曲げ抵抗を有するとしてもほんの小さい値である。
従ってこれらの結合部は方向性のある(意図的に偏向さ
れている)井戸や、大径パイプストリングが深い深度に
設置されねばならないような場所に使用するには、適し
ていない。
大径ケーシングに関する技術的な他の重大な問題は、
比較的少ない互換品、すなわち与えられた寸法に於いて
異なる重量および等級、しか工業規格APIケーシングリ
ストに存在していないことである。多くの井戸作業員が
API規格ケーシングのみを使用するために必要とされて
いることから、井戸の設計者はしばしば負荷容量にぎり
ぎり足りるか或いは強度が過大である特定のケーシング
形状の間でしばしば選択を強いられているのである。必
要に応じて適正に利用できる特定の大径ケーシングは殆
ど無い。例えば、40.64cm〜50.8cm(16〜20インチ)も
のAPI大径ケーシング寸法には、寸法(外径)、重量
(壁厚)および等級(スチール強度レベル)の独特な組
み合わせを有するたった19種の品目があるだけであり、
それらの中から設計者が選択できるのである。更に、最
強の製品といえども幾つかの井戸で現在要求されている
深い深度に設置される大径ケーシングストリングに関し
て適正な負荷容量を有してはいないのである。それ故に
使用できる製品の範囲を広げることが明らかに必要であ
る。
40.64cm〜50.8cm(16〜20インチ)もの直径範囲で
は、現在約300種の異なる形状のAPIラインパイプ製品が
ある。これらは寸法、重量および等級の独特な組み合わ
せを含み、工業規格として記載された仕様を有し、従っ
てそれらは大径ケーシングとして潜在的に使用できる。
更に、APIラインパイプ仕様(スペック5L)はAPI大径ケ
ーシング仕様(スペック5CT)に使用可能とされるより
も45%も強力な等級まで拡張されている。不幸なことに
APIスペック5Lは40.64cm〜50.8cm(16〜20インチ)もの
外径寸法のねじ付きラインパイプを詳述しているが、軽
量パイプに関して規格化されているだけであり、これは
ケーシングサービスには有効ではない。更に、この連結
部はダウンホールのケーシングサービスにはもともと適
当でないのである。
それ故にAPIパイプもしくはその他の筒状製品に応用
されてそれらを大径ケーシングとして適正に機能させる
ことのできる連結体が必要とされるのである。このよう
な連結体は幾何学形状および負荷容量の明白さの間で良
好なバランスがとれていなければならず、原野で簡単に
設置できねばならず、また先に記載した従来製品の望ま
しくない特徴の何れも保有していてはならない。更に、
こを連結体は現実的なコストにて既存機能で接続できね
ばならない。本発明の目的は前述した特質の或る部分、
好ましくは全て、を有する連結体を提供することであ
る。
発明の概要 本発明の上述した必要性を満たすのに貢献する幾つか
の面を有している。以下に説明するこれらのさまざまな
概念は単独で或いは組み合わせて使用されて、既存技術
に対するさまざまな段階の改善を与えるのである。
本発明の第1の概念は筒状部材の間のねじ付き相互連
結部を提供する。この筒状部材の少なくとも一方はパイ
プ本体を含むパイプ長さ部分であり、その一方の筒状部
材の雄ねじが他方の筒状部材の雌ねじと組をなして係合
される。本発明によれば、雄ねじおよび雌ねじは正規の
螺条を有し、それには荷重受け面、スタブ面、クレスト
およびルートが形成されている。また、それらのねじは
軸線方向長さの少なくとも一部分にわたって何れもテー
パーを付形されている。雄ねじは逃げ部分およびノーズ
部分を有し、ノーズ部分は雌ねじの内方部分と係合され
る。本発明によれば、雄ねじおよび雌ねじのそれぞれノ
ーズおよび内方部分の間でルート−クレストおよび/ま
たはフランク−フランクの相互干渉があり、パイプ本体
の内部および/または外部の最大定格圧力の下でそれら
を実質的にシールするようになされている。雄ねじの逃
げ部分およびこれと係合する雌ねじの部分は互いに干渉
により係合して、パイプ本体の軸線方向の最大定格力お
よびパイプ本体の内部および/または外部の最大定格圧
力の下でそれらの部分の間にねじ係合を維持するように
なす。
この組み合わされた特性を有するねじ組み合わせが形
成できるとは予想されなかった。本発明はさまざまな使
用並びにパイプ材質に応用することができる一方、非常
に深い井戸で有用となる経済的なチュービングストリン
グを利用できるようにする。またこれは、実質的に破壊
的なフープ応力による雄部材もしくは雌部材の降伏変形
を生じたり、或いは、雄ねじもしくは雌ねじの実質的に
破壊的な擦傷(galling)を生じたりすることなく、行
えるのである。
その1つの形式(species)に於いて、本発明の最初
の概念は上述した特徴の組み合わせを含む。これに於い
て、雄ねじは前記パイプ本体の一端に形成され、また、
雌ねじはカップリング部材に形成される。雄ねじのノー
ズ部分はパイプ端部に最も近い正規の螺条の約半数もし
くはそれ以下で構成される。この形式は更にそれぞれ一
段の単一リードねじとされた雄ねじおよび雌ねじを含ん
で構成され、これらのねじは少なくとも約5.08mm(0.2
インチ)、更に好ましくは約6.35mm(0.25インチ)の実
質的に一定のリードを有する。また、各々ねじは実質的
に単一のテーパーを中心軸線に関して付形されており、
そのルートおよびクレストの軸線方向長さの実質的部分
は直線とされて前記軸線に平行とされている。これらの
雄ねじおよび雌ねじは互いに関してねじ形状および直径
に於ける寸法を定められ、これにより雄ねじの大径位置
に於いて両者間にフランク−フランク間隙とルート−ク
レスト間隙とを形成するように、且つまた雄ねじの大径
位置に於いて組み付け状態にてルート−クレストの締め
代嵌合がそれらの間に発現することを保証するようにな
される。このような干渉パイプ端部から離れる方向へ向
かってねじの軸線方向長さ部分に沿って次第に低減され
る。しかしながら、前記雄ねじのノーズ部分に於いては
この干渉度合いは十分に大きく、且つまた空隙は十分に
小さくて、ねじ間シールを形成するようになされる。こ
のねじ間シールは前記パイプ本体の内部および/または
外部の最大定格圧力の下で漏れを実質的に防止する。前
記干渉は前記パイプや雌部材に実質的に破壊的なフープ
応力による降伏変形を生じさせるほどには強くなく、ま
た前記ねじの何れをも実質的に破壊的に擦傷させるほど
には強くない。
本発明のこの形式は、特に単純、安全および有効なね
じ連結部を備えたパイプを提供する。本発明のこの概念
によって得ることのできる利点である一体化に優れたシ
ールの探求に於いて、この分野に熟知した者は比較的複
雑で高価なねじ結合設計、例えばボルフラス氏他に付与
された米国特許明細書第4,558,213号に示されている多
段テーパージョイント、可変リードねじを備えたカワサ
キ(トレードマーク)ジョイントおよびマンネスマン・
ビッグ・オメガ(トレードマーク)ジョイントのような
ねじ結合設計、を開発してきた。しかしながら、これら
の従来技術による連結部の幾つかに含まれている改良
は、パイプおよび/またはカップリングの製造コストを
かなり増大させている。多段テーパーや可変リードねじ
を有するものの品質管理は、測定に問題があるために難
かしい。ビッグ・オメガ連結部は簡単なねじ設計のもの
であるが、規格にない(APIでない)カップリングを必
要としていて、本発明で可能とされるようなセルフロッ
キング、容易な組み付け、擦傷に対する抵抗、そして漏
れ抵抗と負荷容量との兼備、がないに等しいとは見いだ
されなかった。
本発明の第2の概念は、少なくとも一方の筒状部材は
パイプ本体を含むパイプ長さ部分とされるような筒状部
材の間のねじ付き相互連結部に関する。本発明によれ
ば、筒状部材の一方の雄ねじは他方の筒状部材の雌ねじ
と組をなして係合される。これらの雄ねじおよび雌ねじ
は何れも荷重受け面、スタブ面、クレストおよびルート
を有し、また何れもそれぞれの軸線方向長さの少なくと
も一部分にわたってテーパーを付形される。雄ねじはノ
ーズ部分を有し、この部分は雌ねじの内部部分と係合さ
れる。本発明によれば少なくとも一方のねじは、両方の
ねじ表面上に塗布されるねじコンパウンドの保持を助成
するように粗面化されている。これらのねじは、それぞ
れのねじがフック形状を有し、両者の間にルート−ルー
ト間隙もしくはフランク−フランク間隙を有し、ねじ間
の空隙並びにルート−ルートもしくはフランク−フラン
クの締め代嵌合の間にねじコンパウンドを有していて、
これによりねじのノーズ部分と内面部分とに於ける連結
部を実質的にシールして、パイプ本体の内部および/ま
たは外部の最大定格圧力およびパイプ本体の軸線方向の
最大定格力の下で漏れを生じないようにする。
本発明の前述した概念はこれまで得ることが不可能と
考えられていた組み合わせを定め、これにより従来技術
の教示に真っ向から逆らう。先の関連する見解は、組み
付け作業の間に実質的に破壊的な擦傷を与えず、また、
連結部に於いてねじの形状されていない金属−金属の或
いはその他のシールに依存せずに、大径パイプに形成さ
れたねじ付き連結部のねじに対して上述した圧力保全と
機械的強度との両方を兼備したシールを与えることは不
可能であるというものであった。
本発明の第3の概念は、雄ねじおよび雌ねじを介して
互いにねじ付き相互連結部を形成される筒状部材を選定
する方法を包含している。本発明のこの方法によれば、
雄ねじは所要の部材の一端に形成され、ノーズ部分を含
む。このノーズ部分は雄ねじに与えられた正規の螺条の
全数の約半分もしくはそれ以下とされ、また、筒状部材
の端部に最も近い雄ねじに於けるその部分を含んでな
る。本発明によれば、雌ねじは内方部分を有する。この
内方部分は雄ねじのノーズ部分と長さが等しく、それと
ねじ係合される。雄ねじの少なくともノーズ部分は雌ね
じの少なくとも内方部分の直径に対して十分に大きい直
径を有しており、これにより形成されたねじ付き連結部
のノーズおよび内面部分に於ける少なくとも一部の間に
ルート−クレスト或いはフランク−フランクの締め代嵌
合を形成するようになされる。本発明によれば、雄ねじ
および雌ねじのノーズおよび内方部分の両方にて実施さ
れた少なくとも1回の直径測定によって、相互連結部を
形成するのに許容可能および許容不能な雄ねじおよび雌
ねじを含む部材間で選定が行われる。
この選定方法は、APIによって長年行われてきた必要
且つ切り放すことのできなかった従来の寸法制御の手順
から発している。更に詳しくは、この協会のパイプねじ
規格は、雄ねじおよび雌ねじが許容可能そして許容不能
であるかは、雄ねじの正規の螺条と逃げ螺条との連接部
およびこれに対応する雌ねじの部分に於ける直径測定値
に一部基づいて判断されることを要求しており、上述に
て説明したノーズおよび内方部分に於いてではない。こ
れは、ノーズに於けるシーリングを形成するように意図
されてはいるが実際にシールすることのできないパイプ
およびカップリングを許容してしまうことをもたらす。
本発明の前述した概念によるノーズシーリングねじは、
一般にはるかに信頼できるのである。
本発明の第3の概念はまた、雄ねじ付き部材および雌
ねじ付き部材の間のねじ付き相互連結部の製造に有用で
ある。雌ねじはテーパーを付形されたノーズ部分を有し
ており、雌ねじは雄ねじのノーズ部分とねじ係合される
内方部分を有し、前記ノーズ部分のテーパーよりも末広
の角度のテーパーを有しており、これにより組み付けら
れたときに前記両ねじはノーズ部分へ向かう方向に沿っ
て半径方向の干渉を次第に強めることを保証するように
なされている。この方法はパイプの雄ねじおよび雌ねじ
の両方を、互いに最大の干渉は生じるそれぞれの実質的
な部分にて測定し、これによりそれらの位置での干渉の
度合いが予め定めた範囲に含まれることを保証するよう
になすのである。
第3の方法はまた、パイプ本体を含み且つまたねじ付
き相互連結部を形成するための雄ねじおよび雌ねじを備
えている雄ねじ部材および雌ねじ部材の製造に、或いは
それらの製造運転もしくは対として利用するための準備
を包含する。前記雄ねじは複数の螺条を有し、これには
逃げ螺条と、前記雄ねじ部材の端部またはその近くに形
成された少なくとも約4条もしくはそれ以上の正規の螺
条とが含まれる。前記雌ねじは、前記部材を相互連結さ
せるために雄ねじ螺条と組をなすように調和された4本
もしくはそれ以上の螺条を有する。本発明によれば、許
容可能および許容不能な雄ねじおよび雌ねじは、複数の
前記雄ねじ部材に対して行われる前記雄ねじの選択され
た直径の測定段階によって識別されるのであり、この測
定はノーズ部分に於ける実質的に同じ位置で行われ、そ
こには雄ねじ部材の端部に最も近い正規の螺条の半数も
しくはそれ以下が位置されているのである。更に複数の
前記雌ねじ部材に於いてその内方部分に於ける実質的に
同じ位置で前記雌ねじ螺条の選択された直径の測定が行
われるのであり、その螺条は前記相互連結部に於いて雄
ねじのノーズ部分の螺条と係合する雌ねじ螺条である。
このような測定は十分な数の雄ねじおよび雌ねじに対し
て行われ、これらのねじは前記ノーズ部分および内方部
分の前記直径に関して予め定められている仕様と比較さ
れる。前記測定および仕様は前記雄ねじ部材および雌ね
じ部材に於いて十分な数のねじを合格または拒絶するの
に使用され、少なくとも合格した雄ねじは雄正規の螺条
と逃げ螺条との連接部に於けるよりも測定した雄ねじ位
置に於いて実質的に非常に高い直径精度を示すのであ
る。
前述した方法の実施は多くの利点を与えることができ
る。その中には、現地に発送されたり井戸に取り付けら
れたねじ内ノーズシーリングパイプの欠陥比率の低下が
含まれる。
第4の面として、本発明はパイプを含むそれぞれ雄筒
状部材および雌筒状部材の外ねじおよび内ねじの間のね
じ付き相互連結部を含む。これらのねじはルート、クレ
スト、荷重受け面およびスラブ面を有する。雄ねじはノ
ーズ部分を有し、このノーズ部分は前記雄ねじに於ける
全正規の螺条の約半数もしくはそれ以下の複数螺条を含
み、また、雄ねじ部材の先端部に最も近い雄ねじのその
部分を含む。雌ねじ部材は内方部分を有し、これは雄ね
じのノーズ部分の長さと同じにされてそのノーズ部分と
ねじ係合する。ねじの係合部分によって2つのシールが
備えられる。これは、複数の螺条によって連結部内で軸
線方向に間隔を隔てた位置に備えられ、シールコンパウ
ンドを捕捉するようになされる。この1つのシールは雄
ねじ部材のノーズ部分に形成され、また、そこの両ねじ
のスタブ面間の接触によって形成される。また、第2シ
ール位置に於いては2つのねじの荷重受け面間の荷重支
持係合によってそのシールが形成される。これらのシー
ルコンパウンドは前記軸線方向に間隔を隔てられている
位置の中間のねじの間に残された1つもしくはそれ以上
の間隙内に与えられる。本発明によれば、雄ねじは相互
に係合される軸線方向の長さの一部分にわたって雌ねじ
の直径よりも大きな直径を有する。また、雄ねじおよび
雌ねじの間にはルート−クレスト干渉は生じて、雌ねじ
部材は短く、および/または雄ねじは長くされるように
なされ、また、それぞれのスタブ面および荷重受け面を
係合させて前記シールを形成するようになす。
圧力作用によってねじからコンパウンドが押し出され
ることはこのようにして抑制され、シールの完全さが高
められるのである。ねじリードすなわち或る螺条から次
の螺条迄の軸線方向距離を調節することによって、同時
に間隔を隔てられる荷重受け面の係合およびスタブ面の
シールを結合部に得ることができることは、既に示唆さ
れていた。しかしながら本発明は、ねじ部分の一般的な
軸線方向の伸長および/または収縮の一部として、部分
の軸線方向の調節を可能にするとともに、ねじコンパウ
ンドの捕捉というこの有利な状態を得て、半径方向の干
渉から少なくとも実質的な測定を行うことができるよう
にする。この方法により、本発明はさまざまなリードね
じの製造および測定に於ける複雑さを回避することを可
能とする。
本発明の第5の面はパイプ本体を有するパイプを含む
それぞれ雄筒状部材および雌筒状部材の外ねじおよび内
ねじの間のねじ付き相互連結部を含む。これに於いて前
記ねじはルート、クレスト、荷重受け面およびスタブ面
を有する。雄ねじはノーズ部分を有し、ノーズ部分は雄
ねじに於ける先端部に最も近いその雄ねじ部分を含んで
なる。また、このねじはその軸線方向長さ部分に沿って
テーパーを付形され、これによりテーパーの第1の頂点
内角を形成している。雌ねじはねじ付き連結部に於ける
雄ねじのノーズ部分とねじ係合する内方部分を有し、こ
の内方部分はまたその軸線方向長さ部分に沿ってテーパ
ーを付形され、第2の頂点内角を形成している。この第
2の頂点内角は第1の内角よりも大きい。ねじの相互係
合にはその間のルート−クレストの干渉が含まれ、これ
に於いて雌ねじのテーパー角度は雄ねじのそれよりも大
きく、また、それぞれ雄ねじ部材および雌ねじ部材の相
互係合されるノーズ部分および内方部分にてテーパー付
形されているねじの間に干渉が生じる。本発明によれ
ば、ねじ形状および直径は雄ねじの大径位置にてルート
とクレストとの間にルート−クレスト半径方向間隙を形
成するように、また雄ねじの小径位置にルート−クレス
ト干渉が形成されるようになされる。雄ねじのノーズ部
分に於いてこのような干渉は十分大きく、前記間隙は十
分小さくされ、パイプ本体の内部および/または外部の
最大定格圧力の下で実質的に漏れを防止るようになされ
る。
前述は末広テーパーのノーズ干渉テーパーシールパイ
プに関する。これは、内部圧力が連結部に作用する場所
である雄ねじ部材の端部から最初の数螺条内に高い密着
性を有する圧力シールを作用させることによって、パイ
プストリング内部から高圧ガスや液体両端の漏れを防止
するねじ内シールを得るように意図されたパイプ連結部
に有用である。カップリングもしくは雌ねじ部材がテー
パーねじを形成する前に一様な壁厚のものであるなら
ば、雄ねじのノーズ部分のシールは最も厚い部分に形成
され、それ故にカップリング壁に於いて最も強い部分に
形成される。それ故に、この形状を有するシールは高い
内部圧力に対するシールとして特に有効であるとみなさ
れる。
上述した欠点に加えて、本発明のさまざまな概念すな
わち面のそれぞれが1つもしくはそれ以上の以下の一般
的な利点を与える。すなわち、適度の作用力から非常に
大きな軸線方向の作用力にわたって圧力保全に優れたね
じ自体の内部シールを得られること、比較的薄いパイプ
壁に形成されたねじに於いて高い軸線方向作用力で高い
圧力保全が得られること、一般に擦傷しやすい形式のラ
インパイプまたはその他のパイプに於いで実質的に破壊
的な擦傷を生じないでねじに於ける高圧シールおよび/
または高い軸線方向の作用力に対する抵抗を形成できる
ねじ結合部を与えることができること、“単一”(無)
段階の実質的に一定したテーパーおよびねじ幅を有する
比較的壁に薄いパイプに高圧および/または高い軸線方
向力が作用する状態でシールの完全さを与えることがで
きること、API連結ストックを使用しまたは使用しない
でAPIラインパイプにより実質的に漏れの無い非常に強
力な連結手段を形成できること、ねじの形成されていな
い金属間シールを使用しまたは使用しないで有効な圧力
シールができること、これらのねじコンパウンドの有効
な捕捉ができること、パイプ結合部に内部シールリング
を備えまたは備えないで有効な圧力シールを得られるこ
と、隣接パイプ部分の端部どうしを突き当てまたは突き
当てないで有効な圧力シールを得られること、四角いも
しくは部分的に四角い横断面とされたO−リングやシー
ルのようなポリマーシールインサートを備えまたは備え
ないで軸線方向および曲げ方向の荷重の作用の下で実質
的な漏れ安全機能を果たす結合部を形成できること、そ
して僅かなクロスねじで容易に組み付けできることであ
る。あらゆる可能性に於いて、その他の利点は本発明を
使用することで当業者には明白となろう。
図面の簡単な説明 第1図および第2図は、本発明によるねじ付き連結部
を示すそれぞれ部分的に破断した斜視図。
第3図は、第2図に示したパイプの雄ねじおよび第1
端部の拡大した側面立面図。
第4図は、第2図に示したのと同様なカップリング部
材の一部のカップリング軸線上での断面図であって、こ
のようなカップリングに通常ある2つの雌ねじの1方は
省略され、他方が長さを誇張して示されている断面図。
第5図は、第3図の上部を通る縦断面図。
第6図は、第4図の上部を通る縦断面図。
第7A図から第7D図は、従来技術のパイプねじテスト技
術の概略図。
第7E図らか第7F図は、本発明のパイプねじテスト技術
の一部断面とした側面立面図。
第8図は、組み立てられた第5図および第6図の部材
を縦断面図で示す。
第9図は、第8図の拡大した部分。
第10図は、好ましい雄ねじの一部を通る拡大した半径
方向横断面図。
第11図は、第10図に示したのと組をなして調和される
好ましい雌ねじの一部を通る拡大した半径方向横断面
図。
第12A図から第12C図は、組み付け状態とされた第10図
および第11図のねじ横断面の幾つかの部分を示す垂直横
断面図。
第13A図は、第12C図の拡大部分。
第13B図は、第13A図の拡大部分。
第14図は、井戸の概略断面図。
さまざまな且つ好ましい実施例の説明 本発明は相互連結部およびそれに使用されるねじ付き
筒状部材を含み、その例がここに記載されている。例え
ば第1図はパイプ1を開示している。このパイプは長手
方向軸線2を有し、この軸線が細長い円筒形のパイプ壁
3で囲まれていて、この壁は第1端部4および第2端部
5を有している。このパイプは約30.5cm(12インチ)か
ら約70cm(24インチ)または76.2cm(30インチ)、また
は152.4(60インチ)もしくはそれ以上、最も一般的に
は約34.6cm(13 5/8インチ)から約50.8cm(20インチ)
の直径のような大径とされ、壁厚は約1.01cm(.4イン
チ)から2.03cm(.8インチ)とされている。
特に好ましい筒状部材は、ときどき修正されるような
ラインパイプ(規格5L)に関するAPI仕様の実質的に満
足したパイプもしくはそれと同等部材である。この仕様
は1988年5月31日に最後の修正があった。他の形式のパ
イプも代用できる。
雄ねじ6はパイプ第1端部4に形成され、パイプ壁に
一体に且つそれと同じ材質で形成されている。任意であ
るが、パイプ壁3の雄ねじ6は形成さる部分7は冷間ス
ウェッジングのような適当な何れかの手段によって面ク
リンプを形成され、しかる後に穴あけ加工されて雄ねじ
の下側の材料分布が最適化されるようになされる。
パイプの第2端部5には雌ねじ部材10が位置される。
この雌ねじ部材は長手方向軸線11を有し、この軸線は軸
線方向の開口外端部を有する一般に円筒形の壁12によっ
て囲まれている。また、雌ねじ14を有している。このね
じは壁12に対して一体に且つそれと同じ材質で作られて
おり、実質的に雄ねじ6の補完形とされている。この実
施例では、雌ねじ14はパイプ壁3の拡張部分15に形成さ
れており、これは連結のような適当な何れかの手段によ
って形成されることができる。
第1端部4に雄ねじ6を形成され、第2端部5に雌ね
じ14を形成されて、第1図に示すようにパイプ1は雄ね
じ部材1および雌ねじ部材を含む。このように本発明に
よるねじ付き連結部に於いては、同じパイプの何れかの
端部或いは他部材が雄ねじ部材または雌ねじ部材として
作用でき、また、同じパイプの両端部が雄ねじ部材およ
び雌ねじ部材として作用できるのある。例えば第1のパ
イプ1の雄ねじ6は他の同様なパイプの雌ねじと組み付
けられることができ、後者のパイプの雄ねじは更に他の
パイプの雌ねじと組み付けられることができ、このよう
にして井戸での使用もしくはその他の目的に使用される
パイプストリングを形成するようになされる。このよう
に本発明は、反対両端の一方にねじ付き連結部に於ける
雄ねじを有し、他端に前記連結部に於ける雌ねじと実質
的に同じである雌ねじを有する筒状部材を含む。雌ねじ
部材10およびその円筒壁12は第1図に示すようにパイプ
壁に一体に且つそれと同じ材質で作られることができる
が、これは本発明の実施に於いて本質的なことではな
い。第2図に示すように、長手方向軸線2、細長い円筒
パイプ壁3、第1端部4そして第1図のパイプ1と同様
な雄ねじ6を有するパイプ8を使用することができる。
しかしこの実施例では雌ねじ部材10はパイプ壁3に一体
形成される代わりに、カップリングストック19の長さ部
分に形成されている。このカップリングストックは雌ね
じ14と、雌ねじ部材10のその他の特質と、パイプ8の第
2の端部5の付加的な雄ねじ21と係合される付加的な雌
ねじ20とを有している。
ときどき修正されるようなケーシングおよびチュービ
ングに関するAPI仕様(規格5CT)の第8セクションを実
質的に満足するAPIカップリングストックまたは同等部
材から製造されたカップリングおよびその他の雌ねじ部
材が特に好ましいとされる。この規格は最も最近では19
88年3月15日に修正された。他の形式のカップリングス
トックも代用できる。
第1端部4に雄ねじ6を形成され、且つまた他端に位
置された雌ねじ14を有するカップリング19によって、第
2図のパイプ8およびカップリング19は第1図のパイプ
1と同様に雄ねじ部材および雌ねじ部材を有する組み合
わせを構成する。しかし第2図のパイプ8は一端に雄ね
じ6を有し且つ第2端部に付加的な雄ねじ21を有するの
で、各端部に雄ねじを有する筒状部材の例となる。同様
に、一端に雌ねじ14を有し、そして他端に付加的な雌ね
じ20を有するカップリング19は各端部に雌ねじを有する
筒状部材の例となる。このようにして、第2図は与えら
れた筒状部材がその端部の両方に雄ねじ部材或いは雌ね
じ部材の何れかを含むことができることを示している。
従って、本発明はねじ付き連結部の雄ねじおよび雌ね
じを有する筒状部材を包含し、また、反対両端の一方に
前記雄ねじを、そして他端にその雄ねじと実質的に同じ
雄ねじを備えた筒状部材を包含する。同様に、反対両端
の一方に前記雌ねじを備え、そして他端にその雌ねじと
実質的に同じ雌ねじを備えた筒状部材包含し、また、反
対両端の一方に雄ねじを備え、そして他端にカップリン
グ部材が取り付けられ、このカップリング部材は前記相
互連結部の雌ねじと実質的に同じ雌ねじを形成している
ような筒状部材を包含する。
パイプおよび/または雌部材は、スチールにAPIケー
シングの構造よりもはるかに微細なミクロ構造を形成す
るのに十分とされる量のアルミニウムおよび/またはそ
の他の粒子調整剤を含んだスチールによって形成された
1つもしくは複数のねじを有することができる。更に或
いはこれに代えて、1つもしくは複数のねじは、APIケ
ーシングよりも炭素および硫黄の含有量がかなり低く、
且つまた漏れ抵抗のある締め代嵌合ねじ結合状態となる
ように十分に組み付けたときに破壊的な擦傷を生じる傾
向を見せることを特徴とする金属で形成されることがで
きる。前述の代わりにすなわち代用として、1つもしく
は複数のねじは漏れ抵抗のある締め代嵌合ねじ結合状態
となるように十分に組み付けたときに破壊的に擦傷を生
じる傾向を実質的に見せる非鉄金属で形成されることが
できる。
擦傷は、互いにねじ結合されるときに雄ねじおよび雌
ねじの摩擦で且つ相互に結合される表面の僅かなパッチ
の冷間溶接とみなされ、この結果として一方のねじ表面
の一部がそのねじ表面から引きちぎられて他方のねじ表
面上にくっついて突起を形成する。ねじが相対的な回転
を続けられると、ねじ表面上のこの突起は不規則なガウ
ジングもしくはカッティング“工具”として働く。これ
らは更に第1のねじの表面を損傷させて第2のシール能
力を悪化させる。実質的に破壊的な擦傷は、最初の組み
付けに於いて或いは分解し再使用を試みることで圧力、
例えば設計圧力、を保持するねじの能力を実質的に低減
させることになる擦傷である。
雄ねじおよび雌ねじの組み付け状態は、それらが十分
に且つまた適正に締め付けられたときのそれらの間の特
別な関係状態である。与えられた連結部の適正な締め付
けの決定はこの分野に熟知した者の能力に依存する。し
かしながら多くのパイプにとって、詳細な締め付け手順
はパイプ製造業者や工業会によって指定されている。こ
のような場合、十分な締め付けは雄ねじが雌ねじ内部に
入り込んだ度合いを示すパイプ上のマーキングによって
知ることができる。また、他の場合には、適正な締め付
けはそれらのねじの締め付けに掛けられたトルク値によ
って示されることができる。
ねじに於いては、雌ねじの組み合う部分に対する雄ね
じの或る寸法に於ける寸法過大が干渉となる。これはね
じの干渉部分の間に圧力および摩擦を生じる。これは擦
傷するように作用し、通常はその結合部の締め付けの間
に雄ねじおよび雌ねじを支持している部分に関してそれ
ぞれ収縮および伸長を必然的に生じさせる。
パイプおよび/または雌ねじは、APIケーシングおよ
びラインパイプに典型的に使用されるスチールよりも更
に悪い外部環境もしくは内部状態に対して抵抗力の強い
合金で形成された1つもしくは複数のねじを有すること
ができる。これらの合金には、ニッケル、チタンおよび
アルミニウムの群から選択される1つもしくはそれ以上
の金属で実質的に構成される合金が含まれる。
パイプおよび/または雌部材は、少なくとも一部にポ
リマー材料で形成された壁および/またはねじを有する
ことができる。この例には、エポキシ、ポリエステル、
ポリエーテル、アセタルまたはポリフェニレンサルファ
イドポリマーが含まれる。ポリマー材料はガラス、炭素
もしくはその他の繊維で補強されるのが好ましい。
雌ねじ部材がパイプ壁3の材料と一体化されていてい
ようがいまいが、雌ねじ14は雄ねじ6と組み合わされて
調和され、好ましくは実質的に補完形とされる。従っ
て、雌ねじはその外端部13を通じてパイプ1および8と
同様な他のパイプ23の協働する雄ねじ22を受け止めるこ
とができるのである。
パイプ1または8の雄ねじ6はテーパーの変化された
異なる部分を有することができる。パイプは、少なくと
も主要部分にわたって一定したパイプねじテーパーを有
するのが好ましく、第3図にパイプ8で示されるように
実質的に全長にわたって一定したパイプねじテーパーを
有するのが好ましい。ねじはピッチ円直径を有してお
り、これは荷重受け面の少なくとも実質的な部分の高さ
半径方向中間点を結ぶ螺旋と一致した円錐もしくは擬似
円錐形の包絡線として定義される。この実施例では、雄
ねじのピッチ円直径は少なくとも複数の螺条に於いて円
錐基準体積28と実質的に一致される。この円錐基準体積
は前記螺条を通ってパイプ先端部29から頂点30まで延在
し、αで示されている。パイプねじ6はその長さの少な
くとも主要部分にわたって約.05〜約.15の範囲の実質的
に一定したテーパー比を有するのが好ましい。この比は
例えば先端部29から離れる方向へ向けて軸線2上をパイ
プ8に沿って移動する長手方向の単位長さあたりの直径
増大量に基づいて与えられる。従って、パイプの雄ねじ
のピッチ円直径はそのねじ長さ部分の少なくともほぼ大
部分にわたって切頭円錐体積上に位置されるのが好まし
い。この体積は頂点内角αを有し、このαは応力の掛か
らない状態にあるパイプによって設定される。パイプ直
径およびねじが機械加工されるパイプ壁厚範囲に関して
特定のテーパーが選択されるのが好ましい。その選択
は、組み立ての容易化を促進するためにテーパーを増大
すること、そしてパイプ端部に於けるねじの下側のパイ
プ壁の最も薄い部分に十分な肉厚(それ故に強度)をあ
たえること、の間でバランスさせることを目的とするの
である。このようにして、約30.5cm〜約50.8cm(12〜20
インチ)の範囲の基準直径のAPIラインパイプに関して
は、約10%(1cmの長さあたり0.1cmの直径(1インチの
長さあたり0.1インチの直径))であるのが好ましい。
第4図に示されるように、雌ねじ部材もまたテーパー
を付形される。これもテーパーが相違した異なる部分を
含んでなることができるが、少なくとも大部分にわた
り、好ましくは実質的にその全長にわたって、実質的に
一定したパイプねじテーパーを有するのが好ましい。図
示の目的で第2図に示したのと同様な雌ねじ部材が端部
を反対にして、対称軸線34の右側に位置する部材の部分
が削除された。この雌ねじ部材の雌ねじ14を含む残りの
部分は誇張した長さで示されている。雌ねじ14はまた上
述にて定義されたピッチ円直径を有している。第4図に
示したように、このピッチ円直径はその少なくとも複数
の螺条に於いて円錐形体積36と実質的に一致されてい
る。この体積はカップリングの開口した外端部13からカ
ップリングを通して頂点内角βを有する頂点37まで延在
する。好ましくは、雌ねじの長さ部分の少なくともほぼ
大部分は約.05〜約.15の範囲の実質的に一定したねじテ
ーパー比を有するのが好ましい。この比は開口端部13へ
向かう方向にてカップリング軸線に沿ったカップリング
の長手方向の単位長さあたりの直径増大量に基づいて定
められる。従って、雌ねじのピッチ円直径はそのねじ長
さ部分の少なくともほぼ大部分にわたって切頭円錐体積
上に位置されるのが好ましい。この体積は頂点内角βを
有し、このβは応力の掛からない状態にある雌ねじで測
定される。角度βば前記パイプねじ体積と雌ねじ体積の
間に僅かな末広がりの関係で形成するようにαよりも大
きくされるのが有利である。
本発明の好ましい実施例によれば、前記第1および第
2の頂点角度の相違は約0.1゜〜約1゜の範囲の程度で
あり、これは開口端部に於ける壁手段にフープ応力を発
生させ、また雌ねじの内面部分を囲む壁手段の領域に前
記フープ応力よりも小さいフープ応力を発生させるのに
十分とされる。更に好ましくは、前記角度の相違は約.0
5゜〜約.7゜の範囲とされ、更にまた好ましくは約.1゜
〜約.4゜とされるのである。
本発明の他の特徴が第2図のパイプ8を参照して説明
され図示されるが、それらの特徴は第1図のパイプ1に
対して、そして本発明の他の実施低に対して応用できる
ものと理解されねばならない。。これに関して、第5図
および第6図はそれぞれパイプ8(第2図および第3図
の)の雄ねじおよび隣接する壁3の部分、並びにカップ
リング19(第2図および第4図の)の雌ねじ14および隣
接する壁部分を示している。第5図に示されたパイプ壁
3の部分は内面41および外面42、並びに内面および外面
と端部29との連接部に於ける内側および外側の面取り43
および44を含んでいる。壁3のねじ部の全長はノーズ部
分45、中央部分46および逃げ部分47を含んでなる。この
ねじはノーズ部分と中央部分、もしくは中央部分と逃け
部分の間のように1つもしくはそれ以上の段を含むこと
ができる。或いは、これらの部分の1つもしくはそれ以
上に於いてねじがノーズ部分から中央部分を経て、更に
好ましくはノーズ部分から逃げ部分へと連続して延在さ
れるのが好ましい。
本発明の目的に関して、パイプの端部に与えられた複
数の螺条の雄ねじに於いて、ノーズ部分は通常はパイプ
端部に最も近い螺条のその部分とされるのである。テー
パーの付形された雄ねじにおいては、ノーズ部分は従っ
てテーパーの最小径端部の螺条を包含する。多数の正規
の螺条(ねじの主作用部分をなす部分の螺条であって、
ねじの設計に応じてレード、高さまたはその他の特徴が
変化することはあっても、リードイン、逃げおよび消滅
する螺条以外の螺条を意味する)を有するパイプであっ
て、逃げ螺条を有するか或いは有さないパイプに於い
て、ノーズ部分はねじの全正規の螺条の約3分の1また
は2分の1までを含むものと定められ、少なくとも約1
つ、好ましくは少なくとも約2つの正規の螺条を含み、
特にパイプ端部に最も近いねじを含む。
この実施例では、ノーズ部分45は部分螺条51を構成す
るリードインねじ、および幾つかの完全な高さの完全螺
条52の両方を含む。また、この実施例では中央部分46は
付加的な完全螺条52で構成されるのが好ましい。
完全ねじの長さ距離56の長さは注意深く選択されて、
完成されるねじ付き連結部の強度およびバランスのとれ
た負荷を促進するようになす。完全ねじの長さが短すぎ
ると、ねじに不均等の負荷を生じて軸線方向荷重による
破損を早期に引き起こす。完全ねじの長さおよびそのね
じのテーパーの度合いもまた完全ねじ始点に於ける、す
なわちパイプの端部29に最も近い完全ねじ長さの端部に
於けるねじ直径と相互関係を有する。この直径は、満足
される完全ねじ長さを達成するように十分小さく、しか
しパイプ端部の強度に悪影響を及ぼすほどには小さくな
いように、選定される。これは、与えられるテーパーに
関してねじ長さが長すぎることおよび直径が小さすぎる
ことがパイプ端部に於ける肉厚を減少させて、突発的な
側方からの衝撃荷重による損傷に対するねじの抵抗力が
不適当となる程にまで減少されてしまうことになるとい
う事実に原因する。半径方向に測って少なくとも約2.54
mm(0.1インチ)の金属部分がパイプのねじ付き端部の
先端29の面取り43および44の間に存在するのが好まし
い。このような考慮に基づいて、パイプ本体の壁厚の約
2.8倍、もしくはそれ以上の倍数に等しくされるのが好
ましい完全ねじ長さ距離(56)が、30.5mm〜50.8mm(12
〜20インチ)のAPIラインパイプの肉厚に良好な結果を
生むものと確信する。
この実施例に於いて、逃げ部分47の逃げ螺条53はクレ
ストが円筒面と一致することを除いて完全螺条の形状と
同じである。この円筒面は例えばパイプ外面42とされ、
それらの高さが最後の消滅螺条52に於いてゼロとなるま
で端部29から距離が次第に大きくなるにつれて高さは次
第に小さくなる。ノーズ部分、中央部分および逃げ部分
の螺条の全数は、ねじ付き連結部の軸線方向の圧縮およ
び引張りの設定値を十分に支持できねばならない。好ま
しくは螺条の数は完成されたねじ付き連結部の軸線方向
の抵抗力がパイプ壁の完全厚さによる抵抗力と実質的に
等しいか好ましくはそれを超えるように選定される。
ここで第6図を参照すれば、雌ねじ14を有するカップ
リング19で構成された雌ねじ部材(第4図も見よ)は外
面60および内面61を含む。これらの面は、外側および内
側の面取り62および53を介してカップリング外端部13と
交わる。雌ねじ41は好ましくは内方部分64を含む。この
内方部分はパイプ8の雄ねじ6に於けるノーズ部分45と
同じ長さである(第5図を参照)。雌ねじのこの内方部
分は、その螺条群が組み付け状態に於いて雄ねじのノー
ズ部分とねじ係合する。雌ねじの残りの部分65は、例え
ばパイプ8の中央部分46に対応する中央部分66と、パイ
プのねじの逃げ部分47に於ける逃げ螺条53少なくとも一
部、好ましくは全部と係合する外側部分67とを含む。カ
ップリングの内方部分64および中央部分66はまた完全螺
条を含み、これはパイプねじのノーズ部分および中央部
分45および46に於ける対応する完全螺条52と係合され
る、ことが好ましい。
雄ねじおよび雌ねじのそれぞれ面55および68に近いノ
ーズ部分および内方部分の少なくとも1本、好ましくは
2本または3本の選定された螺条の少なくとも1つの直
径寸法が測定され、パイプ製造および/またはパイプの
使用準備に於ける手順にて制御因子として使用されるの
が好ましい。この螺条はリードイン螺条以外の螺条とさ
れるのが好ましいが、雄ねじおよび雌ねじの螺条の間に
存在する溝回旋を含むことができる。好ましい実施例に
よれば、測定は各パイプのノーズ部分、および各雌ねじ
の1つもしくは複数の内方部分にて行われるのであり、
全製造運転に於いて、或いはその運転に於いてそれらを
実質的に代表すると考えられる小数の部品に対して、或
いは適当な欠陥検出を与えるのに少なくとも十分な部品
数に対して、行われる。この測定はテストされた部品の
審査に使用され、予め定めたピッチ円直径の範囲または
その他の直径寸法に応じて行われ、パイプおよび/また
は測定部品の雌ねじを合格させるか拒絶するかに関して
使用される。
これは、API規格で必要とするその協会に密着してい
るリングおよびプラグゲージの使用とは異なる。この昔
ながらの装置の不適当であることは第7A図〜第7D図で示
される。第7A図に於いてパイプ8Aは雄ねじ6Aおよび先端
部分29Aを備えたパイプ壁3Aを有する。この雄ねじはリ
ードイン螺条51A、完全螺条52A、逃げ螺条53Aおよび消
滅する螺条54Aを含む。ねじ6Aはリングゲージ螺条70を
有するリングゲージ69によってテストされる。雄ねじの
形状がリングゲーシ螺条に密に合致し、そしてゲージ距
離(S)が設定されている仕様に含まれるときに、パイ
プは合格される。
第7B図はパイプ8Aと同じ製造運転にて製造され、同じ
であることが意図されている。従って、パイプ8Bはパイ
プ壁3Bと、先端部分29Bと、雄ねじ6Bとを有しており、
この雄ねじはリードイン螺条51Bと、完全螺条52Bと、逃
げ螺条53Bと、消滅する螺条54Bとを有する。パイプねじ
6Bの切削の誤差により、過大テーパーを有している。こ
の結果、パイプねじのノーズ部分45Bに於けるねじと、
対応するリングゲージの部分との間に空間71B(図示の
ために非常に誇張してある)が形成される。この空間の
ために、たとえゲージ距離が仕様に完全に合致していた
としても、ねじ8Bはリングゲージに対して真に一致する
ことはない。
しかしながら、ねじ6BはAPI規格によって指示された
ゲージ位置であるリング基準面(RRP)で示された位置
に於いて正常である。従ってねじ6Bはリングゲージが組
み付けられたときに正常に振る舞い、満足されるべきも
のと誤ってみなされる。このゲージリングは、面RRPに
於いて実質的に正常であるが他の箇所に欠陥があり、特
に重要なノーズ部分にて過少寸法となっているねじを容
易に検出することができない。
第7C図は開口端部13Cおよび雌ねじ14C(第7A図の雄ね
じ6Aの補完形をしている)を有するカップリング19Cの
テストを示している。ねじ14Cはプラグゲージ72の螺条7
3に対して密に一致している。これは、ゲージ距離
(S)が仕様に応じていれば許容できる部品である。
カップリング19Cと同様に、第7D図のカップリング19D
は開口端部13Dおよび雌ねじ14Dを有し、第7A図の雄ねじ
6Aの補完形をなすカップリング19Cと同じであると意図
されている。しかしながら、ねじ14Dの切削誤差によ
り、テーパーが緩かすぎる。これによりカップリングね
じ14Dの内方部分64Dおよびプラグゲージ螺条73の対応す
る部分に空間71Dが形成されている。
欠陥のあるねじ14DはAPI規格によって指示されている
ゲージ一であるプラグ基準面(RRP)によって示された
位置に通常は位置するので、このねじはプラグゲージを
当てがわれても正常に振る舞い、カップリング19Dは満
足されるものと誤ってみなされてしまう。従って、プラ
グゲージは、面(RRP)にて実質的に清浄であるが、例
えゲージ距離(S)が完全に仕様に合致していてもそれ
以外の箇所に欠陥がある、特に内方部分が過大寸法とな
っているねじを容易に検出することはできない。
リングゲージテストによって許容されることが指示さ
れた第7B図のねじ6Bのような欠陥のあるパイプねじは、
多くの場合に適正に形成されている第7C図のねじ14Cの
ような雌ねじとともに適正な締め代嵌合を形成すること
はできない。こうして形成されたねじ付連結部はそれ故
に耐圧抵抗および/または強度に劣る可能性がある。こ
の問題は欠陥のある雄ねじ6Bを第7D図のねじ14Dのよう
な欠陥のある雌ねじと組み付けることでより悪化する。
これらの何れのねじもリングおよびプラグテストによっ
ては正常と指示されていたのである。このような場合、
欠陥は第7B図および第7D図の空間71Bおよび71Dで代表さ
れる。
上述したようにリングおよびプラグゲージが部品のテ
ーパーに敏感であるだけでなく、ねじ高さ、リードおよ
び楕円度もまたリングおよびプラグゲージで測定した場
合に部品の真の寸法に悪影響を及ぼす。これらの誤差の
正味の影響もまた常に累積される。換言すれば、ゲージ
距離(S)が仕様に合致している場合に、テーパー、リ
ード、ねじ高さ、楕円度その他のねじ誤差の組み合わさ
れた累積が、雄ねじをしてリングゲージで指示されたよ
りも現実には小さいものとし、また、雌ねじに対しては
プラグゲージで示されたよりも連結部の重要なノーズ部
分に於いて現実には長いものとする。このような累積誤
差は機能不全部品を生み出し、破滅的な故障さえも発生
させることになる。
それ故に測定方法が開発されてきた。この方法はパイ
プ端部近きで連結部のプリロード(干渉)を制御するも
のである。従って連結部はその位置から好ましく寸法決
めされ、交差を与えられ、そして測定できるのである。
例えば、好ましいことであるが、テストされるパイプ
部品および/または雌ねじ部材の部品の各々に共通し、
パイプもしくはカップリング軸線に直角で、且つまた雄
ねじのノーズ部分および雌ねじの内方部分の範囲内に位
置されている基準面に於いて(一方または両方の側に於
いておよび/または密接に接近して)、このような測定
が行えるのである。このような測定は、ねじ接触子と内
ねじおよび外ねじの螺条に接触されるのに必要な補機ア
タッチメントとを有するキャリパー装置を含む形式の直
径寸法測定テスト器具によって行われる。外ねじ螺条接
触子は、例えばパイプ軸線に対して半径方向に往復移動
できるように取り付けられ、前述した基準面の横方向へ
直角に延在してノーズ部分に於ける少なくとも2つ、好
ましくは3つもしくはそれ以上の螺条を横断してブリッ
ジするバーとされることができ、また、そうされるのが
好ましい。同様なバーが雌ねじ内に達してその直径寸法
を予め定めた基準面にて測定できるようにするために適
当なアームとともに使用することができる。
第7E図および第7F図はそれぞれパイプ部材および雌ね
じ部材のための適当な直径寸法測定器具を示している。
第7E図に示されたパイプキャリパー装置は一対のレール
アーム74(図面では一方のアームが他方のアームの後ろ
に隠れている)を含み、このレール上を一対の調節可能
ブロック75が剛性的に取り付けられている。各ブロック
は、パイプ壁3Eおよび雄ねじ6Eを有するパイプ8Eの先端
部分29Eと係合して正確に整合するようになす摩耗プレ
ート面76を有している。各ブロック75は調節可能アーム
77Eのための剛性マウントとして働く。このアームはそ
れぞれのマウントから一般に軸線方向に沿ってねじ6Eの
上方へ達している。そこでは、ゲージシュー78およびそ
れぞれのアーム77E上に支持されているスピンドルがね
じ6Eへ向けて半径方向に延在し、ねじクレストに接触で
きるようになされている。スピンドルとともに上部アー
ム上のゲージシューはパイプ軸線に対して半径方向へ移
動できるように配置され、スピンドルはアーム77Eを介
してゲージ(G)のセンサーと連結されて、2つのゲー
ジシューの間の距離を読み取るようになされている。
本発明によれば、ねじ接触手段はノーズ部分の雄ねじ
に接触するように位置決めされて使用される。更に詳し
くは、圧力シールが有効となる位置(その近くを含む)
にて測定するのが好ましい。これは、例えば正規の螺条
の最初の1つから3つ目の螺条までの間とされ、好まし
くは形成されている全ての面取りおよび/またはリード
イン螺条の後の約1.7回旋(螺条)の範囲内とされる。
これは通常は、最も好ましいパイプおよびねじに関し
て、パイプの先端部分に最も近いねじの端部から約1.27
cm(1/2インチ)〜約2.54cm(1インチ)の範囲内とさ
れる。測定はまた、完全に組み付けられたときに雄ねじ
に於けるこの指摘された位置に対応する、すなわち係合
する。そのような雌ねじの部分でも行われる。
図示実施例では、雄ねじリードイン螺条51Eの後に10
の完全螺条52E、数個の逃げ螺条53Eおよび消滅する1つ
の螺条54Eが続く。完全螺条の半数すなわち最初の5つ
の完全螺条52Eがねじのノーズ部分45Eを構成している。
この図面は第2および第3の完全螺条がゲージシュー78
に接触されているのを示している。更に詳しくは、これ
らのシューは第1、第2および第3の完全螺条と接触す
る。パイプねじがAPIに明記された実施方法に応じて測
定される大体の位置がリングの基準面(RRP)によって
示されている。
第7F図の雌ねじテスト装置は第7E図のパイプキャリパ
ー装置とまったく似ていて、それと共通の多くの部材を
有している。従って、雌ねじテスト装置は一対のレール
アーム74(一方のアームのみが見える)を含み、このア
ーム上に一対の調節可能ブロック75が剛性的に取り付け
られている。バー74上での組み立ての間、内部測定を行
えるようにするためにブロック75は第7E図に示した位置
から回転される。各ブロックの摩耗プレート面76は雌ね
じ14Fを有するカップリング19Fの開口端部13Fと係合し
て正確に整合される。各ブロック75は1つまたは2つの
調節可能アーム77Fの剛性マウントとして働く。これら
のアームはそれぞれのマウントから一般的に軸線方向に
沿ってカップリング内へ達してねじ14Fの面を横断す
る。そこでは、ゲージシュー78およびそれぞれのアーム
77F上に支持されているスピンドルがねじ14Fへ向けて半
径方向に延在し、ねじクレストに接触できるようになさ
れている。スピンドルとともに上部アーム77F上のゲー
ジシューはパイプ軸線に対して半径方向への移動できる
ように配置され、スピンドルはアームを介してゲージ
(G)のセンサーと連結されて、2つのゲージシューの
間の距離を読み取るようになされている。
本発明によれば、ねじ接触手段は内方部分の雌ねじに
接触するように位置決めされて使用される。図示実施例
では、内方部分は、第7E図の雄ねじ6Eのノーズ部分45E
を構成している螺条に対応して、完全に組み付けられた
連結状態にてそれと係合されることになる第7F図のねじ
17Fのこれらの螺条を構成する。ゲージシュー78によっ
て接触される雌ねじの螺条は雄ねじの端部の近くに位置
し、カップリングの開口端部13Fから離れていて、完全
に組み付けられた状態で第7E図にてシュー78と係合され
た雄ねじの螺条に対応する、すなわち係合するのであ
る。カップリングねじがAPIに明記された実施方法に応
じて測定される大体の位置がプラグの基準面(RRP)に
よって示されている。
雄ねじおよび/または雌ねじを測定するときに、ねし
クレスト上に係止されるバーの代わりに探針を使用する
ことができる。この探針はねじ溝もしくはそれらのルー
トに達する程に十分に細い。適当なねじ接触手段および
技術により、ピッチ円直径、大径、小径、楕円度および
/またはその他のねじ寸法を測定することができる。し
かしながらこの特定の好ましい実施例によれば、雄ねじ
および雌ねじの直径はその製造もしくは使用準備に於い
て制御されるのであり、これは雄ねじのノーズ部分に於
いて雄ねじの大径包絡切頭体(第3図を参照)を測定す
ることにより、また、雌ねじの内方部分に於いて雌ねじ
の大径包絡切頭体(第4図を参照)を測定することによ
って行われるのである。
雌ねじおよび雄ねじの内方部分およびノーズ部分にて
直径測定の行える何れの装置も使用できる。これらの目
的に有用な装置は市場で入手でき、現在好ましいとされ
る例は米国テキサス州ヒューストンのゲージメーカー・
インコーポレーテッドによって製造されているピッチ円
直径および楕円度ゲージのMRP2000およびMRP2002シリー
ズである。
本発明の他の好ましい実施例によれば、このような装
置の螺条接触子が第5図のねじ6のようなパイプ製造運
転に於けるパイプの雄ねじの1つの螺条、好ましくは少
なくとも2つの隣接する螺条を含んでなる測定領域と、
第5図のノーズ部分45の範囲内に位置するパイプ測定基
準面55の位置で接触するようになされる。この基準面は
パイプ軸線2(第1図、第2図および第3図に示されて
いる)に直角である。本発明による第6図のカップリン
グ19およびその他の雌ねじ部材の製造運転に於いて、こ
のような装置の螺条接触子は基準面68の位置でカップリ
ングの1つの螺条、好ましくは少なくとも2つの隣接す
る螺条を含んでなる測定領域と接触するようになされ
る。この好ましい実施例では、測定基準面68は雌ねじ14
の軸線に一般に直角で且つまたその内方部分64の実質的
に範囲内に位置する。このような製造運転に於いて、実
施したような測定の助けをかりて、ねじは±.127mm(.0
05インチ)、好ましくは±.0508mm(.002インチ)の公
差内に保持される。
完全に組み付けられたときにパイプノーズ部分45のね
じがカップリングねじ部分64のねじと係合されるように
パイプ8およびカップリング19が設計されるならば、上
述の方法によるパイプおよびカップリング双方のねじの
測定は、両方の組み合い部材のねじの実質的に対応する
部分に於ける直径寸法に対する製造制御の応用を生みだ
す。
第8図は第5図の雄ねじおよび第6図の雌ねじの完全
に組み付けられた状態を示している。それぞれのねじ
は、完全に組み付けられたときにそれらの測定基準面55
および68が一般に一致するように設計され寸法決めされ
ている。従って、第8図に示すように、それらは正確に
一致するか、各々の1つもしくは2つの螺条の範囲内に
位置される。第8図はまた雄ねじ6のノーズ部分45が雌
ねじ14の内方部分64と係合し、雄ねじ中央部分46は雌ね
じ中央部分66と係合し、そして雄ねじ逃げ部分47は雌ね
じ外側部分と係合することを示している。
それぞれノーズ部分45および内方部分64の範囲内の雄
ねじおよび雌ねじの寸法が少なくとも前記部分の間に干
渉を生じるように確定され、これらの部分に於いて得ら
れた測定が製造制御として使用される場合、このような
測定は干渉が発生するように意図された場所で行われ
る。他の螺条がノーズ部分および内方部分に生じた干渉
よりも小さく、ノーズ部分および内方部分にて得られた
測定値がねじ寸法に関する製造制御として使用される場
合、このような制御はねじの直径寸法が最も重要とされ
る場所で与えられる。
ねじ間の干渉はねじクレストおよびルート、荷重受け
面および/またはスタブ面、もしくはそれらのいずれか
の組み合わせに於いて生じる。本発明の或る好ましい実
施例は半径方向の干渉を含み、これは半径方向に組み合
わされた部材に力成分を作用させる。これは一般に、結
合部の締め付けの間に雄ねじおよび雌ねじを支持する部
材がそれぞれ接触して伸長することを引き起こす。この
ような半径方向の伸長および収縮はポアソンの法則によ
れば同一部材に於いて軸線方向および半径方向の相反す
る作用によって同時に起こる。従って半径方向の干渉は
雄ねじを支持する部材の伸長を、また雌ねじを支持する
部材に短縮を生じるのである。
好ましくは、屋根および雌ねじは相互に結合した軸線
方向の少なくとも約半分にわたって締め代嵌合を有す
る。従って、雄ねじおよび雌ねじの寸法は、完全に組み
付けられた連結状態にて係合されたノーズ部分および内
方部分45および64の全体に、並びに中央部分46および中
央部分66の少なくとも一部、もしくは実質的に全部にわ
たって、締め代嵌合されるように確定される。特に好ま
しい実施例では、雄ねじおよび雌ねじは、ねじ係合した
軸線方向の長さの実質的に全て(全長を含む)にわたっ
て干渉する。従って、この好ましい実施例では、雄ねじ
6のノーズ部分、中央部分および逃げ部分45、46および
47は雌ねじ14の逃げ螺条53と係合しない螺条を除いて内
方部分64および残りの部分65と締め代嵌合をなす。ノー
ズ部分および内方部分にて生じ、軸線方向の全長にいた
る迄の且つまた全長を含む付加的な部分を伴う雄ねじお
よび雌ねじの干渉は、半径方向のルート−クレストの干
渉であるのが好ましい。
テーパーねじはパイプ壁およびねじ後側の雌部材に於
ける半径方向の厚さ長さ方向に沿って変化させ、ねじの
長さ部分に沿って変速の干渉応力を生じる。この作用を
制御するために、雄ねじ6の少なくともノーズ部分45お
よびカップリング19の雌ねじ14の少なくとも内方部分64
は末広テーパーを有し、すなわち雌ねじ14の頂点角度
(β)(第4図)が雄ねじ6の頂点角度(α)(第3
図)よりも大きく、パイプねじとカップリングねじとの
干渉の度合いがカップリング外端部13の方向にパイプ先
端部29からの距離が次第に大きくなるにつれて低下する
ようになされる。この末広状態は、雄ねじ中央部分およ
び雌ねじ中央部分66迄、好ましくはその全長にわたって
続くのが好ましい。従って、特定の好ましい実施例によ
れば、雄ねじおよび雌ねじの間の干渉における次第の低
下は中央部分46および中央部分64にまで、好ましくは実
質的にその全長にわたって続くのである。
本発明の最善の実施例によれば、上述した末広状態は
雄ねじの逃げ部分47まで、好ましくは実質的にその全長
にわたって続き、また、好ましくは雌ねじの外側部分67
の全長にもわたっても続けられる。この外側部分は逃げ
螺条53に対面する部分である。特に好ましい実施例によ
れば、この末広の度合いおよびねじ間の干渉を保証する
度合いは、全ての逃げ螺条53がそれと対面する雌ねじ螺
条と完全な係合状態を保持するのに十分とされるように
なされるのが好ましい。当業者には形成される干渉状態
を選択し変化させることが容易にできるが、ねじのノー
ズ部分および内方部分にでいるだけ強い干渉を形成し、
これによって擦傷を制御するのに必要とされる表面処理
および/または潤滑および/または干渉度合いの抑制を
行う一方で最適な漏れ抵抗性能を得るようにすることが
最善であると考えられる。また、雄ねじ中央部分46およ
び雌ねじ中央部分66の少なくとも実質的な部分にまで、
好ましくはその部分を通じて雄ねじおよび雌ねじの頂点
角度の末広状態を保持し、また、それぞれのねじのこの
部分に関してノーズ部分45および内方部分64に生じてい
る干渉よりも小さな干渉を与えるようになすことが、最
良であると考えられる。干渉の度合いは逃げ螺条53およ
びこの逃げ螺条に対面し且つ係合する外側部分67の雌ね
じ螺条の間で更に小さくすることが好ましい。しかしな
がら、雄ねじおよび雌ねじの間の末広状態の度合いは、
逃げ螺条53およびそれと係合する雌ねじとの間に十分な
干渉を生じさせて、対面する全ての雄ねじおよび雌ねじ
の螺条が締め代嵌合の係合状態に維持されるようにする
方法で制御されるのが好ましい。しかしながら、雌ねじ
部材の開口端部に近い位置での干渉の度合いは、ねじ付
き連結部が完全に組み付けられたときに壁に生じるその
フープ応力が、その壁の降伏応力を超えないように、制
限されねばならない。
大径パイプは一般に完全に円形ではない。また、カッ
プリングの外側に位置されるパイプ部分にねじが存在す
ること、特に不完全なねじが存在するこおは、結合部の
引張性能に悪影響を及ぼすことになる。
それ故に、パイプまたはその他の押す部材の壁部に存
在する雄ねじが正規の螺条および逃げ螺条の両方を含む
場合には、或る好ましい実施例が推奨される。このよう
な状況では、逃げ螺条の少なくとも一部はクレストを有
し、このクレストは隣接する雄部分のねじの形成されて
いない部分との共通の直径となるように機械加工されて
おり、ねじの形成されていない部分はこのような機械加
工を施されていない雄部材の部分に対して小さな直径と
される、のが好ましい。
前述した機械加工され或いはされないで応用できるそ
の他の好ましい実施例によれば、逃げ螺条は前述したパ
イプ壁のような雄部材の長手方向の距離間隔に形成され
る。これは長さを制限されており、組み付け状態に於い
てそのような螺条を雌部材の壁手段の範囲内に実質的に
完全に保持されるようにしている。前述とは別個に単独
で或いは組み合わせて使用できる他の有利な変更は、雌
ねじ螺条が雌部材に配置され、実施的に全ての逃げ螺条
が雌ねじ螺条とねじ係合されるようになし、これらの雌
ねじ螺条はねじが組み付れられたときにクレストが逃げ
螺条のルートに底付きするようになされる。
このようにして、パイプの外径を特定の直径を有する
ほぼ円筒形の寸法に機械加工することが有利であると見
いだされたのであり、この特定の直径とは完全螺条が逃
げ螺条から完全螺条に変化する遷移点に於いて有する設
計直径と一致した直径であり、また、パイプ本体が製造
されたときの仕様と調和する直径である。この機械加工
は雌ねじ部材およびねじ長さに関連して設計され施され
て、ねじ付き連結部が完全に組み付けられた状態にされ
たときに雄ねじのノーズ部分、中央部分および逃け部分
の全てが雌ねじ部材と、すなわちその内部に重なるよう
になされるのが好ましい。
第9図は第8図の拡大部分であるが、前述した特に好
ましいねじ付き連結部の形態を開示している。このよう
に、本発明の現在好ましいとされる実施例によれば、カ
ップリング19の内部に位置されるパイプ8の壁部3が機
械加工され、壁の残りの部分すなわちこのように機械加
工されなかったパイプ壁80に対して僅かに縮径された調
節された外径79となされるのが、最善であると考えられ
る。また、この縮径された直径となるような機械加工が
完全螺条52となる遷移点まで逃げ螺条81のクレストにも
施される。大径APIラインパイプに関して、基準寸法よ
りも約1.27mm(0.05インチ)〜約0.635mm(0.025イン
チ)程大きな直径を有するように機械加工するのが有利
であると見いだされた。
また、逃げ螺条81が配置される長手方向の距離間隔82
の範囲内にて全ての逃げ螺条が雌ねじ螺条83と係合すべ
きであることが最善であると考えられる。更に、本発明
の実施例、すなわち薄い壁で形成された雌部材を有する
特定の実施例に於いて(例えば特定のクリアランスカッ
プリング)、調節された直径79のねじを形成されていな
いパイプ部分は逃げねじと係合しない1つもしくはそれ
以上の雌ねじ螺条と対面され係合されるべきである、と
確信する。また、第9図によれば、現在最善と考えられ
ている本発明の実施例は雌ねじ部材に調節された端ぐ
り、すなわち雌ねじ部材のねじを形成されていない内面
89、を含む。この面はカップリングねじの面取り90によ
って片側を、また、端ぐりをカップリング端部を結んで
いる端ぐりの面取り91によって反対側を境界されてい
る。このような端ぐりは強化リングとして働いて、逃げ
ねじの位置でねじ接触を維持する助けをしている。
本発明はさまざまな設計のねじに応用することができ
る。例えば一般に平たいまたは湾曲したクレストおよび
ルートを備えたもの、そしてパイプや雌ねじ部材の長手
方向軸線に平行または平行でないクレストやルートを備
えたものに応用できる。広くさまざまな異なるねじ形状
を本発明の仕様に於いて選択できる。これには、例えば
バットレス、フックおよび平たいクレストや平たくない
クレストを備えたその他の形状が含まれる。フックねじ
は好ましいとされるものであり、フランクに荷重を受け
ると半径方向に一緒にねじを引張るような形状に形成さ
れた荷重受け面を有している。例えば、雄部材に於いて
は、横断面に於いて見た場合にねじがそれに関して形成
されような長手方向の中心軸線を含む大多数もしくは実
質的に全ての荷重受け面形状をなす実質的な部分が、締
め付けられたときに雄ねじが前進する方向から離れる方
向へ曲がってしまうのである。第10図〜第13図は本発明
に仕様する好ましい形態のフックねじを示している。
第10図に於いて、1つの完全ねじ形状94はルート95、
荷重受け面96、クレスト97およびスタブ面98を含む。こ
の図面は他の部分的な完全ねじ形状99を示しており、こ
れはルート100、荷重受け面101およびクレスト102を有
している。或る種の状況に於いて複数のねじ螺旋を有す
るマルチスタートねじ系のパイプおよび雌ねじ部材に本
発明の具現が望まれるのが、第10図に2つの異なるねじ
形状94および99の2つの異なるクレスト97および102と
して表されているのは、単一ねじの単一連続螺旋面の異
なる螺条に於ける対応する部分である。これはそれぞれ
ルート95および100そして荷重受け面96および101に当て
はまる。しかしながら、同じ螺旋に於ける異なる螺条の
これらの部分を“ねじ”としてみなすのがしばしば都合
よい。これはたとえ同じねじの部分であったとしてもで
ある。
第10図はねじクレスト、フランクおよびルートの間の
コーナーはそれぞれ丸め部103およびフィレット104によ
って連続されている。上述した丸め部およびフィレット
を除いてこの実施例のそれぞれのルート、フランクおよ
びクレストは実質的にパイプ軸線を含む長手方向断面に
て直線として表される面を実質的に構成し、また本質的
にこれらの面で構成されるのが更に好ましい。従って、
雄ねじおよび雌ねじは長手方向断面に於いて見た場合に
軸線方向の実質的な長さ部分の直線的な支持面を含むク
レストおよびルートを有するのが好ましいのである。
好ましくは、このねじ付き連結部は良好なスタブ特性
を与えるように形成されている。本発明に使用すること
を考慮した或る種の直径範囲に於ける単段(すなわち段
がない)ねじに関して適当なテーパーは、ねじクレスト
およびルートがテーパーに平行でないのが好ましいとさ
れる状況に於いては、セルフロッキングテーパーの範囲
とすることができる。更に好ましくは、良好なスタブ特
性を促進するために、パイプ軸線に平行なクレストおよ
びルートを有するねじが使用される。これは第10図に示
されており、軸線基準ライン107を含んでいる。このラ
インはパイプの長手方向軸線2(第1図、第2図および
第3図を参照)に平行である。この軸線基準ライン107
に助けられて、上述した断面に於いて見た場合にクレス
トおよびルートはパイプ軸線と少なくとも実質的に平
行、好ましくは正確に平行とされるのが分かるであろ
う。
第10図の好ましい雄ねじは実質的に一様な荷重受け面
高さを有する実質的な螺条範囲に構成されている。この
高さは例えばルート95と、ねじ形状94のクレスト97と一
致する荷重受け面高さ基準ライン108との間の距離(LF
H)によって示されている。従って、形状94によって代
表される螺条の位置96に於ける荷重受け面の高さは、こ
のパイプの他の全ての螺条の荷重受け面の高さと同じで
ある。同様に、示されているねじは、スタブ面が互いに
実質的に同じ高さを有する螺条で実質的に構成されてお
り、例とするスタブ面98の高さはこの図面に高さ(SF
H)として示されている。この高さはルート100とスタブ
面基準ライン109との間で測定され、このラインは形状9
4のクレスト97と一致する。パイプ軸線に平行なねじル
ートおよびクレストを有するテーパーねじに於いて、ス
タブ面は荷重受け面の高さ(LFH)よりも高い高さ(SF
H)を通常は有しており、生じた高さの差はフランク高
さの差(FHD)として示されている。これはクレスト102
と基準ライン109との間で測定される。
荷重受け面、例えば符号96および101で示されるよう
な荷重受け面は、符号95で示す位置のルートと、符号96
で示す位置での荷重受け面に隣接した半高さ基準ライン
110との間の距離(HH)で示された半高さ(HH)を有し
ている。パイプ軸線に平行な基準ライン110は荷重受け
面を二等分しており、それ故に荷重受け面の半高さ(H
H)は荷重受け面高さ(LFH)の半分に等しい。回転の何
れの位置に於ける荷重受け面の中間点である(MP)は、
パイプ軸線を含む何れかの長手方向断面に於いて見た場
合に荷重受け面とその二等分線との交点として定義され
る。
ピッチ円直径基準ライン111は直線である。この直線
は、パイプ軸線を含む与えられた長手方向のパイプ断面
に於いて見た場合に荷重受け面の複数の螺条の中間点を
結んでいる。この直線111が中間点との一致状態を保持
しつつパイプ軸線の回りの空間を回転されるとき、円錐
形の包絡線を定めるのであり、この包絡線はピッチ角θ
を有するねじピッチ円直径と一致する。ねじの先端部29
の方向にピッチ径が次第に減少することに鑑みて(第8
図参照)、ねじクレストは直径が次第に減少する円錐面
を定める。これをここでは円錐パイプねじ大径と称す
る。ねじルートに関する状態も同様であり、直径が次第
に減少する円錐面を定めている。これをここでは円錐パ
イプねじ小径と称する。従って、パイプねじクレストお
よびルートはそれぞれ、長手方向断面に於いて見た場合
にパイプ軸線に実質的に平行なプラトーおよび谷を定
め、クレストは大径を有し、ルートは小径を有するので
ある。またこの実施例に於いては、パイプねじはそれぞ
れプラトーおよび谷の立面で測定した実質的に一定した
高さを有している。
荷重受け面およびスタブ面の配置はパイプ軸線に直角
でこれらのフランクと交差する第10図の面P1、P2および
P3のような面を基準とするのが都合よい。当業者には、
何れかもしくは両方のフランクがこのような面と一致
し、すなわちフランクの何れかもしくは両方が半径方向
に配置されているが、1つまたは両方のフランクがそれ
らの面に対して角度を有していることが通常は好ましい
とされるような本発明の実施例を提供することができよ
う。本発明の好ましい実施例によれば、荷重受け面およ
びスタブ面はそれぞれの基準面に対して各々角度を有し
ている。
本発明の開示および請求の範囲の目的に関して、半径
方向最外側の半分がパイプの先端部から離れる方向へ向
けて基準面から主として傾斜したスタブ面の実質的な負
荷支持部分は正に傾斜されていると言い、反対方向の傾
斜状態は負と称される。この反対の状態が荷重受け面付
与され、半径方向最外部分のほとんどがパイプの先端部
から離れる方向へ向けて基準面から傾斜されるならば負
の傾斜と言える。
スタブ面角度はかなりの範囲にわたって調節できる。
好ましい特定の実施例に於いて、スタブ面は正に傾斜さ
れ、正のスタブ面角度を有する。例えば約10゜〜約45
゜、更に好ましくは約12゜〜約30゜、の範囲の角が使用
されるが、この実施例には約17゜が使用されている。
荷重受け面角度もまたかなりの範囲にわたって調節で
きる。約+30゜〜約−15゜の範囲の角度が使用される。
しかしながら荷重受け面は負に傾斜されるのが好まし
く、約−3゜〜約−10゜の範囲の角度が好ましい。この
実施例には約−5゜が使用されている。
ねじ高さおよび荷重受け面角度は相互に関係を有して
おり、負の荷重受け面角度を使用することで必要なねじ
高さは低減できる。このことは、引張または圧縮に於け
るねじせん断強度を保証する一方で、ねじ付き連結部に
於ける満足できるジャンプアウト防止性能を維持し、雄
ねじおよび雌ねじを支持するパイプおよび/またはカッ
プリングの壁部に過度の薄肉化を生じないで、十分に長
い有効ねじ長さ間隔を得ることを容易にする。これは基
準面P3および荷重受け面角度基準ライン113によって定
められる角度(LFA)で示される。この基準ラインは第1
0図の隣接する荷重受け面101と一致する。更に、雄ねじ
および雌ねじは、ねじが組み付けられた状態に於いて、
例えパイプの軸線方向の降伏強度に実質的に等しい軸線
方向の荷重に応答する場合ですら、雄ねじの少なくとも
荷重受け面が雌ねじの荷重受け面と係合を維持すること
を保証するのに十分な荷重受け面角度およびねじ高さを
有するのが好ましい。説明として、好ましくは約30.48c
m(12インチ)〜約50.8cm(20インチ)の直径で約8.46m
m(0.333インチ)のピッチを有するねじを備えたパイプ
に於いて、2.16mm(.085インチ)の基本ねじ高さ(荷重
受け面で測定して)が負の5゜(−5゜)の荷重受け面
角度と組み合わせて使用されて、有利なジャンプアウト
防止特性および良好な軸線方向な引張能力を与えるよう
になされる。
大径パイプは軸線方向の圧縮荷重も受ける。最大圧縮
抵抗を増進するために、フランク角度は実用できる程度
で低く保持される。しかしながらスタブ面角度を抑制す
る方法は、ねじの支障のない機械加工のために荷重受け
面およびスタブ面の間に与えられる内角の度合いによっ
て幾分度制限されてしまう。一般に、スタブ面面98の正
の傾斜角度は荷重受け面の負の傾斜角度よりも大体に於
いて大きい。スタブ面角度が大きいと、ねじの同じ螺条
で且つまたパイプ軸線を含む共通の長手方向の面で見た
場合に、スタブ面および荷重受け面の間に或る程度の先
細状態が与えられる。この先細状態は負に傾斜した荷重
受け面および正に傾斜したスタブ面の間に、このような
フランクを容易に形成できるように促進するのに十分な
小さな内角を形成するようになす。この角度は例えば約
10゜〜約20゜の範囲、更に好ましくは約12゜〜約15゜の
範囲とされ、現在は約12゜が好ましいとされる。これは
基準面P2とスタブ面角度基準ライン114との間の角度(S
FA)によって示されている。この基準ラインは隣接する
スタブ面98と一致する。
基準面P1、P2およびP3はピッチ円直径基準ライン111
とパイプ軸線を含む与えられた長手方向断面に於けるね
じフランクとの間の交点に位置される。これらの面の間
の距離はそれ故に、ねじピッチに関する、螺旋ねじの厚
さに関する、そして隣接する螺旋溝の幅に関する好まし
い基準点を与える。
当業者はここに開示した値と異なるピッチを容易に選
択できよう。しかしながら本発明に使用するのが特に好
ましいとされる約30.48cm(12インチ)〜約50.8cm(20
インチ)の直径の好ましいAPIラインパイプに関して
は、2.54cm(1インチ)あたり約2〜約5の単一リード
ねじ螺条、すなわちピッチで約12.7mm(.5インチ)〜約
5.08mm(.2インチ)であることが好ましい。一方、約8.
46mm(.333インチ)のピッチ、また25.4mm(1インチ)
あたり3螺条、であることが現在50.8cm(20インチ)の
パイプに最善であると考えられている。これは基準面P1
およびP3の間の距離(TP)によって示されている。
ねじ厚および隣接する螺旋溝の幅ほ実質的に似かよっ
ているのが好ましく、等しくされるのが好ましいが、異
なるねじ厚および溝幅のねじパターンを使用することが
できる。例えば、このような厚さおよび幅は全ねじピッ
チの約40%〜約60%の範囲で補完的に各々変化できる。
上述で参照した50.8cm(20インチ)のパイプで8.466mm
(.3333インチ)のねじピッチを有する特に好ましい実
施例に関しては、現在最も好ましいとされるねじ厚は約
4.183mm(.1647インチ)〜約4.234mm(.1667インチ)の
範囲で、隣接する溝の好ましい幅は約4.260mm(.1677イ
ンチ)〜約4.310mm(.1697インチ)の範囲である。ま
た、ねじ付き連結部にねじを配列して、実質的な部分に
於いて、更に好ましくは係合した螺条の少なくとも主要
部分に於いて、そして更に好ましくは実質的に全ての係
合した螺条に於いて、各螺条がそのフランクの1つのみ
を支持するようになすのが好ましい。ねじ厚さは基準面
P1およびP2の間の距離(TT)によって示され、溝幅は基
準面P2およびP3の間の距離(GW)で示されている。
第11図は第10図の雄ねじの補完的な雌ねじを示してい
る。第11図に於いて、1つの完全ねじ形状119はルート1
20、荷重受け面121、クレスト122およびスタブ面123を
含む。この図面は他の完全ねじ形状124の一部を示して
おり、この形状はルート125、荷重受け面126およびクレ
スト127を有している。ねじクレスト、フランクおよび
ルートの間のコーナーにより、丸め部128およびフィレ
ット129によって信頼性を高められている。丸め部およ
びフィレットを除いてこの雌ねじのルート、フランクお
よびクレストは、カップリング軸線を含む長手方向断面
に於いて見て直線として現れる面で実質的に構成され、
好ましくはそれによって本質的に構成されている。
第11図は軸線方向基準ライン132を含み、この基準ラ
インは雌ねじもしくはカップリングを長手方向軸線11
(第1図、第2図および第4図参照)に平行とされる。
基準ライン132は上述した断面に於いて見てクレストお
よびルートがパイプ軸線に対して少なくとも実質的に平
行で、好ましくは正確に平行とされる。
第11図の好ましい雌ねじは実質的に一定な荷重受け面
高さを有する実質的な螺条範囲に構成される。このフラ
ンク高さは例えばルート125と荷重受け面高さ基準ライ
ン133との間の距離(LFH)によって示されている。この
基準ラインはねじ形状124のクレスト127と一致する。従
って形状124によって代表される螺条の符号126で示す位
置の荷重受け面の高さは、同じ雌ねじ部材の他の全ての
螺条に於ける荷重受け面の高さと同じである。同様に、
示されたねじは、スタブ面が互いに実質的に類似の高さ
を有しているねじ螺条で実質的に構成され、例とするス
タブ面123の高さは第11図ではルート125およびスタブ面
基準ライン134の間で測定された高さ(SFH)で示されて
いる。この基準ラインは形状119のクレスト122と一致す
る。パイプ軸線に平行なねじルートおよびクレストを有
するテーパーねじに於いて、スタブ面は荷重受け面の高
さ(LFH)よりも高い高さ(SFH)を通常有し、これによ
り生じた高さの差はクレスト127および基準ライン134の
間で測定されたフランク高さの差(FDH)で示されてい
る。
例えば符号121および126で示されるような荷重受け面
は、クレスト127と荷重受け面126に隣接した基準ライン
135の間の距離を代表する基準高さ(RH)をよす。パイ
プ軸線に平行な基準ライン135は第10図の雄ねじ半高さ
基準ライン110に一致した位置で荷重受け面126と交差す
る。従って、雄ねじ荷重受け面半高さ(HH)は雌荷重受
け面基準高さ(RH)に等しい。雌荷重受け面基準高さで
ある(RH)は、荷重受け面面がパイプ軸線を含む何れか
の長手方向断面に於いて見た場合に基準ライン135との
交差によって定められる。
ピッチ円直径基準ライン136は直線であり、パイプ軸
線を含む与えられた長手方向パイプ断面にて見られる負
の荷重受け面の螺条上の対応する点を結ぶ。このライン
136がこれらの点との一致を維持しつつパイプ軸線の回
りの空間内で回転されると、円錐形包絡線を定め、これ
はピッチ角度(γ)を有するねじのピッチ円直径と一致
する。カップリングの開口端部へ向かってピッチ円直径
が次第に増大することに鑑み、雌ねじのクレストおよび
ルートは次第に直径の増大する螺旋面を定める。従っ
て、雌ねじクレストおよびルートはそれぞれプラトーお
よび谷を定め、これらは長手方向断面にて見た場合にパ
イプ軸線と実質的に平行である。クレストは小径を有
し、ルートは大径を有する。またこの実施例に於いて、
雌ねじは実質的に一定した高さを有する。この高さは前
記プラトーおよび谷のそれぞれの立面間にて測定され
る。
荷重受け面およびスタブ面の配置はパイプ軸線に直角
でこれらのフランクと交差する第11図の面P4、P5および
P6のような面を基準とするのが都合よい。当業者には、
何れかもしくは両方のフランクがこのような面と一致し
て、すなわちフランクの何れかもしくは両方が半径方向
に配置されているが、雄ねじを参照して上述したように
1つまたは両方のフランクがそれらの面に対して角度を
有しているのが通常は好ましいとされる本発明の実施例
を提供することができよう。これは基準面P6と、隣接す
る荷重受け面面126に一致する荷重受け面角度基準ライ
ン138とによって定められた角度(LFE)で示される。雄
ねじの場合と同様に、スタブ面面123の傾斜の正の角度
は荷重受け面の負の傾斜よりも一般に大きい。これは基
準面P5およびタブフランク角度基準ライン139の間の角
度(SFA)によって示される。この基準ラインは隣接す
るスタブ面面(123)と一致する。
与えられた長手方向断面に於いてピッチ円直径基準ラ
イン136とねじフランクの間の交差点に位置された面P
4、P5およびP6は、ねじピッチに関し、螺旋ねじの厚さ
に関し、そして隣接する螺旋溝の幅に関して好ましい基
準点を与える。当業者はここに開示した値とは異なるピ
ッチを容易に選択できるが、好ましいAPIカップリング
ストックに関して雌ねじピッチは雄ねじのためのピッチ
と同じとされる。これは例えば基準面P4およびP6の間の
距離(TP)によって示される。
ねじ厚さおよび隣接する螺旋溝の幅は実質的に似かよ
っているのが好ましく、ほぼ等しいのが好ましいが、異
なるねじ厚さおよび溝幅を使用することができる。雄ね
じの場合と同様に、雌ねじの厚さおよび幅は全ねじピッ
チの約40%〜約60%の範囲で補完的に各々変化できる。
上述で参照した50.8cm(20インチ)のカップリングスト
ックで8.466mm(.3333インチ)のねじピッチを有する特
に好ましい実施例に関しては、現在最も好ましいとされ
るねじ厚さは約4.155mm(.1636インチ)〜約4.206mm(.
1656インチ)の範囲で、隣接する溝の好ましい幅は約4.
262mm(.1666インチ)〜約4.282mm(.1686インチ)の範
囲である。ねじ厚さは基準面P4およびP5の間の距離(T
T)によって示され、溝幅は基準面P5およびP6の間の距
離(GW)で示されている。
第12A図、第12B図および第12C図は第10図および第11
図のねじを、それらが完全に組み付けられた状態を好ま
しく示すように、示している。本発明によれば、小径位
置、大径位置もしくは両方の位置に於いて、雄ねじおよ
び雌ねじのクレストおよびルートが互いに対応する部分
の支持に締め代嵌合に与えることができる。この好まし
い実施例の雌ねじのクレスト122および127は応力解放状
態で雄ねじのルート95および100よりも小さな直径を有
しているので、小径に於けるクレストとルートとの間に
は締め代嵌合が生じる。従って、第12A図に示すよう
に、前述した雌ねじクレストは形成されたねじ状態に於
ける小径位置にて締め代嵌合144の状態で雄ねじルート
上に支持されるのであり、この位置は螺旋小径基準ライ
ン145によって示されている。この基準ラインは雌ねじ
のクレストと一致している。
連結部はまた大径を有する。これは螺旋大径基準性14
6によって示されており、これは雄ねじのクレストと一
致する螺旋面である。ここで好ましい実施例によれば、
調節された間隙すなわち半径方向の空隙147が備えられ
ている。この間隙は、雄ねじ高さおよび雌ねじ溝深さの
典型的な変化を考慮して、大径位置にて雄ねじおよび雌
ねじが擦傷すなわち接触するのを避けるのに十分な程大
きくされるが、以下に第13図に関して説明するように、
使用できるねじシーラントおよび/または潤滑剤で完全
にシールできる以上には大きくされない。
小径位置に締め代嵌合を有し、大径位置に調節された
間隙を有することで多くの利点がもたらされる。雄ねじ
および雌ねじの寸法が大径位置ではなく小径位置で容易
に調節することができ、極めて正確で擦傷の傾向が良好
に制御されたパイプねじ部材や雌ねじ部材の製造運転を
容易にし、圧力抵抗の性能の一様性が改善されるのであ
る。このような締め代嵌合の付与は初期スタッビングに
際してのねじ損傷の衝撃を最小限にする傾向をみせる。
小径位置に干渉があり、大径位置に制御された間隙が与
えられると、発生する何れの擦傷も小径位置にていっそ
う発生しやすくなり、容易に繰り返されるようになる。
このことはねじの現場での交換を容易にするのである。
好ましくは、本発明によるねじ付き連結部はまた螺条
の間に長手方向の間隙を含む。これらはねじの荷重受け
面および/またはスタブ面の隣接部分間に間隙として現
れる。荷重受け面およびスタブ面上のこの間隙の大きさ
はポアソン効果によってねじ長さの中で変化できる。ス
チールやその他のパイプ製造金属が1方向へ引張られる
と、その方向に応じて伸縮される。この効果は他のね
じ、パイプおよび連結部の特性とは単独もしくは組み合
わせて使用され、“フランクのダム作用”を作り出す。
ねじ付き連結部のこの好ましい形態に於いて、ねじのノ
ーズ部分および内方部分に於ける雄スタブ面および雌ス
タブ面の少なくとも一部の間に第1のシールが、また、
ノーズ部分および内方部分から長手方向に間隔を隔てら
れた位置にて雄スタブ面および雌スタブ面の少なくとも
一部の間の負荷支持係合によって第2のシールが生じ
る。これらのシールはねじの相互に係合する部分に於け
るねじコンパウンドの捕捉を助ける。
例えば、本発明の好ましい雄ねじの完全螺条が逃げ螺
条となる部分に於いてまたはその近くに於いて、雄ねじ
および雌ねじは荷重受け面にて互いに好ましく支持され
る。これは第12A図に示されている。これに関して、荷
重受け面係合148に注目されたい。この図面に示された
ねじ部分は第8図の符合6および14で示されている螺条
にほぼ対応している。好ましくは、第12A図に示すよう
に、これらのねじの幾つかの部分のスタブ面の間にイン
サートな間隙149が形成される。
また、ねじのノーズ部分および内方部分に比較的近い
位置にて荷重受け面およびスタブ面の両方の間に間隙が
形成されるのが好ましい。これは第12B図に示されてい
る。この図面は、第8図に示された雌ねじ中央部分66お
よび雄ねじ中央部分46の右側端部にほぼ対応した軸線方
向位置のねじ部分を示している。荷重受け面は係合され
ておらず、それらの間に小さな荷重受け面間隙すなわち
空隙が形成されていることに注目されたい。スタブ面間
隙149は従って減少されている。
しかしながら、第12C図を参照すれば、この図面はね
じのノーズ部分および内方部分に於ける最初の数螺条を
示している。ここでは、パイプ(第8図)の先端部29に
隣接して、雄ねじおよび雌ねじのスタブ面の間に高い接
触圧力すなわちシール151が形成されており、荷重受け
面間隙150は従って大きくなっている。これは全てのね
じに荷重受け面側で広い間隙を残している。
1つまたはそれ以上の以下の特性が操作されて荷重受
け面およびスタブ面の望ましい長手方向の位置決めおよ
びそれらの間の軸線方向間隙を得ることができるのであ
る。すなわち:雄ねじおよび雌ねじのテーパーおよびそ
のテーパーの末広度合い、雄ねじおよび雌ねじの間の干
渉の度合い、雌ねじ部材の直径方向への伸長による短縮
能力、パイプの直径方向の収縮による伸長能力、雄ねじ
および雌ねじの相互係合部分の長さ、そして雄ねじおよ
び雌ねじの荷重受け面および雄ねじおよび雌ねじのスタ
ブ面のそれぞれの設計間隔(応力解放状態)もしくは長
手方向の接近状態。小さなリードの相違がこの目的で使
用できる。好ましいねじ付き連結部に於いて、パイプお
よび雌ねじ部材の少なくとも一方の伸長および/または
収縮によってパイプのねじ支持端部に比べたときの雌ね
じ部材の相対的な短縮を生じさせ、これにより上述した
荷重受け面の係合およびスタブ面によるシールを生じさ
せるには、前述した特性の1つまたはそれ以上で十分で
ある。
第13A図によって部分的に示されるように、ねじ付き
連結部はねじコンパウンドの助けによってシールされ
る。このコンパウンドはシールおよび/または潤滑の特
性を有することができる。図面に示すように、ねじルー
トおよびクレストの間およびねじフランクの間に存在す
るような間隔はコンパウンドによって充満される。この
ような充満は相互係合するねじ長さの実質的な部分にわ
たって好ましく引き起こされる。更に好ましくは、ねじ
付き連結部は上述した荷重受け面係合およびスタブ面シ
ールを含み、このような充満が前記係合およびシールの
間の長手方向の間隔全体を実質的に通じて存在するので
ある。従って、荷重受け面96および126の間の間隙150を
図示のために使用すれば、コンパウンド154はねじ形状9
4および124のクレスト97およびルート125の間の間隙147
を通じて延在し、また、隣接するねじフランクの間の間
隙を通じて延在するのである。
上述した半径方向の干渉、間隙、荷重受け面係合およ
びスタブ面シールは、形成されたねじ付き連結部に於け
る実質的な圧力保全を行うために十分なプリロードの作
用の下でねじ内にコンパウンドを保持することができ、
また、保持のために好ましく使用されるのである。ガス
ケットシールでは、間隙および組み合い部材の間のプリ
ロードの度合いが圧力保全に影響する。プリロードはま
た本発明のねじ付き連結部に於けるファクターである。
従って、ねじ部材の間のプリロードは制御されるのであ
り、これは:雄ねじおよび雌ねじ部材の間の干渉の度合
い、すなわち力が作用している間に雌ねじ部材は伸長し
且つパイプは収縮しなければならない度合い;そして第
12A図および第12C図に示すような荷重受け面およびスタ
ブ面の係合、によって行われるのである。
干渉の代表的且つ有効なレベルは例えば支持直径に対
する干渉部材の直径差の比として表される。例えば、支
持面に対する干渉部材の直径の差の比率として表すこと
ができる。これに於いて、名数は雌ねじの支持直径であ
る。この“支持直径”という用語は雄ねじの部分の直
径、およびこれに対応する雌ねじの部分の応力解放状態
での直径を示し、このねじ部分は締め代嵌合にて互いに
支持されるように意図されているのである。例えば、ね
じのノーズ部分、内方部分およびその他の部分に於ける
締め代嵌合は、応力解放状態に於ける予め定めたピッチ
円直径を有する雄ねじおよび雌ねじ、およびピッチ円直
径を有するパイプねじを特徴とする。このパイプのピッ
チ円直径は応力解放状態に於いて雌ねじの対応する部分
のピッチ円直径よりも大きい。また、雌ねじピッチ円直
径に於ける25.4mm(1インチ)あたりこの過大量が約0.
0127mm(.0005インチ)〜約0.127mm(.005インチ)の範
囲となる比率の支持直径を特徴とする。更に詳しくは、
そして特に雄ねじおよび雌ねじが金属材料で作られてい
る場合には、前記比率は約0.0254〜約0.127mm/mm(0.00
1インチ/0.005インチ)とされる。更に好ましくは、前
記比率は約0.0381〜約0.0635mm/mm(0.0015インチ/0.00
25インチ)とされ、約0.0508mm/mm(0.002インチ/イン
チ)が現在好ましいと考えられている実施例のノーズ部
分および内方部分に関しての比率である。これらの比率
はねじの全ての部分に適用されるのが好ましく、ノーズ
部分および内方部分以外に干渉が或場合には、それらの
2つの部分に於ける度合いはねじに於ける他の場所で見
られるよりも大きくされるのが好ましい。
好ましくは、干渉の度合いは十分に大きくされ、ねじ
の間の間隙すなわち空隙は十分に小さくされて、内方お
よび/または外方へ向かう液体および/またはガスの漏
れに対して実質的にすなわち強く抵抗するようなねじ付
き連結部を作り出すようにされねばならない。与えられ
たレベルの干渉および許容できる度合いの間隙方法に於
けるこれらの連結部の性能は、良好なねじコンパウンド
(シーラント/潤滑剤)が入手できるならば増大すると
予想できる。しかしながら、現在入手できる“ドープ”
とも称されているねじコンパウンドのシール能力を考え
ると、半径方向間隙(147)および荷重受け面とスタブ
面との間の空隙(149)および(150)は約0.152mm(.00
6インチ)までの範囲、好ましくは約0.127mm(.005イン
チ)までの範囲、更に好ましくは約0.1016mm(.004イン
チ)までの範囲とされねばならない。単一段で単一リー
ドの第12A図〜第12C図の締め代嵌合ねじに関しては、約
0.1016mm(.004インチ)の範囲の幅およびAPI規格のね
じコンパウンドが現在好ましいとされている。好ましい
実施例では、ねじコンパウンドが空隙に存在していると
きにねじ付き連結部に実質的に漏れ抵抗を与えるのに十
分である。
連結部が例え正しい幾何学形状としているとしても、
強力に締め付けられて組み付けられている間に擦傷を生
じて適正に機能し得ない場合がある。テーパーによる干
渉を受ける単一リードねじは擦傷に敏感である。更に、
この傾向はラインパイプ筒状部材の使用によって強調さ
れることになる。ラインパイプスチールは一般に微粒組
織構造であって炭素および硫黄の含有率の低いスチール
が使用され、これにより機械加工がし難く、擦傷され易
い材料となっている。従って雄ねじおよび/または雌ね
じの表面は耐擦傷表面処理を施すことが推奨される。更
に、この表面処理はねじコンパウンドのための保持パタ
ーン(auchor pattern)を形成するようになすことが
推奨される。
雄ねじ部材の表面は粗面化されてその表面に対するね
じコンパウンド層の付着を増進させることが好ましい。
ねじコンパウンドのための“保持”パターンを使用した
表面の粗面化は、ねじの形成、或いはねじ表面での材料
の再分散(redirtribution)、塗布または除去によるな
どの何れかの適当な方法によって遂行される。このよう
にして形成された粗面は、例えば、表面に対してマンガ
ンや亜鉛のフォスファートを含有するコーティング材を
塗布することによって形成された襞(rugae)を含むこ
とになる。これに代えて表面は例えば蓚酸のような化学
的な腐食剤(etchant)によって粗面化できる。更に、
また、好ましくは、粗面化された表面は、球状物質で表
面のブラスト処理を施すことで形成された凹部やその他
の表面不整箇所を含んでいる。一方がグリットによるブ
ラスト処理を施され、他方が粗面となる耐擦傷コーティ
ング材を塗布されるようにして、両方のねじが粗面化さ
れるのが好ましい。
本発明の他の好ましい実施例によれば、雌ねじは内部
またはその表面上に固体状の1つもしくはそれ以上の材
料を有して、それらの面に於ける擦傷抵抗を高めるよう
になされる。例えばこのような材料にはマンガン、亜
鉛、銅、錫、ニッケル、シリコン、クロム、銀、金およ
びその他の貴金属、の群から選択した1つもしくはそれ
以上の金属またはそれらの組み合わせを含む。このよう
な金属は例えばマンガンおよび亜鉛を含むグループから
選択した金属のフォスファータを含む1つまたはそれ以
上のコーティング材として与えられる。他の実施例とし
ては、金属はニッケル、亜鉛、錫および銅を含んでなる
群から選択された1つもしくはそれ以上の電気メッキ層
として与えられる。更に他の実施例によれば、この金属
は無電解ニッケルメッキの層を含む。また、金属はねじ
面に埋め込まれ、擦傷抵抗改善のための金属はそれ故に
ねじ面に埋め込まれるシリコン含有のインプラントを含
むことができる。これは例えばクレイゾル(トレードマ
ーク)がねじ面に塗布することで付着されるか、或いは
クロム、銀、金、その他の貴金属或いはそれらの組み合
わせを使用したイオンインプラントとされる。
本発明の1つの実施例によれば、少なくとも雄ねじお
よび雌ねじの表面はブラスト、エッチング或いは表面粗
さを生じさせるコーティング材のような方法によって、
粗面とされる。例えば雄ねじおよび雌ねじの表面は約64
〜125の範囲の粗さ値(Ra)を有することができる。し
かし両方のねじが、擦傷排除および/またはねじコンパ
ウンド付着促進のために処理をされるのが特に好まし
い。特に好ましい実施例によれば、雄ねじの表面はねじ
コンパウンド付着促進のために粗面とされ、雌ねじの表
面は固体状の1つもしくはそれ以上のインプラントもし
くはコーティング材を有して擦傷抵抗を高められる。実
際に最もよかったと現在考えられているものによれば、
雄ねじはブラスト処理で粗面化され、雌ねじに塗布され
たインプラントまたはコーティング材はマンガンおよび
亜鉛を含む群から選択された金属の1つまたはそれ以上
のフォスファートを含むものである。
第13B図は第13A図と同様に荷重受け面96および126、
荷重受け面間隙150、根クレスト97、ルート125および半
径方向間隙147の同じ箇所を示している。これらの間隙
の中でねじコンパウンド154はシーラントおよび潤滑剤
として作用する。更に、第13B図は雄ねじおよび雌ねじ
の表面に塗布された表面処理剤を示している。雄ねじの
荷重受け面、クレスト、スタブ面およびルートは全く軽
くブラスト処理を施されている。この結果、小さな不整
襞155が雄ねじの荷重受け面96およびクレスト97の表面
に図示したように雄ねじ、ルート、クレストおよびフラ
ンクの表面に形成された。第13B図はまた雌ねじのフラ
ンク126およびルート125上のフォスファートコーティン
グ材156を示しており、このコーティング材は表面全体
に分散された襞157によって代表されるような表面あら
さを有している。
第13B図の組み付け状態に於いて、軽いブラスト処理
によって形成された襞155およびフォスファートコーテ
ィング材の襞157はそれぞれねじコンパウンド154のため
の保持パターンを形成している。従って組み付けられた
連結部がその一方の端部に流体圧作用を受けると、コン
パウンドを所定位置に保持する助けをなす。これにより
コンパウンドがねじの反対側から押し出されてしまう代
わりにそのコンパウンドを所定位置に保持するように助
成するのである。一方または両方のねじの粗面化および
第12A図および第12C図に示したダム作用の組み合わせ
が、ねじ形状そしてねじ間の干渉と協働して、強力に、
すなわち非常に効果的にそのような押し出しを防止する
ようになすのである。
本発明のねじ付け連結部は、例えば水、石油、ガス、
原子炉、投棄およびその他の形式の井戸のような、あら
ゆる種類の井戸パイプストリングとして有用である。こ
の連結部は、その連結部の引張強度および/または圧縮
抵抗および/または内部圧力抵抗および/または外部圧
力抵抗がパイプおよび/または雌部材の壁に於けるねじ
を形成されていない部分と等しいもしくはそれ以上であ
るような状況で特に有利さを発揮する。
例えば、原子炉の井戸内で導かれるのが望まれる化学
的反応物質は高い反応圧力、そして環境を破壊する成分
や生成物を伴う。このような環境に於いて、井戸の収容
ケーシング内のねじ付き連結部はねじを通して液体およ
び/またはガスの流体が漏れるのに強く抵抗するもので
なければならず、本発明の連結部は容易に具備できると
いう特徴を有している。
更に、深いガスや石油の井戸では、ケーシングストリ
ングは引張もしくは圧縮荷重に強く抵抗できるものでな
ければならない。現在のところ、このような井戸を6000
m(20000フィート)を超える深さまでドリル加工するこ
とが知られている。3000m(10000フィート)を超える深
さに対しては、大径のパイプが必要となる。このような
井戸に於いて、大径ケーシングの全重量は0.96トン(2.
1ミリオンポンド)にもなり、浮力や、支持地層との摩
擦係合で支持されていない重量部分は0.82トン(1.8ミ
リオンポンド)と大きい。
従って、本発明の特に好ましい他の実施例に於いて
は、雄ねじおよび雌ねじは、そのねじ形状および直径の
両方に於いて互いに関して寸法決めされて、両者間にル
ート−クレストまたはフランク−フランクの間隙を形成
するように、また、組み付け状態とされるとルート−ク
レストまたはフランク−フランクの締め代嵌合が生じる
のを保証するように、なされる。ねじのノーズ部分に於
いてこのような干渉は十分に大きく、空隙は十分に小さ
く、パイプ本体の内部および/または外部の最大定格圧
力の下で漏れを実質的に防ぎ、また、パイプ本体の最大
定格の軸線方向作用力並びに内部および/または外部の
最大定格圧力の下で雄ねじの逃け部分に於ける雌ねじと
のねじ係合を維持できるようになされる。しかしこの干
渉は、パイプまたは雌部材の実質的に破壊的なフープ降
伏変形もしくは実質的に破壊的な何れかのねじの擦傷を
引き起こす程には、大きくない。
石油の分野での実用、或いはその他の使用に関して
は、工業会で認識されている組織によってパイプは軸線
方向の作用力および圧力に対する強度のような1つもし
くはそれ以上の特性に関してしばしば分類されている。
例えばAPIは石油井戸のケーシングに関するこのような
分類を確立している。このような分離の確立に使用され
た方法論、測定および数式は公開されており、当業者に
は理解できる。従って、本発明はその組織によって既に
分類されたパイプに限定されないことを理解すべきであ
り、また、一般的に述べれば適当な分類が算出されるよ
うな何れかのパイプに応用されることができることを、
理解すべきである。
これまでは、このような高い性能の合うように関する
パイプおよびねじ付き連結部の典型的な選択はAPIケー
シング規格を満たすことであった。本発明は、APIライ
ンパイプのようなパイプの等級の差異による改善性能
を、コストを大幅に節約して得ることができるようにす
る。最も好ましい形態に於いては、本発明のねじ付き連
結部は、ラインパイプの壁もしくは本体もしくはライン
パイプ自体に於ける引張、圧縮および漏れ性能と実質的
に同等かそれ以上の性能を得ることができるのであっ
て、この技術分野での実質的な進歩を代表するのであ
る。
これは第14図に示されている。これに於いて、井戸15
8は地中160に形成された穴159を含み、この井戸は周囲
の地層162と接触される外面を有するAPIラインパイプの
上級ケーシング161と整列されている。ケーシング161の
内部にはAPI規格5Lに合致したラインパイプストリング1
63が支持されている。これは50.8cm(20インチ)の基準
直径を有し、穴164の中の位置から地面165まで延在して
いる。ここで、プラットホーム166、支持構造167、ケー
ブル168および操作手段169がパイプストリングを支持し
ている。このストリングはパイプ170で形成され、この
パイプは第10図のパイプ形状に従って両端にねじが形成
されている。また、このパイプはカップリング171によ
って互いに固定されている。このカップリングはAPI規
格5CTに合致したカップリングストックで形成されてお
り、第11図に開示したねじ形状を有している。
雄ねじおよび雌ねじは、第3図〜第8図に関連して説
明したように、末広テーパーを有している。半径方向の
干渉の度合いは、雄ねじおよび雌ねじのノーズ部分およ
び内方部分にて約0.0508cm/cm(0.002インチ/インチ)
であり、この度合いから、雄ねじの逃け部分およびそれ
と対応する雌ねじの螺条の間に於ける約0.02032cm/cm
(0.0008インチ/インチ)とされた半径方向の干渉の度
合いまで、次第にテーパー状に変化している。従って、
雄ねじおよび雌ねじの係合している部分の実質的に全て
にわたって締め代嵌合が生じ、その締め代嵌合の度合い
は雄ねじのノーズ部分で且つねじ付き連結部の小径位置
で最大となる。また、荷重受け面での圧接およびスタブ
面でのシールが第12A図〜第12C図に示すように生じるの
である。
上述したように連結部の大径位置には間隙が生じ、こ
の間隙はねじコンパウンドによって充満される。この間
隙の幅、ねじの表面処理、およびねじ形状の残りの寸法
は以下に説明するようにねじコンパウンドをこの間隙に
保持するのを保証するようにして、確定される。
試験によれば、パイプ本体の壁の引張強度、圧縮強
度、および内圧抵抗に実質的に等しいかこれを超えたそ
れらの強度を有するねじ付き連結部が本発明によって作
れることが示された。この試験の目的のために、パイ
プ、カップリング、ねじ、および結合部が準備された。
これらは全体として以下の数値を満たしており、API規
格K−55カップリングストックに従って製造されたカッ
プリングと連結された50.8cm(20インチ)外径を有する
X−56ラインパイプとして本発明の最善の実施例を代表
するものと現在考えられている。
パイプは最小、最大および基準寸法を含むセットとし
て作られた。また、基準組み付け位置を示すための標準
三角マーキングが付された。シーラント/潤滑剤の保持
および擦傷抵抗を助成するために、雄ねじは組み付けの
前に微細粒状物体の媒体例えばリード・ミネラル・ブラ
ック・グリットX/微粒子 BG No.6でブラスト処理さ
れ、これにより表面に小さな凹部を形成し、また、NACE
(ナショナル アソシェーション オブ コロージョン
エンジニアーズ、米国テキサス州ヒューストン)のコ
ーティングを付与するための金属のブラスト処理に関す
るホワイト メタル 規格 No.1に合致するようになし
た。このカップリングねじは亜鉛フォスファートを被覆
され、擦傷保護および表面の粗面化が行われた。
試料は次に最小−最小、最大−最大そして基準−基準
の公差の組み合わせで組み立てられ、ねじコンパウンド
に関するAPIブリテン5A2に合致するAPI規格のねじコン
パウンド、テフロン(トレードマーク)をベースとした
リキッドO−リング(トレードマーク)#104ねじコン
パウンドのような非APIコンパウンドのようなさまざま
なねじコンパウンドと組み合わされた。各組み合わせは
組み付けトルクおよび擦傷のチェックのために試行され
た。結合部は最大トルクが基準三角のベースより5.08cm
(2インチ)以内に於いて最大3905kgm(28300フィート
ポンド)にて締め付けられるか、最小2525kgm(18300フ
ィートポンド)で且つ示された基準三角の頂点を2.54mm
(0.1インチ)超えないで締め付けられるならば許容で
きるとみなされた。擦傷はAPI規格もしくはテフロン
(トレードマーク)ベースのねじコンパウンドを使用し
たときは試料にまったく認められず、無気状態で僅かば
かりの擦傷が認められた。
試料は次に物理的試験のために最も不利な寸法上の組
み合わせによって再組立された。物理的試験は静水圧の
閉端圧力タンク試験、真に軸線方向荷重試験、圧力およ
び軸線方向荷重の組み合わせ試験であった。組み合う軸
線方向荷重および内部ガス圧力試験も施された。試料の
負荷容量はAPIブリテン5C3、ブリテン・オン・フォーミ
ュラ・アンド・カリキュレーション・フォー・ケーシン
グ・チュービング・ドリルパイプ・アンド・ラインパイ
プ・プロパティーに記載された基本に従った。
内圧、そして内圧および軸線方向の引張荷重、の何れ
に於いても連結部から漏れは生じなかった。極端に高い
軸線方向荷重および内圧の場合に僅かに漏れが生じた。
軸線方向荷重を軽減することで漏れは止まった。続く引
張での性能は悪影響を受けなかった。
全ての試験サイクルの終了後、試料を破壊する試みが
なされた。静水圧の閉端圧力タンク試験では、218kg/mm
2(3112psi)のAPI規格の最小降伏内圧の達成をみた。3
84kg/mm2(5460psi)の圧力に対してパイプ本体のグロ
ス塑性変形が生じる前に到達した。パイプ本体の破壊は
375kg/mm2(5330psi)ので生じた。何れのしきも漏れは
見いだされず、破壊箇所をねじ連結部にまったく発生せ
ず、常に損傷を生じなかった。破壊試験の試みに於いて
は試験機械の荷重容量の限界のために組み合わせ試験は
うまくゆかなかった。218kg/mm2(3112psi)の内部の最
小降伏圧力の他に、組み合わせ荷重試験の試料は152087
kg/mm2(2163400psi)の計算上の軸線方向の負荷容量を
示した。この試料は実際に271kg/mm2(3860psi)の内圧
を受け、1582320kg(3470000ポンド)の合計引張荷重を
受けた。これにより、2%引張を超えるパイプ本体のグ
ロス塑性変形が生じたが、連結部からの漏れはまったく
なかった。この試験員は更に高い圧力を試料にかけるこ
とをやめた。
本発明の特に好ましい実施例が特定の寸法および上述
したその他の特性とともに説明された。当業者には前述
の寸法および特性は説明の例とするだけのもので、本発
明の最善の実施例として現在考えられているものの説明
であることは理解されよう。当業界には前述したパラメ
ーターが更に洗練されて最適化され、広くさまざまに変
化した特性およびパラメーターが本発明の範囲内で生み
出されることは容易に理解できよう。従って、本発明の
範囲は前述の実施例によって制限されるべきものではな
く、むしろ請求の範囲の欄の記載範囲およびその等価範
囲に合致する全ての変化を包含するように解釈されるべ
きである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状部材の間のねじ相互連結部であって、
    少なくとも一方の部材がパイプ本体(1,8)を含むパイ
    プ長さ部分(1,8)とされ、一方の部材の雄ねじ(6,2
    2)が他方の部材の雌ねじ(14,20)と組をなして係合
    し、前記雄ねじおよび雌ねじが荷重受け面(96,101)、
    スタブ面(98)、クレスト(97)およびルート(100)
    を有し、ともにその軸線方向の長さが少なくとも一部分
    にわたるテーパーを有し、前記雄ねじ(22)が逃げ部
    (47)およびノーズ部分(45)を有し、前記ノーズ部分
    が前記雌ねじ(14,20)の内方部分(64)に係合してい
    る相互連結部であって、それぞれ雄ねじおよび雌ねじの
    ノーズ部分(45)および内方部分(64)の間にパイプ本
    体の最大の内部および/または外部の定格圧力における
    漏洩を実質的に防止するようなルート対クレストおよび
    /または面対面の締め代があり、同時に、前記雄ねじ
    (6,22)の逃け部(47)およびこれに係合する雌ねじの
    部分(67)が互いに締め代を有して係合し、パイプ本体
    の最大の軸線方向の定格力およびまたパイプ本体の最大
    の内部および/または外部の定格圧力においてこれらの
    間のねじ係合を保持するようになされ、前記締め代は、
    何れかの部材の実質的な破壊的なフープ応力による降伏
    変形またはこれらのねじの内の何れかの実質的な破壊的
    な損傷を生じるには不充分であるようにされていること
    を特徴とするねじ相互連結部。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項に記載のねじ相互連結部
    であって、前記雄ねじおよび雌ねじが、少なくとも前記
    雄ねじ(6,22)の荷重受け面(96,101)が前記パイプの
    軸線方向の降伏強度に実質的に対応する軸線方向荷重に
    応答して雌ねじの荷重面(121,126)に係合して保持さ
    れるようになされることを保証するのに十分な荷重受け
    面角度(LFA)およびねじ高さ(LFH)を有しているねじ
    相互連結部。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項または第2項に記載のね
    じ相互連結部であって、前記雄ねじおよび雌ねじが互い
    に対し、ねじの輪郭および直径の両者において、これら
    の間にルート対クレスト(147)または面対面(149,15
    0)の間隙を与えて、ルート対クレストまたは面対面の
    締め代(144)嵌合がこれらの間に保持されることを保
    証するようになされていて、前記締め代が充分に大き
    く、また前記間隙が充分に小さく、(a)雄ねじのノー
    ズ部分(45)において、パイプ本体の最大の内部および
    /または外部の定格圧力における漏洩を実質的に防止
    し、(b)雄ねじの逃げ部(47)において、パイプ本体
    の最大の軸線方向の定格力および最大の内部および/ま
    たは外部の定格圧力における雌ねじとのねじ係合を保持
    するねじ相互連結部。
  4. 【請求項4】前掲請求の範囲の何れか1項に記載のねじ
    相互連結部であって、前記雄ねじ(6,22)が前記パイプ
    本体の端部に形成され、前記雌ねじ(14)が連結部材
    (19)に形成されていて、前記雄ねじのノーズ部分(4
    5)が前記パイプの端部(29)に最も近い正規の螺旋の
    約半数またはそれよりも少ない部分によって構成されて
    いて、前記雄ねじおよび雌ねじがそれぞれ少なくとも約
    5.08mm(0.2インチ)の実質的に一定のリードの単一段
    の、単一のねじリードとなされていて、それぞれ中心軸
    線(2)の回りに形成される実質的に一定した単一のテ
    ーパーを有し、これのルートおよびクレストの軸線方向
    の長さの大部分が直線的で前記軸線に平行になされてい
    て、これらの雄ねじおよび雌ねじが互いに対して、ねじ
    の輪郭および直径の両者において、これらの間に雄ねじ
    の大径における面対面間隙(149,150)およびルート対
    クレスト間隙(147)を与えるように寸法決めされて、
    雄ねじの小径に形成された部分にてこれらの間にルート
    対クレストの締め代(144)嵌合が存在するのを保証す
    るようになされていて、前記締め代が前記パイプ端部
    (29)から離れる方向にねじの軸線方向の長さに沿って
    徐々に減少するようになされていて、前記雄ねじ(6,2
    2)のノーズ部分(45)において前記締め代が充分に大
    きく、前記間隙が充分に小さく、前記パイプ本体の最大
    の内部および/または外部の定格圧力における漏洩を実
    質的に防止するねじ係合シール状態(151)を形成する
    ねじ相互連結部。
  5. 【請求項5】少なくとも一方の筒状部材がパイプ本体を
    含むパイプの長さになされているような筒状部材の間の
    相互連結部であって、一方の筒状部材の雄ねじ(6,22)
    が他方の部材の雌ねじ(14,20)と組をなして係合し、
    前記雄ねじおよび雌ねじが荷重受け面(96,101,121,12
    6)、スタブ面(98,123)、クレスト(97,102,122,12
    7)およびルート(95,100,120,125)を有し、それらの
    間にルート対クレスト(147)または面対面(149,150)
    の間隙を有し、前記間隙(147,149,150)内でそれらの
    間にねじコンパウンドを有し、ともにその軸線方向の長
    さの少なくとも一部分にわたってテーパーを有し、雄ね
    じが雌ねじの内方部分(64)に係合するノーズ部分(4
    5)を有している相互連接部であって、ねじのノーズ部
    分および内方部分においてねじはそれらの間にルート対
    クレスト(144)または面対面の締め代嵌合を有して連
    結部を実質的にシールし、前記パイプ本体の最大の内部
    および/または外部の定格圧力において、また前記パイ
    プ本体の最大の軸線方向の力の能力定格において漏洩を
    防止するように前記連結部を実質的にシールするように
    なし、少なくとも一方のねじは、ねじ表面上に塗布され
    るねじコンパウンドの保持を助成するよう粗面化されて
    いることを特徴とするねじ相互連結部。
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