JP3250461B2 - 押捺指紋画像入力装置およびその入力方法 - Google Patents

押捺指紋画像入力装置およびその入力方法

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JP3250461B2 JP17599496A JP17599496A JP3250461B2 JP 3250461 B2 JP3250461 B2 JP 3250461B2 JP 17599496 A JP17599496 A JP 17599496A JP 17599496 A JP17599496 A JP 17599496A JP 3250461 B2 JP3250461 B2 JP 3250461B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の指表面の汗
腺の集まりである指紋を用いて個人を識別するための指
紋照合装置に関し、特に指の側面までの指紋画像をコン
ピュータ等に入力するための押捺指紋画像入力装置およ
びその入力方法に関する。
【0002】
【従来の技術】指の側面までの指紋を含む押捺指紋は、
古くは、指にインクを付けて紙面の上に指の一方の側面
を押し当て、その状態で他方の側面が紙面に接するまで
指を紙面上で回転させることで採取されていた。しか
し、この古典的な方法では、採取された押捺指紋を機械
的に処理する為にはその電子化作業が別途必要になる。
そこで、採取の段階で電子化された押捺指紋画像が得ら
れるようにした指紋画像入力装置が種々提案されてい
る。
【0003】従来の指紋照合に使われる押捺指紋画像の
入力は、指紋の凹凸による反射率の差異に着目し、指に
よる反射光を受光することにより指紋の凹凸を濃淡画像
として得るものが大多数であり、また、指の側面までの
指紋を含む押捺指紋画像の入力では、指を指載置台上で
回転させたときの画像を取り込む方法が大多数であっ
た。
【0004】例えば、図20を参照すると、従来の代表
的な指紋照合装置における指紋画像入力装置は、白色光
を光源とする投光部171と、指との接触面において全
反射条件を満たすように投光部171から入射された白
色光を反射するプリズム172と、プリズム172から
の反射光を受光して指紋画像を得る撮像素子173とか
ら構成される(例えば特開昭54−85600号)。
【0005】すなわち、プリズム172に指が接触して
いない場合、投光部171から入射された白色光はプリ
ズム172の上面で全反射され、撮像素子173により
得られる画像は全面が明るい画像となる。指紋入力時
に、このプリズム172の上面に指を押し当てると、指
紋の凸部では皮膚とプリズム172とが接触しているた
め、全反射条件を満たさなくなり、投光部171からの
白色光の大部分が皮膚に吸収され一部が接触面で反射さ
れることになる。一方、指紋の凹部では皮膚とプリズム
172とが接触していないため、全反射条件を満たすこ
とになり、投光部171からの白色光は接触面で全反射
され、撮像素子173に入力されることになる。これに
より、指紋の凹部は明るく、凸部は暗くなり、コントラ
ストのある指紋画像が得られる。
【0006】そして、指の側面を含めた押捺指紋を採取
する場合、指をプリズム172上で回転させ、指がプリ
ズム172に接触している領域ごとに画像データを記録
しておき、全領域を回転させた後で各画像データから押
捺指紋画像を合成する方法や、プリズム172上の全領
域の画像を常に一定の時間間隔で採取し、各間隔ごとの
画像データの最大値を記録するようにして押捺指紋画像
を形成するといった方法により押捺指紋を入力していた
(例えば米国特許第5233404号)。
【0007】なお、指の側面付近の指紋まで採取する例
として、内面および外面が同心円柱となるように湾曲さ
せた透明体の内面に指を載置させ、透明体の外面から内
面に向かって光を照射する照明器および透明体の内面か
らの反射光を受光するイメージセンサを透明体の外周に
沿って移動させて、指紋画像を入力する技術も提案され
ている(例えば特開平2−146691号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】指の側面を含めた指紋
を採取する技術として従来は上述したような技術が存在
するが、内面および外面が同心円柱となるように湾曲さ
せた透明体を使用する技術では、指の側面の広い領域に
わたって指紋を採取することは困難である。これは、内
面が湾曲しているとは言え、指を内面に載置した状態で
はその側面部分の狭い領域しか内面と接触せず、またそ
の接触圧力も小さくなるためである。このため、指の側
面の広い領域までの指紋を含む押捺指紋の入力には基本
的に不向きである。
【0009】これに対して指をプリズム上で回転させて
指紋画像を入力する技術では、インクを付けた指を紙面
上で回転させて指紋を採取する古典的な方法と同程度の
広い採取面積を確保することができる。しかしながら、
この方法には以下のような問題点がある。
【0010】(1)入力された指紋画像が不連続になっ
たり、画像がぼけることがある。その理由は、指をプリ
ズムに押しつけて回転させるときに指が滑ってしまうか
らである。 (2)入力された指紋画像の濃淡が不均一になり易い。
その理由は、指を回転させる行為は人為的なものであ
り、指の回転中に押しつける圧力が変化してしまうから
である。 (3)入力された指紋画像に空白領域が発生してしまう
ことがある。その理由は、指を人為的に回転させている
ため、指の回転と入力装置の画像撮像のタイミングの同
期がとれないためである。
【0011】そこで本発明の目的は、指の側面の広い範
囲までの指紋を、画像のぼけや、濃淡の不均一や、空白
領域が生じないように正確に入力することができるよう
にすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の押捺指紋画像入
力装置は、光線の入射面と指との接触面と前記入射面か
ら入射し前記接触面で反射した光線を導出する導出面と
を有する透明多面体、光線を前記入射面から前記透明多
面体に照射する平面状光源、および前記導出面から導出
される反射光を受光し反射光強度を電気信号に変換する
2次元イメージセンサを一体化したユニットと、前記透
明多面体の前記接触面が指紋採取のために固定された指
と接触する位置を、前記接触面を所定の複数の角度にそ
れぞれ設定して検出し、前記固定された指の形状を計測
する計測手段と、前記計測手段により計測された指の形
状を基に前記接触面と指との接触圧力をほぼ一定に保ち
つつ、前記透明多面体の前記接触面が前記固定された指
の一方の側面に接する位置から指の腹を経由して他方の
側面に接する位置に到達するまで前記ユニットの位置を
所定の距離ずつ移動させる駆動部と、前記ユニットの各
位置ごとに前記2次元イメージセンサからの電気信号を
ディジタル画像データに変換して取り込み、それらから
押捺指紋画像を合成する制御部とを備えたことを特徴と
する。
【0013】
【0014】また、別の構成にあっては、前記制御部
は、前記ユニットの初期位置で得られた前記2次元イメ
ージセンサの全受光素子からの電気信号をディジタル画
像データに変換して内部メモリに記録し、前記ユニット
のそれ以降の位置で前記2次元イメージセンサから電気
信号を得た際には、全受光素子の電気信号をディジタル
画像データに変換した後、内部メモリに記録されたディ
ジタル画像データと画素単位に値を比較し、値の大きい
方を内部メモリに残す構成を有することを特徴とする。
【0015】
【0016】 本発明の押捺指紋画像入力方法にあって
は、光線の入射面と指との接触面と前記入射面から入射
し前記接触面で反射した光線を導出する導出面とを有す
る透明多面体前記接触面が指紋採取のために固定さ
れた指と接触する位置を、前記接触面を所定の複数の角
度にそれぞれ設定して検出し、前記固定された指の形状
を計測する第1のステップと、前記透明多面体、光線を
前記入射面から前記透明多面体に照射する平面状光源、
および前記導出面から導出される反射光を受光し反射光
強度を電気信号に変換する2次元イメージセンサを一体
化したユニットを、前記透明多面体の前記接触面が指紋
採取のために固定された指の一方の側面に或る程度の接
触圧力で接する位置に移動させる第のステップと、前
記2次元イメージセンサからの電気信号のうち前記ユニ
ットの現在位置で定まる前記接触面内の矩形領域に対応
する受光素子の電気信号だけをディジタル画像データに
変換して記録する第のステップと、前記ユニットを、
前記透明多面体の前記接触面が指の他方の側面に接する
位置に到達するまで移動させたか否かを判定し、移動さ
せていない場合は下記の第のステップに移り、移動さ
せていた場合は下記の第のステップに移る第のステ
ップと、前記第1のステップで求められた指の形状を基
に前記透明多面体の前記接触面と指との接触圧力をほぼ
一定に保ちつつ、前記接触面が指の腹を経由して他方の
側面に接する位置に到達する方向に向けて前記ユニット
の位置を所定の距離だけ移動させ、前記第のステップ
に戻る第のステップと、前記ユニットの各位置におい
て記録した各ディジタル画像データをつなぎ合わせて押
捺指紋画像を合成する第のステップとを含むことを特
徴とする。
【0017】 また本発明の別の押捺指紋画像入力方法
にあっては、光線の入射面と指との接触面と前記入射面
から入射し前記接触面で反射した光線を導出する導出面
とを有する透明多面体前記接触面が指紋採取のため
に固定された指と接触する位置を、前記接触面を所定の
複数の角度にそれぞれ設定して検出し、前記固定された
指の形状を計測する第1のステップと、前記透明多面
体、光線を前記入射面から前記透明多面体に照射する平
面状光源、および前記導出面から導出される反射光を受
光し反射光強度を電気信号に変換する2次元イメージセ
ンサを一体化したユニットを、前記透明多面体の前記接
触面が指紋採取のために固定された指の一方の側面に或
る程度の接触圧力で接する初期位置に移動させる第
ステップと、前記ユニットが初期位置に位置するときの
前記2次元イメージセンサの全受光素子からの電気信号
をディジタル画像データに変換して内部メモリに記録す
る第のステップと、前記第1のステップで求められた
指の形状を基に前記透明多面体の前記接触面と指との接
触圧力をほぼ一定に保ちつつ、前記接触面が指の腹を経
由して他方の側面に接する位置に到達する方向に向けて
前記ユニットの位置を所定の距離だけ移動させる前記第
のステップと、該第のステップによる前記ユニット
の移動後の前記2次元イメージセンサの全受光素子から
の電気信号をディジタル画像データに変換し、前記内部
メモリに記録されているディジタル画像データと画素単
位に値を比較し、値の大きい方を内部メモリに残す第
のステップと、前記ユニットを前記透明多面体の前記接
触面が指の他方の側面に接する位置に到達するまで移動
させたか否かを判定し、移動させていない場合は前記第
のステップに戻り、移動させていた場合は下記の第
のステップに移る第のステップと、前記内部メモリに
記録されたディジタル画像データを押捺指紋画像とする
のステップとを含むことを特徴とする。
【0018】上述のように構成された本発明の押捺指紋
画像入力装置およびその入力方法においては、平面状光
源により照射された光線が光学ファイバーを多数束ねた
ファイバー収集部材を用いた透明多面体と指との接触面
に照射され、接触面からの反射光が2次元イメージセン
サによりレンズ等の光学系を通さずに直接撮像される。
平面状光源と透明多面体と2次元イメージセンサとが一
体となったユニットは、固定された指に透明多面体の接
触面がほぼ一定の圧力で且つスリップせずに接触するよ
うに駆動部により1ステップずつ移動される。制御部は
ユニットの各位置において、指と接触している透明多面
体の接触面の各矩形領域の画像を撮像し、それらを合成
して押捺指紋画像を形成するか、あるいは、透明多面体
の接触面の指と接触している領域および接触していない
領域を含む全領域を毎回撮像し、各画素のうちの最大値
の画素値を記録することで押捺指紋画像を形成する。以
上のように透明多面体の接触面に接触する指への圧力を
ほぼ一定とすることにより、濃淡が均一の押捺指紋画像
を得ることができ、また接触面を指とスリップさせずに
透明多面体を指の周りで回転させるため、矩形領域画像
間の画像が不連続になることがなく、また画像データ値
を比較して最大値を記録する場合でも画像がぶれてぼけ
ることがない。さらに、指を固定し、透明多面体を含む
ユニットを指の周りに移動し、各位置毎に接触面上に押
し当てられた指の指紋を撮像するため、指の接触位置と
画像撮像の矩形領域の位置とがずれることがなくなり、
空白領域をなくすことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態の例につ
いて図面を参照して詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の一実施例の押捺指紋画像入
力装置の構成図である。図1を参照すると、本実施例の
押捺指紋画像入力装置は、光線の入射面2aと指との接
触面2bと入射面2aから入射し接触面2bで反射した
光線を導出する導出面2cとを有する透明多面体2、L
ED等を光源として照度の均一な光線(例えば平行光
線)を入射面2aから透明多面体2内部に照射する平面
状光源1、および透明多面体2の導出面2cから導出さ
れる反射光を受光し反射光強度を電気信号に変換するC
CD等の2次元イメージセンサ3を一体化したユニット
Uと、このユニットUを押捺指紋採取のために指固定台
6に載置して固定された指の周りに1ステップずつ回動
させる駆動部4と、ユニットUの各位置ごとの2次元イ
メージセンサ3からの電気信号をディジタル画像データ
に変換して取り込み、各ステップごとのディジタル画像
データから押捺指紋画像を形成する制御部5とを備えて
いる。
【0021】ここで、本実施例における透明多面体2
は、光学ファイバーを多数束ねたファイバー収集部材で
構成されており、光学ファイバーの長尺方向の一端側が
接触面2b,他端側が導出面2cとなり、光学ファイバ
ーと直交する側が入射面2aとなっている。
【0022】次に、本発明の実施の形態のより詳細な構
成と動作について、各図を参照して説明する。
【0023】図2は透明多面体2を構成する光学ファイ
バーと2次元イメージセンサ2を構成する受光素子との
位置関係の説明図である。同図に示すように、透明多面
体2の指が接触する接触面2bには、光学ファイバーが
規則正しく集められたファイバー収集部材の断面が露出
している。そして、接触面2bの或る領域21内の光学
ファイバーは、2次元イメージセンサ3上の領域21に
対応する受光素子31に接続されており、領域21内の
反射光を受光素子31が検出するようになっている。
【0024】図3は透明多面体2を構成する光学ファイ
バーと2次元イメージセンサ3を構成する受光素子との
接続の様子を横方向から見た場合の側面図である。同図
に示すように、光学ファイバーの導出面2c側の端部は
垂直に切断されて受光素子31に垂直に接続される。他
方、光学ファイバーの接触面2b側の端部は斜めに切断
されており、この切断面の集まりが接触面2bを形成す
る。透明多面体2の入射面2aからは平面状光源1によ
って接触面2bを形成する全光学ファイバーの切断面に
光線が入射されるが、これらの光学ファイバーのうち、
接触面2bにおいて指紋の凸部と接触している光学ファ
イバーの切断面では全反射条件が満たされないため、入
射光は散乱される。他方、指紋の凹部と接触している光
学ファイバーの切断面では全反射条件が満たされ、入射
光は全反射され、光学ファイバー内を導出面2c方向に
伝搬していく。
【0025】図4は透明多面体2を構成する1つの光学
ファイバー22に着目し、この光学ファイバー22の接
触面2bの一部を構成する切断面に平面状光源1から入
射した光線がその切断面で全反射し、反射光が当該光学
ファイバー22を伝搬して受光素子31に入射する様子
を示している。すなわち、接触面2b上に置かれた指の
指紋の凹部に接する光学ファイバー22の切断面で全反
射した光線は、光学ファイバー22内の壁で全反射を繰
り返しながら受光素子31に入射する。
【0026】2次元イメージセンサ3では、各受光素子
で反射光を光電変換により反射光強度に比例した電気信
号に変換し、制御部5に送出する。制御部5は、各受光
素子からの電気信号をディジタル画像データ(例えば各
画素が0から125までの階調を持つ濃度画像データ)
に変換し、2次元イメージセンサ3の各受光素子に1対
1に対応する記憶域を有する内部メモリ50に記憶す
る。
【0027】平面状光源1と透明多面体2と2次元イメ
ージセンサ3とが一体となったユニットUは、或る位置
での指紋画像の撮像を終えると次の撮像位置に移るた
め、制御部5から制御される駆動部4により、1ステッ
プだけ次の位置に移動される。
【0028】図5はユニットUの取りうる位置の例を示
しており、平面状光源1や2次元イメージセンサ3は図
示を省略し、透明多面体2と指7との位置関係だけを示
してある。同図(a)は、透明多面体2の接触面2bが
指紋採取のために固定された指7の一方の側面に或る程
度の接触圧力で接する位置にユニットUを位置付けた様
子を示す。この状態では、接触面2bの左側の領域が指
7の一方の側面に押圧されているため、指7の一方の側
面付近の指紋を採取できる。同図(b)は、同図(a)
の位置にあるユニットUを1ステップ移動させた後の透
明多面体2と指7との位置関係を示す。この状態では、
接触面2bの中央の領域が指7の腹の部分に押圧されて
いるため、指7の腹の部分の指紋を採取できる。同図
(c)は、同図(b)の位置にあるユニットUを更に1
ステップ移動させた後の透明多面体2と指7との位置関
係を示す。この状態では、接触面2bの右側の領域が指
7の他方の側面に押圧されているため、指7の他方の側
面付近の指紋を採取できる。
【0029】図5の(a)の位置から(b)の位置へ、
また(b)の位置から(c)の位置へユニットUを移動
させる際には、指紋画像が不連続になったり画像がぼけ
ないようにするために、透明多面体2と指7との間でス
リップが生じないようにすることが大切である。つま
り、例えば図5(a)の状態で、同図に示す指7の或る
箇所51が接触面2b上の或る箇所52に接していた場
合、同図(b)の状態で指7の箇所51が接触面2bに
接触しているときもその接触位置は同じ箇所52でなけ
ればならない。(b)の位置から(c)の位置へユニッ
トUを移動させる場合も同様である。また、指紋画像の
濃淡が不均一になるのを避けるために、図5(a),
(b),(c)の各状態において透明多面体2の指7に
及ぼす接触圧力をほぼ等しくするのが望まれる。
【0030】なお、図5の例では、ユニットUを初期位
置から2ステップで最終位置に移動させたが、より多数
のステップ数で最終位置に移動させるようにしても良い
のは勿論のことである。
【0031】以上のような条件を満足するようにユニッ
トUを駆動する駆動部4の構成例については後述すると
して、次に、ユニットUの各位置で撮像した画像から押
捺指紋画像を形成する2通りの方法について、図6乃至
図9図を参照して説明する。まず、図6に示した形成方
法について説明する。
【0032】図6は、ユニットUの各位置ごとに、2次
元イメージセンサ3からの電気信号のうちユニットUの
各位置毎に予め定められた接触面2b内の矩形領域に対
応する受光素子の電気信号だけをディジタル画像データ
に変換して記録し、最後に各位置ごとのディジタル画像
データをつなぎ合わせて押捺指紋画像を合成する方法を
示す。なお、図6では透明多面体2の接触面2b上の指
紋画像9を3つの領域に分けて撮像する例を示している
が、これは図5の例と合わせるためであり、より多数に
分けて撮像しても良いのは勿論のことである。
【0033】図6の矩形領域91は最初の撮像領域であ
り、ユニットUが図5(a)の位置にあるときに、制御
部5が接触面2bの左側に位置する矩形領域91の部分
だけのディジタル画像データを2次元イメージセンサ3
の出力から選択して生成したものである。制御部5は、
内部メモリ50に矩形領域91の画像データを記録する
と、駆動部4にユニットUを1ステップだけ移動させる
ような制御信号を送出する。
【0034】図6の矩形領域92は2番目の撮像領域で
あり、ユニットUが図5(b)の位置にあるときに、制
御部5が接触面2bの中央に位置する矩形領域92の部
分だけのディジタル画像データを2次元イメージセンサ
3の出力から選択して生成したものである。制御部5
は、内部メモリ50に矩形領域92の画像データを記録
すると、駆動部4にユニットUを1ステップだけ移動さ
せるような制御信号を送出する。
【0035】図6の矩形領域93は3番目の撮像領域で
あり、ユニットUが図5(c)の位置にあるときに、制
御部5が接触面2bの右側に位置する矩形領域93の部
分だけのディジタル画像データを2次元イメージセンサ
3の出力から選択して生成したものである。制御部5
は、内部メモリ50に矩形領域93の画像データを記録
すると、ユニットUを最終位置まで移動し終えたので、
矩形領域91,92,93の画像データを合成し(つな
ぎ合わせ)、図6の指紋合成画像10として内部メモリ
50に記録する。この指紋合成画像10が採取した押捺
指紋画像となる。
【0036】図8は図6で説明した押捺指紋画像形成方
法を採用した場合の制御部5の処理例を示すフローチャ
ートである。始めに、制御部5は、透明多面体2の接触
面2bが指の一方の側面に接触する初期位置にユニット
Uを移動させる制御信号を駆動部4に送出し、ユニット
Uを初期位置に移動させる(ステップS81)。次に、
制御部5は2次元イメージセンサ3で検出された電気信
号のうち、ユニットUの現在位置に対応する接触面2b
の矩形領域91からの反射光強度に応じた各画素ごとの
電気信号を取り込み、その電気信号をディジタル画像デ
ータに変換して、矩形領域91のディジタル画像データ
として内部メモリ50に記録する(ステップS82)。
次に制御部5は、ユニットUを最終位置まで移動させた
か否かを判定する(ステップS83)。ここで最終位置
まで移動させたか否かは駆動部4に対して初期位置への
移動を送出した後に送出した制御信号の回数によって判
定し、図5の例では制御信号を2回送出していれば最終
位置まで移動済みと判定する。今の例では最終位置まで
移動させていないので、制御部5は、ユニットUを1ス
テップ移動させる制御信号を駆動部4に出力し、ステッ
プS82に戻って、次の矩形領域92を撮像してそのデ
ィジタル画像データを内部メモリ50に記憶する。以
下、同様にして次の矩形領域93のディジタル画像デー
タを内部メモリ50に記録し、これでユニットUの最終
位置までの各位置における矩形領域91,92,93の
ディジタル画像データを取得したので、それらを合成し
て押捺指紋画像を形成し(ステップS85)、今回の押
捺指紋採取にかかる制御を終了する。
【0037】次に図7に示した押捺指紋画像形成方法に
ついて説明する。
【0038】図7は、ユニットUの初期位置で得られた
2次元イメージセンサ3からの電気信号をディジタル画
像データに変換して内部メモリ50に記録し、ユニット
Uのそれ以降の位置で2次元イメージセンサ3から電気
信号を得た際には、それをディジタル画像データに変換
した後、内部メモリ50に記録されたディジタル画像デ
ータと画素単位で値を比較し、値の大きい方を内部メモ
リ50に残すことで、押捺指紋画像を形成する方法であ
る。なお、図7では透明多面体2の接触面2bを3回撮
像する例を示しているが、これは図5の例と合わせるた
めであり、より多数回撮像しても良いのは勿論のことで
ある。
【0039】図7に示すフレーム11は1回目の撮像画
像であり、ユニットUが図5(a)の位置にあるとき
に、制御部5が接触面2bの全領域のディジタル画像デ
ータを2次元イメージセンサ3の出力から生成したもの
である。この例では接触領域111の箇所が指に触れて
いるため、その部分の指紋画像を含むディジタル画像デ
ータが得られている。1回目の撮像の場合、制御部5
は、得られたディジタル画像データをそのまま内部メモ
リ50に記録する。この結果、図7に示すように、内部
メモリ50にはフレーム11と全く同じ画像データ14
が記録される。次いで制御部5は、駆動部4にユニット
Uを1ステップだけ移動させるように制御信号を送出す
る。
【0040】図7のフレーム12は2回目の撮像画像で
あり、ユニットUが図5(b)の位置にあるときに、制
御部5が接触面2bの全領域のディジタル画像データを
2次元イメージセンサ3の出力から生成したものであ
る。この例では接触領域121の箇所が指に触れている
ため、その部分の指紋画像を含むディジタル画像データ
が得られている。2回目以降の撮像の場合には1回目の
撮像の場合と異なり、今回得られたディジタル画像デー
タと内部メモリ50に既に記録されているディジタル画
像データとを画素単位で画素値を比較し、画素値の大き
い方を内部メモリ50に残すようにする。この結果、内
部メモリ50中のディジタル画像データは図7の画像デ
ータ15のように画像データ14とフレーム12とを合
成した画像となる。制御部5は画像データ14とフレー
ム12とを比較して画像データ15を生成すると、ユニ
ットUを更に1ステップ移動させる制御信号を駆動部4
に送出する。
【0041】図7のフレーム13は3回目の撮像画像で
あり、ユニットUが図5(c)の位置にあるときに、制
御部5が接触面2bの全領域のディジタル画像データを
2次元イメージセンサ3の出力から生成したものであ
る。この例では接触領域131の箇所が指に触れている
ため、その部分の指紋画像を含むディジタル画像データ
が得られている。3回目の撮像の場合も2回目の撮像と
同様に、今回得られたディジタル画像データと内部メモ
リ50に既に記録されているディジタル画像データとを
画素単位で画素値を比較し、画素値の大きい方を内部メ
モリ50に残すようにする。この結果、内部メモリ50
中のディジタル画像データは図7の画像データ16のよ
うに画像データ15とフレーム13とを合成した画像と
なる。そして、この画像データ16が採取された押捺指
紋画像となる。
【0042】図9は図7で説明した押捺指紋画像形成方
法を採用した場合の制御部5の処理例を示すフローチャ
ートである。始めに、制御部5は、透明多面体2の接触
面2bが指の一方の側面に接触する初期位置にユニット
Uを移動させる制御信号を駆動部4に送出し、ユニット
Uを初期位置に移動させる(ステップS91)。次に、
制御部5は、2次元イメージセンサ3で検出した透明多
面体2の接触面2bの全領域からの反射光強度に応じた
各画素ごとの電気信号を取り込み、その電気信号をディ
ジタル画像データに変換して内部メモリ50に記録する
(ステップS92)。そして、制御部5は、ユニットU
を次の撮像位置に移動させる制御信号を駆動部4に出力
し、ユニット1を1ステップ移動させる(ステップS9
3)。そして、透明多面体2の接触面2bの全領域から
の反射光強度に応じた各画素ごとの電気信号を取り込
み、その電気信号をディジタル画像データに変換し、内
部メモリ50に記録されたディジタル画像データと画素
単位に画素値を比較して、画素値の大きい方を内部メモ
リ50に残す(ステップS94)。次に制御部5は、ユ
ニットUを最終位置まで移動させたか否かを判定し(ス
テップS95)、最終位置まで移動させていない場合は
ステップS93に戻り、引続きユニットUを1ステップ
だけ移動させ前述と同様の処理を行う。他方、最終位置
まで移動させていた場合は、内部メモリ50に記録され
ているディジタル画像データを採取した押捺指紋画像と
し、今回の押捺指紋採取にかかる制御を終了する。
【0043】次に、ユニットUを駆動する駆動部4の構
成例について説明する。
【0044】図10は駆動部4の構成例を示す外観斜視
図、図11は図10の矢印A方向から見た側面図であ
る。図10および図11に示すように、ユニットUの両
側面には対称の位置に各々2本のガイドバー101a,
102aと101b,102bとが設けられており、駆
動部4に立設された支持板104,105に開けられた
ガイドライン103に緩挿されている。また、駆動部4
には、溝106に沿って図示しないモータによって前後
に移動されるレバー107が設けられ、レバー107の
先端が平面状光源1の下面に取りつけられた軸108に
回動自在に軸支されている。このレバー107は、溝1
06に沿って前後に移動する筒体107aとこの筒体1
07aに緩挿されたシャフト107bからなり、シャフ
ト107bの先端が軸108に取り付けられている。図
10および図11に示すユニットUの位置は図5(a)
の状態に相当する。この位置からレバー107が図10
の右方向に移動すると、レバー107のシャフト107
bは若干沈み込みながらユニットUの下端を図10の右
方向に引っ張る。ユニットUにはガイドライン103に
緩挿されたガイドバー101a,102a,101b,
102bがあるため、ユニットUは、ガイドライン10
3の形状とガイドバー101aと102aの間隔(ガイ
ドバー101bと102bの間隔はガイドバー101a
と102aの間隔と同じ)とによって規定される経路で
移動し且つ接触面2bの向きを変える。ここで、ガイド
ライン103の形状およびガイドバー101a,102
a,101b,102bの間隔は、標準的な指につい
て、透明多面体2の接触面2bが指紋採取のために固定
された指7の一方の側面に接する位置から指の腹を経由
して他方の側面に接する位置に到達するまでユニットU
が移動する際に、接触面2bと指7との接触圧力がほぼ
一定で且つ接触面2bと指7との間でスリップが生じな
いように、ユニットUの位置と姿勢を案内するように定
められている。
【0045】図12は駆動部4の他の構成例を示す外観
斜視図、図13は図12の矢印A方向から見た側面図で
ある。図12および図13に示すように、ユニットUの
両側面には対称の位置に各々2本のガイドバー201
a,202a,201b,202bが設けられており、
上端が略U字状に加工されそれに1本の棒が連結された
形状を有する支持棒204の各上端がガイドバー201
a,201bに回動自在に取り付けられ、支持棒204
と同一形状の支持棒205の各上端がガイドバー202
a,202bに回動自在に取り付けられ、これら2本の
指示棒204,205でユニットUが支えられている。
各支持棒204,205の下部の棒は駆動部4に設けら
れた水平な溝206,207に緩挿される。
【0046】図14は、支持棒204,205を溝20
6,207の方向(以下、X軸方向と言う)に水平移動
させると共にそれと直角な垂直方向(以下、Z軸方向と
言う)に移動させる機構とその制御部の構成例を示す。
これらは図12の駆動部4内に設けられる。図14にお
いて、301は平板状の盤であり、この盤301上にX
軸方向に進退自在なX軸テーブル302が設けられてい
る。また、このX軸テーブル302上にZ軸方向に進退
自在なZ軸テーブル303が設けられており、このZ軸
テーブル303に溝206に緩挿された支持棒204の
端部が固定されている。また、X軸テーブル302,Z
軸テーブル303を移動させるためのパルスモータ等の
X軸モータ304,Z軸モータ305がある。このよう
に支持棒204をX軸方向,Z軸方向に移動させる機構
と同様な機構がもう一方の支持棒205についても設け
られているが、図14では図示を省略してある。他方、
所定のプログラムに従って動作するMPU306と、こ
のMPU306からの指令に従ってX軸モータ304,
Z軸モータ305を駆動するモータ駆動部307と、M
PU306からの指令に従って図示しない他方の支持棒
205をX軸方向,Z軸方向に移動させるためのモータ
を駆動するモータ駆動部308と、図12の2次元イメ
ージセンサ3からの電気信号をディジタル信号に変換し
てMPU306に与えるA/D変換器309とが設けら
れている。
【0047】図12乃至図14に示した構成の駆動部4
においては、ユニットUを支持する2本の支持棒20
4,205を各々独立してX軸方向,Y軸方向に移動さ
せることができるため、透明多面体2の接触面2bが指
紋採取に最適な経路を辿るようにユニットUの位置と姿
勢を変化させることができる。図15は2本の支持棒2
04,205をX軸方向,Z軸方向に移動させることに
より透明多面体2の位置と姿勢とが変化する様子を示
す。図15(a)は、支持棒204を支持棒205より
高く上げて且つ双方の間隔を狭くした状態を示し、図5
(a)の場合に相当する。図15(b)は、2つの支持
棒204,205の高さを同じにした状態を示し、図5
(b)の場合に相当する。図15(c)は、支持棒20
5を支持棒204より高く上げて且つ双方の間隔を狭く
した状態を示し、図5(c)の場合に相当する。また、
指7の大きさや位置が極端に相違すると、透明多面体2
の接触面2bが通るべき経路も変更しなければならな
い。そこで、本例では、透明多面体2の接触面2bが指
7に触れたとき2次元イメージセンサ3の電気信号が変
化することを利用して指7の形状や位置を計測し、この
計測値に基づいて最適なユニットUの移動経路を算出す
るようにしている。以下、図16のフローチャートを参
照して、本例の動作を説明する。
【0048】駆動部4のMPU306は、図1の制御部
5からユニットUを初期位置へ移動すべき制御信号を受
けると、図16に示す処理を開始し、最初に指7の形
状,位置を計測する(ステップS1601)。これは例
えば以下のように行う。
【0049】先ず、モータ駆動部307,308に指令
を出して、2つの支持棒204,205の高さを同じに
し且つ支持棒204と支持棒205との中間の位置が指
固定台6の真下に来るように支持棒204,205を移
動させ、その状態から支持棒204,205を等しい高
さに保ったまま上方に上げていく。そして、2次元イメ
ージセンサ3の何れかの受光素子の出力が変化した時点
で、支持棒204,205の移動を停止する。この停止
位置は接触面2bが水平のまま指7の腹に軽く接触した
場所となる。支持棒204,205の長さやユニットU
の形状やサイズは既知であり、また、2次元イメージセ
ンサ3の出力の変化した受光素子が受け持つ接触面2b
内の領域も既知であるため、計算によって上記停止位置
から指7の腹の部分の最下点の位置pを算出することが
できる。なお、2次元イメージセンサ3の複数の受光素
子のレベルが変化していたときはその中心の受光素子の
位置を使用する。
【0050】次に、MPU306は、モータ駆動部30
7,308に指令を出して、支持棒204,205を一
旦下降させると共に図15(a)のように、接触面2b
を或る角度(例えば45度)傾斜させた状態にし、その
傾きを保ったまま支持棒204,205を上方に上げて
いく。そして、前回と同様に2次元イメージセンサ3の
何れかの受光素子の出力が変化した時点で、支持棒20
4,205の移動を停止させ、この停止位置に基づき計
算によって接触面2bが接触した指7の位置q(指7の
一方の側面の或る位置)を求める。同様に、MPU30
6は、モータ駆動部307,308に指令を出して、支
持棒204,205を一旦下降させると共に図15
(c)のように、接触面2bを或る角度(例えば−45
度)傾斜させた状態にし、その傾きを保ったまま支持棒
204,205を上方に上げていく。そして、前回と同
様に2次元イメージセンサ3の何れかの受光素子の出力
が変化した時点で、支持棒204,205の移動を停止
させ、この停止位置に基づき計算によって接触面2bが
接触した指7の位置r(指7の他方の側面の或る位置)
を求める。
【0051】そして、MPU306は、上記求めた各位
置p,q,rに基づき、指紋採取対象となる指の形状と
位置とを認識する。図17は各位置p,q,rに基づく
指の形状と位置の認識例を示す。図17(a),(b)
とも、各位置p,q,rを通る略楕円形の線を指の輪郭
線としている。ここで、図17(a)と(b)とでは、
線分q−rにpから下ろした垂線の長さに対する線分q
−rの長さの比が相違している。図17(a)は親指な
どに多く見られる形状であり、図17(b)は小指など
に多く見られる形状である。
【0052】MPU306は、指の形状と位置とを計測
すると、次に、その計測結果に基づき、透明多面体2の
接触面2bが指7の一方の側面に接する位置から指の腹
を経由して他方の側面に接する位置に到達するまで、接
触面2bと指7との接触圧力をほぼ一定に保ち且つ接触
面2bと指7との間でスリップを生じさせることなく、
ユニットUを移動させるための経路を算出する(ステッ
プS1602)。これは例えば以下のように行う。
【0053】計測した指の形状と位置とを示す輪郭線が
図18の実線1800に示すものとすると、同図(a)
に示すように、図17のようにして検出した位置qの点
に輪郭線1800の接線1801を引き、この接線18
01と平行で且つ指の奥側に所定長Δだけ離れた線分1
802を引き、この線分1802に透明多面体2の接触
面2bが重なる位置をユニットUの初期位置とする。こ
こで、所定長Δは指と接触面2bとの間に必要な接触圧
力に応じて予め定められる。次に、線分1802と輪郭
線1800とが交わる指の腹側の交点x1を通る輪郭線
1800の接線1803を図18(b)のように引き、
この接線1803と平行で且つ指の奥側に所定長Δだけ
離れた線分1804を引く。そして、交点x1と所定長
Δ離れた線分1804上の点x1’を考え、同図(a)
において交点x1に接していた接触面2bの箇所が点x
1’に接し、且つ、線分1804に透明多面体2の接触
面2bが重なる位置をユニットUの途中位置とする。以
下同様にして、指の反対側の側面に向かって順次にユニ
ットUの途中位置を求めていく。そして、このようにし
て求めた複数の途中位置における隣接する位置間の中間
のユニットUの位置および姿勢を補間によって求め、更
にその中間の位置および姿勢を補間によって求めるとい
う処理を繰り返して、図19に示すように、ユニットU
の位置と姿勢とを2つの支持棒204,205のX,Z
座標軸で時系列的に細かく規定した位置情報をMPU3
06内のメモリに記憶する。この記憶された位置情報で
規定される移動経路がユニットUの最適な移動経路とな
る。
【0054】さて、MPU306は以上のようにしてユ
ニットUの最適な移動経路を算出すると、その移動経路
が示す初期位置(図19の支持棒204のX,Z座標値
がx11,z11、支持棒205のX,Z座標値がx2
1,z21となる位置)にユニットUを移動すべく、モ
ータ駆動部307,308を制御して2つの支持棒20
4,205を移動させ、移動終了後にその旨を図1の制
御部5に通知する(ステップS1063)。
【0055】その後、図1の制御部5からユニットUを
1ステップ移動させる制御信号を受けた場合、MPU3
06は、ユニットUを1ステップ分だけ移動させる(ス
テップS1604,S1606)。ここで、全移動経路
を何ステップで移動完了するかは予め決められているた
め、MPU306は図19の位置情報から1ステップ分
先までの位置情報を読み出し、モータ駆動部307,3
08を制御して2つの支持棒204,205を移動させ
る。例えば、図5の例では2ステップでユニットUを最
終位置まで移動させている。このときは、図10の位置
情報の真ん中の位置情報までの複数の位置情報を使って
制御する。つまり、最初に支持棒204のX,Z座標値
がx12,z12、支持棒205のX,Z座標値がx2
2,z22となる位置にユニットUを移動させ、次に、
支持棒204のX,Z座標値がx13,z13、支持棒
205のX,Z座標値がx23,z23となる位置にユ
ニットUを移動させていくといった制御を、1ステップ
先の位置情報まで続ける。
【0056】以上のようにして図1の制御部5から1ス
テップ移動の制御信号を受けるごとにMPU306はユ
ニットUを1ステップ分移動させ、制御部5から終了の
指示を受けた時点で処理を終了する(ステップ160
5)。
【0057】なお、図12に示した駆動部4の例では、
指の形状と位置とを計測し、ユニットUの移動経路を動
的に算出するようにしているが、標準的な指について予
め定められた移動経路を移動するようにプログラミング
しておいても良い。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば以下
のような効果を得ることができる。
【0059】指の側面までの指紋を採取する押捺指紋画
像の入力時に、指紋画像が不連続になったり画像がぼけ
るのを防ぐことができる。その理由は、指自体を回転さ
せて押捺指紋画像を入力するような人為的な指位置の変
動がなくなるからである。このため、各ユニット位置で
接触面上の所定の矩形領域を撮像して最後にそれらを合
成する方法では、各矩形領域画像間の指ずれによる不連
続がなくなり、また、各ユニット位置で接触面上の全領
域を撮像し最大の画素値のデータを記録して押捺指紋画
像を合成する方法では、各ユニット位置における画像間
の指ずれによる画像重複のぼけがなくなる。
【0060】指の側面までの指紋を採取する押捺指紋画
像の入力時に、指紋画像の濃淡を全領域に渡って均一に
することができる。その理由は、指自体を回転させて押
捺指紋画像を入力するような人為的な接触圧力の変動が
なくなり、画像データの接触圧力変化による濃淡変化が
小さくなるからである。
【0061】各ユニット位置で接触面上の所定の矩形領
域を撮像して最後にそれらを合成する方法を採用した場
合において、入力した指紋画像に空白領域が発生しなく
なることである。その理由は、指自体を回転させて押捺
指紋画像を入力するような人為的な回転測度の変動がな
くなり、指の接触位置と撮像位置が一致するため、撮像
すべき矩形領域内に撮像対象が存在しないということが
なくなるからである。
【0062】透明多面体を光学ファイバーの収集部材で
構成し、それと平面状光源ならびに2次元イメージセン
サとを一体化したユニットを使用したので、ユニットを
小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の押捺指紋画像入力装置の構
成図である。
【図2】透明多面体を構成する光学ファイバーと2次元
イメージセンサの受光素子との位置関係の説明図であ
る。
【図3】透明多面体を構成する光学ファイバーと2次元
イメージセンサ3の受光素子との接続の様子を横方向か
ら見た場合の側面図である。
【図4】透明多面体を構成する1つの光学ファイバーに
着目し、この光学ファイバーの接触面の一部を構成する
切り口面に入射した光線がその切り口面で全反射し、光
学ファイバーを伝搬して受光素子に入射する様子を表す
図である。
【図5】固定された指に接触面が接触しながらユニット
が駆動部によって回転される様子を表した説明図であ
る。
【図6】ユニットの各位置ごとのディジタル画像濃度デ
ータから押捺指紋画像を形成する処理の一例の説明図で
ある。
【図7】ユニットの各位置ごとのディジタル画像濃度デ
ータから押捺指紋画像を形成する処理の他の例の説明図
である。
【図8】図6で説明する押捺指紋画像形成方法を採用し
た場合の制御部の処理例を示すフローチャートである。
【図9】図7で説明する押捺指紋画像形成方法を採用し
た場合の制御部の処理例を示すフローチャートである。
【図10】駆動部の構成例を示す外観斜視図てある。
【図11】図10の矢印A方向から見た側面図である。
【図12】駆動部の他の構成例を示す外観斜視図であ
る。
【図13】図12の矢印A方向から見た側面図である。
【図14】2本の支持棒を水平移動させると共にそれと
直角な垂直方向に移動させる機構とその制御部の構成例
を示す図である。
【図15】2本の支持棒の移動により透明多面体の位置
と姿勢とが変化する様子を示す図である。
【図16】MPUの処理例を示すフローチャートであ
る。
【図17】計測位置に基づく指の形状と位置の認識例を
示す図である。
【図18】計測された指の形状と位置とからユニットの
最適な移動経路を求める方法の説明図である。
【図19】移動経路を定める位置情報の構成例を示す図
である。
【図20】従来の指紋画像入力装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…平面状光源 2…透明多面体 2a…入射面 2b…接触面 2c…導出面 3…2次元イメージセンサ 4…駆動部 5…制御部 51…内部メモリ 6…指固定台 7…指 U…ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 1/00,7/00 A61B 5/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光線の入射面と指との接触面と前記入射
    面から入射し前記接触面で反射した光線を導出する導出
    面とを有する透明多面体、光線を前記入射面から前記透
    明多面体に照射する平面状光源、および前記導出面から
    導出される反射光を受光し反射光強度を電気信号に変換
    する2次元イメージセンサを一体化したユニットと、前記透明多面体の前記接触面が指紋採取のために固定さ
    れた指と接触する位置を、前記接触面を所定の複数の角
    度にそれぞれ設定して検出し、前記固定された指の形状
    を計測する計測手段と、 前記計測手段により計測された指の形状を基に前記接触
    面と指との接触圧力をほぼ一定に保ちつつ、 前記透明多
    面体の前記接触面が前記固定された指の一方の側面に接
    する位置から指の腹を経由して他方の側面に接する位置
    に到達するまで前記ユニットの位置を所定の距離ずつ移
    動させる駆動部と、 前記ユニットの各位置ごとに前記2次元イメージセンサ
    からの電気信号をディジタル画像データに変換して取り
    込み、それらから押捺指紋画像を合成する制御部とを備
    えたことを特徴とする押捺指紋画像入力装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、前記ユニットの初期位置
    で得られた前記2次元イメージセンサの全受光素子から
    の電気信号をディジタル画像データに変換して内部メモ
    リに記録し、前記ユニットのそれ以降の位置で前記2次
    元イメージセンサから電気信号を得た際には、全受光素
    子の電気信号をディジタル画像データに変換した後、内
    部メモリに記録されたディジタル画像データと画素単位
    に値を比較し、値の大きい方を内部メモリに残す構成を
    有することを特徴とする請求項1記載の押捺指紋画像入
    力装置。
  3. 【請求項3】 光線の入射面と指との接触面と前記入射
    面から入射し前記接触面で反射した光線を導出する導出
    面とを有する透明多面体前記接触面が指紋採取のた
    めに固定された指と接触する位置を、前記接触面を所定
    の複数の角度にそれぞれ設定して検出し、前記固定され
    た指の形状を計測する第1のステップと、 前記透明多面体、 光線を前記入射面から前記透明多面体
    に照射する平面状光源、および前記導出面から導出され
    る反射光を受光し反射光強度を電気信号に変換する2次
    元イメージセンサを一体化したユニットを、前記透明多
    面体の前記接触面が指紋採取のために固定された指の一
    方の側面に或る程度の接触圧力で接する位置に移動させ
    る第のステップと、 前記2次元イメージセンサからの電気信号のうち前記ユ
    ニットの現在位置で定まる前記接触面内の矩形領域に対
    応する受光素子の電気信号だけをディジタル画像データ
    に変換して記録する第のステップと、 前記ユニットを、前記透明多面体の前記接触面が指の他
    方の側面に接する位置に到達するまで移動させたか否か
    を判定し、移動させていない場合は下記の第のステッ
    プに移り、移動させていた場合は下記の第のステップ
    に移る第のステップと、前記第1のステップで求められた指の形状を基に前記透
    明多面体の前記接触面と指との接触圧力をほぼ一定に保
    ちつつ、 前記接触面が指の腹を経由して他方の側面に接
    する位置に到達する方向に向けて前記ユニットの位置を
    所定の距離だけ移動させ、前記第のステップに戻る第
    のステップと、 前記ユニットの各位置において記録した各ディジタル画
    像データをつなぎ合わせて押捺指紋画像を合成する第
    のステップとを含むことを特徴とする押捺指紋画像入力
    方法。
  4. 【請求項4】 光線の入射面と指との接触面と前記入射
    面から入射し前記接触面で反射した光線を導出する導出
    面とを有する透明多面体前記接触面が指紋採取のた
    めに固定された指と接触する位置を、前記接触面を所定
    の複数の角度にそれぞれ設定して検出し、前記固定され
    た指の形状を計測する第1のステップと、 前記 透明多面体、光線を前記入射面から前記透明多面体
    に照射する平面状光源、および前記導出面から導出され
    る反射光を受光し反射光強度を電気信号に変換する2次
    元イメージセンサを一体化したユニットを、前記透明多
    面体の前記接触面が指紋採取のために固定された指の一
    方の側面に或る程度の接触圧力で接する初期位置に移動
    させる第のステップと、 前記ユニットが初期位置に位置するときの前記2次元イ
    メージセンサの全受光素子からの電気信号をディジタル
    画像データに変換して内部メモリに記録する第のステ
    ップと、前記第1のステップで求められた指の形状を基に前記透
    明多面体の前記接触面と指との接触圧力をほぼ一定に保
    ちつつ、 前記接触面が指の腹を経由して他方の側面に接
    する位置に到達する方向に向けて前記ユニットの位置を
    所定の距離だけ移動させる前記第4のステップと該第
    のステップによる前記ユニットの移動後の前記2次元イ
    メージセンサの全受光素子からの電気信号をディジタル
    画像データに変換し、前記内部メモリに記録されている
    ディジタル画像データと画素単位に値を比較し、値の大
    きい方を内部メモリに残す第のステップと、 前記ユニットを前記透明多面体の前記接触面が指の他方
    の側面に接する位置に到達するまで移動させたか否かを
    判定し、移動させていない場合は前記第のステップに
    戻り、移動させていた場合は下記の第のステップに移
    る第のステップと、 前記内部メモリに記録されたディジタル画像データを押
    捺指紋画像とする第のステップとを含むことを特徴と
    する押捺指紋画像入力方法。
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