JP3249662B2 - 電子レンジによる解凍に適した冷凍ベーカリー製品 - Google Patents

電子レンジによる解凍に適した冷凍ベーカリー製品

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嘉樹 蔵橋
陽一 南澤
肇 明石
美和 高橋
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Nisshin Seifun Group Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子レンジによる解凍に
適したピザ、中華まんじゅう等の冷凍ベーカリー製品に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子レンジによる加熱調理が普及
しているが、この方法は食品にマイクロ波を照射するも
ので、加熱に要する時間が短いと云う利点があるため、
冷凍食品の解凍にもよく用いられる。
【0003】しかしながら、冷凍食品がピザや中華まん
じゅう等のベーカリー製品である場合には、電子レンジ
を用いて加熱解凍すると食感が硬化し、「引き」が強く
歯切れが悪くなると云う問題があった。これは電子レン
ジによる加熱では食品内部の温度の上昇が速いため、水
分の蒸発が多くなり、その結果食感が硬化してしまうた
めと思われる。
【0004】而して、従来よりこれらの問題に対して
は、いくつかの改善策が報告されている。例えば特開平
4−66077号公報では生地に乳化剤を添加する技術
が開示され、また特開平2−222669号公報では油
脂と卵白を添加する技術が開示されている。しかし、何
れの方法も電子レンジ処理後の食感の改良効果が小さ
く、また、製品の風味が損われ易いと云う難点があり、
未だ満足できるものが得られていなかったのが実状であ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、電子レンジで加熱解凍しても食感の硬化や「引き」
が生じず、しかも製品の風味が損われない冷凍ベーカリ
ー製品を提供せんとするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
の如き実状に於て種々研究を重ねた結果、ベーカリー製
品中に湿熱処理を施した澱粉を配合せしめれば、電子レ
ンジ加熱後にも食感の硬化や「引き」の抑制された、し
かも何ら風味が損われていないベーカリー製品が得られ
ることを見い出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は偏光十字を有し、かつ
アミラーゼによる消化性が未処理品の4〜10倍である
澱粉湿熱処理物を冷凍ベーカリー製品の原料として用い
ることを特徴とする電子レンジによる解凍に適した冷凍
ベーカリー製品である。
【0008】本発明に於ける澱粉としては特に限定され
ないが、例えば小麦、大麦、ライ麦、燕麦、マイロ、玉
蜀黍及び米等の穀物に由来する澱粉;馬鈴薯澱粉及びタ
ピオカ澱粉等の各種澱粉類並びにこれらの混合物等が挙
げられる。
【0009】而して、本発明で云う澱粉湿熱処理物と
は、前記の如き澱粉を飽和水蒸気により処理したものを
いい、特に以下の様な特性を有するものが好ましい。
【0010】a)アミログラムでの最高粘度が未処理の
澱粉に比較して、低くなり、かつブレークダウンが無
い。 b)示差走査型熱量計分析の結果、糊化開始温度、糊化
ピーク温度、糊化終了温度が高温側に移行するととも
に、糊化熱が減少している。 c)偏光十字を有する。 d)アミラーゼによる消化性が高い(未処理品の4〜1
0倍程度)。 e)これを糊液とした後オートクレーブで加圧加熱処理
した場合、糊液の粘度の低下が少ない。 f)これを糊液とした後、機械的な剪断力(攪拌)を与
えても糊液の粘度低下が少ない。
【0011】斯かる澱粉湿熱処理物を得るための具体的
方法としては特に限定されないが、例えば特開平4−1
30102号公報に記載されている如く、減圧ラインと
加圧蒸気ラインの両方を付設し、内圧、外圧共に耐熱性
の密閉できる容器内に澱粉を入れ、減圧とした後、蒸気
導入による加圧加熱を行い、あるいはこの操作を繰り返
すことにより、澱粉を所定時間加熱した後冷却する方法
や特願平5−74090号の如く、澱粉を造粒し、当該
造粒物を加圧下にて飽和水蒸気処理する方法等が挙げら
れる。
【0012】本発明は、上記の如き澱粉湿熱処理物をピ
ザや中華まんじゅう等の冷凍ベーカリー製品中に含有せ
しめて成るものであるが、その含有量は冷凍ベーカリー
製品に配合使用する全穀粉類の2〜20重量%とするの
が好ましい。含有量がこれより少な過ぎると本発明の目
的が達成しにくく、またこれより多過ぎると製品の体積
が小さくなり、食感も劣ったものになり易い。なお、本
発明でいう穀粉類とは、小麦粉、米粉等の穀粉、コーン
スターチ等の澱粉や豆粉等をさす。
【0013】本発明の冷凍ベーカリー製品を得るに当た
っては、この澱粉湿熱処理物を用いる点を除き、他は通
常用いられる原材料を用い、常法に従って製造した後冷
凍すればよいが、生地のミキシング時に加水を通常の3
0%以内の範囲で増加させると特に良好な結果が得られ
る。また必要に応じて活性グルテン等を添加するのが好
ましい。
【0014】
【作用】本発明で用いる澱粉湿熱処理物は、澱粉の粒構
造が保持されるのみならず強固な構造となっているた
め、電子レンジ解凍処理を施しても澱粉粒の保水機能が
低下せず、所謂水分の飛散防止作用が奏されるものと思
われる。
【0015】
【発明の効果】本発明による冷凍ベーカリー製品は、こ
れを電子レンジで加熱解凍しても風味が損われることが
ないと共に、食感の硬化が生じず、ソフトで「引き」の
ない製造時と同様の良好な食感を有する。
【0016】
【実施例】以下実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
説明する。
【0017】実施例1、2及び3並びに比較例1及び2 下記の表1に示した配合を準備し、表2に記載した工程
に従ってピザ台を製造した。尚、澱粉湿熱処理物として
はコーンスターチを特開平4−130102号公報の実
施例2の方法に準じた減圧加圧法により124℃にて2
0分間処理後、乾燥、粉砕したものを用いた。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】得られたピザ台(45g/1枚)の各々に
対して5gのピザソースを塗り、その上にハム5gとチ
ーズ10gをのせてトッピングし、これを200℃のオ
ーブンに入れて再度4分間焼成してピザパイを製造し
た。得られた各ピザパイを−20℃にて冷凍し、一ケ月
冷凍貯蔵後の各ピザパイを電子レンジ(500W)にて
3分間加熱解凍したものについて、それぞれピザパイの
風味及び食感(歯切れ、硬さ、口溶け)を下記の表3〜
6に示した評価基準に従って10名のパネラーにより評
価してもらい、その平均値を求めたところ表7に示した
とおりであった。
【0021】
【表3】風味 5:非常にうま味及びこくがある 4:少しうま味及びこくがある 3:わずかにうま味及びこくがある 2:ほとんどうま味及びこくがない 1:全くうま味がなくてまずい
【0022】
【表4】歯切れ 5:サクサクして非常に歯切れがよい 4:少しサクサクして少し歯切れがよい 3:やや粘りがありやや歯切れが悪い 2:少し粘り、引きが強く、少し歯切れが悪い 1:引きが強く、歯切れが悪い
【0023】
【表5】硬さ 5:もろくて軽い食感で口当たりが柔らかい 4:ややもろくて、少し軽い食感で口当たりが柔らかい 3:やや柔らかいが、少し弾力性が強い 2:少し硬く弾力性が強い 1:硬くゴツゴツしている
【0024】
【表6】口溶け 5:口の中で広がるように溶け、口溶け非常に良好 4:口溶け少し良好 3:口溶けやや良好 2:口溶け少し劣る 1:口溶け劣る
【0025】
【表7】
【0026】上記表7の結果より、コーンスターチの湿
熱処理物をピザ生地中の全穀粉原料中に2〜20%含有
する本発明に係るピザは、コーンスターチの湿熱処理物
を含まないピザに比し、電子レンジによる解凍後の風味
及び食感のいずれもが優れていることがわかる。
【0027】実施例4、5及び6並びに比較例3、4及
び5 下記の表8に示した配合を準備し、表9に記載した工程
に従って中華まんじゅうを製造した。尚、澱粉湿熱処理
物としてはコーンスターチを特開平4−130102号
公報の実施例2の方法に準じた減圧加圧法により120
℃にて25分間処理後、乾燥、粉砕したものを用いた。
【0028】
【表8】
【0029】
【表9】
【0030】得られた各中華まんじゅうを冷却後、−2
0℃で20日間冷凍貯蔵した。この各冷凍中華まんじゅ
うを電子レンジ(500W)でラップをかけないで60
秒間加熱し解凍したものについて、それぞれ中華まんじ
ゅうの外観、内相、触感及び食感(歯切れ、口溶け)を
下記の表10〜14に示した評価基準に従って10名の
パネラーにより評価してもらい、その平均値を求めたと
ころ表15に示したとおりであった。
【0031】
【表10】外観 5:白く艶があり、体積が大きい 4:やや白く艶があり、体積がやや大きい 3:普通 2:やや艶に欠け、体積がやや小さい 1:艶に欠け、表面が荒れ、体積が小さい
【0032】
【表11】内相 5:すだちが非常に細かく均一 4:すだちが細かくほぼ均一 3:普通 2:すだちがやや粗くやや不均一 1:すだちが粗く不均一
【0033】
【表12】触感 5:ソフトでしっとりした感じ 4:ややソフトでややしっとりした感じ 3:普通 2:やや硬く、やや乾いた感じ 1:硬く、乾いた感じ
【0034】
【表13】歯切れ 5:しっとりして非常に歯切れがよい 4:少ししっとりして少し歯切れがよい 3:やや粘りがありやや歯切れが悪い 2:少し粘り、引きが強く、少し歯切れが悪い 1:引きが強く、歯切れが悪い
【0035】
【表14】口溶け 5:口の中で広がるように溶け、口溶け非常に良好 4:口溶け少し良好 3:口溶けやや良好 2:口溶け少し劣る 1:口溶け劣る
【0036】
【表15】
【0037】上記表15の結果より、澱粉湿熱処理物を
中華まんじゅう生地中の全穀粉原料中に2〜20%含有
する本発明に係る中華まんじゅうは、澱粉湿熱処理物を
含まない中華まんじゅうに比し、電子レンジによる解凍
後の外観、内相、触感及び食感のいずれもが優れている
ことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明石 肇 埼玉県入間郡大井町鶴ケ岡5丁目3番1 号 日清製粉株式会社製粉研究所内 (72)発明者 高橋 美和 埼玉県入間郡大井町鶴ケ岡5丁目3番1 号 日清製粉株式会社製粉研究所内 (56)参考文献 特開 平2−222669(JP,A) 食品工業,36(1993)p.51−55 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D A23L 1/48 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光十字を有し、かつアミラーゼによる
    消化性が未処理品の4〜10倍である澱粉湿熱処理物を
    冷凍ベーカリー製品の原料として用いることを特徴とす
    る電子レンジによる解凍に適した冷凍ベーカリー製品。
  2. 【請求項2】 澱粉湿熱処理物の含有量が、冷凍ベーカ
    リー製品に配合使用する全穀粉類の2〜20重量%であ
    ることを特徴とする請求項1記載の冷凍ベーカリー製
    品。
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