JP3249006B2 - 表面性状の優れた構造用厚鋼板とその製造方法 - Google Patents

表面性状の優れた構造用厚鋼板とその製造方法

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JP3249006B2
JP3249006B2 JP04013594A JP4013594A JP3249006B2 JP 3249006 B2 JP3249006 B2 JP 3249006B2 JP 04013594 A JP04013594 A JP 04013594A JP 4013594 A JP4013594 A JP 4013594A JP 3249006 B2 JP3249006 B2 JP 3249006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の用途の構造用厚
鋼板を経済的にかつ生産性よく製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、厚鋼板の使用環境での要求は高ま
る一方で、鋼板の塗装性や美観、特に成形作業の多い産
業機械分野では作業環境の面から剥離しやすく、粉末状
になりやすい赤スケールが少ない鋼板に対する要望が高
まり、良好なスケール性状を兼ね備えた鋼材が望まれて
いる。また、鋼材の使用性能の観点から鋼板のスケール
の特性として、曲げ加工部材等で、そのまま塗布する場
合の塗装ムラ防止やスケールの密着性に対する要望の厳
しさが増している。スケール密着性を改善する方法とし
て、熱間圧延された線材の分野において、例えば「鉄と
鋼」65(1979),S390に記載のようにスケー
ル厚みを薄くする方法が提案されている。
【0003】また、熱延鋼帯の分野においても、スケー
ル厚みを薄くする例として、例えば特開昭58−157
517号公報記載のように仕上げ圧延機と水冷装置間を
ラミナー水冷で覆い大気と遮断する方法、特開昭60−
24320号公報、特開昭60−77922号公報記載
のように圧延終了後の低炭素アルミキルド鋼を非酸性雰
囲気で低温まで冷却する方法、特開昭61−12340
3号公報記載のように仕上げ圧延直後に不活性ガスある
いは還元性ガス雰囲気で低温まで冷却する方法、あるい
は特開昭61−195702号公報記載のようにCrを
添加した低炭素アルミキルド鋼の圧延直後に冷却する方
法等が提案されている。しかしながら、この方法では、
いずれも高速で通板する鋼帯または線材を大気と遮断す
るための設備、あるいはこれらの鋼帯等を圧延直後に低
温まで急冷する設備等を必要とするものであり、多大な
設備コストを招く欠点を有する。
【0004】尚、前記した連続圧延工程で製造される熱
延鋼帯は、厚鋼板に比較して高温滞留時間が大幅に短い
ので、スケールを薄スケール化する上で極めて有利であ
る。しかし、厚鋼板の製造には通常スラブを加熱炉に装
入して1200〜1250℃の温度範囲で加熱した後デ
スケーリングデバイスへ送り、加熱中に発生したスケー
ルを除去した後、1基または2基の可逆式圧延機で幅出
し圧延や所定の製品厚まで圧延する仕上げ圧延が行われ
ている。そのために仕上げ圧延後の厚鋼板はホットレベ
ラーへ送られ熱間矯正ののち鋼板表面が所定の温度以下
になるように空冷または制御冷却される。
【0005】かかる従来法では可逆式圧延機で圧延され
るスラブが高温であるとともに圧延時間が比較的長いた
めに、仕上げ圧延終了時に厚手のスケールがしかも不均
一に発生する。これが次のホットレベラーを通板時また
は製品になった段階でプレス成形される時に、スケール
が剥離して塗装のムラになったり、また、かかる厚鋼板
を曲げ加工部材に成形してそのまま塗装する場合、スケ
ールの不均一性から塗装ムラが発生する等、厚鋼板表面
に生成するスケールは色々な面で多くの問題を引き起こ
している。
【0006】表面の酸化スケールの変色機構については
材料とプロセス CAMP−ISIJ VOL.6(199
3)−357に開示されている。すなわち鋼板表面に微
細なヘマタイト(Fe2 3 )粉末が存在するために鋼
板が赤褐色に見え、その色は2μm以下のヘマタイト粉
末量に支配されることが明らかになっている。しかしな
がら、その発生機構は概ね明らかになったものの厚板の
圧延工程での制御方法については不明である。以上述べ
たように、厚鋼板の場合は内容熱容量が大きくかつリバ
ース圧延での圧延時間が比較的長いことから、厚鋼板の
スケール厚みや色の制御方法に関して有益な方法は殆ど
開示されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の製造方法の欠点を解消して、種々の用途に適応し、表
面性状が優れた構造用厚鋼板を生産性よく、かつ経済的
に製造する方法を提供することを課題とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の通り
である。 ()重量%で、 C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01% を含有し、残部がFe及び不可避的成分からなる鋼
で、鋼板表面のスケールの中心線平均粗さが3.0μm
以下でかつ厚み5.0μm以下として、該スケール
表面のヘマタイト粉末の残存を抑制することを特徴とす
表面性状の優れた構造用鋼板。
【0009】() 重量%更に、 Ti:0.003〜0.10%、 Cr:0.01〜0.50%、 Ni:0.01〜3.00%、 Mo:0.01〜0.50%、 Cu:0.01〜1.50%、 V :0.005〜0.20%、 Nb:0.003〜0.05%、 B :0.0003〜0.0020%の1種または2種以上を含有する ことを特徴とする前記
(1)記載の表面性状の優れた構造用鋼板。
【0010】() 重量%で、 C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 残部がFe及び不可避的成分からなり、凝固後Ac3
上に加熱した構造用鋼の鋳片を用い、可逆式熱間圧延機
で厚鋼板を製造するに際し、該熱間圧延機の噛込側近傍
で被圧延鋼板に衝突圧1.2kg/cm2 以上のデスケーリ
ングを実施し、その後直ちに前記熱間圧延機で圧延し、
次いで圧延された鋼板を該熱間圧延機の噛出側近傍にお
いて圧延直後に冷却能力500kcal/m2 ・hr・℃以上
で冷却を行い、かかる圧延において950℃以下の圧延
パスを10パス未満とし、圧延終了後、該鋼板表面の6
50℃までの高温滞留時間を30秒以内にすることを特
徴とする表面性状の優れた構造用厚鋼板の製造方法。
【0011】(前記熱間圧延終了後において、前
記可逆式熱間圧延機内を往復で複数回空パスで冷却し、
該鋼板表面の650℃までの高温滞留時間を30秒以内
にすることを特徴とする前記(3)記載の表面性状の優
れた構造用厚鋼板の製造方法。
【0012】() 重量%更に、 Ti:0.003〜0.10%、 Cr:0.01〜0.50%、 Ni:0.01〜3.00%、 Mo:0.01〜0.50%、 Cu:0.01〜1.50%、 V :0.005〜0.20%、 Nb:0.003〜0.05%、 B :0.0003〜0.0020% の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記
(3)または(4)記載の表面性状の優れた構造用厚鋼
板の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】また、本発明が対象としている構
造用圧延鋼材は、次記するように、通常の溶接構造用鋼
が所要の材質を得るために、従来から当業分野での活用
で確認されている作用・効果の関係を基に定めている添
加元素の種類と量を同様に使用して、同等の作用と効果
が得られる。従って、これ等を含む鋼を本発明は対象鋼
とするものである。
【0014】これ等の各成分元素につきその添加理由と
量を以下に示す。Cは、鋼の強度を向上する有効な成分
として0.01%は添加するものであるが、0.20%
を超える過剰な含有量では、HAZ(eat ffected
one)に島状マルテンサイトが析出し、HAZ靭性を著
しく劣化させるので、0.20%以下に規制する。Si
は溶鋼の脱酸元素として必要であり、また強度増加元素
として添加するが、0.03%未満では脱酸効果が不十
分であり、1.0%を超えて添加すると、鋼の加工性が
低下し、HAZの靭性が低下するため、添加量は0.0
3〜1.0%に規制する。
【0015】Mnも脱酸成分元素として必要であり、
0.3%未満では鋼の清浄度を低下し、加工性を害す
る。また鋼材の強度を向上する成分として0.3%以上
の添加が必要である。しかし、Mnは、過剰の添加によ
り溶接性を著しく劣化させるので、2.0%を上限とす
る。AlはAl窒化物による鋼の結晶粒径が微細化でき
るので必要である。しかし、添加量が少ない時にはその
効果がなく、過剰の場合には鋼の靭性を劣化させるの
で、添加量は0.005〜0.10%に規制する。Nは
AlやTiと結びついてオーステナイト粒の微細化に有
効に働くが、その効果が明確になるためには0.001
%以上含有する必要があるが、0.01%を超えて過剰
に添加すると固溶Nが増加して靭性に悪影響を及ぼすの
で、0.010%を上限とする。
【0016】本発明が対象とする構造用鋼の基本成分は
以上である。これを基本に母材強度の上昇域は、継手靭
性の向上を目的として要求される性質に応じてTi,C
r,Ni,Mo,Cu,Ti,V,Nb,Bの1種また
は2種以上を含有することができる。まず、Tiは析出
強化により母材強度向上に寄与すると共に、TiNの形
成によりγ粒を微細化し、溶接部の継手靭性にきわめて
有効な元素であるが、効果を発揮できるためには0.0
03%以上の添加が必要である。一方、0.1%を超え
るTi炭化物を形成して靭性や延性を劣化させるため、
上限を0.10%とする。Cr及びMoはいずれも母材
の強度上昇に有効な元素であるが、明瞭な効果を生じる
ためには0.01%以上必要であり、一方0.50%を
超えて添加すると、靭性が劣化する傾向を有するため、
0.01〜0.5%の範囲とする。
【0017】また、Niは母材の強度と靭性を同時に向
上させることができ、非常に有効な元素であるが、効果
を発揮させるためには0.01%以上含有させる必要が
ある。含有量が多くなると強度、靭性は向上するが3.
0%を超えて添加すると、変態挙動が変化して適正製造
条件が変化するので、本発明範囲では3.0%を上限と
する。次に、CuもほぼNiと同様の効果を有するが、
1.5%超の添加では析出硬化の問題が生じるため、
0.01〜1.5%の範囲に限定する。V及びNbはい
ずれも主として析出強化により母材の強度向上に寄与す
るが、過剰の添加でHAZ靭性が劣化する。従って、靭
性の劣化を招かずに、効果が発揮できる範囲として、V
は0.005〜0.20%、Nbは0.003〜0.0
5%とする。
【0018】Bは0.0003%以上の極微量添加で鋼
材の焼入れ性を高めて強度上昇に非常に有効であるが、
過剰に添加すると靭性を大きく劣化させるため、上限を
0.0020%とする。本発明における鋳片の加熱温度
はオーステナイトの粗大化防止のため1200℃を上限
とし、下限温度は圧延の作業を考慮すると900℃以上
が望ましい。また、Nb元素を含む鋼材は、Nbを完全
固溶させるために1100℃以上の加熱が必要となる。
【0019】
【作用】本発明者等は、前記従来技術が有する問題を解
決すると共に、本発明の課題を達成するため、下記の化
学成分を有する一般的な構造用鋼を用いて種々実験検討
を繰り返した。 C :0.05〜0.15%、 Si:0.15〜0.25%、 Mn:0.8〜1.6%、 Al:0.01〜0.05%、 N :0.0020〜0.0050% まず、スケールの色と表面の状態について検討を行っ
た。スケールの色が赤く見える鋼板と黒く見える鋼板の
表面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、赤く見える鋼
板の表面はスケールがえぐられているような段差が見
え、そのえぐられたように見える部分の中に粉末状のヘ
マタイト(Fe2 3 )が存在しており、黒く見える鋼
板はスケール表面が平滑である。更にえぐられ壊れたス
ケールの面積が多いほど、粉末状のヘマタイトの量が増
え、結果的に鋼板としては赤く見えることが判明した。
【0020】スケールがえぐられたように観察できる部
分は、平滑な部分とは段差がついているので、その存在
箇所を走査型電子顕微鏡で詳細に調査、解析した結果、
鋼板表面の粗さと粉末状のヘマタイトの残存の有無に密
接な関係があることが判明した。すなわち粉末状のヘマ
タイトが存在するのは、スケールがえぐられたように見
える領域であるため、スケール表面に凹凸があった場
合、粉末状のヘマタイトが残存する可能性がある領域は
平坦である部分との段差により支配されることが判明し
た。従って、段差を調査すれば、粉末状のヘマタイトが
残存可能領域を限定することができる。更にその残存す
る領域が小さいと赤く識別できないことが判明した。
【0021】そこで、この残存する領域と表面の粗さと
の関係を調査した結果を図1に示す。鋼板表面の中心線
平均粗さ(Ra)が3.0μm以下になると、粉末状の
ヘマタイトが残存する領域の面積率が20%未満とな
り、鋼板表面の色が赤く識別できないことがわかった。
尚、鋼板表面の平均粗さは製品となった鋼板の長手方向
1000mmピッチで幅方向に5分割した各位置よりサン
プリングし、平均粗さの測定値の平均値を求め、評価し
ている。また、鋼板の色は目視により判定した。中心線
粗さについてはJIS(日本工業規格)B0601を準
拠して測定した。
【0022】次に、スケールの密着性に大きく影響を及
ぼす限界スケール厚みについて検討した。実験にはスケ
ールの厚みが異なる鋼板を種々試作し、下記に示す方法
で評価した。すなわちスケール密着性は目視判定等によ
る感応試験が多く、定量性に欠ける。そこで、今回は、
曲げ半径r=1.5×t(t:板厚)の90度曲げ試験
後、表面から10サンプルを採取し、走査型電子顕微鏡
でスケールの剥離をして、地鉄が露出した面積率(10
個の平均値)を測定し、表1に示す地鉄露出面積率にて
評価した。尚、評点ランク1,2を合格とし、密着性良
好とした。
【0023】
【表1】
【0024】スケール厚みと評点ランクの関係を図2に
示す。図2からスケール厚みが5.0μm以下になると
密着性が良好になることがわかった。そこで、スケール
厚みを5.0μm以下とするための圧延、冷却条件及び
圧延終了後の冷却条件を種々変化させて検討を実施し
た。その検討結果を図3に示す。尚、スケール厚みは、
製品となった鋼板の長手方向1000mmピッチで幅方向
に5分割した各位置よりサンプリングし、光学顕微鏡写
真から測定した値の平均値より求めた平均スケール厚み
である。
【0025】図3からスケール厚みを5.0μm以下に
するにはデスケーリング衝突圧が1.2kg/cm2 以上必
要で、更に、圧延終了後鋼板表面の650℃までの高温
滞留時間が30秒以内である必要があり、圧延終了後の
冷却は高温滞留中のスケールの成長を抑制する上で有効
であることがわかった。尚、650℃以下になるとスケ
ールは殆ど成長しないことが、別途実施した実験結果か
らわかっている。尚、図3中の圧延中の条件に関して
は、表2にケース別の冷却条件を示す。
【0026】
【表2】
【0027】ケース1〜4は本発明例であり、ケース
5,6は比較例である。ケース5はパスNo.2及びNo.
3においてデスケーリングしただけで、残るパスはすべ
て冷却水を噴射せず、ケース6は水圧デスケーリングヘ
ッダーの衝突圧力を1.2kg/cm2 未満にした例であ
る。また、表2中の式及びは下記によって求めた値
である。 式 衝突圧力p=68×(P0.5 ×Q(90−θ2)/(h2 ×θ1)) P :噴射圧力 kg/cm2 Q :噴射水量 L/min h :ノズル高さ mm θ1:ノズル噴射角度 θ2:ノズル迎え角 式 冷却能力 Logh=2.358+0.663 LogW−0.00147×Ts W :水量密度 L/m2 ・min Ts :鋼板表面温度 ℃(800℃を使用) 出典:日本鉄鋼協会発行の特別報告書No.29「鋼材の
強制冷却」16頁による。
【0028】更に圧延後の冷却方法とスケールの厚み、
スケールの密着性について検討を実施した。冷却方法は
650℃以下の温度になるまでにスプレー冷却した場合
と圧延機内を空パス冷却した場合の2水準について検討
を実施した。その結果を図4に示す。圧延機内を通過さ
せ、デスケーリングの効果をとり入れた方がより薄スケ
ール化に有効であり、5.0μm以下のスケール厚を得
やすいことが判明した。
【0029】冷却前のスケール厚みを薄くする圧延方法
について述べる。まず本発明のために使用する設備の一
例を図5により説明する。可逆式熱間圧延機1のハウジ
ング8内に、上ワークロール2と該ロールに接する上下
圧延補強ロール4及び下ワークロール3と該ロールに接
する下圧延補強ロール5をそれぞれ配設する。前記圧延
機の噛込側(または噛出側)及び噛出側(または噛込
側)にトップガイド9,9−1を設け、該トップガイド
の孔部分にのぞませて、鋼板表面上に水を噴射するデス
ケーリングノズル14,14−1及び冷却噴射ノズル1
2,12−1を設ける。
【0030】デスケーリングノズル14,14−1は上
ワークロール2に最も近接して設けられ、かつ移動する
鋼板表面への迎え角を有するように水圧デスケーリング
ヘッダー13,13−1に連結されている。
【0031】冷却水噴射ノズル12,12−1はデスケ
ーリングノズル14,14−1の隣接位置に設置され、
かつ鋼板表面にほぼ直角に噴射するよう冷却ヘッダー1
1,11−1に設けられている。ノズル12,12−1
の噴射方向は水切りをよりよくするため圧延方向に向け
られてもよい。また、下ワークロール3の送り面と同一
送り面を有するローラーテーブル10,10−1が前記
圧延機の噛込側(または噛出側)と噛出側(または噛込
側)に配設されており、該下ワークロール3と前記ロー
ラーテーブルのローラーとの間にデスケーリングノズル
20,20−1が鋼板表面に対する迎え角を有するよう
ノズルホルダー19,19−1を介してデスケーリング
ーヘッダー18,18−1に設けられ、また前記ローラ
ーテーブルのローラー間に冷却水噴射ノズル17,17
−1が鋼板表面にほぼ直角に噴射するようノズルホルダ
ー16,16−1を介して冷却ヘッダー15,15−1
に設けられている。図中6,6−1は圧延機上ガイド、
7,7−1は圧延機下ガイドである。
【0032】以上の装置において、高温の厚鋼板Sを圧
延する場合、1パス目として圧延機1の前面Aにある被
圧延鋼板をワークロール2,3に噛込ませる直前にデス
ケーリングノズル14,20からの高圧噴射冷却水で上
下表面酸化物を除去し、圧延されて後面Bに噛出されて
きた被圧延鋼板上下面を冷却水噴射ノズル12−1,1
7−1から冷却水で冷却する。次に2パス目として、圧
延機1の後面Bにある被圧延鋼板をワークロール2,3
に噛込ませる直前にデスケーリングノズル14−1,2
0−1からの高圧噴射水で鋼板の上下表面に生成したス
ケールを除去し、圧延されて圧延機前面Aに噛出されて
きた被圧延鋼板上下表面を冷却水噴射ノズル12,17
からの冷却水で冷却する。そして該往復圧延を所望の板
厚になるまで複数回繰り返す。また、スケールを薄くす
る方法として前記した圧延条件にて圧延後に、ホットレ
ベラー前のデスケーリング等を併用しても構わない。本
発明は上記知見により成立するものである。
【0033】また、スケール表面の粗さを調整するため
の条件として、950℃以下の圧延パス条件を規定した
理由は、950℃以下ではデスケーリングによる剥離効
果が著しく低下し、スケールを圧延により破壊し、10
パス以上実施すると平均粗さが3.0μmを超えるため
に圧延条件を規定した。以上により得た鋼板の強度を向
上するには、圧延終了後、水、水蒸気、気水混合体等の
いずれかの冷却剤を用いても本発明の効果を損なうもの
ではない。
【0034】
【実施例】本発明の供試鋼の成分は、前記した元素と添
加量であればいずれの組合せでもよく、強度レベルが異
なる代表的な構造用鋼として本実施例に用いた鋼の化学
成分を表a−1に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】尚、ケース1〜4は本発明例であり、ケー
ス5,6は比較例である。ケース5はパスNo.2及びN
o.3においてデスケーリングしただけで、残るパスは
すべて冷却水を噴射せず、ケース6は水圧デスケーリン
グヘッダーの衝突圧力を1.2kg/cm2 未満にした例で
ある。また、表a−3中の式及びは下記によって求
めた値である。 式 衝突圧力p=68×(P0.5 ×Q(90−θ2)/(h2 ×θ1)) P :噴射圧力 kg/cm2 Q :噴射水量 L/min h :ノズル高さ mm θ1:ノズル噴射角度 θ2:ノズル迎え角 式 冷却能力 Logh=2.358+0.663 LogW−0.00147×Ts W :水量密度 L/m2 ・min Ts :鋼板表面温度 ℃(800℃を使用) 出典:日本鉄鋼協会発行の特別報告書No.29「鋼材の
強制冷却」16頁による。
【0040】
【表7】
【0041】表a−1に示す供試鋼は、強度レベルが異
なる7種の鋼種を選択し、必要に応じてV,Nb,N
i,Ti,Cu,Ni,Cr,Mo等の合金元素を添加
している。
【0042】製造条件及び得られた材質、スケールの厚
み、色、密着性及び表面の平均粗さを表a−2に示す。
表a−2中のNo.A1〜A7の本発明例は、いずれも黒
色で材質、スケールの密着性が優れた構造用鋼板が得ら
れた。これに対し、圧延中に十分な冷却を行わなかった
比較例中、鋼種2,4,5,7を使用したNo.B1〜B
4は、スケール厚み、組成ともに所定の特性を満足せ
ず、密着性が不良であった。尚、表a−2中の冷却条件
の適用ケースは表a−3に示した。
【0043】
【発明の効果】本発明は圧延中の冷却条件と圧延後の冷
却条件を制御することにより、高い生産性のもとで円滑
に安定して、種々の用途に適応した構造用鋼板を製造す
ることを可能としたもので、この種の分野を中心に、産
業界にもたらす効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板表面の粗さと鋼板の色との関係を示す図
表。
【図2】スケール厚みとスケールの密着性(評点ラン
ク)の関係を示す図表。
【図3】冷却ケース別の圧延−冷却条件、圧延終了後の
高温滞留時間とスケール厚みとの関係を示す図表。
【図4】圧延終了後の冷却方式とスケール厚みとの関係
を示す図表。
【図5】本発明の圧延方法を示す概略正面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 38/54 C22C 38/54 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 B21B 1/38 B21B 3/00 C21D 8/02 C22C 38/06 C22C 38/54

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 残部がFe及び不可避的成分からなる鋼で、鋼板表面
    スケールの中心線平均粗さが3.0μm以下でかつ
    厚み5.0μm以下として、該スケール表面のヘマタ
    イト粉末の残存を抑制することを特徴とする表面性状
    優れた構造用鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%更に、 Ti:0.003〜0.10%、 Cr:0.01〜0.50%、 Ni:0.01〜3.00%、 Mo:0.01〜0.50%、 Cu:0.01〜1.50%、 V :0.005〜0.20%、 Nb:0.003〜0.05%、 B :0.0003〜0.0020%の1種または2種以上を含有する ことを特徴とする請求
    項1記載の表面性状の優れた構造用鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.01〜0.20%、 Si:0.03〜1.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.005〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 残部がFe及び不可避的成分からなり、凝固後Ac3
    上に加熱した構造用鋼の鋳片を用い、可逆式熱間圧延機
    で厚鋼板を製造するに際し、該熱間圧延機の噛込側近傍
    で被圧延鋼板に衝突圧1.2kg/cm2 以上のデスケーリ
    ングを実施し、その後直ちに前記熱間圧延機で圧延し、
    次いで圧延された鋼板を該熱間圧延機の噛出側近傍にお
    いて圧延直後に冷却能力500kcal/m2 ・hr・℃以上
    で冷却を行い、かかる圧延において950℃以下の圧延
    パスを10パス未満とし、圧延終了後、該鋼板表面の6
    50℃までの高温滞留時間を30秒以内にすることを特
    徴とする表面性状の優れた構造用厚鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱間圧延終了後において、前記可逆
    式熱間圧延機内を往復で複数回空パスで冷却し、該鋼板
    表面の650℃までの高温滞留時間を30秒以内にする
    ことを特徴とする請求項3記載の表面性状の優れた構造
    用厚鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 重量%更に、 Ti:0.003〜0.10%、 Cr:0.01〜0.50%、 Ni:0.01〜3.00%、 Mo:0.01〜0.50%、 Cu:0.01〜1.50%、 V :0.005〜0.20%、 Nb:0.003〜0.05%、 B :0.0003〜0.0020% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    項3または4記載の表面性状の優れた構造用厚鋼板の製
    造方法。
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