JP3247831B2 - コンタクトレンズの消毒・中和・洗浄用組成物およびその使用方法 - Google Patents

コンタクトレンズの消毒・中和・洗浄用組成物およびその使用方法

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JP3247831B2 JP27426195A JP27426195A JP3247831B2 JP 3247831 B2 JP3247831 B2 JP 3247831B2 JP 27426195 A JP27426195 A JP 27426195A JP 27426195 A JP27426195 A JP 27426195A JP 3247831 B2 JP3247831 B2 JP 3247831B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトレンズ
の消毒、中和および洗浄のための一液組合せ製剤並び
にその使用方法に関する。さらに詳しくは、汚れたコン
タクトレンズを速やかに且つ簡単に、消毒、中和および
洗浄するために好適な一液組合せ製剤およびその使用
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソフトコンタクトレンズの消毒を目的と
する方法は、煮沸消毒法と化学消毒法とに大別され現在
使用されている。煮沸消毒は、細菌、ウイルス、カビ等
のあらゆる微生物の殺菌に対して実質的に有効である
が、ソフトコンタクトレンズに付着している蛋白質や他
の吸着物の熱による変性と凝固でレンズの白濁の原因と
なることがあり、また長期の繰返し加熱によりレンズの
変形と変色をきたすことがある。また、電源がないと使
えない不便さがある。
【0003】化学消毒による方法も数多く知られてお
り、3%過酸化水素、ビグアニド系の消毒液は微生物の
種類によっては殺菌効果の低いものもある。また、誤用
した場合は、角膜上皮や結膜への刺激が強すぎ、角膜障
害を引き起こす恐れがある。
【0004】種々のハロゲン系殺菌剤の中で、ヨウ素系
殺菌剤はその殺菌力および眼に対する安全性の両面から
優れた化学消毒剤である。ヨウ素系消毒剤を用いる例と
しては、英国特許第1,604,020号明細書、米国特
許第4,312,833号明細書、Contacto,33〜37
頁(1975年)、日コ・レ誌23 150〜154頁
(1981年)、日コ・レ誌20 96〜101頁(1
978年)に記録がある。しかしながら、これらの方法
はヨウ素系殺菌剤による消毒後、用済みの残存する該消
毒剤の除去および中和を、ヨウ素特有の自然昇華による
かまたは弱い還元剤を用いて行っているために、長時間
を要し、中和不十分となる恐れがある。その結果、ソフ
トコンタクトレンズのマトリックス中にヨウ素剤が吸着
されるためレンズの変色やヨウ素とレンズ素材との反応
によりレンズの変形および劣化をきたす恐れがある。
【0005】さらに、該ヨウ素製剤は眼に比較的安全と
はいえ、中和不十分でレンズ中に吸着・蓄積された場
合、ヨウ素系薬物が装用中に徐々に放出されて、Ann
alsOphthalmology、361〜364頁
(1981年)に記載されているように、アレルギー体
質の人等眼の炎症や角膜障害を起こす可能性がある。ま
た、ソフトコンタクトレンズのケアの中でレンズに付
着する蛋白質および脂質を除去すること重要であり、
このための洗浄剤が必要である。しかしながら、ヨウ素
消毒剤、中和剤、蛋白質分解酵素および界面活性剤の一
液型組合せ製剤は未だ知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、消
毒、中和および洗浄を一緒に一液中で行なうための一液
型組合せ製剤を提供することにある。本発明の他の目的
は、汚れたコンタクトレンズを速やかに且つ簡便に、消
毒、中和および洗浄するために好適な一液型組合せ製剤
を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、強
力な殺菌効果を示し且つ比較的安全性の高いヨウ素消毒
剤を用いて従来の中和方法を含む製剤の欠点を改良し、
さらに2種類の製剤を組合せとしたことにより、ソフト
コンタクトレンズを簡便に消毒、中和および洗浄するた
めの一液型組合せ製剤を提供することにある。本発明の
さらに他の目的は、本発明の一液型組合せ製剤を用いて
汚れたコンタクトレンズを速やかに且つ簡便に洗浄する
方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的お
よび利点は以下の説明から明らかになろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、(A)ヨウ素系殺菌
剤および蛋白質分解酵素を含有する第1の製剤 並びに
(B)含硫黄還元剤および発泡剤を含み且つ遅延放出被
覆を有する第2の製剤の組合せからなり、そして第1の
製剤および第2の製剤の少くともいずれか一方に非イオ
ン性界面活性剤を含有してなることを特徴とするコンタ
クトレンズの消毒、中和および洗浄のための一液型組合
せ製剤によって達成される。
【0008】本発明の一液型組合せ製剤は、第1の製剤
(A)と第2の製剤(B)からなり、そしてこれらの少
くともいずれか一方に非イオン性界面活性剤を含有す
る。第1の製剤はヨウ素系殺菌剤と蛋白質分解酵素およ
び場合により非イオン性界面活性剤を含有する。本発明
において好適に用いられるヨウ素系殺菌剤は、ヨウ素分
子(I2)が巨大分子であるポリビニルピロリドン(P
VP)またはポリビニルアルコール(PVA)に包接さ
れる古くから知られているポビドンヨード或いはPVA
ヨードである。これらの高分子結合ヨウ素剤は遊離ヨウ
素剤と比較して、水溶性となり、昇華性で不安定な
ヨウ素分子を固体状態で安定化し、さらに毒性を軽減
する、という大きな特徴を発現すると共に遊離ヨウ素剤
と同等の強力な殺菌作用を有する極めて優れた消毒剤で
ある。すなわち、該消毒剤は細菌、抗生物質耐性菌、カ
ビ、ウイルス等に対して幅広い抗菌スペクトルを有す
る。
【0009】本発明において好適に用いられる蛋白質分
解酵素は、強い酸化剤である該ヨウ素消毒剤存在下にお
いて、レンズの蛋白質汚れの洗浄力を十分に保持しなけ
ればならない。特に硫黄基すなわちチオール基、ジチオ
基等の硫黄原子は、ヨウ素化合物により酸化を受けやす
く、従ってこれらの硫黄基を数多くもつ酵素すなわちパ
パイン、ブロメライン、フィシン、パンクレアチンおよ
びカテプシン等は、該ヨウ素消毒剤共存のもとでは酵素
力価の低下が大きく、本発明系の酵素洗浄剤としては不
適当である。したがって、本発明ではこれらのものは用
いられない。
【0010】該ヨウ素製剤存在下、種々の酵素を用いて
安定性の実験を実施した結果、バチルス属微生物が生産
する蛋白質分解酵素および動物膵臓由来の酵素が比較的
安定であることが明らかとなった。本発明において用い
られる蛋白質分解酵素には、上記のようなヨウ素製剤に
対し比較的安定なものである。市販されている該蛋白質
分解酵素には、例えばビオプラーゼ、ビオタミラーゼ
(ナガセ生化学工業株式会社)、プロテアーゼN「アマ
ノ」(天野製薬株式会社)、スブチリシンA、アルカラ
ーゼ、エスペラーゼ、トリプシン、キモトリプシン(ノ
ボ・ノルディスクバイオインダストリー・ジャパン)等
がある。それらの中から便宜選択して用いられる。
【0011】第1の製剤には、ヨウ素系殺菌剤は、有効
ヨウ素の濃度として1〜500ppmで含有されている
のが好ましく、10〜150ppmで含有されているの
がより好ましい。濃度が1ppm未満であると殺菌力が
低下し、500ppmを越えると中和時間が遅くなるこ
とやレンズへの影響があるので取り扱いが困難となる。
また、蛋白質分解酵素は、洗浄効果と酵素力価に応じて
その濃度が適宜決定されるが、好ましくは0.005〜
2重量%の濃度となるように用いられる。
【0012】第1の製剤が含有していてもよい非イオン
性界面活性剤としては、例えばポロクサマー(またはポ
ロキサマーともいう)、ポロクサミン(またはポロキサ
ミンともいう)、ポリソルベート80、ステアリン酸ポ
リオキシル40およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
60が好ましく用いられる。非イオン性界面活性剤は好
ましくは0.001〜1重量%、より好ましくは0.0
1〜0.5重量%で用いられる。
【0013】一方、第2の製剤は、含硫黄還元剤、発泡
剤および必要によりさらに非イオン性界面活性剤を含み
そして遅延放出被覆を有する。含硫黄還元剤としては、
ヨウ素およびハロゲン化剤の強力な還元剤として知られ
ているものが使用できる。とりわけ亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムが、消毒後
ソフトコンタクトレンズに残存するヨウ素分子を効果的
に還元するので特に好ましい。また、発泡剤としては、
例えば炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが好ま
しく用いられる。さらに、第2の製剤が含有していても
よい非イオン性界面活性剤としては第1の製剤について
例示したものと同じものを挙げることができる。
【0014】第2の製剤は遅延放出被覆を有している。
その理由は次のとおりである。ヨウ素分子の水溶液は、
その濃度によって黒褐色から黄色に着色し、ヨウ素はま
たシリカゲルやアルミナの薄層クロマトグラフィーの発
色剤として用いられているように有機化合物に付着しや
すい。消毒の対象となるソフトコンタクトレンズの素材
は、メタクリル酸誘導体、アクリルアミド誘導体および
N−ビニルピロリドン等の有機化合物のポリマーから構
成されているので消毒時にヨウ素分子がレンズのマトリ
ックスに付着し易く、黄色または褐色にレンズが着色す
る。長時間この状態が続くとレンズの材質の変性および
劣化等の影響を与える可能性がある。消毒後、該還元剤
によりヨウ素分子が還元を受けると、無色で安全かつレ
ンズマトリックスへの吸着能力のほとんどないヨードア
ニオン( - )である例えばヨウ化ナトリウムに変化す
る。
【0015】従って、ヨウ素で殺菌が有効に行われた
後、速やかに残存する余分のヨウ素分子を含硫黄還元剤
で還元する必要がある。そのために、第2の製剤は第1
の製剤でコンタクトレンズの殺菌が完了したのち、含硫
黄還元剤等を放出するように、遅延放出被覆を有してい
る。すなわち、第1の製剤および第2の製剤をともに含
有する水溶液中に汚れたレンズを保持するだけで、まず
第1の製剤によりコンタクトレンズの殺菌と洗浄が行わ
れ、殺菌がほぼ完了した時点で第2の製剤の遅延放出被
覆が溶解して破壊されるようにしておけば、余分に残存
するヨウ素分子が第2の製剤中に含まれていた含硫黄還
元剤で還元(中和)されることになる。第2の製剤に含
まれる発泡剤はこの還元反応が有利に且つ円滑に進行す
るように援助している。
【0016】本発明で好ましく用いられる遅延放出被覆
剤は、化学修飾されたセルロース類またはゼラチンであ
る。その中でハイドロキシプロピルセルロース(HP
C)、ハイドロキシプロピルメチルセルロース(HPM
C)、ハイドロキシエチルセルロース(HEC)がより
好ましい。遅延放出被覆は1〜10分で発泡が開始する
ように設計するのが好ましい。すなわち、第1の製剤に
よるコンタクトレンズ消毒、洗浄、すなわちヨウ素系殺
菌剤による消毒および蛋白質分解酵素による洗浄に関し
て、十分な殺菌と蛋白質分解酵素の失活を抑えて十分な
洗浄が行われるために、消毒時間は1〜10分程度が適
当なので、その後に第2の製剤の有効成分が作用するよ
うにするのが望ましい。そのために、第1の製剤は粉末
または顆粒であるのが好ましく、また第2の製剤は錠剤
またはカプセルであるのが好ましい。
【0017】本発明によれば、それ故、第2に、本発明
の一液型組合せ製剤を含有し、そして第1の製剤が溶解
した黄色ないし褐色の溶液中に汚れたコンタクトレンズ
を保持し、その後第2の製剤が溶解して水溶液がほぼ無
色となったのちに該水溶液からコンタクトレンズを分離
することを特徴とするコンタクトレンズの消毒、中和お
よび洗浄方法が同様に提供される。一液型組合せ製剤を
含有せしめる水溶液は、塩化ナトリウムおよび塩化カリ
ウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の等張化
剤、リン酸塩ホウ酸およびホウ酸塩よりなる群から選
ばれる少なくとも1種の緩衝剤並びにエチレンジアミン
四酢酸二ナトリウムおよびエチレンジアミン四酢酸二カ
リウムよりなる群から選ばれるキレート剤を精製水に溶
解させた水溶液とするのが望ましい。この水溶液は、ま
たソフトコンタクトレンズの消毒および洗浄後、レンズ
の濯ぎ液としても用いることができるので、ヒトの涙液
と等張、等pHであることが望ましい。
【0018】本発明の消毒、中和および洗浄方法は公知
の含水性ソフトコンタクトレンズ全てに適用できる。具
体的には、キャップ付きバイアルにレンズを固定し、こ
の中に水溶液を満たした後、前記顆粒または粉末状の消
毒・洗浄剤ならびに錠剤またはカプセル剤である中和・
洗浄剤を同時に投入し、キャップを締めてからかるく数
回振り静置する。はじめに、第1の消毒・洗浄剤が溶解
し、レンズに付着している微生物の殺菌と蛋白質の洗浄
が開始される。次に、1〜10分後に第2の中和剤の発
泡が始まり、黄色または黄褐色に着色された溶液および
ソフトコンタクトレンズが徐々に退色し、肉眼で観察で
きる。その間、洗浄は継続されており、洗浄時間は洗浄
開始から10〜240分で終了する。消毒、中和および
洗浄の完了したレンズは、前記の濯ぎ液を用いて濯いだ
後、眼に装用する。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】実施例1 第1の製剤(粉末) 成分 mg/製剤 ポビドンヨード(ヨウ素系殺菌剤) 3 スブチリシンA(蛋白質分解酵素) 6 乳糖(賦形剤) 91 第2の製剤(錠剤) 成分 mg/製剤 亜硫酸水素ナトリウム(還元剤) 3 ポロサマー(非イオン性界面活性剤) 5 炭酸ナトリウム(発泡剤、pH調整剤) 30 クエン酸(pH調整剤) 10 乳糖(賦形剤) 12 HEC(コーティング剤) 5 錠剤成型後、HECでコーティングした。 溶解水溶液(液体) 成分 mg/ml 塩化ナトリウム(等張化剤) 8 EDTA・2Na(キレート剤) 1 ホウ酸(緩衝剤) 5 ホウ砂(緩衝剤) 1 精製水(溶解剤) 適量 上記第1の製剤(粉末)と第2の製剤(錠剤)をアルミ
ニウム三方シール包装体中に包装して一液型組合せ製剤
とした。また、溶解水溶液(液体)をポリエチレン(P
E)ボトルに充填した。
【0021】実施例2 第1の製剤(顆粒) 成分 mg/製剤 ポビドンヨード(ヨウ素系殺菌剤) 3 トリプシン(蛋白質分解酵素) 3 ステアリン酸ポリオキシル40(非イオン性界面活性剤) 5 乳糖(賦形剤) 87 第2の製剤(錠剤) 成分 mg/製剤 亜硫酸ナトリウム(還元剤) 3 炭酸ナトリウム(発泡剤、pH調整剤) 30 クエン酸(pH調整剤) 10 乳糖(賦形剤) 12 HPMC(コーティング剤) 5 錠剤成型後、HPMCでコーティングした。 溶解水溶液(液体) 成分 mg/ml 塩化ナトリウム(等張化剤) 7 EDTA・2Na(キレート剤) 1 リン酸1カリウム(緩衝剤) 1 リン酸2ナトリウム(緩衝剤) 1.5 精製水(溶解剤) 適量 上記第1の製剤(顆粒)と第2の製剤(錠剤)をアルミ
ニウム三方シール包装体中に包装して一液型組合せ製剤
とした。また、溶解水溶液(液体)をPEボトルに充填
した。
【0022】実施例3 第1の製剤(粉末) 成分 mg/製剤 ポビドンヨード(ヨウ素系殺菌剤) 3 トリプシン(蛋白質分解酵素) 1 キモトリプシン(蛋白質分解酵素) 1 ポロサマー(非イオン性界面活性剤) 5 乳糖(賦形剤) 90 第2の製剤(カプセル) 成分 mg/製剤 チオ硫酸ナトリウム(還元剤) 2 炭酸水素ナトリウム(発泡剤、pH調整剤) 30 クエン酸(pH調整剤) 5 乳糖(賦形剤) 13 ゼラチン(カプセル化剤) 5 顆粒成型後、ゼラチンカプセル中に充填した。 溶解水溶液(液体) 成分 mg/ml 塩化ナトリウム(等張化剤) 6 EDTA・2Na(キレート剤) 1 ホウ酸(緩衝剤) 6 ホウ砂(緩衝剤) 1.5 精製水(溶解剤) 適量 上記第1の製剤(粉末)と第2の製剤(カプセル)をア
ルミニウム三方シール包装体中に包装して一液型組合せ
製剤とした。また、溶解水溶液(液体)をPEボトルに
充填した。
【0023】比較例1 第1の製剤(粉末) 成分 mg/製剤 ポビドンヨード(ヨウ素系殺菌剤) 3 パパイン(蛋白質分解酵素) 7 乳糖(賦形剤) 90 第2の製剤(錠剤) 成分 mg/製剤 亜硫酸ナトリウム(還元剤) 3 ポロサマー(非イオン性界面活性剤) 5 炭酸ナトリウム(発泡剤、pH調整剤) 30 クエン酸(pH調整剤) 10 乳糖(賦形剤) 12 溶解水溶液(液体) 成分 mg/ml 塩化ナトリウム(等張化剤) 8 EDTA・2Na(キレート剤) 1 ホウ酸(緩衝剤) 5 ホウ砂(緩衝剤) 1 精製水(溶解剤) 適量 上記第1の製剤(粉末)と第2の製剤(錠剤)をアルミ
ニウム三方シール包装体中に包装して一液型組合せ製剤
とした。また、溶解水溶液(液体)をPEボトルに充填
した。
【0024】実施例4 実施例1〜3および比較例1に記載した製剤の消毒効果
について調べた。溶解水溶液に菌数106cfu/ml
に調製した溶液各10mlに、実施例1〜3および比較
例1の第1の製剤および第2の製剤を個々に同時に添加
し、各々第2の製剤の溶解が終了してからこれらの液を
1mlずつシャーレに採取し、生菌数を確認した。結果
を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、実施例1〜3の
製剤の消毒効果が完全に認められた。また、比較例1で
は第2の製剤が遅延放出被覆を有していないため、だた
ちに消毒剤が中和されるので、消毒効果は全く得られな
かった。
【0027】実施例5 実施例1〜3に記載した製剤の洗浄効果について調べ
た。HEMAレンズを0.1%リゾチーム溶液に入れ、
30分間80℃に加熱し、レンズに熱変性リゾチームを
付着させた。このレンズを生理食塩水で擦り洗いし、人
工汚れレンズを得た。個々のバイアルに人工汚れレンズ
を入れ、実施例1〜3で記載した製剤を個々のバイアル
に入れ、4時間後にレンズを取り出し、汚れ付着前後
よび処理後のレンズの500nmにおける透過率を測定
し、以下の式によりリゾチームの除去率を計算し洗浄効
果を確認した。
【0028】 リゾチーム除去率(%)=(T2−T1/T0−T1)×100 T0:汚れ付着前のレンズ透過率 T1:汚れ付着後のレンズ透過率 T2:処理後のレンズ透過率 結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなように、実施例1〜3の
製剤の洗浄効果が認められた。また、比較例1では蛋白
質分解酵素が不活化してしまい、洗浄効果は殆ど認めら
れなかった。
【0031】本発明の好ましい態様を記載すれば以下の
とおりである。 1. (A)ヨウ素系殺菌剤および蛋白質分解酵素を含有
する第1の製剤 並びに(B)含硫黄還元剤および発泡
剤を含み且つ遅延放出被覆を有する第2の製剤の組合せ
からなり、そして第1の製剤および第2の製剤の少くと
も一方に非イオン性界面活性剤が含有されてなることを
特徴とするコンタクトレンズの消毒、中和および洗浄の
ための一液型組合せ製剤。 2. 第1の製剤のヨウ素系殺菌剤が、ポビドンヨードま
たはポリビニルアルコールヨードである上記1に記載の
一液型組合せ製剤。 3. 第1の製剤の蛋白質分解酵素が、バチルス属微生物
由来の酵素または動物膵臓由来の酵素からなる上記1に
記載の一液型組合せ製剤。 4. 第2の製剤の非イオン性界面活性剤が、ポロキサマ
ー、ポロキサミン、ポリソルベート80、ステアリン酸
ポリオキシル40およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油60の中から選ばれる上記1に記載の一液型組合せ製
剤。 5. 第1の製剤のヨウ素系殺菌剤が、ポビドンヨードま
たはポリビニルアルコールヨードであり、並びに蛋白質
分解酵素が、バチルス属微生物由来の酵素または動物膵
臓由来の酵素からなり、第1または第2の製剤の非イオ
ン性界面活性剤が、ポロキサマー、ポロキサミン、ポリ
ソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40および
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60の中から選ばれる
上記1に記載の一液型組合せ製剤。 6. 第2の製剤の含硫黄還元剤が、亜硫酸水素ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウムおよびチオ硫酸ナトリウムの中か
ら選ばれる上記1記載の一液型組合せ製剤。 7.第2の製剤の発泡剤が、炭酸水素ナトリウムおよび
炭酸ナトリウムよりなる群から選ばれる上記1に記載の
一液型組合せ製剤。 8. 第2の製剤の遅延放出被覆が、ハイドロキシエチル
セルロース、ハイドロキシプロピルセルロース、ハイド
ロキシプロピルメチルセルロースおよびゼラチンから選
ばれる上記1に記載の一液型組合せ製剤。 9. 第2の製剤の含硫黄還元剤が、亜硫酸水素ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウムであ
り、並びに発泡剤が、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナ
トリウムであり、さらに遅延放出被覆が、ハイドロキシ
エチルセルロース、ハイドロキシプロピルセルロース、
ハイドロキシプロピルメチルセルロースおよびゼラチン
から選ばれる上記1に記載の一液型組合せ製剤。 10. 第1の製剤が粉末または顆粒でありそして第2の
製剤がカプセルである上記1に記載の一液型組合せ製
剤。 11. 上記1の一液型組合せ製剤を含有しそして第1の
製剤が溶解した黄色ないし褐色の水溶液中に汚れたコン
タクトレンズを保持し、水溶液がほぼ無色となったのち
に、該水溶液からコンタクトレンズを分離することを特
徴とするコンタクトレンズの消毒、中和および洗浄方
法。 12. 上記1の一液型組合せ製剤を含有し且つその中の
第1の製剤を塩化ナトリウムおよび塩化カリウムよりな
る群から選ばれる少なくとも1種の等張化剤、リン酸塩
およびほう酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の緩衝剤並びにエチレンジアミン四酢酸2ナトリウム塩
およびエチレンジアミン四酢酸2カリウム塩よりなる群
から選ばれるキレート剤を精製水に溶解させた水溶液
に、溶解させて黄色ないし褐色の水溶液を調製する上記
11に記載の洗浄方法。 13. 上記1の一液型組合せ製剤を含有し、そして粉末
または顆粒である第1の製剤が溶解した黄色ないし褐色
の水溶液中に汚れたコンタクトレンズを保持し、カプセ
ルである第2の製剤の溶解と中和によりほぼ無色となっ
たのちに、該水溶液からコンタクトレンズを分離するこ
とを特徴とする上記11に記載の洗浄方法。
【0032】
【発明の効果】本発明は、ヨウ素系殺菌剤および蛋白質
分解酵素を含有する製剤と、遅延放出被覆を施した中和
剤および界面活性剤を含む製剤とを、ソフトコンタクト
レンズおよび水溶液の入ったバイアルに同時に投入する
ことにより、レンズに付着した細菌類の殺菌を短時間で
確実に実施できた後、水溶液およびレンズのヨウ素着色
が中和剤により無色となることにより中和完結が肉眼で
確認でき、レンズの蛋白質および脂質汚れの洗浄も自動
的に実施できるので、消毒、中和および洗浄の一連のレ
ンズケアを簡便に効率より安全に行なうことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 3:48) C11D 3:48) (72)発明者 田内 博 大阪府堺市浜寺諏訪ノ森町西3−219− 16 (56)参考文献 特開 平4−229822(JP,A) 特開 平3−284604(JP,A) 特開 平2−289255(JP,A) 特開 昭59−206816(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 10/02 C11D 3/34 C11D 3/386 C11D 3/48 G02C 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ヨウ素系殺菌剤および蛋白質分解
    酵素を含有する第1の製剤、並びに(B)含硫黄還元剤
    および発泡剤を含み且つ遅延放出被覆を有する第2の製
    剤の組合せからなり、そして第1の製剤および第2の製
    剤の少なくともいずれか一方に非イオン性界面活性剤が
    含有されてなることを特徴とするコンタクトレンズの消
    毒、中和および洗浄のための一液型組合せ製剤。
  2. 【請求項2】 第1の製剤が粉末または顆粒であり、そ
    して第2の製剤が錠剤またはカプセルである請求項1に
    記載の一液型組合せ製剤。
  3. 【請求項3】 第1の製剤並びに第2の製剤にこれらを
    溶解する溶解水溶液をさらに含む請求項1または2に記
    載の一液型組合せ製剤。
  4. 【請求項4】 前記溶解水溶液が等張化剤、緩衝剤およ
    びキレート剤を含有する請求項3に記載の一液型組合せ
    製剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の一液型
    組合せ製剤を用いて、第1の製剤が溶解した黄色ないし
    褐色の水溶液中に汚れたコンタクトレンズを保持し、そ
    の後第2の製剤が溶解して水溶液がほぼ無色となった後
    に、該水溶液からコンタクトレンズを分離することを特
    徴とするコンタクトレンズの消毒、中和および洗浄方
    法。
  6. 【請求項6】 第1の製剤および第2の製剤を溶解水溶
    液に溶解するに際しそれらを同時に投入したとき、まず
    第1の製剤が溶解し、それによってコンタクトレンズの
    洗浄および消毒を行い、次いで第2の製剤の還元剤およ
    び発泡剤の溶解が実質的に開始し、それによってヨウ素
    系殺菌剤の中和を行う請求項5に記載の方法。
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