JP3245734B2 - ディスクの貼り合わせ方法及び装置 - Google Patents

ディスクの貼り合わせ方法及び装置

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JP3245734B2
JP3245734B2 JP00371597A JP371597A JP3245734B2 JP 3245734 B2 JP3245734 B2 JP 3245734B2 JP 00371597 A JP00371597 A JP 00371597A JP 371597 A JP371597 A JP 371597A JP 3245734 B2 JP3245734 B2 JP 3245734B2
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Ushio Denki KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、少なくとも一方
に情報記録層を有する2枚のディスク基板を貼り合わせ
る方法に関し、更に詳しくは、特に貼り合わせ方式をと
るデジタル・ビデオ・ディスク又はデジタル・バーサタ
イル・ディスク(以下、DVDと略記する)の好適な製
造方法に関するものである。DVDの中にあっても、取
り分けDVD−5と呼ばれる、2枚のうち一方のみに情
報記録層を有する2枚のディスク基板を貼り合わせ方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線硬化型樹脂を接着剤として用い、
2つの板状物体を貼り合わせる場合の従来の方法は、先
ず紫外線硬化性組成物を、既存技術であるスピンコート
法、スクリーン印刷法等によって前記組成物を接着面に
一様に塗布して、接着面同士が向かい合うようにして重
ね合わせ、しかる後に連続的な発光をする紫外線光を照
射し硬化させるというものであったが、かかる方法で
は、ランプの発光が連続的であるために熱を生じやす
く、この熱は前記ディスクの反りや機械的特性に悪影響
を及ぼす問題があった。
【0003】或いは又、前記連続的に発光する方式のラ
ンプでは、点灯させてから発光強度が安定するまでに、
通常、数分以上かかるため点灯や消灯を容易に行えない
問題があり、従って連続的に生産する場合には、ランプ
は点灯させたままの状態にしなければならない。例えば
仮に1回の接着(1サイクル)に必要な時間(生産のサ
イクルタイム)が5秒として、その内紫外線照射に要す
る時間が2秒とすれば残りの3秒間はエネルギーを無駄
に消費することとなり、効率が悪いという問題もあっ
た。
【0004】かかる状況に艦み、消費電力が小さく設備
的にも小型軽量で済み、かつ、高生産性にディスクを貼
り合わせる方法として、前記紫外線照射を閃光的に繰り
返し行う方法が提案された。かかる方法によれば、低消
費電力、小型軽量のみならず、ランプ冷却のための大掛
かりな付帯設備も不要という長所も生まれる。
【0005】一方、2枚のディスク基板を貼り合わせる
ことによって製造する前記DVDのうち、DVD−5と
呼ばれるディスクでは、一方のディスク基板のみが情報
記録層を有し、もう一方のディスク基板は情報記録層を
持たない。その構造は図1に示すようなものである。図
1の数字1は、情報記録層を有する厚さ0.6mmのデ
ィスク基板、数字2は紫外線透過性かつ可視光反射性薄
膜から成る情報記録層、数字3は紫外線透過性の情報記
録層を持たないディスク基板、数字4は接着層(紫外線
硬化性組成物から成る接着剤)を示す。
【0006】以下の説明では、情報記録層を持たない側
のディスク基板を「ダミーディスク基板」、及び情報記
録層を持つ側のディスク基板を「情報ディスク基板」と
呼ぶ事にする。
【0007】前記DVD−5のディスクでは、ダミーデ
ィスク基板表面に何らかの印刷を施し、ディスクに記録
されているプログラムの内容や、記録の内容をイメージ
する印刷を施したり、製造元等を表示するのが通常であ
るが、印刷が基板の表面に施される場合では、印刷面が
汚れや傷等によって劣化しやすい問題があった。
【0008】或いは、商品イメージを重視する当製品に
おいては、製品により一層の高級感を与えるために、ダ
ミーディスク基板の裏側に予め印刷を施しておいてか
ら、情報基板と貼り合わせる製造法が採られることがあ
る。このようにすれば、印刷面が直接表面に出ないの
で、汚れたり傷つくことがなく、印刷物は透明なダミー
ディスク基板を通して鑑賞されるため、見る者には珍し
さも相俟って、一層の高級感を与えるようになる。以下
の説明では、このようなディスク基板を「プリプリント
基板」と称することにする。
【0009】更に又、ダミーディスク基板の裏側に図柄
や文字を描写する他の方法として、通常の印刷インキに
よって作成するのではなく、情報記録層に設けるのと同
様の、情報記録の用でないピット群(情報記録の用を成
す通常のピット群と区別するために、以下の説明では
「ダミーピット群」と称する)を用い、ダミーピット群
の大小や濃淡によって描写する方法もある。かかるダミ
ーディスク基板では、基板成型の際に、基板表面にピッ
ト群の大小や濃淡を利用して図柄や文字を作成し、その
上に、通常の情報ディスク基板の場合同様、紫外線透過
性かつ可視光反射性の薄膜、例えばアルミニウムによる
スパッタ層を設けることによって、前記図柄や文字を鮮
明に浮かび上がらせる手法が採られる。以下の説明で
は、このようなディスク基板を「ピットイメージ基板」
と称することにする。
【0010】図2は、ダミーディスク基板として、プリ
プリント基板又はピットイメージ基板を採用したとき
の、DVD−5の構造を示す図である。図2の数字5
は、ダミーディスク基板の裏面(接着面)に施した印刷
の層又はダミーピット群によって図柄等が描写された層
を表す。
【0011】上述のプリプリント基板やピットイメージ
基板を、情報ディスク基板と貼り合わせる場合に、紫外
線硬化性組成物を接着剤として用いディスク両側から紫
外線を閃光的に繰り返し照射し硬化接着させると、前記
ダミーディスク基板に設けられた印刷やピットイメージ
の図柄や文字が、情報記録層の側に表出し、意図した高
級感を損ねてしまうばかりでなく、甚だしい場合には情
報信頼性をも損ねてしまうという問題があった。以下の
説明においては、このように図柄や文字が情報記録層の
側に表出する現象を「裏移り」と称することにする。裏
移りは、例えば、10円玉をアルミホイルで包み、その
上から指で押し付けてやると、10円玉の凹凸がアルミ
ホイルによって型取りされ、浮き出して見える感じによ
く似ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況に
鑑み、紫外線硬化性組成物を接着剤として用いディスク
両側から紫外線を閃光的に繰り返し照射することによっ
て硬化接着させる方法において、プリプリント基板或い
はピットイメージ基板をダミーディスク基板として用
い、DVD−5のディスクを製造する場合において、裏
移りを抑制し、情報信頼性の高いディスクの貼り合わせ
方法及び装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討したところ、2枚のうち一方が
紫外線透過性基板上に紫外線透過性かつ可視光反射性の
情報記録層を有する情報ディスク基板であり、もう一方
が紫外線透過性基板上に紫外線透過性の印刷層を有する
ダミーディスク基板であるか、又は紫外線透過性基板上
に紫外線透過性かつ可視光反射性の薄膜を有しており、
前記薄膜に情報記録の用でないダミーピット群を設け前
記ダミーピット群の濃淡や大小により図柄を描写した紫
外線透過性かつ可視光反射性の薄膜を有するダミーディ
スク基板であって、前記2枚のディスク基板を紫外線硬
化性組成物を接着剤として用い、前記情報ディスク基板
の情報記録面と前記ダミーディスク基板の印刷面又は図
柄を描写した面とが向かい合うようにして貼り合わせ、
貼り合わせて成る1枚のディスクの両外側から紫外線を
閃光的に繰り返し照射し前記接着剤を硬化させることに
よって、前記情報ディスク基板と前記ダミーディスク基
板とを貼り合わせる方法であって、前記閃光照射を開始
した時刻から前記閃光照射を終了した時刻までの間の何
れの時刻においても、ディスク基板表面における閃光照
射エネルギーを積算した値が、前記情報ディスク基板の
側の外側からの方が前記ダミーディスク基板の側の外側
からの方よりも、常に大きくなるように閃光照射するこ
とによって前記裏移りが抑制され、かつ、接着硬化を完
了させることができることを見いだし、本発明に至っ
た。
【0014】即ち本発明は、次の発明を提供する。 1. 2枚のうち一方が紫外線透過性基板上に紫外線透
過性かつ可視光反射性の情報記録層を有する情報ディス
ク基板であり、もう一方が紫外線透過性基板上に紫外線
透過性の印刷層を有するダミーディスク基板であるか、
又は紫外線透過性基板上に紫外線透過性かつ可視光反射
性の薄膜を有しており、前記薄膜に情報記録の用でない
ダミーピット群を設け、前記ダミーピット群の濃淡や大
小により図柄を描写した紫外線透過性かつ可視光反射性
の薄膜を有するダミーディスク基板であって、前記2枚
のディスク基板を紫外線硬化性組成物を接着剤として用
い、前記情報ディスク基板の情報記録面と前記ダミーデ
ィスク基板の印刷面又は図柄を描写した面とが向かい合
うようにして貼り合わせ、貼り合わせて成る1枚のディ
スクの両外側から紫外線を閃光的に繰り返し照射し前記
接着剤を硬化させることによって、前記情報ディスク基
板と前記ダミーディスク基板とを貼り合わせる方法であ
って、前記閃光照射を開始した時刻から前記閃光照射を
終了した時刻までの間の何れの時刻においても、ディス
ク基板表面における閃光照射エネルギーを積算した値
が、前記情報ディスク基板の側の外側からの方が前記ダ
ミーディスク基板の側の外側からの方よりも、常に大き
くなるように閃光照射することを特徴とする前記ディス
クの貼り合わせ方法(以下第1発明という)。
【0015】2. 2枚のうち一方が紫外線透過性基板
上に紫外線透過性かつ可視光反射性の情報記録層を有す
る情報ディスク基板であり、もう一方が紫外線透過性基
板上に紫外線透過性の印刷層を有するダミーディスク基
板であるか、又は紫外線透過性基板上に紫外線透過性か
つ可視光反射性の薄膜を有しており、前記薄膜に情報記
録の用でないダミーピット群を設け、前記ダミーピット
群の濃淡や大小により図柄を描写した紫外線透過性かつ
可視光反射性の薄膜を有するダミーディスク基板であっ
て、前記2枚のディスク基板を紫外線硬化性組成物を接
着剤として用い、前記情報ディスク基板の情報記録面と
前記ダミーディスク基板の印刷面又は図柄を描写した面
とが向かい合うようにして貼り合わせ、貼り合わせて成
る1枚のディスクの両外側から紫外線を閃光的に一定の
繰り返し速度で照射し前記接着剤を硬化させることによ
って、前記情報ディスク基板と前記ダミーディスク基板
とを貼り合わせる装置であって、前記ディスクの両外側
にそれぞれ1つ以上設けた閃光式紫外線照射手段と、時
間差を設けて開閉が行われる2つのスイッチング手段を
有し、前記情報ディスク基板の側の外側からの閃光照射
を、前記ダミーディスク基板の側の外側からの閃光照射
より先行して行うように前記2つのスイッチング手段を
構成したことを、特徴とする前記ディスクの貼り合わせ
装置(以下第2発明という)。
【0016】本発明で、貼り合わせに用いる2枚のディ
スク基板は、一方が紫外線透過性基板上に紫外線透過性
かつ可視光反射性の情報記録層を有する情報ディスク基
板である。
【0017】もう一方は、次のうちのいずれかである。 1.紫外線透過性基板上に紫外線透過性の印刷層を有す
るダミーディスク基板。 2.紫外線透過性基板上に紫外線透過性かつ可視光反射
性の薄膜を有しており、前記薄膜に情報記録の用でない
ダミーピット群を設け、前記ダミーピット群の濃淡や大
小により図柄を描写した紫外線透過性かつ可視光反射性
の薄膜を有するダミーディスク基板。
【0018】尚、本発明においては、この、情報記録の
用でないダミーピット群の濃淡や大小により形成した図
柄を、ピットイメージという。
【0019】前者情報ディスク基板及び後者ダミーディ
スク基板の貼り合わせるべく選択された2枚のディスク
基板の厚さは、制限されるものではないが、DVDでは
通常、2枚の何れも0.6mmである。本発明において
は、後記接着剤を硬化させる必要があるので、この接着
剤と紫外線透過性基板との間に設けられる層は、如何な
るものであっても紫外線透過性でなければならない。例
えば、前記情報ディスク基板に設けられた薄膜、前記ダ
ミーディスク基板上に設けられた印刷層、或いはピット
イメージを施した薄膜が十分に厚い時の様に、実質的に
紫外線を透過しないと見なされる場合には、本発明は適
用できない。
【0020】紫外線透過性基板としては、公知慣用の素
材がいずれも使用できるが、例えばアクリル、ポリカー
ボネート、アモルファスポリオレフィンなどの耐熱性熱
可塑性合成樹脂が挙げられる。情報記録層は、前記基板
の片面に記録情報に対応する凹凸を設け、そこに紫外線
透過性かつ可視光反射性薄膜を積層したものである。
【0021】この紫外線透過性かつ可視光反射性薄膜と
しては、記録情報の読み取りに採用される可視光線を高
率で反射して的確に前記凹凸を確認できるものが好まし
い。可視光線を高率で反射する薄膜は、一般的に紫外線
をも高率で反射する。紫外線を全く透過しない前記薄膜
は、本発明には適用できない。紫外線透過性かつ可視光
反射性薄膜としては、紫外線を透過し可視光を反射する
金属、例えばアルミニウム、ニッケル、金或いは合金等
が挙げられる。この薄膜として用いられる金属として
は、通常、可視光反射率が80〜100%で、かつ紫外
線全波長領域に亘ってのそれの透過性が0を越えて10
%未満、好ましくは0を越えて3%未満のものが用いら
れる。前記薄膜の厚さは、通常、200〜600オング
ストロームである。
【0022】本発明で用いるディスク基板は、所定の大
きさ・形状・厚みとなる、例えば音・映像等の再生情報
に対応する溝が彫刻されたスタンパに、前記基板となる
素材を注型してから、そこに紫外線透過性かつ可視光反
射性の薄膜を積層することにより得ることができる。こ
の積層は、一般的には、溝が設けられた前記基板の溝面
に前記金属を所定厚みとなるように蒸着、又はスパッタ
リングすることによって行うことが出来る。この様にし
て前記溝と薄膜とが一体化した情報記録層が形成され
る。
【0023】ディスク貼り合わせのための接着剤として
は、公知慣用の紫外線硬化性組成物を用いることができ
る。この紫外線硬化性組成物は、当業界では、紫外線硬
化性樹脂とも呼ばれる場合がある。この紫外線硬化性組
成物としては、紫外線硬化性をより良好なものとするた
めに、光重合開始剤を含む紫外線硬化性組成物が望まし
い。光開始剤としては、その吸収波長と後述する照射紫
外線の波長とが少なくとも重複する様にして、高効率に
確実に、硬化接着させることが好ましい。
【0024】紫外線硬化性組成物を調整するに際して
は、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アク
リレートとを、重合性モノマー成分として用いることが
出来る。これらは各々、単独又は2種以上併用して使用
することができる。硬化収縮や接着性を考慮すると、単
官能(メタ)アクリレートを主体として、多官能(メ
タ)アクリレートを併用する様にするのが好ましい。
【0025】単官能(メタ)アクリレートとしては、例
えば直鎖でも分岐していてもよい炭素数1〜20のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
芳香族ビニルモノマー、芳香族環含有(メタ)アクリレ
ート、脂肪族環含有(メタ)アクリレート、複素環含有
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0026】多官能(メタ)アクリレートとしては、例
えばポリエーテルポリ(メタ)アクリレート、ポリエス
テルポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メ
タ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート
等のオリゴマー、アルカンポリオールポリ(メタ)アク
リレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
【0027】これらには、例えば(メタ)アクリル酸、
スルホン酸基含有モノマー、燐酸基含有モノマー、水酸
基含有モノマー、第3級アミノ基含有モノマー等を併用
することも出来る。
【0028】紫外線硬化性組成物の硬化性成分は、上記
したものを用いる様にして、例えば塗布方式、接着層厚
さ、接着力、腐食性、耐久性等を考慮して、重量割合を
適宜調整して調製することができる。
【0029】光重合開始剤は、光によりラジカルを発生
し、そのラジカルが組成物を構成する前記(メタ)アク
リレートと効率的に反応するものであればよい。分子が
開裂してラジカルを発生するタイプや芳香族ケトンと水
素供与体の組み合わせのように複合して用いられるもの
がある。
【0030】前者に属する例としては、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ル−プロパン−1−オン、2、4、6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオ
フェニル)−2−モルホリノープロパン−1−オン等を
挙げることができる。
【0031】後者の例の芳香族ケトンとしては、ベンゾ
フェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタロフ
ェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルス
ルフィド、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン及び2−クロロチオキサントン
等が挙げられ、これと組み合わせる水素供与体として
は、例えば、メルカプト化合物及びアミン化合物等が挙
げられるが、一般にアミン系化合物が好ましい。
【0032】アミン系化合物としては、例えば、トリエ
チルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチル
アミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イ
ソアルミ、N、N−ジメチルベンジルアミン及び4、
4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げ
られる。
【0033】紫外線硬化性組成物としては常温〜40℃
のおいて、液状であるものを用いるのが望ましい。溶媒
は用いないのが好ましく、用いたとしても極力少量に止
めるのが望ましい。又、前記組成物の塗布をスピンコー
ターで行う場合には、一様な厚さの塗膜が得られやすい
ように、粘度を300〜600cps程度に調整してお
くことが望ましい。
【0034】2枚のディスク基板を貼り合わせて作るデ
ィスクは、個々の基板の変形や歪みの影響を受けやす
く、接着剤層及び貼り合わせ後の完成品ディスク全体と
して、一様な厚さのものが得られにくいという問題があ
る。この問題解消のためには、例えば表面粗さ及び面精
度に優れた脱気吸着要素を有するディスク基板保持部材
を用いて、それぞれのディスク基板を保持することで、
プラスチック製ディスク基板固有の変形や歪みを、その
保持部材で強制的に吸収し、かつ当該ディスク基板が従
来より有していた面精度よりも、高水準の面精度となる
ように当該ディスク基板を矯正した状態にしておき、接
着剤である紫外線硬化性組成物を両ディスク基板同士の
間の接着層空間に満たしてやれば、紫外線照射前であっ
てもその仮粘接着力により、矯正された状態を少しの時
間は持続させることができる。そこでディスク基板保持
を解放してから、なるべく時間をおかずに早期に紫外線
照射を行えば、貼り合わせ後の完成品ディスクの厚さを
一定にすることができる。
【0035】前記ディスク基板保持部材として、紫外線
透過性であり、かつ、表面粗さ及び面精度に優れた脱気
吸着要素を有するディスク基板保持部材を用いれば、保
持部材を解放せずとも、ディスク基板を保持したときの
強制された精密な面精度状態を保ったままで、前記接着
剤を紫外線硬化させることができるようになり、貼り合
わせ後の完成品ディスクの厚さが一定なものが、より得
られやすくなる。
【0036】前記紫外線硬化性組成物を精密に定量塗布
するためには、例えば組成物(樹脂)タンク内の水頭差
による吐出量のバラツキを補正する機能、或いは液ダレ
や気泡混入を防ぐバキューム自動補正機能の付いた液体
精密定量吐出装置を用いることができる。このような液
体精密定量吐出装置としては、例えば武蔵エンジニアリ
ング株式会社製、或いは、米国EFD社製などのものが
ある。
【0037】本発明では、紫外線硬化性組成物からなる
接着剤は、一方の基板の情報記録面と、もう一方の基板
の印刷面又はピットイメージが形成された面とが向かい
合う様にして貼り合わせられるが、一方の基板の情報記
録面と、もう一方の基板の印刷面又はピットイメージが
形成された面との、どちらか一方又は両方に塗布するこ
とが出来る。
【0038】紫外線硬化性組成物はディスク基板の接着
が必要な面(以下、要接着面と称す)の全面に塗布する
ようにしても良いし、要接着面の一部分に塗布してから
それを全面に展開しても良い。ディスク基板の要接着面
に、ディスク中心軸と同心円状となるように接着剤をリ
ング状の塗布し、一方のディスク基板の接着面を上にし
て平面に固定し、もう一方のディスク基板を両方のディ
スク基板の中心軸が合うように重ね合わせ押圧しなが
ら、リング状に塗布した接着剤を徐々に全面に展開拡大
させた後に、紫外線を照射するという方法もある。この
場合「接着剤体積/要接着面の表面積=接着剤層の厚
さ」の関係が成り立つ。硬化後の接着剤層の厚さは、前
記関係と接着剤の硬化収縮率から求めることができる。
【0039】前記液体精密定量吐出装置で前記紫外線硬
化性組成物を塗布する場合では、組成物(樹脂)粘度を
3000cps〜20000cps程度に調整しておく
ことが、吐出後にディスク基板を逆さにしても所定時間
の間は適度にその形状を保持できる上、重ね合わせを行
う前にリング状に塗布した前記組成物が必要以上に広が
ることがなく、かといって塗布されない部分が存在する
程広がり難くもなく、一様な厚さの接着層が容易に得ら
れる点で好ましい。接着剤のディスク要接着面上の吐出
形状は、リング状とするのが好ましい。
【0040】接着剤は1枚のディスク基板の要接着面だ
けに、ディスク中心に対して同心円となるようにリング
状に塗布することもできるし、2枚のディスク基板のそ
れぞれの要接着面に、ディスク中心に対して同心円とな
るようなリング状に塗布することもできる。
【0041】前記紫外線硬化性組成物を、ディスク基板
の要接着面全体に押し広げる際に気泡が発生することも
懸念されるが、リング状に塗布された前記組成物から成
る接着剤同士が全周にわたって接触されるまでの間、間
欠的に微少距離づつ下降させる手段を用いることによっ
て、前記気泡の発生を殆どなくすることができる。
【0042】貼り合わせるべき2枚のディスク基板を、
表面粗さが小さくかつ面精度の優れた脱気吸着要素を有
するディスク基板保持部材で、当該ディスク基板の要接
着面の反対側の面をそれぞれ保持して平坦性を矯正する
ことにより、貼り合わせ後の完成品ディスク厚さをディ
スク全体にわたって一定にできるという効果が発現す
る。
【0043】このディスク基板保持部材は、素材として
は、公知慣用のものが使用できるが、例えばステンレ
ス、アルミニウム、チタン等の金属、ポリフェニレンス
ルフィド、芳香族ポリイミド等のプラスチック、或い
は、ガラス等が使用できる。前記特定の表面粗さ及び面
精度を有さない素材を用いる場合には、その表面を鏡面
加工を施して用いることができる。前記素材を用いるに
せよ、ディスク基板保持部材を用いるにせよ、紫外線透
過性を有するものの方が、紫外線不透過性のものよりも
好適である。
【0044】ディスク基板保持部材の表面粗さ及び面精
度は、その絶対値が小さい程好ましい。前記素材として
は、例えばJISB0601における表面粗さRmax
=1μmかつ面精度=7λ(λ=5460オングストロ
ーム)程度のディスク基板保持部材を得るに際しては、
前記した表面粗さ及び面精度に容易に加工できる点で、
金属或いはガラス材を用いるのが望ましい。中でも石英
ガラスは、JISB0601における表面粗さRmax
≦0.05μmかつ面精度≦λ(λ=5460オングス
トローム)に鏡面加工することができ、金属より表面粗
さ及び面精度の点で格段に優れた保持部材とすることが
できるので、特に好ましい。
【0045】ディスク基板保持部材を用い、貼り合わせ
前の2枚のディスク基板を重ね合わせる方法は、特に制
限されないが、例えば2枚のディスク基板の要接着面を
対向させ、下側のディスク基板を移動させずに、上側の
ディスク基板を下降させて押圧するようにすることもで
きるし、逆に上側のディスク基板を移動させずに、下側
のディスク基板を上昇させて押圧するようにすることも
できる。或いは、下側のディスク基板を上昇させかつ下
側のディスク基板も下降させて押圧するようにすること
もできる。
【0046】前記ディスク基板保持部材が紫外線透過性
でない場合には、紫外線照射を行う前に、ディスクの保
持を解放して、紫外線ランプ光源とディスクの間の光路
上から退避させなければならない。一方、前記ディスク
基板保持部材が紫外線透過性である場合には、保持部材
を介して紫外線照射ができるので、ディスクの保持を解
放し、当該保持部材を紫外線ランプ光源とディスクの間
の光路上から退避させる必要がない。これにより、貼り
合わせ作業性が格段に良くなるばかりでなく、当該保持
部材を前記光路上から退避させる機構も不要という利点
が発現する。
【0047】ディスク基板に極度の反りや変形がある場
合には、前述のごとく、ディスク基板保持部材でそれを
強制的に矯正し得ても、当該部材による保持を解放し
て、それの全部又は一部を退避させるようにすると、硬
化していない密接した2枚のディスク基板は、自身では
元のとおりに復元しようとする力が働き、矯正されたま
まの状態で硬化接着することが難しいものとなる。
【0048】そこで、紫外線を透過しないディスク基板
保持部材を使用する場合には、当該部材による保持を解
放してから、長時間そのままに放置せずに、直ちに紫外
線照射を行うようにしたり、ディスク基板の要接着面に
対して粘接着力が高い高粘接着性紫外線硬化性組成物を
用いること、或いは、これら2つの手段を併用したりす
ることが有効な手段となる。一方、紫外線を透過するデ
ィスク基板保持部材を使用する場合では、当該部材によ
る保持を解放すること自体が不必要なので、重ね合わせ
てから紫外線照射までの時間を考慮する必要がなく、そ
のまま紫外線照射すれば良い。
【0049】脱気吸着要素としては、例えば、少なくと
も片面に複数個の穴又は溝を設けた平板状のディスク基
板保持部材と、脱気ポンプを挙げることができる。この
場合、前記脱気ポンプで、ディスク基板片面をその穴又
は溝を介してエアー吸引して減圧状態とし、ディスク基
板をその吸引力(吸着力)によって、保持固定するよう
にすることができる。前記した穴や溝は、連結して一つ
の脱気吸引口からエアー吸引することの方が、それらの
穴や溝を個々に脱気吸引するよりも、装置が簡便なもの
となるので好ましい。前記ディスク基板を保持し、固定
するに際しては、減圧の度合いを高くするほど、ディス
ク基板を固定する力が強くなる。そしてディスクの貼り
合わせ終了後には、エアー吸引を解除して、前記吸引穴
や溝を常圧となるようにすれば、ディスク基板を当該保
持部材から解放して、引き離すことができる。
【0050】本発明では、こうして未硬化の接着剤を介
して、情報記録面と、印刷面又はピットイメージが形成
された面とを対向接触させて1枚のディスクとしてか
ら、その両外側から紫外線を閃光的に繰り返し照射して
両者を硬化接着する。ここでは、貼り合わせる前の、情
報ディスク基板とダミーディスク基板を構成する各紫外
線透過性基板側が、いずれも外側となる。
【0051】本発明に使用する紫外線光源は、閃光式
に、かつ、繰り返し発光させる機能を有するものであ
る。使用するランプとしては、例えばキセノンフラッシ
ュランプのような、繰り返し発光に耐え得る、耐久性の
優れたものであることが望ましい。
【0052】前記ランプを閃光的に発光させるための閃
光式放電機構としては図3に示すようなものがある。図
3の数字6は電荷を蓄積するための静電容量Cのコンデ
ンサ、数字7は放電時の電流のピーク値を抑制するため
の空芯コイル、数字8は閃光放電ランプ(キセノンフラ
ッシュランプ)、数字9は閃光放電ランプにワイヤーを
数回巻き付けた補助電極、数字10は高圧パルス発生回
路、数字11はトリガー信号入力端子を示す。
【0053】数字6のコンデンサに電荷を充電する手段
としては、例えば、所定の値となるように設定された出
力電圧V(単位はボルト)の直流高圧電源と、充電電流
抑制抵抗を直列に接続した要素(図示せず)を、数字6
のコンデンサに対して接続した回路を用いることができ
る。数字6のコンデンサに蓄積した電荷を、数字8のキ
セノンフラッシュランプに放電させるには、数字9の補
助電極と数字8のランプの一方の電極との間に、数字1
0の高圧パルス発生回路から高圧パルスを印加すること
によって行わせることができる。数字10の高圧パルス
発生回路は、数字11のトリガー信号入力端子から、例
えば電圧5ボルトの制御信号を一瞬加えることで、当該
回路の出力側である数字9の補助電極に、波高値数キロ
〜数十キロボルトの高圧パルスが出力される機構を有す
るものである。
【0054】このようにしておけば、図3の数字11の
トリガー信号入力端子から制御信号を加えることで、数
字9のランプ外壁に巻き付けられた補助電極とランプ負
電極との間に高圧パルスが加わり、数字8のランプ内部
に封入されたキセノンを含む気体が、一瞬、絶縁破壊を
起こす。この絶縁破壊が引き金となり、数字6のコンデ
ンサに蓄積されていた電荷が、極めて短い時間tの間
に、前記ランプ内に一挙に放出され、この時に強力な閃
光を放つ。この際の、閃光照射エネルギーEは「E=C
2/2」として求められる。
【0055】図3に示したような放電機構を、例えば4
〜5組ずつ、2枚のディスク基板を貼り合わせて成る1
枚のディスクの両外側に設け、紫外線照射強度がディス
ク全面に対してほぼ一定となるように、所定の間隔でラ
ンプを配置させ、前記4〜5組設けた各放電機構の図3
の数字11に対応する端子から、全ての放電機構に対し
て同時に制御信号を与えれば、ディスク全面にわたって
一様な光強度となる閃光照射を行うことができる。
【0056】前記閃光照射エネルギーは、μsec〜m
secオーダの極めて短い時間の間に放出されてしまう
ため、前記ランプの両電極間の電位差は放電開始ととも
に急激に低下し、放電そのものは一瞬にして終了する。
【0057】本発明では、閃光照射を開始した時刻から
前記閃光照射を終了した時刻までの間の何れの時刻にお
いても、ディスク基板表面における閃光照射エネルギー
を積算した値が、前記情報ディスク基板の側の外側から
の方が前記ダミーディスク基板の側の外側からの方より
も、常に大きくなるように閃光照射する。
【0058】紫外線光源と情報ディスク基板との間(光
路)、及び紫外線光源とダミーディスク基板との間(光
路)に、いずれも、紫外線を減衰させる要因がない場合
において、各紫外線光源から発せられる各閃光照射エネ
ルギーEが同一エネルギー量で、両光路距離が同一のも
とでは、各ディスク基板表面に到達したエネルギー量は
いずれも同一となる。勿論、各光路における光減衰率が
同一なら、光路距離が大きくなるほど、各ディスク基板
表面に到達する被照射体側のエネルギー量は、光源から
発せられる発光側の閃光照射エネルギーEの絶対値よ
り、より小さくなる。
【0059】この様に各光路間に紫外線を減衰させる要
因がない場合においては、各紫外線光源から発せられる
エネルギーEのうち、ディスク基板表面に到達するエネ
ルギーは、前記光減衰率と光路距離により算術計算でき
る。従って、光路間の光減衰率や光路距離が大きい場合
においては、エネルギー減衰(減光)を考慮して、予め
各紫外線光源から発せられる各閃光照射エネルギーEを
より大きい値としてやればよい。
【0060】本発明において、ディスク基板表面におけ
る閃光照射エネルギーを積算した値が、前記情報ディス
ク基板の側の外側からの方が前記ダミーディスク基板の
側の外側からの方よりも、常に大きくなるように閃光照
射するに当たっては、前記各光路間に紫外線を減衰させ
る要因を設けない場合には、上記した様に各紫外線光源
から発せられる各閃光照射エネルギーEの調節のみで、
制御することが出来る。
【0061】また、前記各光路間に紫外線を減衰させる
要因を意識的に設けて、ディスク基板表面における閃光
照射エネルギーを積算した値が、前記情報ディスク基板
の側の外側からの方が前記ダミーディスク基板の側の外
側からの方よりも、常に大きくなるように閃光照射する
に当たっては、例えば次の様な手段がある。
【0062】情報ディスク基板側から照射する光のエ
ネルギーと、ダミーディスク基板側から照射する光のエ
ネルギーとを同じにし、ダミーディスク基板側の閃光式
照射手段とダミーディスク基板との間(光路)に紫外線
を減光させる光学フィルタを配置する様にして閃光照射
を行い、ディスク基板表面における閃光照射エネルギー
積算値に差をつける方法。
【0063】情報ディスク基板側から照射する光のエ
ネルギーと、ダミーディスク基板側から照射する光のエ
ネルギーとを同じにし、情報ディスク基板側の閃光照射
手段と情報ディスク基板との(光路)距離と、ダミーデ
ィスク基板側のの閃光照射手段と情報ディスク基板との
(光路)距離とに差を設ける様にして閃光照射を行い、
ディスク基板表面における閃光照射エネルギー積算値に
差をつける方法。
【0064】上記及びの方法は、おのおの単独で採
用しても、併用してもよい。また、場合によっては、上
記は、情報ディスク基板側から照射する光のエネルギ
ーと、ダミーディスク基板側から照射する光のエネルギ
ーとを異ならせる様にしても実施が可能である。
【0065】しかしながら、光路間に紫外線を減衰させ
る光学フィルタを特別に設けたり、光路間距離に差をつ
ける様な、前記各光路間に紫外線を減衰させる要因を設
けないで、各紫外線光源から発せられる光の各エネルギ
ー量のみを制御する方法のほうが、それを制御しないで
行う及びの方法よりも、上記入力電気エネルギーの
点からより好ましい。
【0066】ランプを閃光式に繰り返し発光させる場合
の機構としては、例えば、次のようなものがある。閃光
を伴う前記放電において、放電の終了とほぼ同時に、前
記直流電圧電源側から、数字6のコンデンサに対して充
電が開始されるようにする。充電に要する時間は、数字
6のコンデンサの静電容量C(単位はファラッドであ
る)と前記充電電流抑制抵抗(単位はオームである)と
の積によって求まる時定数τに関係する。前記時定数τ
と前記放電時間tの関係は一般にτ≫tである。
【0067】数字6のコンデンサへの電荷蓄積が飽和
し、再び放電可能なレベルに到達した時に、前記高圧パ
ルスを再び印加すると、2度目の閃光が発せられること
になる。閃光式の繰り返し発光は、以上のような動作の
繰り返しにより行うことができる。
【0068】閃光式に紫外線照射を行うにあたって、光
源ランプからの光に紫外線硬化性組成物の硬化に不必要
な可視光や赤外線が含まれている場合には、その前記不
必要な光を遮断して、紫外線のみが照射されるようにす
るのが好ましい。このようにすれば、前記不必要な光が
ディスク基板の面に照射されるのを防止でき、その熱に
よってディスク自体の反りや変形が起こったり、記録情
報の変質が起こったりするのを防ぐことができる。
【0069】前記光源ランプからの発光光線から、前記
不必要な光を選択的に遮断するにあたっては、通常赤外
線遮断フィルタ等を用いることができる。
【0070】本発明者らの知見によれば、1回あたりの
放電エネルギーが同じであっても、放電電流のピーク値
や時間幅を変えると、光源ランプから放出される光強度
やスペクトル分布が変わり、同一組成の紫外線硬化性組
成物の硬化性も変化することが分かった。一方、アルミ
ニウム、ニッケルなどの金属薄膜では、その材質や厚さ
によって透過する光強度やスペクトル分布が異なってく
る。
【0071】紫外線を閃光照射する装置において、各種
の異なったディスクを同様な工程条件で貼り合わせがで
きるようにするためには、ディスク基板に使用する紫外
線透過性かつ可視光反射性の薄膜の厚さや光透過特性に
応じ、放電回路の充電電圧、コンデンサ容量、及びイン
ダクタンスなどの回路定数を変えることが可能な機構を
有する前記装置とすることが好ましい。このようにすれ
ば、各種ディスクについて、1台の照射装置で、放電電
流のピーク値や時間幅を適宜調節し、効率の良い紫外線
照射による前記接着剤の硬化が実現できる。
【0072】前記閃光照射においては、発光時の光源ラ
ンプから強力な紫外線が放射されるとともに、物体に熱
を伝えやすい赤外線領域の光も又かなりの割合でディス
ク基板に向かって照射される。このような強い閃光であ
っても、光を透過しやすい、例えばポリカーボネートの
ような材質のものであれば、熱による変形や、表面がダ
メージを受けるようなことが殆どない。
【0073】ところが前記基板に光透過性が小さいアル
ミニウムのような金属製の薄膜が設けられた場合には、
閃光照射時の大部分の光エネルギーはその界面で反射さ
れて光源ランプ側に戻され、この際、閃光のピークパワ
ーが強すぎたり、ランプ〜ディスク間距離が短すぎる場
合には、前記金属製薄膜がダメージを受けて変色するこ
とがある。
【0074】従って前記閃光照射によって情報記録層の
ピット群に刻まれた情報の信頼性が損なわれることのな
いよう、放電電流波形やランプ〜ディスク間距離を適宜
調節して用いることが必要である。前記閃光のピークパ
ワーは、数字6のコンデンサの充電電圧をより低くする
か、或いは、数字7の空芯コイルのインダクタンスをよ
り大きい値のものにするか、何れかによってもその値が
小さくなる方向に調節することができる。
【0075】第1発明を実施するに当たっては、前記貼
り合わせて成る1枚のディスクの両外側からの閃光照射
が同期的であって、かつ、両外側からの閃光照射の繰り
返し速度が一定であって、情報記録ディスク基板の側の
外側からとダミーディスク基板の側の外側から行う1閃
光あたりのディスク基板表面における閃光照射エネルギ
ーをそれぞれE1、E2とするとき、E1>E2とする
のが好ましい。
【0076】第1発明の方法を実施するにあたっては、
第2発明の装置を用いるのが好ましい。第2発明の装置
は、ディスクの両外側にそれぞれ1つ以上設けた閃光式
紫外線照射手段と、閃光式照射手段の閃光を許可する時
間差を設けて開閉が行われる2つのスイッチング手段
と、前記情報ディスク基板の側の外側からの閃光照射を
前記ダミーディスク基板の側の外側からの閃光照射より
先行して行うように、前記2つのスイッチング手段を制
御する制御手段とを有する。前述したように、閃光的に
紫外線照射する手段は、例えば、前記閃光式放電機構と
紫外線光源ランプとで構成することができる。第2発明
を実施するにあたって、紫外線光源ランプは貼り合わせ
るべき、前記情報ディスク基板と前記ダミーディスク基
板の両外側毎に、それぞれ1〜6個設けることが好まし
い。
【0077】紫外線照射手段は、時間差を設けて開閉が
行われる2つのスイッチング手段によって制御される。
前記スイッチング手段は、単に時間差をつけて閃光式に
紫外線照射できるようになっていればよいというもので
はなく、必ず、前記情報ディスク基板側の外側からの閃
光照射が、前記ダミーディスク基板側の外側からの閃光
照射よりも、時間にして先に優先して行われるように、
閉動作(ON)がなされなければならない。こうするこ
とにより、一例として、例えば両外側からの繰り返しの
各回の照射エネルギー量を同じとして照射が同時に終了
する場合には、第1発明の様に、閃光照射を開始した時
刻から前記閃光照射を終了した時刻までの間の何れの時
刻においても、ディスク基板表面における閃光照射エネ
ルギーを積算した値が、前記情報ディスク基板の側の外
側からの方が前記ダミーディスク基板の側の外側からの
方よりも、常に大きくすることが可能となる。
【0078】第2発明の装置を具体化した機構を有する
2つの例を、図4の(a)及び(b)に示す。図4の数
字12はダイオード、数字13は一定の繰り返し速度で
発光指令を与えるための制御信号発生器である。記号L
1と記号SW1は、それぞれ前記情報ディスク基板の側
の外側に設けられた光源ランプと、該光源ランプの発光
を許可する開閉器(スイッチ手段)を表す。記号L2と
記号SW2は、それぞれ前記ダミーディスク基板の側の
外側に設けられた光源ランプと、該光源ランプの発光を
許可する開閉器(スイッチ手段)を表す。
【0079】図4の(a)と(b)何れの回路構成にお
いても、前記情報ディスク基板側の外側からの閃光照射
を、前記ダミーディスク基板側の外側からの閃光照射よ
りも、時間にして先に行われるようにするためには、先
ず記号SW1のスイッチが最初に閉じられ(ONさ
れ)、所定時間T1(両外側からの「発光時間差」に対
応する)の経過の後、今度はSW2のスイッチが閉じら
れ、しかる後、所定時間T2の経過の後、記号SW1と
記号SW2の両方のスイッチが同時に開かれる(OFF
される)。これらのスイッチング動作を自動的に行うに
は、2つ以上のスイッチング手段を有するシーケンサを
用いて、前記シーケンサと図4のスイッチ回路を所定の
方法で回路接続して、上述した動作手順をプログラミン
グすることによって可能となる。
【0080】ダミーディスク基板として、プリプリント
基板を用いる場合にせよ、ピットイメージ基板を用いる
場合にせよ、両外側からの前記発光時間差T1は、適宜
調節すればよく、接着剤である紫外線硬化性組成物の層
を厚みとしてとらえた時、情報記録層側の面のより近傍
が、相対的に情報記録層側の面のより遠方よりも、硬度
度合いがより高く、より高硬度となるように時間差を設
けて、閃光的に繰り返し照射するようにすればよい。こ
の時間差T1は、前記紫外線硬化性組成物の硬化性や、
前記情報ディスク基板に設けられた可視光反射性薄膜の
紫外線透過性、或いは、前記ダミーディスク基板に設け
られた印刷層又はピットイメージ層の紫外線透過性等に
より調節することが望ましい。
【0081】前記照射の方法において、情報ディスク基
板側の外側からの閃光照射をダミーディスク基板側の外
側からの閃光照射より先に、少なくとも1回以上行った
後、引き続きダミーディスク基板の側から少なくとも1
回以上閃光照射する時には、閃光照射は貼り合わせて成
る1枚のディスクの両外側から同時に行われてもよい。
【0082】この場合、前記貼り合わせて成る硬化前の
1枚のディスクの両外側からの閃光照射の繰り返し速度
が一定であり、かつ、N1とN2をともに自然数とし、
情報ディスク基板側の外側からの閃光照射回数をN1、
もう一方のダミーディスク基板側の外側からの閃光照射
回数をN2としたとき、N1とN2の大小関係をN1>
N2となる様に行うのが好ましい。
【0083】前記関係を満足させた上に、更に、各側か
らの閃光照射を、各側からの最後の閃光照射が同時にな
るように、一定の繰り返し速度でかつ同期的に行えば、
閃光照射の繰り返し速度が一定でなくかつ両外側からの
閃光照射が非同期的に行われるよりも、より短時間の内
に、より多くの紫外線の照射エネルギーを前記ディスク
に対して露光することができる点、及び、本発明の貼り
合わせ装置を製作する観点からは、装置構造をより簡素
なものとできる点において望ましい。
【0084】尚、本発明者らは前記2枚のディスク基板
の貼り合わせにおいて閃光照射を、前記閃光照射を開始
した時刻から前記閃光照射を終了した時刻までの間の何
れの時刻においても、ディスク基板表面における閃光照
射エネルギーを積算した値が、前記情報ディスク基板の
側の外側からの方が前記ダミーディスク基板の側の外側
からの方よりも、常に大きくなるように閃光照射するこ
とにより、裏移りが抑制される理由については次のよう
に考えている。
【0085】即ち、ダミーディスク基板としてプリプリ
ント、ピットイメージ何れの基板を用いるにせよ、印刷
インキやピット群の濃淡によって描写された図柄、模
様、文字等の影響によって、紫外線透過性が、ディスク
上の場所場所によってかなり異なっていると考えること
ができる。印刷された色彩の内、例えば、明るく白っぽ
い部分では、一般に紫外線透過性が良くなる傾向があ
り、逆に、黒っぽい部分では紫外線透過性が悪くなる傾
向がある。ピットイメージ基板においては、ピットを形
作っている傾斜部分が紫外線を乱反射させ、その部分で
の紫外線透過性が局所的にかなり落ち込むことが予想さ
れる。
【0086】このようにプリプリント基板及びピットイ
メージ基板、何れの基板の場合においても、同一基板の
中にあっても、場所場所によって局所的に紫外線透過率
が異なるために、紫外線硬化性組成物を接着剤として用
い、情報基板とそれらダミーディスク基板とを貼り合わ
せて成るディスクの両外側から、同時に紫外線を閃光的
に繰り返し照射した場合には、接着層の内の情報記録層
側の界面から進行する硬化反応は、ダミーディスク基板
側の接着層界面方向に向かい、ディスク領域全体にわた
って一様に進行すると考えられるが、これに対しもう一
方のダミーディスク基板側の界面から進行してくる硬化
反応は、前記紫外線透過率の高低の影響を直接受けなが
ら進行すると考えられる。
【0087】その結果として、紫外線透過率の高い部分
の接着層はより硬く、逆に紫外線透過率の低い部分の接
着層は相対的に柔らかい状態のままで、もう一方の情報
ディスク基板の界面側から一様に硬化が進行して来た硬
化層と結合する。裏移りは、このように接着面全体が一
様な硬さになっていない状態で結合するために、硬い部
分と柔らかい部分との内部応力差が原因で発生するもの
と考えられる。
【0088】従ってこのような裏移りの抑制は、前記接
着層の紫外線硬化において、情報記録層側からの紫外線
閃光照射による硬化を、プリプリント基板側又はピット
イメージ基板側の外側からの紫外線閃光照射で生じる硬
化より先に進行させることで、情報記録層近傍の側に比
較的厚い硬化層が形成されたために実現できたものと考
えることができる。
【0089】このようにして貼り合わされて1枚となっ
たディスクは、裏移りによって品質イメージや高級感を
損なうことなく、又情報信頼性を損なうことなく、品質
の優れたものとなる。このディスクは、例えばそれを回
転させながら、半導体レーザーで可視光線を走査照射し
て、情報記録面の情報を再生することにより、音や映像
信号に変換して、視聴者の鑑賞に供することができる。
【0090】
【作用】
(1)ダミーディスク基板として、プリプリント基板又
はピットイメージ基板を用い、接着剤として紫外線硬化
性組成物を用い、情報記録層を有するディスク基板と貼
り合わせ、貼り合わせて成る1枚のディスクの両外側か
ら紫外線を閃光的に繰り返し照射する場合において、前
記閃光照射を開始した時刻から、前記閃光照射を終了し
た時刻までの間の何れの時刻においても、ディスク基板
表面における前記閃光照射のエネルギー(単位:J)を
積算した値が、前記情報ディスク基板の側の外側からの
方が、前記ダミーディスク基板の側の外側からの方より
も、常に大きくなるように閃光照射する方法を採用する
ことによって、約40μmの厚さに塗布された紫外線硬
化性組成物により形成される接着層の、前記情報ディス
ク基板に最も近い側の層が、前記ダミーディスク基板に
最も近い側の層よりも、先行して紫外線硬化され、この
際に形成される仮想的な半硬化層によって、前記裏移り
の発生が抑制される。
【0091】(2)前記ダミー基板側からの閃光照射時
に、情報ディスク基板の側の外側からの閃光照射と同期
的に行うことによって、より短い時間の内に接着層の紫
外線硬化を完了させることができる。
【0092】(3)前記貼り合わせて成る1枚のディス
クの両外側にそれぞれ1つ以上設けた閃光式紫外線照射
手段を、時間差を設けて開閉する2つのスイッチング手
段を用いて制御することにより、前記情報ディスク基板
の側の外側からの閃光照射を、前記ダミーディスク基板
の側の外側からの閃光照射に先行させて照射することが
でき、所定時間後に(時間差を設けて)、前記ダミーデ
ィスク基板の側からの閃光照射を開始することができ
る。又、所定時間後に両外側からの閃光照射を停止させ
ることができる
【0093】
【発明の実施形態】本発明は、次の実施形態を包含す
る。 1.2枚のうち一方が紫外線透過性基板上に、紫外線透
過性かつ可視光反射性の情報記録層を有する情報ディス
ク基板であり、もう一方が紫外線透過性基板上に、紫外
線透過性の印刷層を有するダミーディスク基板である
か、又は紫外線透過性基板上に紫外線透過性かつ可視光
反射性の薄膜を有しており、前記薄膜に情報記録の用で
ないダミーピット群を設け前記ダミーピット群の濃淡や
大小により図柄を描写した紫外線透過性かつ可視光反射
性の薄膜を有するダミーディスク基板であって、前記2
枚のディスク基板を紫外線硬化性組成物を接着剤として
用い、前記情報ディスク基板の情報記録面と前記ダミー
ディスク基板の印刷面又は図柄を描写した面とが向かい
合うようにして貼り合わせ、貼り合わせて成る1枚のデ
ィスクの両外側から紫外線を閃光的に繰り返し照射し、
前記接着剤を硬化させることによって前記情報ディスク
基板と前記ダミーディスク基板とを貼り合わせる方法で
あって、前記閃光照射を開始した時刻から前記閃光照射
を終了した時刻までの間の何れの時刻においても、ディ
スク基板表面における閃光照射エネルギー(単位:J)
を積算した値が、前記情報ディスク基板の側の外側から
の方が、前記ダミーディスク基板の側の外側からの方よ
りも、常に大きくなるように閃光照射することを特徴と
する、前記ディスクの貼り合わせ方法。
【0094】2.前記貼り合わせて成る1枚のディスク
の両外側からの閃光照射が同期的に行われ、かつ両外側
からの閃光照射の繰り返し速度が一定であって、情報記
録ディスク基板の側の外側からとダミーディスク基板の
側の外側から行う1閃光あたりのディスク基板表面にお
ける照射エネルギー(単位J)をそれぞれE1、E2と
するとき、E1>E2である上述1記載の方法。
【0095】3.前記貼り合わせて成る1枚のディスク
の両外側からの閃光照射の繰り返し速度が一定であり、
かつ、情報ディスク基板の側の外側からの閃光照射回数
と、ダミーディスク基板の側の外側からの閃光照射回数
をそれぞれN1、N2(N1、N2は共に自然数)とす
るとき、N1>N2である上述1記載の方法。
【0096】4.前記紫外線の繰り返し閃光照射が複数
の光源ランプにより行われる、上述1、上述2、又は、
上述3、何れかに記載の方法。
【0097】5.前記紫外線硬化性組成物が光重合開始
剤を含み、前記光重合開始剤の吸収波長領域と、前記光
源ランプが照射する紫外線の波長領域とが、できるだけ
広範囲に重複するようにする上述1、上述2、上述3、
又は、上述4、何れかに記載の方法。
【0098】6.前記光源ランプから照射される光か
ら、前記紫外線硬化性組成物の硬化に不必要な赤外線、
可視光等の光線を除去し、紫外線を閃光照射する上述
1、上述2、上述3、上述4、又は、上述5、何れかに
記載の方法。
【0099】7.情報ディスク基板側から照射する光の
エネルギーとダミーディスク基板側から照射する光のエ
ネルギーとを同じにし、ダミーディスク基板側の閃光式
照射手段とダミーディスク基板との間(光路)に紫外線
を減光させる光学フィルタを配置する様にして閃光照射
を行う上述1、上述2、上述3、上述4、又は、上述
5、上述6、何れかに記載の方法。
【0100】8.情報ディスク基板側の閃光照射手段と
情報ディスク基板との(光路)距離と、ダミーディスク
基板側のの閃光照射手段と情報ディスク基板との(光
路)距離とに差を設ける様にして閃光照射を行う上述
1、上述2、上述3、上述4、又は、上述5、上述6、
何れかに記載の方法。
【0101】9.2枚のうち一方が紫外線透過性基板上
に紫外線透過性かつ可視光反射性の情報記録層を有する
情報ディスク基板であり、もう一方が紫外線透過性基板
上に紫外線透過性の印刷層を有するダミーディスク基板
であるか、又は紫外線透過性基板上に紫外線透過性かつ
可視光反射性の薄膜を有しており、前記薄膜に情報記録
の用でないダミーピット群を設け、前記ダミーピット群
の濃淡や大小により図柄を描写した紫外線透過性かつ可
視光反射性の薄膜を有するダミーディスク基板であっ
て、前記2枚のディスク基板を紫外線硬化性組成物を接
着剤として用い、前記情報ディスク基板の情報記録面と
前記ダミーディスク基板の印刷面又は図柄を描写した面
とが向かい合うようにして貼り合わせ、貼り合わせて成
る1枚のディスクの両外側から紫外線を閃光的に繰り返
し照射し、前記接着剤を硬化させることによって前記情
報ディスク基板と前記ダミーディスク基板とを貼り合わ
せる装置であって、前記ディスクの両外側にそれぞれ1
つ以上設けた閃光式紫外線照射手段と、閃光式紫外線照
射手段の閃光を許可する時間差を設けて開閉が行われる
2つのスイッチング手段と、前記情報ディスク基板の側
の外側からの閃光照射を、前記ダミーディスクの側の外
側からの閃光照射より先行して行うように、前記2つの
スイッチング手段を制御する制御手段とを有すること
を、特徴とする前記ディスク貼り合わせ装置。
【0102】10.前記光源ランプと前記ディスクの間
の光路上に赤外線を遮断するフィルターを設ける上述9
記載の装置。
【0103】次に本発明の好ましい実施の態様を述べ
る。まず、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂を溶融し、記録
情報に対応する溝が円周方向に彫刻されたスタンパに注
型し冷却して、溝が刻まれた円盤状の情報記録ディスク
基板を得る。
【0104】次いで、それの溝が刻まれた面に、金属を
所定膜厚となる様にスパッタリングさせる。前記スパッ
タ薄膜は、再生のための可視光線は高率で反射するが、
一般に紫外線はあまり透過しない。本発明者らの知見に
よれば、厚さが400オングストロームのアルミニウム
製スパッタ薄膜の、光波長400nmにおける透過率
は、僅か0.3%程度に過ぎない。この金属薄膜上に、
前記溝等に起因する薄膜上の凹凸も含めて、平滑な表面
となる様に当該金属薄膜との密着性に優れ、かつ紫外線
を高率で透過する硬化物を形成しうる、液状の紫外線硬
化型樹脂を塗布し、紫外線照射により硬化して保護コー
ト層を形成する。但し、保護コート層は品質上において
特に必要がないと判断できる場合には省略しても構わな
い。こうしたディスク基板を必要枚数準備する。
【0105】前記情報ディスク基板に保護コート層を設
けた場合では、前記保護コート層を設けない場合より
も、本発明が課題とする裏移りは相対的に減ぜられる
が、それとて裏移りを完全に消滅させることは困難であ
る。保護コート層そのものの厚さは通常5〜8μmとさ
れかなり薄いことがその原因として考えられる。従っ
て、前記保護コート層を設けた場合であっても、本発明
の方法を採用することが望ましい。
【0106】このディスク基板の情報記録層を上に向け
て、前記情報記録層と密着性に優れた硬化物を形成しう
る、後記する閃光的に照射される紫外線の波長領域とで
きるだけ広範囲に重複するような吸収波長領域を有する
光重合開始剤を含む、液状の紫外線硬化性組成物を滴下
して、所定の膜厚、20〜60μmの範囲、通常40μ
m程度になるようにスピンコートする。
【0107】本発明の方法を適用する場合、前記紫外線
硬化性組成物による接着層の厚さは、前述のように40
μm前後とするのが望ましい。それより極端に薄くした
場合には、前記2枚のディスク基板の接合面全体を隙間
なく結合させるのが困難となる。又、それより極端に厚
くした場合には、ディスクの生産コストが上がるととも
に、接着層の全厚さ方向にわたって完全に紫外線硬化さ
せるのが難しくなるためである。
【0108】そして、前記組成物が未硬化状態の時に、
もう一方のプリプリント基板又はピットイメージ基板の
ダミー基板を、気泡や異物が混入しないように、密着性
良く向かい合うように貼り合わせる。この際、必要であ
れば、十分な密着性を保つために、紫外線を透過する重
しをかけても構わない。
【0109】そしてガス封入された紫外線光源用フラッ
シュランプを、図4に示す回路に基づいて得られる閃光
式放電機構に接続し、数字10の高圧パルス発生回路に
接続された数字9の補助電極を、前記数字8のフラッシ
ュランプの周辺に設ける。尚、図示しない直流高圧電源
は電圧が可変式のもの、数字6のコンデンサや数字7の
空芯コイルは、他の容量のものと適宜交換できる脱着式
の構造にしておけば、必要に応じてそれらの回路素子を
交換して動作させることにより、放電電流波形のピーク
値や1/3時間幅(電流値がゼロから立ち上がってピー
ク値の1/3となり、しかる後、再び1/3に減衰する
までの時間幅)、及び、ランプ発光の繰り返し速度等の
硬化条件を、装置の面から最適化することができる。
【0110】必要最小の電気入力エネルギー(前記CV
2/2の値に相当する)で前記紫外閃硬化を行うために
は、図4の数字8のフラッシュランプの閃光の発光スペ
クトルが、紫外線硬化性組成物に含める光重合開始剤が
鋭敏に反応するよう、前記紫外線と光重合開始剤の吸収
波長ができるだけ広い波長領域で重複するように前記数
字8のフラッシュランプに流す、放電電流波形のピーク
値や1/3時間幅を調節するか、或いは又、前記光重合
開始剤に含める材料の種類や組み合わせを選択するとよ
い。
【0111】一般に、同一形状のランプを使用する場合
でも、図4の数字6のコンデンサの充電電圧を高くして
放電させると、放電時の電圧ピーク値が上がり、結果と
して波長400nm以下の紫外線波長領域のスペクトル
強度が相対的に増大する。又、数字6のコンデンサの充
電電圧が一定であっても、数字7の空芯コイルのインダ
クタンスを小さくする程、前記1/3時間幅は減少さ
れ、前記放電電流波形のピーク値が増大し、結果として
波長400nm以下の紫外線波長領域のスペクトル強度
が相対的に増大するようになる。このようにして数字8
のフラッシュランプの発光スペクトルは、発光時の放電
電流ピーク値や1/3時間幅を変化させることで、ある
程度制御することが可能である。
【0112】一方、前記紫外線硬化性組成物に含める光
重合開始剤には、分子が開裂してラジカルを発生するタ
イプと、芳香族ケトンと水素供与体の組み合わせタイプ
の2種類があることは前述したとおりであるが、紫外線
の吸収スペクトルは、それらの材料の選択や組み合わせ
方によっても異なったものとなる。
【0113】従って、必要最小の電気入力エネルギーに
よって、前記紫外線硬化性組成物の紫外線硬化を完了さ
せるためには、前記閃光式紫外線照射装置の側と、前記
紫外線硬化性組成物の材料の側とから、両者の波長領域
が出来るだけ広範囲に重複するように、最適な条件を見
いだして用いるのが望ましい。
【0114】閃光照射時のランプからの熱の影響を、極
力抑制したい場合には、フラッシュランプ光源と前記デ
ィスクの間の光路上に赤外線を遮断するフィルター等を
設けるようにする。
【0115】そして、例として示した図4のような、繰
り返し閃光照射可能な放電機構の照射装置を用い、ラン
プ光源を2枚のディスク基板を貼り合わせて成る1枚の
ディスクの両外側に配置させ、情報ディスク基板の側の
外側からの閃光照射が、ダミーディスク基板の側の外側
からの閃光照射よりも、積算照射エネルギー的に先行し
て大きくなるように照射を行う。例えば、各側からの1
閃光あたりのディスク基板表面における照射エネルギー
が同じならば、情報ディスク基板を有する側の外側から
閃光照射を1回以上行い、しかる後、所定の時間差T1
を設けて、もう一方のダミーディスク基板の側の外側か
らの閃光照射を、引き続き、1回以上行うようにすれば
よい。後者の閃光照射では、各側からの閃光照射が同期
的に行われても構わない。
【0116】或いは、各側からのディスク基板表面にお
ける1閃光照射あたりのエネルギーが、情報ディスク基
板の側の外側からの方が、ダミーディスク基板の側の外
側からの方より△E(単位:J)だけ大きく設定されて
いる場合には、各側からの閃光照射が最初の1発目から
同期的に行われても構わない。前記1閃光あたりのエネ
ルギーEはCV2/2で決定されるので、前記△Eのエ
ネルギー差は、例として示した図4の回路構成の場合で
は、ディスクの両外側に配置させたフラッシュランプに
接続させた数字6のコンデンサへの充電電圧が同じ値に
なるので、数字6のコンデンサ容量C(単位はF,ファ
ラッド)に差をもたせることによって達成することがで
きる。即ち、前記情報ディスク基板側の外側から照射す
るフラッシュランプ回路のコンデンサ容量を、前記ダミ
ーディスク基板の側のものよりも大きい値にすればよ
い。
【0117】或いは又、前記例として示した図4の回路
構成において、仮に数字6のコンデンサに電荷を蓄積す
るための直流電源を、ディスクの両外側に配置させたフ
ラッシュランプ毎に、個別に設けるものとすれば(図示
せず)、前記フラッシュランプ毎に接続された数字6の
コンデンサ容量Cは変えずに、単に、各側の充電電圧を
変えることによっても前記エネルギー差△Eを与えるこ
とができる。この場合は、前記情報ディスク基板側の外
側に配置したフラッシュランプの充電電圧を、前記ダミ
ーディスク基板側のものよりも大きくすればよい。
【0118】前記T1及び前記△Eは、前記情報ディス
ク基板や、前記ダミーディスク基板に設けられた印刷層
又はピットイメージが施された層の紫外線透過性によ
り、裏移りが最も小さく、かつ、硬化が短時間の時間の
内に終了するように、適宜調節するようにすればよい。
このようにして裏移りの少なく、信頼性の高い貼り合わ
せディスクが得られる。
【0119】
【実施例】
<実施例1>本発明の実施例を詳細に説明する。
【0120】先ず、本実施例において用いた情報記録層
を有するディスク基板は、ポリカーボネート樹脂製の厚
さ0.6mmの基板、情報記録層は波長400nmでの
光透過率が0.3%となる厚さ450Åのアルミニウム
製のスパッタ膜である。
【0121】又、ダミー基板は、厚さ0.6mmのポリ
カーボネート樹脂製であり、前記情報記録ディスク基板
との接着面となる側に、予め印刷が施されたものであ
る。その印刷層の波長400nmでの光透過率は該印刷
面内の場所によっても異なるものの、概ね0.3%〜
1.5%の範囲にあるものである。
【0122】図5はランプ部の構造を示す断面図であ
る。図5の数字8はウシオ電機株式会社製のキセノンフ
ラッシュランプ(内径10.5mm、アーク長200m
m)、数字14は石英ガラス製の窓、数字15はディス
クを保持する紫外線透過性の厚さ5mmのトレー、数字
16は2枚の基板を貼り合わせて成る図2に示した構造
を持ち、紫外線硬化性樹脂の接着層が未硬化状態のディ
スクを表す。尚、本実施例で使用した紫外線硬化性組成
物は大日本インキ化学工業株式会社製SD−318であ
る。
【0123】図5において、隣り合うランプ同士のラン
プ中心軸間隔は36mmに、ランプ中心軸からランプ窓
までの距離は25mmに、上下のランプ窓間距離は20
mmに、それぞれ設置した。
【0124】本実施例1の閃光照射装置は4つの電源系
統を有し、1つの電源系統について前記キセノンランプ
を2本ずつ直列に接続した。従って、図5の配置図の上
方の4本のランプに対しては2つの電源系統を、同様に
下方の4本に対しても2つの電源系統を備えた。
【0125】主な回路定数は、コンデンサ容量が250
μF、空芯コイルのインダクタンスが330μHであ
る。充電電圧は1800Vであり、この場合、1発光あ
たり1ランプあたりの発光エネルギー(単位J)は約2
00Jとなる。
【0126】上方及び下方それぞれの側に配置したラン
プの発光は、少なくともそれぞれの側内のランプ4本が
同期発光となるように、電源回路のトリガー入力端子
(図3数字11に対応する端子)に制御信号(発光指
令)を与える接続にした。
【0127】かかる装置において、図6に示すようなタ
イミングで、先ず情報ディスク基板側から5回、その後
引き続いて、両側から同時に5回の閃光照射を、数字1
6のディスクに対して行った。図6の数字17は閃光照
射指令を表す制御パルス信号、数字18はダミー基板の
側に配置したランプに対して与えた発光指令のタイミン
グを表すパルス列、数字19は情報記録層を有するディ
スク基板の側のランプに対して与えた発光指令のタイミ
ングを表すパルス列である。前記パルスの繰り返し速度
は各側とも5回/秒である。
【0128】本実施例における閃光照射の所要時間は約
2秒であり、接着層が硬化したディスクは、裏移りが殆
どないものであった。又、裏移りがないことを確認した
後、貼り合わせた2枚の基板を引き離し接着層を観察し
てみたところ、観察された接着層は十分な硬度を有して
おり、紫外線硬化が十分に成されていることが分かっ
た。
【0129】又、本実施例において、照射時にはキセノ
ンランプから極めて強力な閃光が発せられたが、かかる
閃光照射により、ディスク基板に設けられたアルミニウ
ム製スパッタ層や、印刷層がダメージを受けて変色する
ようなことはなかった。 <実施例2>
【0130】次に、情報記録層を有するディスク基板は
前記実施例1の場合と同様とし、ダミー基板としてピッ
トアートを用いた場合の実施例について述べる。
【0131】本実施例2におけるダミー基板は、厚さ
0.6mmのポリカーボネート樹脂製であり、前記情報
記録ディスク基板との接着面となる側に、予めピットア
ートによって図柄や文字等の描写が施され、その上にア
ルミニウム製のスパッタ膜を設けられたものである。
【0132】前記ピットアート層の波長400nmでの
光透過率は、該ディスク基板面内の場所によって異なる
ものの、概ね、0.2%〜0.5%の範囲にあるもので
ある。しかしピットの斜面部では、入射光の乱反射が起
こるため、より微視的にみた場合の光透過率のバラツキ
は前記測定値以上に大きいものと考えられる。
【0133】本実施例2においても、接着剤としての紫
外線硬化性組成物は大日本インキ化学工業株式会社製S
D−318を用いた。そして前記実施例1の場合同様の
閃光照射を行ったところ、照射後のディスクは裏移りが
殆どないものであった。又、裏移りがないことを確認し
た後、貼り合わせた2枚の基板を引き離し接着層を観察
してみたところ、観察された接着層は十分な硬度を有し
ており、紫外線硬化が十分に成されていることが分かっ
た。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
ダミーディスク基板として、プリプリント基板又はピッ
トイメージ基板を用い、接着剤として紫外線硬化性組成
物を用い、情報記録層を有するディスク基板と貼り合わ
せ、貼り合わせて成る1枚のディスクの両外側から紫外
線を閃光的に繰り返し照射する場合において、前記閃光
照射を開始して時刻から、前記閃光照射を終了した時刻
までの間の何れの時刻においても、ディスク基板表面に
おける前記閃光照射のエネルギー(単位:J)を積算し
た値が、前記情報ディスク基板の側の外側からの方が、
前記ダミーディスク基板の側の外側からの方よりも、常
に大きくなるように閃光照射する方法を採用することに
よって、裏移りの少ない、信頼性の高い貼り合わせディ
スクを得ることができる。
【0135】第2発明では、第1発明の方法を採用する
ことにより、前記ディスクの両外側から一定の繰り返し
速度で同期的に閃光照射が成されるので、短時間の内に
照射完了がなされ、簡素な構造の貼り合わせ装置を提供
することができる。
【0136】
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】DVD−5フォーマットのディスク構造を表す
断面図である。
【0138】
【図2】プリプリント又はピットイメージディスク基板
を用いて貼り合わせた場合のDVD−5フォーマットの
ディスク構造を表す断面図である。
【0139】
【図3】キセノンランプに電力を供給するための電源回
路の概略図である。
【0140】
【図4】第2発明の装置の構成の例を示した電気回路図
である。
【0141】
【図5】ディスクの両側にそれぞれ4本のキセノンラン
プを配置させた紫外線閃光照射部の構造を表す断面図で
ある。
【0142】
【図6】ディスクの上方に設置したランプ群と下方に設
置したランプ群に対して、個別に閃光照射指令を与える
制御信号のタイミングを示す図である。
【0143】
【符号の説明】
1 情報記録層を有する側のディスク基板 2 情報記録層 3 ダミーディスク基板 4 接着層(紫外線硬化性樹脂) 5 印刷層又はピットイメージ層 6 コンデンサ 7 空芯コイル 8 キセノンフラッシュランプ(ウシオ電機株式会社
製) 9 補助電極 10 高圧パルス発生回路 11 トリガー入力端子 12 ダイオード 13 制御信号発生回路 L1 情報ディスク基板側の外側に設けたキセノンフラ
ッシュランプ L2 ダミーディスク基板側の外側に設けたキセノンフ
ラッシュランプ SW1 記号L1のランプのON/OFFを制御するス
イッチ手段 SW2 記号L2のランプのON/OFFを制御するス
イッチ手段 14 紫外線透過性石英ガラス窓 15 紫外線透過性トレー 16 2枚の基板を貼り合わせて成る図2の構造をもつ
ディスク 17 閃光照射指令を表すパルス信号 18 ダミーディスク基板の側からの照射タイミングを
表すパルス列 19 情報記録層を有するディスク基板からの照射タイ
ミングを表すパルス列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大嶋 清志 埼玉県北足立郡伊奈町小室字元宿6982− 8−101 (72)発明者 横田 利夫 神奈川県横浜市青葉区元石川町6409 ウ シオ電機株式会社内 (72)発明者 琴寄 正彦 東京都豊島区高田1丁目18番1号 オリ ジン電気株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−287526(JP,A) 特開 平5−135415(JP,A) 特開 昭55−102469(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/26 G11B 7/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚のうち一方が紫外線透過性基板上に紫
    外線透過性かつ可視光反射性の情報記録層を有する情報
    ディスク基板であり、もう一方が紫外線透過性基板上に
    紫外線透過性の印刷層を有するダミーディスク基板であ
    るか、又は、紫外線透過性基板上に紫外線透過性かつ可
    視光反射性の薄膜を有しており、前記薄膜に情報記録の
    用でないダミーピット群を設け、前記ダミーピット群の
    濃淡や大小により図柄を描写した、紫外線透過性かつ可
    視光反射性の薄膜を有するダミーディスク基板であっ
    て、前記2枚のディスク基板を紫外線硬化性組成物を接
    着剤として用い、前記情報ディスク基板の情報記録面と
    前記ダミーディスク基板の印刷面又は図柄を描写した面
    とが向かい合うようにして貼り合わせ、貼り合わせて成
    る1枚のディスクの両外側から紫外線を閃光的に繰り返
    し照射し、前記接着剤を硬化させることによって、前記
    情報ディスク基板と前記ダミーディスク基板とを貼り合
    わせる方法であって、前記閃光照射を開始した時刻から
    前記閃光照射を終了した時刻までの間の何れの時刻にお
    いても、ディスク基板表面における閃光照射エネルギー
    を積算した値が、前記情報ディスク基板の側の外側から
    の方が前記ダミーディスク基板の側の外側からの方より
    も、常に大きくなるように閃光照射することを特徴とす
    る、前記ディスクの貼り合わせ方法。
  2. 【請求項2】前記貼り合わせて成る1枚のディスクの両
    外側からの閃光照射が同期的であって、かつ、両外側か
    らの閃光照射の繰り返し速度が一定であって、情報記録
    ディスク基板の側の外側からとダミーディスク基板の側
    の外側から行う1閃光あたりのディスク基板表面におけ
    る照射エネルギーをそれぞれE1、E2とするとき、E
    1>E2である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記貼り合わせて成る1枚のディスクの両
    外側からの閃光照射の繰り返し速度が一定であり、か
    つ、情報ディスク基板の側の外側からとダミーディスク
    基板の側の外側からの閃光照射回数をそれぞれN1、N
    2(N1、N2は共に自然数)とするとき、N1>N2
    である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記紫外線硬化性組成物が光重合開始剤を
    含み、前記光重合開始剤の吸収波長領域と、照射する紫
    外線の波長領域とが、できるだけ広範囲に重複するよう
    にする請求項1、請求項2、又は請求項3何れかに記載
    の方法。
  5. 【請求項5】2枚のうち一方が紫外線透過性基板上に紫
    外線透過性かつ可視光反射性の情報記録層を有する情報
    ディスク基板であり、もう一方が紫外線透過性基板上に
    紫外線透過性の印刷層を有するダミーディスク基板であ
    るか、又は、紫外線透過性基板上に紫外線透過性かつ可
    視光反射性の薄膜を有しており、前記薄膜に情報記録の
    用でないダミーピット群を設け、前記ダミーピット群の
    濃淡や大小により図柄を描写した、紫外線透過性かつ可
    視光反射性の薄膜を有するダミーディスク基板であっ
    て、前記2枚のディスク基板を紫外線硬化性組成物を接
    着剤として用い、前記情報ディスク基板の情報記録面と
    前記ダミーディスク基板の印刷面又は図柄を描写した面
    とが向かい合うようにして貼り合わせ、貼り合わせて成
    る1枚のディスクの両外側から紫外線を閃光的に一定の
    繰り返し速度で照射し前記接着剤を硬化させることによ
    って、前記情報ディスク基板と前記ダミーディスク基板
    とを貼り合わせる装置であって、前記ディスクの両外側
    にそれぞれ1つ以上設けた閃光式紫外線照射手段と、閃
    光式照射手段の閃光を許可する時間差を設けて開閉が行
    われる2つのスイッチング手段と、前記情報ディスク基
    板の側の外側からの閃光照射を前記ダミーディスク基板
    の側の外側からの閃光照射より先行して行うように、前
    記2つのスイッチング手段を制御する制御手段とを有す
    ることを、特徴とする前記ディスクの貼り合わせ装置。
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