JP3242012B2 - ディフューザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄方法 - Google Patents

ディフューザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前段の漂白を終え
たパルプの洗浄装置として漂白塔の頂部に設置されるデ
ィフューザーウォッシャーのスクリーン部に付着するス
ケールを洗浄除去するための洗浄方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の洗浄方法を説明する前に、先ず、
ディフューザーウォッシャーについて図1〜図3を参照
して概略説明する。
【0003】図1はディフューザーの全体を示す縦断面
図であり、この図において1は漂白塔で、下部に漏斗部
1aを有し、この漏斗部1aの下端から漂白塔1内に前
段の漂白を終えたパルプが導入されるようになってい
る。2は漂白塔1の頂部に設置されたディフューザーウ
ォッシャーで、このウォッシャー2は、上部側のスクレ
ーパーユニット3と、このユニット3の下部側にあって
漂白塔1の上端部内に没入するように配備されたスクリ
ーンユニット4と、このスクリーンユニット4を所定ス
トローク上下動させる上下駆動手段5と、前記スクレー
パーユニット3を回転させる回転駆動手段6とからな
る。
【0004】スクリーンユニット4の一例を図3に示し
ており、このスクリーンユニット4は、同心円状に配置
された高さ約1300mmの複数個(4〜5個)のスク
リーンリング7からなる。各スクリーンリング7は、約
50mmの厚さを有し、内部のセンタープレートを挟ん
で内外両面にスクリーンプレート7aが張られていて、
センターから放射状に延びた例えば6本のアーム8に固
定されている。各アーム8の内部は液が流れるようにな
っており、スクリーンで抽出された液は、各スクリーン
リング7の内部を経てアーム8の内部に入り、更にアー
ム8先端のドレンボックス9に入ってその抽出孔9aか
ら抽出される。各抽出孔9aは漂白塔1の外周に配管さ
れたリングパイプ10に接続され、このリングパイプ1
0を通じて抽出液が外部へ移送される。前記各アーム8
の先端に上下駆動手段5としての油圧シリンダが連動連
結され、この油圧シリンダは漂白塔1の外周部に固定さ
れる。各油圧シリンダは、スクリーンユニット4を約1
50mmのストロークで上下動させるようになってい
る。
【0005】漂白塔1内の下部に導入されたパルプは、
漂白塔1内を上向きに移動し、スクリーンリング7の間
を通って上端の出口に達すると、そこで回転するスクレ
ーパーユニット3に押され、漂白塔1の上端部外周に配
設されたラウンダーリング11に入り、パイプ12によ
ってスタンドパイプに落下する。スクリーンユニット4
は、パルプよりも約10%速い速度で上昇し、そして上
限位置で5〜8秒静止し、その後約0.5秒で急速下降
する。スクリーンリング7による抽出はスクリーンユニ
ット4の上昇中にのみ行われる。スクリーンユニット4
の急速下降によって、抽出中にスクリーンリング7のス
クリーンプレート7a表面に形成されたマット状のパル
プを切り離し、スクリーンプレート7a表面をきれいに
保つようになっている。
【0006】スクレーパーユニット3は、図2に例示す
るように、十文字状に連設された4本のアーム13を有
し、そのうちの2本に複数の洗浄水分散ノズル14が垂
設され、他の2本にスクレーパーブレード15が取り付
けてある。洗浄水は回転している洗浄水分散ノズル14
から各スクリーンリング7の中間位置のパルプ中に散布
される。この洗浄水によって、パルプと共に漂白塔1内
に入った液が置換され、スクリーンリング7で抽出され
て図外濾液タンクに送られる。図において16は、固定
フレーム17の中心部を垂直に貫通して各アーム13の
基端部に連結された中空状の回転軸で、この回転軸16
の上端部と固定フレーム17との間にスイベル18が介
設され、このスイベル18に洗浄水供給パイプ19が接
続され、しかして供給パイプ19からの洗浄水は、回転
軸16の中空部を通って上記アーム13の洗浄水分散ノ
ズル14に供給される。
【0007】ところで、上記のようなスクリーンリング
7による液の抽出工程中においては、スクリーンリング
7のスクリーンプレート7aに、シュウ酸カルシウムを
主成分とする一般にスケールと呼ばれるパルプ滓(以
降、スケールと称する)が付着し、このスケールの付着
量が多くなると、目詰まりを生じてスクリーンリング7
が機能しなくなることから、定期的に機械の操業を停止
して、スケールの除去作業を行う必要がある。
【0008】しかして、スクリーンユニットのスクリー
ンリングに付着するスケールを洗浄除去するために、従
来にあっては、.高圧水のジェット洗浄による方法、
.漂白塔内にパルプ懸濁液を満たし、スクリーン部を
覆う領域にスケール溶解剤を含有させた清水を循環させ
て洗浄を行う方法、.漂白塔内にスクリーンユニット
上部まで清水を満たし、スクリーンユニット下部にシー
トを張って、スクリーン部を覆う領域にスケール溶解剤
を含有させた清水を循環させて洗浄を行う方法、が採用
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の洗浄方法では、スクリーンプレート7a表面のスケー
ルは除去されるが、その内面に付着したスケールは除去
できなかった。また、上記の洗浄方法では、スクリー
ン部を流通する循環水とパルプ懸濁液とが混合してスケ
ール溶解剤が希釈されるため、洗浄効率が悪かった。更
に、上記の洗浄方法では、シートが舞い上がるなどし
て、スクリーンユニット下部へのシートの張り付けが非
常に困難で、少しでも隙間があると、シートの上側の循
環水とその下側の清水とが混合することになり、実際に
循環水と清水とを区分することができなかった。
【0010】上記及びの洗浄方法で使用されるスケ
ール溶解剤は、所定濃度に保って使用することにより、
スケールを有効に除去し得るものであるが、このスケー
ル溶解剤は非常に高価なものであるため、できるだけ無
駄のないよう最少量で使用する必要がある。然るに、上
記及びの方法では、循環水レベルより下方の清水へ
のスケール溶解剤の拡散により、循環水中のスケール溶
解剤濃度が下がり、洗浄効果が悪くなって、スケールを
十分に除去できず、そのため洗浄効果を上げようとすれ
ば、非常に多量のスケール溶解剤が必要となる。
【0011】そこで本発明は、スケール溶解剤を含有し
た循環洗浄水の濃度を所定の濃度に保つことができて、
最小限のスケール溶解剤使用量でスケールを有効に除去
できる洗浄方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、図
4に示すように、漂白塔1の頂部に設置されたディフュ
ーザーウォッシャー2におけるスクリーンユニット4の
スクリーンリング7に付着するスケールを洗浄除去する
ための洗浄方法であって、漂白塔1内にスクリーンリン
グ7の直下まで水CWを張り、その上に、スケール溶解
剤が添加混入され且つ水CWに対し高温度差を有する温
水HWからなる洗浄水をスクリーンリング7の上部を覆
うように満たして、漂白塔1内の上端部に洗浄水用温水
域HZを形成すると共に、この温水域HZ内の洗浄水を
漂白塔1外部に排出しつつこれを循環経路20を通じて
再び当該温水域HZに戻し、循環使用するようにしたこ
とを特徴とする。
【0013】請求項2は、請求項1に記載のディフュー
ザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄方法において、
洗浄水用温水域HZ内の洗浄水である温水HWとその下
方の水CWとの温度差が約40℃以上であることを特徴
とする。
【0014】請求項3は、請求項1または2に記載のデ
ィフューザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄方法に
おいて、洗浄水用温水域HZ内の洗浄水をスクリーンユ
ニット4のドレンボックス9を通して漂白塔外部の循環
経路20に排出させることを特徴とする。
【0015】請求項4は、請求項1〜3のいずれかに記
載のディフューザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄
方法において、循環洗浄水中にスケール溶解剤として窒
素原子含有カルボン酸6〜10重量%及びpH12〜1
3を維持するように苛性ソーダを添加することを特徴と
する。
【0016】請求項5は、請求項1〜4のいずれかに記
載のディフューザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄
方法において、循環洗浄水の循環流量を経時的に増大さ
せることを特徴とする。
【0017】請求項6は、請求項1〜5のいずれかに記
載のディフューザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄
方法において、循環経路20中に加熱手段を設けて、当
該経路20を流れる洗浄水の温度を上げるようにしたこ
とを特徴とする。
【0018】請求項7は、請求項6に記載のディフュー
ザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄方法において、
加熱手段がスチームヒーター23からなることを特徴と
する。
【0019】
【発明の実施の形態】図4は、図1〜図3に示されるデ
ィフューザーウォッシャー2のスクリーン部を洗浄する
装置を概略図示しており、この図において、20は漂白
塔1の外部に配管された循環経路で、この循環経路20
の一端は、スクレーパーユニット3の洗浄水導入部、即
ち回転軸16の中空部に直接連結されるか、または洗浄
水供給パイプ19に接続され(図2参照)、循環経路2
0の他端は、スクリーンユニット4においてドレンボッ
クス9の各抽出孔9a(図3参照)に接続されたリング
パイプ10(図1、図4参照)に接続されている。この
循環経路20には洗浄水を貯める洗浄水タンク21が設
けられ、このタンク21内の洗浄水は、ポンプ22によ
りスクレーパーユニット3側へ圧送される。このポンプ
22とスクレーパーユニット3との間には循環洗浄水の
温度を上げる加熱手段としてのスチームヒーター23が
設けられている。
【0020】上記のような装置を使用してスクリーンユ
ニット4のスクリーンリング7を洗浄するにあたって
は、漂白塔1内のパルプを排出した後、この漂白塔1内
に、スクリーンリング7の直下、例えばスクリーンリン
グ7の下端から10〜20cm下方のところまで水CW
を張る。この水CWの温度は例えば30℃とする。それ
から、洗浄水タンク21内の洗浄水をポンプ22で圧送
しスチームヒーター23で加熱した温水HWを、スクレ
ーパーユニット3の洗浄水分散ノズル14より漂白塔1
内に供給して、スクリーンユニット4のスクリーンリン
グ7を覆うまで温水HWを満たし、それによって漂白塔
1内の上端部に洗浄水用温水域HZを形成する。上記温
水HWは、その温度を例えば70℃にして、水CWとの
間に約40℃の温度差をつける。図1には洗浄水用温水
域HZとその下方の水域との境界を一点鎖線で示してい
る。
【0021】上記温水HWには、スケール溶解剤(商品
名 デポナックスP−140)として窒素原子含有カル
ボン酸6〜10重量%を含有させる。この場合、苛性ソ
ーダを入れて、pHを10以上、好ましくは12〜13
に調整する。つまり、スケール溶解剤のデポナックスP
−140のスケール溶解効率がpH=12〜13付近で
最大となることから、このpH範囲が必要となる。その
理由は、スケール洗浄液のpHは、スケールの溶解が進
むにつれて低下するため、洗浄開始時にpH=12〜1
3を設定していても、経時的にpHが低下することが分
かっており、従って最適pH(12〜13)を維持する
ために、苛性ソーダを適宜追加投入する必要がある。更
に、デポナックスP−140(スケール溶解剤)の使用
濃度は、2%以上の濃度でその効果が得られる。但し、
上限の濃度としては、主に経済性を考慮して通常上限1
0重量%以下で使用する。また、薬剤のより効率的な使
用方法、途中での不要な希釈等を考慮して、好ましい濃
度範囲として6〜10重量%で使用するものである。
尚、このスケール溶解剤及び苛性ソーダの添加は、洗浄
水タンク21にて行う。
【0022】上記のように漂白塔1内の上端部にスクリ
ーンリング7を満たす洗浄水用温水域HZを形成した状
態で、この温水域HZ内の温水HW、即ち洗浄水を、ド
レンボックス9の各抽出孔9aに接続されたリングパイ
プ10から循環経路20の戻り側に排出しつつ、この循
環経路20を通じて再び漂白塔1内上端部の洗浄水用温
水域HZに戻し、これを繰り返して循環水とする。しか
して、この温水域HZ内の温水HW、即ち循環水によっ
てスクリーンリング7に付着しているスケールの洗浄除
去を行う。この洗浄過程においては、洗浄水用温水域H
Zの温水HWとその下方の水CWのそれぞれの温度を随
時計測しながら、両者の温度差が40℃以上に保たれる
ように、必要に応じスチームヒーター23によって循環
水の温度を上げる。
【0023】この洗浄方法によると、洗浄水用温水域H
Zの温水HW、即ち循環水と、その下方の水CWとに約
40℃の温度差をつけているため、例えば70℃の循環
水(密度:0.978)と水CW30℃(密度:0.9
96)との密度差により両者の混合が阻止されて、従来
方法のような拡散によるスケール溶解剤濃度の低下がな
くなり、それにより循環水中のスケール溶解剤の濃度を
所定濃度に保つことができて、スケールの除去効果を大
幅に改善できると共に、スケール溶解剤の使用量を必要
最小限に抑えることができる。
【0024】また、上記のように循環水中のスケール溶
解剤濃度を所定濃度に保つことができるため、スケール
溶解剤の循環により経時的にスクリーンリング7のスケ
ールが除去され、従ってこの循環水の循環流量を経時的
に増大させることによって、スケールの除去効果を更に
向上させることができる。
【0025】この実施形態では、温水HWと水CWとの
温度差を約40℃としているが、その温度差を約40℃
以上にすることによって、温水HWと水CWとの密度差
がより大きくなって両者の混合を一層確実に阻止するこ
とができる。この温度差は40℃以下でもよいわけであ
る。また、この実施形態のように、洗浄水用温水域HZ
内の洗浄水をスクリーンユニット4のドレンボックス9
を通して漂白塔1外部の循環経路20に排出させるよう
にすることによって、スクリーンリング7を完全に洗浄
できると共に、スクリーンユニット4全体を有効に洗浄
することができる。また、加熱手段としてスチームヒー
ター23を使用すれば、設備が簡単になると共に、循環
水を有効に加温することができる。
【0026】
【実施例】次に、洗浄により除去されたスケール量の変
化を、従来の方法により実施した例と、本発明の方法に
より実施した2つの実施例とを比較して示す。なお、例
中の%は特に断らない限り、重量%を示すものとする。
【0027】〔従来例〕 漂白塔1内にパルプ懸濁液を
満たし、スクリーンユニット4のスクリーンリング7を
覆う領域にスケール溶解剤を含有させた清水を循環し、
14時間にわたって洗浄を行った。パルプ懸濁液及び清
水の温度は35℃で、清水には、スケール溶解剤(商品
名 デポナックスP−140)を含有させると共に、p
H12以上を維持するように苛性ソーダ(20%、30
0リットル)を添加した。スケール溶解剤の使用量は3
300kgであった。その結果、除去されたスケール量は
53kgであった。
【0028】〔実施例1〕 漂白塔1内に約30℃の水
CWをスクリーンリング7の直下まで張り、その上から
約70℃の温水HWをスクリーンユニット4のスクリー
ンリング7を覆うように満たして、漂白塔1内の上端部
に洗浄水用温水域HZを形成した。この温水HWには、
スケール溶解剤として窒素原子含有カルボン酸(商品名
デポナックスP−140)6〜10重量%を含有させ
ると共に、pH12〜13を維持するように苛性ソーダ
(20%、300リットル)を添加した。こうして漂白
塔1内の上端部に洗浄水用温水域HZを形成した状態
で、この温水域HZ内の温水HW、即ち洗浄水を循環経
路20の戻り側に排出しつつ、この循環経路20を通じ
て再び漂白塔1内上端部の洗浄水用温水域HZに戻し、
これを繰り返しながら、14時間にわたって洗浄を行っ
た。このときのスケール溶解剤の使用量は3300kgで
あった。その結果、除去されたスケール量は155kg
で、従来の方法による場合の約3倍となった。
【0029】〔実施例2〕 実施例1と同じ条件である
が、ただ、洗浄水用温水域HZの循環水(洗浄水)の循
環流量を経時的に増大させながら、洗浄を行った。この
場合、洗浄時間循環水流量の変化を図5のグラフの曲線
A及びBで示し、曲線Aは1回目、曲線Bは2回目の試
験である。このように循環流量を経時的に増大させて洗
浄を行った結果、除去されたスケール量は259kgで、
従来の方法による場合の約4.9倍、前記実施例1の場
合の約1.5倍となった。
【0030】上記実施例1及び実施例2から明らかなよ
うに、スクリーンリング7に付着するスケールが効果的
に除去されたことにより、操業時のパルプ洗浄水のスク
リーン通過量が増大し、パルプ濃度が7%から9%とな
って、洗浄ヒーターでの蒸気使用量は、それまで1日当
り50トンであったものがゼロとなった。
【0031】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る洗浄方法によれ
ば、洗浄水用温水域の温水と、その下方の水とに高温度
差をつけることから、温水と水との密度差により両者の
混合が阻止されて、従来の方法のような拡散によるスケ
ール溶解剤濃度の低下がなくなり、それにより循環水中
のスケール溶解剤濃度を所定濃度に保つことができて、
スケールの除去効果を大幅に改善できると共に、スケー
ル溶解剤の使用量を必要最小限に抑えることができる。
【0032】請求項2によれば、温水と水との温度差を
約40℃以上とすることにより、温水HWと水CWとの
密度差がより大きくなって両者の混合をより確実に阻止
することができ、それによりスケール除去効果が一層良
好となる。
【0033】請求項3によれば、洗浄用温水域内の洗浄
水をスクリーンユニットのドレンボックスを通して漂白
塔外部の循環経路に排出させることにより、スクリーン
リングを完全に洗浄できると共に、スクリーンユニット
全体を有効に洗浄することができる。
【0034】請求項4によれば、循環洗浄水中にスケー
ル溶解剤として窒素原子含有カルボン酸6〜10重量%
及びpH12〜13を維持するように苛性ソーダを添加
することにより、スケールの除去をより効果的に行うこ
とができる。
【0035】請求項5によれば、循環水の循環流量を経
時的に増大させることによって、スケールの除去効果を
より一層向上させることができる。
【0036】請求項6によれば、循環経路中に加熱手段
を設けることにより、必要に応じて循環水の温度を上げ
ることができ、それによって温水と水との温度差を常に
高く保持することができる。
【0037】請求項7によれば、加熱手段としてスチー
ムヒーターを使用すれば、設備が簡単になると共に、循
環水を効率良く加温することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の実施に使用するディフューザー
の全体を示す縦断面図である。
【図2】 ディフューザーウォッシャーのスクレーパー
ユニットを示す斜視図である。
【図3】 ディフューザーウォッシャーのスクリーンユ
ニットを示す斜視図である。
【図4】 本発明方法を実施するための装置を示す説明
図である。
【図5】 本発明の実施例における洗浄時間循環水流量
の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 漂白塔 2 ディフューザーウォッシャー 3 スクレーパーユニット 4 スクリーンユニット 5 スクリーンユニットの上下駆動手段 6 スクレーパーユニットの回転駆動手段 7 スクリーンユニットのスクリーンプレート 8 スクリーンユニットのアーム 9 スクリーンユニットのドレンボックス 9a ドレンボックスの抽出孔 10 リングパイプ 20 循環経路 21 洗浄水タンク 22 ポンプ 23 スチームヒーター(加熱手段) HW 温水 CW 水 HZ 洗浄水用温水域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮城 俊之 徳島県阿南市豊益町吉田1番地 王子製 紙株式会社 富岡工場内 (72)発明者 長尾 雅市 徳島県阿南市豊益町吉田1番地 王子製 紙株式会社 富岡工場内 (72)発明者 長村 博義 徳島県阿南市豊益町吉田1番地 王子製 紙株式会社 富岡工場内 (72)発明者 田中 雅文 愛媛県伊予三島市中曽根町1727−1 伯 東株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−250486(JP,A) 特開 平4−18184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 1/00 - 11/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漂白塔の頂部に設置されたディフューザ
    ーウォッシャーにおけるスクリーンユニットのスクリー
    ンリングに付着するスケールを洗浄除去するための洗浄
    方法であって、漂白塔内にスクリーンリングの直下まで
    水を張り、その上に、スケール溶解剤が添加混入され且
    つ前記水に対し高温度差を有する温水からなる洗浄水を
    スクリーンリングの上部を覆うように満たして、漂白塔
    内の上端部に洗浄用温水域を形成すると共に、この温水
    域内の洗浄水を漂白塔外部に排出しつつこれを循環経路
    を通じて再び当該温水域に戻し、循環使用するようにし
    たことを特徴とするディフューザーウォッシャーのスク
    リーン部の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 洗浄用温水域内の洗浄水である温水とそ
    の下方の水との温度差が約40℃以上であることを特徴
    とする請求項1に記載のディフューザーウォッシャーの
    スクリーン部の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 洗浄用温水域内の洗浄水をスクリーンユ
    ニットのドレンボックスを通して漂白塔外部の循環経路
    に排出させることを特徴とする請求項1または2に記載
    のディフューザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄方
    法。
  4. 【請求項4】 循環洗浄水中にスケール溶解剤として窒
    素原子含有カルボン酸6〜10重量%及びpH12〜1
    3を維持するように苛性ソーダを添加することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のディフューザーウ
    ォッシャーのスクリーン部の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 循環洗浄水の循環流量を経時的に増大さ
    せることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    ディフューザーウォッシャーのスクリーン部の洗浄方
    法。
  6. 【請求項6】 循環経路中に加熱手段を設けて、当該経
    路を流れる洗浄水の温度を上げるようにしたことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のディフューザー
    ウォッシャーのスクリーン部の洗浄方法。
  7. 【請求項7】 加熱手段がスチームヒーターからなるこ
    とを特徴とする請求項6に記載のディフューザーウォッ
    シャーのスクリーン部の洗浄方法。
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