JP3240492B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

エンジンの吸気装置

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JP3240492B2 JP32606593A JP32606593A JP3240492B2 JP 3240492 B2 JP3240492 B2 JP 3240492B2 JP 32606593 A JP32606593 A JP 32606593A JP 32606593 A JP32606593 A JP 32606593A JP 3240492 B2 JP3240492 B2 JP 3240492B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気通路の気柱固有振
動数をエンジン回転数に同調させ共鳴過給効果を得るよ
うにしたエンジンの吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンにおいては、吸気通路内の気柱
の動的効果を利用して過給を行うものがある。共鳴過給
はその一例であって、ピストンの上下運動に伴って発生
する圧力波とその反転波若しくは巡回波の位相が一致す
る共鳴点(回転速度)での合成波を利用して吸気充填効
率を向上させるものであるが、その場合に、共鳴過給に
寄与する通路部分(以下、共鳴通路という。)が一定だ
と、共鳴過給効果が得られる回転領域が狭い範囲に限定
されてしまうことから、例えば実開昭60−34526
号公報に記載された多気筒機関の吸気装置では、吸気行
程が隣合わない気筒で構成される二つの気筒群に対し
て、気筒群毎に各気筒の独立吸気通路を集合させる吸気
集合部を設けるとともに、それら吸気集合部に対して長
短二つの共鳴通路を構成し、低速域と高速域とでそれら
共鳴通路を使い分けることによって広い範囲で共鳴過給
効果を得るようにしている。また、サージタンク下流の
独立吸気通路部分の吸気慣性効果を利用した慣性過給を
行うものがあるが、この場合にも、やはり広い範囲で過
給効果を得たいという要求があり、例えば特開昭58−
126422号公報に記載された内燃機関の吸気装置で
は、気筒毎に二つの独立吸気通路を設け、一方の独立吸
気通路に高速域で開弁する開閉弁を設けたものにおい
て、開閉弁を二つ直列に配置し、それらの開弁条件に差
をつけることによって、気柱固有振動数の同調域を広げ
るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】共鳴過給効果を利用し
て吸気充填効率を高めようとする場合に、低速域で十分
な共鳴効果を得るためには、吸気集合部から上流側圧力
反転部までの共鳴通路の通路長を長くとる必要があり、
また、高速域で共鳴効果を得るには、共鳴通路の通路長
を短めにする必要がある。そのため、低速域と高速域の
両方で共鳴過給効果を高めるには、例えば上記のように
長短二つの共鳴通路を使い分ける構成としなくてはなら
ない。しかしながら、吸気2弁で、気筒毎に二つの独立
吸気通路を持ち、その一方の独立吸気通路に高速域で開
弁する開閉弁を備えたエンジンにおいて、低速から高速
までの広い運転域で共鳴過給効果を高めようとする場合
には、上記のように単純に長短二つの共鳴通路を使い分
ける構成にはできない。そこで、このような吸気2弁の
エンジンでは、開閉弁を設けない方の独立吸気通路が連
通する吸気集合部に通路長の長い上流側吸気通路を接続
するとともに、開閉弁を設ける方の独立吸気通路が連通
する吸気集合部に通路長の短い別の上流側吸気通路を接
続するよう吸気系を取り回すことが考えらるが、それで
は、特にV型エンジンのように2列に気筒列バンクが配
置されたエンジンの場合には上流側吸気通路が4本で、
それぞれにスロットル弁を設けるような構成となり、吸
気系をコンパクトなものとすることができなくなる。
本発明はこのような問題点を解決するものであって、気
筒毎に複数の独立吸気通路を設けたエンジンにおいて、
共鳴過給効果によって低速から高速までの広い運転域で
吸気充填効率を高めることができ、かつ、コンパクトに
構成することのできるエンジンの吸気装置を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエンジンの
吸気装置は、気筒毎に複数の独立吸気通路を設けるとと
もに、吸気行程が隣合わない気筒で構成される第1と第
2の気筒群に対し、気筒群毎に各気筒の一方の独立吸気
通路を集合させる第1の吸気集合部と他方の独立吸気通
路を集合させる第2の吸気集合部を設けたエンジンの吸
気装置であって、第1の気筒群に対する第2の吸気集合
部と第2の気筒群に対する第1の吸気集合部とを、第1
の気筒群に対する第2の吸気集合部が吸気上流側で、第
2の気筒群に対する第1の吸気集合部が吸気下流側とな
るよう直列的に連通させる第1の上流側吸気通路と、第
2の気筒群に対する第2の吸気集合部と第1の気筒群に
対する第1の吸気集合部とを第2の気筒群に対する第2
の吸気集合部が吸気上流側で第1の気筒群に対する第1
の吸気集合部が吸気下流側となるよう直列的に連通させ
る第2の上流側吸気通路を設け、第1および第2の各上
流側吸気通路における吸気集合部間に、若しくは第1お
よび第2の各上流側吸気通路に対し連通順位が同一で共
に吸気上流側または吸気下流側の吸気集合部に集合する
各気筒群の気筒の各一方の独立吸気通路に高速域で開弁
する開閉弁を設け、かつ、第1および第2の各上流側吸
気通路を、吸気下流側で連通する方の吸気集合部から上
流側圧力反転部までの区間が開閉弁が閉弁する低速域で
同一の気柱固有振動数を有するものとなり、それぞれの
吸気集合部間が開閉弁が開弁する高速域で同一の気柱固
有振動数を有するものとなる通路形状としたことを特徴
とする。
【0005】このような構成のエンジンの吸気装置にお
いて、加速レスポンスを向上させるには、スロットル弁
を第1および第2の両上流側吸気通路にそれぞれ設ける
のがよい。
【0006】また、低速域において十分な共鳴効果を得
るためには、開閉弁は、第1および第2の各上流側吸気
通路に対し共に連通順位が同一で共に吸気上流側の吸気
集合部に集合する各気筒群の気筒の各一方の独立吸気通
路に設けるのがよい。 また、高速域において十分な共
鳴効果を得るためには、第1および第2の各上流側吸気
通路は、吸気集合部間の通路長がそれより吸気上流側で
圧力反転部までの区間の通路長よりも短いものとするの
がよい。
【0007】本発明の上記構成は、吸気行程が隣合わな
い気筒で構成される第1と第2の気筒群がそれぞれ気筒
列バンクを形成し2列に配列されたエンジン、例えばV
型エンジンとか水平対向エンジンにおいて特に好適であ
る。
【0008】本発明に係るエンジンの吸気装置は、より
具体的には、吸気行程が隣合わない気筒で構成される第
1と第2の気筒群がそれぞれ気筒列バンクを形成し2列
に配列されたエンジンにおいて、気筒毎に複数の独立吸
気通路を設けるとともに、吸気行程が隣合わない気筒で
構成される第1と第2の気筒群に対し、気筒群毎に各気
筒の一方の独立吸気通路を集合させる第1の吸気集合部
と他方の独立吸気通路を集合させる第2の吸気集合部を
設けたエンジンの吸気装置であって、第1の気筒群に対
する第2の吸気集合部と第2の気筒群に対する第1の吸
気集合部とを、第1の気筒群に対する第2の吸気集合部
が吸気上流側で、第2の気筒群に対する第1の吸気集合
部が吸気下流側となるよう直列的に連通させる第1の上
流側吸気通路と、第2の気筒群に対する第2の吸気集合
部と第1の気筒群に対する第1の吸気集合部とを第2の
気筒群に対する第2の吸気集合部が吸気上流側で第1の
気筒群に対する第1の吸気集合部が吸気下流側となるよ
う直列的に連通させる第2の上流側吸気通路を設け、第
1および第2の各上流側吸気通路に対し連通順位が同一
で共に吸気上流側の吸気集合部に集合する各気筒群の気
筒の各一方の独立吸気通路に高速域で開弁する開閉弁を
設け、かつ、第1および第2の各上流側吸気通路を、吸
気集合部間の通路長がそれより上流側で圧力反転部まで
の区間の通路長よりも短くて、吸気下流側で連通する方
の吸気集合部から上流側圧力反転部までの区間が開閉弁
が閉弁する低速域で同一の気柱固有振動数を有するもの
となり、それぞれの吸気集合部間が開閉弁が開弁する高
速域で相互に同一の気柱固有振動数を有するものとなる
通路形状とし、また、第1および第2の両上流側吸気通
路にそれぞれスロットル弁を設けたものとすることがで
きる。
【0009】
【作用】低速域においては、開閉弁が閉弁し、各気筒の
一方の独立吸気通路は上流側との連通が断たれ、他方の
独立吸気通路のみ上流側に連通する。そして、第1の気
筒群の各気筒の独立吸気通路の内の連通側の独立吸気通
路が第1の吸気集合部の一方を介して第2の上流側吸気
通路に連通し、また、第2の気筒群の各気筒の独立吸気
通路の内の連通側の独立吸気通路が第1の吸気集合部の
他方を介して第1の上流側吸気通路に連通する。このと
き、各気筒群は気筒の吸気行程が隣合わないため、例え
ば2列バンクの4サイクル6気筒エンジンの場合に、バ
ンク毎の気筒群の各気筒は吸気弁の閉タイミングが24
0゜ずつずれ、第1の吸気集合部には各気筒の圧力波が
オーバーラップせずに合成された形の振幅の大きい圧力
波(基本波)が発生する。そして、第1および第2の両
上流側吸気通路において吸気下流側で連通する方の上記
一方および他方の各第1の吸気集合部から上流側吸気通
路入口の圧力反転部までの区間が、同一の気柱振動数を
有する共鳴通路となり、それぞれの共鳴通路において、
各気筒群の圧力波と反射波の位相が略一致する回転域で
合成波の振幅が大きくなり、共鳴効果が発生して吸気充
填効率が向上する。
【0010】また、高速域においては、開閉弁が開弁
し、各気筒の複数の独立吸気通路が共に上流側に連通す
る。そして、第1の気筒群の各気筒の複数の独立吸気通
路は、一方の独立吸気通路が第2の吸気集合部の一方を
介して第1の上流側吸気通路に吸気上流側で連通し、他
方の独立吸気通路が第1の吸気集合部の一方を介して第
2の上流側吸気通路に吸気下流側で連通し、また、第2
の気筒群の各気筒の複数の独立吸気通路は、一方の独立
吸気通路が第2の吸気集合部の他方を介して第2の上流
側吸気通路に吸気上流側で連通し、他方の独立吸気通路
が第1の吸気集合部の他方を介して第1の上流側吸気通
路に吸気下流側で連通する。このときも、やはり、各気
筒群は気筒の吸気行程が隣合わないため、例えば2列バ
ンクの4サイクル6気筒エンジンの場合に、バンク毎の
気筒群の各気筒は吸気弁の閉タイミングが240゜ずつ
ずれ、第1および第2の吸気集合部には各気筒の圧力波
がオーバーラップせずに合成された形の振幅の大きい基
本圧力波が発生する。そして、第1および第2の両上流
側吸気通路において第1および第2の吸気集合部の間
が、同一の気柱振動数を有する共鳴通路となり、それぞ
れの共鳴通路において、各気筒群の基本圧力波と反射波
の位相が略一致する回転域で合成波の振幅が大きくな
り、共鳴効果が発生して吸気充填効率が向上する。
【0011】本発明によれば、開閉弁の閉弁および開弁
によって上記のように共鳴通路が切り替わり、低速域と
高速域の両方でそれぞれ共鳴過給効果が得られる。そし
て、各上流側吸気通路に対し吸気上流側の吸気集合部に
集合する独立吸気通路に開閉弁が設けられることによっ
て、開閉弁が閉弁する低速域の共鳴通路が長くなり、共
鳴過給効果が高まる。また、各上流側吸気通路の吸気集
合部間の通路長が短いものとされることにより、高速域
で大きな共鳴過給効果が得られる。
【0012】また、本発明によれが、気筒毎に複数設け
られた独立吸気通路が気筒群毎に二つの吸気集合部に集
合し、それらが2本の上流側吸気通路に連通するもので
あることによって、吸気系のコンパクトな取り回しが可
能となる。特に、V型等の2列バンクエンジンにおいて
は、吸気系を左右対称に配置することができ、コンパク
ト化が容易である。
【0013】また、本発明によれば、共鳴過給効果によ
ってスロットル全開時のトルクを確保できるので、スロ
ットル弁を各上流側吸気通路にそれぞれ設けることによ
ってスロットル弁下流のボリュームを小さくすることが
でき、それにより、加速レスポンスを向上させることが
できる。
【0014】図1〜図3は、6気筒エンジンにおける圧
力反転型の共鳴過給の原理を示すもので、まず、図1
は、6気筒エンジンの6個の気筒を点火順に第1気筒
(#1),第2気筒(#2),第3気筒(#3),第4
気筒(#4),第5気筒(#5),第6気筒(#6)と
し、点火順が連続しない(したがって吸気行程が隣合わ
ない)#1,#3,#5の3気筒を一つの気筒群とし、
同じく吸気行程が隣合わない#2,#4,#6をもう一
つの気筒群として、気筒群毎に各気筒の独立吸気通路を
吸気集合部に集合させ、両気筒群の吸気集合部をそれぞ
れの上流側吸気通路を介して圧力反転部(吸気入口)に
連通させてなるものについて、その吸気系の構造と圧力
波イメージを模式的に示している。また、この場合の動
的効果を解析するための圧力波形をV型6気筒エンジン
(V−6)の片バンクについて示したものが図2であ
り、エンジン回転速度に対する動的効果の変化をトルク
向上効果としてまとめたものが図3である。V−6の片
バンクを構成する#1−3−5の3気筒は、それぞれの
吸気期間が240゜とすると、図2のように吸気行程が
連続するようになる。図2に実線で示す波形は基本圧力
波で、破線は反射波である。そして、太い実線で示す波
形は基本圧力波と反射波との合成波である(#3の吸気
行程に対応する部分のみ図示)。図2は、基本圧力波と
反転波の位相が一致する共鳴点N0を基準とし、N0/3
ずつ回転速度を変えてそれぞれの場合の合成波を求めた
ものである。基本圧力波が上流に伝わり、反転して元の
位置に戻ってくるまでの時間は常に一定であるが、回転
速度によって位相差が異なり、合成波の振幅と位相が変
化する。そして、この合成波のBDC(下死点)〜IC
(吸気弁閉タイミング)間の積分値(図の斜線部分の面
積に相当する)が大きい程共鳴が大きく、エンジン回転
速度に対するトルク向上効果は図3のように変化する。
【0015】
【実施例】図4は本発明の一実施例の全体図である。こ
の実施例は、本発明をV型6気筒エンジンに適用したも
のであって、図において1は第1気筒(#1),第3気
筒(#3)および第5気筒(#5)からなる左バンク、
2は第2気筒(#),第4気筒(#4)および第6気筒
(#6)からなる右バンクである。左バンク1はエンジ
ン正面(図4の下側に相当)から見て左側に、また、右
バンク2はエンジン正面から見て右側に位置し、これら
のバンク1,2が左右2列でV型に配置されている。点
火は、#1−#2−#3−#4−#5−#6の順であ
る。
【0016】#1〜#6の各気筒は、吸気2弁であっ
て、左右バンク間にそれぞれにプライマリとセカンダリ
の二つの独立吸気通路3,4を設けている。そして、左
バンク1の三つの気筒(#1,#3,#5)を第1の気
筒群とし、右バンク2の三つの気筒(#2,#4,#
6)を第2の気筒群として、左バンク1の気筒群に対
し、各気筒(#1,#3,#5)のプライマリ側独立吸
気通路3を集合させる第1の吸気集合部5Aと、セカン
ダリ側独立吸気通路4を集合させる第2の吸気集合部6
Aを設け、また、同様に右バンク2の気筒群に対し、各
気筒(#2,#4,#6)のプライマリ側独立吸気通路
3を集合させる第1の吸気集合部5Bと、セカンダリ側
独立吸気通路4を集合させる第2の吸気集合部6Bを設
けている。また、左バンク1の気筒群に対する第2の吸
気集合部6Aと右バンク2の気筒群に対する第1の吸気
集合部5Bとを、第2の吸気集合部6Aが吸気上流側
で、第1の吸気集合部5Bが吸気下流側となるよう直列
的に連通させる第1の上流側吸気通路7を設け、また、
右バンク2の気筒群に対する第2の吸気集合部6Bと左
バンク1の気筒群に対する第1の吸気集合部5Aとを、
第2の吸気集合部6Bが吸気上流側で第1の吸気集合部
5Aが吸気下流側となるよう直列的に連通させる第2の
上流側吸気通路8を設けて、それら二つの上流側吸気通
路7,8を、左右バンク間に略対称配置となるよう取り
回し、エンジン正面側で上流側集合部9に集合させて、
図示しないエアクリーナに連通させている。そして、各
気筒(#1,#2,#3,#4,#5,#6)のセカン
ダリ側独立吸気通路4には、高速域で開弁する開閉弁1
0を設けている。これら開閉弁10は、左バンク側の3
弁を一連とし、右バンク側の3弁を一連として、それぞ
れアクチュエータ11A,11Bに連結したものであ
る。これらアクチュエータ11A,11Bはエンジン回
転数を入力信号としてコントロールユニット12により
制御する。
【0017】第1の上流側吸気通路7は、吸気上流側お
よび下流側の二つの吸気集合部6A,5Bの間の通路長
が、吸気上流側の吸気集合部6Aから上流側集合部9ま
での区間の通路長よりも短い。また、第2の上流側吸気
通路8も同様に、二つの吸気集合部6B,5Aの間の通
路長が、吸気上流側の吸気集合部6Bから上流側集合部
9までの区間の通路長よりも短い。また、二つの上流側
吸気通路7,8は、それぞれ、吸気下流側で連通する方
の第1の吸気集合部5A,5Bから上流側集合部9まで
の区間が、開閉弁10が閉弁する低速域でエンジン回転
数に同調する同一の気柱固有振動数を有するものとな
り、上流側と下流側の吸気集合部6Aと5B,6Bと5
Aの間が、開閉弁10が開弁する高速域でエンジン回転
数に同調する同一の気柱固有振動数を有するものとな
る。
【0018】また、第1および第2の両上流側吸気通路
7,8の上流側集合部9への集合位置の下流にそれぞれ
スロットル弁13A,13Bが設けられている。
【0019】図5はこの実施例において低速域と高速域
とで共鳴通路が切り替わる状態を示す模式図である。
【0020】低速域においては、開閉弁10が閉弁する
ことによって、図5の(a)に示すように、第2の独立
吸気通路4は上流側との連通が断たれ、第1の独立吸気
通路3のみ上流側に連通する。そして、左バンクの気筒
群の気筒(#1,#3,#5)の第1の独立吸気通路3
が第1の吸気集合部5Aを介して第2の上流側吸気通路
8に連通し、右バンクの気筒群の気筒(#2,#4,#
6)の第1の独立吸気通路3が第1の吸気集合部5Bを
介して第1の上流側吸気通路7に連通する。このとき、
各気筒群において、各気筒は吸気弁の閉タイミングが2
40゜ずつずれ、第1の吸気集合部5A,5Bには振幅
の大きい基本圧力波が発生する。そして、両上流側吸気
通路7,8において第1の吸気集合部5A,5Bから上
流側吸気集合部9までの区間が、同一の気柱振動数を有
する共鳴通路となり、かつ、それぞれの共鳴通路におい
て、各気筒群の基本圧力波と反射波の位相が略一致して
合成波の振幅が大きくなり、共鳴効果が発生して吸気充
填効率が向上する。
【0021】また、高速域においては、開閉弁10が開
弁し、図5の(b)に示すように、第1および第2の独
立吸気通路3,4が共に上流側に連通する。そして、左
バンクの気筒群の気筒(#1,#3,#5)は、第1の
独立吸気通路3が第1の吸気集合部5Aを介して第2の
上流側吸気通路8に吸気下流側で連通し、第2の独立吸
気通路4が第2の吸気集合部6Aを介して第1の上流側
吸気通路7に吸気上流側で連通し、また、右バンク第2
の気筒群の気筒(#2,#4,#6)は、第1の独立吸
気通路3が第1の吸気集合部5Bを介して第1の上流側
吸気通路7に吸気下流側で連通し、第2の独立吸気通路
4が第2の吸気集合部6Bを介して第2の上流側吸気通
路8に吸気上流側で連通する。このとき、第1の吸気集
合部5A,5Bおよび第2の吸気集合部6A、6Bには
合成された振幅の大きい基本圧力波が発生し、第1の上
流側吸気通路7の第1の吸気集合部5Bと第2の吸気集
合部6Aの間(A)と、同じく第2の上流側吸気通路8
の第1の吸気集合部5Aと第2の吸気集合部6Bの間
(B)が、同一の気柱振動数を有する共鳴通路となり、
それぞれの共鳴通路において、各気筒群の圧力波と反射
波の位相が略一致し、共鳴効果によって吸気充填効率が
向上する。
【0022】図6のこの実施例のエンジンのトルク特性
図である。エンジン回転数N1を境に低速側が開閉弁1
0の閉弁域であり、高速側が開弁域である。図の破線A
は閉弁状態でのトルクラインであり、破線Bは開弁状態
でのトルクラインである。低速域で閉弁状態とし、高速
域で開弁状態とするよう切り替えた場合のトルクライン
は実線Cのようになり、これにより全運転域でトルクが
向上する。図のNAは自然吸気の場合のトルクラインを
示す。
【0023】なお、上記実施例ではV型エンジンの場合
を説明したが、本発明は他の2列バンク型エンジン、例
えば水平対向式のエンジン等に好適であり、また、直列
エンジン等にも適用可能である。
【0024】また、上記実施例では、開閉弁を設けたセ
カンダリ側独立吸気通路が各上流側吸気通路に対し吸気
上流側となる吸気集合部に集合するものを説明したが、
開閉弁を各上流側吸気通路の対し吸気下流側となる吸気
集合部に集合する方の独立吸気通路に設けるような実施
例も可能である。また、開閉弁を、各上流側吸気通路に
おける吸気集合部間に設けるような実施例も可能であ
る。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、気筒毎に複数の独立吸気通路を設けたエンジンにお
いて、コンパクトな構成により、低速から高速までの広
い運転域で共鳴過給効果を利用して吸気充填効率を高め
るようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用に関し共鳴過給の原理を説明する
ための吸気系の構造と圧力波イメージの模式図
【図2】本発明の作用に関し共鳴による動的効果を解析
するための圧力波形図
【図3】本波形の作用に関し共鳴によるトルク向上効果
を説明する特性図
【図4】本発明の一実施例の全体図
【図5】本発明の一実施例における共鳴通路の切り替わ
りを示す模式図
【図6】本発明の一実施例のエンジンのトルク特性図
【符号の説明】
1 左バンク 2 右バンク 3 第1の独立吸気通路 4 第2の独立吸気通路 5A,5B 第1の吸気集合部 6A,6B 第2の吸気集合部 7 第1の上流側吸気通路 8 第2の上流側吸気通路 9 上流側吸気集合部(圧力反転部) 10 開閉弁

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒毎に複数の独立吸気通路を設けると
    ともに、吸気行程が隣合わない気筒で構成される第1と
    第2の気筒群に対し、気筒群毎に各気筒の一方の独立吸
    気通路を集合させる第1の吸気集合部と他方の独立吸気
    通路を集合させる第2の吸気集合部を設けたエンジンの
    吸気装置であって、前記第1の気筒群に対する第2の吸
    気集合部と前記第2の気筒群に対する第1の吸気集合部
    とを、前記第1の気筒群に対する第2の吸気集合部が吸
    気上流側で、前記第2の気筒群に対する第1の吸気集合
    部が吸気下流側となるよう直列的に連通させる第1の上
    流側吸気通路と、前記第2の気筒群に対する第2の吸気
    集合部と前記第1の気筒群に対する第1の吸気集合部と
    を前記第2の気筒群に対する第2の吸気集合部が吸気上
    流側で前記第1の気筒群に対する第1の吸気集合部が吸
    気下流側となるよう直列的に連通させる第2の上流側吸
    気通路を設け、前記第1および第2の各上流側吸気通路
    における吸気集合部間に、若しくは前記第1および第2
    の各上流側吸気通路に対し連通順位が同一で共に吸気上
    流側または吸気下流側の吸気集合部に集合する各気筒群
    の気筒の各一方の独立吸気通路に高速域で開弁する開閉
    弁を設け、かつ、前記第1および第2の各上流側吸気通
    路を、吸気下流側で連通する方の吸気集合部から上流側
    圧力反転部までの区間が前記開閉弁が閉弁する低速域で
    同一の気柱固有振動数を有するものとなり、それぞれの
    吸気集合部間が前記開閉弁が開弁する高速域で同一の気
    柱固有振動数を有するものとなる通路形状としたことを
    特徴とするエンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の両上流側吸気通路
    にそれぞれスロットル弁を設けた請求項1記載のエンジ
    ンの吸気装置。
  3. 【請求項3】 前記開閉弁は、前記第1および第2の各
    上流側吸気通路に対し共に連通順位が同一で共に吸気上
    流側の吸気集合部に集合する各気筒群の気筒の各一方の
    独立吸気通路に設けたものである請求項1記載のエンジ
    ンの吸気装置。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の各上流側吸気通路
    は、吸気集合部間の通路長がそれより吸気上流側で圧力
    反転部までの区間の通路長よりも短い請求項1または3
    記載のエンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 当該エンジンは吸気行程が隣合わない気
    筒で構成される第1と第2の気筒群がそれぞれ気筒列バ
    ンクを形成し2列に配列されたものである請求項1また
    は4記載のエンジンの吸気装置。
  6. 【請求項6】 吸気行程が隣合わない気筒で構成される
    第1と第2の気筒群がそれぞれ気筒列バンクを形成し2
    列に配列されたエンジンにおいて、気筒毎に複数の独立
    吸気通路を設けるとともに、吸気行程が隣合わない気筒
    で構成される第1と第2の気筒群に対し、気筒群毎に各
    気筒の一方の独立吸気通路を集合させる第1の吸気集合
    部と他方の独立吸気通路を集合させる第2の吸気集合部
    を設けたエンジンの吸気装置であって、前記第1の気筒
    群に対する第2の吸気集合部と前記第2の気筒群に対す
    る第1の吸気集合部とを、前記第1の気筒群に対する第
    2の吸気集合部が吸気上流側で、前記第2の気筒群に対
    する第1の吸気集合部が吸気下流側となるよう直列的に
    連通させる第1の上流側吸気通路と、前記第2の気筒群
    に対する第2の吸気集合部と前記第1の気筒群に対する
    第1の吸気集合部とを前記第2の気筒群に対する第2の
    吸気集合部が吸気上流側で前記第1の気筒群に対する第
    1の吸気集合部が吸気下流側となるよう直列的に連通さ
    せる第2の上流側吸気通路を設け、前記第1および第2
    の各上流側吸気通路に対し連通順位が同一で共に吸気上
    流側の吸気集合部に集合する各気筒群の気筒の各一方の
    独立吸気通路に高速域で開弁する開閉弁を設け、かつ、
    前記第1および第2の各上流側吸気通路を、吸気集合部
    間の通路長がそれより吸気上流側で圧力反転部までの区
    間の通路長よりも短くて、吸気下流側で連通する方の吸
    気集合部から上流側圧力反転部までの区間が前記開閉弁
    が閉弁する低速域で同一の気柱固有振動数を有するもの
    となり、それぞれの吸気集合部間が前記開閉弁が開弁す
    る高速域で同一の気柱固有振動数を有するものとなる通
    路形状とし、また、前記第1および第2の両上流側吸気
    通路にそれぞれスロットル弁を設けたことを特徴とする
    エンジンの吸気装置。
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