JP3232498B2 - 一方向に高い熱伝導率を有する炭素繊維強化炭素材料 - Google Patents

一方向に高い熱伝導率を有する炭素繊維強化炭素材料

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JP3232498B2 JP20126994A JP20126994A JP3232498B2 JP 3232498 B2 JP3232498 B2 JP 3232498B2 JP 20126994 A JP20126994 A JP 20126994A JP 20126994 A JP20126994 A JP 20126994A JP 3232498 B2 JP3232498 B2 JP 3232498B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一方向に高い熱伝導率を
有し、かつ耐熱衝撃性に優れた炭素繊維強化炭素材料に
関し、核融合炉壁材を始めとする高温炉部材,耐熱構造
材等に好適に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維強化炭素材料は焼結炭素材料に
比して高い熱伝導率と耐熱衝撃性を有しているが、さら
に高水準のものが望まれている。また核融合炉壁材など
の用途では、一方向に高い熱伝導率を有し、かつ耐熱衝
撃性に優れたものの開発が望まれている。
【0003】従来の炭素繊維強化炭素材料としては、次
の(1) 〜(4) が代表的なものである。 (1) 炭素繊維織物積層品をフィラーとするもの。 (2) 炭素繊維不織布(フェルトなど)を積層し、フィラ
ーとするもの。 (3) 炭素繊維のチョップをフィラーとしマトリックス中
に分散したもの。 (4) 炭素繊維を一方向に引き揃えて積層しフィラーとし
たもの。
【0004】しかし、上記の (1),(2),(3)については、
基本的に熱は繊維軸に沿って流れるため、核融合炉壁材
など一方向(内部から外部)の熱伝導性が要求される用
途においては、必ずしも高い熱伝導率が得られなかっ
た。 また(4) については、一方向に高い熱伝導性があ
る点はすぐれているが、層間剪断強度が低く、耐熱衝撃
性に難がある。そこで耐熱衝撃性を向上させるために、
3次元構造体により炭素繊維強化炭素材を構成すること
が考えられるが、これはコスト、生産面での負担が大き
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術の欠点を解消し、巻き込んだ軸に平行な方向、垂直な
方向だけでなく、任意の方向の熱伝導率を高めることが
でき、耐熱衝撃性、層間剪断強度の面でも非常に有効な
疑似3次元構造を有する構造でしかもコスト、生産面で
も有利な炭素繊維強化炭素材料を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために、炭素繊維強化炭素材料において、一
方向成分が多いと同時に、縦糸の配列数と横糸の配列数
を特定の範囲に定めた織布を縦糸を軸方向にのり巻き状
に巻き込むことにより、軸方向の熱伝導率を高くするこ
とができ、かつすぐれた耐熱衝撃性、層間剪断破壊に有
利な、疑似3次元構造を有する材料を発明するにいたっ
たものである。
【0007】すなわち本発明は、炭素繊維フィラーと合
成樹脂および/またはピッチ類を加熱によって炭化した
マトリックスとからなる炭素繊維強化炭素材料におい
て、炭素繊維フィラーが縦糸の配列数n(本/cm)と
横糸の配列数m(本/cm)との間にn/m=3〜10
の関係にある炭素繊維織布を縦糸を軸方向にのり巻き状
に巻き込んで構成されることを特徴とする炭素繊維強化
炭素材料である。
【0008】本発明について、さらに詳細に以下に述べ
る。本発明の炭素繊維強化炭素材料は、次のように製造
される。まず、フィラーとして炭素繊維の束を用いて織
布を作成するが、この時縦糸の配列数n(本/cm)と
横糸の配列数m(本/cm)につき次のように数値を特
定する。すなわちn/m=3〜10の範囲となるように
して織布を作製する。n/m<3では熱伝導率の方向性
がなくなり、良好な熱伝導性が得られなくなる。またn
/m>10では層間剪断強度が小さくなり、耐熱衝撃性
が低下する。上記のような織布を経糸方向に巻き込んだ
ものをフィラーとする。
【0009】マトリックスとしては、フェノール樹脂,
フラン樹脂など加熱により炭化する合成樹脂やピッチ類
が用いられる。繊維体積率(Vf)は40〜60%が好
ましい。60%以上では炭素化あるいは緻密化の工程で
層間の割れが発生し易くなるので好ましくなく、40%
以下ではマトリックス炭素が多くなるため機械特性が急
激に低下する。
【0010】フイラーとマトリックスの複合について
は、まず炭素繊維織布に樹脂またはピッチを含浸して、
半硬化(プリプレグ)した後、のり巻き状に巻き込んで
から、樹脂またはピッチを含浸してもよい。そして所定
の型内で成形、硬化してから約1000℃まで熱処理して炭
化する。炭化後さらにピッチ又は樹脂含浸し、炭化する
含浸焼成を数回くり返し緻密化してもよい。さらに必要
であれば炭化したものを 3000 ℃でまで熱処理して黒鉛
化してもよい。
【0011】上記のようにして、のり巻状に巻き込んで
構成することにより、本発明の炭素繊維強化炭素は、断
面がうず巻き状の構造となり、これにより製品の強度に
つき疑似3次元構造的効果が得られる。上記のようにし
て、一方向成分を主体としながらも、縦糸と横糸が特定
の割合で配列されている織布を縦糸を軸方向にのり巻き
状に巻込んだ炭素繊維強化炭素材料が製造される。
【0012】本発明の炭素繊維強化炭素材の断面は円柱
状のものでも角型のものでもよい。
【0013】
【実施例1】炭素繊維を縦糸の配列数n(本/cm)と
横糸の配列数m(本/cm)との間がn/m=3、6、
10となるように織布を作製し、これにフェノール樹脂
を含浸、半硬化したプリプレグを作製した。
【0014】これを縦糸を軸方向にのり巻き状に巻き込
んで成形圧30kg/cm2、温度150 ℃にてプレス成形し 3
0 ×30×200 mmの成形体を得た。これを1000℃まで加
熱、炭化し、ついでピッチを含浸 1000 ℃までの炭化す
る含浸焼成を3回繰り返し、さらに3000℃まで熱処理し
て黒鉛化した。
【0015】このようにして製造した炭素繊維強化炭素
材料を耐熱衝撃性を評価するため約2000℃の黒鉛化
炉に投入したが製品の破壊等は生じなかった。また熱伝
導率は2000℃、3000℃処理品を巻き込んだ方
向、巻き込んだ軸方向で測定したところ図1の通りであ
った。
【0016】
【化1】
【0017】
【比較例1】炭素繊維を縦糸の配列数n(本/cm)と
横糸の配列数m(本/cm)との間がn/m=1となる
ようにし、実施例1と同一の方法、条件で炭素繊維強化
炭素材料を得た。炭素繊維強化炭素材料の特性を実施例
1と同一の方法で耐熱衝撃性を評価したところ、製品の
破壊は生じなかった。しかし、熱伝導率については、実
施例1と同様に測定したところ図1に示すように良好な
ものが得られなかった。
【0018】
【比較例2】炭素繊維を縦糸の配列数n(本/cm)と
横糸の配列数m(本/cm)との間がn/m=12とな
るようにし、実施例1と同一の方法、条件で炭素繊維強
化炭素材料を得た。得られた炭素繊維強化炭素材料の耐
熱衝撃性を評価したところ、製品にクラックが生じた。
また熱伝導率については、実施例1と同様に測定したと
ころ図1の通りであった。
【0019】
【比較例3】炭素繊維不織布にフェノール樹脂を含浸、
半硬化したプリプレグを作製し、これを成形圧30kg/c
m2、温度 150℃にてプレス成形し 30 × 30 × 200mm
の成形体を得た。これを1000℃まで加熱、炭化し、つい
でピッチを含浸 1000 ℃までの炭化する含浸焼成を3回
繰り返し、さらに 3000 ℃まで熱処理して黒鉛化した。
【0020】得られた炭素繊維強化炭素材料を実施例1
と同一の方法で耐熱衝撃性を評価したところ、層間クラ
ックが生じた。
【0021】
【比較例4】炭素繊維を一方向に引揃え、これにフェノ
ール樹脂を含浸、半硬化したプリプレグシートを積層し
た。これを成形圧30kg/cm2、温度150 ℃にてプレス成
形し30 × 30 ×200 mmの成形体を得た。これを1000
℃まで加熱炭化し、ついでピッチを含浸 1000 ℃までの
炭化する含浸焼成を3回繰り返し、さらに 3000 ℃まで
熱処理して黒鉛化した。得られた炭素繊維強化炭素材料
を実施例1と同一の方法で耐熱衝撃性を評価したところ
クラックを生じた。
【0022】以上のように実施例1のように炭素繊維の
縦糸の配列数n(本/cm)と横糸の配列数m(本/c
m)との間がn/m=3〜10の範囲にすると、耐熱衝
撃性にすぐれ、かつ良好な熱伝率の製品が得られること
がわかった。
【0023】
【発明の効果】本発明によると、炭素繊維強化炭素材料
において、一方向成分を主体としながら縦糸と横糸の配
列数を特定した織布をたて糸を軸方向にのり巻き状に巻
き込むことにより、高い熱伝導率を有し、かつ耐熱衝撃
性にもすぐれた材料をコスト、生産面でも三次元構造体
のようにコスト負担をかけることなく製造できる。本発
明の炭素繊維強化炭素材料は、核融合炉壁材、耐熱構造
材等にきわめて好適である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維フィラーと合成樹脂および/ま
    たはピツチ類を加熱によって炭化したマトリックスとか
    らなる炭素繊維強化炭素材料であって、炭素繊維フィラ
    ーが縦糸の配列数n(本/cm)と横糸の配列数m(本
    /cm)との間にn/m=3〜10の関係にある炭素繊
    維織布を縦糸を軸方向にのり巻状に巻き込んで構成され
    ることを特徴とする炭素繊維強化炭素材料。
JP20126994A 1994-04-28 1994-04-28 一方向に高い熱伝導率を有する炭素繊維強化炭素材料 Expired - Lifetime JP3232498B2 (ja)

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