JP3230275B2 - トルクコンバータ付内燃機関の出力推定装置 - Google Patents

トルクコンバータ付内燃機関の出力推定装置

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JP3230275B2
JP3230275B2 JP9688892A JP9688892A JP3230275B2 JP 3230275 B2 JP3230275 B2 JP 3230275B2 JP 9688892 A JP9688892 A JP 9688892A JP 9688892 A JP9688892 A JP 9688892A JP 3230275 B2 JP3230275 B2 JP 3230275B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ロックアップ機構を
備えたトルクコンバータが機関出力軸に接続されてなる
内燃機関において、ロックアップ中におけるトルクコン
バータ出力トルク(タービントルク)を、トルクセンサ
を用いずに推定するトルクコンバータ付内燃機関の出力
推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用内燃機関に用いられる自動変速
機の多くは、トルクコンバータと補助変速機とを組み合
わせた構成となっており、更に、トルクコンバータに、
ポンプ側とタービン側とを直結するロックアップ機構を
設けたものも広く採用されている。上記補助変速機にお
いては、複数のクラッチ等の摩擦要素を選択的に作動さ
せて変速段の切換をおこなっているが、その変速時のシ
ョックを軽減するためには、補助変速機に入力されるト
ルクつまりトルクコンバータのタービントルクを検出
し、該タービントルクに応じてクラッチ締結油圧等を制
御することが望まれる。しかし、トルクコンバータと補
助変速機は、極めて近接したレイアウトとなっており、
実質的に一体のハウジング内に収容されているので、ト
ルクコンバータと補助変速機との間にタービントルク検
出用のトルクセンサを配設することはレイアウト上困難
である。
【0003】そのため、このタービントルクを、他のパ
ラメータから推定する方法が種々考案されている。例え
ば、本出願人が先に提案した特開平1−116363号
公報では、燃料噴射パルス幅が機関の出力トルクに略比
例することを利用して、該燃料噴射パルス幅と機関回転
数とからテーブルルックアップ方式により最適なライン
圧を決定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法では、機関のフリクションや補機駆動に伴う
損失トルクが正確に検出できないので、タービントルク
の推定の精度を高く得ることは難しい。仮に損失トルク
を予め実験的に求めておき、これをデータテーブルの値
に反映させるようにしたとしても、実際に生じる損失ト
ルクにはかなりのばらつきがあるので、誤差が伴ってし
まう。
【0005】一方、本出願人は、先に特願平2−209
867号において、トルクコンバータの既知の容量係数
Cを利用し、該容量係数Cと機関回転数Neとトルク比
teとからタービントルクTtを、 Tt=te×C×Ne2 として求めるようにした方法を提案しているが、この場
合、トルクコンバータが作用する領域では精度よくター
ビントルクTtを検出できる反面、トルクコンバータが
作用しないロックアップ領域では、その算出が不可能と
なってしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明では、
非ロックアップ中に損失トルクを学習値として求めてお
き、ロックアップ中はこの学習値を用いてタービントル
クを精度よく推定するようにした。すなわち、この発明
に係るトルクコンバータ付内燃機関の出力推定装置は、
図1に示すように、ロックアップ機構1を備えたトルク
コンバータ2が機関出力軸に接続されてなる内燃機関に
おいて、機関回転数Neを検出する機関回転数検出手段
3と、トルクコンバータ2のタービン回転数Ntを検出
するタービン回転数検出手段4と、シリンダ内に吸入さ
れる空気量を示すパラメータに基づいて内燃機関が発生
すべき発生トルクTiを推定する発生トルク推定手段5
と、ロックアップ機構1の非ロックアップ中に、そのと
きのトルクコンバータ速度比eに基づいてトルクコンバ
ータ容量係数Cを求める容量係数設定手段6と、このト
ルクコンバータ容量係数Cと機関回転数Neとからトル
クコンバータ2のポンプトルクTeを推定するポンプト
ルク推定手段7と、このポンプトルクTeと発生トルク
Tiとの差として損失トルクTfを求め、損失負荷条件
をパラメータとする学習値として該損失トルクTfを逐
次更新,学習する学習手段8と、ロックアップ機構1の
ロックアップ中に、そのときの損失負荷条件に対応する
損失トルクTfを上記学習値に基づいて設定する損失ト
ルク設定手段9と、この損失トルクTfと発生トルクT
iとからロックアップ中のトルクコンバータのタービン
トルクTtを求めるタービントルク推定手段10と、を
備えて構成されている。
【0007】
【作用】内燃機関が燃焼に伴って発生すべき発生トルク
Tiは、機関のシリンダ内に吸入される空気量に略比例
したものとなる。なお、このシリンダ内吸入空気量は、
例えば、エアフロメータにて検出される機関吸入空気量
Qと機関回転数Neとから、Q/Neとして示される。
そして、この発生トルクTiからフリクションや補機駆
動トルク等の損失トルクTfを差し引いたものが、外部
へ出力されるトルクつまりトルクコンバータ2へ入力さ
れるポンプトルクTeとなる。
【0008】一方、トルクコンバータ2の容量係数C
は、C=Te/Ne2 として定義されているが、この
容量係数Cは、既知の特性に沿って変化するので、トル
クコンバータ速度比eが判れば、これに対応する容量係
数Cが求められる。尚、速度比eは、機関回転数Neと
タービン回転数Ntとから、e=Nt/Neとして求ま
る。従って、ポンプトルク推定手段7では、Te=C×
Ne2の関係に基づいてポンプトルクTeを推定する。
【0009】そして、上記の発生トルクTiとポンプト
ルクTeとの差(Ti−Te)が、そのときの損失トル
クTfとなる。この損失トルクTfは、例えばエアコン
用コンプレッサやオルタネータ、オイルポンプ等の補機
類によるものと、フリクションによるものとが比較的大
きな比重を占め、コンプレッサのON,OFFやオルタ
ネータの電気負荷あるいはフリクションの大小に影響す
る冷却水温などの損失負荷条件によって異なる値とな
る。そこで、学習手段8では、これらの損失負荷条件を
パラメータとする学習値として、算出した損失トルクT
fを割り付け、逐次更新していく。従って、機関の運転
を行う中で、非ロックアップ中に、種々の損失負荷条件
に対応する損失トルクTfが学習値として与えられる。
【0010】ロックアップ機構1がロックアップした状
態では、容量係数Cを用いたポンプトルクTeの推定は
不可能となる。この場合、そのときの損失負荷条件つま
りコンプレッサのON,OFF状態やオルタネータの電
気負荷の大小などに基づき、これに対応する損失トルク
Tfを、上記学習値から求める。そして、内燃機関が燃
焼により発生すべきトルクつまり発生トルクTiは、発
生トルク推定手段5によってロックアップ中も求められ
るので、この発生トルクTiから上記損失トルクTfを
差し引いてタービントルクTt(ロックアップ中である
からポンプトルクTeと等しい)が推定される。
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。
【0012】図2は、この発明に係る出力推定装置を備
えた自動車の駆動系およびその制御系の機械的構成を示
している。同図において、11は電子制御燃料噴射式の
内燃機関、12はこの内燃機関11の出力軸13に接続
されたトルクコンバータ、14はトルクコンバータ12
とともに自動変速機33を構成する補助変速機である。
この補助変速機14の出力軸15は、ディファレンシャ
ルギヤ16を介して駆動輪17に連係している。トルク
コンバータ12のポンプ12aは、内燃機関11の出力
軸13に結合されており、タービン12bは補助変速機
14の入力軸18に結合されている。また、このトルク
コンバータ12は、タービン12b側を内燃機関11の
出力軸13と直結状態とするロックアップ機構19を備
えている。
【0013】この実施例では、内燃機関11の燃料噴射
量や点火時期等を総合的に制御するエンジンコントロー
ルユニット20と、自動変速機33の変速段の切換やロ
ックアップ機構19の制御さらにはライン圧制御等を司
るATコントロールユニット21とが、それぞれ別個に
設けられている。ATコントロールユニット21は、コ
ントロールバルブ22を介して補助変速機14の各種摩
擦要素への油圧供給を制御しているとともに、ライン圧
制御用デューティソレノイド23を介してライン圧を制
御している。
【0014】主たるセンサ類としては、機関吸入空気量
Qを計測する熱線式エアフロメータ等からなる吸入空気
量センサ24と、スロットル開度を検出するスロットル
センサ25と、補助変速機14の出力軸15の回転数N
oを検出する出力軸回転数センサ26と、機関回転数N
eを検出する機関回転数センサ27と、補助変速機14
入力軸18の回転数つまりタービン回転数Ntを検出す
るタービン回転数センサ28とを備えており、それぞれ
の検出信号がエンジンコントロールユニット20あるい
はATコントロールユニット21に入力されている。な
お、補助変速機の出力軸回転数Noによって車速VSP
が求められる。
【0015】また、損失負荷条件を示すセンサ類とし
て、機関冷却水温tempを検出する水温センサ29
と、エアコンのコンプレッサのON,OFF状態SWa
cを示すエアコンスイッチ30と、オルタネータに負荷
として作用する電流Iagcの大小を検出するオルタネ
ータ電流センサ31と、自動変速機33のライン圧PL
を検出するライン圧センサ32とを備えており、それぞ
れの検出信号がエンジンコントロールユニット20ある
いはATコントロールユニット21に入力されている。
なお、エンジンコントロールユニット20とATコント
ロールユニット21との間では、必要な信号が相互にや
りとりされている。
【0016】損失トルクTfは、いくつかの要因からな
るが、本実施例では、エアコンコンプレッサによる損失
Tcと、オルタネータの電気負荷Taと、フリクション
(ポンピングロスを含む)Tfrと、オイルポンプフリ
クションTopとの4つに着目している。ここで、エア
コンコンプレッサ損失Tcは、上記SWacと機関回転
数Neとの関数と考えることができる。同様に、電気負
荷Taは電流Iagcの関数、フリクションTfrは水
温tempと機関回転数Neとの関数、オイルポンプフ
リクションTopはライン圧PLと機関回転数Neとの
関数と考えることができる。従って、損失トルクTf全
体を、SWac,Ne,Iagc,temp、PLの5
次元のパラメータにて示すことができ、本実施例では、
一例としてこの5次元のパラメータ配列でもって損失ト
ルクTfを学習するようになっている。
【0017】次に、図3以降のフローチャートに基づい
て上記実施例の作用を説明する。なお、この実施例で
は、推定したタービントルクTtを最終的に補助変速機
14におけるクラッチ締結油圧の制御に用いている。
【0018】図3,図4のフローチャートは、エンジン
コントロールユニット20において例えば10ms毎に
実行される出力推定処理の流れを示すもので、ここで
は、主にタービントルクTtの算出および学習を行って
いる。
【0019】先ず、ステップ1では、各種検出信号の読
み込みを行う。具体的には、機関回転数Neと、タービ
ン回転数Ntと、補助変速機14の出力軸回転数No
と、エアコンスイッチ30の信号SWacと、オルタネ
ータ電流Iagcと、冷却水温tempと、ライン圧P
Lとを読み込む。ステップ2では、補助変速機14のギ
ア比grを、gr=Nt/Noとして求め、かつトルク
コンバータ12の速度比eを、e=Nt/Neとして求
める。さらに、ステップ3で、上記速度比eに基づい
て、トルク比teを所定のデータテーブルから検索す
る。図7は、速度比eとトルク比teとの関係の一例を
示したもので、この特性に沿ってトルク比teが与えら
れる。
【0020】次に、ステップ4で、内燃機関11が発生
すべき発生トルクTiを推定する。具体的には、図8に
示す特性の機関吸入空気量Qと機関回転数Neとをパラ
メータとするマップから、そのときの運転条件に対応す
る発生トルクTiを検索する。なお、この例では、Q/
Neの値がシリンダに実際に吸入される空気量を示すパ
ラメータとなり、これに略比例して発生トルクTiが得
られるが、このほか、スロットル下流の吸気管圧力、あ
るいはスロットル開度と機関回転数Neなどによっても
シリンダ内に実際に吸入される空気量が示されるので、
これらに基づいて発生トルクTiを推定することもでき
る。
【0021】次に、ステップ5で、初回か否かを判定
し、初回のみステップ6へ進んで、損失トルクTfの初
期値を前回の学習値に基づいて設定する。詳しくは、損
失トルクTfの学習値が、前述したように、損失負荷条
件となるSWac,Ne,Iagc,temp、PLの
5次元のパラメータ配列でもって格納されているので、
そのときのエアコンON,OFF等の損失負荷条件に対
応する学習値を学習メモリから読み出し、これを損失ト
ルクTfの初期値として設定する。
【0022】初回以外は、ステップ7へ進み、ロックア
ップ機構19がロックアップ状態であるか否かを判定す
る。なお、これはロックアップ機構19を駆動するロッ
クアップ信号に基づいて判定される。
【0023】非ロックアップ状態であれば、ステップ
8,9へ進み、トルクコンバータ12のポンプトルクT
eとタービントルクTtとをトルクコンバータ12の既
知の特性を利用して推定する。すなわち、トルクコンバ
ータ12の容量係数Cは、C=Te/Ne2 として定義
されるものであり、かつ図7に示すように、トルクコン
バータ12の速度比eに対して所定の特性に沿って変化
するので、先ず、図7のような特性のマップからそのと
きの速度比eに対応する容量係数Cを検索する(ステッ
プ8)。そして、この容量係数Cと機関回転数Neとを
用いて、ポンプトルクTeを、Te=C×Ne2として
算出する。さらに、ステップ2で求めたトルク比teを
用いて、タービントルクTtを、Tt=Te×teとし
て算出する(ステップ9)。上記のポンプトルクTe
は、非ロックアップ中に内燃機関11が実際に外部へ出
力しているトルクに相当する。またタービントルクTt
は、補助変速機14へ入力されるトルクである。
【0024】ステップ9に続くステップ10では、外部
出力トルクに相当するポンプトルクTeとシリンダ吸入
空気量から推定した発生トルクTiとの差(Ti−T
e)として、損失トルクTfを算出する。そして、ステ
ップ11で、損失負荷条件となるSWac,Ne,Ia
gc,temp、PLの5次元のパラメータ配列に対す
る学習値として、上記損失トルクTfを学習する。
【0025】従って、非ロックアップ状態で運転が継続
されると、種々の損失負荷条件に対して割り付けられた
損失トルクTf学習値が、逐次更新される形となる。
【0026】一方、ステップ7でロックアップ中である
と判定した場合には、ステップ12へ進み、そのときの
損失負荷条件に対応する損失トルクTfを、学習値に基
づいて設定する。つまり、5次元のパラメータ配列を有
する学習メモリから、損失負荷条件に該当する学習値を
読み出し、損失トルクTfとして設定する。そして、ス
テップ13で、この損失トルクTfを用い、発生トルク
Tiと損失トルクTfとの差(Ti−Tf)として、内
燃機関11が外部へ出力するタービントルクTtを算出
する。なお、ロックアップ状態であるため、ポンプトル
クTeとタービントルクTtとは等しい。
【0027】次に、上記のタービントルクTt等を用い
たクラッチ締結油圧の制御について説明する。図5のフ
ローチャートは、この変速時のクラッチ締結油圧の制御
を示している。なお、ここで決定されたクラッチ締結油
圧Pclの制御信号自体は図6に示すルーチンによっ
て、例えば10ms毎に出力される。
【0028】図5のフローチャートのステップ21は、
所定の変速パターンに従って変速の時期や態様を決定す
る変速判断部であって、その詳細な説明は省略する。そ
して、この変速判断部において変速実行と決定した場合
にのみステップ22以降の変速制御部へ進む。
【0029】ステップ22では、この変速制御部のルー
チンを実行するのが初回か否かを判定し、初回であれば
ステップ23へ進む。このステップ23では、先ずこの
変速制御部のルーチンの実行回数をカウントするカウン
タCNTをリセットし、かつ変速の目標ギア比grmを
決定する。この目標ギア比grmは、変速判断部が例え
ば2速→3速の変速を行おうとするのであれば、変速終
了時の3速のギア比が該当する。さらに、最適な変速時
間tmrを機関運転条件に基づいて決定する。この変速
時間tmrは、運転条件毎に予め設定されている値であ
って、例えば、高速回転域ほど短い値となる(図9
(a)参照)。尚、機関運転条件と変速段とを組み合わ
せて変速時間tmrを設定するようにしてもよい。
【0030】次にステップ24へ進み、変速直前の変速
機出力軸トルクToをタービントルクTt等から次式に
基づいて算出する。
【0031】To=Tt×gr+Nodt×Io 但し、ギア比grは変速直前のギア比であり、上記の2
速→3速の例では2速のギア比が該当する。タービント
ルクTtは、前述したステップ9もしくはステップ13
で逐次求めた値が用いられる。Nodtは、変速機出力
軸15の回転数Noを微分した回転変化率であり、換言
すれば車両加速度に相当する。またIoは、予め与えら
れる駆動系のイナーシャである。
【0032】次にステップ25へ進み、上記の変速機出
力軸トルクToに基づいて変速機入力軸18の回転変化
率目標値Ntdtの初期値を設定する。具体的には、出
力軸トルクToをパラメータとする所定のデータテーブ
ルからNtdtの初期値を検索する。そして、ステップ
26で、このNtdtの初期値を変速時間tmrで除し
て、単位時間当たりに変化させるべきNtdtの割合N
tstepを求める(図9(b)参照)一方、2回目以
降のルーチンでは、ステップ22からステップ27以降
へ進む。ステップ27では、カウンタCNTをインクリ
メントし、かつステップ28でその値が所定の期間tm
rに達したか判定する。tmrに達していれば、変速が
終了したものとして、ステップ33へ進む。またtmr
未満であれば、次にステップ29で実際のギア比grが
目標ギア比grmに達したか判定する。目標ギア比gr
mに達している場合もやはり変速が終了したものとし
て、ステップ33へ進む。ステップ33では、クラッチ
締結油圧Pclとして最大油圧とすべくfull指令を
出力する。
【0033】ステップ28,29で変速終了と判定され
るまでは、ステップ30〜32の処理を繰り返し行う。
すなわち、ステップ30で、次式により必要なクラッチ
締結力Tclを算出する。
【0034】 Tcl=Tt×I1+Ntdt×I2+Nodt×I3 但し、I1〜I3は、それぞれ所定の各部のイナーシャ
およびギア比grにより求まる係数である。また、Nt
dtは後述するステップ32で回転変化率目標値として
逐次求められる値が用いられる。さらに、Nodtは前
述したように変速機出力軸15の回転数NOを微分した
回転変化率であり、逐次算出される。同様に、タービン
トルクTtは、前述したステップ9もしくはステップ1
3で逐次求めた値が用いられる。
【0035】そして、ステップ31で、上記のクラッチ
締結力Tclを所定のクラッチ係数kclで除して必要
なクラッチ締結油圧Pclを逐次求める。また、ステッ
プ32では、そのときの変速機入力軸18の回転変化率
目標値Ntdtからステップ26で決定した一定値Nt
stepを減じて次の回転変化率目標値Ntdtを設定
する。ここで求めた新たな回転変化率目標値Ntdt
が、次のルーチンのステップ30の演算において用いら
れる。従って、この回転変化率目標値Ntdtは、変速
時間tmrの間に、徐々に減少する。そして、この変速
機入力軸18の回転変化率がこの目標値Ntdtに沿う
ようにクラッチ締結油圧Pclが制御されることにな
る。
【0036】図9は、例えば、2速から3速へ自動的に
変速がなされた場合の、(a)変速機出力軸トルクTo
と、(b)変速機入力軸18の回転変化率目標値Ntd
tと、(c)クラッチ締結油圧Pcl、の変化を対比し
て示したタイムチャートであり、この図9に示すよう
に、変速直前の変速機出力軸トルクToから回転変化率
目標値Ntdtの初期値が与えられ、この回転変化率目
標値Ntdtが変速時間tmr経過時にちょうど0とな
るように一定割合で変化する。そして、この徐々に減少
する回転変化率目標値Ntdtに沿うようにクラッチ締
結油圧Pclが制御される。尚、変速開始初期は、点線
で示す指令油圧に対し実際の油圧は実線で示すように多
少の遅れを伴うものとなる。
【0037】従って、上記実施例では、図9(a)に示
すように、変速機出力軸トルクToとして、変速開始前
の値To1と変速終了時点の値To2とが滑らかにつな
がるようになり、変速ショックの軽減が図れる。特に、
変速機入力トルクとなるタービントルクTtが、非ロッ
クアップ中,ロックアップ中の双方で精度よく検出でき
るので、回転変化率目標値Ntdtの初期値が適正に与
えられるようになり、高精度な油圧制御を実現できる。
【0038】尚、この発明の出力推定装置は、トルクセ
ンサを用いることなくトルクコンバータのタービントル
クTtを推定できるようにしたものであって、上記実施
例のようなクラッチ締結油圧の制御のみならず種々の用
途に利用できることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
に係るトルクコンバータ付内燃機関の出力推定装置によ
れば、トルクコンバータのロックアップ中においてもタ
ービントルクTtを吸入空気量等に基づいて推定するこ
とが可能となり、トルクセンサによらずにタービントル
クTtの検出が可能となる。特に、非ロックアップ中に
損失負荷条件をパラメータとする学習値として損失トル
クTfを学習し、該学習値によってロックアップ中の推
定を行うので、補機の負荷のばらつきや容量の大小等に
影響されずに正確な推定を行うことができる。従って、
例えば、トルクコンバータに近接配置される補助変速機
の入力トルクの検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る出力推定装置の構成を示すクレ
ーム対応図。
【図2】この発明の一実施例の機械的構成を示す構成説
明図。
【図3】この実施例における出力推定処理の流れの前半
部を示すフローチャート。
【図4】同じく後半部を示すフローチャート。
【図5】変速時の処理の流れを示すフローチャート。
【図6】制御信号の出力ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図7】トルクコンバータにおける速度比eとトルク比
teおよび容量係数Cとの関係を示す特性図。
【図8】機関吸入空気量Q,回転数Neと発生トルクT
iとの関係を示す特性図。
【図9】変速時の各信号の変化を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…ロックアップ機構 2…トルクコンバータ 3…機関回転数検出手段 4…タービン回転数検出手段 5…発生トルク推定手段 6…容量係数設定手段 7…ポンプトルク推定手段 8…学習手段 9…損失トルク設定手段 10…タービントルク推定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/00 F02D 29/00 F02D 45/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックアップ機構を備えたトルクコンバ
    ータが機関出力軸に接続されてなる内燃機関において、 機関回転数Neを検出する機関回転数検出手段と、 トルクコンバータのタービン回転数Ntを検出するター
    ビン回転数検出手段と、 シリンダ内に吸入される空気量を示すパラメータに基づ
    いて内燃機関が発生すべき発生トルクTiを推定する発
    生トルク推定手段と、 ロックアップ機構の非ロックアップ中に、そのときのト
    ルクコンバータ速度比eに基づいてトルクコンバータ容
    量係数Cを求める容量係数設定手段と、 このトルクコンバータ容量係数Cと機関回転数Neとか
    らトルクコンバータのポンプトルクTeを推定するポン
    プトルク推定手段と、 このポンプトルクTeと発生トルクTiとの差として損
    失トルクTfを求め、損失負荷条件をパラメータとする
    学習値として該損失トルクTfを逐次更新,学習する学
    習手段と、 ロックアップ機構のロックアップ中に、そのときの損失
    負荷条件に対応する損失トルクTfを上記学習値に基づ
    いて設定する損失トルク設定手段と、 この損失トルクTfと発生トルクTiとからロックアッ
    プ中のトルクコンバータのタービントルクTtを求める
    タービントルク推定手段と、 を備えてなるトルクコンバータ付内燃機関の出力推定装
    置。
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