JP3229933U - 排気装置付きトレーラーハウス - Google Patents

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達彦 吉田
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Abstract

【課題】病棟外に発熱外来等の目的で使用される診療室を迅速かつ簡易に設置可能とする排気装置付きトレーラーハウスを提供する。【解決手段】排気装置付きトレーラーハウスは、単一の空間として形成された診療室Rを有すると共に、診療室Rの互いに対向する一対の側壁面部11a、11bの一方11aに設けられた吸気口12aおよび他方11bに設けられた排気口13aを有するハウス本体11と、排気口13aに対し、診療室R内の空気を排気口13aを介して排出可能に接続された排気装置5と、を備え、診療室R内の空気を排気装置5により排気口13aを介して診療室R外へ排出することにより診療室R内に陰圧を発生させる。【選択図】図3

Description

本考案は、屋外の適宜場所に感染症対策等に利用可能な診療室を開設できるように構成された排気装置付きトレーラーハウスに関する。
新型コロナウィルス感染症の感染拡大等を背景に、専用の発熱外来の設置に対する要望が高まっている。
特開2011−041765号公報
しかしながら、発熱外来専用の診療室を予め備えた病院は依然少なく、既存の病院に発熱外来の診療室を新たに設置した場合には、病院施設の再構成、再構築が必要となり、設置に時間と費用とを要することとなる。
即ち、発熱外来の診療室を病棟内に設けるためには、当該診療室内での汚染の可能性のある空気が病棟内へ流出する事態を確実に防止する設備等が必要であり、そのような設備等を病棟内に新たに設置し、又はそのような感染対策を新たに施すことが困難、又は煩雑な場合も存在する。
このような実情に鑑み、本考案は、病院の病棟等の、既存の施設、建物の外部に発熱外来等の目的で使用される診療室を迅速かつ簡易に設置可能とすることを目的とする。
本考案の一形態では、単一の空間として形成された診療室を有すると共に、診療室の互いに対向する一対の側壁面部の一方に設けられた吸気口および他方に設けられた排気口を有するハウス本体と、排気口に対し、診療室内の空気を当該排気口を介して排出可能に接続された排気装置とを備え、前記診療室内の空気を前記排気装置により前記排気口を介して前記診療室外へ排出することにより前記診療室内に陰圧を発生させることを特徴とする排気装置付きトレーラーハウスを提供する。
他の形態では、排気装置が診療室内に配置固定され、ファン部と、ファン部の上流側に配置されたフィルター部と、ファン部を排気口につなぐダクト部とを備えることを特徴とする。
更に別の形態では、ファン部がシロッコファンにより構成されることを特徴とする。
更に別の形態では、フィルター部が、HEPAフィルターと、HEPAフィルターの上流側に配置され、HEPAフィルターよりも捕捉対象の粒子径が大きい予備フィルターとにより構成されることを特徴とする。
更に別の形態では、排気装置はフィルター交換報知部をさらに備えることを特徴とする。
更に別の形態では、フィルター交換報知部が、HEPAフィルターの上流側の気圧とHEPAフィルターの下流側の気圧との差圧が所定以上の値に至った場合に作動する表示部を有することを特徴とする。
更に別の形態では、排気装置が、他方の側壁面部とこれに隣接するハウス本体の側壁面部とにより画成される診療室の隅部に設けられると共に、ファン部、フィルター部およびダクト部を診療室の内部に対して遮蔽する仕切パネル部をさらに備え、仕切パネル部がフィルター部に対する診療室の内部からの操作を可能とする開閉部を有し、吸気口を有する一方の側壁面部に、診療室の室内環境調整用の空調装置をさらに備えることを特徴とする。
更に別の形態では、排気装置に対向する側壁面部に、診療室への出入用のドアをさらに備えることを特徴とする。
本考案によれば、適宜の自走車により排気装置付きトレーラーハウスを牽引して所望の場所へ移動させ、例えば、病院の駐車場棟の敷地内に設置させた状態で、排気装置を作動させて、診療室内の空気を診療室外へ排出することにより診療室内に気圧差による陰圧を形成させ、外部の空気を適宜導入して良好な換気を行いつつ診療室内において診療を行うことができる。
従って、特に、空気感染による感染症検査者、又は患者に医療従事者が対応する場合、診療室内の空気の外部流出を防止しつつ、感染症の診療、検査を行うことが可能となり、病院の既存の病棟外部に、感染症専門の診療室を迅速かつ簡易に設置することが可能となる。
その結果、特に、空気を媒介とする感染症対策においては、病院の病棟等の、既存の建物の外部に当該診療室を感染症対策専門の診療室として迅速、簡易に使用することが可能となるため、既存の病棟内に様々な感染症対策を新たに講ずる必要がなくなり、感染症対策に要する施設の改変、諸装置の設置等の時間及び費用を大幅に節減することが可能となり、病院側による各種感染症に対して迅速な対応が可能となる。
また、本考案に係る排気装置付きトレーラーハウスのハウス部により診療室が形成された場合には、診療室の互いに対向する一対の側壁面部の一方に設けられた吸気口および他方に設けられた排気口を有するハウス本体と、排気口に対し、診療室内の空気を当該排気口を介して排出可能に接続された排気装置とを備え、診療室内の空気を、排気装置により排気口を介して診療室外へ排出することにより診療室内に陰圧を発生させるように構成されていることから、診療室内において陰圧が形成された場合には、気圧差により診療室外部から吸気口を介して外気が診療室内へ導入され、その結果、互いに対向する一対の側壁面部の間において、吸気口から排気口に至る空間に所定の風量の空気の直線的かつダイレクトな流れを形成することができ、診療室内における被診療者、患者からの感染が発生しないレベルにおける換気効率による換気を、診療室内において有効に行うことが可能となる。
従って、診療室内において、空気の流れの上流側に医療従事者が位置すると共に、下流側に患者が位置した場合には、患者の呼吸、クシャミ、咳等による、医療従事者方向へのウィルスによる空中の流動を規制することが可能となり、診療室内における感染の発生の事態を有効に防止することが可能となる。また、本考案においては、診療室が全体として単一の空間として形成されており、遮蔽物が介在しないことから、上記の空気の流れが遮断されることがなく、換気効率のよい診療室を形成することができる。
他の形態によれば、ファン部、フィルター部およびダクト部により、診療室内の空気を円滑に排出して、診療室内に換気に必要な所定の大きさの陰圧を形成できると共に、排出前に空気の清浄化を達成することが可能となる。
更に別の形態によれば、ファン部はシロッコファンにより構成されていることから、診療室内の空気をダクトを介してハウス部外に排出することが可能となり、プロペラファンの場合とは異なり、診療室内の空気をダクトを介して他に漏れることなく確実に外部へ排出することが可能となる。
また、ダクトと接続されるシロッコファンを用いることにより、ダクト部の取り回し配置に基づきファン部の設置部位の自由度を確保することが可能となるため、ハウス部全体の構成の自由度を得ることができる。
更に別の形態によれば、捕捉対象の粒子径が比較的に大きい補助フィルターにより、埃等を除去して、埃等に起因するHEPAフィルターの目詰まりを抑制すると共に、HEPAフィルターにより、診療室内の空気に含まれるウィルスを外部への排出前に除去することが可能となる。
更に別の形態によれば、フィルター交換報知部により、フィルター部が交換時期にあるかまたはフィルター部の交換時期が近いことの使用者による認識を促すことが可能となる。その結果、診療室内の空気を確実に清浄化して外部に排出することが可能となる。
更に別の形態によれば、HEPAフィルターの上流側の気圧とHEPAフィルターの下流側の気圧との差圧に基づき、フィルター部の交換時期を適切に判定すると共に、表示部により、フィルター部が交換時期にあることの使用者による認識をより確実に促すことが可能となる。
従って、操作者、管理者は、表示部を視認することにより、フィルター交換の要否を目視で確認することが可能となり、良好な操作性、点検性を確保することが可能となる。
更に別の形態によれば、排気装置を診療室の隅部に設けることで、診療室内での診療に使用される空間容積を確保すると共に、ファン部、フィルター部およびダクト部を遮蔽する仕切パネル部に、フィルター部に対する操作用の開閉部を設けることで、フィルター部を適宜に交換可能とし、排気装置の作動効率を維持すると共に、空気の清浄性を確保することができる。
さらに、ハウス本体の側壁面部のうち、吸気口を有する側壁面部に、室内環境調整用の空調装置を設けることで、排気装置の作動に伴って診療室内に形成される空気の流れを助長すると共に、診療室内の空調による快適性を確保することが可能となる。
更に別の形態によれば、ハウス本体の側壁面部のうち、排気装置に対向する側壁面部に出入用のドアを設けることで、診療室内に形成される空気の流れに、ドアの開閉に伴う外気の流入による換気流の乱れが生じる事態を抑制することが可能となる。
図1は、本考案の一実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウスの外観を示す側面図である。 図2は、同上実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウスの外観を、ハウス本体外に設置される階段部を取り外しかつ出入用のドアを開いた状態で示す側面図である。 図3は、同上実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウスの、ハウス本体内の構成を平面的に示す概略図である。 図4は、同上実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウスに備わる排気装置の構成を、側方視により示す概略図である。 図5は、同上実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウスに備わる制御装置の構成を、平面視により示す概略図である。 図6は、同上実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウスに備わるフィルター交換報知部の構成を示す回路図である。 図7は、同上実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウスの実装風量試験の結果を示す表を記載した説明図である。
以下に図面を参照して、本考案の実施の形態について説明する。
図1は、本考案の一実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1の外観を示す側面図である。図2は、本実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1の外観を、ハウス本体11外に設置される階段部31を取り外し、かつ出入用のドア14(図2における右側のドア)を開いた状態で示す側面図である。
排気装置付きトレーラーハウス1は、ハウス本体11と、台車部21と、階段部31とを備えている。
ハウス本体11は、全体直方体箱状に形成され、内部に診療室Rとして利用可能な空間を有する。診療室Rを水平方向に包囲するハウス本体11の前後左右の側壁面部11a〜11dのうち、前後の側壁面部11a、11bには、後述する吸気口12aおよび排気口13aを被覆する吸気口カバー12、排気口カバー13が取り付けられ、左右方向における側壁面部のうち一方の側壁面部11cには、診療室Rへの出入りに用いられるドア14が設けられる。
さらに、本実施形態では、前方の側壁面部11aに隣接して、後に述べる空調装置151の室外機15が設けられ、この室外機15は、次に述べる牽引部212上方に配置されている。
本実施の形態においてはドア14は引き戸形式のドアにより構成されている。台車部21は、ハウス本体11を地面ないし道路上で支持し、適宜の場所における排気装置付きトレーラーハウス1の固定設置を可能とする。台車部21は、本体部211と、本体部211の前方に設けられた牽引部212とを備えている。
本体部211は、本実施形態にあっては両側2本ずつ、合計4本のタイヤ121と、4本の支持脚122とを備え、支持脚122を地面に向けて延ばし、接地させることで、ハウス本体11および台車部21を自立させ、排気装置付きトレーラーハウス1を適宜の場所に固定することができる。また、移動時には牽引部212に自走する牽引車を接続固定し、牽引車により牽引されることで、排気装置付きトレーラーハウス1の走行を実現し、目的に応じた場所に運搬することが可能である。
本実施の形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1にあっては、「車検付きの排気装置付きトレーラーハウス」として構成されており、本実施の形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1は「道路運送車両法」に基づき登録されている。その結果、本実施の形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1は、自走可能な牽引車により牽引されることにより、適法に公道上を、時間に制約されることなく移動することができ、かつ、所望の、例えば、病院の駐車場、庭等の空き地に停車して診療所として使用されることができる。
また、本実施の形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1にあっては、自走可能な牽引車により牽引される車両であることから、建築基準法2条1項に規定する「土地への定着性」はなく、法的に「建築物」としては取り扱われない。従って、車検付きではないトレーラーハウスの場合には、使用には行政機関に対する許可申請が必要となり、申請後長期間にわたって許可を待たねばならない、という不具合があるが、本実施の形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1の場合にはそのような不具合は存在せず、適宜、迅速かつ容易に移動して所定場所に設置し、診療室としての使用が可能となる。
階段部31は、診療室Rに出入りする使用者(例えば、医療従事者Mまたは被検者等P)の昇降を補助するため、ハウス本体11外に、ハウス本体11の側方の側壁面部11cに設けられたドア14に隣接して配置される。階段部31は、複数の階段311と、ドア14を介して診療室Rに通じる踊り場312とを備えている。
図3は、排気装置付きトレーラーハウス1の、ハウス本体11内の構成、具体的には、診療室Rのレイアウトを示す平面的概略図である。
本実施形態において、「診療室R」とは、医師が患者に対して治療ないし診察を施す、いわゆる診療室のほか、患者が治療前に待機する待機室および被検者等に対する検査(例えば、PCR検査)を行う検査室等、医療行為と関連して飛沫の抑制が求められる空間全般を含む広い概念をいう。
診療室Rは、ハウス本体11の内部に単一の空間として形成され、側壁面部間に構造的な仕切部材を有していない。また、換気を行うための開口部として、互いに前後方向において対向する一対の側壁面部11a、11bの一方に設けられた吸気口12aと、他方に設けられた排気口13aとを有している。
本実施形態において、吸気口12aは、診療室Rを画成する四方の側壁面部11a〜11dのうち、前方の側壁面部11aに設けられ、排気口13aは、この前方の側壁面部11aに対向する後方の側壁面部11bに設けられる。吸気口12aは、側壁面部11aにおける水平方向の左右各側上端部2ヵ所、具体的には、右寄りの位置と左寄りの位置であって上端部付近において、それぞれに1か所ずつ設けられている。
また、排気口13aは、一方の吸気口12aとの間において、診療室Rを前後方向における略同一直線上に配置されている。上述したように、吸気口12aは、吸気口カバー12により包囲され、排気口13aは、排気口カバー13により包囲されており、これにより、雨水等の進入が抑制される。
吸気口12aの間には、側壁面部11aに隣接して診療室Rの室内環境調整用の空調装置151が設けられている。空調値装置151の吹出方向は、吸気口12aから排気口13aへ向かう方向に対して設けられている。
排気装置付きトレーラーハウス1は、ハウス本体11内部に排気装置5を備えている。
本実施形態において、排気装置5は、ハウス本体11内の偶部に配置されており、ハウス本体11を構成する、側壁面部11d及び後方の側壁面部11bにより画成される偶部に配置され、診療室R内の空気を、同様にこの偶部に配置されている排気口13aを介して排出できるように構成されている。
本実施形態では、排気装置5が作動した場合には、診療室R内の空気を排気口13aを介して診療室R外へ排出される。
この際、排気装置5が作動することにより、診療室R内には、外気圧よりも低い圧力の陰圧が形成されることから、ハウス本体11外の空気は、吸気口12aを介して診療室R内に導入され、ドア14の開閉に伴う空気の流出が抑制される。
また、一方で、吸気口12aからは外気が診療室R内に導入され、前方の側壁面部11aから後方の側壁面部11b及び側壁面部11dにより構成される偶部に配置された排気装置5へ向かう空気の流れが形成される。図3は、診療室Rの全体に亘って形成される流れの方向を矢印Aにより示す。
従って、本実施形態では、前方の側壁面部11aのうち左寄りの位置に吸気口12aが備わることで、前方左隅の角部と後方右隅の角部とをつなぐ対角線に沿った斜め方向の空気の流れAが形成されることとなる。
そして、例えば、被検者の検査、患者の診察に際し、この空気の流れAにおける上流側に医療従事者Mを位置させ、下流側に被検者等Pを位置させることで、被検者等Pからの、会話や、クシャミ、咳等により発生する唾液の飛沫が医療従事者Mに及ぶことを抑制し、診療時における医療従事者Mに対する影響ないし感染を回避することが可能となる。
図4は、排気装置付きトレーラーハウス1に備わる排気装置5の構成を側方から見た状態で示す概略図であり、図5は、排気装置5の構成を上方から見た状態で示す概略図である。なお、本実施の形態においては排気装置5には「まもるくん」という装置製品名称が付されている。
排気装置5は、診療室R内に、本実施形態では、排気口13aが備わる後方の側壁面部11bと、これに隣接する右方の側壁面部11dとにより画成される診療室Rの隅部に固定配置される。図3に示すように、排気装置5が設けられる右側後方の隅部は、診療室Rの四隅の隅部のうち、出入用のドア14に対向する隅部である。
排気装置5は、ファン部51と、フィルター部52と、ダクト部53とを備えている。
ファン部51、フィルター部52およびダクト部53は、外部を仕切パネル部54により被覆され、診療室Rの内部に対し、仕切パネル部54により遮蔽された状態にある。排気装置5は、仕切パネル部54の前面に形成された通気口5aを介して診療室R内の空気を吸入することが可能であると共に、仕切パネル部54の側面に設けられた開閉部5bを介して診療室Rの内部からの操作が可能である。
ファン部51は、診療室R内に陰圧を形成する際に連続的または断続的に作動するものであり、診療室R内の空気を吸入し、後述する排気口13aに向けて送り出す。本実施形態において、排気装置5の筐体の内部は、空気の流れの方向に3つの部屋に隔てられ、ファン部51は、最も下流側の部屋に設置されている。ファン部51は、本実施の形態にあっては、シロッコファンにより構成されている。
フィルター部52は、ファン部51の上流側に配置され、吸入された空気に含まれる埃等の異物を除去すると共に、ウィルスを捕捉する。本実施形態において、フィルター部52は、捕捉対象の粒子径が異なる2つのフィルターを備える。1つは、ファン部51の直近の上流側に設けられたHEPAフィルター521であり、HEPAフィルター521により、空気中のウィルスを捕捉可能である。他の1つは、予備フィルター522であり、HEPAフィルター521のさらに上流側に配置され、より大きな粒子径の埃等を、HEPAフィルター521への流入前に除去する。
ダクト部53は、側面略L字状に屈曲して配置され、ファン部51の下流側に接続し、ファン部51から送出された空気を側壁面部11bの排気口13aに向けて案内するように構成されている。本実施形態において、ダクト部53は、一部が蛇腹状に形成され、フィルター部52のシロッコファンを鉛直上向きに出た空気を、水平方向に転向させ、排気口13aに送り込む。
このように、診療室R内の空気は、ファン部51により排気装置5に吸入され、排気装置5の内部でフィルター部52により埃およびウィルス等が除去され、清浄化された後、ダクト部53を通過し、排気口13aを介してハウス本体11から流出する。
また、図5に示すように、本実施形態において、排気装置付きトレーラーハウス1は、以上に加え、フィルター交換報知部55を備える。
本実施形態では、フィルター交換報知部55、フィルター部52は、捕捉粒子径が小さいHEPAフィルター521のフィルターでのごみ等の付着物の堆積量が増加し、交換時期にあるか、または交換時期が近いことを使用者に報知するように構成されている。
フィルター交換報知部55による報知対象は、HEPAフィルター521に限らず、捕捉粒子径がより大きい予備フィルター522であってもよいし、具体的な報知対象の特定はせず、HEPAフィルター521および予備フィルター522の双方を含め、フィルター部52の全体であってもよい。
フィルター交換報知部55は、HEPAフィルター521の上流側の気圧PusとHEPAフィルター521の下流側の気圧Pdsとを導入し、これらの気圧の差が生じた場合、即ち、HEPAフィルター521の前後の差圧が所定以上の値に至った場合に作動し、フィルター部52の交換を促すための報知を使用者に対して実行する。
図4には、排気装置5、特にファン部51の操作イッチSWを示す。操作スイッチSWは、ファン部51の起動スイッチSW1のほか、ファン部51の送風量の大小を切り替えるための切替スイッチSW2を有する。フィルター交換報知部55の表示部552はパイロットランプにより構成され、操作スイッチSWに隣接させて配置し、側壁面部11a〜11dの一部、例えば、後方の側壁面部11bに設置することが可能である。
図6は、フィルター交換報知部55の構成を簡易的に示す回路図である。
フィルター交換報知部55は、センサスイッチ部551と、表示部552とを備えるほか、電源553および抵抗554を備えている。センサスイッチ部551は、通常時に開いた状態(OFF状態)にあり、HEPAフィルター521の上流側の気圧PusとHEPAフィルター521の下流側の気圧Pdsとを導入し、HEPAフィルター521の前後の差圧ΔPが所定以上の値に至った場合に、回路を閉じ(ON状態)、表示部552に電源を供給する。これにより、表示部552が作動し、使用者に対する報知を実行する。
表示部55は、例えば、LEDランプを備え、使用者に対する報知は、LEDランプの点灯により達成することが可能である。
このように、本実施形態によれば、排気装置付きトレーラーハウス1を自走する牽引車を利用することにより、適宜所望の場所へ移動させ、例えば、病院の敷地内(病棟外の敷地であり、例えば、駐車場)に設置すると共に、排気装置5を作動させて、診療室R内の空気を診療室R外へ排出することで、換気を効果的に行える診療室Rを設置することができる。これにより、病棟外に診療室として使用可能な空間を形成し、発熱外来等に迅速に対応することが可能となる。
本実施形態によれば、米国疾病管理予防センター(CDC)ガイドラインに定められる、1時間当たり12回以上の室内換気と、室内外の気圧差が25Pa以上である陰圧形成と、に対応することが可能である。
図7は、本実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1において、排気装置5を実際に作動させることにより得られた、換気風量と、診療室Rの内と外との間の気圧差(室内外気圧差)との実験結果を示す。
この実装風量試験に用いられた排気装置付きトレーラーハウス1の内寸は、幅が2.244m、長さが3.463m、高さが2.300mであり、診療室Rの室内容積は、17.87m3である。
風量は、排気口13aに本実験に使用された計測器(カスタム風速風量計:WS-05)を接続することにより測定し、排気装置5の電源を投入した後、動作が安定した時点での1分当たりの風量(m3/min])および室内外気圧差([Pa])を測定した。さらに、上記風量を、1時間当たりの風量([m3/H])に換算した。測定は3回に亘って実施し、1回当たりの測定時間は3分とした。
CDCガイドラインによれば、最低限の要件として1時間当たり12回の室内換気(排気装置付きトレーラーハウス1の室内容積により風量に換算した場合には214.44m3)と、2.5Paの室内外気圧差とを必要とするものである。
これに対し、本実施の形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1により行った実験においては、室内換気の要件としては、1時間あたり16回以上の換気を行うこととし、3回にわたって、風量及び室内外気差について計測した。この場合、排気装置付きトレーラーハウス1の室内容積に基づく風量換算値は285.92m3以上となる。
実験の結果、1時間当たりの風量は平均値で5.23m3/minであって、同様に室内外気圧差の平均値は18.67Paであることが判明した。そして、1時間換算の風量の平均値としては314.00m3という結果が得られた。
この数値は、CDCガイドラインにおける風量214.44m3という基準を大きく上回るものであり、本実施形態に係る排気装置付きトレーラーハウス1により、CDCガイドラインによる防疫環境基準値を満足する結果が得られた。
本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
ファン部51及びダクト部53により排出診療室R内の空気を円滑に排出して外気との間で適度な陰圧を形成し、良好な換気を行うことができる。また、フィルター部52により、排出する空気の清浄化を達成することができる。
シロッコファンを採用することにより、ファン部51にダクト部53を接合して外部への確実な排気を行うことができる。
補助フィルター522により、埃等を除去して、埃等に起因するHEPAフィルター521の目詰まりを抑制すると共に、HEPAフィルター521により、診療室R内の空気に含まれるウィルスの外部への放出を抑制することが可能となる。
フィルター交換報知部55により、フィルター部52が交換時期にあるかまたはフィルター部52の交換時期が近いことを使用者による認識を促すことが可能となる。
HEPAフィルター521の上流側の気圧PusとHEPAフィルター521の下流側の気圧Pdsとの差圧に基づき、フィルター部52の交換時期を適切に判定すると共に、表示部552により、フィルター部52が交換時期にあることの使用者による認識をより確実に促すことが可能となる。
排気装置5を診療室Rの隅部に設けることで、診療室Rの空間容積を確保すると共に、ファン部51、フィルター部52およびダクト部53を遮蔽する仕切パネル部54に、フィルター部52に対する操作用の開閉部5bを設けることで、フィルター部52を適宜に交換可能とし、排気装置5の作動効率を維持すると共に、空気の清浄性を確保することができる。
さらに、ハウス本体11の側壁面部のうち、吸気口12aを有する側壁面部11aに、室内環境調整用の空調装置151を設けることで、排気装置5の作動に伴って診療室R内に形成される空気の流れに乱れが生じるのを抑制しながら、診療室Rの快適性を確保することが可能となる。
ハウス本体11の側壁面部のうち、排気装置5に対向する側壁面部11cに出入用のドア14を設けることで、診療室R内に形成される空気の流れに、ドア14の開閉に伴う外気の流入による内部での換気気流の乱れが生じる事態を抑制することが可能となる。
1…排気装置付きトレーラーハウス
5…排気装置
11…ハウス本体
11a〜11d…側壁面部
12a…吸気口
13a…排気口
14…ドア
51…ファン部
52…フィルター部
521…HEPAフィルター
522…補助フィルター
53…ダクト部
21…台車部
31…階段部
R…診療室

Claims (8)

  1. 単一の空間として形成された診療室を有すると共に、前記診療室の互いに対向する一対の側壁面部の一方に設けられた吸気口および他方に設けられた排気口を有するハウス本体と、
    前記排気口に対し、前記診療室内の空気を当該排気口を介して排出可能に接続された排気装置と、
    を備え、
    前記診療室内の空気を前記排気装置により前記排気口を介して前記診療室外へ排出することにより前記診療室内に陰圧を発生させることを特徴とする排気装置付きトレーラーハウス。
  2. 前記排気装置は、
    前記診療室内に配置固定され、
    ファン部と、前記ファン部の上流側に配置されたフィルター部と、前記ファン部を前記排気口につなぐダクト部と、を備えることを特徴とする、
    請求項1に記載の排気装置付きトレーラーハウス。
  3. 前記ファン部は、シロッコファンにより構成されることを特徴とする、
    請求項2に記載の排気装置付きトレーラーハウス。
  4. 前記フィルター部は、
    HEPAフィルターと、
    前記HEPAフィルターの上流側に配置され、前記HEPAフィルターよりも捕捉対象の粒子径が大きい予備フィルターと、により構成されることを特徴とする、
    請求項2に記載の排気装置付きトレーラーハウス。
  5. 前記排気装置は、フィルター交換報知部をさらに備えることを特徴とする、
    請求項2に記載の排気装置付きトレーラーハウス。
  6. 前記フィルター交換報知部は、前記HEPAフィルターの上流側の気圧と前記HEPAフィルターの下流側の気圧との差圧が所定以上の値に至った場合に作動する表示部を有することを特徴とする、
    請求項5に記載の排気装置付きトレーラーハウス。
  7. 前記排気装置は、
    前記他方の側壁面部とこれに隣接する前記ハウス本体の側壁面部とにより画成される前記診療室の隅部に設けられると共に、
    前記ファン部、前記フィルター部および前記ダクト部を前記診療室の内部に対して遮蔽する仕切パネル部をさらに備え、
    前記仕切パネル部は、前記フィルター部に対する前記診療室の内部からの操作を可能とする開閉部を有し、
    前記吸気口を有する前記一方の側壁面部に、前記診療室の室内環境調整用の空調装置をさらに備えることを特徴とする、
    請求項2に記載の排気装置付きトレーラーハウス。
  8. 前記排気装置に対向する側壁面部に、前記診療室への出入用のドアをさらに備えることを特徴とする、
    請求項1に記載の排気装置付きトレーラーハウス。
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