JP3227090B2 - 電子放出素子形成用の金属含有水溶液、並びに該水溶液を用いた電子放出素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子形成用の金属含有水溶液、並びに該水溶液を用いた電子放出素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方法

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JP3227090B2 JP10480796A JP10480796A JP3227090B2 JP 3227090 B2 JP3227090 B2 JP 3227090B2 JP 10480796 A JP10480796 A JP 10480796A JP 10480796 A JP10480796 A JP 10480796A JP 3227090 B2 JP3227090 B2 JP 3227090B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子形成
用の金属含有水溶液、並びに該水溶液を用いた電子放出
素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方
法に関する。更に詳しくは、インクジェット方式を利用
して前記金属含有水溶液を付与した表面伝導型電子放出
素子の製造方法、該電子放出素子を用いた電子源の製造
方法、該電子源を用いた表示パネルの製造方法および該
表示パネルを用いた画像形成装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷陰極電子放出素子として表
面伝導型電子放出素子(以下、「SCE素子]と略
す。)が知られている。SCE素子は、基板上に形成さ
れた小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子放出が起こる現象を利用するものである。この
SCE素子としては、エリンソン等によるSnO2 薄膜
を用いたもの[M.I.Elinson、Radio
Eng.ElectronPhys.、10、1290
(1965)]のほか、Au薄膜によるもの[G.Di
ttmer:“Thin Solid Films”、
9、317(1972)]、In23 /SnO2 薄膜
によるもの[M.Hartwell andC.G.F
onstad:”IEEE Trans.ED Con
f.”、519(1975)]、カーボン薄膜によるも
の[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁(1
983)]等が報告されている。
【0003】これらのSCE素子の典型的な例として前
述のM.ハートウェルの素子構成を図12に模式的に示
す。同図において1は基板である。4は導電性薄膜で、
H型形状のパターンに、スパッタで形成された金属酸化
物薄膜等からなり、後述の通電フォーミングと呼ばれる
通電処理により電子放出部3が形成される。尚、図中の
素子電極間隔Lは、0.5mm〜1mm、W’は、0.
1mmで設定されている。
【0004】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4を予め通電
フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部3
を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミン
グとは前記導電性薄膜4両端に電極5、6を用いて直流
電圧あるいは非常にゆっくりとした昇電圧例えば1V/
分程度を印加通電し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形
もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子
放出部3を形成することである。尚、電子放出部3は導
電性薄膜4の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子
放出が行われる。前記通電フォーミング処理をした表面
伝導型電子放出素子は、上述導電性薄膜4に電圧を印加
し、素子に電流を流すことにより、上述の電子放出部3
より電子を放出せしめるものである。
【0005】電子放出部を含む薄膜は、絶縁性基板上に
導電性材料が堆積された導電性薄膜からなるものであっ
て、絶縁性基板上に導電性材料を蒸着、スパッタリング
等の堆積技術で直接形成することが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
電子放出素子は、主に半導体プロセスに準じたフォトリ
ソグラフ技術を利用して製造されたため、大面積基板に
素子を形成することが困難であるとともに、製造コスト
が高いという問題があった。
【0007】一方、大面積化や製造コスト削減のため
に、電子放出材料を含む金属含有液体の液滴を、インク
ジェット方式を利用して基板に付与し、電子放出素子を
製造する提案もある(例えば本出願人の特願平6−31
33439号、特願平6−313440号)。この場合
には、金属含有液体中に含まれる金属化合物の結晶性が
問題となり、液滴を付与する工程中に、あるいは液滴を
付与してから次の工程に移行する間に金属化合物の結晶
が析出するなどして導電性薄膜が著しく不均一化し、均
質な素子が形成できないといった不都合も生じる場合も
あった。
【0008】従って、本発明の目的は、従来における導
電性薄膜形成工程を簡略化し、低コストの電子放出素
子、電子源、表示パネル、画像形成装置製造方法を提供
することにある。
【0009】更に本発明の他の目的は、有機金属錯体含
有水溶液を付与して電子放出素子を製造する工程におい
て、有機金属錯体の結晶が析出することのない均質な素
子を製造するための金属含有水溶液の提供、均一な素子
の製造方法、該素子を用いた電子源の製造方法、該電子
源を用いた表示パネルの製造方法および該表示パネルを
用いた画像形成装置の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の電
子放出素子形成用の金属含有水溶液により解決できる。
すなわち本発明の電子放出素子形成用の金属含有水溶液
は、分子内にアミノアルコールを含む有機金属錯体を含
有する液体電子放出素子形成用の金属含有水溶液(ただ
し、下記化学式の有機金属錯体を含む場合、部分エステ
ル化ポリビニルアルコールを含む場合、エーテルを含む
場合、、アセチレンアルコールを含む場合、アセチレン
グリコールを含む場合を除く)であることを特徴とす
る。
【化2】
【0011】また、本発明の電子放出素子の製造方法
、基板上の対向する電極間に、電子放出部が形成され
た導電性薄膜を備える電子放出素子の製造方法であっ
て、前記電子放出部が形成される導電性薄膜の形成工程
が、基板上の電極間に、本発明の導電性薄膜形成用の金
属含有水溶液を付与し、これを加熱焼成する工程を有す
ることを特徴とする
【0012】本発明の電子源の製造方法は、電子放出素
子と、該素子への電圧印加手段とを具備した電子源の製
造方法であって、前記素子を本発明の表面伝導型電子放
出素子製造方法で製造することを特徴とする。
【0013】本発明の表示パネルの製造方法は、電子放
出素子および該素子への電圧印加手段とを具備した電子
源と、前記素子から放出される電子を受けて発光する蛍
光膜とを具備する表示パネルの製造方法であって、前記
素子を本発明の表面伝導型電子放出素子製造方法で製造
することを特徴とする。
【0014】さらに本発明の画像形成装置の製造方法
は、電子放出素子および該素子への電圧印加手段とを具
備した電子源と、前記素子から放出される電子を受けて
発光する蛍光膜と、外部信号を用いて前記素子へ印加す
る電圧を制御する駆動回路とを具備する画像形成装置の
製造方法であって、前記素子を本発明の表面伝導型電子
放出素子製造方法で製造することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる前記の有機金
属錯体は水溶性の金属化合物であって、金属のハロゲン
化合物、硝酸化合物、亜硝酸化合物、アンミン錯体、有
機アミン錯体等の金属塩あるいは金属錯体であって、特
に有機金属化合物が焼成の容易さから適当である。前記
の有機金属化合物の例としては金属の有機酸塩を挙げる
ことができ、その有機酸として具体例を挙げるならば蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸等の炭素数1ないし4のカルボキシ
ル基を有する酸のいずれかを挙げることができる。特に
本発明では酢酸、プロピオン酸が好適に用いられる。炭
素数5以上の有機酸の金属塩では水への溶解度が低くな
り、電子放出素子の製造方法において基板に付与する溶
液における金属の含有量が低くなるため好ましくない。
【0016】前述のような酢酸などの有機酸を含む金属
錯体は公知であり、良好な電子放出素子が得られること
が知られている。けれどもこのような金属錯体を用いて
大面積の基板に電子放出素子を作製しようとすると、作
製中に金属錯体の凝集体が発生したり、結晶が析出した
りしてしまい、均一な素子が作製しにくくなることがわ
かった。そこで、本発明者は良好な電子放出特性を保持
しつつ、結晶の析出が起こらないような有機金属錯体に
ついて種々検討した結果、分子内にアミノアルコールを
含む有機金属錯体、更に詳しくはアミノアルコール、パ
ラジウムおよび酢酸基を含有する錯体が有効であること
を見い出し本発明に至った。
【0017】本発明で使用するアミノアルコールとして
は特に限定されるものではないが、炭素原子を3個から
5個含む化合物が好適である。具体的には、アミノメチ
ルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール、トリ
スヒドロキシメチルアミノメタン、1−アミノ−2−プ
ロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミ
ノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、
4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル
−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル
−1−プロパノール、アミノペンタノールおよびその異
性体等が挙げられる。これらアミノアルコールのなかで
も本発明の目的を達成するためには、トリスヒドロキシ
メチルアミノメタンを有機金属錯体中に含有させるのが
好ましい。
【0018】本発明の有機金属錯体は、前述のアミノア
ルコールと酢酸パラジウムなどのアルキルカルボン酸金
属塩を溶媒中で混合し反応させることによって得られ
る。
【0019】本発明で用いられる前記有機金属化合物の
金属元素としては、白金、パラジウム、ルテニウム等の
白金族元素、金、銀、銅、クロム、タンタル、鉄、タン
グステン、鉛、亜鉛、スズ等を用いることができる。
【0020】前記金属含有水溶液の金属濃度範囲は、用
いる金属化合物の種類によって最適な範囲が多少異なる
が、一般には重量で0.1%以上、2%以下の範囲が適
当である。金属濃度が0.1重量%未満の場合、基板に
所望の量の金属を付与するために、多量の前記水溶液の
液滴の付与が必要になり、その結果、液滴付与に要する
時間が長くなるのみならず、基板上に無用に大きな液溜
りを生じてしまい、所望の位置のみに金属を付与する目
的が達成できなくなる。逆に前記水溶液の金属濃度が2
重量%を越える場合、基板に付与された液滴が後の工程
で乾燥あるいは焼成される際に著しく不均一化し、その
結果として電子放出素子の導電性薄膜が不均一になり、
電子放出素子の特性を悪化させる。
【0021】本発明の有機金属錯体は、アルキルカルボ
ン酸等の金属塩に、アミノアルコールを反応させて形成
されるが、金属イオンの価数または配位形により金属に
対して結合するカルボン酸は1から4まで変化する。例
えば銀と酢酸の場合には一酢酸銀が一般的であるし、パ
ラジウムの場合には二酢酸パラジウムが、イットリウム
の場合には三酢酸イットリウムが、また鉛の場合には四
酢酸鉛が一般的であることがよく知られている。またア
ルキルカルボン酸金属塩に配位するアミノアルコールの
個数も金属イオンの価数、配位形またはアミンの級数に
より1から4まで変化する。例えば酢酸パラジウムには
トリスヒドロキシメチルアミノメタンが4個配位する。
【0022】一般に、有機金属錯体は結晶性が高く、該
液体の液滴を基板に付与して、液滴が後の工程で乾燥あ
るいは焼成されると、有機金属錯体結晶が析出し、著し
く不均一な導電性薄膜となってしまう。
【0023】これに対して本発明の、分子内にアミノア
ルコールを含む有機金属錯体、特に炭素数3〜5のアミ
ノアルコールを含む有機金属錯体、更に詳しくはアミノ
アルコールとしてトリスヒドロキシメチルアミノメタン
を含む有機金属錯体は結晶化が起こりにくく、従ってこ
のような有機金属錯体を含む液滴を付与して、塗布薄膜
を作製する工程中、更にはその後の乾燥あるいは焼成工
程においても結晶が析出することがなく、均一な導電性
薄膜を作製することができる。特に、作製に長時間を有
する大面積の基板を使用する場合には、結晶が析出しな
いことによる導電性薄膜の均一化の効果は顕著である。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】本発明で用いる前記金属含有水溶液は、水
溶性多価アルコールを含むことが望ましい。ここで言う
多価アルコールとは分子内に複数のアルコール性水酸基
を有する化合物のことである。特に炭素数2ないし4
の、常温において液体の多価アルコール、具体的にはエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、3−メトキシ−1,2−プロパンジオ
ール、2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオー
ル、ジエチレングリコール、グリセリン、1,2,4−
ブタントリオール等が本発明の金属含有水溶液への添加
に有用である。
【0029】前記多価アルコールは本発明で用いる前記
金属含有水溶液に5重量%以下、特に0.05重量%な
いし3重量%の範囲で含有させることが望ましい。5重
量%より高濃度では基板に塗布した金属含有水溶液の乾
燥が遅くなり好ましくない。また、本発明で用いる前記
金属含有水溶液は、水溶性一価アルコールを含むことが
望ましい。用いることのできる水溶性一価アルコール
は、炭素原子数1ないし4の、常温で液体の水溶性一価
アルコールで、具体例としてはメタノール、エタノー
ル、プロパノール、2−ブタノール等を挙げることがで
きる。
【0030】前記水溶性一価アルコールは、前記金属含
有水溶液に対して35重量%以下となるように加えられ
るべきで、これ以上の添加は前記の水溶性有機金属化合
物の溶解性を低下せしめたり、基板に部分的に塗布した
場合に基板上で塗膜が広がってしまい所望の領域に限っ
て塗膜を形成することが困難になる場合がある。前記金
属含有水溶液を基板に部分的に塗布する場合には、特に
好ましくは前記水溶性一価アルコールを5ないし35重
量%の範囲とすべきである。
【0031】前記金属含有水溶液を絶縁性基板上に塗布
して塗膜とした後、後述するようにこの塗膜を乾燥加熱
焼成することにより、有機成分が分解消失して導電性薄
膜が基板上に形成される。前記の塗布手段としては、デ
イッピング、スピン塗布、スプレー塗布等の従来公知の
液体塗布手段を用いることができる。また、液滴を形成
して付与する方法も好ましく、特に微小な液滴を効率良
く適度な精度で発生付与でき制御性も良好なインクジェ
ット方式が便利である。インクジェット方式にはピエゾ
素子等のメカニカルな衝撃により液滴を発生付与するも
のや、微小ヒータ等で液を加熱し突沸により液滴を発生
付与するバブルジェット方式などがあるが、いずれの方
式でも十ナノグラム程度から数十マイクログラム程度ま
での微小液滴を再現性良く発生し基板に付与することが
できる。このような金属含有水溶液を基板上に塗布して
導電性薄膜を形成する工程において、本発明の、分子内
にアミノアルコールを含有する金属化合物を含む金属含
有水溶液を用いるならば、液体を付与する工程中、次の
工程に移行するまでの間さらにはその後の乾燥焼成工程
においても結晶が析出することもなく、容易に均質な塗
膜を形成することができ、均質な導電性薄膜とすること
ができる。
【0032】上記手段で基板に付与された金属含有水溶
液は、乾燥、焼成工程を経て導電性無機微粒子膜とする
ことにより、基板上に電子放出のための無機微粒子膜を
形成する。なおここで述べる微粒子膜とは複数の微粒子
が集合した膜であり、微視的に微粒子が個々に分散配置
した状態のみならず、微粒子が互いに隣接あるいは重な
り合った状態(島状も含む)の膜をさす。また微粒子膜
の粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微粒子に
ついての径を意味する。
【0033】乾燥工程は通常用いられる自然乾燥、送風
乾燥、熱乾燥等を用いればよい。焼成工程は通常用いら
れる加熱手段を用いればよい。乾燥工程と焼成工程とは
必ずしも区別された別工程として行う必要はなく、連続
して同時に行ってもかまわない。
【0034】上記のような本発明の方法に従い導電性薄
膜を形成するならば、液滴付与工程において基板上の任
意の部位にのみ液滴を選択的に付与できる。従って有機
金属等を基板全面に塗布し焼成してから不要部分をフォ
トリングラフ技術を適用して除去するといった従来工程
を簡便で低コストな工程に置き換えることができる。さ
らには、電子放出部を形成する工程において結晶の析出
等もなく均一な導電性薄膜を作製することができる。
【0035】本発明に従う表面伝導型電子放出素子の製
造について説明する。またここでは平面構造の電子放出
素子について述べるが、本発明の製造方法はこの平面型
電子放出素子に限られるものではない。
【0036】図1(a)、(b)はそれぞれ本発明に好
適な表面伝導型電子放出素子の構成を示す模式的平面図
および断面図である。図1を用いて、本発明に好適な電
子放出素子の基本的な構成を示す。図1(a)、(b)
において、1は絶縁性基板、3は電子放出部、4は導電
性薄膜、5および6は素子電極である。
【0037】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラス
にスパッタ法等により形成したSiO2 を積層したガラ
ス基板等、並びにアルミナ等のセラミックス等が用いら
れる。
【0038】基板1上に対向配置される素子電極5、6
の材料としては、一般的な導体材料が用いられ、例えば
Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、C
u、Pd等の金属あるいはそれらの合金、Pd、Ag、
Au、RuO2 、Pd−Ag等の金属あるいは金属酸化
物とガラス等から構成される印刷導体や、In23
SnO2 等の透明導電体、並びにポリシリコン等の半導
体導体材料等から適宜選択される。
【0039】素子電極間隔L1、素子電極長さW1、素
子幅W2、導電性膜4の形状等は、応用される形態等に
応じて適宜設計される。素子電極間隔L1は、好ましく
は数百オングストロームから数百μmであり、より好ま
しくは素子電極間に印加する電圧等により数μmから数
十μmである。また、素子電極長さW1は、好ましくは
電極の抵抗値、電子放出特性により、数μmから数百μ
mである。さらに素子電極5、6の膜厚dは、好ましく
は数百オングストロームから数μmである。
【0040】なお、図1においては基板1上に素子電極
5、6、導電性薄膜4の順に順次積層してあるが、本発
明に好適な電子放出素子はかかる構成だけでなく、基板
1上に導電性薄膜4、対向する素子電極5、6の順に順
次積層してなるものであってもよい。
【0041】導電性薄膜4は、良好な電子放出特性を得
るためには微粒子で構成された微粒子膜が特に好まし
い。導電性薄膜4の膜厚は、素子電極5、6へのステッ
プカバレージ、素子電極5、6間の抵抗値および後述す
る通電フォーミング処理条件等によって適宜設定され、
好ましくは数オングストロームから数千オングストロー
ムであり、特に好ましくは10オングストロームから5
00オングストロームである。導電性薄膜4の抵抗値
は、10の2乗から10の7乗オーム/□のシート抵抗
値を示す。
【0042】また、導電性薄膜4を構成する材料として
は、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、C
u、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金
属、PdO、SnO2 、In23 、PbO、Sb2
3 等の金属酸化物等が挙げられる。
【0043】なお、ここで述べる微粒子膜とは、複数の
微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒
子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互い
に隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜
をさす。かかる微粒子の粒径は、数オングストロームか
ら数千オングストロームが好ましく、特に好ましくは1
0オングストロームから200オングストロームであ
る。
【0044】電子放出部3は、導電性薄膜4の一部に形
成された高抵抗の亀裂であり、導電性薄膜4の膜厚、膜
質、材料および後述する通電フォーミング等の製法に依
存して形成される。前記電子放出部3は、数オングスト
ロームから数百オングストロームの粒径の導電性微粒子
を有することもある。この導電性微粒子は、導電性薄膜
4を構成する材料の元素の一部、あるいは全てと同様の
物である。また、電子放出部3およびその近傍の導電性
薄膜4には、炭素および炭素化合物を有することもあ
る。
【0045】上述の表面伝導型電子放出素子の製造方法
としては、様々な方法が考えられるが、その一例を図2
に示す。以下、順を追って製造方法の説明を、図1およ
び図2に基づいて説明する。なお、図2中の符号で図1
と同一の符号は、同一の物を指す。
【0046】1)基板1を洗剤、純水および有機溶剤に
より十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等により素
子電極材料を基板1上に堆積後、フォトリソグラフィー
技術により該基板1上に素子電極5、6を形成する(図
2(a))。
【0047】2)基板1上の素子電極5、6の電極間
に、前記の本発明の電子放出部形成用金属含有水溶液を
塗布して塗膜を形成する。塗布の手段としてはスピン塗
布、ディッピング、スプレー塗布等の通常の液体塗布手
段を用いることができる。また別の塗布手段として、ピ
エゾ方式や加熱発泡(バブルジェット)方式等のインク
ジェット方式に代表される液滴付与手段21を用いて、
前記金属含有水溶液の液滴22を付与する手段が挙げら
れる。なお23は液溜りを示す(図2(b))。この
後、付与された金属含有水溶液を加熱焼成して有機成分
を分解させ、導電性薄膜4を得る(図2(c))。導電
性薄膜4を所望の平面形状とするためには、付与された
金属含有液体の加熱焼成前あるいは後にリフトオフ、エ
ッチング、レーザートリミング等のパターニング処理を
行ない不要部分を除去すればよい。適当な液滴付与手段
を用いた場合には、所望のパターン形状を有する導電性
薄膜を形成可能であり、この場合には前記のパターニン
グ処理を省略することができる。
【0048】前記の液滴付与手段21とは、液体を1μ
m以上100μm以下の大きさの小滴とし、これを一滴
もしくは複数滴用いて被付与面に付与を行う手段であ
る。また、インクジェットとは、前記の液体小滴を形成
したうえ、被付与面に向けて射出して、主に液体小滴の
慣性により該液体小滴を被付与面に移行させてなる液滴
付与手段である。通常、前記インクジェットは被付与面
上の所望の位置に液体小滴を移行させる目的で、液滴射
出部と被付与面との相対位置を変化させる手段や、前記
の慣性により移行中の液体小滴に対して、静電気等の非
接触による外力を作用させて液体小滴の飛行方向を調整
する手段を併用する場合が多い。
【0049】前記のピエゾ方式とはインクジェットの一
方式であって、圧電体に電圧を印加した時の変形力を利
用して、液体小滴の形成と射出を行う方式である。ま
た、前記のバブルジェット方式とは、同じくインクジェ
ットの一方式であって、液体を小空間で加熱した際の突
沸の力を利用して、液体小滴の形成と射出を行う方式で
ある。
【0050】上記のような付与(塗布)を行なって形成
した有機金属膜を加熱焼成すると、通常、有機成分は1
000度以下、ほとんどの場合300度前後で分解して
金属、金属酸化物などの無機化合物、あるいはそれらの
表面に炭素数の小さな簡単な有機物が吸着した組成物に
変化する。
【0051】
【0052】通常、前記のようにして形成された導電性
薄膜は、微視的には金属含有液体に含まれていた金属原
子が、数個から数千個凝集した微粒子が多数集合した形
態を有する。
【0053】3)続いて、通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を施す。この処理は、素子電極5、6間に不図
示の電源を用いて通電し、導電性薄膜4に構造の変化し
た部位を形成する処理である(図2(d))。この通電
フォーミングにより導電性薄膜4を局所的に破壊、変形
もしくは変質せしめ、構造の変化した部位を電子放出部
3と呼ぶ。
【0054】通電フォーミングの際の電圧波形の一例を
図3に示す。電圧波形は特にパルス波形が好ましく、パ
ルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加する場
合を図3(a)に、パルス波高値を増加させながらパル
スを印加する場合を図3(b)にそれぞれ示す。先ず、
パルス波高値を定電圧とした場合について図3(a)に
基づいて説明する。
【0055】図3(a)におけるT1およびT2はそれ
ぞれ電圧波形のパルス幅とパルス間隔である。T1を1
マイクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マイクロ秒〜10
0ミリ秒とし、三角波の波高値(通電フォーミング時の
ピーク電圧)は、表面伝導型電子放出素子の前述した形
態に応じて適宜選択し、適当な真空度、例えば10の−
5乗torr程度の真空雰囲気下で、数秒から数十分印
加する。なお、素子の電極間に印加する電圧波形は三角
波に限定することはなく、矩形波など所望の波形を採用
しても良い。
【0056】図3(b)におけるT1およびT2は、図
3(a)におけるものと同様であり、三角波の波高値
を、例えば0.1Vステップ程度づつ増加させながら適
当な真空雰囲気下で印加する。
【0057】なお、上記の場合の通電フォーミング処理
の終了は、パルス間隔T2中に、導電性薄膜4を局所的
に破壊、変形しない程度の電圧、例えば0.1V程度の
電圧で素子電流を測定し、抵抗値を求め、例えば1Mオ
ーム以上の抵抗を示した時に通電フォーミングを終了す
る。
【0058】4)次に、通電フォーミングが終了した素
子に活性化工程と呼ばれる処理を施すのが好ましい。活
性化工程とは、この工程により素子電流If、放出電流
Ieが著しく変化する工程である。
【0059】すなわち活性化工程は、例えば、有機物質
のガスを含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様
に、パルスの印加を繰り返すことで行うことができる。
この雰囲気は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプ
などを用いて真空容器内を排気した場合に、雰囲気内に
残留する有機ガスを利用して形成することができる他、
イオンポンプなどにより一旦十分に排気した真空中に、
適当な有機物質のガスを導入することによっても得られ
る。このときの好ましい有機物質のガス圧は、前述の応
用の形態、真空容器の形状や、有機物質の種類などによ
り異なるため場合に応じ適宜設定される。適当な有機物
質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭
化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アルデヒ
ド類、ケトン類、アミン類、フェノール、カルボン、ス
ルホン酸等の有機酸類等を挙げることができる。具体的
には、メタン、エタン、プロパンなどCn2n+2で表さ
れる飽和炭化水素、エチレン、プロピレンなどCn2n
等の組成式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トル
エン、メタノール、エタノール、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルアミン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プ
ロピオン酸等が使用できる。この処理により、雰囲気中
に存在する有機物質から、炭素あるいは炭素化合物が素
子上に堆積し、素子電流If、放出電流Ieが、著しく
変化する工程である。
【0060】活性化工程の終了判定は、素子電流Ifと
放出電流Ieを測定しながら、適宜行う。なおパルス
幅、パルス間隔、パルス波高値なども適宜設定される。
【0061】上述の炭素および炭素化合物とは、例えば
グラファイト(このグラファイトはいわゆるHOPG、
PG、GCを包含しており、HOPGはほぼ完全なグラ
ファイトの結晶構造を有するもの、PGは結晶粒が20
0オングストローム程度で結晶構造がやや乱れたもの、
GCは結晶粒が20オングストローム程度になり、結晶
構造の乱れがさらに大きくなったものを指す。)、非晶
質カーボン(アモルファスカーボンおよび、アモルファ
スカーボンと前記グラファイトの微結晶の混合物を指
す。)であり、その膜厚は、500オングストローム以
下とするのが好ましく、300オングストローム以下と
するのがより好ましい。
【0062】5)このような工程を経て得られた電子放
出素子は、安定化工程を行うことが好ましい。この工程
は、真空容器内の有機物質を排気する工程である。真空
容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイ
ルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用
しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープ
ションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げる
ことができる。
【0063】前記活性化工程で、排気装置として油拡散
ポンプやロータリーポンプを用い、これから発生するオ
イル成分に由来する有機ガスを用いた場合は、この成分
の分圧を極力低く抑える必要がある。真空容器内の有機
成分の分圧は、上記の炭素および炭素化合物がほぼ新た
に堆積しない分圧が好ましく、具体的には1×10-8
orr以下が好ましく、さらには1×10-10 Torr
以下が特に好ましい。さらに真空容器内を排気するとき
には、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子
放出素子に吸着した有機物質分子を排気しやすくするの
が好ましい。このときの加熱条件は、80〜200℃で
5時間以上という条件が望ましいが、特にこの条件に限
るものではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素
子の構成などの諸条件により適宜選ばれる条件により行
う。真空容器内の圧力は極力低くすることが必要で、1
〜3×10-7Torr以下が好ましく、さらに1×10
-8Torr以下が特に好ましい。
【0064】安定化工程を行なった後の、駆動時の雰囲
気は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好
ましいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除
去されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定
な特性を維持することができる。
【0065】従って、このような真空雰囲気を採用する
ことにより、新たな炭素および炭素化合物の堆積を抑制
する事が可能となり、結果として素子電流If、放出電
流Ieが安定する。
【0066】上述のような素子構成を有しており、上記
本発明の製造方法によって作製された電子放出素子の基
本特性について図4および図5を用いて説明する。
【0067】図4は、図1で示した構成を有する素子の
電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成
図である。図4において、図1中の符号と同一の符号は
図1と同一のものを示す。また、40は素子電極5、6
間の導電性膜4を流れる素子電流Ifを測定するための
電流計、41は電子放出素子に素子電圧Vfを印加する
ための電源、42は素子の電子放出部3より放出される
放出電流Ieを測定するための電流計、43はアノード
電極44に電圧を印加するための高圧電源、44は素子
の電子放出部3より放出される放出電流Ieを捕捉する
ためのアノード電極、45は真空装置、46は排気ポン
プである。
【0068】また、電子放出素子およびアノード電極4
4等は真空装置45内に設置され、その真空装置45に
は、不図示の真空計等の真空装置に必要な機器が具備さ
れており、所望の真空下で電子放出素子の測定評価を行
えるようになっている。なお、排気ポンプ46は、ター
ボポンプ、ロータリーポンプからなる通常の高真空装置
系と、更にイオンポンプ等からなる超高真空装置系とか
らなる。また、真空装置全体、および電子放出素子は、
不図示のヒーターにより200度まで加熱できる。従っ
て、本測定評価装置では、前述の通電フォーミング以降
の工程も行うことができる。
【0069】なお、アノード電極の電圧は1kV〜10
kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは2mm
〜8mmの範囲で測定した。
【0070】図4に示した測定評価装置により測定され
た放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfとの
関係の典型的な例を図5に示す。なお、放出電流Ieは
素子電流Ifに比べて著しく小さいので、図5は任意単
位で示されている。なお、縦横軸はリニアスケールであ
る。
【0071】図5からも明らかなように、本発明の製造
方法によって作製された電子放出素子は、放出電流Ie
に対する以下の三つの特徴的特性を有する。
【0072】先ず第一に、上記電気放出素子はある電圧
(しきい値電圧と呼ばれ、図5中のVthである)以上
の素子電圧を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、
一方しきい値電圧Vth未満では放出電流Ieがほとん
ど検出されない。すなわち、上記電気放出素子は、放出
電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非
線形素子である。
【0073】第二に、放出電流Ieが素子電圧Vfに単
調増加依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制
御できる。
【0074】第三にアノード電極44に捕捉される放出
電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。すな
わち、アノード電極44に捕捉される電荷量は、素子電
圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0075】本発明の製造方法によって製造される電子
放出素子は以上のような特性を有するため、複数の電子
放出素子を配置した電子源、画像形成装置等においても
入力信号に応じて電子放出特性を容易に制御できること
となり、多方面への応用が可能である。
【0076】また、素子電流Ifは素子電圧Vfに対し
て単調増加する(MI特性と呼ぶ)好ましい特性の例を
図5中に実線で示したが、この他にも、素子電流Ifが
素子電圧Vfに対して電圧制御型負性抵抗(VCNR特
性と呼ぶ)特性を示す場合もある(不図示)。また、こ
れら素子電流の特性は、その製法および測定時の測定条
件等に依存する。なお、この場合も、電子放出素子は上
述した三つの特性上の特徴を有する。
【0077】次に、本発明の電子源の製造方法と、該方
法によって製造される電子源について説明する。
【0078】本発明の電子源の製造方法は、電子放出素
子と、該素子への電圧印加手段とを具備する電子源の製
造方法であって、該電子放出素子を上述の本発明の電子
放出素子の製造方法で作製することを特徴とする方法で
ある。本発明の電子源の製造方法においては、電子放出
素子を前述の本発明の電子放出素子の製造方法で作製す
ること以外は特に制限されず、またかかる方法によって
製造される電子源の電圧印加手段等の具体的な構成も特
に制限されない。
【0079】以下に、本発明の電子源の製造方法および
その方法によって製造される電子源の好適な態様につい
て説明する。
【0080】基板上の電子放出素子の配列の方式には、
例えば、従来例で述べたように多数の電子放出素子を並
列に配置し、個々の素子の両端を配線で接続した電子放
出素子の行を多数配列し(行方向と呼ぶ)、この配線と
直交する方向に(列方向と呼ぶ)該電子源の上方の空間
に設置された制御電極(グリッドとも呼ぶ)によって電
子放出素子からの放出電子を制御駆動するはしご状配置
や、次に述べるm本のX方向配線の上にn本のY方向配
線を層間絶縁層を介して設置し、電子放出素子の一対の
素子電極にそれぞれX方向配線、Y方向配線を接続した
配置があげられる。以下、後者の配置を単純マトリクス
配置と呼ぶ。まず、単純マトリクス配置について詳述す
る。
【0081】前述した本発明の製造方法で作製される電
子放出素子の3つの基本的特性の特徴によれば、単純マ
トリクス配置された電子放出素子においても、該素子か
らの放出電子は、しきい値電圧以上では対抗する素子電
極間に印加するパルス状電圧の波高値と巾によって制御
される。一方、しきい値電圧以下では、放出電子はほと
んど放出されない。この特性によれば、多数の電子放出
素子を配置した場合においても、個々の素子に上記パル
ス状電圧を適宜印加すれば、入力信号に応じて電子放出
素子を選択し、その電子放出量を制御することが可能で
ある。
【0082】以下、この原理に基づいて構成した電子源
の構成について、図6を用いて説明する。61は電子源
基板、62はX方向配線、63はY方向配線、64は電
子放出素子、65は結線である。なお、電子放出素子6
4は前述の本発明の製造方法で作製されたものであれば
よく、平面型あるいは垂直型のどちらであってもよい。
【0083】図6において、電子源基板61は前述した
ガラス基板等であり、用途に応じて、設置される電子放
出素子の個数および個々の素子の設計上の形状が適宜設
定される。
【0084】X方向配線62はDx1、Dx2、・・
・、Dxmのm本(mは正の整数)の配線からなり、電
子源基板61上に真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で
形成した導電性金属等である。また、多数の電子放出素
子にほぼ均等な電圧が供給されるようにその材料、膜
厚、配線巾が適宜設定される。Y方向配線63はDy
1、Dy2、・・・、Dynのn本(nは正の整数)の
配線からなり、X方向配線62と同様に作製される。こ
れらm本のX方向配線62とn本のY方向配線63間に
は、不図示の層間絶縁層が設置され、電気的に分離され
てマトリックス配線を構成する。
【0085】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X方
向配線62を形成した基板61の全面または一部に所望
の形状で形成され、特にX方向配線62とY方向配線6
3の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製
法が適宜設定される。また、X方向配線62とY方向配
線63は、それぞれ外部端子として引き出されている。
【0086】更に、電子放出素子64の対向する素子電
極(不図示)が、m本のX方向配線62およびn本のY
方向配線63と、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で
形成された導電性金属等からなる結線65によってそれ
ぞれ電気的に接続されているものである。
【0087】ここで、m本のX方向配線62、n本のY
方向配線63、結線65および対向する素子電極の導電
性金属は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であ
っても、またそれぞれ異なっていてもよく、前述の素子
電極の材料等から適宜選択される。なお、これら素子電
極への配線は、素子電極と配線材料が同一である場合
は、素子電極と総称する場合もある。また電子放出素子
は、基板61上、あるいは不図示の層間絶縁層上のどち
らに形成してもよい。
【0088】また、詳しくは後述するが、前記X方向配
線62には、X方向に配列する電子放出素子64の行を
入力信号に応じて走査するための走査信号を印加するた
めの不図示の走査信号発生手段が電気的に接続されてい
る。一方、Y方向配線63には、Y方向に配列する電子
放出素子64の列の各列を入力信号に応じて変調するた
めの変調信号を印加するための不図示の変調信号発生手
段が電気的に接続されている。更に、電子放出素子の各
素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走
査信号と変調信号の差電圧として供給されるものであ
る。
【0089】上記構成において、単純なマトリクス配線
だけで個別の素子を選択して独立に駆動可能となる。
【0090】次に、本発明の表示パネルの製造方法と、
該方法によって製造される表示パネルについて説明す
る。
【0091】本発明の表示パネルの製造方法は、電子放
出素子および該素子への電圧印加手段を具備する電子源
と、該素子から放出される電子を受けて発光する蛍光膜
とを具備する表示パネルの製造方法であって、該電子放
出素子を前述の本発明の電子放出素子の製造方法で作製
することを特徴とする方法である。本発明の表示パネル
の製造方法においては、電子放出素子を前述の本発明の
電子放出素子の製造方法で作製すること以外は特に制限
されず、またかかる方法によって製造される表示パネル
の電子源、蛍光膜等の具体的な構成も特に制限されな
い。
【0092】以下に、本発明の表示パネルの製造方法お
よびその方法によって製造される表示パネルの好適な態
様として、以上のようにして作製した単純マトリクス配
置の電子源による表示等に用いる表示パネルについて、
図7および図8を用いて説明する。図7は表示パネルの
基本構成図であり、図8は蛍光膜のパターン図である。
【0093】図7において、61は上述のようにして電
子放出素子を配置した電子源基板、71は電子源を固定
したリアプレート、76はガラス基板73の内面に蛍光
膜74とメタルバック75等が形成されたフェースプレ
ート、72は支持枠であり、リアプレート71、支持枠
72およびフェースプレート76を、フリットガラス等
を塗布した後に大気中あるいは窒素雰囲気中で400〜
500度で10分以上焼成することによって封着して、
外囲器78を構成する。
【0094】図7において、64は図1における電子放
出部に相当する。62および63は、それぞれ電子放出
素子の一対の素子電極と接続されたX方向配線およびY
方向配線である。
【0095】外囲器78は、上述の如く、フェースプレ
ート76、支持枠72およびリアプレート71で構成さ
れるが、リアプレート71は主に基板61の強度を補強
する目的で設けられるため、基板61自体で十分な強度
を持つ場合は別体のリアプレート71は不要であり、基
板61に直接支持枠72を封着し、フェースプレート7
6、支持枠72および基板61にて外囲器78を構成し
ても良い。また、更には、フェースプレート76とリア
プレート71との間に、スペーサーとよばれる不図示の
支持体を設置することで、大気圧に対して十分な強度を
もつ外囲器78の構成にすることもできる。
【0096】図8は蛍光膜を示す。蛍光膜74は、モノ
クローム用の場合は蛍光体のみから成るが、カラー用の
蛍光膜の場合は蛍光体の配列によりブラックストライプ
あるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材
81と蛍光体82とで構成される。ブラックストライ
プ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表
示の際に必要となる三原色蛍光体の各蛍光体82間の塗
り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすること
と、蛍光膜74における外光反射によるコントラストの
低下を抑制することである。ブラックストライプの材料
としては、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする
材料だけでなく、導電性があり光の透過および反射が少
ない材料であればこれに限るものではない。
【0097】ガラス基板83に蛍光体を塗布する方法
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法や印刷法が
用いられる。また、蛍光膜74の内面側には通常メタル
バック75が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の発光のうち内面側への光をフェースプレート76側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護すること等である。メタルバック
は、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理
(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを
真空蒸着等で堆積することで作製できる。
【0098】フェースプレート76には、更に蛍光膜7
4の導電性を高めるため、蛍光膜74の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。
【0099】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行なう必要がある。
【0100】外囲器78は、不図示の排気管を通じ、1
0のマイナス7乗Torr程度の真空度にされ、封止を
行なわれる。また、外囲器78の封止後の真空度を維持
するために、ゲッター処理を行なう場合もある。これ
は、外囲器78の封止を行なう直前あるいは封止後に、
抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器
78内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを
加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常
Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例
えば1X10のマイナス5乗ないしは1X10のマイナ
ス7乗トールの真空度を維持するものである。なお、電
子放出素子のフォーミング以降の工程は、適宜設定され
る。
【0101】次に、本発明の画像形成装置の製造方法
と、該方法によって製造される画像形成装置について説
明する。
【0102】本発明の画像形成装置の製造方法は、電子
放出素子および該素子への電圧印加手段を具備する電子
源と、該素子から放出される電子を受けて発光する蛍光
膜と、外部信号に基づいて該素子へ印加する電圧を制御
する駆動回路とを具備する画像形成装置の製造方法であ
って、該電子放出素子を前述の本発明の電子放出素子の
製造方法で作製することを特徴とする方法である。本発
明の画像形成装置の製造方法においては、電子放出素子
を前述の本発明の電子放出素子の製造方法で作製するこ
と以外は特に制限されず、またかかる方法によって製造
される画像形成装置の電子源、蛍光膜、駆動回路等の具
体的な構成も特に制限されない。以下に、本発明の画像
形成装置の製造方法およびその方法によって製造される
画像形成装置の好適な態様として、単純マトリクス配置
の電子源を用いて構成した表示パネルを用いてNTSC
方式のテレビ信号に基づいてテレビジョン表示を行なう
為の画像形成装置を示し、その概略構成を図9を用いて
説明する。図9は、NTSC方式のテレビ信号に応じて
表示を行なう例の画像形成装置の駆動回路のブロック図
である。図9において、91は前記表示パネルであり、
また、92は走査回路、93は制御回路、94はシフト
レジスタ、95はラインメモリ、96は同期信号分離回
路、97は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電圧
源である。
【0103】以下、各部の機能を説明していく。先ず表
示パネル91は、端子Dox1ないしDoxm、および
端子Doy1ないしDoyn、並びに高圧端子Hvを介
して外部の電気回路と接続している。このうち、端子D
ox1ないしDoxmには、前記表示パネル内に設けら
れている電子源、すなわちM行N列の行列状にマトリク
ス配線された電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次
駆動していく為の走査信号が印加される。一方、端子D
oy1ないしDoynには、前記走査信号により選択さ
れた一行の電子放出素子の各素子の出力電子ビームを制
御する為の変調信号が印加される。また、高圧端子Hv
には、直流電圧源Vaより、たとえば10K[V]の直
流電圧が供給されるが、これは電子放出素子より出力さ
れる電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギ
ーを付与する為の加速電圧である。
【0104】次に、走査回路92について説明する。同
回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えるもので
(図中、S1ないしSmで模式的に示している)、各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、
表示パネル91の端子Dox1ないしDoxmと電気的
に接続するものである。S1ないしSmの各スイッチン
グ素子は、制御回路93が出力する制御信号Tscan
に基づいて動作するものであるが、実際には例えばFE
Tのようなスイッチング素子を組み合わせる事により容
易に構成する事が可能である。
【0105】なお、前記直流電圧源Vxは、本実施態様
の場合には前記電子放出素子の特性(電子放出しきい値
電圧)に基づき、走査されていない素子に印加される駆
動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電
圧を出力するよう設定されている。
【0106】また、制御回路93は、外部より入力する
画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部
の動作を整合させる働きを持つものである。次に説明す
る同期信号分離回路96より送られる同期信号Tsyn
cに基づいて、各部に対してTscan、Tsftおよ
びTmryの各制御信号を発生する。
【0107】同期信号分離回路96は、外部から入力さ
れるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、よく知られている
ように周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容易
に構成できるものである。同期信号分離回路96により
分離された同期信号は、よく知られるように垂直同期信
号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上、
Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ信号
から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DATA信
号と表すが、同信号はシフトレジスタ94に入力され
る。
【0108】シフトレジスタ94は、時系列的にシリア
ルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎
にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御
回路93より送られる制御信号Tsftに基づいて動作
する(すなわち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ
94のシフトクロックであると言い換えても良い)。シ
リアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出
素子N素子分の駆動データに相当する)のデータは、I
d1ないしIdnのN個の並列信号として前記シフトレ
ジスタ94より出力される。
【0109】ラインメモリ95は、画像1ライン分のデ
ータを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であり、
制御回路93より送られる制御信号Tmryにしたがっ
て適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶され
た内容は、I’d1ないしI’dnとして出力され、変
調信号発生器97に入力される。
【0110】変調信号発生器97は、前記画像データ
I’d1ないしI’dnの各々に応じて、電子放出素子
の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、その出力信
号は、端子Doy1ないしDoynを通じて表示パネル
91内の電子放出素子に印加される。
【0111】前述したように、本発明にかかる電子放出
素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有してい
る。すなわち、前述したように、電子放出には明確なし
きい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加され
た時のみ電子放出が生じる。また、電子放出しきい値以
上の電圧に対しては、素子への印加電圧の変化に応じて
放出電流も変化していく。なお、電子放出素子の材料や
構成、製造方法を変える事により、電子放出しきい値電
圧Vthの値や、印加電圧に対する放出電流の変化の度
合いが変わる場合もあるが、いずれにしても以下のよう
な事がいえる。
【0112】すなわち、本素子にパルス状の電圧を印加
する場合、例えば電子放出しきい値以下の電圧を印加し
ても電子放出は生じないが、電子放出しきい値以上の電
圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その
際、第一には、パルスの波高値Vmを変化させる事によ
り出力電子ビームの強度を制御する事が可能である。第
二には、パルスの幅Pwを変化させる事により出力され
る電子ビームの電荷の総量を制御する事が可能である。
【0113】したがって、入力信号に応じて、電子放出
素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅
変調方式等が挙げられる。電圧変調方式を実施するに
は、変調信号発生器97としては、一定の長さの電圧パ
ルスを発生するが入力されるデータに応じて適宜パルス
の波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用い
る。また、パルス幅変調方式を実施するには、変調信号
発生器97としては、一定の波高値の電圧パルスを発生
するが入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅を
変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いるもので
ある。
【0114】以上説明した一連の動作により、表示パネ
ル91を用いてテレビジョンの表示を行なえる。なお、
上記説明中、特に記載しなかったが、シフトレジスタ9
4やラインメモリ95は、デジタル信号式のものでもア
ナログ信号式のものでも差し支えなく、要は画像信号の
シリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で行なわれ
ればよい。
【0115】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路96の出力信号DATAをデジタル信号化す
る必要があるが、これは回路96の出力部にA/D変換
器を備えれば容易に可能であることは言うまでもない。
また、これと関連してラインメモリ95の出力信号がデ
ジタル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器9
7に用いられる回路が若干異なったものとなるのは言う
までもない。すなわち、デジタル信号の場合には、電圧
変調方式の場合、変調信号発生器97には、例えばよく
知られるD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路
等を付け加えればよい。またパルス幅変調方式の場合、
変調信号発生器97は、例えば、高速の発振器および発
振器の出力する波数を計数する計数器(カウンタ)およ
び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較
器(コンパレータ)を組み合せた回路を用いれば当業者
であれば容易に構成できる。必要に応じて、比較器の出
力するパルス幅変調された変調信号を電子放出素子の駆
動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えても
よい。
【0116】一方、アナログ信号の場合には、電圧変調
方式の場合、変調信号発生器97には、例えばよく知ら
れるオペアンプ等を用いた増幅回路を用いればよく、必
要に応じてレベルシフト回路等を付け加えてもよい。ま
た、パルス幅変調方式の場合には、例えばよく知られた
電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよく、必要に
応じて電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するため
の増幅器を付け加えてもよい。
【0117】以上のように完成した本発明に好適な画像
表示装置において、各電子放出素子に容器外端子Dox
1ないしDoxm、Doy1ないしDoynを通じて電
圧を印加することにより電子放出させ、高圧端子Hvを
通じてメタルバック75あるいは透明電極(不図示)に
高電圧を印加して電子ビームを加速し、蛍光膜74に衝
突させることによって蛍光膜74を励起・発光させるこ
とで画像を表示することができる。以上述べた構成は、
表示等に用いられる好適な画像形成装置を作製する上で
必要な概略構成であり、例えば各部材の材料等、詳細な
部分は上述内容に限られるものではなく、画像形成装置
の用途に適するよう適宜選択する。また、入力信号例と
して、NTSC方式を挙げたが、これに限るものではな
く、PAL、SECAM方式等の諸方式でもよく、ま
た、これよりも多数の走査線からなるTV信号(例え
ば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式でも
よい。
【0118】次に、前述のはしご型配置の電子源、表示
パネル及び画像形成装置の例について図10および図1
1を用いて説明する。
【0119】図10において、100は電子源基板、1
01は電子放出素子、102は前記電子放出素子を配線
するための共通配線Dx1〜Dx10である。電子放出
素子101は、基板100上にX方向に並列に複数個配
置される(これを素子行と呼ぶ)。この素子行が複数個
配置され、電子源となる。各素子行の共通配線間に適宜
駆動電圧を印加することで、各素子行を独立に駆動する
ことが可能である。すなわち、電子ビームを放出したい
素子行には電子放出しきい値以上の電圧を、電子ビーム
を放出しない素子行には電子放出しきい値以下の電圧を
印加すればよい。また、各素子行間の共通配線Dx2〜
Dx9を、例えばDx2とDx3とを同一配線とするよ
うに構成しても良い。
【0120】図11は、上記はしご型配置の電子源を備
えた画像形成装置の表示パネルを示す。110はグリッ
ド電極、111は電子が通過するための空孔、112は
Dox1、Dox2・・・Doxmよりなる容器外端
子、113はグリッド電極110と接続されたG1、G
2・・・Gnからなる容器外端子、114は前述の様に
各素子行間の共通配線を同一配線とした電子源基板であ
る。なお、図11において図7、図10中の符号と同一
の符号は両図と同一のものを示す。前述の単純マトリク
ス配置の画像形成装置(図7に示した)との大きな違い
は、電子源基板100とフェースプレート76の間にグ
リッド電極110を備えている事である。基板100と
フェースプレート76の中間には、グリッド電極110
が設けられている。グリッド電極110は、電子放出素
子から放出された電子ビームを変調することができるも
ので、はしご型配置の素子行と直交して設けられたスト
ライプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子
に対応して1個ずつ円形の開口111が設けられてい
る。グリッドの形状や設置位置は必ずしも図11のよう
なものでなくてもよく、開口としてメッシュ状に多数の
通過口を設けることもあり、また例えば電子放出素子の
周囲や近傍に設けてもよい。
【0121】容器外端子112およびグリッド容器外端
子113は、不図示の制御回路と電気的に接続される。
【0122】上記画像形成装置では、素子行を1列ずつ
順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極列
に画像1ライン分の変調信号を同時に印加することによ
り、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1
ラインずつ表示することができる。
【0123】また、本発明の思想によれば、テレビジョ
ン放送の表示装置のみならず、テレビ会議システム、コ
ンピューター等の表示装置として好適な画像形成装置が
提供される。更には、感光性ドラム等と組み合わせて構
成された光プリンターとしての画像形成装置として用い
ることも可能である。またこの際、上述のm本の行方向
配線とn本の列方向配線を適宜選択することで、ライン
状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても応用で
きる。
【0124】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0125】実施例1 酢酸パラジウム−(2−アミノ−2−メチル−1、3−
プロパンジオール)錯体を以下のようにして合成した。
酢酸パラジウム0.5gにイソプロピルアルコール25
mlを加え、撹拌しながら2−アミノ−2−メチル−
1、3−プロパンジオール1.0gを添加し、室温で4
時間撹拌した。反応後、この反応混合液を濾過し、濾液
を減圧して留去した。残渣にアセトンを加え、結晶化さ
せて濾取した。さらにこの結晶にアセトンを加えよく撹
拌し再び濾取した。この操作を5回繰り返し、結晶をア
セトンで充分に洗った後、真空乾燥して、酢酸パラジウ
ム−(2−アミノ−2−メチル−1、3−プロパンジオ
ール)錯体を得た。空気中でのTG測定の結果、この酢
酸パラジウム−(2−アミノ−2−メチル−1、3−プ
ロパンジオール)錯体の分解温度は、159〜240℃
であった。
【0126】実施例2 酢酸パラジウム−(トリスヒドロキシメチルアミノメタ
ン)錯体を以下のようにして合成した。酢酸パラジウム
0.5gにイソプロピルアルコール25mlを加え、撹
拌しながら、トリスヒドロキシメチルアミノメタン1.
11gを添加し、室温で4時間撹拌した。反応後、この
反応混合液を濾過し、残渣にアセトンを加えてよく攪拌
し、結晶化させてこの結晶を濾取した。更にアセトンを
加えよく撹拌し再び濾取した。この操作を5回繰り返
し、結晶をアセトンで充分に洗った後、真空乾燥して、
酢酸パラジウム−(トリスヒドロキシメチルアミノメタ
ン)錯体を得た。空気中でのTG測定の結果、この酢酸
パラジウム−(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)
錯体の分解温度は159〜296℃であった。
【0127】実施例3 酢酸パラジウム−(2−アミノ−2−メチル−1−プロ
パノール)錯体を以下のようにして合成した。酢酸パラ
ジウム0.5gにイソプロピルアルコール25mlを加
え、撹拌しながら2−アミノ−2−メチル−1−プロパ
ノール0.9gを添加し、室温で4時間撹拌した。反応
後、この反応混合液を濾過し、濾液を減圧してに留去し
た。残渣にアセトンを加え、結晶化させて濾取した。こ
の結晶にアセトンを加えよく撹拌し再び濾取した。この
操作を5回繰り返し、結晶をアセトンで充分に洗った
後、真空乾燥して酢酸パラジウム−(2−アミノ−2−
メチル−1−プロパノール)錯体を得た。空気中でのT
G測定の結果、この酢酸パラジウム−(2−アミノ−2
−メチル−1−プロパノール)錯体の分解温度は171
〜222℃であった。
【0128】実施例4 電子放出素子として図1(a)、(b)に示すタイプの
電子放出素子を作製した。図1(a)は本素子の平面図
を、図1(b)は断面図を示している。また、図1
(a)、(b)中の1は絶縁性基板、4は導電性薄膜、
3は電子放出部、5および6は素子に電圧を印加するた
めの素子電極を示す。なお、図中のL1は素子電極5と
素子電極6の素子電極間隔、W1は素子電極の幅、dは
素子電極の厚さ、W2は素子の幅を表している。
【0129】図2を用いて、本実施例の電子放出素子の
作製方法を述べる。絶縁性基板1として石英基板を用
い、これを有機溶剤により充分に洗浄後、該基板1面上
に、白金からなる素子電極5、6を形成した(図2
(a))。この時、素子電極間隔L1は10μmとし、
素子電極の幅W1を500μm、その厚さdを1000
オングストロームとした。導電性薄膜4を形成する前処
理として、素子電極5、6の対向ギャップ部分を中心と
する幅W2が320μm、長さ160μmの矩形の外側
に、膜厚1000オングストロームのCr膜を真空蒸着
により堆積・パターニングして形成した(不図示)。
【0130】酢酸パラジウム−(2−アミノ−2−メチ
ル−1、3−プロパンジオール)錯体を1.0g、80
%鹸化ポリビニルアルコール(平均重合度450)を
0.05g、エチルアルコールを25g、エチレングリ
コールを1.0gとり、水を加えて全量を100gと
し、パラジウム化合物溶液とした。このパラジウム化合
物溶液をポアサイズ0.25μmのメンブレンフィルタ
ーでろ過し、ろ液を液滴付与手段21であるキヤノン
(株)のバブルジェットプリンタヘッドBC−01に充
填し、所定のヘッド内ヒータに外部より20Vの直流電
圧を7μ秒印加して、前記の石英基板の素子電極5、6
のギャップ部分にパラジウム化合物溶液を吐出した。ヘ
ッドと基板の位置を保持したままさらに5回吐出を繰り
返した。液滴22はほぼ円形でその直径は約100μm
となった(図2(b))。
【0131】この基板を350℃で12分加熱して前記
のパラジウム化合物を熱分解したところ、結晶の析出も
なく均一な酸化パラジウム膜(導電性薄膜4)が生成し
た(図2(c))。前記素子電極5、6間の電気抵抗は
11kオームとなった。
【0132】次に、図2(d)に示すように、電子放出
部3を、素子電極5および6の間に電圧を印加し、導電
性薄膜4を通電処理(フォーミング処理)することによ
り作成した。フォーミング処理の電圧波形を図3に示
す。図3中、T1およびT2は電圧波形のパルス幅とパ
ルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミリ秒、T2を
10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング時のピ
ーク電圧)は5Vとし、フォーミング処理は約1×10
-6torrの真空雰囲気下で60秒間行った。更に、ア
セトンを図4の測定評価装置に導入し、3×10ー4to
rrにした。その後、波高値を14V、T1を1ミリ
秒、T2を10ミリ秒とし、15分間印加した活性化工
程を行った。つづいて、200度まで加熱し、アセトン
を排気しながら5時間保持した。
【0133】次に、以上の様にして作製した電子放出素
子の電子放出特性を図4の測定評価装置を用いて評価し
た。なお、本実施例では、アノード電極と電子放出素子
の距離を4mm、アノード電極の電位を1 KVとした。
また、電子放出特性測定時の真空装置内の真空度は、1
ー8torrであった。
【0134】素子電流Ifおよび放出電流Ieは、図5
に示したような電流−電圧特性が得られた。
【0135】本素子では、素子電圧7.2V程度から急
激に放出電流Ieが増加し、素子電圧16Vでは素子電
流Ifが2.2mA、放出電流Ieが0.95μAとな
り、電子放出効率η=Ie/If(%)は0.043%
であった。
【0136】アノード電極44の替わりに、前述した螢
光膜とメタルバックを有するフェースプレートを真空装
置内に配置した。こうして電子源からの電子放出を試み
たところ螢光膜の一部が発光し、素子電流Ieに応じて
発光の強さが変化した。こうして本素子が発光表示パネ
ルとして機能することがわかった。
【0137】実施例5 絶縁性基板1として石英基板を用い、これを有機溶剤に
より充分に洗浄後、該基板1面上に、Ptからなる素子
電極5、6を形成した。素子電極間隔L1は20μmと
し、素子電極の幅W1を500μm、その厚さdを10
00オングストロームとした。
【0138】酢酸パラジウム−(トリスヒドロキシメチ
ルアミノメタン)錯体を1.2g、86%鹸化ポリビニ
ルアルコール(平均重合度500)を0.05g、イソ
プロピルアルコールを25g、ジエチレングリコール
0.8gをとり、水を加えて全量を100gとし、パラ
ジウム化合物溶液とした。このパラジウム化合物溶液を
用い実施例4と同様の処理を行ない電子放出素子を作製
した。作製した素子を350℃、12分間加熱する焼成
工程終了後に、光学顕微鏡で観察したところ、結晶の析
出もなく均一な酸化パルラジウム膜が生成していた。続
いて電子放出素子としての評価を行なったところ、素子
電圧16Vで電子放出効率は0.06%であった。
【0139】比較例1 酢酸パラジウム−(2−アミノ−2−メチル−1、3−
プロパンジオール)錯体のかわりにテトラモノエタノー
ルアミンパラジウム酢酸錯体を用いたこと以外は実施例
4と全く同様にして金属化合物溶液を調製し、素子電極
基板上にバブルジェットプリンタヘッドを用いて金属化
合物溶液の液滴を吐出した。この基板を実施例1と同様
に熱処理したところ、導電性薄膜中に小さな凝集体が不
均一に散在していることが電子顕微鏡により観察され
た。この導電性薄膜に通電処理して電子放出素子を作製
し、放出電流を調べたところ小さな値となり、電子放出
素子としては改善を要するものであった。
【0140】実施例6 16行16列の256個の素子電極とマトリクス状配線
とを形成した基板(図6)の各対向電極間に対して、そ
れぞれ実施例4と同様にして調整した有機金属化合物溶
液の液滴をバブルジェット方式のインクジェット装置に
より付与し、この液滴を焼成したのち、フォーミング処
理を行ない電子源基板とした。
【0141】この電子源基板にリアプレート71、支持
枠72、フェースプレート76を接続し、真空封止して
図7の概念図に従う画像形成装置を作成した。端子Do
x1ないしDox16と端子Doy1ないしDoy16
を通じて、各素子に時分割で所定電圧を印加し、端子H
vを通じてメタルバックに高電圧を印加することによっ
て、任意のマトリクス画像パターンを表示することがで
きた。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電子放出部
形成用金属含有水溶液を用いると、電子放出素子を作製
する工程において金属化合物の結晶が析出することがな
く、均質な素子を製造することが可能となり、特に大面
積の導電性薄膜の作製に有効である。このような本発明
の電子放出素子は均一なものであるため、電子放出特性
も再現性よく均一となり、また表示パネル、画像形成装
置における輝度ムラも低減できる。
【0143】更に本発明の電子放出素子製造方法によれ
ば、従来における導電性薄膜製造工程を簡略化し、低コ
ストの表面伝導型電子放出素子、電子源、表示パネル、
画像形成装置を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に好適な基本的な平面型電子放出素子
の構成を示す模式的平面図およびその断面図である。
【図2】 本発明の電子放出素子の製造方法の1例を示
す模式的断面図である。
【図3】 本発明に好適な通電フォーミング処理の際の
電圧波形の例を示すグラフである。
【図4】 電子放出特性を測定するための測定評価装置
の概略構成図である。
【図5】 本発明の製造方法により作製した電子放出素
子の放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfと
の関係の典型例を示すグラフである。
【図6】 本発明に好適な単純マトリクス配置の電子源
の概略構成図である。
【図7】 単純マトリクス配置の電子源を用いた本発明
に好適な表示パネルの概略構成図である。
【図8】 蛍光膜の例を示すパターン図である。
【図9】 本発明に好適な画像形成装置をNTSC方式
のテレビ信号に応じて表示を行う例の駆動回路のブロッ
ク図である。
【図10】 本発明に好適な梯子配置の電子源の概略構
成図である。
【図11】 梯子配置の電子源を用いた本発明に好適な
表示パネルの概略構成図である。
【図12】 従来の表面伝導型電子放出素子の典型的な
構成を示す模式的平面図である。
【符号の説明】
1:基板、3:電子放出部、4:導電性薄膜、5、6:
素子電極、21:液滴付与手段、22:液滴、23:液
溜り、40:素子電極5、6間の導電性薄膜4を流れる
素子電流Ifを測定するための電流計、41:電子放出
素子に素子電圧Vfを印加するための電源、42:素子
の電子放出部3より放出される放出電流Ieを測定する
ための電流計、43:アノード電極44に電圧を印加す
るための高圧電源、44:素子の電子放出部3より放出
される放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極、4
5:真空装置、46:排気ポンプ、61:電子源基板、
62:X方向配線、63:Y方向配線、64:電子放出
素子、65:結線、71:リアプレート、72:支持
枠、73:ガラス基板、74:蛍光膜、75:メタルバ
ック、76:フェースプレート、Hv:高圧端子、7
8:外囲器、81:黒色導電材、82:蛍光体、83:
ガラス基板、91:表示パネル、92:走査回路、9
3:制御回路、94:シフトレジスタ、95:ラインメ
モリ、96:同期信号分離回路、97:変調信号発生
器、VxおよびVa:直流電圧源、100:電子源基
板、101:電子放出素子、102:Dx1〜Dx10
は電子放出素子111を配線するための共通配線、11
0:グリッド電極、111:電子が通過するための空
孔、112:Dox1,Dox2・・・Doxmよりな
る容器外端子、113:グリッド電極120と接続され
たG1、G2・・・Gnからなる容器外端子、114:
電子源基板。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−115432(JP,A) 特開 平9−115428(JP,A) 特開 平9−245615(JP,A) 特開 平8−277294(JP,A) 特開 平9−106754(JP,A) 特開 平9−106755(JP,A) 特開 平9−185940(JP,A) 特開 平9−106757(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 - 9/04 H01J 1/30 - 1/316

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にアミノアルコールを含む有機金
    属錯体を含有する液体であることを特徴とする電子放出
    素子形成用の金属含有水溶液(ただし、下記化学式の有
    機金属錯体を含む場合、部分エステル化ポリビニルアル
    コールを含む場合、エーテルを含む場合、アセチレンア
    ルコールを含む場合、及びアセチレングリコールを含む
    場合を除く)。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記アミノアルコールが炭素原子を3個
    から5個含む化合物であることを特徴とする請求項1に
    記載の電子放出素子形成用の金属含有水溶液。
  3. 【請求項3】 前記アミノアルコールがトリスヒドロキ
    シメチルアミノメタンであることを特徴とする請求項2
    に記載の電子放出素子形成用の金属含有水溶液。
  4. 【請求項4】 前記金属が、白金族元素のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子形成
    用の金属含有水溶液。
  5. 【請求項5】 前記金属が、白金、パラジウム、ルテニ
    ウム、金、銀、銅、クロム、タンタル、鉄、タングステ
    ン、鉛、亜鉛、スズのいずれかであることを特徴とする
    請求項1に記載の電子放出素子形成用の金属含有水溶
    液。
  6. 【請求項6】 前記有機金属錯体が水溶性有機金属化合
    物であることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素
    子形成用の金属含有水溶液。
  7. 【請求項7】 前記有機金属錯体がパラジウムと酢酸基
    を含有することを特徴とする請求項6に記載の電子放出
    素子形成用の金属含有水溶液。
  8. 【請求項8】 前記有機金属錯体の金属含有量が0.1
    重量%から2重量%の範囲であることを特徴とする請求
    項1に記載の電子放出素子形成用の金属含有水溶液。
  9. 【請求項9】 前記金属含有水溶液が水溶性多価アルコ
    ールを含有することを特徴とする請求項1に記載の電子
    放出素子形成用の金属含有水溶液。
  10. 【請求項10】 前記の金属含有水溶液が一価アルコー
    ルを含有することを特徴とする請求項1に記載の電子放
    出素子形成用の金属含有水溶液。
  11. 【請求項11】 基板上の対向する電極間に、電子放出
    部が形成された導電性薄膜を備える電子放出素子の製造
    方法であって、前記電子放出部が形成される導電性薄膜
    の形成工程が、基板上の電極間に、請求項10のい
    ずれか1つに記載の電子放出素子形成用の金属含有水溶
    液を付与し、これを加熱焼成する工程を有することを特
    徴とする電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記水溶液の付与が、インクジェット
    方式により行われることを特徴とする請求項11に記載
    の電子放出素子製造方法。
  13. 【請求項13】 前記インクジェット方式がバブルジェ
    ット方式であることを特徴とする請求項12に記載の電
    子放出素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記インクジェット方式が、ピエゾ方
    式であることを特徴とする請求項1に記載の電子放出
    素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 更に、前記導電性薄膜の形成工程にて
    形成された導電性薄膜に通電する工程を有することを特
    徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の電子
    放出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 電子放出素子と、該素子への電圧印加
    手段とを具備した電子源の製造方法であって、前記素子
    を請求項1115のいずれか1つに記載の方法で製造
    することを特徴とする電子源の製造方法。
  17. 【請求項17】 電子放出素子および該素子への電圧印
    加手段とを具備した電子源と、前記素子から放出される
    電子を受けて発光する蛍光膜とを具備する表示パネルの
    製造方法であって、前記素子を請求項1115のいず
    れか1つに記載の方法で製造することを特徴とする表示
    パネルの製造方法。
  18. 【請求項18】 電子放出素子および該素子への電圧印
    加手段とを具備した電子源と、前記素子から放出される
    電子を受けて発光する蛍光膜と、外部信号を用いて前記
    素子へ印加する電圧を制御する駆動回路とを具備する画
    像形成装置の製造方法であって、前記素子を請求項11
    15のいずれか1つに記載の方法で製造することを特
    徴とする画像形成装置の製造方法。
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