JP3229163B2 - 有機金属錯体、導電性膜形成用材料、並びにそれを用いた電子放出素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方法 - Google Patents
有機金属錯体、導電性膜形成用材料、並びにそれを用いた電子放出素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方法Info
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Description
電子放出部を含む導電性膜に電圧を印加して電子を放出
させる電子放出素子、特に表面伝導型電子放出素子の製
造に有用な有機金属錯体及び導電性膜形成用材料、並び
にそれを用いた電子放出素子、電子源、表示パネルおよ
び画像形成装置の製造方法に関する。
陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には
電界放出型(以下FE型と略す)、金属/絶縁層/金属
型(以下MIM型と略す)、表面伝導型等の電子放出素
子がある。
P.Dyke&W.W.Dolan,“Field e
mission”,Advance in Elect
ronPhysics,8,89(1956)、あるい
はC.A.Spindt,“Physical Pro
perties of thin−film fiel
d emission cathodes with
molybdenium cones”,J.App
l.Phys.,47,5248(1976)等に記載
のものが知られている。
は、C.A.Mead,“Operation of
Tunnel−Emission Devices”,
J.Appl.Phys.,32,646(1961)
等に記載のものが知られている。
ては、M.I.Elinson,Radio Eng.
Electron Phys.,10,1290(19
65)等に記載のものが知られている。
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer,“Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]、In2 O3 /S
nO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad,“IEEE Trans.
ED Conf.”,519(1975)]、カーボン
薄膜によるもの[荒木久 他,真空,第26巻,第1
号,22頁(1983)]等が報告されている。
な素子構成として前述のハートウェルの素子構成を図1
5に示す。同図において1は基板である。4は導電性膜
であり、H型形状のパターンにスパッタで形成された金
属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミングと呼
ばれる通電処理により電子放出部5が形成される。な
お、同図中の素子電極間隔Lは0.5〜1mm、素子電
極長さW’は約0.1mmで設定されている。また、電
子放出部5の位置及び形状については、模式図として表
した。
おいては、電子放出を行う前に導電性膜4に予め通電フ
ォーミングと呼ばれる通電処理を施すことによって電子
放出部5を形成するのが一般的であった。すなわち、通
電フォーミングとは前記導電性膜4の両端に直流電圧あ
るいは非常にゆっくりとした昇電圧、例えば1V/分程
度を印加通電し、導電性膜4を局所的に破壊、変形もし
くは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出
部5を形成することである。なお、電子放出部5におい
ては導電性膜4の一部に亀裂が発生しており、その亀裂
付近から電子放出が行われる。このように通電フォーミ
ングにより導電性膜を局所的に破壊、変形もしくは変質
せしめ、構造の変化した部位を電子放出部5と呼び、ま
た通電フォーミングにより電子放出部5が形成された導
電性膜4を電子放出部5を含む導電性膜4と呼ぶ。前記
通電フォーミング処理を施した表面伝導型電子放出素子
は、上述の電子放出部5を含む導電性膜4に電圧を印加
し、該素子に電流を流すことにより、電子放出部5より
電子を放出せしめるものである。
構造が単純で製造も比較的容易であることから、大面積
にわたって多数の素子を配列形成できる利点がある。そ
こで、この特徴を生かせるようないろいろな応用が研究
されており、例えば荷電ビーム源、表示装置等が挙げら
れる。多数の表面伝導型電子放出素子を配列形成した例
としては、後述するように、並列に配列した個々の表面
伝導型電子放出素子の両端を配線(共通配線)でそれぞ
れ結線した行を多数行配列した、いわゆる梯子型配置の
電子源が挙げられる(例えば、特開昭64−03133
2、特開平1−283749、特開平2−257552
等)。また、特に表示装置等の画像形成装置において
は、近年、液晶を用いた平板型表示装置が、CRTに替
わって普及してきたが、自発光型でないためバックライ
トを持たなければならない等の問題点があり、自発光型
の表示装置の開発が望まれてきた。自発光型の表示装置
としては、表面伝導型電子放出素子を多数配置した電子
源と、電子源より放出された電子によって可視光を発光
せしめる蛍光体とを組み合わせた表示パネルを具備する
画像形成装置が挙げられる(例えば、USP50668
83)。
従来の表面伝導型電子放出素子、並びにそれを用いた電
子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造に関して
は、後述するような様々な問題があった。
の導電性膜を形成するために使用される従来公知の有機
金属化合物の大部分は水に殆ど溶解しなかった。そのた
め従来は、有機金属化合物を有機溶媒に溶解した溶液を
基板に塗布乾燥後、加熱焼成して有機成分を熱分解除去
することによって金属あるいは金属酸化物等の金属無機
化合物からなる導電性膜を得ていた。従って、このよう
な水に殆ど溶解しない有機金属化合物を用いて導電性膜
を製造する従来の工程においては多量の有機溶媒を用い
る必要があり、それ故、水に殆ど溶解しない有機金属化
合物の使用は素子の低コスト化、環境保護等の点から望
ましくなかった。
使用するのは、これらは一般に電子放出素子に基板とし
て用いられるガラスやシリコンウエハ、並びに電極材料
等の耐熱温度より低温で加熱焼成することによって金属
あるいは金属酸化物等を得ることができるからである。
他方、有機成分を含まない金属のハロゲン化物や無機酸
塩は、その融点・沸点・昇華温度および分解温度が一般
に約1000℃であり、上記の耐熱温度よりはるかに高
い温度での加熱焼成が必要となり、不適である。
ェット方式のようなインクジェット方式による方法が提
案されており、これらの方法は特に微小な液滴を効率良
くかつ適度な精度で発生及び付与でき、しかも制御性に
も優れている点で非常に有効な方法である。しかしなが
ら、インクジェット方式による方法には、ヘッド部分の
耐久性、液滴の安定発生性等の点から有機金属化合物の
水溶液を用いるのが好ましい。そのため、上記従来の水
に殆ど溶解しない有機金属化合物はかかるインクジェッ
ト方式には不適であり、この点がインクジェット方式の
普及に対する弊害となっていた。
合物の溶液を塗布乾燥後、加熱焼成により有機成分を熱
分解除去して金属もしくは金属無機化合物としていた
が、従来の有機金属化合物の塗布膜は比較的大きな結晶
構造となりやすく、加熱焼成後も塗布時の結晶パターン
および結晶パターンの境界線が残って膜厚やシート抵抗
値が不均一となるという問題があった。
パラジウムのように水にある程度溶解するものもある
が、かかる酢酸パラジウムは昇華性であるために加熱焼
成後には塗布した量の半分ほどのパラジウムしか残らな
いといった問題があった。
て得た表面伝導型電子放出素子においては、導電性膜の
膜厚やシート抵抗値の均一化に限度があり、それ故かか
る電子放出素子を用いた電子源、表示パネルおよび画像
形成装置にあっても輝度むらや電子放出部の欠陥による
不良品発生率の低減に限界があった。
みてなされたものであり、上記従来の有機金属化合物に
かわって、水に容易に溶解することができ、かつ非結晶
性の薄膜を形成することが可能であり、しかも昇華性の
ない有機金属化合物を開発し、その有機金属化合物を用
いた導電性膜形成用材料、並びにそれを用いた電子放出
素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方
法を提供することを目的とするものである。
達成すべく鋭意研究した結果、分子内にアミノ基および
水酸基を有するアミノアルコールを特定の有機金属化合
物分子に配位させた新規な有機金属錯体は容易に水に溶
解することができるためインクジェット方式の薄膜作製
方法への適用が可能となり、しかもかかる有機金属錯体
を使用すれば非結晶性かつ非昇華性の薄膜を形成するこ
とが可能となり、結果として膜厚及び抵抗値が均一な導
電性膜が得られることを見出し、本発明に到達した。
有用な新規な有機金属錯体及び導電性膜形成用材料、並
びにそれを用いた電子放出素子、電子源、表示パネルお
よび画像形成装置の製造方法に関し、以下に詳細に説明
する。
て説明する。
メチレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、lは1
〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0〜2の整数、M
は金属をそれぞれ示す)で表わされる有機金属錯体であ
る。
(1)中のR1 は炭素数1〜4のアルキレン基またはポ
リメチレン基であり、具体的にはメチレン基、メチルメ
チレン基、エチレン基、エチルメチレン基、ジメチルメ
チレン基、メチルエチレン基、トリメチレン基、n−プ
ロピルメチレン基、イソプロピルメチレン基、エチルメ
チルメチレン基、エチルエチレン基、1,1−ジメチル
エチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチル
トリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、テトラメ
チレン基等が挙げれるが、好ましくはエチレン基(−C
H2 CH2 −)またはジメチルメチレン基(−(CH
3 )2 C−)である。R1 がメチレン基またはジメチル
メチレン基であると、より水に溶解しやすくなる傾向に
あり好ましい。
具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブ
チル基、tert−ブチル基等が挙げれるが、好ましく
はメチル基である。R2 がメチル基であると、より水に
溶解しやすくなる傾向にあり好ましい。
(M)としては電圧印加により電子を放出しやすいも
の、すなわち仕事関数の比較的低いもので且つ安定なも
のが好ましく、例えばPt、Pd、Ru等の白金族、A
u、Ag、Cu、Cr、Ta、Fe、W、Pb、Zn、
Sn、Ti、In、Sb、Hf、Zr、La、Ce、
Y、Gd、Si、Ge等の金属が挙げられ、Pt、P
d、Ru、Au、Ag、Cu、Cr、Ta、Fe、W、
Pb、Zn、Snがより好ましい。
ン酸の金属塩にアルコール置換されたアミンを加えて形
成される、例えば酢酸パラジウム−エタノールアミン錯
体は、酢酸パラジウムを溶媒に溶解させ、さらにエタノ
ールアミンを加えて反応させることによって得られる。
オン(M)の価数または配位形により金属に対して結合
するカルボン酸は1から4まで変化する。例えば銀と酢
酸の場合には一酢酸銀が一般的であるし、パラジウムと
酢酸の場合には二酢酸パラジウムが、イットリウムと酢
酸の場合には三酢酸イットリウムが、また鉛と酢酸の場
合には四酢酸鉛が一般的であることがよく知られてい
る。
キルカルボン酸の金属塩に配位するアルコール置換され
たアミンの個数も、金属イオン(M)の価数、配位形ま
たはアミンの級数により1から4まで、好ましくは2か
ら4まで変化する。例えば酢酸パラジウムには、モノエ
タノールアミンの場合には4個、またジエタノールアミ
ンの場合には2個が配位する。
位しやすく、OHは水に溶解しやすい性質を有している
ため、上記本発明の有機金属錯体は容易に水に溶解する
ことができる。従って、本発明の有機金属錯体は容易に
水溶液として後述するバブルジェット方式のようなイン
クジェット方式の薄膜作製方法に適用することが可能で
ある。また、一般に有機金属錯体は結晶性が高いが、上
記本発明の有機金属錯体は結晶性が低く、後述するよう
にその水溶液を用いて得た塗布薄膜をX線回折したとこ
ろ結晶性は高くなかった。さらに、本発明の有機金属錯
体は酢酸パラジウムのように融点を持たず、加熱時に融
解しないで薄膜のまま熱分解し、しかも非昇華性であ
る。
について説明する。
の有機金属錯体を主成分として含有することを特徴と
し、基板と、該基板上に対向配置される電極と、該電極
間に設けられる電子放出部を含む導電性膜とを具備する
電子放出素子における該導電性膜を形成するための材料
である。
上記本発明の有機金属錯体は単独でもまたは複数であっ
てもよい。また、上記本発明の導電性膜形成用材料を溶
液とする場合の溶媒は、本発明の有機金属錯体が水溶性
であるという特性を利用して後述のインクジェット方式
へ適用することを考慮すると、バブルジェット方式のよ
うなインクジェット方式のプリンタに使用されている水
系の溶媒または水が好ましく、特に水が好ましい。
濃度範囲は、用いる金属元素の種類や金属塩の種類によ
って最適な範囲が多少異なるが、一般には重量で0.0
1%以上5%以下の範囲が適当である。上記金属濃度が
低すぎる場合、基板に所望の量の金属を付与するために
多量の前記材料の液滴の付与が必要になり、その結果液
滴付与に要する時間が長くなるのみならず、基板上に無
用に大きな液溜りを生じてしまい所望の位置のみに金属
を付与するという目的が達成できなくなる傾向がある。
逆に、前記金属濃度が高すぎると、基板に付与された液
滴が後の工程で乾燥あるいは焼成される際に不均一化
し、その結果として電子放出部を形成する導電性膜が不
均一になり電子放出素子の特性を悪化させる傾向があ
る。
可能な電子放出素子の基本的な構成は特に制限されない
が、以下に好適な電子放出素子の基本的な構成について
図面を参照して説明する。
成は、平面型および垂直型の2つの構成があげられる。
先ず、平面型の電子放出素子について説明する。
適な平面型の電子放出素子の基本的な構成を示す模式的
平面図および断面図である。図1において1は絶縁性基
板、2および3は素子電極、4は導電性膜、5は電子放
出部である。
純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラス
にスパッタ法等により形成したSiO2 を積層したガラ
ス基板等、並びにアルミナ等のセラミックス等が用いら
れる。
の材料としては、一般的な導体材料が用いられ、例えば
Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、C
u、Pd等の金属あるいはそれらの合金、Pd、Ag、
Au、RuO2 、Pd−Ag等の金属あるいは金属酸化
物とガラス等から構成される印刷導体、In2 O3 −S
nO2 等の透明導電体、並びにポリシリコン等の半導体
導体材料等から適宜選択される。
膜4の形状等は、応用される形態等に応じて適宜設計さ
れる。素子電極間隔Lは、好ましくは数百オングストロ
ームから数百μmであり、より好ましくは素子電極間に
印加する電圧等により数μmから数十μmである。ま
た、素子電極長さWは、好ましくは電極の抵抗値、電子
放出特性等により数μmから数百μmである。さらに、
素子電極2,3の膜厚dは、好ましくは数百オングスト
ロームから数μmである。
2,3、導電性膜4の順に順次積層してあるが、本発明
に好適な電子放出素子はかかる構成だけでなく、基板1
上に導電性膜4、素子電極2,3の順に順次積層してな
るものであってもよい。
用材料を後述するように加熱焼成してなる金属および/
または金属酸化物、金属窒化物等の金属無機化合物を含
有するものである。従って、導電性膜4を構成する材料
としては、例えばPd、Pt、Ru、Ag、Au、T
i、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、
Pb等の金属、PdO、SnO2 、In2 O3 、Pb
O、Sb2 O3 等の金属酸化物、HfB2 、ZrB2 、
LaB6 、CeB6 、YB4 、GdB4 等の金属硼化
物、TiN、ZrN、HfN等の金属窒化物等が挙げら
れ、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等
の金属炭化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等を含
有してもよい。
ためには微粒子で構成された微粒子膜が特に好ましい。
上記本発明の有機金属錯体は結晶性が低いことから、本
発明の導電性膜形成用材料を使用すればかかる微粒子膜
で構成された導電性膜4が得られる。なお、ここで述べ
る微粒子膜とは、複数の微粒子が集合した膜であり、そ
の微細構造として、微粒子が個々に分散配置した状態の
みならず、微粒子が互いに隣接、あるいは重なり合った
状態(島状も含む)の膜をさす。かかる微粒子の粒径
は、数オングストロームから数千オングストロームが好
ましく、特に好ましくは10オングストロームから20
0オングストロームである。
ステップカバレージ、素子電極2,3間の抵抗値および
後述する通電フォーミング処理条件等によって適宜設定
され、好ましくは数オングストロームから数千オングス
トロームであり、特に好ましくは10オングストローム
から500オングストロームである。導電性膜4の好ま
しい抵抗値は、10の3乗から10の7乗Ω/□のシー
ト抵抗値である。
された高抵抗の亀裂であり、導電性膜4の膜厚、膜質、
材料及び後述する通電フォーミング処理条件等に依存し
て形成される。また、電子放出部5は、数オングストロ
ームから数百オングストロームの粒径の導電性微粒子を
有することもある。かかる導電性微粒子は、導電性膜4
を構成する材料の元素の一部あるいは全てと同様の物で
ある。また、電子放出部5及びその近傍の導電性膜4に
は、炭素及び炭素化合物を有することもある。なお、図
1においては素子電極2と3との間の導電性膜4の一部
が電子放出部5として機能するように記載されている
が、製法によっては素子電極2と3との間の導電性膜4
全てが電子放出部5として機能する場合もある。
素子である垂直型の電子放出素子について説明する。
子の基本的な構成を示す模式的断面図である。なお、図
2において、図1中の符号と同一の符号は図1と同一の
ものを示し、21は段差形成部である。
電子放出部5は、前述した平面型電子放出素子と同様の
材料で構成されたものであり、段差形成部21は、真空
蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等
の絶縁性材料で構成される。段差形成部21の厚みは、
先に述べた平面型電子放出素子の素子電極間隔Lに対応
し、好ましくは数百オングストロームから数十μmであ
り、段差形成部の製法及び素子電極間に印加する電圧等
により設定され、より好ましくは数百オングストローム
から数μmである。
部21作製後に形成するため、素子電極2、3の上に積
層される。なお、電子放出部5は、図2においては段差
形成部21に対して直線状に示されているが、作製条
件、通電フォーミング条件等に依存し、形状、位置とも
これに限られるものではない。
方法について説明する。
と、該基板上に対向配置される電極と、該電極間に設け
られる電子放出部を含む導電性膜とを具備する電子放出
素子の製造方法であって、上記本発明の導電性膜形成用
材料を基板上に液滴の状態で付与する工程と、基板上に
付与された前記材料を加熱焼成して金属および/または
金属無機化合物を含有する導電性膜を得る工程と、該導
電性膜に通電フォーミング処理を施して電子放出部を形
成する工程とを含むことを特徴とする方法である。
は、上記本発明の導電性膜形成用材料を基板上に液滴の
状態で付与するが、その手段は液滴を形成しかつ付与す
ることが可能ならば任意の方法でよく、特に微小な液滴
を効率良く適度な精度で発生付与できかつ制御性も良好
な点でインクジェット方式が好ましい。インクジェット
方式には、ピエゾ素子等のメカニカルな衝撃により液滴
を発生付与するものや、微小ヒータ等で液を加熱して突
沸させることにより液滴を発生付与するバブルジェット
方式がある。上記何れの方式でも十ng程度〜数十μg
程度までの微小液滴を再現性良く発生して基板に付与す
ることができるが、バブルジェット方式がより好まし
い。
おいては、前記材料を基板上に液滴の状態で連続的に付
与することによって、前記導電性膜を線状または面状に
形成することが好ましい。
合物は一般に絶縁性であり、このままでは以下に述べる
通電フォーミングという電気的処理を行えない。従っ
て、基板上に付与された前記材料を適宜乾燥した後に加
熱焼成して金属および/または金属無機化合物を含有す
る前述の導電性膜を得る。より詳しくは、有機金属錯体
を塗布した基板を有機金属錯体の分解温度以上に加熱
し、基板上で有機金属錯体の有機成分を分解させて導電
性膜を得る。前記材料を加熱焼成する温度と時間は、本
発明の有機金属錯体の有機物が分解して無機金属および
/または無機金属酸化物、無機金属窒化物等の金属無機
化合物となるように適宜選択され、必要に応じて酸素、
窒素などのガスを焼成雰囲気中に加えてもよい。上記有
機金属錯体の有機成分は1000℃以下、ほとんどの場
合300℃前後で分解して金属および/または金属無機
化合物あるいはそれらの表面に炭素数の小さな有機物が
吸着した化合物に変化するので、基板の加熱温度は20
0℃から500℃が好ましい。
機成分が90%以上分解することが好ましく、すなわち
有機金属錯体の90%以上を無機金属および/または金
属無機化合物とすることが好ましい。この範囲内であれ
ば、得られる導電性膜の電気抵抗が低くなり、通電フォ
ーミング処理を確実に行える傾向にあるからである。ま
た、残りの部分(好ましくは10%以下の成分)は有機
物もしくはH2 O、CO、NOx 等であるが、有機金属
錯体の中心金属によってはこれらを吸着、吸蔵、配位し
て完全に除去することは不可能な場合がある。これらの
残査は存在しないほうが好ましいが、通電フォーミング
処理が可能な電気抵抗が確保される範囲で存在してもか
まわない。
燥、送風乾燥、熱乾燥等を適宜採用して行われ、また焼
成工程も通常用いられる加熱手段を適宜採用して行われ
るが、乾燥工程と焼成工程とは必ずしも区別された別工
程として行う必要はなく、連続して同時に行ってもかま
わない。
においては、上記導電性膜に通電フォーミング処理を施
して前述の電子放出部を形成する。かかる通電フォーミ
ング処理は、導電性膜にパルス波形等の電圧を印加して
導電性膜を局所的に破壊、変形もしくは変質させること
によって電子放出部を形成する処理であり、その通電条
件等は導電性膜の膜厚、膜質、材料等に応じて適宜選択
される。
いては、使用する本発明の有機金属錯体が容易に水に溶
解するため、有機溶媒を用いることなく、該錯体の水溶
液としてインクジェット方式等の方法で基板上に付与で
きる。従って、本発明の電子放出素子の製造方法におい
ては、非常に微小な液滴を効率良くかつ適度な精度で付
与できる。
法においては、前記本発明の導電性膜形成用材料を用い
るため、形成される有機金属錯体の薄膜は非結晶性かつ
非昇華性であり、基板上に均一な分布、膜厚で形成する
ことができる。また、前記本発明の有機金属錯体は加熱
焼成時に融解しないので、塗布薄膜のμmオーダーの均
一性を保持したまま金属および/または金属無機化合物
を含む導電性膜を得ることが可能である。なお、薄膜が
オングストロームオーダーの範囲ではこれらの化合物は
凝集して微粒子形状となっていることが多い。すなわち
有機金属錯体に含まれていて焼成によって生成した金属
原子または金属酸化物等の分子は数個から数千個が凝集
して微粒子となるが、本発明によれば肉眼で見えるよう
な大きさの凝集は起こさない。このように、本発明の電
子放出素子の製造方法においては、加熱焼成後に基板上
にアモルファス状もしくは金属結晶状の膜が堆積するの
で、従来のような結晶構造の影響を受けることなく、均
一な膜厚、均一な抵抗値の電子放出部を含む導電性膜を
得ることができる。
件を満たす方法であればよく、具体的な方法としては様
々な方法が考えられるが、その一例を図3に示す。
製造方法の好適な態様を図1および図3に基づいて説明
する。なお、図3において、図1中の符号と同一の符号
は図1と同一のものを示し、31は液滴付与手段、32
は液滴である。
より十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等により基
板1上に素子電極材料を堆積させた後、フォトリソグラ
フィー技術により該基板1上に素子電極2、3を形成す
る(図3(a))。
バブルジェット方式などの液滴付与手段31により前記
本発明の導電性膜形成用材料を液滴32の状態で付与し
て有機金属薄膜を形成する(図3(b))。この後、有
機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング
等によりパターニングして、金属および/または金属無
機化合物を含有する導電性膜4を形成する(図3
(c))。
電源を用いて通電して導電性膜4に通電フォーミングと
呼ばれる通電処理を施すことによって、導電性膜4の部
位に構造の変化した電子放出部5が形成される(図3
(d))。
図4に示す。
ルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加する場
合を図4(a)に、パルス波高値を増加させながらパル
スを印加する場合を図4(b)にそれぞれ示す。
ついて図4(a)に基づいて説明する。図4(a)にお
けるT1およびT2はそれぞれ電圧波形のパルス幅とパ
ルス間隔である。T1を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T
2を10マイクロ秒〜100ミリ秒とし、三角波の波高
値(通電フォーミング時のピーク電圧)は電子放出素子
の前述した形態に応じて適宜選択し、適当な真空度、例
えば10の−5乗torr程度の真空雰囲気下で、数秒
から数十分印加する。なお、素子の電極間に印加する電
圧波形は三角波に限定することはなく、矩形波など所望
の波形を採用しても良い。
(a)におけるものと同様であり、三角波の波高値を、
例えば0.1Vステップ程度づつ増加させながら適当な
真空雰囲気下で印加する。
の終了は、パルス間隔T2中に、導電性膜4を局所的に
破壊、変形しない程度の電圧、例えば0.1V程度の電
圧で素子電流を測定し、抵抗値を求め、例えば1Mオー
ム以上の抵抗を示した時に通電フォーミングを終了す
る。
子に活性化工程と呼ぶ処理を、好ましくは施す。
0の−5乗torr程度の真空度で、通電フォーミング
同様にパルス波高値が定電圧のパルスの印加を繰りかえ
す工程のことを言い、かかる処理によって真空中に存在
する有機物質から導電性膜4上に炭素及び炭素化合物が
堆積し、それによって素子電流If、放出電流Ieが著
しく変化する。素子電流Ifと放出電流Ieを測定しな
がら、例えば放出電流Ieが飽和した時点で活性化工程
を終了する。また、パルス波高値は、好ましくは動作駆
動電圧である。
は、グラファイト(単、多結晶双方を指す)非晶質カー
ボン(非晶質カーボン及び多結晶グラファイトとの混合
物を指す)であり、その膜厚は、好ましくは500オン
グストローム以下、より好ましくは300オングストロ
ーム以下である。
ォーミング工程、活性化工程での真空度より高い真空度
の真空雰囲気に保持して動作駆動することが好ましい。
また、上記のより高い真空度の真空雰囲気下で80℃〜
150℃に加熱した後に動作駆動することがより好まし
い。
真空度より高い真空度の真空雰囲気とは、例えば約10
の−6乗以上の真空度を有する真空度であり、より好ま
しくは超高真空系であり、炭素及び炭素化合物が概ね新
たに堆積しない真空度である。
堆積した以上の炭素及び炭素化合物の堆積を抑制する事
が可能となり、素子電流If、放出電流Ieが安定す
る。
本発明の製造方法によって作製された電子放出素子の基
本特性について図5及び図6を用いて説明する。
電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成
図である。図5において、図1中の符号と同一の符号は
図1と同一のものを示す。また、51は電子放出素子に
素子電圧Vfを印加するための電源、50は素子電極
2、3間の導電性膜4を流れる素子電流Ifを測定する
ための電流計、54は素子の電子放出部5より放出され
る放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極、53は
アノード電極54に電圧を印加するための高圧電源、5
2は素子の電子放出部5より放出される放出電流Ieを
測定するための電流計、55は真空装置、56は排気ポ
ンプである。
等は真空装置55内に設置され、その真空装置55に
は、不図示の真空計等の真空装置に必要な機器が具備さ
れており、所望の真空下で電子放出素子の測定評価を行
えるようになっている。なお、排気ポンプ56は、ター
ボポンプ、ロータリーポンプからなる通常の高真空装置
系と、更にイオンポンプ等からなる超高真空装置系とか
らなる。また、真空装置全体、及び電子放出素子は、不
図示のヒーターにより200度まで加熱できる。従っ
て、本測定評価装置では、前述の通電フォーミング以降
の工程も行うことができる。
kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは2mm
〜8mmの範囲で測定した。
た放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfとの
関係の典型的な例を図6に示す。なお、放出電流Ieは
素子電流Ifに比べて著しく小さいので、図6は任意単
位で示されている。尚、縦横軸はリニアスケールであ
る。
方法によって作製された電子放出素子は、放出電流Ie
に対する以下の三つの特徴的特性を有する。
(しきい値電圧と呼ばれ、図6中のVthである)以上
の素子電圧を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、
一方しきい値電圧Vth未満では放出電流Ieがほとん
ど検出されない。すなわち、上記電気放出素子は、放出
電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非
線形素子である。
調増加依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制
御できる。
電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。すな
わち、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電
圧Vfを印加する時間により制御できる。
放出素子は以上のような特性を有するため、複数の電子
放出素子を配置した電子源、画像形成装置等においても
入力信号に応じて電子放出特性を容易に制御できること
となり、多方面への応用が可能である。
て単調増加する(MI特性と呼ぶ)好ましい特性の例を
図6中に実線で示したが、この他にも、素子電流Ifが
素子電圧Vfに対して電圧制御型負性抵抗(VCNR特
性と呼ぶ)特性を示す場合もある(不図示)。また、こ
れら素子電流の特性は、その製法及び測定時の測定条件
等に依存する。なお、この場合も、電子放出素子は上述
した三つの特性上の特徴を有する。
法によって製造される電子源について説明する。
子と、該素子への電圧印加手段とを具備する電子源の製
造方法であって、該電子放出素子を上述の本発明の電子
放出素子の製造方法で作製することを特徴とする方法で
ある。本発明の電子源の製造方法においては、電子放出
素子を前述の本発明の電子放出素子の製造方法で作製す
ること以外は特に制限されず、またかかる方法によって
製造される電子源の電圧印加手段等の具体的な構成も特
に制限されない。
の方法によって製造される電子源の好適な態様について
説明する。
例えば、従来例で述べたように多数の電子放出素子を並
列に配置し、個々の素子の両端を配線で接続した電子放
出素子の行を多数配列し(行方向と呼ぶ)、この配線と
直交する方向に(列方向と呼ぶ)該電子源の上方の空間
に設置された制御電極(グリッドとも呼ぶ)によって電
子放出素子からの放出電子を制御駆動するはしご状配置
や、次に述べるm本のX方向配線の上にn本のY方向配
線を層間絶縁層を介して設置し、電子放出素子の一対の
素子電極にそれぞれX方向配線、Y方向配線を接続した
配置があげられる。以下、後者の配置を単純マトリクス
配置と呼ぶ。まず、単純マトリクス配置について詳述す
る。
子放出素子の3つの基本的特性の特徴によれば、単純マ
トリクス配置された電子放出素子においても、該素子か
らの放出電子は、しきい値電圧以上では対抗する素子電
極間に印加するパルス状電圧の波高値と巾によって制御
される。一方、しきい値電圧以下では、放出電子はほと
んど放出されない。この特性によれば、多数の電子放出
素子を配置した場合においても、個々の素子に上記パル
ス状電圧を適宜印加すれば、入力信号に応じて電子放出
素子を選択し、その電子放出量を制御することが可能で
ある。
の構成について、図7を用いて説明する。71は電子源
基板、72はX方向配線、73はY方向配線、74は電
子放出素子、75は結線である。なお、電子放出素子7
4は前述の本発明の製造方法で作製されたものであれば
よく、前述した平面型あるいは垂直型のどちらであって
もよい。
ガラス基板等であり、用途に応じて、設置される電子放
出素子の個数及び個々の素子の設計上の形状が適宜設定
される。
・,Dxmのm本(mは正の整数)の配線からなり、電
子源基板71上に真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で
形成した導電性金属等である。また、多数の電子放出素
子にほぼ均等な電圧が供給されるようにその材料、膜
厚、配線巾が適宜設定される。Y方向配線73はDy
1,Dy2,・・・,Dynのn本(nは正の整数)の
配線からなり、X方向配線72と同様に作製される。こ
れらm本のX方向配線72とn本のY方向配線73間に
は、不図示の層間絶縁層が設置され、電気的に分離され
てマトリックス配線を構成する。
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X方
向配線72を形成した基板71の全面または一部に所望
の形状で形成され、特にX方向配線72とY方向配線7
3の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製
法が適宜設定される。また、X方向配線72とY方向配
線73は、それぞれ外部端子として引き出されている。
極(不図示)が、m本のX方向配線72及びn本のY方
向配線73と、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形
成された導電性金属等からなる結線75によってそれぞ
れ電気的に接続されているものである。
方向配線73、結線75および対向する素子電極の導電
性金属は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であ
っても、またそれぞれ異なっていてもよく、前述の素子
電極の材料等から適宜選択される。なお、これら素子電
極への配線は、素子電極と配線材料が同一である場合
は、素子電極と総称する場合もある。また電子放出素子
は、基板71上、あるいは不図示の層間絶縁層上のどち
らに形成してもよい。
線72には、X方向に配列する電子放出素子74の行を
入力信号に応じて走査するための走査信号を印加するた
めの不図示の走査信号発生手段が電気的に接続されてい
る。一方、Y方向配線73には、Y方向に配列する電子
放出素子74の列の各列を入力信号に応じて変調するた
めの変調信号を印加するための不図示の変調信号発生手
段が電気的に接続されている。更に、電子放出素子の各
素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走
査信号と変調信号の差電圧として供給されるものであ
る。
だけで個別の素子を選択して独立に駆動可能となる。
該方法によって製造される表示パネルについて説明す
る。
出素子及び該素子への電圧印加手段を具備する電子源
と、該素子から放出される電子を受けて発光する蛍光膜
とを具備する表示パネルの製造方法であって、該電子放
出素子を前述の本発明の電子放出素子の製造方法で作製
することを特徴とする方法である。本発明の表示パネル
の製造方法においては、電子放出素子を前述の本発明の
電子放出素子の製造方法で作製すること以外は特に制限
されず、またかかる方法によって製造される表示パネル
の電子源、蛍光膜等の具体的な構成も特に制限されな
い。
びその方法によって製造される表示パネルの好適な態様
として、以上のようにして作製した単純マトリクス配置
の電子源による表示等に用いる表示パネルについて、図
8及び図9を用いて説明する。図8は表示パネルの基本
構成図であり、図9は蛍光膜のパターン図である。
子放出素子を配置した電子源基板、81は電子源を固定
したリアプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光
膜84とメタルバック85等が形成されたフェースプレ
ート、82は支持枠であり、リアプレート81、支持枠
82及びフェースプレート86を、フリットガラス等を
塗布した後に大気中あるいは窒素雰囲気中で400〜5
00度で10分以上焼成することによって封着して、外
囲器88を構成する。
出部に相当する。72及び73は、それぞれ電子放出素
子の一対の素子電極と接続されたX方向配線及びY方向
配線である。
ート86、支持枠82及びリアプレート81で構成され
るが、リアプレート81は主に基板71の強度を補強す
る目的で設けられるため、基板71自体で十分な強度を
持つ場合は別体のリアプレート81は不要であり、基板
71に直接支持枠82を封着し、フェースプレート8
6、支持枠82及び基板71にて外囲器88を構成して
も良い。また、更には、フェースプレート86とリアプ
レート81との間に、スペーサーとよばれる不図示の支
持体を設置することで、大気圧に対して十分な強度をも
つ外囲器88の構成にすることもできる。
クローム用の場合は蛍光体のみから成るが、カラー用の
蛍光膜の場合は蛍光体の配列によりブラックストライプ
あるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材
91と蛍光体92とで構成される。ブラックストライ
プ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表
示の際に必要となる三原色蛍光体の各蛍光体92間の塗
り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすること
と、蛍光膜84における外光反射によるコントラストの
低下を抑制することである。ブラックストライプの材料
としては、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする
材料だけでなく、導電性があり光の透過及び反射が少な
い材料であればこれに限るものではない。
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法や印刷法が
用いられる。
バック85が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の発光のうち内面側への光をフェースプレート86側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護すること等である。メタルバック
は、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理
(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを
真空蒸着等で堆積することで作製できる。
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行なう必要がある。
0のマイナス7乗トール[Torr]程度の真空度にさ
れ、封止を行なわれる。また、外囲器88の封止後の真
空度を維持するために、ゲッター処理を行なう場合もあ
る。これは、外囲器88の封止を行なう直前あるいは封
止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法によ
り、外囲器88内の所定の位置(不図示)に配置された
ゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッ
ターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用
により、例えば1X10のマイナス5乗ないしは1X1
0のマイナス7乗トールの真空度を維持するものであ
る。なお、電子放出素子のフォーミング以降の工程は、
適宜設定される。
と、該方法によって製造される画像形成装置について説
明する。
放出素子及び該素子への電圧印加手段を具備する電子源
と、該素子から放出される電子を受けて発光する蛍光膜
と、外部信号に基づいて該素子へ印加する電圧を制御す
る駆動回路とを具備する画像形成装置の製造方法であっ
て、該電子放出素子を前述の本発明の電子放出素子の製
造方法で作製することを特徴とする方法である。本発明
の画像形成装置の製造方法においては、電子放出素子を
前述の本発明の電子放出素子の製造方法で作製すること
以外は特に制限されず、またかかる方法によって製造さ
れる画像形成装置の電子源、蛍光膜、駆動回路等の具体
的な構成も特に制限されない。
及びその方法によって製造される画像形成装置の好適な
態様として、単純マトリクス配置の電子源を用いて構成
した表示パネルを用いてNTSC方式のテレビ信号に基
づいてテレビジョン表示を行なう為の画像形成装置を示
し、その概略構成を図10を用いて説明する。図10
は、NTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行なう例
の画像形成装置の駆動回路のブロック図である。図10
において、101は前記表示パネルであり、また、10
2は走査回路、103は制御回路、104はシフトレジ
スタ、105はラインメモリ、106は同期信号分離回
路、107は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電
圧源である。
示パネル101は、端子Dox1ないしDoxm、及び
端子Doy1ないしDoyn、並びに高圧端子Hvを介
して外部の電気回路と接続している。このうち、端子D
ox1ないしDoxmには、前記表示パネル内に設けら
れている電子源、すなわちM行N列の行列状にマトリク
ス配線された電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次
駆動していく為の走査信号が印加される。一方、端子D
oy1ないしDoynには、前記走査信号により選択さ
れた一行の電子放出素子の各素子の出力電子ビームを制
御する為の変調信号が印加される。また、高圧端子Hv
には、直流電圧源Vaより、たとえば10K[V]の直
流電圧が供給されるが、これは電子放出素子より出力さ
れる電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギ
ーを付与する為の加速電圧である。
同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えるもの
で(図中、S1ないしSmで模式的に示している)、各
スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしく
は0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択
し、表示パネル101の端子Dox1ないしDoxmと
電気的に接続するものである。S1ないしSmの各スイ
ッチング素子は、制御回路103が出力する制御信号T
scanに基づいて動作するものであるが、実際には例
えばFETのようなスイッチング素子を組み合わせる事
により容易に構成する事が可能である。
の場合には前記電子放出素子の特性(電子放出しきい値
電圧)に基づき、走査されていない素子に印加される駆
動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電
圧を出力するよう設定されている。
る画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各
部の動作を整合させる働きを持つものである。次に説明
する同期信号分離回路106より送られる同期信号Ts
yncに基づいて、各部に対してTscan、Tsft
およびTmryの各制御信号を発生する。
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離する為の回路で、よく知られてい
るように周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容
易に構成できるものである。同期信号分離回路106に
より分離された同期信号は、よく知られるように垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上、Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ
信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DAT
A信号と表すが、同信号はシフトレジスタ104に入力
される。
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(すなわち、制御信号Tsftは、シフトレジ
スタ104のシフトクロックであると言い換えても良
い)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当する)のデ
ータは、Id1ないしIdnのN個の並列信号として前
記シフトレジスタ104より出力される。
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryにし
たがって適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記
憶された内容は、I’d1ないしI’dnとして出力さ
れ、変調信号発生器107に入力される。
I’d1ないしI’dnの各々に応じて、電子放出素子
の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、その出力信
号は、端子Doy1ないしDoynを通じて表示パネル
101内の電子放出素子に印加される。
素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有してい
る。すなわち、前述したように、電子放出には明確なし
きい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加され
た時のみ電子放出が生じる。
ては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化
していく。なお、電子放出素子の材料や構成、製造方法
を変える事により、電子放出しきい値電圧Vthの値
や、印加電圧に対する放出電流の変化の度合いが変わる
場合もあるが、いずれにしても以下のような事がいえ
る。
する場合、例えば電子放出しきい値以下の電圧を印加し
ても電子放出は生じないが、電子放出しきい値以上の電
圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その
際、第一には、パルスの波高値Vmを変化させる事によ
り出力電子ビームの強度を制御する事が可能である。第
二には、パルスの幅Pwを変化させる事により出力され
る電子ビームの電荷の総量を制御する事が可能である。
素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅
変調方式等が挙げられる。電圧変調方式を実施するに
は、変調信号発生器107としては、一定の長さの電圧
パルスを発生するが入力されるデータに応じて適宜パル
スの波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用い
る。また、パルス幅変調方式を実施するには、変調信号
発生器107としては、一定の波高値の電圧パルスを発
生するが入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅
を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いるもの
である。
ル101を用いてテレビジョンの表示を行なえる。な
お、上記説明中、特に記載しなかったが、シフトレジス
タ104やラインメモリ105は、デジタル信号式のも
のでもアナログ信号式のものでも差し支えなく、要は画
像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で
行なわれればよい。
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これは106の出力部にA/D変換
器を備えれば容易に可能であることは言うまでもない。
また、これと関連してラインメモリ105の出力信号が
デジタル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器
107に用いられる回路が若干異なったものとなるのは
言うまでもない。すなわち、デジタル信号の場合には、
電圧変調方式の場合、変調信号発生器107には、例え
ばよく知られるD/A変換回路を用い、必要に応じて増
幅回路等を付け加えればよい。またパルス幅変調方式の
場合、変調信号発生器107は、例えば、高速の発振器
および発振器の出力する波数を計数する計数器(カウン
タ)および計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較
する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路を用いれ
ば当業者であれば容易に構成できる。必要に応じて、比
較器の出力するパルス幅変調された変調信号を電子放出
素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け
加えてもよい。
方式の場合、変調信号発生器107には、例えばよく知
られるオペアンプ等を用いた増幅回路を用いればよく、
必要に応じてレベルシフト回路等を付け加えてもよい。
また、パルス幅変調方式の場合には、例えばよく知られ
た電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよく、必要
に応じて電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するた
めの増幅器を付け加えてもよい。
表示装置において、各電子放出素子に容器外端子Dox
1ないしDoxm、Doy1ないしDoynを通じて電
圧を印加することにより電子放出させ、高圧端子Hvを
通じてメタルバック85あるいは透明電極(不図示)に
高電圧を印加して電子ビームを加速し、蛍光膜84に衝
突させることによって蛍光膜84を励起・発光させるこ
とで画像を表示することができる。
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
適宜選択する。また、入力信号例として、NTSC方式
を挙げたが、これに限るものではなく、PAL、SEC
AM方式等の諸方式でもよく、また、これよりも多数の
走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじ
めとする高品位TV)方式でもよい。
パネル及び画像形成装置の例について図11及び図12
を用いて説明する。
11は電子放出素子、112は前記電子放出素子を配線
するための共通配線Dx1〜Dx10である。電子放出
素子111は、基板110上にX方向に並列に複数個配
置される(これを素子行と呼ぶ)。この素子行が複数個
配置され、電子源となる。各素子行の共通配線間に適宜
駆動電圧を印加することで、各素子行を独立に駆動する
ことが可能である。すなわち、電子ビームを放出したい
素子行には電子放出しきい値以上の電圧を、電子ビーム
を放出しない素子行には電子放出しきい値以下の電圧を
印加すればよい。また、各素子行間の共通配線Dx2〜
Dx9を、例えばDx2とDx3とを同一配線とするよ
うに構成しても良い。
えた画像形成装置の表示パネルを示す。120はグリッ
ド電極、121は電子が通過するための空孔、122は
Dox1,Dox2・・・Doxmよりなる容器外端
子、123はグリッド電極120と接続されたG1、G
2・・・Gnからなる容器外端子、124は前述の様に
各素子行間の共通配線を同一配線とした電子源基板であ
る。なお、図12において図8、図11中の符号と同一
の符号は両図と同一のものを示す。前述の単純マトリク
ス配置の画像形成装置(図8に示した)との大きな違い
は、電子源基板110とフェースプレート86の間にグ
リッド電極120を備えている事である。
には、グリッド電極120が設けられている。グリッド
電極120は、電子放出素子から放出された電子ビーム
を変調することができるもので、はしご型配置の素子行
と直交して設けられたストライプ状の電極に電子ビーム
を通過させるため、各素子に対応して1個ずつ円形の開
口121が設けられている。グリッドの形状や設置位置
は必ずしも図12のようなものでなくてもよく、開口と
してメッシュ状に多数の通過口を設けることもあり、ま
た例えば電子放出素子の周囲や近傍に設けてもよい。
子123は、不図示の制御回路と電気的に接続される。
順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極列
に画像1ライン分の変調信号を同時に印加することによ
り、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1
ラインずつ表示することができる。
ン放送の表示装置のみならず、テレビ会議システム、コ
ンピューター等の表示装置として好適な画像形成装置が
提供される。更には、感光性ドラム等と組み合わせて構
成された光プリンターとしての画像形成装置として用い
ることも可能である。またこの際、上述のm本の行方向
配線とn本の列方向配線を適宜選択することで、ライン
状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても応用で
きる。
ミン(以下PA−MEと略す)を以下のようにして合成
した。10gの酢酸Pdを200cm3 のIPAに懸濁
させ、更に16.6gのモノエタノールアミンを加えて
室温で4時間攪拌した。反応終了後、IPAをエバポレ
ートにより除き、固形物にエタノールを加えて溶解、濾
過し、濾液からPA−MEを再結晶させて得た。
分解は100℃から始まり310℃で終了した。また、
PA−MEには酢酸Pdのような昇華性のないことを確
認した。
ン(以下PA−DEと略す)を以下のようにして合成し
た。10gの酢酸Pdを200cm3 のIPAに懸濁さ
せ、更に24.4gのジエタノールアミンを加えて室温
で12時間攪拌した。反応終了後、IPAをエバポレー
トにより除き、固形物にエタノールを加えて溶解、濾過
し、瀘液からPA−DEを再結晶させて得た。
分解は100℃から始まり305℃で終了した。また、
PA−DEには酢酸Pdのような昇華性のないことを確
認した。
ミン(以下PA−TEと略す)を以下のようにして合成
した。10gの酢酸Pdを200cm3 のIPAに懸濁
させ、更に40.7gのトリエタノールアミンを加え3
5℃で10時間攪拌した。反応終了後、IPAをエバポ
レートにより除き、固形物にエタノールを加えて溶解、
濾過し、濾液からPA−TEを再結晶させて得た。
分解は135℃から始まり280℃で終了した。また、
PA−TEには酢酸Pdのような昇華性のないことを確
認した。
すタイプの電子放出素子を作製した。図1及び図3を用
いて本実施例の電子放出素子の作製方法を説明する。図
1及び図3中の各符号は前述の通りである。
を有機溶剤、純水により充分に洗浄し、更に200℃の
熱風で乾燥した。該基板1面上に、Auからなる素子電
極2、3を形成した(図3(a))。この時、素子電極
間隔Lは3μmとし、素子電極の幅Wを500μm、そ
の厚さdを1000オングストロームとした。
水に溶解し、バブルジェット付与用水溶液とした(2.
0wt%)。
(Canon製バブルジェット−10V)を用いて、素
子電極2、3間にPA−ME水溶液を付与し(図3
(b))、乾燥した。このようにPA−ME水溶液を用
いて得た薄膜は、X線回折の結果から非結晶性であるこ
とを確認した。
に加熱して前記PA−MEを基板上で分解堆積させ、酸
化パラジウム微粒子(平均粒径:65オングストロー
ム)からなる微粒子膜を形成し、導電性膜4とした(図
3(c))。酸化パラジウムであることはX線分析で確
認した。また、PA−MEは、上記加熱時に融解しない
で薄膜のまま熱分解した。ここで導電性膜4は、その幅
W’を300μmとし、素子電極2、3間のほぼ中央部
に配置した。また、この導電性膜4の膜厚は100オン
グストローム、シート抵抗値は5×104 Ω/□であっ
た。
微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒
子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互い
に隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜
を指し、その粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能
な微粒子についての径をいう。
部5を、素子電極2、3間に電圧を印加して導電性膜4
に通電処理(フォーミング処理)を施すことにより作製
した。通電フォーミング処理の電圧波形を図4に示す。
ス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1m秒、
T2を10m秒とし、三角波の波高値(フォーミング時
のピーク電圧)は5Vとし、通電フォーミング処理は約
1×10-6torrの真空雰囲気下で60秒間行った。
は、パラジウム元素を主成分とする微粒子が分散配置さ
れた状態となり、その微粒子の平均粒径は28オングス
トロームであった。
て、その電子放出特性の測定を行った。図5に測定評価
装置の概略構成図を示す。図5中の各符号は前述の通り
である。なお、本実施例では、アノード電極と電子放出
素子間の距離を4mm、アノード電極の電位を1kV、
電子放出特性測定時の真空装置内の真空度を1×10-6
torrとした。
電子放出素子の電極2、3間に素子電圧を印加し、その
時に流れる素子電流Ifおよび放出電流Ieを測定した
ところ、図6に示したような電流−電圧特性が得られ
た。本実施例で得られた素子では、素子電圧8V程度か
ら急激に放出電流Ieが増加し、素子電圧16Vでは素
子電流Ifが2.3mA、放出電流Ieが1.2μAと
なり、電子放出効率η=Ie/If(%)は0.05%
であった。
する際に、素子の電極間に三角波パルスを印加してフォ
ーミング処理を行っているが、素子の電極間に印加する
波形は三角波に限定することはなく、矩形波など所望の
波形を用いても良く、その波高値及びパルス幅・パルス
間隔等についても上述の値に限ることなく、電子放出部
が良好に形成されれば所望の値を選択することができ
る。
水に溶解してバブルジェット方式による付与用水溶液と
し(2.0wt%)、この水溶液を用いた以外は実施例
4と同様の方法で電子放出素子を作製した。
7.9V程度から急激に放出電流Ieが増加し、素子電
圧16Vでは素子電流Ifが2.4mA、放出電流Ie
が1.3μAとなり、電子放出効率η=Ie/If
(%)は0.052%であった。
水に溶解してバブルジェット付与用水溶液とし(2.0
wt%)、この水溶液を用いた以外は実施例4と同様の
方法で電子放出素子を作製した。
7.9V程度から急激に放出電流Ieが増加し、素子電
圧16Vでは素子電流Ifが2.4mA、放出電流Ie
が1.4μAとなり、電子放出効率η=Ie/If
(%)は0.053%であった。
た。図13及び図14を用いて本実施例の画像形成装置
の電子源の作製方法を説明する。
中のA−A’断面図を図14に示す。図13及び図14
において、同じ記号を付したものは同じものを表わす。
ここで71は絶縁性基板、72は図7におけるDxmに
対応するX方向配線(下配線とも呼ぶ)、73は図7に
おけるDynに対応するY方向配線(上配線とも呼
ぶ)、4は導電性膜、2、3は素子電極、141は層間
絶縁層、142は素子電極2と下配線72との電気的接
続のためのコンタクトホールである。
化膜をスパッタ法で形成した基板71上に、真空蒸着に
より厚さ50オングストロームのCr、厚さ6000オ
ングストロームのAuを順次積層した後、ホトレジスト
(AZ1370ヘキスト社製)をスピンナーにより回転
塗布、ベークした後、ホトマスク像を露光、現像して、
下配線72のレジストパターンを形成し、次いでAu/
Cr堆積膜をウェットエッチングして、所望の形状の下
配線72を形成した。
層141をRFスパッタ法により堆積した。
42を形成するためのホトレジストパターンを作り、こ
れをマスクとして層間絶縁層141をエッチングしてコ
ンタクトホール142を形成した。エッチングはCF4
とH2 ガスを用いたRIE(Reactive Ion
Etching)法によった。
べきパターンをホトレジスト(RD−2000N−41
日立化成社製)形成し、真空蒸着法により厚さ50オン
グストロームのTi、厚さ1000オングストロームの
Niを順次堆積した。ホトレジストパターンを有機溶剤
で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極
間隔Lが3μm、素子電極の幅Wが300μmの素子電
極2、3を形成した。
ンを形成した後、厚さ50オングストロームのTi、厚
さ5000オングストロームのAuを順次真空蒸着によ
り堆積し、リフトオフにより不要の部分を除去して、所
望の形状の上配線73を形成した。
グストロームのCr膜を真空蒸着により堆積・パターニ
ングして、素子電極間ギャップL及びその近傍に開口部
を有するマスク(図示せず)を形成した。次いで、実施
例4で用いた有機金属錯体(PA−ME)水溶液を、バ
ブルジェット方式のインクジェット装置(Canon製
バブルジェット−10V)を用いて素子電極2、3間に
付与し、300℃で10分間の加熱焼成処理を施した。
こうして形成された導電性膜4は主元素としてPdより
なる微粒子からなる薄膜であり、その膜厚は100オン
グストローム、シート抵抗値は5×104 Ω/□であっ
た。なお、ここで述べる微粒子膜とは前述した通りであ
る。
ントによりエッチングして導電性膜4の所望のパターン
を形成した。
ようなパターンを形成した後、真空蒸着により厚さ50
オングストロームのTi、厚さ5000オングストロー
ムのAuを順次堆積した。リフトオフにより不要の部分
を除去することにより、コンタクトホール142を埋め
込んだ。
線72、層間絶縁層141、上配線73、素子電極2、
3、導電性膜4等を形成した。
用いて表示パネルを構成した。図8と図9を用いて本実
施例の画像形成装置の表示パネルの製造方法を説明す
る。両図中の各符号は前述の通りである。
子を作製した基板71をリアプレート81上に固定した
後、基板71の5mm上方に、フェースプレート86
(ガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック8
5が形成されて構成される)を支持枠82を介して配置
し、フェースプレート86、支持枠82、リアプレート
81の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中あるい
は窒素雰囲気中で400℃〜500℃で10分以上焼成
することで封着した(図8)。またリアプレート81へ
の基板71の固定もフリットガラスで行った。図8にお
いて、74は電子放出素子、72、73はそれぞれX方
向およびY方向の配線である。
体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状を採用し、先にブラックストライプを形成し、その間
隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜84を作製した。ブ
ラックストライプの材料として通常良く用いられている
黒鉛を主成分とする材料を用い、ガラス基板83に蛍光
体を塗布する方法としてはスラリー法を用いた。
バック85が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製
後、蛍光膜84の内面側表面の平滑化処理(通常フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着す
ることで作製した。
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例では
メタルバックのみで十分な導電性が得られたので省略し
た。
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行った。
囲器)内の雰囲気を排気管(不図示)を通じて真空ポン
プにて排気し、十分な真空度に達した後、容器外端子D
ox1〜DoxmとDoy1〜Doynを通じて電子放
出素子74の電極2、3間に電圧を印加し、導電性膜4
に通電処理(フォーミング処理)を施すことにより電子
放出部5を作製した。フォーミング処理の電圧波形を図
4に示す。
ス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1m秒、
T2を10m秒とし、三角波の波高値(フォーミング時
のピーク電圧)は5Vとし、フォーミング処理は約1×
10-6torrの真空雰囲気下で60秒間行った。
ジウム元素を主成分とする微粒子が分散配置された状態
となり、その微粒子の平均粒径は30オングストローム
であった。
図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着し、外
囲器の封止を行った。
ッター処理を行った。これは、封止を行う直前に、高周
波加熱等の加熱法により、表示パネル内の所定の位置
(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形
成処理した。ゲッターとしてはBa等を主成分としたも
のを使用した。
画像表示装置を形成し(駆動回路は図示せず)、各電子
放出素子に容器外端子Dox1〜Doxm、Doy1〜
Doynを通じて走査信号および変調信号を不図示の信
号発生手段よりそれぞれ印加することによって電子放出
させ、高圧端子Hvを通じてメタルバック85に数kV
以上の高圧を印加して電子ビームを加速し、蛍光膜84
に衝突させて蛍光膜84を励起・発光させることによっ
て画像を表示した。
出素子の特性を把握するために、同時に、図1に示した
平面型電子放出素子とL、WおよびW’等を同様にした
標準的な電子放出素子のサンプルを作製し、その電子放
出特性の測定を前述の図5の測定評価装置を用いて行っ
た。なお、上記サンプルの測定条件は、アノード電極と
電子放出素子間の距離を4mm、アノード電極の電位を
1kV、電子放出特性測定時の真空装置内の真空度を1
×10-6torrとした。
に流れる素子電流Ifおよび放出電流Ieを測定したと
ころ、図6に示したような電流−電圧特性が得られた。
本実施例で得られた素子では、素子電圧8V程度から急
激に放出電流Ieが増加し、素子電圧16Vでは素子電
流Ifが2.2mA、放出電流Ieが1.1μAとな
り、電子放出効率η=Ie/If(%)は0.05%で
あった。
電性膜形成用材料を容易に形成することが可能となり、
従って本発明の有機金属錯体を用いることによってバブ
ルジェット方式のようなインクジェット方式で吐出可能
な本発明の導電性膜形成用材料が得られる。そしてかか
る本発明の導電性膜形成用材料を用いれば、有機溶媒を
用いることなく、バブルジェット方式やピエゾジェット
方式によって該材料を液滴として基板上に付与して電子
放出素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置を製
造することが可能となる。それ故、本発明によれば、本
発明の導電性膜形成用材料を非常に微小な液滴で効率良
くかつ適度な精度で発生及び付与することが可能とな
り、しかもその制御も容易となる。また、本発明によれ
ば、電子放出素子等の低コスト化、その製造工程の環境
保護の改善等が可能となる。
て電子放出素子を作製することによって、電子放出素子
の形成時における導電性膜の結晶構造の成長や該材料の
昇華が抑制され、電子放出部を含む導電性膜のシート抵
抗値及び膜厚を高度に均一化することが可能となり、本
発明によればシート抵抗値のばらつきを5%以内に抑え
ることができる。それ故、本発明によれば、フォーミン
グ時および電子放出時の電子放出素子間のばらつきも従
来より小さくすることができ、従ってそれを用いた電子
源、表示パネルおよび画像形成装置における輝度むらや
電子放出部の欠陥による不良品発生率の低減が可能とな
る。
放出素子の構成を示す模式的平面図であり、(b)はそ
の断面図である。
の構成を示す模式的断面図である。
す模式的断面図である。
電圧波形の例を示すグラフである。
の概略構成図である。
子の放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfと
の関係の典型例を示すグラフである。
の概略構成図である。
に好適な表示パネルの概略構成図である。
式のテレビ信号に応じて表示を行う例の駆動回路のブロ
ック図である。
成図である。
表示パネルの概略構成図である。
部分平面図である。
図である。
構成を示す模式的平面図である。
放出部、21:段差形成部、31:液滴付与手段、3
2:液滴、50:素子電極2、3間の導電性膜4を流れ
る素子電流Ifを測定するための電流計、51:電子放
出素子に素子電圧Vfを印加するための電源、52:素
子の電子放出部5より放出される放出電流Ieを測定す
るための電流計、53:アノード電極54に電圧を印加
するための高圧電源、54:素子の電子放出部5より放
出される放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極、
55:真空装置、56:排気ポンプ、71:電子源基
板、72:X方向配線、73:Y方向配線、74:電子
放出素子、75:結線、81:リアプレート、82:支
持枠、83:ガラス基板、84:蛍光膜、85:メタル
バック、86:フェースプレート、87:高圧端子、8
8:外囲器、91:黒色導電材、92:蛍光体、10
1:表示パネル、102:走査回路、103:制御回
路、104:シフトレジスタ、105:ラインメモリ、
106:同期信号分離回路、107:変調信号発生器、
VxおよびVa:直流電圧源、110:電子源基板、1
11:電子放出素子、112:Dx1〜Dx10は電子
放出素子111を配線するための共通配線、120:グ
リッド電極、121:電子が通過するための空孔、12
2:Dox1,Dox2・・・Doxmよりなる容器外
端子、123:グリッド電極120と接続されたG1、
G2・・・Gnからなる容器外端子、124:電子源基
板、141:層間絶縁層、142:コンタクトホール。
Claims (26)
- 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基またはポリ
メチレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、lは1
〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0〜2の整数、M
は金属をそれぞれ示す) で表わされる有機金属錯体。 - 【請求項2】 下記式(2) 【化2】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基またはポリ
メチレン基、lは1〜4の整数、mは1〜4の整数、n
は0〜2の整数、Mは金属をそれぞれ示す) で表わされる、請求項1に記載の有機金属錯体。 - 【請求項3】 下記式(3) 【化3】 (式中、lは1〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0
〜2の整数、Mは金属をそれぞれ示す) で表わされる、請求項1または2に記載の有機金属錯
体。 - 【請求項4】 下記式(4) 【化4】 (式中、lは1〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0
〜2の整数、Mは金属をそれぞれ示す) で表わされる、請求項1または2に記載の有機金属錯
体。 - 【請求項5】 電極間に、電子放出部を含む導電性膜を
有する電子放出素子における該導電性膜を形成するため
の材料であって、下記式(1) 【化5】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基またはポリ
メチレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、lは1
〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0〜2の整数、M
は金属をそれぞれ示す) で表わされる有機金属錯体を主成分として含有すること
を特徴とする導電性膜形成用材料。 - 【請求項6】 前記有機金属錯体が、下記式(2) 【化6】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基またはポリ
メチレン基、lは1〜4の整数、mは1〜4の整数、n
は0〜2の整数、Mは金属をそれぞれ示す) で表わされるものであることを特徴とする、請求項5に
記載の導電性膜形成用材料。 - 【請求項7】 前記有機金属錯体が、下記式(3) 【化7】 (式中、lは1〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0
〜2の整数、Mは金属をそれぞれ示す) で表わされるものであることを特徴とする、請求項5ま
たは6に記載の導電性膜形成用材料。 - 【請求項8】 前記有機金属錯体が、下記式(4) 【化8】 (式中、lは1〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0
〜2の整数、Mは金属をそれぞれ示す) で表わされるものであることを特徴とする、請求項5ま
たは6に記載の導電性膜形成用材料。 - 【請求項9】 前記材料が、前記有機金属錯体を主成分
として含有する水溶液であることを特徴とする、請求項
5〜8のうちのいずれか1つに記載の導電性膜形成用材
料。 - 【請求項10】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子
放出素子である請求項5〜9のうちのいずれか1つに記
載の導電性膜形成用材料。 - 【請求項11】 電極間に、電子放出部が形成された導
電性膜を有する電子放出素子の製造方法において、電子
放出部が形成される導電性膜の形成工程が、請求項5〜
9のうちのいずれか1つに記載の材料を基板上に付与す
る工程と、基板上に付与された前記材料を加熱する工程
とを有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 【請求項12】 前記材料の基板上への付与は、該材料
を液滴化して行われる請求項11に記載の電子放出素子
の製造方法。 - 【請求項13】 前記材料の基板上への付与は、インク
ジェット方式を用いて行われる請求項12に記載の電子
放出素子の製造方法。 - 【請求項14】 前記インクジェット方式は、バブルジ
ェット方式である請求項13に記載の電子放出素子の製
造方法。 - 【請求項15】 請求項11〜14のうちのいずれか1
つに記載の工程にて形成された前記導電性膜に、電子放
出部を形成するためのフォーミング処理を施す工程を有
することを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 【請求項16】 前記フォーミング処理は、前記導電性
膜に通電する工程を含む請求項15に記載の電子放出素
子の製造方法。 - 【請求項17】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子
放出素子である請求項11〜16いずれか1つに記載の
電子放出素子の製造方法。 - 【請求項18】 電子放出素子と、該素子への電圧印加
手段とを具備する電子源の製造方法であって、該電子放
出素子を請求項11〜17いずれか1つに記載の方法で
作製することを特徴とする電子源の製造方法。 - 【請求項19】 電子放出素子及び該素子への電圧印加
手段を具備する電子源と、該素子から放出される電子を
受けて発光する蛍光膜とを具備する表示パネルの製造方
法であって、該電子放出素子を請求項11〜17いずれ
か1つに記載の方法で作製することを特徴とする表示パ
ネルの製造方法。 - 【請求項20】 電子放出素子及び該素子への電圧印加
手段を具備する電子源と、該素子から放出される電子を
受けて発光する蛍光膜と、外部信号に基づいて該素子へ
印加する電圧を制御する駆動回路とを具備する画像形成
装置の製造方法であって、該電子放出素子を請求項11
〜17いずれか1つに記載の方法で作製することを特徴
とする画像形成装置の製造方法。 - 【請求項21】 間隔を置いて配置した一対の電極と、
該間隔に配置され、該一対の電極間の印加電界により電
子を放出する薄膜部材と、を有する電子放出素子が基板
上に複数の行及び列に沿って複数配置されて形成した電
子源基板であって、前記複数の行及び列に沿って配置さ
れた複数の電子放出素子は、各電子放出素子毎に、前記
薄膜部材として、該薄膜部材を下記式(1) 【化9】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基またはポリ
メチレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、lは1
〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0〜2の整数、M
は金属をそれぞれ示す) の有機金属錯体を含む液体の液滴を前記間隔に位置する
基板上に付与し、加熱処理させて形成した薄膜を有する
ことを特徴とする電子源基板。 - 【請求項22】 間隔を置いて配置した一対の電極と、
該間隔に配置され、該一対の電極間の印加電界により電
子を放出する薄膜部材と、を有する電子放出素子が基板
上に複数の行及び列に沿って複数配置されて形成した電
子源基板であって、前記複数の行及び列に沿って配置さ
れた複数の電子放出素子は、各電子放素子毎に、前記薄
膜部材として、該薄膜部材を下記式(1) 【化10】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基またはポリ
メチレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、lは1
〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0〜2の整数、M
は金属をそれぞれ示す) の有機金属錯体を含む液体の液滴を前記間隔に位置する
基板上に付与させた後、加熱処理し、しかる後、前記一
対の電極間の通電によってフォーミング処理させて得ら
れた薄膜を有することを特徴とする電子源基板。 - 【請求項23】 前記液滴は、インクジェット方式によ
り吐出させた液滴である請求項21または22に記載の
電子源基板。 - 【請求項24】 間隔を置いて配置した一対の電極と、
該間隔に配置され、該一対の電極間の印加電界により電
子を放出する薄膜部材と、を有する電子放出素子が基板
上に複数の行及び列に沿って複数配置されて形成した電
子基板であって、前記複数の行及び列に沿って配置され
た複数の電子放出素子は、各電子源放出素子毎に、前記
薄膜部材として、カーボン薄膜からなる第1薄膜及び下
記式(1) 【化11】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基またはポリ
メチレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、lは1
〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0〜2の整数、M
は金属をそれぞれ示す) の有機金属錯体を含む液体の液滴を前記間隔に位置する
基板上に付与し、加熱処理させて形成した第2薄膜を有
することを特徴とする電子源基板。 - 【請求項25】 間隔を置いて配置した一対の電極と、
該間隔に配置され、該一対の電極間の印加電界により電
子を放出する薄膜部材と、を有する電子放出素子が基板
上に複数の行及び列に沿って複数配置されて形成した電
子源基板であって、前記複数の行及び列に沿って配置さ
れた複数の電子放出素子は、各電子放出素子毎に、前記
薄膜部材として、カーボン薄膜からなる第1薄膜及び下
記式(1) 【化12】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基またはポリ
メチレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、lは1
〜4の整数、mは1〜4の整数、nは0〜2の整数、M
は金属をそれぞれ示す) の金属錯体を含む液体の液滴を前記間隔に位置する基板
上に付与させた後、加熱処理させ、しかる後、前記一対
の電極間の通電によってフォーミング処理させて得られ
た第2薄膜を有することを特徴とする電子源基板。 - 【請求項26】 前記液滴は、インクジェット方式によ
り吐出させた液滴である請求項24または25に記載の
電子源基板。
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---|---|---|---|
JP10161995A JP3229163B2 (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | 有機金属錯体、導電性膜形成用材料、並びにそれを用いた電子放出素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方法 |
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