JP3225055B2 - 像ぶれ補正装置 - Google Patents

像ぶれ補正装置

Info

Publication number
JP3225055B2
JP3225055B2 JP14933291A JP14933291A JP3225055B2 JP 3225055 B2 JP3225055 B2 JP 3225055B2 JP 14933291 A JP14933291 A JP 14933291A JP 14933291 A JP14933291 A JP 14933291A JP 3225055 B2 JP3225055 B2 JP 3225055B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
shake
vibration
image blur
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14933291A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04349432A (ja
Inventor
晃一 鷲巣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP14933291A priority Critical patent/JP3225055B2/ja
Publication of JPH04349432A publication Critical patent/JPH04349432A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3225055B2 publication Critical patent/JP3225055B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、カメラ等の光学機器
装置において生じる像ぶれを補正する像ぶれ補正装置
関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の対象となる従来技術を以下に説
明する。
【0003】現代のカメラでは、露出決定やピント合せ
等の撮影にとって重要な作業はすべて自動化されている
ため、カメラ操作に未熟な人でも撮影の失敗を起す可能
性は非常に少なくなっているが、カメラ振れによる撮影
の失敗だけは自動的に防ぐことが困難とされていた。
【0004】そこで、近年このカメラ振れに起因する撮
影失敗をも防止することを可能とするカメラが意欲的に
研究されており、特に、撮影者の手振れによる撮影失敗
を防止することのできるカメラについての開発、研究が
進められている。
【0005】撮影時のカメラの上記手振れは周波数とし
て通常1Hz乃至12Hzの振動であるが、シャッタの
レリ−ズ時点においてこのような手振れを起していても
像振れのない写真を撮影可能とするための基本的な考え
として、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その
検出値に応じて補正レンズを変位させてやらなければな
らない。従って、上記目的(即ち、カメラの振れが生じ
ても像振れを生じない写真を撮影できること)を達成す
るためには、第1にカメラの振動を正確に検出し、第2
に手振れによる光軸変化を補正することが必要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、角加速度、角速度、角変位等を検出する振動
センサと、角加速度,角速度を検出する振動センサの場
合該手段の出力信号を電気的に積分して角変位を出力す
る振動検出手段をカメラに搭載することによって行うこ
とができる。そして、この検出情報に基づき撮影光軸を
偏心させる補正光学手段を駆動させて像振れ抑制が行わ
れる。
【0007】ここで、角変位検出装置を用いた像振れ抑
制システム(防振システム)について、図30を用いて
その概要を説明する。
【0008】図30の例は、図示矢印81方向のカメラ
縦振れ81p及びカメラ横振れ81yに由来する像振れ
を抑制するシステムの図である。
【0009】同図中、82はレンズ鏡筒、83p,83
yは各々カメラ縦振れ角変位、カメラ横振れ角変位を検
出する角変位検出装置で、それぞれの角変位検出方向を
84p,84yで示してある。この角変位検出装置83
p,83yからの信号により補正光学手段85(86
p,86yは各々その駆動部、87p,87yは補正光
学位置検出センサ)を駆動させて像面88での安定を確
保する。
【0010】図31は角加速度計を用いた防振システム
を示しており、図30と異なるのは、積分器89p,8
9yを設け、角加速度計810p,810yからの手振
れ角加速度を積分器89p,89yで2階積分し、手振
れ角変位に変換した後、補正光学手段85に入力してい
る点にある。又、補正光学手段85にも公知の機械的積
分作用を持たせ、積分器89p,89yを1階積分する
ものとすることも出来、この場合振動検出手段として振
動ジャイロ等の角速度計を用いると、上記積分器89
p,89yは省くことができる。
【0011】図13乃至図15は前記角変位検出装置の
構成例を示すものであり、以下これらの図を用いて説明
する。
【0012】図13乃至図15において、71は装置を
構成する各部品を取付ける地板、72は内部に後述の浮
体73及び液体712を封入した室をもつ外筒である。
73は軸74a回りに回転自在に後述の浮体保持体74
により保持された浮体で、突起73aにはスリット状の
反射面が形成されており、永久磁石から成る材料にて構
成されて上記軸74a方向に着磁されている。また、こ
の浮体73は軸74a回りの回転バランス及び浮力バラ
ンスがそれぞれとられたものとして構成されている。
【0013】74は後述のピボット軸受75を介して浮
体73を保持した状態で外筒72に固定されている浮体
保持体である。76は地板71に取付けられたコの字形
状のヨ−クで、浮体73と共に閉磁路を形成している。
77は巻線コイルで、浮体73とヨ−ク76の間に配置
されて外筒72と固定関係に設けられている。78は通
電により光を発生する発光素子(iRED)であり、地板71
に取付けられている。79は受ける光の位置によって出
力の変化する受光素子(PSD)であり、地板71に取
付けられている。そして、これら発光素子78及び受光
素子79が上記浮体73の突起(反射面)73aを介し
て光を伝送する方式の光学的な角変位検出の手段を構成
している。
【0014】710は発光素子78の前面に配置された
マスクで、光を透過するスリット穴710aを有してい
る。711は外筒72に取付けられたストッパ部材で、
定められた範囲以上浮体73が回転しないように回転規
制をしている。尚、上記した浮体73の回転自在の保持
は次のようにして行われている。即ち浮体73の中心に
は図14(図13のA−A断面)で示すように、上下に
先端が尖鋭なピボット713が圧入されている。一方、
前記の浮体保持体74のコ字形の上下腕の先端には互い
に内向きに対向してピボット軸受75が設けられ、上記
ピボット713の尖鋭な先端がこのピボット軸受75に
嵌合することで浮体73の保持がされる。
【0015】714は外筒72の上蓋であり、シリコン
接着剤等を用いた公知の技術により該外筒72内に液体
712を封入すべくシ−ル接着されている。
【0016】以上の構成において、浮体73は、いずれ
の姿勢においても重力の影響による回転モ−メントが発
生することなく、またピボット軸受75に実質的に負荷
が作用しないように、回転軸74a回りに対し対称形状
をしている。更に液体712と同比重の材料にて構成さ
れている。現実には、アンバランス成分ゼロというのは
不可能ではあるが、形状誤差分は比重差分だけしかアン
バランスとして作用しないので実質的には十分小さく、
慣性に対する摩擦のSN比が極めて良好であることは容
易に理解できよう。
【0017】かかる構成においては、外筒72が回転軸
74a回りに回転しても内部の液体712は慣性により
絶対空間に対し静止するので、浮遊状態にある浮体71
2は回転せず、従って外筒72と浮体73は回転軸74
a回りに相対的に回転することになる。これらの相対的
な角変位は、上記発光素子78,受光素子79を用いた
光学的検知手段で検出できる。
【0018】さて、以上の構成を有する装置において、
角変位の検出は次のように行われる。
【0019】まず、発光素子78から発せられた光はマ
スク710のスリット穴710aを通過し浮体73に照
射され、ここで突起73aのスリット状反射面により反
射されて受光素子79に至る。上記光の伝送の際にはこ
の光はスリット穴710aとスリット状反射面とにより
略平行光となり、受光素子79の上にはボケのない像が
形成されることになる。
【0020】そして外筒72,発光素子78,受光素子
79はいずれも地板71に固定されているものであって
一体に運動するので、外筒72と浮体73の間で相対的
な角変位運動が生じると、該変位に応じた量だけ受光素
子79上のスリット像は移動することになる。従って、
受光した光の位置によって出力の変化する光電変換素子
である該受光素子79の出力は、該スリット像の位置変
位に比例した出力となり、該出力を情報として外筒72
の角変位を検出することができる。
【0021】ところで、前述したように浮体73は液体
712と同比重をもつ永久磁石材料にて構成されている
が、それは例えば次の様にして成すものである。
【0022】液体712としてフッ素系の不活性液体を
用いた場合、プラスチック材をベ−スにフィラ−として
永久磁石材料(例えばフェライト等)の微粉を含有させ
てその含有率を調整すれば、体積含有率8%前後にて液
体の比重 「1.8」 と同程度の比重にすることは容易で
ある。かかる材料にて浮体73を成形した後、又は同時
に前記回転軸74a方向に着磁すれば、浮体73は永久
磁石としての性質を持つこととなる。
【0023】図16は浮体73とヨ−ク76と巻線コイ
ル77の関係を表した、図13のB−B断面である。
【0024】該図の如く浮体73は回転軸74a方向に
着磁されており、この図では上側がN極、下側がS極に
着磁されている。N極から出た磁力線はコの字型のヨ−
ク76を通り、S極に入るという閉磁路を構成してお
り、この磁路内に配置された巻線コイル77に図の様に
紙面裏側から表側へ電流を流せば、フレミングの左手の
法則に従って該巻線コイル77は矢印f方向に力を受け
る。ところが、該巻線コイル77は前述したように外筒
72に対し固定されていることから動くことができず、
よってその反作用である矢印F方向に力が働き、該力に
よって浮体73が駆動されることになる。この力は巻線
コイル77に流す電流に比例し、力の方向も電流を上記
とは逆に流せば逆方向に働くことは言うまでもないこと
である。即ち以上の構成に於ては、浮体73を自在に駆
動することが可能である。
【0025】この駆動力により浮体73に及ぼされるバ
ネ力は、原理的には浮体73を外筒72に対して一定の
姿勢に維持させる(つまり一体に移動させる)力である
から、そのバネ力が強いと外筒72と浮体73は一体と
なって運動してしまい、目的とする角変位の為の相対角
変位は生じないと云う問題を招くが、駆動力(バネ力)
が浮体73の慣性に対し十分に小さければ、比較的低い
周波数の角変位にも応答し得る様に構成できる。
【0026】図17は以上の様な角変位検出装置の電気
回路を示す図である。
【0027】電流−電圧変換アンプ715a,715b
(及び抵抗R33〜R36)は発光素子78の反射光7
16により受光素子79に生じる光電流を電圧に変化
し、次段の差動アンプ717(及び抵抗R37〜R4
0)は前記電流−電圧変換アンプ715a,715bの
出力差、つまり角変位(外筒72と浮体73の間の相対
的な角変位運動)を求める。この出力を抵抗718,7
19で分割して極めて小さい出力にし、巻線コイル77
に電流を流す駆動アンプ720(及び抵抗R41,トラ
ンジスタTR11,TR12)に入力して、負帰還(差
動アンプ717が出力すると、浮体73が中心に戻る様
に巻線コイル77の配線及び浮体73の着磁方向を設定
する)を行うと、前述の様に液体712の慣性に対し十
分に小さいバネ力(駆動力)が生じる。
【0028】加算アンプ721(及び抵抗R42〜R4
5)は前記アンプ715a,715bの和(受光素子7
9の発光素子78からの反射光716の受光量総和)を
求めており、その出力を発光素子78を発光させる駆動
アンプ722(及び抵抗R47〜R48,トランジスタ
TR13,コンデンサC11)に入力している。
【0029】発光素子78は温度差に極めて不安定にそ
の発光量を変化させてしまうが、上記の様に受光量総和
により発光素子78を駆動させれば、受光素子79の出
力する光電流総和は常に一定となり、差動アンプ717
の角変位検出感度は極めて安定なもとすることができ
る。
【0030】角変位検出装置は、以上の様に弱いバネ力
を持たせる位置制御ル−プの他に、系の伝達特性の減衰
特性を調整する速度制御ル−プも備えている。何故なら
ば、外筒72に収められる液体712と浮体73のダン
ピング特性を外部温度の変動によらず(液体712は外
温でその粘度が変化してしまう)、常に一定にしておく
ためである。この速度制御ル−プは図17において、ア
ンプ723,724,725等から構成される。
【0031】アンプ723は抵抗726,727、コン
デンサ728,729と共にアンプ717の角変位(位
置)検出出力を微分して速度出力を作り、且つ高域波ノ
イズの除去を行う。アンプ724は前記抵抗718,7
19の分圧出力のバッファアンプで、アンプ723,7
24の出力(速度と位置)をアンプ725(及び抵抗R
49〜R51)で加え、前記駆動アンプ720に送る。
【0032】再び図13に戻り、図13で示されるブロ
ック図は前記図17の回路を簡略化して示している。
【0033】730は前記アンプ715a,715b,
717(及び抵抗R33〜R49)で構成される増幅回
路を示し、受光素子79の出力の増幅を行う。731は
前記アンプ723,抵抗726,727,コンデンサ7
28で構成される微分回路を示す。732は抵抗71
8,719の分圧増幅度G1を示す回路であり、733
はアンプ723と抵抗726,727で決定される増幅
度G2を示す回路であり、各々位置制御ル−プゲイン,
速度制御ル−プゲインの調整を行える。
【0034】図18は上述した角変位検出装置の周波数
特性を示すボ−ド線図であり、横軸は周波数、縦軸は角
変位検出装置の出力ゲイン(734G)及び入力手振れ
と角変位検出装置の出力の位相(734P)を示してい
る。
【0035】この図18により「0.2Hz」より低い
周波数では角変位検出装置の出力が小さくなっており、
極低周波の手振れに対しては角変位検出装置は出力しな
い事を示している。そして、この析点(図18では
「0.2Hz」)は図13の回路732(増幅度G1)
で決定され、ここでの増幅度G1を大きくすれば浮体7
3と外筒72間のバネ性が強くなり、析点は高域側に移
動し、増幅度G1を小さくすればバネ性は弱くなり、析
点は低域側に移動する。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の様に角変
位検出装置は「0.2Hz」以上の手振れにおいては正
確にその振れ量を検出するわけであるが、ここにいくつ
かの問題点が有る。
【0037】手振れは通常1Hzないし10Hz程度に
分布しており、2Hz程度の振れが頻繁に生じている。
そして、図18の出力ゲイン(利得)734Gで示され
る様に角変位検出装置はこの範囲で正確に振れ量を検出
しているが、位相734Pは2Hz近辺では未だ「0
°」になっておらず、入力手振れに対しψ71だけ位相
が進んでいる。
【0038】図19はその事による防振精度の劣化を説
明し易い様に誇張して示した図であり、図19におい
て、横軸は時間、縦軸は手振れ量を示している。
【0039】ここで、735は実際にレンズ鏡筒に加わ
る手振れ量を示しており、これにより角変位検出装置の
出力736は実際の手振れが1〜2Hz程度の場合、実
際の手振れより位相が進んでいる。そして、この出力7
35に基づいて補正光学手段が光軸を偏心して防振を行
うわけであるが、実際の手振れ量735と角変位検出装
置の出力736の差分737は誤差として残り、この低
周波の手振れ量が大きいときは当然その誤差(位相ズレ
による誤差が大きい)は防振精度の大きな劣化となって
しまう。つまり、手振れの小さな撮影者に対しては十分
な防振効果を得られるが、手振れの大きな撮影者に対し
ては十分な防振を期待できない。
【0040】もちろん図18において、析点を「0.2
Hz」より低く、即ち巻線コイル77への通電量を減ら
し、バネ性を弱くすれば位相ズレ量ψ71は小さくなっ
て行くが、この様にバネ性を弱くすると浮体73は外乱
に対して極めて不安定になり、例えば浮体73が回転軸
74a回りに僅かにアンバランスであって、「カメラを
持直す」等の角変位検出装置に対し急激な重量変化が生
じると浮体73は大きく変位し、ストッパ711に突当
り角変位検出機能を失ってしまう。そのため、析点をあ
まり低周波に移動出来ず、上記の如き位相ズレは避けら
れない問題であった。
【0041】又、次の問題点として、図13における発
光素子78と受光素子79で構成される位置検出手段は
浮体73の全ストロ−クの角変位検出を行うわけである
が、手振れが大きい場合、つまり角変位検出ストロ−ク
が大きいときは、その全ストロ−クを回路の飽和なく検
出しようとすると、微小角変位(しかしフィルム面の像
振れとしては問題となるレベルの振れ量)に対する出力
が極めて小さくなり、S/Nが劣化してしまい、防振精
度が劣化してしまう。又、この様に微小変位の出力が小
さくなってしまうと、例えば出力をアナログ・ディジタ
ル変換し、マイクロコンピュ−タで防振システムを動作
させる場合には、アナログ・ディジタル変換回路の分解
能より出力が小さい場合は防振は働かない。つまり手振
れが大きく、この大きな手振れを防振しようとすると、
小さな手振れは防振出来なくなってしまう問題もあっ
た。
【0042】次に、図31の防振システムで用いた角加
速度計810p,810yの構造及び動作原理について
説明する。
【0043】図20は上記角加速度計810p,810
yとして用いられるサ−ボ角加速度センサの構造図を示
している。
【0044】図20において、738は外枠底部であ
り、この外枠底部738と一体的に固着される支持部7
39及びボ−ルベアリング等摩擦の少ない軸受740
a,740bによりシャフト741の両端が支持されて
いて、該シャフト741によってコイル742a,74
2bを取付けられたシ−ソ743が揺動可能に支持され
ている。
【0045】上記コイル742a,742b及びシ−ソ
743の上下には、これらと離隔されて蓋部としての磁
気回路板744a,744bと永久磁石745a1,7
45a2,745b1,745b2が対向して配置され
ていて、磁気回路板744a,744bは上述の如く外
枠の蓋部も兼ねている。永久磁石745a1,745a
2,745b1,745b2は各々外枠底部738に固
定される磁気回路背板746a,746b上に取付けら
れている。
【0046】また、上記シ−ソ743のコイル742
a,742bの上部には厚み方向に貫通したスリット7
47a,747bを形成するスリット板748a,74
8bが設けられており、このスリット747aの上方の
外枠の蓋部を兼ねる磁気回路板744aにはSPC(Se
parate Photo Diode)等の光電式の変位検出器749が
配置され、スリット747aの下方の磁気回路背板74
6a上には赤外発光ダイオ−ド等の発光素子750が配
置されている。
【0047】以上の構成において、いま角加速度aが図
20の外枠に対して矢印751で示すように働いたとす
ると、シ−ソ743は相対的に角加速度aと反対の方向
に傾き、この振れ角はスリット747aを介する発光素
子750からのビ−ムの変位検出器749上の位置によ
り検出できる。ところで、上記永久磁石745a1,7
45b1からの磁束は、各々永久磁石745a1,74
5b1→コイル742a,742b→磁気回路板744
a,744b→コイル742a,742b→永久磁石7
45a2,745b2に、他方永久磁石745a2,7
45b2からの磁束は、各々永久磁石745a2,74
5a2→磁気回路背板437a,437b→永久磁石7
45a1,745b1を通り、全体として閉磁気回路を
形成しており、コイル742a,742bに対し垂直な
方向の磁束を形成するようになっている。そしてコイル
742a,742bに制御電流を流すことにより、フレ
ミングの法則によって、シ−ソ743を上記角加速度a
の振れ方向に沿って両側に動かすことが出来るように設
けられている。
【0048】図21は上記構成のサ−ボ角加速度センサ
に用いられる角加速度検出回路の構成の一例を示したも
のである。この回路は、上記変位検出器749からの出
力を増幅する変位検出増幅器752と、このフィ−ドバ
ック回路を安定な回路系とするための補償回路753
と、上記変位検出増幅器752からの増幅された出力を
更に電流増幅してコイル742a,742bに通電する
駆動回路754と、コイル742a,742bとが直列
的に接続されて成っている。
【0049】そして本例においては、上記コイル742
a,742bに通電がなされた場合は、外部角加速度a
によるシ−ソ743の振れ方向とは反対方向に力が発生
するよう該コイル742a,742bの巻線方向及び永
久磁石745a1,745a2,745b1,745b
2の極性が設定されている。
【0050】以上の構成のサ−ボ角加速度センサの作動
原理を説明すると、いま上記構成の角加速度センサに外
部から図21に示す様に角加速度aが加わったとする
と、シ−ソ743は慣性力によって外枠に対して相対的
に反対回転方向に振れ、従ってシ−ソ743に設けられ
ているスリット747aがL方向に移動する。このため
に発光素子750から変位検出器749に入射する光束
の中心が変位し、変位検出器749から、その変位量に
比例した出力が発生する。
【0051】その出力は上述の如く変位検出増幅器75
2で増幅され、更に補償回路753を介して駆動回路7
54により電流増幅され、コイル742a,742bに
通電される。
【0052】以上のようにコイル742a,742bに
制御電流の通電があると、シ−ソ743には外部角加速
度aのL方向とは逆の方向であるR方向への力が発生
し、変位検出器749に入射する光束が上記外部角加速
度aの加わらない時の初期位置に戻るように制御電流が
調整して発生される。
【0053】尚、この際コイル742a,742bを流
れる制御電流の値はシ−ソ743に加わる回転力に比例
しており、更にシ−ソ743に加わる回転力は該シ−ソ
743を原点に戻す力、つまり外部角加速度aの大きさ
に比例しているから、抵抗755を通して電流を電圧V
として読取ることにより、例えばカメラの像振れ抑制シ
ステム等に必要な制御情報としての角加速度aの大きさ
を求めることができる。
【0054】図22は前記図21の角加速度検出回路を
より具体的に示した図である。
【0055】図22において、電流−電圧変換アンプ7
56等は図21の変位検出増幅器752に相当し、変位
検出器749からの光電流を電圧変換増幅して位置検出
を行う。コンデンサ759及び抵抗757,758は補
償回路753に相当し、駆動アンプ760等はコイル7
42a,742bの駆動を行う駆動回路754に相当す
る。また、749,750は前述の変位検出器及び発光
素子である。
【0056】以上が手振れ角加速度を検出するサ−ボ角
加速度センサの構成であるが、角変位検出装置で述べた
様な低周波の位相ズレという問題は同様に発生する。
【0057】このことについて説明する。
【0058】角加速度計を用いて手振れ角変位を検出す
る場合、その出力を2階積分する必要がある事を図31
で述べた。
【0059】図23はこの時に必要な2階積分器の周波
数特性を示すボ−ド線図であり、この利得線図756で
分かる様に角加速度出力を(「0.2Hz」以上で)周
波数の2乗に比例して減衰(2階積分)させる特性にな
っている。その為、手振れ角加速度は手振れの帯域1〜
10Hzにおいて正確に振れ変位量を変換される。しか
し、振れ変位量は正確に変換されても実際の振れとの位
相については十分に一致していない。757は使用する
2階積分器の位相を示しており、位相が「180°」遅
れている点が正確に2階積分され、実際の手振れと位相
が一致している範囲である。しかし、この図から「0.
2Hz」では未だ位相は「90°」しか遅れておらず、
2Hzにおいても「180°」遅れになるにはψ72
(約6°)足りない。その為、図19で示した様な防振
精度の劣化が生じる。
【0060】もちろん図23の特性を「0.2Hz」以
上を積分する特性から「0.05Hz」以上を積分する
特性に変更すれば、2Hzにおける位相ズレはかなり改
善できるが、積分器の特性として積分出来る周波数を低
くする程電源オンから安定する迄の時間が必要となり、
例えば「0.05Hz」以上を積分しようとすると、2
0秒程度待たないと積分出力は十分安定せず、これはカ
メラの様な民生機器においては許容できる時間ではな
い。その為、この様な(「0.05Hz」以上積分す
る)積分器は使用出来ず、故に位相ズレによる防振精度
劣化は避けられない問題であった。
【0061】図24は上述した様な防振システムに好適
に用いられる補正光学機構(補正光学手段及びそれを駆
動する駆動手段する回路より成る)の構成を示す図であ
り、補正レンズ758は光軸と直交する互いに直角な2
方向(ピッチ方向81pとヨ−方向81y)に自在に駆
動可能である。以下にその構成を示す。
【0062】図24において、補正レンズ758を保持
する固定枠759は、ポリアセタ−ル樹脂(以下POM
と記す)等のすべり軸受760pを介してピッチスライ
ド軸761p上を摺動出来る様になっている。又、固定
枠759はピッチスライド軸761pと同軸のピッチコ
イルバネ763pに挟まれており、中立位置付近に保持
される。ピッチスライド軸761pは第1の保持枠76
2に取付けられている。
【0063】固定枠759に取付けられたピッチコイル
764pはピッチマグネット765pとピッチヨ−ク7
66pで構成される磁気回路中に置かれており、電流を
流すことで前記固定枠759がピッチ方向81pに駆動
されることになる。又、ピッチコイル764pにはピッ
チスリット767pが設けられており、発光素子768
p(赤外発光ダイオ−ド)と受光素子769p(半導体
位置検出素子)の関連により、固定枠759のピッチ方
向81pの位置検出を行う。
【0064】第1の保持枠762にはPOM等のすべり
軸受760yが嵌合されており、ヨ−スライド軸761
yが取付けられたハウジング770上を摺動出来る。そ
してハウジング770は図30等に示したレンズ鏡筒8
2に取付けられる為、第1の保持枠762はレンズ鏡筒
82に対しヨ−方向81yに移動可能となる。又、ヨ−
スライド軸761yと同軸にヨ−コイルバネ763yが
設けられており、固定枠759と同様中立位置付近に保
持される。
【0065】又、上記固定枠759にはヨ−コイル76
4yが設けられており、ヨ−コイル764yを挟むヨ−
マグネット765yとヨ−ヨ−ク766yの関連で固定
枠759はヨ−方向81yにも駆動される。上記ヨ−コ
イル764yにはヨ−スリット767yが設けられてお
り、ピッチ方向と同様固定枠759のヨ−方向81yの
位置検出を行う。
【0066】図24において、受光素子769p,76
9yの出力を増幅器771p,771yで増幅して図示
の様な各回路(後述)を介してコイル(ピッチコイル7
64p,ヨ−コイル764y)に入力すると、固定枠7
59が駆動されて受光素子769p,769yの出力が
変化する。ここでコイル764p,764yの駆動方向
(極性)を受光素子769p,769y出力が小さくな
る方向にすると、閉じた系(閉ル−プ)が形成され、受
光素子769p,769yの出力がほぼゼロになる点で
安定する。
【0067】なお、補償回路772p,772yは図2
4の系をより安定化させる回路であり、加算回路801
p,801yは増幅器771p,771yと入力される
指令信号774p,774yを加算する回路であり、駆
動回路773p,773yはコイル764p,764y
の印加電流を補う回路である。
【0068】上記の様な系に外部から指令信号774
p,774yを与えると、補正レンズ758はピッチ方
向81pとヨ−方向81yに該指令信号774p,77
4yに極めて忠実に駆動される。そして、この指令信号
774p,774yとして前述したような振動検出手段
の出力を入力すると、防振作用が実現できる。
【0069】図25は補正光学手段を駆動する駆動手段
をより詳細に示した図であり、ここではピッチ方向81
pについてのみ説明する。
【0070】電流−電圧変換アンプ775a,775b
は発光素子768pにより受光素子769p(抵抗R
1,R2より成る)に生じる光電流を電圧に変換し、差
動アンプ776は各電流−電圧変換アンプ775a,7
75bの差を求めるものであり、この差信号が補正レン
ズ758のピッチ方向81pの位置を表す。以上、電流
−電圧変換アンプ775a,775b,差動アンプ77
6及び抵抗R3〜R10にて図24の増幅器771pを
構成している。
【0071】アンプ777は指令信号774pを、前記
差動アンプ776の差信号に加算するもので、抵抗R1
1〜R14とで図24の加算回路801pを構成してい
る。
【0072】抵抗R15,R16及びコンデンサC1は
公知の位相進み回路であり、これが図24の補償回路7
72pに相当し、系を安定化させている。
【0073】前記加算回路801pの出力は補償回路7
72pを介して駆動アンプ778へ入力し、ここでコイ
ル764pの駆動信号が生成され、補正レンズ758が
変位する。該駆動アンプ778、抵抗R17及びトラン
ジスタTR1,TR2にて図24の駆動回路773pを
構成している。
【0074】加算アンプ782は電流−電圧変換アンプ
775a,775bの出力の和(受光素子769pの受
光量総和)を求め、この信号を受ける駆動アンプ783
はこれにしたがって発光素子768pを駆動する。以
上、加算アンプ782,駆動アンプ783、抵抗R18
〜R22及びコンデンサC2により発光素子768pの
駆動回路を構成している(図24では不図示)。
【0075】上記の発光素子768pは温度等に極めて
不安定にその投光量が変化し、それに伴い差動アンプ7
76の位置感度が変化するが、上記の様に受光量総和一
定となる様に前述の駆動回路によって発光素子768p
を制御すれば、位置感度が変化する事は無い。
【0076】図26は補正光学手段の周波数特性を示し
ており、利得784はDCから20Hz程度迄フラット
であり、振動検出手段からの出力の振幅を正確に再現
し、また位相も手振れ量の大きい1〜3Hzではほぼズ
レが無く防振精度は高い。
【0077】しかし、この様な補正光学手段においても
問題点があり、その事について説明する。
【0078】補正レンズ758は図24の矢印gで示す
様に重力が加わる。そして前述した様に電源を投入する
と補正光学手段は位置制御の為、受光素子769pの出
力がほぼゼロ(中立付近)で補正レンズ758は安定す
る。電源オフ時は補正レンズ758は重力とピッチコイ
ルバネ763pのバネ力の釣合う点で安定していたのが
電源オンでは中立安定となる為、重力に逆らって補正レ
ンズ758を保持し続けている力(重力が補正レンズ7
58に加える力とピッチコイルバネ763pの反力の
差)はピッチコイル764pが負担しており、その為に
要する電流は大きく消電力化が望まれる。又、カメラの
構え方は縦位置もあるため重力は図24の矢印gの方向
だけではなく、ヨ−コイル764yに大電流を流し続け
る場合もある。
【0079】この様な重力による消費電力の増加を防ぐ
方法として、図27で示す制御方式が考えられている。
【0080】図27と図24の異なる点は、駆動回路7
73p,773yとピッチコイル764p,ヨ−コイル
764y間に直列に低域除去フィルタ786p,786
yが入っている事である。その為、重力等のDC入力に
対しては低域除去フィルタ786p,786yが除去す
る為、ピッチ,ヨ−コイル764p,764yには電流
は流れず、省電力化が可能である。
【0081】そして、低域除去フィルム786p,78
6yの時定数と位置制御ル−プゲインを適宜設定する
と、図28で示す周波数特性が得られ、利得787は手
振れ帯域1〜10Hzでフラットになる。しかし、低域
除去フィルタ786p,786yが入っている為、低周
波になると出力が減衰しており、特に位相788は2H
z近辺でもψ73だけズレるため、その分防振精度が劣
化してしまう。つまり、省電力化を図ると防振精度が劣
化してしまう。
【0082】又、角変位検出装置でも述べた様に、補正
光学手段においても位置検出手段を用いている為、手振
れが大きい場合(位置検出ストロ−クが大きい時)は小
さな変位の出力S/Nが劣化して正確に該補正光学手段
の駆動が行えず、出力をアナログ・ディジタル変換して
マイクロコンピュ−タで動作させる場合、小さな変位に
対する出力が小さく、アナログ・ディジタル変換分解能
以下の場合は防振が働かなくなってしまう。
【0083】次に、別種の補正光学手段について説明す
る。
【0084】図29は可変頂角プリズムを用いた前記補
正光学手段の構造図である。
【0085】図29において、789は屈折率の高い、
例えばシリコン系の液体であり、2枚の平面ガラス79
0p,790yとポリエチレンフィルム791により気
泡なく封じられている。平面ガラス790pはピッチ保
持枠792pで保持され、又、このピッチ保持枠792
pはピッチ軸81p’回りに回転可能に軸止されてい
る。平面ガラス790yはヨ−保持枠792yで保持さ
れ、ヨ−保持枠792yはヨ−軸81y’回りに軸止さ
れている。
【0086】ピッチ,ヨ−保持枠792p,792yに
は各々ピッチコイル793p,ヨ−コイル793yが設
けられており、これらコイルは固定されたピッチ,ヨ−
マグネット794p,794y、ピッチ,ヨ−ヨ−ク7
95p,795yで形成される閉磁路中に置かれる為、
ピッチ,ヨ−コイル793p,793yに各々電流を流
す事で、ピッチ,ヨ−保持枠792p,792yは各々
ピッチ,ヨ−軸回りに回転駆動される。
【0087】又、ピッチ,ヨ−保持枠792p,792
yの腕796p,796yには各々変位検出受光素子7
97p,797yが取付けられており、これらは固定さ
れた赤外発光素子798p,798yから孔799p,
799yを通して照射される絞られた光線により、各々
ピッチ軸81p’、ヨ−軸81y’回りの回転検出を行
う。この変位検出受光素子797p,797yとピッ
チ,ヨ−コイル793p,793yの間にも公知の位置
制御が行われており、これについてはスライド式の補正
光学手段で述べた為、説明は省く。
【0088】以上の様な構成において、ピッチ保持枠7
92pがピッチ軸回りに回転し、平面ガラス790pが
ピッチ軸81p’回りに傾くと、屈折率の高い液体78
9内を通る光線は矢印81pの方向に偏心させられ、
又、ヨ−保持枠792yがヨ−軸回りに回転し、平面ガ
ラス790yがヨ−軸81y’回りに傾くと、光線は矢
印81yの方向に偏心させられる。そして、前述した様
にこの様な可変頂角プリズムより成る補正光学手段の最
大の特徴は、光軸方向の該補正光学手段の前後がどの様
な光学系であっても光軸の偏心が可能な事であり、例え
ばどの様なレンズの前面に取付けても光軸の補正が可能
な事である。
【0089】しかし、このような可変頂角プリズムにお
いても重力が加わると、液体789はその方向に集まる
ため、平面ガラス790p,790yは平行でなく、
“ハの字”になってしまう。そして、これを平行に保持
する(位置制御の為、電源オンで自動的に平行になる)
為にはコイル793p,793yに電流を流す為、消費
電流が大きく、又省電力化の為には前述したスライド式
の補正光学手段と同様な方法で可能であるが、当然同様
な防振精度の劣化が生じてしまう。
【0090】 本発明の目的は上記の点に鑑み、振れ
の状況が変化したとしても、精度良く像ぶれ補正を行う
ことのできる像ぶれ補正装置を提供することである。
【0091】
【0092】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに、本発明は、装置の振れ状態を検出する振れ検出手
段の出力に応じて、像ぶれ補正手段を動作させて像ぶれ
を補正する像ぶれ補正装置であって、前記像ぶれ補正手
段に入力される前記振れ検出手段の出力の周波数特性を
変化させる可変手段と、前記振れ検出手段の出力の所定
周波数成分を抽出する信号抽出手段と、前記信号抽出手
段により抽出される信号を所定の基準信号と比較する比
較手段とを有し、前記可変手段は、前記信号抽出手段に
より抽出される信号が前記所定の基準信号より大きいと
きには、前記所定周波数成分の振れ信号について位相ず
れが小さくなるように前記像ぶれ補正手段に入力される
前記振れ検出手段の出力の周波数特性を変化させる像ぶ
れ補正装置とするものである。
【0093】
【0094】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0095】 図1は本発明の第1の実施例を示すブロ
ック図であり、振動検出手段11の出力が補正光学手段
12に入力されて防振を行う点は従来例で述べた防振シ
ステムと同様であるが、その間にアナログスイッチであ
る切換手段14と公知のロ−パスフィルタ,フェイズシ
フタ等で構成される位相調整手段13が接続されてい
る。さらに、振動検出手段11の出力の2Hz付近の帯
域を通過させる帯域通過手段15(バンドパスフィル
タ)、RMSDCコンバ−タ等の整流手段16、及び整
流手段16の出力と基準信号発生手段17よりの基準信
号とを比較し、整流手段16の出力が基準信号より大き
い時は前記振動検出手段11の出力が位相調整手段13
を介して補正光学手段12に伝達させるように前記切換
手段14を制御する比較手段18を備えている。
【0096】図1において、手振れを殆ど生じない撮影
者が本装置を用いた場合は、振動検出手段11の2Hz
付近の振れ量はさほど大きくない為に帯域通過手段15
の出力振幅は小さく、故に整流手段16の出力よりも基
準信号発生手段17よりの基準信号の方が大きく、比較
手段18は振動検出手段11の出力を直接補正光学手段
に接続する如き状態に切換手段14を制御する。
【0097】この時は利得734G,位相734Pは図
2で示す様な特性となり、未だ2Hz近辺の位相ズレψ
71は残っているが、元々この付近の振れ量は小さい
為、誤差は小さい。又、高周波の振れ(5Hz〜)に対
しては位相ズレが小さく、精度良く防振され、像振れの
極めて少ない写真を得る事が出来る。
【0098】又、手振れを生じやすい撮影者が本装置を
用いた場合は、整流手段16の出力が基準信号より大き
くなり、よって比較手段18は振動検出手段11の出力
を位相調整手段13を介して補正光学手段12に接続す
る如き状態に切換手段14を制御する。
【0099】上記の位相調整手段13として、「20H
z」に析点のある1次のロ−パスフィルタを入れた場合
は、図2で示す利得19G,位相19Pの如き特性とな
り、2Hz近辺の位相ズレψ11はゼロになり、振れ量
の多いこの帯域は精度良く防振出来る。この時、高周波
の振れに対しては位相はかなりズレて来るが、手振れ量
の特性として高周波は低周波に比べてかなり小さい為、
大幅な防振劣化は生じない。その為、振れの大きい低周
波のみ防振し、高周波の精度が低くとも、利得734
G、位相734pの低周波は位相がズレて防振精度劣
化、高周波は精度が良いという場合に比べれば、全体と
しての防振精度は高い。
【0100】つまり、手振れを殆ど生じない撮影者に対
しては、全帯域にわたって精度の高い防振効果が得ら
れ、又手振れを生じやすい撮影者に対しても、さほど防
振精度の劣化は無い防振装置を実現出来る。
【0101】 図3は本発明の第2の実施例を示すブロ
ック図であり、図1と異なるのは手振れの大きな周波数
の位相ズレを少なくする様に構成されており、図1の様
に特定周波数(2Hz)の位相ズレだけを少なくするも
のではない。
【0102】図3において、振動検出手段11の出力は
3つの帯域通過手段15a,15b,15cへ入力され
る。帯域通過手段15aはこの出力中の「0.5Hz」
の振れを通過させ、帯域通過手段15bは「1Hz」の
振れを通過させ、帯域通過手段15cは「2Hz」の振
れを通過させるものであり、各々の出力は整流手段16
a,16b,16cを経てA/D変換器21a,21
b,21cでアナログ・ディジタル変換されてマイクロ
コンピュ−タ22に入力される。マイクロコンピュ−タ
22内では、各々の出力の中で最も大きな出力が比較手
段23で選ばれ、更にその出力と基準値が比較される。
そして、その出力が基準値より大きい場合、その出力の
周波数の位相ズレ(例えば1Hzの振れ量が最も大きい
時は1Hzの位相ズレ)がゼロになる様に位相調整手段
13の時定数が時定数変更手段24により設定される。
【0103】上記位相調整手段13は、図4に示す様
に、抵抗25,26,27とコンデンサ210とバッフ
ァ用のオペアンプ211で構成されており、例えば
「0.5Hz」の位相をゼロにする時はスイッチ28,
29が時定数変更手段24により開放され、抵抗27と
コンデンサ210で決る時定数の1次ロ−パスフィルタ
となる。又、「1Hz」の位相ズレをゼロにする時はス
イッチ29が閉じられ、抵抗26,27とコンデンザ2
10で決る時定数の、更に「2Hz」の位相ズレをゼロ
にする場合はスイッチ28,29が閉じられ、抵抗2
5,26,27とコンデンザ210で決る時定数の、1
次ロ−パスフィルタとなる。そして、振動検出手段11
の出力はこの位相調整手段13を経て補正光学手段12
に入力される。よって、位相ズレの少ない防振精度の高
い防振装置となる。
【0104】又、帯域通過手段15a,15b,15c
の出力の中で最も大きな出力が基準値より小さい場合
は、切換手段14により振動検出手段11の出力は補正
光学手段12に直接伝達される。
【0105】図5は以上のフロ−を説明した図であり、
振動検出手段11からA/D変換器21a,21b,2
1c迄の振れ量検出(A0.5 ,A1,A2)がステップ
213により行われ、比較手段23での比較動作がステ
ップ214〜219により行われ、時定数変更手段2
4、位相調整手段13での時定数設定がステップ220
〜222により行われる。
【0106】更に詳述すると、各々の周波数(0.5H
z,1Hz,2Hz)の中で最も大きな手振れ量を示す
周波数がステップ214〜216にて判別され、この周
波数と基準値A0との大小判別がステップ217〜21
9により行われ、この周波数が基準値A0より大きい時
は、ステップ220〜222により所定の時定数が設定
される。そして、時定数設定後はステップ213へ戻
り、再び同様の動作を繰り返す。また、前記ステップ2
17〜219にて基準値A0より小さいと判別された場
合は、ステップ213へ戻る。
【0107】以上の様な構成にすれば、手振れの大きな
周波数の位相ズレが少なくなる為、防振精度を更に高め
る事が出来る。
【0108】 図6は本発明の第3の実施例を示すブロ
ック図であり、この実施例は、レンズ鏡筒に入力される
手振れ量に応じて振動検出手段11の時定数(該振動検
出手段が角変位検出装置であった場合は、そのバネ力、
角加速度計であった場合は、積分器の時定数)を変更し
ようとするものである。
【0109】図6において、図1と異なるのは、比較手
段18の出力が切換手段14を制御するのではなく、振
動検出手段11の時定数変更手段31を制御している点
であり、手振れ量が大きく、整流手段16の出力が基準
信号発生手段17よりの基準信号よりも大きい時は、比
較手段18よりの出力によって時定数変更手段31が制
御され、振動検出手段11の時定数が大きい値に設定さ
れる。
【0110】 図7は図6の構成における特性を示す図
であり、時定数変更前の特性(利得734G,位相73
4P)に比べ、時定数変更後の特性(破線の利得32
G,位相32P)は析点が低い点に移動し、2Hzの位
相ズレはψ71からψ31に減少している。
【0111】その為、位相ズレによる防振精度の劣化が
少なくなる。又、低周波手振れを生じることの少ない人
の場合には時定数の変更がなされず、従来と同様に利得
734G,位相734Pで示す特性となるが、元々の手
振れ量が少ない為、位相ズレψ71による防振精度の劣
化は極僅かである。
【0112】図8は、振動検出手段11として角変位検
出装置を用いた場合における時定数変更を実現するため
の回路構成を示すものであり、これは、前記図17の回
路における抵抗718が可変抵抗41になった点のみが
異なる。
【0113】上記の構成において、比較手段18の出力
により可変抵抗41の抵抗値が可変、つまり抵抗718
よりも大きい抵抗値に可変される。その為、可変抵抗4
1と抵抗719で分割される電圧が小さくなり、巻線コ
イル77へ流れる電流量が少なくなる。即ち、角変位検
出装置のバネ力が弱くなり、図7に示した利得32G,
位相32pの様な特性になる。
【0114】 ところで、バネ力が弱くなると、前述し
た様に外乱(例えばカメラを持直す等の大振り)で浮体
73が大きく変位し、ストッパに当った後、中心付近に
復帰する迄の時間が長くなってしまう。その為、はじめ
(防振システムオン時)からバネ力を弱くしておくと、
防振が効き始める迄(振動検出手段11が手振れ検出出
力を始める迄)に長時間を必要としてしまう。ところ
が、この構成例の様に、バネ力をある程度強くして手振
れ検出を開始し、その出力の大きさで時定数を変更して
ゆくと、早期から防振が行え、且つ手振れを生じる撮影
者でも防振精度を劣化させる事はない。
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】 (発明と実施例の対応) 図示実施例に
おいて、振動検出手段11が本発明の振れ検出手段に、
補正光学手段12が本発明の像ぶれ補正手段に、帯域通
過手段15が本発明の信号抽出手段に、比較手段18が
本発明の比較手段に、位相調整手段13及び切換手段1
4、又は時定数変更手段31が本発明の可変手段に、そ
れぞれ相当する。
【0127】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、振れの状況が変化したとしても、精度良く像ぶれ補
正を行うことのできる像ぶれ補正装置を提供できるもの
である。
【0128】
【0129】
【0130】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】 図1の防振装置の特性について説明するため
の図である。
【図3】 本発明の第2の実施例を示すブロック図であ
る。
【図4】 図3の位置調整手段の具体的な構成を示す回
路図である。
【図5】 図3の防振装置の動作を示すフロ−チャ−ト
である。
【図6】 本発明の第3の実施例を示すブロック図であ
る。
【図7】 図6の防振装置における特性について説明す
るための図である。
【図8】 図6の振動検出手段に角変位検出装置を用い
た場合における時定数変更を実現するための回路図であ
る。
【図13】 従来の装置における振動検出手段としての
角変位検出装置及びその主要部分の回路ブロックを示す
構成図である。
【図14】 図13のA−A断面図である。
【図15】 図13の角変位検出装置の斜視図である。
【図16】 図13のB−B断面図である。
【図17】 図13の各回路の具体的な構成を示す回路
図である。
【図18】 図13の角変位検出装置の特性を示す図で
ある。
【図19】 図13の角変位検出装置の防振劣化につい
て説明するための図である。
【図20】 従来の装置における振動検出手段としての
角加速度計の構造を示す分解斜視図である。
【図21】 図20の角加速度計の角加速度検出回路を
示すブロック図である。
【図22】 図21の各回路の具体的な構成を示す回路
図である。
【図23】 図20の角加速度計の特性について説明す
るための図である。
【図24】 従来の装置におけるスライド式の第1の補
正光学手段及びその駆動手段を示す構成図である。
【図25】 図24の各回路の具体的な構成を示す回路
図である。
【図26】 図24の補正光学機構の特性について説明
するための図である。
【図27】 従来の装置におけるスライド式の第2の補
正光学手段及びその駆動手段を示す構成図である。
【図28】 図27の補正光学機構の特性について説明
するための図である。
【図29】 従来の装置における可変頂プリズムによる
補正光学手段の構成を示す斜視図である。
【図30】 防振検出手段として角変位検出装置を用い
て成る従来のカメラの防振装置を示す斜視図である。
【図31】 防振検出手段として角加速度計を用いて成
る従来のカメラの防振装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 振動検出手段 12 補正光学手段 13 位相調整手段 14 切換手段 15,15a,15b,15c 帯域通過手段 16,16a,16b,16c 整流手段 17 基準信号発生手段 22 マイクロコンピュータ 23 比較手段 24 時定数変更手段 31 時定数変更手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置の振れ状態を検出する振れ検出手段
    の出力に応じて、像ぶれ補正手段を動作させて像ぶれを
    補正する像ぶれ補正装置であって、前記像ぶれ補正手段
    に入力される前記振れ検出手段の出力の周波数特性を変
    化させる可変手段と、前記振れ検出手段の出力の所定周
    波数成分を抽出する信号抽出手段と、前記信号抽出手段
    により抽出される信号を所定の基準信号と比較する比較
    手段とを有し、前記可変手段は、前記信号抽出手段によ
    り抽出される信号が前記所定の基準信号より大きいとき
    には、前記所定周波数成分の振れ信号について位相ずれ
    が小さくなるように前記像ぶれ補正手段に入力される前
    記振れ検出手段の出力の周波数特性を変化させることを
    特徴とする像ぶれ補正装置。
JP14933291A 1991-05-27 1991-05-27 像ぶれ補正装置 Expired - Fee Related JP3225055B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14933291A JP3225055B2 (ja) 1991-05-27 1991-05-27 像ぶれ補正装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14933291A JP3225055B2 (ja) 1991-05-27 1991-05-27 像ぶれ補正装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04349432A JPH04349432A (ja) 1992-12-03
JP3225055B2 true JP3225055B2 (ja) 2001-11-05

Family

ID=15472796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14933291A Expired - Fee Related JP3225055B2 (ja) 1991-05-27 1991-05-27 像ぶれ補正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3225055B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3144037B2 (ja) * 1992-04-09 2001-03-07 株式会社ニコン 手振れ表示装置
JP4732148B2 (ja) * 2005-11-24 2011-07-27 キヤノン株式会社 光学機器および撮像システム
JP5529552B2 (ja) * 2010-01-12 2014-06-25 キヤノン株式会社 防振制御装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04349432A (ja) 1992-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6208377B1 (en) Image-shake correcting device for detecting vibration frequency and for changing vibration characteristics
US5978600A (en) Motion compensation device to compensate for motion of an optical system without using motion sensors
US6233009B1 (en) Image-shake correcting device for detecting vibration frequency and for changing vibration characteristics
EP2304496B1 (en) Image stabilization control apparatus and imaging apparatus
US5940630A (en) System having antivibration faculty
JP3229899B2 (ja) 像ぶれ補正装置
US6163651A (en) Control apparatus for image blur prevention
JP3225055B2 (ja) 像ぶれ補正装置
JP3192462B2 (ja) 防振機能付カメラ
JPH04340938A (ja) 画像振れ防止装置
JPH0798470A (ja) 防振機能付カメラ
JPH0667255A (ja) 防振カメラ
JPH0667246A (ja) 防振カメラ用補正光学機構
JP3170522B2 (ja) 像ぶれ補正装置
JPH0618954A (ja) カメラ用防振装置
JPH0337616A (ja) 防振カメラ
JPH04349431A (ja) 防振機能付カメラ
JP3215708B2 (ja) カメラ
JP2925658B2 (ja) 像ぶれ防止装置
JP2754872B2 (ja) 像ぶれ防止装置
JPH08152661A (ja) 防振装置
JP2000250086A (ja) 振れ補正装置
JPH01300221A (ja) 光学機器の防振装置
JPH04301822A (ja) 防振機能付カメラ
JPH0566446A (ja) 防振機能付カメラ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070824

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080824

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080824

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090824

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090824

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees