JP3224307B2 - 中空糸膜の製造方法 - Google Patents

中空糸膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浸透法、限外濾過法、
透析法等による液体の分離および混合気体の分離等の流
体分離に有用なセルローストリアセテートからなる中空
糸膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、浸透法、限外濾過法、透析法等に
よる液体の分離および混合気体の分離等の流体分離に利
用される中空糸膜に要求される性質として、物質の透過
速度が大きいこと並びに物質の選択透過性が高いことが
要求されている。特に、限外濾過法、透析法に利用され
る中空糸膜に要求される性質としては、透水速度が大き
く、かつ分子量分画特性が優れていることが要求されて
いる。
【0003】透水速度が大きく、かつ分子量分画特性に
優れた中空糸膜を製造する方法として、例えば、セルロ
ースエステル類、セルロースエステル類の有機溶剤およ
び膨潤剤としてのポリエチレングリコール類からなる紡
糸原液(ドープ)を紡糸口金から吐出し、凝固させて中
空糸膜を製造する方法が提案されている(特開昭54―
88881号公報)。しかしながら、特開昭54―88
881号公報に記載されている方法では、膨潤剤として
用いるポリエチレングリコール類におけるオキシエチレ
ン基数(n=1〜30)のnの値の大きさを変えること
によって溶質分離し得る溶質の分子量の大きさを制御し
ているにすぎず、この方法では、透水速度を大きくする
ことはできても、同時に分子量分画特性を向上させるこ
とは困難である。更に、分子量分画特性を向上させるた
めには、膜に均一な孔を形成させることが不可欠であ
り、そのために、好適な相分離状態を容易に実現できる
セルロースエステル類、溶剤、膨潤剤からなるドープを
用いなければならず、この点から膨潤剤を厳密に選択し
なければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術に鑑み、透水速度が大きく、かつ分子量分画特性
に優れた中空糸膜の製造方法を提供しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意検討した結果、N―メチルピロリドンと
1,4―ブタンジオールの混合割合が8:1から5:3
(重量比)である混合液90〜75重量%にセルロース
トリアセテート10〜25重量%を均一溶解した紡糸原
液を、二重管構造を有する紡糸ノズルの外管スリットよ
り押出すとともに、該紡糸ノズルの内管より芯剤として
紡糸原液と非相溶な液体を同時に押出し、この吐出物を
気体雰囲気中を走行させた後、凝固浴中にて凝固させる
ことによって上記課題を解決し得ることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、セルローストリアセ
テートをN―メチルピロリドンと1,4―ブタンジオー
ルとを重量比にして8:1〜5:3で配合した混合液に
セルローストリアセテート濃度10〜25重量%となる
ように均一溶解した紡糸原液を、二重管構造を有する紡
糸ノズルの外管スリットより押出すと同時に、該紡糸ノ
ズルの内管より芯剤として紡糸原液と非相溶な液体を押
出し、この吐出物を気体雰囲気中を走行させた後、凝固
浴中に導入して凝固させることによって中空糸膜を製造
方法する方法である。
【0007】本発明方法では、原料としてセルロースト
リアセテートが用いられる。セルローストリアセテート
は中空糸膜成形用の素材として従来から用いられている
ものであり、本発明方法でも同様のものを用いることが
できる。
【0008】本発明方法においては、このセルロースト
リアセテートをN―メチルピロリドンと1,4―ブタン
ジオールとの特定割合の混合液に均一溶解して紡糸原液
となし、これを、二重管構造を有する紡糸ノズル(口
金)の環状外管スリットより押出すとともに該紡糸ノズ
ルの内管より芯剤として紡糸原液と非相溶な液体を押出
すことが重要である。
【0009】紡糸原液を調製する際、セルロースアセテ
ートを溶解する系として、N―メチルピロリドンおよび
膨潤剤として1,4―ブタンジオールを混合した系以外
のものを用いた場合は、本発明が目的とする、中空糸膜
を得ることは困難である。例えば、1,4―ブタンジオ
ールの代わりに例えばポリエチレングリコールまたはポ
リエチレングリコール誘導体を用いた場合には、透水速
度が大きくかつ分子量分画特性に優れた中空糸膜を得る
ことは難しい。
【0010】また、透水速度が大きく、かつ分子量分画
特性が優れた中空糸膜を製造するには、N―メチルピロ
リドンと1,4―ブタンジオールとの配合割合が重要で
あって、両者の重量比を8:1から5:3にすることが
必要であり、7:1から2:1が好適である。N―メチ
ルピロリドンの割合が1,4―ブタンジオールに対して
8:1をこえると透水速度が低下し、一方、5:3未満
では紡糸原液の均一溶解が困難となり、その結果、紡糸
性が悪化し、均質な中空糸膜を製造することが困難とな
る。
【0011】更に、紡糸原液中のセルローストリアセテ
ート濃度(含有量)は、10〜25重量%にすることが
必要であり、なかでも15〜23重量%が好ましい。セ
ルローストリアセテート濃度が25重量%をこえると、
透水速度の大きい中空糸膜を得るのは困難となり、一
方、10重量%未満では、紡糸が不安定となるため、均
質な中空糸膜を得ることは困難となり、また、中空糸の
強度が低下し、糸リークが発生しやすくなるので好まし
くない。
【0012】したがって、本発明方法では、紡糸原液
は、N―メチルピロリドンと1,4―ブタンジオールと
の所定割合の混合液90〜75重量%とセルローストリ
アセテート10〜25重量%とを混合して均一な溶液と
することにより調製されることが必要である。
【0013】なお、本発明方法では、上記1,4―ブタ
ンジオールの一部を他の膨潤剤(相分離剤)に置き換え
ることも可能である。
【0014】本発明方法において、紡糸時における紡糸
原液の粘度が100〜2000ポイズ、特に300〜1
000ポイズとなるように紡糸原液の温度を制御するの
が好ましい。粘度が100ポイズ未満では、均一内径を
持つ中空糸を得ることが難しく、一方、2000ポイズ
をこえると、曳糸性が悪くなるため、均質でしかも膜厚
の薄い中空糸膜を得ることが困難となる。
【0015】本発明方法においては、芯液として紡糸原
液と非相溶性もしくは難相溶性液体を用いることが好ま
しく、例えば、イソプロピルミリステート、オレイン
酸、流動パラフィン等が好ましく、特に流動パラフィン
が好ましい。芯液として、ポリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール誘導体等の水溶性液体を使用して
も紡糸は可能であるが、中空糸の真円性が損なわれた
り、中空糸内面の平滑性が損なわれるため、好ましくな
い。
【0016】本発明方法では、上記の如き紡糸原液およ
び芯剤を二重管構造の紡糸ノズル(口金)を用い、外側
の環状スリットから紡糸原液を、中心部の内管から芯剤
を同時に吐出して、シース・コア構造の糸状物となし、
これを気体雰囲気中を走行させた後、凝固浴中に導入す
る。かかる紡糸方法は半乾半湿式として知られている
が、本発明方法で吐出後気体雰囲気中を走行させる距離
は紡糸速度によって異なり、紡糸速度30〜50m/分
の場合で1〜50cmが適当である。また、凝固浴とし
ては水または有機溶媒水溶液が好ましいが、吐出物を凝
固させ得るものであれば、任意に選定できる。
【0017】凝固浴中で溶剤および1,4―ブタンジオ
ールは溶出し、中空糸として凝固し、本発明で目的とす
る中空糸膜が形成される。
【0018】上述の凝固浴温度は10〜50℃とするこ
とが好適であり、凝固浴温度が10℃未満では、透水速
度が大きい中空糸膜を得るのが困難であり、一方、凝固
浴温度が50℃をこえると、透水速度は大きいものの、
分子量分画特性は低下し、透水速度が大きく、かつ分子
量分画特性の優れた中空糸膜を得ることができない。
【0019】凝固浴を出た中空糸は、更に必要に応じ、
水洗、乾燥、グリセリン処理および芯剤の洗浄等が施さ
れる。
【0020】
【発明の効果】以上の如き本発明方法によれば、透水速
度が大きく、分子量分画特性に優れた、良好な中空糸膜
を容易に製造することができ、得られる中空糸膜は、浸
透法、限外濾過法、透析法等の液体の濾過・分離は勿
論、混合気体の分離にも有効に利用することができる。
【0021】
【実施例】以下に比較例をまじえ、実施例により本発明
方法の実施の態様を具体的に説明する。なお、ここで言
う分子量70000のデキストラン透過率SCは、以下
の式で定義されたものである。
【0022】SC=C2 ÷C11 は、原液中の分子量70000のデキストラン濃度
を表し、C2 は、透過液中の分子量70000のデキス
トラン濃度を表す。
【0023】また、ここで言う膜内面の自乗平均粗さ
(Rms)は、原子間力顕微鏡(セイコー電子SPI―
3600、SFA―300AFMユニット)を用いて、
スキャンレンジ5μm、スキャンフォース5nmの条件
にて内面形状を測定し、得られた値である。
【0024】
【実施例1】セルローストリアセテートを20重量部、
N―メチルピロリドン(NMP)を56重量部、1,4
―ブタンジオール24重量部を混合溶解し、これを紡糸
原液とし、二重管構造の紡糸ノズル(環状オリフィスノ
ズル)を用いて紡糸を行った。すなわち、該ノズルの外
管部より110℃の紡糸原液を供給し、一方、芯剤とし
て流動パラフィンを内管部より吐出した。環状オリフィ
スを出た中空状の紡糸原液を15cm空気中に走行さ
せ、その後、45℃に保った10重量%NMP水溶液の
凝固浴中に1.1秒間導き、凝固させ、その後、水洗浴
で水洗し、40m/分の速度で巻き取った。
【0025】得られたセルローストリアセテート中空糸
膜の断面形状は真円であり、内径189μm、膜厚17
μmで形状のバラツキはほとんどなかった。また、得ら
れたセルローストリアセテート中空糸膜の限外濾過率U
FRは、346ml/hr・mmHg・1.5m2 、分
子量10000のデキストラン透過率DAは、49ml
/min.・1.5m2 と大きく、分子量70000の
デキストラン透過率SCは0.06と極めて小さい中空
糸膜であった。また、中空糸膜内面の自乗平均粗さ(R
ms)は11nmと小さかった。かくして、透水速度が
大きく、分子量分画特性に優れたセルローストリアセテ
ート中空糸膜が得られた。
【0026】
【比較例1】セルローストリアセテートを20重量部、
N―メチルピロリドン(NMP)を56重量部、トリエ
チレングリコール24重量部を混合溶解し、これを紡糸
原液とし、二重管構造の紡糸ノズルを用いて紡糸を行っ
た。すなわち、外管部より100℃の紡糸原液を供給
し、一方、芯剤として流動パラフィンを内管部より吐出
した。環状オリフィスを出た中空状の紡糸原液を15c
m空気中に走行させ、その後、35℃に保った10重量
%NMP水溶液の凝固浴中に1.1秒間導き、凝固さ
せ、その後、水洗浴で水洗し、40m/分の速度で巻き
取った。
【0027】得られたセルローストリアセテート中空糸
膜の限外濾過率UFRは、263ml/hr・mmHg
・1.5m2 、分子量10000のデキストラン透過率
DAは、49ml/min.・1.5m2 と大きいもの
の、分子量70000のデキストラン透過率SCは0.
04と大きかった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−151614(JP,A) 特開 昭61−254201(JP,A) 特開 昭60−197204(JP,A) 特開 昭60−58210(JP,A) 特開 平5−64730(JP,A) 特開 平2−135131(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/16 B01D 69/08 D01F 1/08 D01F 2/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルローストリアセテートを、N―メチ
    ルピロリドンと1,4―ブタンジオールとを重量比にし
    て8:1〜5:3で配合した混合液にセルローストリア
    セテート濃度が10〜25重量%となるように均一溶解
    した紡糸原液を、二重管構造を有する紡糸ノズルの外管
    スリットより押出すと同時に、該紡糸ノズルの内管より
    芯剤として紡糸原液と非相溶な液体を押出し、この糸状
    吐出物を気体雰囲気中を走行させた後、凝固浴中に導入
    して凝固させることを特徴とするセルローストリアセテ
    ートからなる中空糸膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 芯剤として流動パラフィンを用いること
    を特徴とする請求項1に記載の中空糸膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 紡糸時に紡糸原液をその粘度が100〜
    2000ポイズとなる温度に加熱して押出すことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の中空糸膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 凝固浴の温度を10〜50℃とする請求
    項1、請求項2または請求項3に記載の中空糸膜の製造
    方法。
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