JP3222833U - ポリエステル糸及びこれを用いた織編物、並びに、これを用いたユニフォーム - Google Patents

ポリエステル糸及びこれを用いた織編物、並びに、これを用いたユニフォーム Download PDF

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Abstract

【課題】色数の限られた原液着色繊維を使用して豊富なカラーバリエーションを表現でき、且つ、耐熱性と耐昇華性に優れて工業洗濯による色移りの少ないユニフォームを生産することのできるポリエステル糸及びこれを用いた織編物、並びに、これを用いたユニフォームを提供する。【解決手段】原糸又は原綿の状態における昇華堅牢度性能がJIS L 0805(汚染用グレースケール)を用いた判定において、4−5級以上と評価される原液着色繊維11〜13のみからなり、この原液着色繊維11〜13を1色又は複数色組み合わせて使用し、所定の色相・彩度・明度を有するように構成してポリエステル糸10を製造する。また、これらのポリエステル糸10を製織又は製編して織編物を製造する。更に、これらの織編物を縫製してユニフォームを製造する。【選択図】図1

Description

本考案は、ポリエステル糸及びこれを用いた織編物、並びに、これを用いたユニフォームに関するものである。特に、厳しい工業洗濯において汚染堅牢度の良好なユニフォームを構成することのできるポリエステル糸及びこれを用いた織編物に関するものである。
作業着やユニフォームなどの洗濯は、一括して洗濯業者による工業洗濯で対応することが多い。特に、強力な汚れや特殊な汚れを落とすためには、厳しい条件による洗濯が必要である。
また、最近の傾向として作業着やユニフォームにもファッショナブルなものが多くなっている。この傾向は、事務用のユニフォームだけでなく、医療関係者や介護関係者のユニフォーム(以下、これらを纏めて「医療用ユニフォーム」という)などにも広がっている。特に、医療用ユニフォームでは、従来の白物だけではなく同形で色違いのカラーバリエーションの豊富なユニフォームや、袖・襟・胴などの部位で異なる色を組み合わせたユニフォームなどが使用され多岐に亘ることが多い。
ファッショナブルでカラーバリエーションの豊富なユニフォームには、ポリエステル繊維の織編物が一般的に使用されている。ポリエステル繊維の織編物は、物性に優れると共に鮮やかな色に染色することができ、活動的でファッショナブルなユニフォームに適している。しかし、物性に優れたポリエステル繊維の織編物を使用した場合でも、厳しい工業洗濯においては洗濯による色移りの問題が生じることがある。一般に、色移りは、濃色のユニフォームと白色又は淡色のユニフォームを同浴中で洗濯した場合に生じやすい。
そこで、工業洗濯においては、色別・濃度別などに仕分けしてから洗濯することが通常作業として行われている。しかし、医療用ユニフォームにおいては、治療・手術・介護などの際に付着した特殊な汚れ、又は、何らかの病原因子による汚染も考慮しなければならず、衛生上の理由から工業洗濯現場における仕分け作業にはリスクが伴うとされている。
そこで、医療用ユニフォームの工業洗濯は、専門の洗濯業者が医療機関又は介護施設から配送された医療用ユニフォームを仕分けすることなく洗濯機に投入して洗濯することが普通に行われている。その場合には、洗濯浴中に様々な色のユニフォームや濃度が大きく異なるユニフォームが混在することとなり、また工業洗濯の厳しい条件によって洗濯による色移りの問題が頻繁に生じている。
一般に、ポリエステル繊維は、織編物にした後に染色される。また、カラーバリエーションが豊富で生産ロットの小さな医療用ユニフォームにおいては、ユニフォームに縫製した後に染色が行われる場合もある。織編物での染色又は縫製品での染色には、分散染料などが使用されるが、工業洗濯による色移りを考慮して耐熱性と耐昇華性に優れた染料を揃えるには一定の限界があり、医療用ユニフォームの豊富なカラーバリエーションをカバーすることが難しい。
そこで、染色されたポリエステル繊維よりも耐熱性と耐昇華性に優れたポリエステル繊維として、原液着色繊維(以下「原着繊維」ともいう)がある。この原着繊維は、ポリエステル繊維の場合には溶融ポリマーに顔料などの色材を加えて着色してから紡糸した繊維である。使用する顔料には、耐熱性と耐昇華性に優れたものが使用されるので染色堅牢度に優れている。この原着繊維を医療用ユニフォームに利用すれば、厳しい工業洗濯による色移りを防止できる可能性が考えられる。
しかし、原着繊維は、生産時の紡糸装置の色の切り替えに当たってロスが多く、実際には大きなロットで生産しなければならない。従って、カラーバリエーションが豊富で生産ロットの小さな医療用ユニフォームに対応して、多くの色をカバーできる原着繊維を準備することができないという問題があった。
そこで、本考案は、以上のようなことに対処して、色数の限られた原着繊維を使用して豊富なカラーバリエーションを表現でき、且つ、耐熱性と耐昇華性に優れて工業洗濯による色移りの少ないユニフォームを生産することのできるポリエステル糸及びこれを用いた織編物、並びに、これを用いたユニフォームを提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本考案者らは、鋭意研究の結果、色数の限られた原着繊維の中から特に耐熱性と耐昇華性に優れた原糸(加工していない長繊維)又は原綿(紡績する前の短繊維)を選定し、これらの原糸又は原綿をそのまま、或いは所定の割合で組み合わせることにより、上記目的を達成できることを見出し本考案の完成に至った。
即ち、本考案に係るポリエステル糸は、請求項1の記載によると、
織編物に使用するポリエステル糸であって、
原糸又は原綿の状態における昇華堅牢度性能がJIS L 0805(汚染用グレースケール)を用いた判定において、4−5級以上と評価される原液着色繊維のみからなり、
前記原液着色繊維を1色又は複数色組み合わせて使用し、所定の色相・彩度・明度を有するように構成してなることを特徴とする。
また、本考案は、請求項2の記載によると、請求項1に記載のポリエステル糸であって、
前記昇華堅牢度性能は、JIS L 0854(昇華に対する染色堅ろう度試験方法)に規定する汗試験機を使用し、前記原糸又は原綿にポリエステル白布を添付して約12.5kPaの圧力を加えた状態で、180℃±2℃の乾熱中で10分間の昇華試験を行うことを特徴とする。
また、本考案は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載のポリエステル糸であって、
前記原糸又は原綿の単糸繊度は、2.222dtex以下であることを特徴とする。
また、本考案に係る織編物は、請求項4の記載によると、
請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリエステル糸を製織又は製編してなることを特徴とする。
また、本考案に係るユニフォームは、請求項5の記載によると、
請求項4に記載の織編物を縫製してなることを特徴とする。
上記構成によれば、本考案に係るポリエステル糸は、原糸又は原綿の状態における昇華堅牢度性能がJIS L 0805(汚染用グレースケール)を用いた判定において、4−5級以上と評価される原液着色繊維(原着繊維)のみからなる。この原液着色繊維を1色又は複数色組み合わせて使用し、所定の色相・彩度・明度を有するように構成する。
このことにより、色数の限られた原着繊維を使用しても豊富なカラーバリエーションを表現することができる。また、使用する原着繊維の昇華堅牢度が4−5級以上あることにより、耐熱性と耐昇華性に優れて工業洗濯による色移りの少ないユニフォームを生産することのできるポリエステル糸を提供することができる。
また、上記構成によれば、昇華堅牢度性能は、JIS L 0854(昇華に対する染色堅ろう度試験方法)に規定する汗試験機を使用し、原糸又は原綿にポリエステル白布を添付して約12.5kPaの圧力を加えた状態で、180℃±2℃の乾熱中で10分間の昇華試験を行うことにより確認する。このことにより、上記効果をより具体的に発揮することができる。
また、上記構成によれば、原糸又は原綿の単糸繊度は、2.222dtex以下であってもよい。このことにより、細くて柔軟なポリエステル糸を製造することができるので、活動的でありファッショナブルでカラーバリエーションの豊富なユニフォームを提供することができる。
また、上記構成によれば、本考案に係る織編物は、上述のポリエステル糸を製織又は製編してなる。このことにより、上記効果をより具体的に発揮することができる。
また、上記構成によれば、本考案に係るユニフォームは、上述の織編物を縫製してなる。このことにより、工業洗濯の際の仕分け作業が不要となって洗濯作業が軽減されると共に、作業者への感染リスクが低減される。
本考案に係るポリエステル糸の一実施形態の正面図(A)及び部分拡大図(B)を示す図である。 図1のポリエステル糸の断面図(C)を示す図である。
以下、本考案に係るポリエステル糸及びこれを用いた織編物、並びに、これを用いたユニフォームを実施形態により説明する。なお、本考案は、下記の実施形態にのみ限定されるものではない。
本実施形態に係るポリエステル糸は、織編物に使用するものである。このポリエステル糸を構成するポリエステル繊維は、長繊維であっても短繊維であってもよい。ポリエステル繊維が長繊維の場合には、マルチフィラメント糸を構成する。ポリエステル繊維が短繊維の場合には、紡績糸を構成する。また、ポリエステル繊維に使用するポリマー(ポリエステル樹脂)の種類については、特に限定するものではなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、その他の樹脂であってもよい。
ポリエステル糸を構成する原糸(長繊維の場合)又は原綿(短繊維の場合)の単糸繊度は、特に限定するものではないが、活動的でファッショナブルなデザインのユニフォームを構成するためには、ある程度細い繊維が好ましい。例えば、2.222dtex(デシテックス)以下の単糸繊度であることが好ましく、更に、1.6665dtex以下の単糸繊度であることがより好ましい。
また、本実施形態に係るポリエステル糸は、原液着色繊維(原着繊維)のみからなる。原着繊維は、上述のように、溶融ポリマーに顔料などの色材を加えて着色してから紡糸した繊維である。すなわち、本考案において使用するポリエステル繊維は、紡糸後に染色されたものではなく、製織後又は製編後に染色されたものではなく、また、縫製後に染色されたものではない。
原着繊維に使用する顔料は、耐熱性と耐昇華性に優れたものを超微粒子にして用いる。本考案者らは、各種の顔料について、単糸繊度と物性を考慮しながら顔料の粒径とポリマーへの添加量などを種々検討し、本考案に使用できる着色されたポリエステル繊維を選定した。
本考案に使用する原着繊維の選定は、昇華堅牢度性能で評価した。本考案者らは、医療用ユニフォームの工業洗濯の際に色移りを起こさないポリエステル糸の条件として、以下に示す昇華堅牢度試験法を見出した。
まず、原糸又は原綿の状態で昇華堅牢度試験を行う。昇華堅牢度試験には、JIS L 0854(昇華に対する染色堅ろう度試験方法)に規定する汗試験機を使用する。この試験機に所定量の原糸又は原綿にポリエステル白布を添付した複合試験片をステンレス鋼板に挟み、約12.5kPaの圧力を加えた状態で固定する。この状態の試験機を複合試験片が垂直方向に保持される状態で、180℃±2℃の乾燥機中に入れ、10分間乾熱処理する。乾燥処理後、直ちに複合試験片を取り出し、原糸又は原綿とポリエステル白布とを分けて広げ、放冷する。
昇華試験の評価は、原糸又は原綿に添付したポリエステル白布への汚染の度合いで評価する。具体的には、JIS L 0805(汚染用グレースケール)を用いて汚染度を判定する。本考案においては、汚染度が4−5級以上のものを合格と評価する。なお、原糸又は原綿についても、昇華試験における変退色の度合いを評価するようにしてもよい。本考案者らは、この昇華試験法と評価基準が実際の医療用ユニフォームの工業洗濯による色移りと良好な相関関係にあることを見出した。
次に、このようにして選定したポリエステル繊維の原糸又は原綿を使用して本考案に係るポリエステル糸を製造する。ポリエステル繊維が長繊維の場合には、選定した原糸の1色又は複数色を合撚により組み合わせて所定の色相・彩度・明度を有するポリエステル長繊維糸を構成する。また、ポリエステル繊維が短繊維の場合には、選定した原綿の1色又は複数色を混合紡糸(以下「混紡」という)により組み合わせて所定の色相・彩度・明度を有するポリエステル短繊維糸を構成する。
合撚及び混紡の方法については、特に限定するものではなく、ポリエステル繊維で通常に行われる方法で行うようにすればよい。なお、原糸又は原綿を組み合わせて製造するポリエステル糸の太さ(繊度又は番手)は、特に限定するものではなく、最終製品であるユニフォームの企画に合わせて構成すればよい。また、ポリエステル糸を製造する際に、ポリウレタン糸などの伸縮糸を複合してストレッチ糸としてもよい。
ここで、本実施形態に係るポリエステル糸の一実施形態を図面により説明する。図1は、本考案に係るポリエステル糸の一実施形態の正面図(A)及び部分拡大図(B)である。図1のポリエステル糸10は、3色のポリエステル短繊維11、12、13を所定の配合比率で混紡したポリエステル混紡糸である。正面図(A)においては、1色に染色された糸と同様に均一色と認識できる。一方、部分拡大図(B)においては、3色のポリエステル短繊維11、12、13がそれぞれ混紡されていることが分かる。
また、図2は、ポリエステル糸10の断面図(C)である。断面図(C)においても、3色のポリエステル短繊維11、12、13がそれぞれ混紡されていることが分かる。このように3色の繊維が均一に混紡されていることから、ポリエステル糸10は、1色に染色された糸と同様に均一色と認識できる。
次に、このようにして製造したポリエステル糸を製織又は製編して本考案に係る織編物を製造する。なお、製織する織物の織組織又は製編する編物の編組織は、特に限定するものではなく、最終製品であるユニフォームの企画に合わせて構成すればよい。更に、このようにして製造した織編物を縫製してユニフォームを製造する。なお、製造するユニフォームのデザインなどは、特に限定するものではない。
次に、本実施形態に係るポリエステル繊維の選定、並びに、選定したポリエステル繊維を使用したポリエステル糸及びこれを用いた織編物を実施例により説明する。なお、本考案は、下記の実施例にのみ限定するものではない。
本実施例においては、ポリエステル短繊維の原綿を使用して、ポリエステル原着繊維の評価と選定、ポリエステル糸の製造、及び、ポリエステル織物の製造と評価について説明する。
<ポリエステル原着繊維の評価と選定>
本実施例においては、色の異なる単糸繊度1.56dtexのポリエステル原着繊維を紡糸した。次に、これらのポリエステル原着繊維を上述の昇華試験法と評価基準により評価した。13種類のポリエステル原着繊維と評価結果を表1に示す。なお、各原着繊維の色相・彩度・明度をL表色系の各値で表1に示す。
表1において、13種類のポリエステル原着繊維の原綿の昇華試験の結果は、原綿No.10、12、13の3種類を除き、他の原綿は全て汚染性能が4−5級以上と高い評価結果であった。一方、変退色性能は、13種類の全ての原綿で4−5級と高い評価結果であった。このことより、本実施例においては、原綿No.1〜9及び11の10種類の原綿を選定した。
<ポリエステル糸の製造>
次に、本実施例においては、選定した10種類の原綿を使用し、これらを混紡した3種類のポリエステル混紡糸を製造した。また、比較例として、選定しなかった原綿を混紡した2種類のポリエステル混紡糸を製造した。なお、各原綿の繊維長は38mm、混紡糸の番手は28番手であり、紡績は空気精紡機で行った。各混紡糸の混合比率は、製造しようとするポリエステル糸が求める色に合わせて組み合わせた。
表2の配合比率で混紡した各紡績糸は、数種類の異色原綿が混合されたことが分からず、目的とする色に染色された糸と同様に均一色として評価できた。
<ポリエステル織物の製造と評価>
次に、製造した5種類の混紡糸を使用して、それぞれ織物を製造した。なお、各織物の織組織はポプリンとし、織密度は経糸115本/インチ、緯糸65本/インチとした。次に、これら5種類の織物(実施例3種類、比較例2種類)について、原綿と同様の昇華試験法と評価基準により評価した。
また、5種類の織物について、医療用ユニフォームに対して行われている代表的な工業洗濯法による洗濯堅牢度試験を行った。まず、各織物から10cm×20cmの試料を採取し、同じ大きさのポリエステル白布と短辺どうしを縫い合わせて複合試験片とした。洗濯試験機には、小型回転ポッド式染色試験機(ミニカラー;株式会社テクサム技研製)を使用し、浴比1:8、回転数45回/分、80℃で40分間洗濯処理した。洗濯処理後の複合試験片を十分に水洗し、脱水して自然乾燥した後、試料の変退色とポリエステル白布の汚染を昇華試験と同様にして評価した。なお、使用した工業洗濯の処方は、代表的な2種類を採用した。洗濯試験Iは、漂白剤を併用しない洗濯法であり、洗濯試験IIは、漂白剤(次亜塩素酸ソーダ)を併用した洗濯法とした。各洗濯法の洗濯浴処方を表3に示す。
5種類の織物(実施例3種類、比較例2種類)について、昇華試験の評価結果、及び、2種類の洗濯試験の評価結果を表4に示す。
表4において、実施例の織物No.1〜3は、昇華試験の変退色・汚染の評価が良好であり、このことから洗濯試験Iの変退色・汚染、洗濯試験IIの変退色・汚染のいずれの評価においても汚染(色移り)のない良好な結果を得た。これに対して、比較例の織物No.4及び5は、昇華試験の汚染において、3級又は2−3級との評価であり、これを反映して洗濯試験I及びIIの汚染評価において、汚染(色移り)が認められた。
なお、本実施例においては、ユニフォームの縫製までは行っていない。しかし、上記の織物による洗濯堅牢度の評価結果から、当該織物を使用してユニフォームを製造した場合でも、医療用ユニフォームの工業洗濯において色移りの心配がないことが明らかである。
よって、本考案によれば、色数の限られた原着繊維を使用して豊富なカラーバリエーションを表現でき、且つ、耐熱性と耐昇華性に優れて工業洗濯による色移りの少ないユニフォームを生産することのできるポリエステル糸及びこれを用いた織編物、並びに、これを用いたユニフォームを提供することができる。
なお、本考案の実施にあたり、上記実施形態及び実施例に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記実施例においては、13種類の原綿の中から昇華試験の結果が良好な10種類の原綿を選定した。しかし、これらに限定するものではなく、昇華試験の結果が良好な原綿を更に追加すればよい。そのことにより、更に豊富なカラーバリエーションのポリエステル糸及びこれを用いた織編物、並びに、これを用いたユニフォームを提供することができる。
(2)上記実施例においては、ポリエステル短繊維を使用した紡績糸を製造した。しかし、これに限定するものではなく、ポリエステル長繊維を使用してポリエステル長繊維糸を製造するようにしてもよい。
(3)上記実施例においては、ポリエステル糸を使用した織物を製造した。しかし、これに限定するものではなく、ポリエステル糸を使用した編物を製造するようにしてもよい。
10…ポリエステル糸、11、12、13…それぞれ色の異なるポリエステル繊維。

Claims (5)

  1. 織編物に使用するポリエステル糸であって、
    原糸又は原綿の状態における昇華堅牢度性能がJIS L 0805(汚染用グレースケール)を用いた判定において、4−5級以上と評価される原液着色繊維のみからなり、
    前記原液着色繊維を1色又は複数色組み合わせて使用し、所定の色相・彩度・明度を有するように構成してなることを特徴とするポリエステル糸。
  2. 前記昇華堅牢度性能は、JIS L 0854(昇華に対する染色堅ろう度試験方法)に規定する汗試験機を使用し、前記原糸又は原綿にポリエステル白布を添付して約12.5kPaの圧力を加えた状態で、180℃±2℃の乾熱中で10分間の昇華試験を行うことを特徴とする請求項1に記載のポリエステル糸。
  3. 前記原糸又は原綿の単糸繊度は、2.222dtex以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル糸。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリエステル糸を製織又は製編してなることを特徴とする織編物。
  5. 請求項4に記載の織編物を縫製してなることを特徴とするユニフォーム。
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