JP3220474U - 裏当金用取付け治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】角パイプ端部のテーパー面の内側に裏当金を重ねて固定する際に、極めて容易に仮止めすることができる裏当金用取付け治具を提供する。
【解決手段】一対の腕部2を備え略コ字状を成した本体1を形成する。一方の腕部2の先端部に締付ねじ体3を設ける。他方の腕部2の先端部に支持台2Aを形成する。ネジ部3Aの先端位置を、支持台2Aの位置より内側を締め付ける位置に設置する。支持台2Aの位置を、テーパー面P1よりも奥の内側面に当接する位置に設置する。支持台2Aの厚みを、裏当金Tの厚みに一致するように形成する。裏当金Tの各種厚みに適合する本体1を選択使用する。
【選択図】 図2
【解決手段】一対の腕部2を備え略コ字状を成した本体1を形成する。一方の腕部2の先端部に締付ねじ体3を設ける。他方の腕部2の先端部に支持台2Aを形成する。ネジ部3Aの先端位置を、支持台2Aの位置より内側を締め付ける位置に設置する。支持台2Aの位置を、テーパー面P1よりも奥の内側面に当接する位置に設置する。支持台2Aの厚みを、裏当金Tの厚みに一致するように形成する。裏当金Tの各種厚みに適合する本体1を選択使用する。
【選択図】 図2
Description
本考案は鉄骨構造物のコラム等に裏当金を仮止めする際に使用する裏当金用取付け治具に関する。
建設現場では、鉄骨構造物の柱材に使用するコラムと称する角パイプが用いられている。このコラムで柱を構成する際に、コラムとコラムとを溶接する場合や、同じく角パイプ材から成る連結部材を梁用の継手として使用し、この連結部材を介してコラムを溶接する場合がある。
コラムとして使用する角パイプには、開口端部の外周部にテーパー面が全周にわたって形成されている。そして、例えば上下のコラムを溶接する場合、先ず、上部のコラムの下端部内側に帯板鋼板の裏当金をリング状に組み付け、この裏当金が少し下端部から突出するように仮止めした状態で仮溶接する。そして、下部のコラムの上端部に上部のコラムを載置し、コラムの端部と裏当金部分とを溶接して上下のコラムを固定する作業になる。
一方、角パイプ状の連結部材を介してコラムを溶接する場合、予め連結部材の上下端部にダイヤフラムを溶接しておく。このダイヤフラムを連結部材に溶接するには、コラムとコラムとの溶接と同様に、連結部材の角パイプの上下端部に裏当金を仮止めして仮溶接した後、角パイプの端部とダイヤフラムとを溶接する。
このように、コラムや連結部材として使用する角パイプの内側に組み付ける裏当金は、角パイプの端部から僅かに突出させる必要がある。そのため、この裏当金が突出する長さを正確にすることが可能な溶接用裏当て治具が特許文献1に記載されている。
この治具によると、裏当金の外周面に突起を設け、この突起が角パイプの開口端部に当接することで、裏当金が突出する長さを正確にするというものである。
ところが、特許文献1に記載の治具では、裏当金の突出長さを正確にすることは可能でも配置した裏当金を角パイプの内側に仮止めすることはできない治具であった。
そこで、この裏当金を角パイプの内側に仮止めする従来の手段として、例えばシャコ万力などの工具が利用されている。
ところが、シャコ万力を利用して裏当金を角パイプの内側に仮止めするには極めて多くの作業が必要になっていた。すなわち、図3に示す如く、シャコ万力10を使用して裏当金Tを仮止めしようとすると、ネジ部11の先端と裏当金Tを支持する支持部12とが一直線状になっていることから、全周にわたって形成されているテーパー面P1にネジ部11の先端が突き当たる不都合が生じる。
この結果、シャコ万力等の工具を利用して裏当金を仮止めする作業は、このような不具合を解消するために、各工場でそれぞれ工夫しながら行う作業になっており、裏当金の仮止め作業に極めて多くの手間を要しているのが実情である。
そこで本考案は、上述の課題を解消すべく案出されたもので、角パイプの端部外面に形成されたテーパー面の内側に裏当金を重ねて仮止めする際に、極めて容易な作業で仮止めすることができる裏当金用取付け治具の提供を目的とするものである。
上述の目的を達成すべく本考案における第1の手段は、対向する一対の腕部2を備え略コ字状を成した本体1と、本体1の一方の腕部2の先端部に設けられ他方の腕部2方向に締め付けるネジ部3Aを有する締付ねじ体3と、本体の他方の腕部2の先端部から本体1内方向に突出する厚みを有する支持台2Aとを備え、
コラムとして使用する角パイプPのテーパー面P1の位置の内側に裏当金Tを重ねて仮止めする裏当金用取付け治具であって、
一方の腕部2の締付ねじ体3の位置は、対向する他方の腕部2先端の支持台2Aの位置より腕部2の奥の位置に当接するように設置され、
他方の腕部2の支持台2Aの位置は、本体1内に挿入される角パイプPのテーパー面P1の位置よりも奥の角パイプP内側面に当接する位置に設置され、
支持台2Aの厚みと裏当金Tの厚みとが一致するように構成し、
厚みの異なる裏当金Tに適応した支持台2Aを有する本体1を使用することにある。
コラムとして使用する角パイプPのテーパー面P1の位置の内側に裏当金Tを重ねて仮止めする裏当金用取付け治具であって、
一方の腕部2の締付ねじ体3の位置は、対向する他方の腕部2先端の支持台2Aの位置より腕部2の奥の位置に当接するように設置され、
他方の腕部2の支持台2Aの位置は、本体1内に挿入される角パイプPのテーパー面P1の位置よりも奥の角パイプP内側面に当接する位置に設置され、
支持台2Aの厚みと裏当金Tの厚みとが一致するように構成し、
厚みの異なる裏当金Tに適応した支持台2Aを有する本体1を使用することにある。
第2の手段の前記締付ねじ体3は、一方の前記腕部2の先端部にネジ止めされる前記ネジ部3Aと、前記ネジ部3Aから延長された棒状のハンドル部3Bとで構成され、該ハンドル部3Bは前記ネジ部3Aの反対方向に向けて湾曲状に反るように形成されている。
第3の手段の前記ネジ部3Aは、ねじのピッチを標準ボルトの2倍としたねじ山を有するものである。
請求項1のごとく、一方の腕部2の締付ねじ体3の位置は、対向する他方の腕部2先端の支持台2Aの位置より腕部2の奥の位置に当接するように設置され、他方の腕部2の支持台2Aの位置は、本体1内に挿入される角パイプPのテーパー面P1の位置よりも奥の角パイプP内側面に当接する位置に設置され、支持台2Aの厚みと裏当金Tの厚みとが一致するように構成しているので、従来のシャコ万力等では仮止めが困難であったテーパー面P1付近の裏当金Tを、極めて容易に仮止めできるようになった。
しかも、厚みの異なる裏当金Tに適応した支持台2Aを有する本体1を使用することで、従来の万力のように、部材に合わせて調整する作業等は一切必要なくなり、各種厚みの裏当金Tに応じて極めて合理的な作業を行うことができる。
請求項2の締付ねじ体3は、ハンドル部3Bがネジ部3Aの反対方向に向けて湾曲状に反っているので、持ち易く、回し易い形状のハンドル部3Bになっている。
請求項3のごとく、ネジ部3Aは、ねじのピッチを標準ボルトの2倍としたねじ山を有するので、半分の回転数で締結でき、ネジ部3Aの締付速度が速くなる。
このように本考案によると、コラムとして使用する角パイプのテーパー面の内側に配置する裏当金を極めて容易に仮止めすることができるといった当初の目的を達成した。
以下、本考案の実施例を説明する。本考案は、コラムとして使用する角パイプPのテーパー面P1の内側に裏当金Tを重ねて仮止めする取付け治具である。
本考案の構成は、略コ字状を成した本体1と締付ねじ体3とを備え、全体が万力形状を成している(図1参照)。
本体1は、対向する一対の腕部2を備えた部材で、一方の腕部2の先端部に締付ねじ体3を設け、他方の腕部2の先端に支持台2Aを設けている(図2参照)。
この支持台2Aは、本体1の内方向、すなわち本体1内部に挿入した角パイプP方向に突出する厚みを有するもので、裏当金Tの厚みと同じ厚みに形成している(図2参照)。更に、この支持台2Aの位置は、角パイプPのテーパー面P1の位置よりも奥の内側面に当接する位置に設置される。
一方、締付ねじ体3は一方の腕部2の先端部に設けられ、他方の腕部2方向に締め付けるネジ部3Aを有する部材である(図2参照)。このネジ部3Aの先端は、対向する他方の腕部2先端の支持台2Aの位置より腕部2の奥の位置に当接する位置に設置されている。
図示例では、ネジ部3Aとハンドル部3Bとで締付ねじ体3を構成している(図1参照)。ネジ部3Aは、一方の腕部2の先端部に形成した雌ネジ部2Bにネジ止めされている(図2参照)。このネジ部3Aは、特に、ねじのピッチを標準ボルトの2倍に設定することで、締付ねじ体3の回転操作の速度を速めている。
また、ハンドル部3Bは、ネジ部3Aから延長された棒状の部位で、このハンドル部3Bはネジ部3Aの反対方向に向けて湾曲状に反るように形成されている。このようなハンドル部3Bによると、締付ねじ体3を操作する手に馴染み易くなり、回転操作を楽にすることができる。
そして、裏当金Tの各種厚みに適合する支持台2Aを備えた本体1を複数種類形成し、使用する裏当金Tの厚みに応じた本体1を選択使用するように構成している。すなわち、工場や作業現場で使用する裏当金Tの厚みに適合する本体1を準備しておくだけで、常に合理的な仮止めをすることができる。
尚、本考案の構成は、図示例に限定されるものではなく、本体1や腕部2、締付ねじ体3等の構成は、本考案の主旨を変更しない範囲での設計変更や形状、設置位置等は任意に行えるものである。
P 角パイプ
P1 テーパー面
T 裏当金
1 本体
2 腕部
2A 支持台
2B 雌ネジ部
3 締付ねじ体
3A ネジ部
3B ハンドル部
10 シャコ万力
11 ネジ部
12 支持部
P1 テーパー面
T 裏当金
1 本体
2 腕部
2A 支持台
2B 雌ネジ部
3 締付ねじ体
3A ネジ部
3B ハンドル部
10 シャコ万力
11 ネジ部
12 支持部
Claims (3)
- 対向する一対の腕部を備え略コ字状を成した本体と、本体の一方の腕部の先端部に設けられ他方の腕部方向に締め付けるネジ部を有する締付ねじ体と、本体の他方の腕部の先端部から本体内方向に突出する厚みを有する支持台とを備え、コラムとして使用する角パイプのテーパー面の位置の内側に裏当金を重ねて仮止めする裏当金用取付け治具であって、
一方の腕部の締付ねじ体の位置は、対向する他方の腕部先端の支持台の位置より腕部の奥の位置に当接するように設置され、
他方の腕部の支持台の位置は、本体内に挿入される角パイプのテーパー面の位置よりも奥の角パイプ内側面に当接する位置に設置され、
支持台の厚みと裏当金の厚みとが一致するように構成し、
厚みの異なる裏当金に適応した支持台を有する本体を使用することを特徴とする裏当金用取付け治具。 - 前記締付ねじ体は、一方の前記腕部の先端部にネジ止めされる前記ネジ部と、前記ネジ部から延長された棒状のハンドル部とで構成され、該ハンドル部は前記ネジ部の反対方向に向けて湾曲状に反るように形成された請求項1記載の裏当金用取付け治具。
- 前記ネジ部は、ねじのピッチを標準ボルトの2倍としたねじ山を有する請求項1又は2記載の裏当金用取付け治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018005080U JP3220474U (ja) | 2018-12-27 | 2018-12-27 | 裏当金用取付け治具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018005080U JP3220474U (ja) | 2018-12-27 | 2018-12-27 | 裏当金用取付け治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3220474U true JP3220474U (ja) | 2019-03-07 |
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Family Applications (1)
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JP2018005080U Active JP3220474U (ja) | 2018-12-27 | 2018-12-27 | 裏当金用取付け治具 |
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JP (1) | JP3220474U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115289324A (zh) * | 2022-06-16 | 2022-11-04 | 江苏核电有限公司 | 一种杆式仪表固定装置及方法 |
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2018
- 2018-12-27 JP JP2018005080U patent/JP3220474U/ja active Active
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CN115289324A (zh) * | 2022-06-16 | 2022-11-04 | 江苏核电有限公司 | 一种杆式仪表固定装置及方法 |
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