JP3219594B2 - 高温酸化防止用遮熱コーティング方法 - Google Patents
高温酸化防止用遮熱コーティング方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温ガスと接する金属部
材に適用される遮熱コーティング方法に関し、ブロワ、
回収タービンの製作、特にガスタービンの高温化、高効
率と対応可能な動、静翼の製作に有利に適用しうる同方
法に関する。
材に適用される遮熱コーティング方法に関し、ブロワ、
回収タービンの製作、特にガスタービンの高温化、高効
率と対応可能な動、静翼の製作に有利に適用しうる同方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインドサイクルプラントに代表さ
れる高効率化された最近の産業用ガスタービンのタービ
ン入口ガス温度の上昇は著しく1300℃以上となって
いる。このような高温ガスに曝露される動、静翼に使用
される耐熱合金は精力的に研究開発が行われ、その許容
使用温度も年々上昇しているが、実用合金では850〜
900℃程度である。このため実機ガスタービンでは薄
肉化した内部冷却翼が用いられている。一方、使用され
る燃料はLNG、副生ガスや重油および最近では石炭を
液化又はガス化して利用することも研究されており、空
気冷却翼の高温酸化や高温腐食防止を目的として低圧プ
ラズマ溶射(VPS)法によりMCrAlY(M:Ni
及び/又はCo)の耐食合金のコーティングを施したの
ち、ZrO2 −Y2 O3を大気溶射でコーティングし、
この遮熱効果を利用して基材合金の温度を低下させ、結
果としてガス温度の高温化に対処している。
れる高効率化された最近の産業用ガスタービンのタービ
ン入口ガス温度の上昇は著しく1300℃以上となって
いる。このような高温ガスに曝露される動、静翼に使用
される耐熱合金は精力的に研究開発が行われ、その許容
使用温度も年々上昇しているが、実用合金では850〜
900℃程度である。このため実機ガスタービンでは薄
肉化した内部冷却翼が用いられている。一方、使用され
る燃料はLNG、副生ガスや重油および最近では石炭を
液化又はガス化して利用することも研究されており、空
気冷却翼の高温酸化や高温腐食防止を目的として低圧プ
ラズマ溶射(VPS)法によりMCrAlY(M:Ni
及び/又はCo)の耐食合金のコーティングを施したの
ち、ZrO2 −Y2 O3を大気溶射でコーティングし、
この遮熱効果を利用して基材合金の温度を低下させ、結
果としてガス温度の高温化に対処している。
【0003】そのように処理された遮熱コーティングの
従来例を図5に示す。図5において、1は金属部材、2
はMCrAlY(M:Ni及び/又はCo)中間層(低
圧プラズマ溶射層)、3はZrO2 −Y2 O3 セラミッ
ク層(大気プラズマ溶射層)を示す。
従来例を図5に示す。図5において、1は金属部材、2
はMCrAlY(M:Ni及び/又はCo)中間層(低
圧プラズマ溶射層)、3はZrO2 −Y2 O3 セラミッ
ク層(大気プラズマ溶射層)を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ガスタービン入口温度
の高温化に対応するため、ZrO2 −Y2 O3 の遮熱コ
ーティングを利用されていることは前記のとおりである
が、このZrO2 −Y2O3 層は大気溶射で形成される
ため、燃焼ガス等が透過し、中間層のMCrAlY
(M:Ni及び/又はCo)コーティング層まで到達す
る。このため、高温条件で長時間使用すると、その中間
層表面で高温酸化又は高温腐食を生じ、これによって高
温化と対応するためのZrO2 −Y2 O3 層を剥離させ
る欠点がある。本発明は上記技術水準に鑑み、ZrO2
−Y2 O3 層の剥離が防止される高温酸化防止用遮熱コ
ーティングを施こす方法を提供しようとするものであ
る。
の高温化に対応するため、ZrO2 −Y2 O3 の遮熱コ
ーティングを利用されていることは前記のとおりである
が、このZrO2 −Y2O3 層は大気溶射で形成される
ため、燃焼ガス等が透過し、中間層のMCrAlY
(M:Ni及び/又はCo)コーティング層まで到達す
る。このため、高温条件で長時間使用すると、その中間
層表面で高温酸化又は高温腐食を生じ、これによって高
温化と対応するためのZrO2 −Y2 O3 層を剥離させ
る欠点がある。本発明は上記技術水準に鑑み、ZrO2
−Y2 O3 層の剥離が防止される高温酸化防止用遮熱コ
ーティングを施こす方法を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は (1)高温ガスと接する金属部材に適用される遮熱コー
ティング方法において、金属部材上に低圧プラズマ溶射
法にてMCrAlY(M:Ni及び/又はCo)をコー
ティングした後、ZrO2 −Y2 O3 を大気プラズマ溶
射し、さらに無機質のゆう薬とZrO 2 −Y 2 O 3 を混
合した混合物をハケ塗り後焼成又は直接溶射することを
特徴とする高温酸化防止用遮熱コーティング方法、 (2)無機質のゆう薬とZrO2 −Y2 O3 の混合物の
混合比を2種以上に変えて順次ハケ塗り後焼成又は直接
溶射することを特徴とする上記(1)記載の高温酸化防
止用遮熱コーティング方法、である。
ティング方法において、金属部材上に低圧プラズマ溶射
法にてMCrAlY(M:Ni及び/又はCo)をコー
ティングした後、ZrO2 −Y2 O3 を大気プラズマ溶
射し、さらに無機質のゆう薬とZrO 2 −Y 2 O 3 を混
合した混合物をハケ塗り後焼成又は直接溶射することを
特徴とする高温酸化防止用遮熱コーティング方法、 (2)無機質のゆう薬とZrO2 −Y2 O3 の混合物の
混合比を2種以上に変えて順次ハケ塗り後焼成又は直接
溶射することを特徴とする上記(1)記載の高温酸化防
止用遮熱コーティング方法、である。
【0006】MCrAlY(M:Ni及び/又はCo)
を低圧プラズマ溶射法により適用するのは、通常の遮熱
コーティングと同様に酸化物の巻き込みを少なくし、緻
密な皮膜が得られるようにするためである。一般的にそ
の皮膜厚さが50μm未満では施工対象の金属部材及び
後工程で適用されるZrO2 −Y2 O3 層との熱膨張率
を緩和する中間層としての機能が不足し、また200μ
mを越えるとその効果は飽和するので、一般的にその皮
膜の厚さは50〜200μmである。
を低圧プラズマ溶射法により適用するのは、通常の遮熱
コーティングと同様に酸化物の巻き込みを少なくし、緻
密な皮膜が得られるようにするためである。一般的にそ
の皮膜厚さが50μm未満では施工対象の金属部材及び
後工程で適用されるZrO2 −Y2 O3 層との熱膨張率
を緩和する中間層としての機能が不足し、また200μ
mを越えるとその効果は飽和するので、一般的にその皮
膜の厚さは50〜200μmである。
【0007】ZrO2 −Y2 O3 は一般的にZrO2 に
加えるY2 O3 量は4〜12wt%のものが使用され、
ZrO2 −Y2 O3 は大気プラズマ溶射法で適用され
る。大気プラズマ溶射法に特定した理由は、低圧プラズ
マ溶射法に比しポロシティー(空孔)が多くなり、遮熱
効果が大となり、かつ熱膨張も緩和されるからである。
このZrO2 −Y2 O3 の皮膜の厚さは遮熱効果を確保
するためと、剥離の難易性を考慮して一般的には100
〜300μm程度に施される。
加えるY2 O3 量は4〜12wt%のものが使用され、
ZrO2 −Y2 O3 は大気プラズマ溶射法で適用され
る。大気プラズマ溶射法に特定した理由は、低圧プラズ
マ溶射法に比しポロシティー(空孔)が多くなり、遮熱
効果が大となり、かつ熱膨張も緩和されるからである。
このZrO2 −Y2 O3 の皮膜の厚さは遮熱効果を確保
するためと、剥離の難易性を考慮して一般的には100
〜300μm程度に施される。
【0008】無機質のゆう薬としてはNa2 O−BaO
−SiO2 系ゆう薬、CaO−BaO−Al2 O3 −S
iO2 系ゆう薬など焼成又は溶射時のみ完全に溶融し、
皮膜を形成した後、ガスタービン運転中のガス温度では
溶融飛散しない融点をもつものが一般的に使用される。
また、これらゆう薬にZrO2 −Y2 O3 を混合して使
用する。ここで、ゆう薬:ZrO2 −Y2 O3 =10〜
20:90〜80(wt%)の割合で使用するのが一般
的である。ゆう薬とZrO2 −Y2 O3 の混合物はハケ
塗り後焼成するか直接溶射することによって適用され
る。その皮膜の厚さはガス侵入防止効果の下限値と先に
適用したZrO2 −Y2 O3 への影響(熱伝導率、熱膨
張率)を考慮して一般的には10〜70μm程度に施こ
される。また、ゆう薬とZrO2 −Y2 O3 の混合物を
ZrO2 −Y2 O3 皮膜上に適用するに当って、上記混
合割合の範囲で、混合比を2種以上に、変えて適用して
もよい。この場合、ZrO2 −Y2 O3 皮膜に接する側
のものゝ混合物中のZrO2 −Y2 O3 の量を上記範囲
内で多いものを適用するのがよい。
−SiO2 系ゆう薬、CaO−BaO−Al2 O3 −S
iO2 系ゆう薬など焼成又は溶射時のみ完全に溶融し、
皮膜を形成した後、ガスタービン運転中のガス温度では
溶融飛散しない融点をもつものが一般的に使用される。
また、これらゆう薬にZrO2 −Y2 O3 を混合して使
用する。ここで、ゆう薬:ZrO2 −Y2 O3 =10〜
20:90〜80(wt%)の割合で使用するのが一般
的である。ゆう薬とZrO2 −Y2 O3 の混合物はハケ
塗り後焼成するか直接溶射することによって適用され
る。その皮膜の厚さはガス侵入防止効果の下限値と先に
適用したZrO2 −Y2 O3 への影響(熱伝導率、熱膨
張率)を考慮して一般的には10〜70μm程度に施こ
される。また、ゆう薬とZrO2 −Y2 O3 の混合物を
ZrO2 −Y2 O3 皮膜上に適用するに当って、上記混
合割合の範囲で、混合比を2種以上に、変えて適用して
もよい。この場合、ZrO2 −Y2 O3 皮膜に接する側
のものゝ混合物中のZrO2 −Y2 O3 の量を上記範囲
内で多いものを適用するのがよい。
【0009】
【作用】ZrO2 −Y2 O3 コーティング層上にハケ塗
り後焼成又は直接溶射されるゆう薬とZrO2 −Y2 O
3 の混合物は焼成又は溶射中に一部又は全てが溶融し、
先に適用されたZrO2 −Y2 O3 コーティング層上で
気密性の高い皮膜を形成して、燃焼ガス等腐食性成分の
侵入を防止する。また、ゆう薬の一部はZrO2−Y2
O3 コーティング層中へ侵入し、ゆう薬とZrO2 −Y
2 O3 コーティング層の密着性を確保するとともに気密
性をより一層向上させる。ゆう薬は無機混合物であり、
熱伝導率が低いため遮熱効果も向上する。また、ZrO
2 −Y2 O3 コーティング層上に形成されるゆう薬とZ
rO2 −Y2 O3の混合物溶射膜は混合比を変化させる
ことができるので、ZrO2 −Y2 O3 コーティング層
との熱膨張率の差を小さくすることが可能である。
り後焼成又は直接溶射されるゆう薬とZrO2 −Y2 O
3 の混合物は焼成又は溶射中に一部又は全てが溶融し、
先に適用されたZrO2 −Y2 O3 コーティング層上で
気密性の高い皮膜を形成して、燃焼ガス等腐食性成分の
侵入を防止する。また、ゆう薬の一部はZrO2−Y2
O3 コーティング層中へ侵入し、ゆう薬とZrO2 −Y
2 O3 コーティング層の密着性を確保するとともに気密
性をより一層向上させる。ゆう薬は無機混合物であり、
熱伝導率が低いため遮熱効果も向上する。また、ZrO
2 −Y2 O3 コーティング層上に形成されるゆう薬とZ
rO2 −Y2 O3の混合物溶射膜は混合比を変化させる
ことができるので、ZrO2 −Y2 O3 コーティング層
との熱膨張率の差を小さくすることが可能である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例をあげ、本発
明の効果明らかにする。 (参考例1) 図1によって、本発明の一参考例を説明する。図1にお
いて、1は金属部材、2はNiCrAlY中間層、3は
ZrO2 −Y2 O3 セラミック層、4はゆう薬層を示
す。代表的なガスタービン静翼材のCo基超合金ECY
768(重量%で、Cr:23.5%、Ni:9.86
%、Ti:0.22%、W:7.18%、Ta:3.7
5%、C:0.61%、Al:0.21%、Zr:0.
01%、B:0.001%、Fe:0.06%、Si:
<0.10%、Mn:<0.10%、S:0.001
%、Co:残部)を金属部材1として、NiCrAlY
(Ni−25Cr−6Al−0.5Y:数値は重量%を
示す)を中間層2として膜厚:100μm程度を目標に
低圧プラズマ溶射を行い、引き続きZrO2 −8%Y2
O3 (%は重量%)セラミック層3として大気プラズマ
にて膜厚:250μmを目標に溶射した。次に2.5%
Na2 O−7.0%BaO−75%SiO2 (%は重量
%)系ゆう薬を膜厚:20μmにハケ塗りし、空気雰囲
気中1000℃で焼成してゆう薬層4とした。
明の効果明らかにする。 (参考例1) 図1によって、本発明の一参考例を説明する。図1にお
いて、1は金属部材、2はNiCrAlY中間層、3は
ZrO2 −Y2 O3 セラミック層、4はゆう薬層を示
す。代表的なガスタービン静翼材のCo基超合金ECY
768(重量%で、Cr:23.5%、Ni:9.86
%、Ti:0.22%、W:7.18%、Ta:3.7
5%、C:0.61%、Al:0.21%、Zr:0.
01%、B:0.001%、Fe:0.06%、Si:
<0.10%、Mn:<0.10%、S:0.001
%、Co:残部)を金属部材1として、NiCrAlY
(Ni−25Cr−6Al−0.5Y:数値は重量%を
示す)を中間層2として膜厚:100μm程度を目標に
低圧プラズマ溶射を行い、引き続きZrO2 −8%Y2
O3 (%は重量%)セラミック層3として大気プラズマ
にて膜厚:250μmを目標に溶射した。次に2.5%
Na2 O−7.0%BaO−75%SiO2 (%は重量
%)系ゆう薬を膜厚:20μmにハケ塗りし、空気雰囲
気中1000℃で焼成してゆう薬層4とした。
【0011】この参考例で施工された遮熱コーティング
材と従来法によるゆう薬のない遮熱コーティング材とを
900℃の空気中で1000時間高温酸化試験を行った
ところ、従来材のZrO2 −Y2 O3 層と接するNiC
rAlY中間層上に8〜10μm程度の酸化皮膜が形成
されていたのに対し、この参考例1では1〜3μmの酸
化皮膜が形成されていたに過ぎず、中間層の酸化抑制効
果があることが確認された。中間層の酸化皮膜厚さが1
5〜20μmに達すると、ZrO2 −Y2 O3層が剥離
するトラブルが度々出現するが、この参考例1による酸
化皮膜の成長速度を著しく低減できるため、ZrO2 −
Y2 O3 皮膜を剥離させるに至る時間を大幅に延長させ
る効果が奏されることが判る。
材と従来法によるゆう薬のない遮熱コーティング材とを
900℃の空気中で1000時間高温酸化試験を行った
ところ、従来材のZrO2 −Y2 O3 層と接するNiC
rAlY中間層上に8〜10μm程度の酸化皮膜が形成
されていたのに対し、この参考例1では1〜3μmの酸
化皮膜が形成されていたに過ぎず、中間層の酸化抑制効
果があることが確認された。中間層の酸化皮膜厚さが1
5〜20μmに達すると、ZrO2 −Y2 O3層が剥離
するトラブルが度々出現するが、この参考例1による酸
化皮膜の成長速度を著しく低減できるため、ZrO2 −
Y2 O3 皮膜を剥離させるに至る時間を大幅に延長させ
る効果が奏されることが判る。
【0012】(参考例2) 図2により、本発明の他の参考例を説明する。図2にお
いて、1は金属部材、2はCoNiCrAlY中間層、
3はZrO2 −Y2 O3 セラミック層、4はゆう薬層を
示す。代表的なガスタービン動翼材のNi基超合金IN
738LC(重量%で、Co:8.30%、Cr:1
5.9%、Ti:1.75%、W:2.54%、Ta:
1.73%、C:0.09%、Al:3.42%、Z
r:0.03%、B:0.008%、Fe:0.10
%、Si:<0.05%、Mn:<0.05%、S:<
0.005%、Ni:残部)を金属部材1として、Co
NiCrAlY(Co−20Ni−25Cr−8Al−
0.5Y:数値は重量%を示す)を中間層2として膜
厚:100μm程度を目標に低圧プラズマ溶射後、Zr
O2 −8%Y2 O3 をセラミック層3として大気プラズ
マ溶射にて膜厚:250μmを目標に溶射した。次に1
0%CaO−5%BaO−15%Al2 O3 −65%S
iO2 系ゆう薬を膜厚:約50μmを目標にアセチレン
ガス溶射機を利用して溶射してゆう薬層4とした。
いて、1は金属部材、2はCoNiCrAlY中間層、
3はZrO2 −Y2 O3 セラミック層、4はゆう薬層を
示す。代表的なガスタービン動翼材のNi基超合金IN
738LC(重量%で、Co:8.30%、Cr:1
5.9%、Ti:1.75%、W:2.54%、Ta:
1.73%、C:0.09%、Al:3.42%、Z
r:0.03%、B:0.008%、Fe:0.10
%、Si:<0.05%、Mn:<0.05%、S:<
0.005%、Ni:残部)を金属部材1として、Co
NiCrAlY(Co−20Ni−25Cr−8Al−
0.5Y:数値は重量%を示す)を中間層2として膜
厚:100μm程度を目標に低圧プラズマ溶射後、Zr
O2 −8%Y2 O3 をセラミック層3として大気プラズ
マ溶射にて膜厚:250μmを目標に溶射した。次に1
0%CaO−5%BaO−15%Al2 O3 −65%S
iO2 系ゆう薬を膜厚:約50μmを目標にアセチレン
ガス溶射機を利用して溶射してゆう薬層4とした。
【0013】この参考例で施工された遮熱コーティング
材を900℃の空気中で1000時間高温酸化試験を行
ったところ、CoNiCrAlY中間層上に僅かに2〜
5μm程度の酸化皮膜が形成されたに過ぎなかった。
材を900℃の空気中で1000時間高温酸化試験を行
ったところ、CoNiCrAlY中間層上に僅かに2〜
5μm程度の酸化皮膜が形成されたに過ぎなかった。
【0014】(実施例1) 図3により本発明の実施例を説明する。図3において、
1は金属部材、2はNiCrAlY中間層、3はZrO
2 −Y2 O3 セラミック層、5はゆう薬とZrO2 −Y
2 O3 セラミック混合層を示す。参考例1に示した代表
的なガスタービン静翼材のCo基超合金ECY768を
金属部材1として、同じく参考例1に示したNiCrA
lYを中間層2として膜厚:100μm程度を目標に低
圧プラズマ溶射を行い、引き続き参考例1と同じZrO
2 −8%Y2 O3 をセラミック層3として大気プラズマ
にて膜厚:250μmを目標に溶射した。次に、参考例
1に示したNa2 O・BaO・SiO2 系のゆう薬粉末
20wt%とZrO2 −8%Y2 O3 粉末80wt%よ
りなる混合物を大気プラズマ溶射し、約20μm膜厚の
セラミック−ゆう薬混合層5を形成した。
1は金属部材、2はNiCrAlY中間層、3はZrO
2 −Y2 O3 セラミック層、5はゆう薬とZrO2 −Y
2 O3 セラミック混合層を示す。参考例1に示した代表
的なガスタービン静翼材のCo基超合金ECY768を
金属部材1として、同じく参考例1に示したNiCrA
lYを中間層2として膜厚:100μm程度を目標に低
圧プラズマ溶射を行い、引き続き参考例1と同じZrO
2 −8%Y2 O3 をセラミック層3として大気プラズマ
にて膜厚:250μmを目標に溶射した。次に、参考例
1に示したNa2 O・BaO・SiO2 系のゆう薬粉末
20wt%とZrO2 −8%Y2 O3 粉末80wt%よ
りなる混合物を大気プラズマ溶射し、約20μm膜厚の
セラミック−ゆう薬混合層5を形成した。
【0015】この実施例で施工された遮熱コーティング
材を900℃の空気中で1000時間高温酸化試験を行
ったところ、NiCrAlY中間層上に形成された酸化
皮膜層は3μm以下であり、中間層の酸化抑制効果が確
認された。
材を900℃の空気中で1000時間高温酸化試験を行
ったところ、NiCrAlY中間層上に形成された酸化
皮膜層は3μm以下であり、中間層の酸化抑制効果が確
認された。
【0016】(実施例2) 図4により、本発明の他の実施例を説明する。図4中、
1,2及び3は実施例1において説明した金属部材、中
間層及びZrO2 −Y2 O3 セラミック層と同じものを
示す。5A,5Bは共にゆう薬とZrO2 −Y2 O3 セ
ラミック混合層であるが、その混合割合の異なるものを
示す。実施例1のZrO2 −8%Y2 O3 粉末を大気プ
ラズマ溶射するまでは同じ処理を行い、この層3上に参
考例2に示したCaO−BaO−Al2 O3 −SiO2
系ゆう薬粉末とZrO2 −8%Y2 O3 粉末の混合割合
の異なる混合物5A,5Bを大気プラズマ溶射した。す
なわち、先ず前記ゆう薬粉末10wt%とZrO2 −8
%Y2 O3 粉末90wt%よりなる混合物Aを大気プラ
ズマ溶射して混合層5Aを形成させた後、前記ゆう薬粉
末20wt%とZrO2 −8%Y2 O3粉末80wt%
よりなる混合物Bを大気プラズマ溶射して混合層5Bを
形成させ、その合計の膜厚を30〜50μmとした。
1,2及び3は実施例1において説明した金属部材、中
間層及びZrO2 −Y2 O3 セラミック層と同じものを
示す。5A,5Bは共にゆう薬とZrO2 −Y2 O3 セ
ラミック混合層であるが、その混合割合の異なるものを
示す。実施例1のZrO2 −8%Y2 O3 粉末を大気プ
ラズマ溶射するまでは同じ処理を行い、この層3上に参
考例2に示したCaO−BaO−Al2 O3 −SiO2
系ゆう薬粉末とZrO2 −8%Y2 O3 粉末の混合割合
の異なる混合物5A,5Bを大気プラズマ溶射した。す
なわち、先ず前記ゆう薬粉末10wt%とZrO2 −8
%Y2 O3 粉末90wt%よりなる混合物Aを大気プラ
ズマ溶射して混合層5Aを形成させた後、前記ゆう薬粉
末20wt%とZrO2 −8%Y2 O3粉末80wt%
よりなる混合物Bを大気プラズマ溶射して混合層5Bを
形成させ、その合計の膜厚を30〜50μmとした。
【0017】この実施例で施工された遮熱コーティング
材の実施例1に示した高温酸化試験の結果、中間層上に
形成された酸化皮膜層は3μm程度であり、中間層の酸
化抑制効果が確認された。この実施例の場合、ZrO2
−8%Y2 O3 セラミック層に接する側の混合物中のZ
rO2 −8%Y2 O3 の割合が多いので、ZrO2 −8
%Y2 O3 セラミック層と熱膨張率が近似し、混合物層
の剥離が防止できる効果も奏する。
材の実施例1に示した高温酸化試験の結果、中間層上に
形成された酸化皮膜層は3μm程度であり、中間層の酸
化抑制効果が確認された。この実施例の場合、ZrO2
−8%Y2 O3 セラミック層に接する側の混合物中のZ
rO2 −8%Y2 O3 の割合が多いので、ZrO2 −8
%Y2 O3 セラミック層と熱膨張率が近似し、混合物層
の剥離が防止できる効果も奏する。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、ゆう薬の作用により外
部からの燃焼ガスの侵入を抑制することができるので、
中間層(MCrAlY層)の酸化皮膜の成長速度を著し
く低減でき、ZrO2 −Y2 O3 層の剥離に至るまでの
時間を大幅に延長させることができる効果を奏する。
部からの燃焼ガスの侵入を抑制することができるので、
中間層(MCrAlY層)の酸化皮膜の成長速度を著し
く低減でき、ZrO2 −Y2 O3 層の剥離に至るまでの
時間を大幅に延長させることができる効果を奏する。
【図1】本発明の参考例1によって遮熱コーティングを
施こされた金属部材の断面模式図。
施こされた金属部材の断面模式図。
【図2】本発明の参考例2によって遮熱コーティングを
施こされた金属部材の断面模式図。
施こされた金属部材の断面模式図。
【図3】本発明の実施例1によって遮熱コーティングを
施こされた金属部材の断面模式図。
施こされた金属部材の断面模式図。
【図4】本発明の実施例2によって遮熱コーティングを
施こされた金属部材の断面模式図。
施こされた金属部材の断面模式図。
【図5】従来の遮熱コーティングを施こされた金属部材
の一態様の断面模式図。
の一態様の断面模式図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−88197(JP,A) 特開 昭54−122316(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 4/06 C23C 28/00
Claims (2)
- 【請求項1】 高温ガスと接する金属部材に適用される
遮熱コーティング方法において、金属部材上に低圧プラ
ズマ溶射法にてMCrAlY(M:Ni及び/又はC
o)をコーティングした後、ZrO2 −Y2 O3 を大気
プラズマ溶射し、さらに無機質のゆう薬とZrO 2 −Y
2 O 3 を混合した混合物をハケ塗り後焼成又は直接溶射
することを特徴とする高温酸化防止用遮熱コーティング
方法。 - 【請求項2】 無機質のゆう薬とZrO2 −Y2 O3 の
混合物の混合比を2種以上に変えて順次ハケ塗り後焼成
又は直接溶射することを特徴とする請求項1記載の高温
酸化防止用遮熱コーティング方法。
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JP08930094A JP3219594B2 (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 高温酸化防止用遮熱コーティング方法 |
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JP08930094A JP3219594B2 (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 高温酸化防止用遮熱コーティング方法 |
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-
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- 1994-04-27 JP JP08930094A patent/JP3219594B2/ja not_active Expired - Fee Related
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