JP3218285B2 - 有機電解質電池 - Google Patents

有機電解質電池

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JP3218285B2
JP3218285B2 JP11017297A JP11017297A JP3218285B2 JP 3218285 B2 JP3218285 B2 JP 3218285B2 JP 11017297 A JP11017297 A JP 11017297A JP 11017297 A JP11017297 A JP 11017297A JP 3218285 B2 JP3218285 B2 JP 3218285B2
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carbonate
organic electrolyte
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正起 山口
信雄 安東
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  • Secondary Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電解質電池に
係り、更に詳しくは電極活物質に特定の不溶不融性基体
及び特定の電解液を用いた有機電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、導電性高分子、遷移金属酸化物等
を正極とし、負極にリチウム金属或いはリチウム合金を
用いた二次電池がエネルギー密度が高いことから、Ni
−Cd電池、鉛電池に代わる電池として提案されてい
る。しかし、これらの二次電池は、繰り返し充放電を行
うと正極或いは負極の劣化による容量低下が大きく、実
用上の問題を有しているものである。特に、負極の劣化
は充放電の繰り返しによりデンドライトと呼ばれる苔状
のリチウム結晶の生成を伴い、このデンドライトに起因
する内部短絡や充放電効率の低下が、電池の長寿命や高
エネルギー密度に対する障害となっている。また、上記
デンドライトに起因する電池内部の短絡は、終局的には
デンドライトによるセパレータの貫通を招き、場合によ
っては電池が発火、破裂する等、安全面における問題が
生じることとなった。
【0003】近時、上記の問題を解決すべく、グラファ
イト等の炭素材料を負極に用い、正極にLiCoO2
のリチウム含有金属酸化物を用いた電池が提案されてい
る。この電池は、電池組立後に充電を行うことにより正
極のリチウム含有金属酸化物から負極にリチウムを供給
し、更に放電では負極リチウムを正極に戻すという、い
わゆるロッキングチェア型電池である。ところが、この
電池は、高電圧、高容量を有するものの、その容量は最
大80〜90mAh/cc(電極、セパレ−タ、集電材
の総体積基準)程度であり、リチウム電池の特長である
高エネルギ−密度を得るに至っていない。
【0004】一方、芳香族系縮合ポリマ−の熱処理物で
あって水素原子/炭素原子の原子比が0.50〜0.0
5であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体
は、一般の炭素材料に比べて大量にリチウムをド−プす
ることができるものである。例えば、特開平6−203
833号公報に記載されている有機電解質電池は、ポリ
アセン系有機半導体を特定のバインダーで成形した電極
を負極に用い、正極にリチウム含有酸化物を用いて上記
ロッキングチェア型の電池を組み立てることにより、電
池容量の大幅な向上を達成している。しかしながら、一
般に報告されている電解液、例えばエチレンカーボネー
トと鎖状カーボネートの混合物、またはプロピレンカー
ボネートと鎖状カーボネートの混合物を電解液溶媒とし
て用いた場合には、低温特性或いはサイクル特性におけ
る問題が残されることとなった。
【0005】一般に、電池の低温特性を改善する方法と
しては、電極の改良等の方法も提案されているが、電解
液を改良する等の方法の効果が大きいと考えられる。電
解液溶媒に求められる条件としては、低粘度、高誘電率
等が挙げられるが、単独溶媒としてこれらの条件を満た
しているものはほとんどなく、通常は低粘度溶媒と高誘
電率溶媒とを混合する等、2種類以上の溶媒を混合した
混合溶媒が用いられている。しかしながら、このように
混合溶媒を用いた電解液を使用しても、用いる電解液溶
媒と負極の種類によっては、充電時に溶媒の分解等が生
じ、充分なサイクル特性が得られないという問題を免れ
なかった。特に、ポリアセン系有機半導体を負極に用い
る電池においては、サイクル特性が良好で、且つ低温特
性に優れた電解液系は存在せず、サイクル特性と低温特
性との両特性において優れた電池は見い出されていない
というのが実情であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な実情に鑑みなされたものであって、高容量且つ高電圧
を有し、長期にわたって充電、放電が可能であり、特
に、サイクル特性に優れるとともに低温における容量の
低下が少ないといった優れた特性を有する有機電解質電
池の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電極活物
質にポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体を用
い、電解液溶媒として特定の混合溶媒を用いた有機電解
液を用いることにより、サイクル特性が良好で低温にお
いても高容量の電池を得ることができることを見出し
た。すなわち、本発明は、正極、負極並びに電解液とし
てリチウム塩の非プロトン性有機溶媒を備えた有機電解
質電池であって、負極が芳香族系縮合ポリマーの熱処理
物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.50〜
0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融
性基体を含み、電解液溶媒がエチレンカ−ボネ−ト、ジ
エチルカ−ボネ−ト及びプロピレンカーボネートの混合
溶媒であり、プロピレンカーボネートが重量比で全体の
20%以下3%以上を占め、且つエチレンカーボネート
とジエチルカーボネートとの比率が70/30〜30/
70であることをを特徴とする有機電解質電池である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における芳香族系縮合ポリ
マーとは、フェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素
化合物とアルデヒド類との縮合物である。芳香族炭化水
素化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キ
シレノールの如きいわゆるフェノール類を用いることが
好ましいが、必ずしもこれらに限定はされない。例えば
下記式
【化1】 (ここで、x及びyは、それぞれ独立に0、1または2
である)で表されるメチレン・ビスフェノール類を用い
ることができ、またヒドロキシ・ビフェニル類、ヒドロ
キシナフタレン類を用いることもできる。これらのう
ち、実用的にはフェノール類、特にフェノールを用いる
ことが好ましい。
【0009】本発明における芳香族系縮合ポリマーとし
ては、上記のフェノール性水酸基を有する芳香族炭化水
素化合物の1部をフェノール性水酸基を有さない芳香族
炭化水素化合物、例えばキシレン、トルエン、アニリン
等で置換した変成芳香族系縮合ポリマー、例えばフェノ
ールとキシレンとホルムアルデヒドとの縮合物が好まし
く用いられる。更に、フラン樹脂も好ましく用いること
ができる。また、アルデヒドとしては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒドを
使用することができ、これらの中でも、ホルムアルデヒ
ドが好適である。また、フェノールホルムアルデヒド縮
合物は、ノボラック型またはレゾール型、或いはそれら
の混合物のいずれであってもよい。
【0010】本発明における不溶不融性基体は、上記芳
香族系縮合ポリマーを熱処理することにより得られるも
のであり、特公平1−44212号公報、特公平3−2
4024号公報等に記載されているポリアセン系骨格構
造を有する不溶不融性基体はすべて用いることができ
る。そして、その製造にあたっては、例えば芳香族系縮
合ポリマーを、非酸化性雰囲気下(真空も含む)で40
0〜800°Cの適当な温度まで徐々に加熱することに
より、水素原子/炭素原子の原子比(以下H/Cと記
す)が0.50〜0.05、好ましくは0.35〜0.
10の不溶不融性基体を得ることができる。
【0011】本発明に用いる不溶不融性基体は、X線回
折(CuKα)によれば、メイン・ピークの位置は2θ
で表して24°以下に存在し、またこのメイン・ピーク
の他に41〜46°の間にブロードな他のピークが存在
するものである。すなわち、この不溶不融性基体は、芳
香族系多環構造が適度に発達したポリアセン系骨格構造
を有し、且つアモルファス構造をとると示唆され、リチ
ウムを安定してドーピングできることから電池用活物質
として有用なものである。そして、この不溶不融性基体
において、上記H/Cが0.50を超える場合には、芳
香族系多環構造が充分に発達していないため、リチウム
のドーピング、脱ドーピングをスムーズに行うことがで
きず、電池を組んだ際に充放電効率が低下することとな
る。また、H/Cが0.05以下の場合には、電池の容
量が低下し好ましくない。従って、この不溶不融性基体
のH/Cを0.50〜0.05、好ましくは0.35〜
0.10の範囲内とするのである。
【0012】本発明の有機電解質電池における負極は、
上記不溶不融性基体を含み、必要に応じて導電剤、バイ
ンダーを加え成形したものを用いることが好ましい。こ
れら導電剤及びバインダーの種類、組成等は特に限定さ
れるものではなく、また電極形状は、目的とする電池に
より板状、フィルム状、円柱状、或いは金属箔上に成形
する等、種々の形状とすることができる。特に、金属箔
上に成形したものは、集電体一体電極として種々の電池
に応用できることから好ましい。不溶不融性基体の形状
は、粉末状、短繊維状等、成形可能であれば特に限定さ
れないが、成形性を考慮すると、平均粒径が100μm
以下の粉末であることが好ましい。また、不溶不融性基
体には、国際公開95−08852号等に開示されてい
るように、負極由来のリチウムを予め担持(ドーピン
グ)させておくこともできる。
【0013】また、上記バインダーは、特に限定はされ
ないが、フッ素系バインダーを用いることが好ましく、
更にはフッ素原子/炭素原子の原子比(以下F/Cと記
す)が1.5未満0.75以上、特に1.3未満0.7
5以上のフッ素系バインダーを用いることが好ましい。
このフッ素系バインダーとしては、例えばポリフッ化ビ
ニリデン、フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合
体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、プロピレン
−4フッ化エチレン共重合体等が挙げられる。更に主鎖
の水素をアルキル基で置換した含フッ素系ポリマーも用
いることができる。上記ポリフッ化ビニリデンにおいて
は、F/Cは1であり、フッ化ビニリデン−3フッ化エ
チレン共重合体においては、フッ化ビニリデンのモル分
率が50%のとき、80%のとき、それぞれF/Cは
1.25、1.1となり、更にプロピレン−4フッ化エ
チレン共重合体においては、プロピレンのモル分率が5
0%のとき、F/Cは0.75となる。これらの中で
も、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンのモル分
率が50%以上のフッ化ビニリデン−3フッ化エチレン
共重合体が好ましく、実用的にはポリフッ化ビニリデン
が好ましい。しかして、これらバインダーを用いた場合
には、上記不溶不融性基体の有するリチウムのドープ能
(容量)を充分に利用することができる。
【0014】本発明の有機電解質電池の正極としては、
特に限定されないが、例えばLiXCoO2 、 LiX
iO2 、 LiX MnO2 等のLiX y Z (Mは金
属、2種類以上の金属でもよい)の一般式で表されるリ
チウム含有金属酸化物、或いはコバルト、マンガン、ニ
ッケル等の遷移金属酸化物等を用いることができる。特
に、リチウム金属に対して4V以上の電圧を有するリチ
ウム含有金属酸化物を用いることが、高容量且つ高電圧
を有する電池が得られることから好ましく、中でもリチ
ウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物
が好適である。本発明における正極は、上記活物質に対
し必要に応じて導電剤、バインダーを加え成形したもの
を用いることができる。これら導電剤及びバインダーの
種類、組成等は特に限定されるものではなく、また電極
形状は、目的とする電池により板状、フィルム状、円柱
状、或いは金属箔上に成形する等、種々の形状とするこ
とができる。特に、金属箔上に成形したものは、集電体
一体電極として種々の電池に応用できることから好まし
い。
【0015】本発明の有機電解質電池においては、電解
液溶媒としてエチレンカーボネート、ジエチルカーボネ
ート及びプロピレンカーボネートの混合溶媒を用いてい
る。そして、プロピレンカーボネートが、重量比で全体
の20%以下3%以上、好ましくは15%以下3%以
上、更に好ましくは13%以下5%以上を占めている。
すなわち、プロピレンカーボネートが重量比で全体の2
0%を超える場合には、充放電を繰り返した際に容量の
低下が大きくなり、充分なサイクル特性が得られず、ま
たこれが3%未満の場合には、低温での容量が低下し好
ましくないからである。
【0016】更に、上記エチレンカーボネートとジエチ
ルカーボネートとの比率は、70/30から30/70
である。すなわち、エチレンカーボネートとジエチルカ
ーボネートの比率において、エチレンカーボネートの比
率を70/30を超えて大きくした場合には、低温での
容量が低下し、またこれを30/70未満にした場合に
は、充放電を繰り返した際に容量の低下が大きくなって
しまうからである。
【0017】そして、本発明の有機電解質電池は、充電
時に負極のポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基
体に対し、800mAh/g以上相当のリチウムがドー
ピングされている場合、すなわち充電時の負極の電位が
リチウム電位に対して100mV以下になるような場合
に、上記電解液溶媒を用いることにより、良好な低温特
性に加え、充放電の繰り返しによるサイクル劣化の改善
が大きく見られるものである。
【0018】また、上記の電解液溶媒に溶解させる電解
質は、リチウムイオンを生成しうる電解質であれば、使
用することができる。このような電解質としては、例え
ばLiI、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4
LiPF6 、LiCF3 SO3、リチウムイミド塩、L
iHF2 等を挙げることができる。この電解質及び溶媒
は、充分に脱水された状態で混合され電解液とされるの
であるが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内
部抵抗を小さくするために、少なくとも0.1モル/l
以上とすることが好ましく、0.2〜1.5モル/lと
することが更に好ましい。
【0019】また、電池外部に電流を取り出すための集
電体としては、例えば炭素、白金、ニッケル、ステンレ
ス、アルミニウム、銅等を用いることができ、箔状、ネ
ット状の集電体を用いる場合には、電極を集電体上に成
形することにより、集電体一体型電極として用いること
もできる。
【0020】次に、図面により本発明の有機電解質電池
の実施態様の一例を説明する。図1は、本発明に係る電
池の基本構成説明図である。この図において、(1)は
正極であり、(2)は負極である。(3)、(3’)は
集電体であり、上記正極(1)及び負極(2)は、これ
ら集電体(3)、(3’)の上に成形されている。集電
体(3)、(3’)には、電圧降下を生じないようにリ
ード端子(8),(8’)が接続されており、その一端
は、電池ケース(6)及びトップ蓋(7)に接続されて
いる。(5)は、電解液が含浸されたセパレータであ
り、この電解液には、ドーピングされうるイオンを生成
しうる前述の化合物が非プロトン性有機溶媒に溶解され
ている。電解液は通常液状であり、セパレータ(5)に
含浸されるが、特にセパレータを設けることなく、漏液
を防止するためゲル状または固体状にして用いることも
できる。なお、(4)は、正負両極の接触(電池ケース
とトップ蓋)を防止することを目的として配置された絶
縁パッキンである。
【0021】上記セパレータ(5)は、電解液、電極活
物質等に対し耐久性を有する連通気孔を有する電子伝導
性のない多孔体であり、通常ガラス繊維、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等からなる布、不織布、合成樹脂微
多孔膜等を用いられる。このセパレータ(5)の厚さ
は、電池の内部抵抗を小さくするために薄い方が好まし
いが、電解液の保持量、流通性、強度等を考慮して決定
される。正極(1)、負極(2)及びセパレータ(5)
は、電池ケース(6)内に実用上問題が生じないように
固定される。なお、図1は円筒電池の実施態様を説明す
るものであるが、本発明の電池はこれに限定されるもの
ではなく、コイン型、ボタン型、角型、箱型、フィルム
状等様々な形状の電池に適用することのできるものであ
る。
【0022】
【発明の効果】本発明の有機電解質電池は、高容量且つ
高電圧を有し、長期にわたって充電、放電が可能であ
り、特に、サイクル特性に優れるとともに低温における
容量の低下が少ないといった優れた特性を有する有機電
解質電池である。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0024】厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板を
シリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で10℃/
時間の速度で昇圧し、650℃まで熱処理して不溶不融
性基体(以下PASと記す)を合成した。かくした得ら
れたPAS板をディスクミルで粉砕することにより、平
均粒径約8μmのPAS粉末を得た。そのH/Cは0.
22であった。次に、このPAS粉末95重量部とアセ
チレンブラック5重量部の混合物に、ポリフッ化ビニリ
デン粉末10重量部をN−メチルピロリドン90重量部
に溶解した溶液100重量部を充分に混合することによ
りスラリーを得た。このスラリーを、アプリケーターを
用いて厚さ14μmの銅箔(負極集電体)上に塗布し、
乾燥、プレスすることにより、両面にPASを塗布した
厚さ150μmの負極PASを得た。
【0025】LiCoO2 (関西触媒製)100重量部
とグラファイト5重量部の混合物に、ポリフッ化ビニリ
デン粉末10重量部、N−メチルピロリドン90重量部
に溶解した溶液40重量部を充分に混合することにより
スラリーを得た。このスラリーを、アプリケーターを用
いて厚さ20μmのアルミ箔(正極集電体)上に塗布
し、乾燥、プレスすることにより、両面にLiCoO2
を塗布した厚さ320μmの正極を得た。
【0026】上記正極(5.4cm幅)及び負極(5.
6cm幅)を用い、セパレータとしては厚さ25μm、
幅6.0cmのポリプロピレンセパレータ用い、図1に
示した円筒電池を組んだ。正極端子としては厚さ150
μm、幅5mmのアルミニウム端子、負極端子としては
正極端子と同サイズのニッケルを用いた。電解液として
は、表1に示す混合溶媒に1モル/lの濃度にLiPF
6 を溶解した溶液を用いた。電池のサイズは、1865
0型(直径18mm、高さ65mm)とし、各電解液組
成に対して電池を各2本組み立てた。
【0027】上記電池に250mAの定電流で電池電圧
が4.2Vになるまで充電し、充電開始から12時間、
4.2Vで定電圧を印加し充電を完了した。次に、12
5mAで2.0Vになるまで放電した。この4.2V−
2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において
電池の初期容量とした。
【0028】(低温特性の評価)各電解液組成につい
て、上記電池の1本を4サイクル目250mAの定電流
で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、充電開始から
12時間、4.2Vで定電圧を印加し室温にて充電を行
い、−20℃の恒温槽中に2時間放置後、125mAで
2.0Vになるまで放電して低温時の容量を測定した。
その結果を表1に示す。
【0029】(サイクル特性の評価)各電解液組成につ
いて、上記電池の1本を250mAの定電流で電池電圧
が4.2Vになるまで充電し、充電開始から12時間、
4.2Vで定電圧を印加し充電を行い、次に125mA
で2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0
Vのサイクルを更に17回繰り返して計20サイクル目
の容量を測定し、(20サイクル目容量)/(3サイク
ル目容量)の比を百分率に換算して容量保持率とした。
その結果を表1に示す。なお、表1において、PCはプ
ロピレンカーボネート、ECはエチレンカーボネート、
DEはジエチルカーボネートを示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1において、いずれの電池も、充電時、
負極PASに対して880〜950mAh/g相当のリ
チウムがドープされており、初期容量も1800mAh
以上と高く、正極にLiCoO2 、負極にグラファイト
等の炭素材を用いるリチウムイオン電池に比べて大幅に
容量向上が見られることが確認された。
【0032】表1において、No.3、4、5及び6が
本発明の有機電解質電池である。この結果を見ればわか
るように、電解液に非常に少ないプロピレンカーボネー
トを添加することにより、すなわちプロピレンカーボネ
ートを3%以上含んでいれば、これを3%未満しか含ま
ないもの(No.1及び2)に比べ大幅な低温特性の改
善が実現されることとなる。また、電解液にプロピレン
カーボネートを20%を超えて含む場合(No.7及び
8)には、充放電の繰り返しによる容量劣化が大きく、
サイクル特性が劣ることが確認された。更に、適量のプ
ロピレンカーボネートが含まれていても、エチレンカー
ボネートとジエチルカーボネートとの比率が70/30
〜30/70の範囲から外れるときには、充分なサイク
ル特性と低温特性が得られないことが確認された。すな
わち、ジエチルカーボネートが多い場合(No.9)に
は、充放電の繰り返しによる容量劣化が大きくなり、逆
にエチレンカーボネートが多い場合(No.10)に
は、低温において充分な容量が得られていないのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機電解質電池の基本構成説明図
である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 集電体(正極) 3’集電体(負極) 4 絶縁パッキン 5 セパレータ 6 電池ケース 7 トップ蓋 8 端子(正極) 8’端子(負極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−255633(JP,A) 特開 平5−325972(JP,A) 特開 平9−73919(JP,A) 特開 平8−195221(JP,A) 特開 平8−83625(JP,A) 特開 平6−84543(JP,A) 特開 平5−234619(JP,A) 特開 平8−162163(JP,A) 特開 平8−64247(JP,A) 特開 平8−7927(JP,A) 特開 平8−236152(JP,A) 特開 平8−236153(JP,A) 特開 平8−7928(JP,A) 特開 平2−12777(JP,A) 特開 平6−84542(JP,A) 特開 平4−218270(JP,A) 特開 平10−32003(JP,A) 特開 平10−97870(JP,A) 特開 平10−97871(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/02 H01M 4/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極並びに電解液としてリチウム
    塩の非プロトン性有機溶媒を備えた有機電解質電池であ
    って、負極が芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって
    水素原子/炭素原子の原子比が0.50〜0.05であ
    るポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体を含
    み、電解液溶媒がエチレンカーボネート、ジエチルカー
    ボネート及びプロピレンカーボネートの混合溶媒であ
    り、プロピレンカーボネートが重量比で全体の20%以
    下3%以上を占め、且つエチレンカーボネートとジエチ
    ルカーボネートとの比率が70/30〜30/70であ
    ることをを特徴とする有機電解質電池。
  2. 【請求項2】 充電時に負極のポリアセン系骨格構造を
    有する不溶不融性基体に対し800mAh/g以上相当
    のリチウムがドーピングされている請求項1記載の有機
    電解質電池。
  3. 【請求項3】 正極がリチウム複合酸化物である請求項
    1または2に記載の有機電解質電池。
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