JP3217932B2 - ラダー型マクラギおよび車両用軌道 - Google Patents

ラダー型マクラギおよび車両用軌道

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JP3217932B2
JP3217932B2 JP07005095A JP7005095A JP3217932B2 JP 3217932 B2 JP3217932 B2 JP 3217932B2 JP 07005095 A JP07005095 A JP 07005095A JP 7005095 A JP7005095 A JP 7005095A JP 3217932 B2 JP3217932 B2 JP 3217932B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレール長手方向に梁高の
低い適度の曲げ剛性を有する左右一対の縦梁と、この縦
梁をレール直角方向に適当な間隔で相互に連結するため
に配置された継材とからなる梯子状のマクラギに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図16は、横マクラギを用いた従来のバ
ラスト道床式軌道の構成図である。ここで、4はレー
ル、6は道床バラスト、7は締結装置、8は横マクラギ
である。従来のバラスト道床式軌道はレール直角方向に
モノブロックあるいはツーブロックの横マクラギ8を配
置して軌きょうを構成し、列車荷重やレール長手方向あ
るいはレール直角方向の荷重を道床バラスト6との支
圧、摩擦等によって支持する構造である。
【0003】横マクラギを用いた従来のバラスト道床式
軌道は、列車荷重の繰返しの影響を大きく受けるため軌
道狂いが生じる傾向がある。その結果、列車の動揺が増
大し、走行安定性および乗り心地を低下させる。このた
め、常に軌道狂いの状態を的確に把握し、随時軌道狂い
の生じた箇所を整備または改良する必要がある。
【0004】しかしながら、これら整備や改良の作業は
依然として人力に負うところが大きく、特に作業が夜間
になることが多く短時間で完了させる必要があるため、
これに要する労力と費用は莫大なものである。また、保
守作業に従事する作業者の高齢化と労働力不足が問題と
なっている。このため保守作業を軽減できるような軌道
構造の開発が望まれている。
【0005】また、フランス国特許第76−22586
号には、レールの長手方向に向けて配置される比較的短
い縦マクラギが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の横マクラギを用
いた軌道では、レールを間欠的に支持するために道床圧
力が局部的に大きくなり、列車荷重による車軸ごとの繰
返しの影響を大きく受けて軌道狂いが生じる。この軌道
狂いが大きくなると列車の動揺が増大し、走行安定性お
よび乗り心地を低下させる。このため、随時保守作業を
行わなければならないという課題があった。また、前記
特許公報記載の短い縦マクラギにあっても、軌道精度を
いかにして維持するか、道床中の圧力をレールの長手方
向にいかに均一化するかといった解決すべき課題があっ
た。本発明は前記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、新規なラダー型マクラギを使用することに
より、列車荷重の分散性を向上させて列車荷重の繰返し
による軌道狂いを小さくし、また、横圧等のレール直角
方向の荷重に対しては縦梁が連続していることにより横
抵抗力が増大して軌道狂いを小さくし、保守作業を軽減
できるようなマクラギを提供することを目的とする。さ
らに、ラダー型マクラギはレール長手方向に連続した梁
構造とすることにより、また、軌道パッドを連続敷設し
てレールを連続支持することにより、地盤振動、車輪の
転動音、レールの波状摩耗等も減ずるマクラギを提供す
ること、および、このマクラギとレールとの結合による
車両用軌道を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1は、一対のレールの下側に該レールの長手
方向に向けてそれぞれ設けられた縦梁と、これらの縦梁
をその長手方向に沿って所定間隔毎に複数箇所で互いに
連結するものであって所定の断面形状をなす鋼材からな
る継材とから構成されてなり、前記縦梁は、プレストレ
ストコンクリートにより構成され、前記継材は、前記縦
梁の上面近くおよび下面近くに配置されて圧縮応力を与
える主補強鋼材の間に配置されていて、これらと交差し
つつ、縦梁の両外側部に達する長さを有して縦梁中に埋
設されたことを特徴とする。請求項2は、請求項1にお
いて、前記縦梁とレールとはレールの長手方向に沿う複
数箇所で互いに連結されたことを特徴とする。請求項3
は、請求項1または2において、前記継材の横断面は、
前記縦梁の高さより小なる直径の円形であることを特徴
とする。請求項4は、請求項1ないし3のいずれかにお
いて、前記一つの縦梁の間に縦荷重抵抗板を設けたこと
を特徴とする。請求項5は、請求項4において、前記一
対の縦梁の内側の側面には、前記縦荷重抵抗板の端部を
挿入するための溝が上下方向に向けて設けられたことを
特徴とする。請求項6は、請求項5において、前記溝
は、前記一対の縦梁の側面から突出して設けられた治具
に形成されたことを特徴とする。請求項7は、請求項1
ないし6のいずれかにおいて、前記縦梁は、バラスト、
CAモルタル、ゴム、または合成樹脂、若しくはこれら
の組み合わせにより構成された道床上に敷設されたこと
を特徴とする。請求項8は、請求項1ないし7のいずれ
かにおいて、長手方向に隣接する縦梁は互いに緊結され
たことを特徴とする。請求項9は、車両用軌道に関する
もので、一対のレールの下側に該レールの長手方向に向
けてそれぞれ設けられた縦梁と、これらの縦梁をその長
手方向に沿って所定間隔毎に複数箇所で互いに連結する
ものであって所定の断面形状をなす鋼材からなる継材と
から構成されてなり、前記縦梁は、プレストレストコン
クリー トにより構成され、前記継材は、前記縦梁の上面
近くおよび下面近くに配置されて圧縮応力を与える主補
強鋼材の間に配置されていて、これらと交差しつつ、縦
梁の両外側部に達する長さを有し、前記縦梁とレールと
はレールの長手方向に沿う複数箇所で互いに連結された
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】上記構成のラダー型マクラギは、縦梁がレール
長手方向に連続して配置された構造であるため、軌きょ
うの曲げ剛性が増大し、列車荷重の分散性を向上させて
道床圧力を小さくすることができる。その結果、列車荷
重の繰返しによる軌道狂いを小さくすることが可能であ
る。また、ラダー型マクラギのレール長手方向の単位長
さ当たりのコンクリート容量は、モノブロック方式横マ
クラギの同コンクリート容量とほぼ等量で構成すること
が可能である。本発明のマクラギは、鋼管あるいは角形
鋼管のような細い継材を使用するため、継材が受ける道
床反力が極めて小さく、その結果、軌道剛性のレール長
手方向に沿う変化が小さく、かつ、道床の支持力の不均
等などによって継材に作用する曲げやねじり等の応力を
大幅に小さくできる。また、細い継材を使用することに
より、縦梁の主補強鋼材であるPC鋼より線の間に挿入
して、締結装置間の中間に十分強固に埋込むことが可能
となる。本発明のマクラギは、バラスト、CAモルタ
ル、ゴム、合成樹脂等の道床と組み合わせて適用可能で
ある。本発明のマクラギは、レール長手方向に隣接する
縦梁相互を緊結することにより、軌道剛性が一様な連続
軌道構造を可能とする。本発明のマクラギは、縦梁がレ
ール長手方向に配置された構造であるため、軌道パッド
の連続敷設によるレールの連続支持が可能となり、地盤
振動、車輪の転動音、レールの波状摩耗等も減ずること
を可能とする。本発明のマクラギは、ロングレールの可
動区間のようにレール長手方向への縦荷重が作用して縦
方向の抵抗力が不足する場合には、縦荷重抵抗板の設置
を可能とする構造を有するものである。本発明のマクラ
ギは、通常よりも短い縦梁と所要の調整代を有する締結
装置との組み合わせにより、曲線における軌道の敷設を
可能とするものである。本発明のマクラギは、軌道狂い
が生じた場合には任意の位置で保守機械によりマクラギ
をこう上させ、道床バラストの突固め、豆砕石の吹込
み、モルタル注入等による軌道保守作業を可能とする。
本発明の車両用軌道は、上記構成のラダー型マクラギと
レールとが一体化された構造であるため、全体として、
高い曲げ剛性の軌きょうを実現することができる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例を示すもので、
ラダー型マクラギの構成図であり、図2は、図1のA−
A断面における断面図であり、図3は、ラダー型マクラ
ギ軌道構造における道床圧力の分布状態と横マクラギ軌
道構造における道床圧力の分布状態との模式図である。
ここで、1はラダー型マクラギ、2は縦梁、3はこれら
の縦梁2を互いに連結する継材、4はレール、5はレー
ル4と縦梁2との間に介在して振動を吸収する軌道パッ
ド(例えばシート状のゴムからなる弾性材)、6はラダ
ー型マクラギが埋設される道床バラスト、7はレール4
を縦梁2へ固定する締結装置、8は従来の横マクラギ、
10は車輪である。
【0010】この実施例のラダー型マクラギ1は、従来
の軌道保守と同様な手法でこう上できる程度の適度の曲
げ剛性を有する左右一対の長い縦梁2と、この縦梁2を
互いに連結するためにレール直角方向に所定の間隔で配
置された細くて丈夫な継材3と、からなる梯子状のマク
ラギを用いて軌道構造を構成している。縦梁2は適度の
曲げ剛性を確保するため、比較的高さの低い断面構造と
されている。また縦梁2は、その上面にはレール4を締
結して支持し、列車荷重の分散性を向上させることによ
り、列車荷重の繰返しによる軌道狂いを減少させてい
る。継材3は、左右一対の縦梁2を連結することによ
り、レール間隔を保持する機能を果たしている。
【0011】従来の横マクラギ軌道では、マクラギはレ
ール4の支点にすぎず、レールと直交する軸まわりの軌
きょうの曲げ剛性はレール4のみによって与えられる。
そのため、列車荷重によるレール4の変形が大きく、列
車動揺等が発生する原因となる。ラダー型マクラギ1
は、レール長手方向に長い縦梁2が配置された構造であ
るため、縦梁2とレール4との複合梁としての曲げ剛性
を持つことができる。したがって、軌きょうの曲げ剛性
を増加させて荷重を分散させ、単位面積当たりの道床圧
力を小さくすることができる。また、レールが敷設され
た平面におけるレールの長手方向と直角な方向(軌道幅
方向)に対しては、縦梁2とこれが埋め込まれる道床バ
ラスト6とがレールの長手方向に連続的に接することに
より大きな横抵抗力を維持して、軌道狂いを小さくする
ことができる。
【0012】図3は車両の通過にともなって、その車輪
10から直下のレール4およびマクラギ1および8に下
向きの荷重が加わった場合のマクラギ下面の道床圧力分
布を模式的に示すものである。ラダー型マクラギ1の場
合、図3(a)に示すように、縦梁2とレール4とから
なる複合梁全体で車輪10からの荷重を支持するため、
車輪10の直下の部分への荷重の集中が少ないのに対し
て、横マクラギ8の場合、図3(b)に示すように、車
輪10の直下のマクラギ8に荷重が集中し、道床圧力9
の局部的な上昇が見られる。このように、ラダー型マク
ラギを用いることにより、道床圧力の最大値が減少する
とともに、道床圧力の変化が緩やかになる。また、車両
の通過に伴う道床バラストの振動加速度も格段に減少す
る。したがって、道床バラストの摩耗や側方への流動に
伴う軌道の破壊あるいは狂いを防止することができる。
さらに、図4は図中矢印方向へ加わる輪重により道床中
に生じる圧力の分布をレール長手方向および道床の深さ
方向に解析した結果を示すものである。輪重8トンを加
えた場合、従来の横マクラギにあっては、図4(a)に
示すように車輪直下の広い範囲にわたって極端な圧力の
上昇が見られるのに対して、ラダー型マクラギにあって
は、図4(b)に示すように、局部的な圧力上昇がない
ことが確認された。さらに、道床内における圧力の最大
値についても、本発明のラダー型マクラギは、従来の横
マクラギの約1/2となることが確認された。
【0013】図5は、本発明の第2実施例を示すもの
で、道床材料にCAモルタルを使用した場合の構成図で
ある。ここで、1はラダー型マクラギ、2は縦梁、16
はCAモルタルである。バラスト道床が、一般に支持力
の不均等が生じやすい道床であるのに対して、CAモル
タル、ゴム、合成樹脂等からなる道床は、支持力の不均
等がほとんど生じない。この第2実施例にあっては、軌
道スラブや大版マクラギ(幅の広い横マクラギ)の代替
材として、CAモルタル16からなる道床においてもラ
ダー型マクラギを敷設することができる。また同様に、
ゴム、合成樹脂等によって構成された道床にも本発明の
ラダー型マクラギを敷設することができる。
【0014】図6は、本発明の第3実施例を示すもの
で、レール長手方向に隣接するラダー型マクラギの縦梁
を相互に緊結して長延長にわたり連続化して連続一様軌
道とした場合の構成図である。ここで、1はラダー型マ
クラギ、2は縦梁、4はレール、5は軌道パッドであ
る。この第3実施例のラダー型マクラギ1にあっては、
レール長手方向に対して隣接する縦梁2を相互に緊結し
て長延長にわたり連続化することにより、縦梁2とレー
ル4との複合梁としての曲げ剛性を持った連続一様軌道
構造とすることができる。さらに、ラダー型マクラギ
は、間欠的にレール4を支持する従来の横マクラギとは
異なり、縦梁2が配置されているため、軌道パッド5の
連続敷設によるレール4の連続支持が可能となる。した
がって、縦梁2とレール4とから構成される軌きょうが
一様な断面を持つことになり、地盤振動、車輪の転動
音、レールの波状摩耗等を軽減することができる。
【0015】図7は、本発明の第4実施例を示すもの
で、ラダー型マクラギの左右一対の縦梁の間に縦荷重抵
抗板を敷設した場合の構成図である。ここで、1はラダ
ー型マクラギ、2は縦梁、4はレール、6は道床バラス
ト、11は縦荷重抵抗板、12は縦荷重抵抗板11が挿
入される溝状の取り付け部である。この実施例のマクラ
ギは、ロングレールの可動区間等においてレール長手方
向への縦荷重に対する抵抗力が不足する場合を想定した
ものである。すなわち、左右一対の縦梁2の側面に上下
方向へ貫通する溝状の凹部12を適当な間隔で設け、コ
ンクリート製や鋼製などの縦荷重抵抗板11の両端を凹
部12に挿入することにより、縦抵抗力(道床バラスト
中でレールの長手方向への移動に対抗する抵抗力)の増
大を図ることができる。図示の場合、縦荷重抵抗板11
の高さ寸法を縦梁2の高さとほぼ等しい高さとしている
が、さらに大きな高さとして、より大きな縦抵抗力を得
ることもできる。また縦荷重抵抗板11は、前述のよう
に単に縦梁2の凹部12に挿入されることにより支持さ
れているため、縦抵抗力の増大のみに寄与し、したがっ
て、ラダー型マクラギ本体の構造特性に縦荷重抵抗板1
1が影響を及ぼすことが少ない。すなわち、縦荷重抵抗
板11の存在によってバラスト道床内の圧力分布が影響
されることが少ない。さらに、縦荷重抵抗板11と凹部
12との間の隙間をできるだけ小さくすることにより、
縦方向への微小な変位に対しても確実に抵抗力を発揮す
ることができる。
【0016】また、前記凹部12を予め所定の間隔で設
けておき、要求される抵抗力に応じて上記縦荷重抵抗板
11を一部の凹部12のみに挿入するようにしてもよ
い。このように、縦梁2の高さとほぼ等しい高さを有す
る縦荷重抵抗板11を設けることにより、継材3を円形
にすること、あるいは、必要最小限の剛性と強度を有す
る程度の細い外径に設定することによる縦抵抗力の低下
を補うことができる。異なる表現をすれば、縦荷重抵抗
板11を任意に追加して縦抵抗力を補うことができるの
で、継材3の設計に当たって縦抵抗力を考慮する必要が
ない。なお、さらに大きな縦抵抗力を得るべく縦梁2の
高さより大きな高さ寸法の縦荷重抵抗板を用いることも
できる。図示の場合、縦荷重抵抗板11が挿入される溝
として利用される凹部12を縦梁2の内側面に設けたた
め、凹部12の存在によって縦梁2の断面が非対称な形
状となる。この結果、プレストレスを加えることによっ
て縦梁2に反りが生じる可能性があるので、これを回避
すべく、下記のような配慮をすることが望ましい。すな
わち、縦梁2の外側面に内側面と同一形状の凹部を設け
て断面を対称形状とすることが望ましい。また、縦梁2
に凹部12を設けることに代えて、縦縦荷重抵抗板11
が挿入される溝を備えた治具を縦梁2の内側面から突出
した状態に設け、この溝に縦荷重抵抗板11を挿入する
ようにしてもよい。この場合、縦梁2における縦荷重抵
抗板11の取り付け箇所に凹部を設ける必要がなく、し
たがって、縦梁2の断面形状を一様にすることができ
る。
【0017】図8は、本発明の第5実施例を示すもので
ある。この第5実施例では、通常の(前記各実施例に示
された)縦梁よりも短い縦梁を有するラダー型マクラギ
と、例えばタイプレートを使用する締結装置等のように
所要の調整代を有する締結装置との組み合わせにより、
曲線区間に対応させている。ここで、1はラダー型マク
ラギ、2は縦梁、4はレール、7は締結装置である。こ
のように、通常の直線区間で使用される縦梁より短い縦
梁2と所要の調整代を有する締結装置7とを備えたラダ
ー型マクラギを、曲線に沿って屈折して配置することに
より、曲線区間の軌きょうを構成することができる。
【0018】図9は一般的な締結装置の具体例を示すも
のである。20はコンクリート製の縦梁2内に垂直に埋
め込まれたインサートである。このインサート20には
レール4とほぼ平行な支持孔21が設けられていて、こ
の支持孔21にクリップ22が挿入されている。前記ク
リップ22は棒鋼を図示のような形状に成形することに
よりバネとして機能するようにしたもので、その一部を
前記支持孔21に挿入することにより前記インサート2
0を介して縦梁2に固定されるとともに、縦梁2との間
にレール4を挟んで支持する。なお23は絶縁材であ
る。この締結装置にあっては、縦梁2内に埋設されたイ
ンサート20を必要な強度で支持するなどのため、縦梁
2を構成するコンクリートにその高さ方向および幅方向
に対して所定値の被り厚さが必要とされる。したがっ
て、インサート20を締結力に対抗して支持するなどの
ために必要とされる最小限の被り厚さと、レール4の幅
に基づいて位置が定まる(一対の)締結装置の相互間の
間隔とによって縦梁2の最小断面が決定される。
【0019】図10は、本発明のラダー型マクラギにお
いて、保守機械によりこう上して軌道の保守作業を行う
作業の説明図である。ここで、1はラダー型マクラギ、
4はレール、6は道床バラスト、13は軌きょうこう上
装置、14は突固め装置あるいは豆砕石吹込み装置、1
5は保守機械である。従来の横マクラギは、マクラギが
間欠的に配置されているため、軌きょうの曲げ剛性はレ
ール4のみにより与えられ、曲げ剛性の小さい軌きょう
構造である。縦梁を使用したラダー型マクラギでは、レ
ール4と縦梁との曲げ剛性が加算されるため比較的大き
な曲げ剛性を持つ軌きょう構造となる。バラスト道床式
軌道の場合、通常はマルチプルタイタンパ−等の機械力
によって道床バラストの突固め作業をして軌道整備を行
う。軌きょうを3cm程度こう上して突固めを行うが、
軌きょうの曲げ剛性が大き過ぎると、保守機械で軌きょ
うをこう上させるのが困難となる。本発明では、縦梁2
を最適最小断面とすることにより、縦梁2とレール4と
の複合梁の曲げ剛性を必要最小限として、適度の曲げ剛
性を有する軌きょう構造としたため、従来と同様に保守
機械15によりマクラギをこう上げさせて、道床バラス
トの突固め、豆砕石吹込み、モルタル注入等の軌道の保
守作業を行うことができる。
【0020】図11ないし図15は縦梁2と継材3との
連結部の構造についての第7実施例を示すものである。
継材3は、鋼管からなり、ほぼ、ラダー型マクラギ1の
幅寸法から両端に必要な被り厚さを減じた長さを有して
いる。また、縦梁2内には、長さ方向に沿って、プレス
トレス(圧縮応力)を与えるPC鋼より線32が互いに
平行に複数本設けられ、さらに、これらのPC鋼より線
32と直交する方向に向けて、補強筋33が設けられて
いる。また前記継材3の近傍には、PC鋼より線32と
補強筋33のほかに、継材3との結合力をさらに高める
ための補強筋34が設けられている。また前記補強筋3
4は、継材3の上方および下方から継材3を囲むよう
に、屈曲した形状に形成されている。前記継材3におけ
る縦梁2への埋設部には、スパイラル状の補強筋35が
設けられていて、継材3とその周囲のコンクリートとの
結合力を高めるようになっている。さらに、縦梁2に
は、ケーブルなどを挿通するためのパイプ36が埋め込
まれている。このパイプ36の周囲にはスパイラル状の
補強筋37が設けられていて、コンクリートとの結合力
を高めるようになっている。
【0021】さらに、前記継材3は、図15に示すよう
な構造となっている。すなわち、継材3の両側には、半
径方向外方へ突出するリブ38が設けられて主として継
材3からの回転力をコンクリート中に伝達し、さらに、
このリブ38の上下面には小リブ39が設けられて継材
3からの長手方向の力をコンクリートに伝達するように
なっている。さらに、縦梁2には、前記継材3が配置さ
れる位置を避けて、例えば図9に示すような締結装置7
のインサート20が埋め込まれるが、このインサートの
周囲においても、前記継材3の場合と同様にスパイラル
状に補強筋を配置してインサートとコンクリートとの結
合力を高めることも有効である。また、縦梁2をこれに
隣接する他の縦梁と接続する場合に使用されるインサー
ト(具体的には、雌ねじを有する管)についても、その
周囲にスパイラル状の補強筋を設けてコンクリートとの
結合力を高めることが望ましい。なお、縦梁2の長さ
は、敷設箇所への運搬の便を考慮して、例えば約12.
5メートルに設定される。またインサート(締結装置)
の配置間隔は約0.6メートルに設定され、継材3の配
置間隔は約2.5メートルに設定されている。
【0022】なお、上記実施例では円形の断面を有する
管からなる継材を用いることにより、継材の剛性と強度
をいずれの方向へも均一にしたが、特定方向への剛性と
強度を高めることを目的として、角管状、その他の断面
形状を採用してもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるラダ
ー型マクラギを使用することにより、縦梁がレール長手
方向に配置された構造を持つがゆえに軌きょうの曲げ剛
性を増大させ、列車荷重の分散性を向上させてその繰返
しによる軌道狂いを小さくし、保守作業を軽減すること
が可能である。また、レール直角方向に対しては、縦梁
が横抵抗力を増大させるため、上下方向と同様に軌道狂
いを小さくし、保守作業を軽減することが可能である。
さらに、レール長手方向に対してロングレールのように
隣接する縦梁を相互に緊結して長延長にわたり連続化す
ることにより、縦梁の不連続部の軌道劣化を防止し、加
えて軌道パッドの連続敷設は地盤振動、車輪の転動音、
レールの波状摩耗等も軽減することが可能である。これ
により、軌道における保守作業の投入量が大幅に減少し
て、保守作業に従事する作業者の高齢化と労働力不足に
も対処できる。また、CAモルタル、ゴム、合成樹脂等
の各種バラストレス軌道では、材料・施工費の大幅な低
廉化が可能である。また、縦梁の内側面に形成された溝
内に縦荷重抵抗板を挿入することができる構造としたか
ら、この縦荷重抵抗板を必要に応じて前記溝内に挿入す
ることにより、レール長手方向への抵抗力を高め、しか
も、ラダー型マクラギ本体の構造特性に影響することが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例のラダー型マクラギの構
成図である。
【図2】 図1のA−A断面における断面図である。
【図3】 第1実施例のラダー型マクラギ軌道構造にお
ける道床圧力の分布状態と横マクラギ軌道構造における
道床圧力の分布状態との模式図である。
【図4】 第1実施例のラダー型マクラギ軌道構造にお
ける道床圧力の分布状態と横マクラギ軌道構造における
道床圧力の分布状態の解析結果を図示したものである。
【図5】 本発明の第2実施例を示し、道床材料にCA
モルタルを使用した場合の構成図である。
【図6】 本発明の第3実施例を示し、ラダー型マクラ
ギのレール長手方向に隣接する縦梁を連続化した場合の
構成図である。
【図7】 本発明の第4実施例を示し、ラダー型マクラ
ギの左右一対の縦梁の間に縦荷重抵抗板を設置した場合
の構成図である。
【図8】 本発明の第5実施例を示し、本発明のラダー
型マクラギを曲線区間に適用した場合の構成図である。
【図9】 一般的な締結装置の具体例を示す断面図であ
る。
【図10】 本発明の第6実施例を示し、保守機械によ
り軌きょうをこう上して軌道の保守作業を行う場合の説
明図である。
【図11】 本発明の第7実施例を示し、ラダー型マク
ラギ中の補強鋼材の配置を示す平面図である。
【図12】 図11における継材との結合部の拡大図で
ある。
【図13】 図12のB−B断面図である。
【図14】 図12のC−C断面図である。
【図15】 図11の継材の外観を示す斜視図である。
【図16】 従来の横マクラギを用いたバラスト軌道構
造の構成図である。
【符号の説明】
1 ラダー型マクラギ 2 縦梁 3 継材 4 レール 5 軌道パッド 6 道床バラスト 7 締結装置 8 横マクラギ 9 道床圧力 10 車輪 11 縦荷重抵抗板 12 凹部 13 軌きょうこう上装置 14 突き固め装置ある
いは豆砕石吹き込み装置 15 保守機械 16 CAモルタル 20 インサート 21 支持孔 22 クリップ 23 絶縁材 32 PC鋼より線 33 補強筋 34 補強筋 35 補強筋 36 パイプ 37 補強筋 38 リブ 39 小リブ
フロントページの続き (72)発明者 井上 寛美 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭48−65605(JP,A) 特公 昭36−18403(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01B 3/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のレールの下側に該レールの長手方向
    に向けてそれぞれ設けられた縦梁と、これらの縦梁をそ
    の長手方向に沿って所定間隔毎に複数箇所で互いに連結
    するものであって所定の断面形状をなす鋼材からなる継
    材とから構成されてなり、前記縦梁は、プレストレスト
    コンクリートにより構成され、前記継材は、前記縦梁の
    上面近くおよび下面近くに配置されて圧縮力を与える主
    補強鋼材の間に配置されていて、これらと交差しつつ、
    縦梁の両外側部に達する長さを有して縦梁中に埋設され
    たことを特徴とするラダー型マクラギ。
  2. 【請求項2】前記縦梁とレールとはレールの長手方向に
    沿う複数箇所で互いに連結されたことを特徴とする請求
    項1に記載のラダー型マクラギ。
  3. 【請求項3】前記継材の横断面は、前記縦梁の高さより
    小なる直径の円形であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のラダー型マクラギ。
  4. 【請求項4】前記一つの縦梁の間に縦荷重抵抗板を設け
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    のラダー型マクラギ。
  5. 【請求項5】前記一対の縦梁の内側の側面には、前記縦
    荷重抵抗板の端部を挿入するための溝が上下方向に向け
    て設けられたことを特徴とする請求項4に記載のラダー
    型マクラギ。
  6. 【請求項6】前記溝は、前記一対の縦梁の側面から突出
    して設けられた治具に形成されたことを特徴とする請求
    項5に記載のラダー型マクラギ。
  7. 【請求項7】前記縦梁は、バラスト、CAモルタル、ゴ
    ム、または合成樹脂、若しくはこれらの組み合わせによ
    り構成された道床上に敷設されたことを特徴とする請求
    項1ないし6のいずれかに記載のラダー型マクラギ。
  8. 【請求項8】長手方向に隣接する縦梁は互いに緊結され
    たことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載
    のラダー型マクラギ。
  9. 【請求項9】一対のレールの下側に該レールの長手方向
    に向けてそれぞれ設けられた縦梁と、これらの縦梁をそ
    の長手方向に沿って所定間隔毎に複数箇所で互いに連結
    するものであって所定の断面形状をなす鋼材からなる継
    材とから構成されてなり、前記縦梁は、プレストレスト
    コンクリートにより構成され、前記継材は、縦梁の上面
    近くおよび下面近くに配置されて圧縮力を与える主補強
    鋼材 の間に配置されてこれらと交差しつつ、縦梁の両外
    側部に達する長さを有し、前記縦梁とレールとはレール
    の長手方向に沿う複数箇所で互いに連結されたことを特
    徴とする車両用軌道。
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