JP3217143U - 哺乳器用吸飲具及びその吸飲具を用いた哺乳器 - Google Patents

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Abstract

【課題】幼犬・幼猫等の動物のほか、人間の新生児や乳児にも授乳可能な哺乳器に関するもので、生後間もない幼齢動物への母乳に代わるミルク等の栄養水分を安全確実に行えるようにした哺乳器用吸飲具及びその吸飲具を用いた哺乳器を提供する。
【解決手段】哺乳瓶1の開口に取り付けるための装着基部5を有するストロー4の途中に中空内径を潰さずに折り曲げることができる蛇腹形状または折り曲げ癖の付いている材質のコイルばね等の屈曲部7を成形し、ストロー先端部にストッパー6付きの吸飲部8を設け、ストロー基端部を哺乳瓶1の開口に取り付けたキャップ2の孔に装着基部5を介して装着するようにした。
【選択図】図1

Description

本考案は、哺乳器用吸飲具及びその吸飲具を用いた哺乳器に関するもので、主として幼犬・幼猫等動物用哺乳器に関するもので、生後間もない幼齢動物への母乳に代わるミルク等の給餌を安全確実に行えるようにし、また、人間の新生児や乳児にも使用できるようにしたことを目的とする。
一般に子犬、子猫等の動物は一度に複数匹生まれても、幼齢動物同士の力関係で弱い動物は授乳不足になり、又は母親が授乳放棄したりする場合はそのまま放置しておくと死に至ることがある。
そこで、ブリーダーやペットショップにおいて、子犬や子猫等の幼齢動物にミルクその他の栄養水分を与えて2ヶ月位は手元で育ててから販売するのが通常である。
従来、犬猫等の幼齢動物にミルク等を与える場合、図8に示すように市販の哺乳器は哺乳瓶1′の開口部1′に外径ねじ1′と内径ねじ2′を介して被せた蓋2′にあけた孔3′に対し、先端に細孔9′を有する乳首8′付きの***を模した基部5′を装着したものを使用している。
特開平08−131520号公報 実用新案登録第3021944号公報 http://www.morinyu-pet.com/product/injector「森乳 ワンラック哺乳器 細口乳首 [子犬用 子猫用哺乳器 スペア付き120ml]」
特許文献1は、哺乳瓶との係合部に細長い乳頭部を成形した幼児用乳首に関するものであるが、これを幼齢動物に哺乳瓶を立てて用いると乳頭孔からミルクを与えすぎて幼齢動物の肺に入り込んで死に至る等の事故に繋がる恐れがある。
反対に哺乳瓶を横向きにすると中身が乳首まで届かず、幼齢動物は自力で飲むことができず、授乳者が哺乳瓶を押圧して飲ませる必要があり、その際にも気を付けないとミルクを誤嚥して肺に入り込み肺炎を起こして死に至ることが往々にして発生する恐れがある。
また、細長い乳頭部にはストッパーがないのでこれを幼齢小動物の口に含ませたときに、誤って喉の奥まで挿入して窒息や誤嚥させる原因になる。
特許文献2は、びん体と乳首とが分離して形成され、その両者が可撓性ホース手段により連続した哺乳びんに関するものであり、これによって、乳児ないし保護者が重いびん体を保持することなく授乳できるとしている。しかしこれを生後間もない幼犬や幼猫等の幼齢動物に適用するには、授乳者が哺乳びんを手に持たなければ授乳することができない。また、構造上ホースを長く構成しなければならないので、幼齢動物が自力で吸飲して中身を摂取することができないか、できたとしてもきわめて困難である。
特許文献3は、図8に示すような子犬用 子猫用の哺乳器であるが、生後直後ないし1〜2週間程度の幼犬や幼猫に使用するには、よほど気をつけないと授乳し過ぎて肺に入り込み死に至る事故が発生する恐れがある。
また、授乳の際に乳首が途中から折れ曲がると乳首が潰れてミルクの通りが遮断され授乳に支障を来す問題が生じていた。
本考案は上記従来の課題を解決するために提供するものであり、本考案の第1は哺乳器用吸飲具において、哺乳瓶の開口に取り付けるための装着基部を有するストローの途中に中空内径を潰さずに折り曲げ可能な屈曲部を成形し、ストロー先端部にストッパー付きの吸飲部を設けたものである。
本考案の第2は第1の哺乳器用吸飲具において、ストローの屈曲部を蛇腹状に成形したものである。
本考案の第3は第1の哺乳器用吸飲具において、ストローの屈曲部に屈曲状態を保持する材性質のコイルばねを装着したものである。
本考案の第4は哺乳器用吸飲具を用いた哺乳器において、ストローの途中に中空内径が潰さずに折り曲げ可能な屈曲部を形成し、ストロー先端部にストッパー付きの吸飲部を成形し、ストロー基端部を哺乳瓶の開口に取り付けたキャップの孔に装着基部を介して装着するようにしたものである。
本考案は上記の構成であるから、次のような効果がある。
(1)ストローの途中に当該ストローの内径が潰れずにあらゆる方向に屈曲できるから、哺乳瓶の開口部を下に向けてほぼ垂直に立ててストローは横向きにしても中身を安定して通ることができ、子犬や子猫等の幼齢動物でも自力でミルクを吸飲することができる。
(2)授乳者は、生後間もない子犬や子猫等幼齢動物を一方の片手で軽く支え、他方の手で哺乳瓶を持ち、ストローを水平ないし斜めに向けてその先端の吸飲部を幼齢の小動物に咥えさせると、幼齢動物は自力で哺乳器のミルクを吸飲して摂取することができる。この場合、所定長さ吸飲部の基部にストッパーが形成されているので幼齢動物の喉奥までは届かずに安全である。
(3)授乳者が哺乳瓶の胴部を押すと中身が押し出されるが、生後間もない子犬や子猫にとっては肺に入って死に至ることが多くあるが、本考案にあっては、ストロー体の途中に角度があらゆる方向に自由に屈曲調節できる屈曲部を設けてあることにより、授乳者が容器を掴んで押すなどの手を一切加えず、あくまでも幼齢動物自身の吸飲力で摂取することができる。
(4)従来は幼齢の動物に授乳するときに往々に発生していた誤嚥による肺炎を防止することができる。
(5)本考案の哺乳器を使って人間の新生児や乳児に授乳する場合は、母親又は母親以外の授乳者が腕で支えた状態で授乳するほか、仰向けに寝かせた状態でも授乳者が哺乳瓶を横向きに持ってストロー吸飲部を縦にすることにより、新生児や乳児は自力で安全確実に吸飲することができる。
本考案に係る吸飲具を用いた哺乳器の正面図である。 図1のストローを垂直にした哺乳器の一部縦断正面図である。 哺乳器用吸飲具を備えたキャップの底面図である。 哺乳器の使用状態の正面図である。 図2の他の実施例を示す一部の縦断正面図である。 図2における屈曲部のさらに別の実施例を示す一部の正面図である。 生後間もない幼犬に授乳している状態の斜視図である。 従来公知の哺乳器を示す一部縦断正面図である。
本考案は上記の構成において実施する形態は次のとおりである。幼犬や幼猫等幼齢動物用として、哺乳瓶のねじ付き開口部に取り付けるねじ付きキャップの中央にストロー取付け用の孔を設け、その孔に90度前後はもちろんのこと、あらゆる方向に折り曲げが自由でありながら中空内径が潰れないように蛇腹形状が付いている屈曲部を設けたストローの基部を装着し、当該ストローの先端部にストッパー付き吸飲部を設けたものである。
図1〜図4は本考案に係る哺乳器用吸飲具の1実施例を示すもので、1は哺乳瓶、2は哺乳瓶の開口12に設けた外径ねじ11にねじ込む内径ねじ21付きのポリプロピレンその他の樹脂製キャップであり、その中央部にストロー基部を装着するための孔3があけられている。4はポリプロピレン樹脂またはシリコン樹脂製のストローであり、基端を漏斗状基端部5の孔51に挿し込んである。当該漏斗状基部5は、キャップ2の孔3の縁辺に装着するための横向き凹溝付きの取付け座52を設け、先端に母親犬や母親猫の***を模したストッパー6を成形してある。なお、ここでいうストローとは、飲み物を吸うための細い管を意味する。また、漏斗状とは、液体を口径の広い部分に注いで狭い筒から出す器具を意味する。前記のストロー4の基端部と漏斗状基部5を別部材で成形してあるが、両者4・5を一体成形することができる。なお、ストロー4と漏斗状基部5を別体にしたときは、当該ストロー4の基端部を保持部材5で漏斗状基部5に保持するものとする。
7はストロー4の基部付近に設けた屈曲部であり、ストロー外周を山折りと谷折りを繰り返す加工によって蛇腹形状を成形してある。ここでいう屈曲部とは、あらゆる方向に折り曲げることが可能な部分という意味である。この屈曲部7の折り曲げによって、ストロー4の中空内径を潰さないで90度前後に自由に折り曲げることができる形状にしてある。上記の屈曲部7は、蛇腹形状のほか、図7のように90度前後に折り曲げたとき、その折り曲げ状態を維持する屈曲癖を付けてある材質のコイルばね7′をストロー4に巻き付けて装着することもできる。
8は***状ストッパー6の先端に成形した吸飲部であり、図示例は長さ約15.0mm、直径=5.0mmに設定したものを示すが、その長さや直径は幼齢動物の種類や成長に合わせて長短の調節設定や太さの調節設定を行うことが可能である。また、人間の新生児または乳児の場合は、母親の乳首を模した直径にすることが望ましい。
9は吸飲部8の先端にあけた吸飲用細孔を示す。その細孔の形状は乳幼児用哺乳びんと同様に丸形(○)、スリーカット(Y)、クロスカット(×)があり、動物の種類や成長に合わせて適宜に選択できる。
図5は、哺乳器用吸飲具の第2実施例であり、ストッパー6を平らな円板形にしてストロー4と一体に成形してある。また、ストロー4の屈曲部7は第1実施例と同じであるが、漏斗状基部5を椀形の漏斗状の代わりに浅底の漏斗状基部にして一体成形してある。当該浅底漏斗状基部5は、横向き凹溝付きの取付け座52をキャップ2の孔3の縁辺に装着してある。
図6は、哺乳器用吸飲具の第3実施例であり、ストロー4の基部付近に屈曲癖を付けてある材質のコイルばね7′を巻き付けて装着して屈曲部としたものを示す。
「具体的な使用例」
図7は生後1週間程度の幼犬Aに授乳している状態を示し、授乳者が左手で幼犬を軽く包むように支え、右手で哺乳瓶1を垂直ないし斜めに立てて握り、ストロー4をほぼ直角に折り曲げ、略水平状態を保ちながら吸引部の先端に位置するストッパー6の先端吸飲部8を幼犬Aの口に含ませて吸飲させる。
この状態で歯が生えていない幼犬Aは吸引部8を口に含んで自力で吸飲してミルク等の水分を摂取する。したがって、授乳者は哺乳瓶1を強く握ってミルクを押し出したりすることは一切行わない。もし、授乳者が持っている哺乳瓶1を強く押してミルクを必要以上に注入すると、誤嚥して肺炎を起こすことがあり、誤嚥性肺炎による死亡事故が数多く発生しているのが実情である。
また、授乳者は幼犬Aが吸飲部8を口に含ませたときに誤って奥に押し込みすぎてもストッパー6によって喉の奥には侵入しないので幼犬の命に係わることはなく安全である。
本考案に係る哺乳器を人間の新生児や乳児に使用する場合は、吸飲部8を幼犬や幼猫等の動物用のものより太めにして母親の乳首に似せた形状にするものを用いることができる。
本考案は、幼犬や幼猫のほか、生後間もないウサギやシマリスやハムスター等の幼齢動物に適用することができる。また、屈曲部を有するストロー付きの哺乳器を人間の新生児や乳児にも授乳することが可能であり、用途の拡大が図れる。
1…哺乳瓶
1…哺乳瓶開口の外径ねじ
2…哺乳瓶の開口
2…キャップ
1…キャップの内径ねじ
3…キャップ中央部の孔
4…ストロー
5…ストロー取付け用の漏斗状基部
…ストロー体の装着孔
6…ストッパー
7…屈曲部
8…吸飲部
9…細孔

Claims (4)

  1. 哺乳瓶(1)の開口(1)に取り付けるための装着基部(5)を有するストロー(4)の途中に中空内径を潰さずに折り曲げ可能な屈曲部(7)を成形し、ストロー先端部にストッパー(6)付きの吸飲部(8)を設けたことを特徴とする哺乳器用吸飲具。
  2. ストロー(4)の屈曲部(7)を蛇腹状に成形した請求項1記載の哺乳器用吸飲具。
  3. ストロー(4)の屈曲部(7)に屈曲状態を保持するコイルばね(7′)を装着した請求項1記載の哺乳器用吸飲具。
  4. ストロー(4)の途中に中空内径を潰さずに折り曲げ可能な屈曲部(7)を形成し、ストロー先端部にストッパー(6)付きの吸飲部(8)を設け、ストロー基端部を哺乳瓶(1)の開口(1)に取り付けたキャップ(2)の孔(3)に装着基部(5)を介して装着するようにしたことを特徴とする哺乳器。
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