JP3215898B2 - プラズマcvd法およびプラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマcvd法およびプラズマcvd装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】気相中の化学反応により基板上に
金属などの薄膜を形成するプラズマCVD法および半導
体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の微細加工技術の進展による半導体
装置の高密度化はめざましく、今やサブミクロンの構造
を持つ半導体装置が市場に出回っている。一方、研究・
開発においては、ハーフミクロンやクォーターミクロン
の構造を持つ半導体装置の実用化がターゲットになって
きている。このような、寸法の縮小化(スケーリングダ
ウン)は、半導体装置の動作を高速化するとともに、高
密度化により信頼性を大いに高めている。
【0003】ところで、、MOSトランジスタなどで
は、この縮小化によりトランジスタのチャネル長を短く
していくと、短チャネル効果が生じてきてトランジスタ
動作が阻害されてしまうので、この短チャネル効果を防
止するためトランジスタのソース・ドレインの接合の深
さを浅くする(浅接合化)努力が行なわれている。一
方、縮小化によってトランジスタや配線の2次元的寸法
を縮小させても、配線の電気抵抗や配線間の電気容量は
小さく保つ必要があるので、配線や層間絶縁膜の厚さを
縮小化に合わせて縮小することはできない。そのため、
ソース・ドレインと配線間を接続する絶縁膜に開けられ
たコンタクトホールの縦横比(アスペクト比)が大きく
なり、コンタクトホールの底にあるソース・ドレインの
高濃度シリコン表面とコンタクトホールに埋め込む金属
との間で、低いコンタクト抵抗を得ることが難しくなっ
てきている。
【0004】さらに、これまでそれらパタンの寸法が大
きかったときには、ディバイスの設計上、高濃度シリコ
ンの電気抵抗は問題にならなかったが、それらの浅接合
化や縮小化によってこれらの問題が目立つようになって
きた。この新たな問題を解決するために、ソース・ドレ
イン層やゲート電極などの高濃度シリコン上に、高融点
金属のシリサイド膜を形成して抵抗を低くする研究が近
年盛んに行なわれている。従来、このシリサイド膜の形
成は、シリコン層の上にスパッタリングなどにより金属
膜を堆積し、これを加熱することで堆積した金属とシリ
コンとを反応させて金属をシリサイド化し、絶縁膜上に
堆積されているシリサイド化していない未反応の金属膜
をウォッシングして取り除き、シリコン層のみに選択的
にシリサイド膜を形成していた。
【0005】しかしながら、このスパッタリングによる
金属膜の形成では、高アスペクト比のコンタクトホール
の底に必要な厚さの金属膜を形成することが困難であっ
た。また一方、上述のように、金属を堆積させてから熱
により下層のシリコンと反応させ金属をシリサイド化す
る方法では、シリコン面と絶縁膜面の境界でシリサイド
化が進みすぎ、反応生成するシリサイドが絶縁膜上へ這
い上がったり、シリコン層中にスパイク状に進入したり
すると言う問題があった。
【0006】このような問題を解決するため、シリサイ
ド膜をCVD法により形成する試みが成されてきてい
る。CVD法による成膜は、原料ガスを被成膜固体上に
送り、被成膜固体表面でのそのガスの反応、および気相
中で反応した分子の被成膜固体表面への拡散によって被
成膜固体表面に膜を堆積するので、アスペクト比の高い
コンタクトホールの底面に必要な厚さの膜を堆積するこ
とが可能である。1例として、4塩化チタンガスを用い
たチタンシリサイド膜を形成するCVDがある。このC
VDによるチタンシリサイドの成膜では、シリコン表面
のみに選択的にチタンシリサイド膜を成長させることが
できる。この成膜では、シリコン層でない絶縁膜上にシ
リサイド膜が這い上がったり、シリコン層中へシリサイ
ド膜が深く進入したりする事がないと言う特徴がある。
【0007】しかしながら、このCVD法にも以下に示
すいくつかの欠点がある。1つは、成長させた膜の結晶
粒径が大きく、膜の表面モホロジーが悪いと言う欠点で
ある。また2つめとしては、成膜原料となるソースガス
の供給から、膜の成長までの時間(潜伏期間:インキュ
ベーションタイム)にばらつきが生じると言うことであ
る。このばらつきは、薄い膜の堆積では部分的な膜成長
の有無と言う現象になり、厚い膜の堆積では厚さのばら
つきになる。これらの問題は、CVD法を浅接合のソー
ス・ドレイン層上や電極の上に形成する場合には致命的
になることがある。
【0008】ここで、プラズマCVD法と装置の従来技
術について説明する。プラズマCVD法は、ソースガス
の熱分解温度よりも低い温度で膜を堆積させることがで
きるなどの特徴を持っており、従来より半導体装置の製
造に利用されている。ここでは、プラズマエンハンス
VD(PECVD)やプラズマアシステッドCVD
(PACVD)なども含めて、プラズマでソースガスの
熱分解を促進させることによって膜堆積を行うCVD
を、プラズマCVDと言うことにする。
【0009】従来、プラズマCVD法は、主に絶縁膜の
堆積に利用されており、半導体膜や金属膜の堆積にはほ
とんど利用されていない。その主な理由は、半導体膜や
金属膜をプラズマCVD法で形成すると、反応容器の壁
やプラズマ生成用電極間に堆積した膜が、その電極間を
電気的に短絡させてしまい、プラズマを起こすための放
電ができなくなってしまうためである。そのため、半導
体膜や金属膜をプラズマCVDで形成するには、電極間
が短絡しないように特別に工夫した装置が必要である。
【0010】そのように工夫した装置の例は数少ない
が、従来のこのような装置の1例を以下に紹介する。図
5は、絶縁膜および半導体膜,導体膜を堆積するために
開発されたホットウォール型のPECVD装置である。
この装置は、文献1(ジャーナル オブ バキュウム
サイエンス アンドテクノロジィ、B2巻、第4号、7
33頁、1984年)に記載されている。
【0011】図5(a)は、この装置を側面からみた構
成図、図5(b)は図5(a)の構成図の断面を示す断
面図である。この装置は、石英管81の内部に交互に設
けた電極82および電極83を、高周波電源84に接続
し、この高周波電源84により高周波電圧を電極82,
83の間に印加してその電極82,83の間にプラズマ
を発生させ、電極82と電極83の表面に装着したウエ
ハ85の表面に膜を堆積するようになっている。石英管
81の内部は、真空排気系86によって減圧され、石英
管81の他端からソースガス87が供給される。石英管
81内部の電極82,83とウエハ85は、図示されて
いないボートに支持されており、そのボートは、導体膜
などの堆積により電極82と電極83の間が短絡されな
いような特別な構造となっている。但し、この正確な構
造は良くは知られていない。
【0012】次に、このプラズマCVD装置で半導体膜
や導体膜を堆積する従来の方法について説明するが、そ
の例は数少ない。文献1に記載された、PEVCD装置
を用いて、非晶質シリコン膜,多結晶膜およびチタンシ
リサイド(TiSix )膜を堆積した例が報告されてい
る。文献1に記載されている、このチタンシリサイド膜
の堆積について簡単に紹介する。
【0013】石英管81内の電極82,83に装填した
ウエハ85を300〜500℃に加熱し、ソースガスと
して4塩化チタン(TiCl4 )ガスとモノシラン(S
iH4 )ガス、希釈ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを
用いて、4塩化チタンガスを25〜100cc/min
(以後、ガスの流量におけるガスの体積は、0℃,1気
圧における体積とする)、モノシランガスを250cc
/min、アルゴンガスを800〜4000cc/mi
n供給して石英管81内の圧力を100〜266Paと
して、50kHz,100Wの高周波を印加して非結晶
のチタンシリサイド膜を60〜80Å/minの速度で
成長させている。これにより形成されたチタンシリサイ
ド膜は、非選択的(ブランケット)にほぼ均一に成長し
ている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の文献1に記載さ
れているような装置は以上のように構成されているので
ウエハの表面がプラズマを生成する高周波電極の一部に
なり、ウエハの表面が強いプラズマにさらされることに
なるために、膜の堆積がブランケット(非選択的)にな
り、選択成長ができないという問題があった。また、半
導体装置を製造する過程で高融点金属からなる珪化物の
膜を形成するときに、ウエハの表面がプラズマによるダ
メージを多く受けると言う問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明のプラズマCV
D法は、以上の問題点を解決するために、成膜対象のシ
リコン面を含む基板を載置した反応室と、この反応室に
連通し、かつこの反応室との境界に複数の穴を備えた絶
縁体からなるアパーチャ板を配置したプラズマ発生室と
を真空排気する工程と、基板を加熱する工程と、プラズ
マ発生室に不活性ガス,水素ガス,または不活性ガスと
水素ガスとの混合ガスの中から選ばれた第1のガスを供
給し、プラズマ発生室と反応室との間に所定の圧力差を
設ける工程と、プラズマ発生室に高周波を印加して第1
のガスのプラズマを生成するとともに、プラズマ発生室
に印加した高周波によって反応室内に第1のガスのプラ
ズマを生成する工程と、反応室内に四塩化チタン,また
は四塩化チタンとシリコンの水素化物との混合ガスのい
ずれかの原料ガスを供給し、第1のガスと原料ガスの混
合ガスのプラズマを生成させ、基板のシリコン面のみに
珪化チタンを選択的に成長させる工程とを備えるように
したことを特徴とする。
【0016】一方、この発明のプラズマCVD装置は、
反応室内に載置され成膜対象の基板を載置する基板載置
台と、基板を加熱する加熱手段と、反応室に連通して所
定のガスのプラズマを生成するプラズマ発生室と、プラ
ズマ発生室と反応室との境界に配置された複数の穴を備
えたアパーチャ板と、反応室内を真空排気する排気手段
と、プラズマ発生室に連通して所定のガスを供給するガ
ス供給手段と、反応室内に成膜原料となる原料ガスを供
給する原料ガス供給手段と、プラズマ発生室に高周波電
力を印加する高周波源とを備え、アパーチャ板は複数の
穴を有する絶縁体からなり、プラズマ発生室に印加した
高周波が反応室に漏れる構造であり、かつ、複数の穴の
各々の径は、プラズマ発生室内で発生したプラズマが通
過できる大きさであり、複数の穴の径とこの数は、プラ
ズマ発生室に所定のガスを供給したとき反応室との間に
所定の圧力差を生じせしめる径と数であり、プラズマ発
生室に印加した高周波によって反応室内に所定のガスと
原料ガスとの混合ガスのプラズマが生成されるものであ
ることを特徴とする
【0017】
【作用】例えば、不活性ガスや還元性ガスなどのプラズ
が反応室に供給されることになる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の1実施例を図を参照して説
明する。 (実施例1)図1は、この発明の1実施例であるプラズ
マCVD装置の構成図である。1はプラズマ発生室であ
り、PBNや石英ガラスで作られた径が約10cmの放
電管2、放電管2の外側にまかれた高周波コイル3、放
電管2の上部に設けられた不活性ガスや還元ガスのガス
供給口4、および、放電管2の下部に設けられた厚さ1
mmで径が2mmの大きさの孔(アパーチャ)を約50
個開けたPBNや石英ガラスからなる径が約10cmの
アパーチャ板5から構成されている。また、6は反応
室、7はウエハ、8は反応室6内に配置されウエハ7を
加熱するヒータ、9は反応室6内にソースガスや還元ガ
スを供給するソースガス供給口、10は反応室内のガス
が排気される排気口、11は高周波コイル3に高周波電
圧を供給する高周波電源である。
【0019】アパーチャ板5は、プラズマ発生室1に供
給されたガスの流れを絞り、プラズマ発生室1と反応室
6との間にガス圧力の差を設ける。ガスの供給はマスフ
ローコントローラー(図示していない)で制御し、排気
は、ターボ分子ポンプや油拡散ポンプなどの高真空に排
気できるポンプで行なうのが好ましく、また、ウエハ7
の反応室6内への装填は、反応室内6への酸素や水分の
進入を防いでくれるロードロック機構によるのが望まし
い。この装置は、コールドウォール型の枚葉処理のプラ
ズマCVD装置であり、ウエハ7の反応室6内への装填
を自動化するのがバッチ処理型の装置に比較して容易で
ある。
【0020】この装置を動作させるには、プラズマ発生
室1内の圧力がプラズマを発生させるのに十分な圧力と
なるように、ガス供給口4からアルゴンなどの不活性ガ
スや水素などの分解しても堆積物を生じない還元ガスを
供給し、高周波電圧をコイル3に印加してプラズマを発
生させる。プラズマ発生室1内に発生した不活性ガスの
プラズマは、アパーチャ板5のアパーチャ径が極端に小
さくなければ反応室6内に漏れてくる。また、アパーチ
ャ板5は、絶縁体であるため高周波が反応室6内に漏れ
てきて、反応室6内に低密度のプラズマを発生させる。
【0021】例えば、ガス供給口4からガスを50cc
/min供給し、1000l/s程度の排気能力を持つ
ポンプで管径が約10cmの排気口10からガスを排気
すると、プラズマ発生室1内の圧力は約7.2Paとな
り、反応室6内の圧力は、約0.35Paになる。通常
のプラズマ発生装置でプラズマを発生させると、0.3
5Pa程度の低圧では、プラズマは不安定で消滅してし
まうこともあるが、この発明に装置では、プラズマ発生
室1内の圧力がプラズマ状態を安定させるのに十分であ
り、このプラズマがアパーチャ5を介して反応室6に供
給されるので、0.35Paと低い圧力状態の反応室6
においても、低密度のプラズマを安定して発生させるこ
とができる。そして、低密度プラズマが安定に発生して
いる状態の反応室6内に、ソースガスを供給すると、ソ
ースガスはプラズマの作用で分解が促進される。
【0022】ところで、アパーチャ板5のアパーチャの
径を、例えば1mm以下と極端に小さくすると、反応室
6内の圧力が低くなりすぎるのと、アパーチャ内でプラ
ズマが途切れるために、反応室6内にプラズマが発生し
なくなる場合がある。この場合には、アパーチャ板5の
アパーチャからは反応室6側には反応性イオンは出ず、
中性原子や原子やラジカルのみが出てくる。このような
状態では、プラズマ発生室1は原子・ラジカルビーム源
として作用する。CVDにおけるソースガスの分解の促
進のためには、反応室6内に低密度のプラズマが発生す
る状態でないとその効果を得ることができず、原子・ラ
ジカルビーム源では効果は得られない。
【0023】一方、アパーチャの径を大きくし過ぎる
と、コンダクタンスが大きくなりすぎ、プラズマ発生室
6と反応室1との間の圧力差が小さくなるとともに、ガ
スの流れが緩くなって、ソースガスがプラズマ発生室内
6内に進入し易くなってしまう。例えば、アパーチャ板
5のアパーチャ径を4mmとし、プラズマ発生室1に5
0cc/minのガスを供給し、前述の排気系で排気す
ると、プラズマ発生室1の圧力は約1.8Paで、反応
室6の圧力は0.35Paとなる。プラズマ発生室1と
反応室6の圧力比は、前述のアパーチャ径が2mmのと
きには20倍であったが、アパーチャ径が4mmになる
と5倍に落ちてしまう。プラズマ発生室1と反応室6の
圧力の比は、アパーチャのコンダクタンスにほぼ比例す
るので、アパーチャ板5のアパーチャ径の比の2乗にほ
ぼ反比例する形で変動する。
【0024】このように、ソースガスがプラズマ発生室
1内に進入してくると、プラズマ発生室1内で膜の堆積
が起こり、プラズマ発生室1内を汚染し、電極に膜の堆
積が起こることによりプラズマ発生のための放電が起こ
り難くなったりする。したがって、この発明では、アパ
ーチャ板5のアパーチャ径は余り大きくすることはでき
ない。この装置では、アパーチャ板5のアパーチャでの
ガスの流れのために、ソースガスがプラズマ発生室内に
進入し難いので、安定してプラズマを発生させることが
できる。
【0025】アパーチャ板5の反応室6側の面は、ソー
スガスにさらされるが、アパーチャ板5は、高周波やヒ
ータからの複写で加熱される以外には加熱されないの
で、それほど高温にならず、膜の堆積は少ない。ウエハ
7上の膜成長を選択成長の条件にすると、アパーチャ板
5の面も選択成長の条件になり易いため、膜は成長しな
い。このような条件での使用では、長期間変動なく安定
に使用できる。また、アパーチャ板5の面に膜が堆積し
て高周波のマッチング条件が変動してしまうような場合
には、例えば、3弗化塩素(ClF3 )ガスを反応室に
供給して、プラズマを発生させれば、容易にクリーニン
グできる。
【0026】(実施例2)図2は、この発明のプラズマ
CVD装置の第2の実施例を示す構成図である。2aは
放電管、6aは反応室であり、図2に示すように、放電
管2aと反応室6aはアパーチャ板5を介して接続され
ており、図1に示す実施例1とは異なり、放電管2aは
大気中に露出している。このような構成では、放電管2
aの側壁は大気圧に耐えられるように、実施例1の放電
管2より厚い石英ガラスなどで形成される。この構造で
は、放電管2aの外側と高周波コイル3とが反応室6a
の外になるため、その部分に膜が堆積したり、堆積物で
汚れたりしない。
【0027】(実施例3)ところで、上記実施例ではプ
ラズマの発生に高周波を用いたが、これに限るものでは
なく、マイクロ波を導波管でプラズマ発生室に導いてプ
ラズマを発生させるようにしても良い。また、プラズマ
発生室に磁場をかけて、ECR条件を満足させ、ECR
プラズマ源としても高周波でプラズマを発生させるのと
同様な効果が得られる。
【0028】(実施例4)次に、この発明のプラズマC
VD法の実施例について説明する。この方法は、実施例
1および実施例2のプラズマCVD装置、あるいはウエ
ハ表面に低密度プラズマCVDを発生できる他のプラズ
マCVD装置を用いて実施可能であるが、以下の実施例
では、この発明の実施例1のプラズマCVD装置を用い
て実施した例を説明する。
【0029】ガスを供給する前にプラズマ発生室1と反
応室6を、排気口10に接続された1000l/sの排
気能力を持つポンプにより、水分や酸素などの不必要な
ガスの分圧が1×10-4Pa以下の高真空になるように
排気した。ウエハ7は、ヒータ8によって予め約720
℃に加熱し、ここに、ガス供給口4よりアルゴンを30
cc/min、還元ガスとして水素を20cc/min
供給した。ここで、アルゴンはプラズマ発生を容易にす
るために供給しており、その供給量はアパーチャ板5の
アパーチャ径の大きさと排気能力とに合わせた。その結
果、反応室6の圧力は、約0.35Paになった。
【0030】この状態で高周波を50〜1000W印加
してプラズマを発生させると、プラズマ発生室1から漏
れたアルゴンのプラズマと高周波により、反応室6内に
も低密度のプラズマが発生し、ウエハ7の表面近くにも
プラズマの発光が僅かにみられる状態になった。但し、
以下の膜成長においては、高周波電力を200Wに固定
した。
【0031】次に、ソースガス供給口9からソースガス
として4塩化チタンガスを約0.4cc/min供給す
ると、ウエハ7のシリコン面のみにチタンシリサイド膜
が選択的に成長した。4塩化チタンガスの供給によるプ
ラズマの発生状態の変化は僅かであった。チタンシリサ
イド膜の成長速度は、およそ100Å/minであり、
チタンシリサイド膜は結晶粒がつながった形で形成され
た。結晶粒径は、プラズマを発生させないで熱のみで成
長させる場合よりも小さく、また、成長した膜表面の凹
凸(表面モホロジー)も小さかった。また、チタンシリ
サイド膜成長の選択性は極めて良好であり、プラズマを
用いているにもかかわらず、シリコン酸化膜の上には全
く成長しなかった。
【0032】チタンシリサイドの選択成長は、上記の条
件のみでなく、種々の条件で可能である。例えば、ウエ
ハの加熱温度を600℃以上とすると、低抵抗のチタン
シリサイド膜が得られるが、用いる温度によってチタン
シリサイド膜の膜質(組成、結晶粒径、表面モホロジ
ー、電気抵抗など)や成長速度は変化する。すなわち、
700℃以上の比較的高温では、C54型もしくはC4
9型のTiSi2 が成長し易く、その粒径は大きめにな
り、その膜の抵抗は小さくなる。また、600〜700
℃の比較的低温では、Ti5Si3が成長し易く、結晶粒
径はやや小さく、膜の抵抗は高めになる。
【0033】なお、プラズマを発生させるためのアルゴ
ンと水素の供給量は、アパーチャ板5によるガスの流れ
のコンダクタンスと排気能力に合わせて、プラズマが安
定に発生できるように決めれば良く、上記の流量に限る
ものではない。例えば、水素は流量が5cc/minで
も還元効果を持ち、また、100cc/min以上供給
すれば、アルゴンを供給しなくても放電が持続し、プラ
ズマが発生する。
【0034】また、高周波電力は、大きくするほどプラ
ズマ密度は高くなり、ソースガスや還元ガスを励起する
能力が高まるが、投入した電力が反応室6の低密度プラ
ズマの発生に直接使われてはいないので、大電力を投入
したとしても反応室6のプラズマ密度はプラズマ発生室
1よりも桁違いに低い。そのため、500W以上の電力
でも、チタンシリサイド膜の選択成長が可能であり、低
電力とすることで、プラズマによってウエハ表面が受け
るダメージも小さい。
【0035】ところで、4塩化チタンの供給量は、成長
速度,膜質,シリコンの消費量(食い込み量)に変化を
もたらし、特に、チタンシリサイド膜の成長速度に大き
な影響を与える。4塩化チタンガスの供給量を0.05
cc/min程度に少なくしても、チタンシリサイド膜
は選択成長するが、成長速度はかなり小さくなる。チタ
ンシリサイド膜が選択成長する4塩化チタンガスの供給
量の上限は定かではないが、少なくとも、その供給量が
0.5cc/min程度では選択性は崩れない。プラズ
マの密度を上ずに塩化チタンガスの供給量を多くしてい
くと、プラズマの効果が薄れて、熱CVDに近くなって
いき、また、チタンシリサイド膜の成長速度も大きくな
っていく。
【0036】ソースガスに4塩化チタンガスを用い、還
元ガスに水素ガスを用いる限りは、プラズマCVDであ
っても、チタンはシリコンと結合しないと堆積しない傾
向が強い。したがって、4塩化チタンガスの流量など上
記の条件を大幅に変えても選択性は崩れ難い。この実施
例によって、チタンシリサイド膜の所望の成長速度や膜
質を得るためには、予め条件を変化させて膜を成長さ
せ、その膜を評価することにより最適な膜成長条件を求
めておくと良い。
【0037】一般に、金属膜の選択成長においては、ソ
ースガスにフッ素ガスを用いたものを除けば、選択成長
させるための面には、非常に高い清浄度が要求される。
これは、チタンシリサイド膜の選択成長性を半導体,導
体と絶縁体との間で起こさせているので当然である。選
択成長させようとするシリコン面が清浄でなく、自然酸
化膜が成長しているような表面には、膜が成長しなかっ
たり、島状に成長してしまったりする。しかし、この発
明のプラズマCVD法では、シリコン面に多少の自然酸
化膜が成長していても、モホロジーの良い膜を選択成長
させることができる。
【0038】例えば、希弗酸に浸漬してシリコン面上の
自然酸化膜を除去してシリコン面の疎水性を出し、純水
ですすいだ後、過酸化水素水に浸漬してシリコン面を酸
化して親水性にし、純水ですすいで乾燥させたウエハに
この発明のプラズマCVDを適用しても、表面モホロジ
ーの良いチタンシリサイド膜がシリコン面に選択成長す
る。過酸化水素水で酸化されて成長したシリコン面上の
自然酸化膜は、チタンシリサイド膜中に取込まれるもの
と考えられる。このような自然酸化膜に影響されない性
質は、半導体装置を製造する上で重要である。
【0039】(実施例5)実施例4に示したプラズマC
VDの条件で、同時に小量のモノシラン(SiH4 )ガ
スを、例えば、モノシランガス2cc/minをソース
ガス供給口9から反応室に供給しても良い。モノシラン
ガスは、水素ガスよりも強力な還元性ガスであり、4塩
化チタンガスの塩素を還元する働きがある。但し、モノ
シランガスの供給量を必要以上に多くすると、高抵抗の
シリコンやチタンシリサイドが堆積してしまうので、注
意を要する。モノシランガスの供給量が、比較的少ない
内は、高抵抗のシリコンやチタンシリサイドが選択的に
成長するが、供給量を比較的多くすると、ウエハ7全面
にブランケットで成長してしまうようになる。
【0040】なお、ここではモノシラン(SiH4 )ガ
スを用いたが、これに限るものではなく、ジシラン(S
26)やトリシラン(Si38)などのシラン類の1
つを用いても同様の効果が得られる。
【0041】(実施例6)上記実施例では、チタンシリ
サイド膜をシリコン面上に選択的に堆積させていたが、
実施例5に示したプラズマCVDの条件を特定の条件と
することにより、チタンシリサイド膜をシリコン面上に
選択的にエピタキシャル成長させることもできる。(0
01)の面方位を持つウエハを680〜720℃に加熱
し、プラズマ発生室内にアルゴンを30cc/min,
水素を20cc/min供給し、50〜100Wの高周
波電力でプラズマを発生させ、反応室内に四塩化チタン
ガスを0.1〜0.5cc/min,シランガスを1〜
3cc/min供給すると、C49型のTiSi2 膜が
ウエハのシリコン(001)面上に選択的にエピタキシ
ャル成長する。このエピタキシャル成長したチタンシリ
サイド膜は、偏平で平滑な表面を有すし、反射型電子線
回折で調べた結晶方位関係は、C49TiSi2 (01
0)//Si(001)であった。
【0042】エピタキシャル成長を起こすためには、四
塩化チタンガスとシランガスの供給流量が適度な比にな
っていることが必要であり、例えば、四塩化チタンガス
0.4cc/minに対してシランガスを1.5〜2.
5cc/min供給する。エピタキシャル成長が起こる
メカニズムは定かではないが、膜の成長時に、適度な量
のシリコンが気相からチタンシリサイド膜に供給される
ことによって、チタンシリサイドがC49型のTiSi
2 になるためと考えられる。このため、四塩化チタンと
シランガスの流量比の最適値は、プラズマの電力やウエ
ハ温度によって多少変化する。
【0043】(実施例7)実施例4または実施例5に示
した条件でプラズマCVDを30秒程度の短い時間行な
い、その後高周波の供給を止めると、プラズマの発生は
なくなり、熱CVDとなってチタンシリサイド膜がさら
に選択的に成長する。この場合、始めのプラズマCVD
のときより後の熱CVDのときのほうがチタンシリサイ
ド膜の成長速度が大きい。
【0044】熱CVDに先だってプラズマCVDを短時
間行なう効果としては、まず第1として、熱CVDのみ
を行なったときには、ガス供給から膜成長までに潜伏期
間があり、シリコン表面の違いやCVD条件のばらつき
のよって、この潜伏期間が膜を形成しようとするウエハ
上の部位によってばらつき、成膜する膜厚がばらついた
り膜が成長しなかったりするが、これらの問題点が解決
される。また、第2として、熱CVDのみでは、シリコ
ン表面の自然酸化膜の影響を強く受けて膜が島状に成長
してしまうが、プラズマCVDでは膜がほとんど成長し
ていなくても、続く熱CVDで膜がシリコン面に一斉に
成長するため、膜厚の均一性と表面モホロジーが格段に
良くなる。
【0045】ところで、ガス供給口4から供給した水素
とアルゴンは、熱CVDに切り換えるときに止めても良
いが、止めなくても熱CVD反応にはほとんど関与しな
いので支障はない。また、熱CVDは、上記実施例のよ
うに、4塩化チタンガスのみでも可能であるが、ウエハ
面のシリコンと4塩化チタンとの反応となるため、シリ
コンの消費量が大きくなる。ウエハ7のシリコン消費量
を少なくするためには、熱CVDに切り換えたときにモ
ノシランガスを5〜100cc/min反応室6に供給
すると良い。
【0046】シリコン消費量やチタンシリサイド膜の抵
抗は、4塩化チタンガスとモノシランガスとの流量比に
依存するので、所望の膜質を得るためには、予め、流量
を変化させた膜を評価しておくことが必要である。モノ
シランガスの変わりにジシランガスやトリシランガスな
どのシラン類ガスを用いても同様にウエハ7のシリコン
消費量を少なくすることができる。
【0047】(実施例8)次に、比較的低温でのチタン
シリサイド膜のプラズマCVD法の実施例を示す。この
実施例8は基本的には実施例4で示したプラズマCVD
法のウエハ7の加熱温度を600℃以下にするものであ
る。実施例4に示した膜成長条件でウエハ7の加熱温度
を600℃以下にすると、成長させる膜の膜質と成長速
度は、600℃以上で成長させたものと比べて大きな差
が生ずる。すなわち、600℃以下の条件で膜を成長さ
せると、成長初期の状態を除けば、極めて小さな結晶粒
を有する結晶室の膜を形成するか、または、結晶粒のな
い一様な膜を、やはり選択的に形成する。これらの膜の
結晶性や化学量論的組成は、まだ明かでない。
【0048】次に、具体的な実施例を以下に示す。ガス
を供給する前にプラズマ発生室1と反応室6とを、1×
10-4Pa以下に排気し、ウエハ7をヒータ8上に装填
し加熱した。ガス供給口4より、アルゴンガスを22c
c/min、水素ガスを20cc/min供給し、高周
波を300W印加してプラズマを発生させた。次に、ソ
ースガス供給口9から4塩化チタンガスを供給し、この
ときの反応室6の圧力は、約0.27Paであった。上
記の成長条件でウエハを約550℃に加熱し、4塩化チ
タンガスを0.3cc/min供給して7〜8分間プラ
ズマCVDを行うと、ウエハ7のシリコン面上には、シ
リコンにチタンが侵入してチタンシリサイド膜が成長す
る。
【0049】その膜を走査電子顕微鏡で観察すると、1
00〜300Åの非常に小さな結晶粒がほぼ単層にみら
れる膜が成長していた。その膜が成長したシリコン面
は、シート抵抗が1000Ω/□程度に低くなってい
る。一方、ウエハ7面のシリコン酸化膜の部分には、結
晶粒も膜も成長していない。ウエハ7のシリコン面とシ
リコン酸化膜面とをオージェ分光分析をすると、チタン
の信号は、シリコン酸化膜面でも若干現れるが、シリコ
ン面のほうが大きく、エッチングしながらの深さ分析で
はその差が顕著になっている。
【0050】次に、ウエハを約490℃に加熱してプラ
ズマCVDを行った例について述べる。4塩化チタンを
0.3cc/min供給して7〜8分間プラズマCVD
を行った。膜を走査電子顕微鏡で観察すると、シリコン
の表面には結晶粒はなく、100Åに満たない厚さの均
一な膜が成長していた。シリコン面のシート抵抗は、1
000Ω/□程度になった。ウエハ7のシリコン面とシ
リコン酸化膜面とをオージェ分析した結果は、約550
℃に加熱したときと同様に、チタンの信号は、シリコン
酸化膜面よりもシリコン面のほうが大きく、深さ分析で
はその差が顕著であった。
【0051】以上、比較的低温でプラズマを用いてチタ
ンシリサイド膜を選択成長した例を示したが、このよう
な低温では非常に薄いチタンシリサイド膜を形成できる
という特徴がある。この低温でのプラズマCVDは、6
00℃以上の高温のプラズマCVDと異なった特徴があ
る。その1つは、4塩化チタンから供給される塩素の作
用の違いである。4塩化チタンが分解することにより供
給される塩素は、ウエハ7面のシリコンと結合して塩化
珪素(SiCln :n=1,2,3,4)ガスを生成す
るため、Siをエッチングする作用がある。
【0052】ところで、600℃以上の高温でのプラズ
マCVDにおいては、塩素はシリコン面またはチタンシ
リサイド面全域でほぼ均一にシリコンと結合して塩化珪
素を生成するため、ほぼ均一なシリコンの消費(食い込
み)をもたらすが、600℃以下では、膜の成長条件に
よっては局部的にエッチングが進んでエッチピットを発
生させることがある。エッチピットは、4塩化チタン供
給量を多くしたときや、高周波電力を小さくしたとき
や、あるいは、成長時間を長くしたときにで易い傾向が
ある。但し、上記の約550℃と約490℃での2成長
条件は、比較的短時間での成長では、エッチピットが出
難い条件である。
【0053】低温でのプラズマCVDでチタンシリサイ
ド膜の選択成長が可能なのは、上記実施例に限るもので
はない。4塩化チタンガスと水素ガスとを用いるプラズ
マCVDにおいては、かなり大きく変化させた条件を用
いても、シリコン面や絶縁膜の上にチタンを膜として成
長させることが難しく、シリコン面にチタンが侵入して
チタンシリサイドを形成する形でしか膜の成長が起こら
ない。このため、エッチピットが発生しないように留意
さえすれば、種々の条件で表面モホロジーの良いチタン
シリサイド膜の選択成長ができる。この低温でのプラズ
マCVDは、高温でのプラズマCVDと同様に、少流量
のシラン類を反応室6に供給してもチタンシリサイド膜
の選択成長が可能である。ただし、供給し過ぎると、絶
縁膜上にチタンシリサイドが成長して選択性が破れてし
まうことも同様である。
【0054】(実施例9)この実施例9では、実施例4
ないし実施例8で選択成長させたチタンシリサイド膜上
に、6弗化タングステン(WF6 )ガスを用いてタング
ステン(W)を選択成長させるものである。この発明の
プラズマCVD法では、プラズマを用いてチタンシリサ
イド膜を形成しているにもかかわらず、チタンシリサイ
ド膜が選択的に成長しているので、その後、引き続きタ
ングステンの成膜を行なっても、タングステンの選択成
長性は保たれる。
【0055】シリコン面とシリコン酸化膜面とを有する
ウエハに、実施例4もしくは実施例8に示した方法でチ
タンシリサイド膜を選択成長させ、そのウエハを反応室
6から空気中に取り出し、タングステン膜CVD装置の
反応室に装填した。タングステン膜CVD装置の反応室
は、予め水分や酸素などの残留ガスがタングステン膜の
成長に影響を及ぼさない程度に、それらの分圧が1×1
-4Pa以下となるように排気しておく。
【0056】タングステンのCDVによる成膜は、シラ
ン還元法と水素還元法の2種類があるが、まずシラン還
元法によるタングステンの成膜について以下に述べる。
まず、チタンシリサイド膜が選択的に形成されているウ
エハを約330℃に加熱し、6弗化タングステンガス1
0cc/min、モノシランガス5cc/min、水素
ガス1l/minをそれぞれタングステンCVD装置の
反応室に供給し、反応室内の圧力を13Paとしてタン
グステンをウエハ上に成長させた。このときのタングス
テンの成長速度は、約800Å/minであった。
【0057】次に、水素還元法によるタングステンの成
膜について述べる。この場合は、ウエハを約420℃に
加熱し、6弗化タングステンガス10cc/min、水
素ガス2l/min反応室に供給し、反応室内の圧力を
23Paとしてタングステンをウエハ上に成長させた。
このときのタングステンの成長速度は、約400Å/m
inであった。
【0058】以上のように、実施例4ないし実施例8の
方法で選択成長させたチタンシリサイド膜上に、タング
ステンを成長させても、どちらの方法でもタングステン
の選択成長性は確保されている。以上のことにより、チ
タンシリサイド/タングステンの2層膜が、CVD法に
より選択的に形成できる。
【0059】ここで、この成膜方法の特徴を、以下に説
明する。タングステンをチタンシリサイド膜が無いシリ
コン面上に上記の方法で選択成長すると、ソースガスの
6弗化タングステンの分解によって生成したフッ素の作
用で、ウエハのシリコンが局部的に侵食されて、エンク
ローチメントやワームホールが発生する場合のあること
が知られている。また、このような侵食が発生しないよ
うな条件でシリコン上にタングステンを堆積した場合で
も、この堆積によりシリコンを一様に消費するため、タ
ングステン膜がシリコンに食い込んだ形で形成される。
水素還元法ではこの食い込みが大きく、一方、シラン還
元法はこの食い込みを改善したものであるが、シラン還
元法においても、シリコンの表面や不純物の種類と濃度
の違いがあると、食い込み量にばらつきが生じる。
【0060】また、タングステン膜成長の潜伏期間がシ
リコンの組成などの違いによって大きくばらつくため、
成長するタングステンの膜厚が大きくばらつく。すなわ
ち、熱によるチタンシリサイド膜の選択CVD法と同様
な欠点を持っている。この欠点は、微細で高密度な半導
装置を製造する場合に致命的になる場合がある。
【0061】ところが、シリコン面の上にチタンシリサ
イド層を設けると、タングステン膜の成長時にチタンシ
リサイド膜は侵食されないので、チタンシリサイド膜の
下のシリコンも侵食されない。これは、水素還元法でタ
ングステン膜を成膜しても同様であり、また、低温のプ
ラズマCVDで形成した薄いチタンシリサイド層でも抜
群の効果がある。これらのチタンシリサイド膜やタング
ステン膜の形成時のシリコンの侵食量は、チタンシリサ
イド層のプラズマCVDとタングステン層の熱CVDに
よって決定されるが、始めのチタンシリサイド層を薄く
成長させることにより、シリコン侵食量を少なくするこ
とができる。
【0062】以上の効果が得られるタングステン膜の成
長条件としては、前述の2つの例に限るものではなく、
例えば、ウエハの加熱温度がそれぞれの条件の±50〜
100℃の範囲でも、タングステンの選択成長が可能で
ある。また、ガスの供給流量や圧力についても幅はあ
り、それぞれの条件が、タングステン膜が選択成長する
条件を満たす範囲なら、この効果が期待できる。
【0063】(実施例10) 次に、実施例9で示した、チタンシリサイドとタングス
テンの2層膜の選択成長を用いて、半導体装置を製造す
る方法の一例を以下に示す。この実施例10は、MOS
トランジスタのソース・ドレイン層およびゲート電極の
上にチタンシリサイド層を選択成長させることにより、
低い抵抗のオーミックコンタクトホールを形成し、その
コンタクトホールをタングステンの選択成長膜により埋
め込むものである。
【0064】以下、この製造方法を図3を参照して説明
する。図3は、MOSトランジスタの製造工程中におけ
る断面構造を模式的に示す断面図である。まず、通常の
MOSトランジスタの製造方法により、ウエハ上に、図
3(a)に示すような構造を作成する。図3(a)にお
いて、31は不純物の濃度が相対的に低い低濃度シリコ
ン層、32は素子分離用酸化膜、33は低濃度シリコン
31と反対導電型の不純物濃度が相対的に高い高濃度シ
リコンからなるソース・ドレイン層、34は不純物が高
濃度に添加されたポリシリコンからなるゲート電極、3
5は層間絶縁膜、36は層間絶縁膜35に開けられたコ
ンタクトホールである。
【0065】このウエハを、実施例1もしくは実施例2
に示したプラズマCVD装置の反応室6に装填し、第3
ないし第7の実施例で説明した方法により、図3(b)
に示すように、ソース・ドレイン層33およびゲート電
極34の表面にチタンシリサイド膜37を選択的に成長
させる。チタンシリサイド膜37は、ソース・ドレイン
層33とゲート電極34の表面を一様に侵食する形で成
長する。したがって、ソース・ドレイン層33とチタン
シリサイド膜37との間で低いコンタクト抵抗を得るた
めには、ソース・ドレイン層33の高濃度部にチタンシ
リサイド膜37の下面が接するようにチタンシリサイド
膜37を薄く成長させる。
【0066】次に、実施例9で説明した方法により、図
3(c)に示すように、タングステン膜38をチタンシ
リサイド膜37の上に選択成長させることにより、コン
タクトホール36を金属(タングステン)で埋め込むこ
とができる。これ以降の工程は、通常用いられる工程に
より、この半導体装置を完成することができる。この実
施例10に示した、プラズマCVD法を含む膜付け方法
を用いれば、結晶性,導電性,不純物濃度,表面清浄度
が異なるシリコンの表面に、ほぼ一様に膜を成長させる
ことができるので、不純物の濃度が異なるなど、種々の
シリコンが存在する半導体装置を製造するのに好都合で
ある。
【0067】(実施例11)次に、実施例9で示した方
法を用いて半導体装置を製造する、実施例10とは異な
る、他の実施例を説明する。図4は、MOSトランジス
タの製造工程中の断面構造を模式的に示す断面図であ
る。まず、通常の半導体装置の製造方法により、ウエハ
上に図4(a)に示すような構造を作成する。図4
(a)において、41は相対的に不純物濃度が低い低濃
度シリコン層、42は素子分離用酸化膜、43は低濃度
シリコン41と反対導電型の不純物濃度が相対的に高い
高濃度シリコンからなるソース・ドレイン層、44は不
純物が高濃度に添加されたポリシリコンからなるゲート
電極、44はゲート電極44の側壁の周りに形成された
絶縁膜である。
【0068】このウエハを実施例1または実施例2のプ
ラズマCVD装置の反応室6に装填し、実施例3ないし
実施例7の方法により、図4(b)に示すように、ソー
ス・ドレイン層43およびゲート電極44の表面にチタ
ンシリサイド膜47を選択成長させる。次に、図4
(c)に示すようにタングステン膜48をチタンシリサ
イド膜47の上に選択成長させる。次に、図4(D)に
示すように、層間絶縁膜49を堆積させる。このとき、
下地のシリコンとチタンシリサイド膜47およびタング
ステン膜48との反応を防ぐために、層間絶縁膜49は
600℃以下の温度で堆積させる。その後図4(e)に
示すように、層間絶縁膜49にコンタクトホール50を
開口し、図4(f)に示すようにコンタクトホール50
を実施例10と同様に、タングステン51で埋め込む。
【0069】この実施例11による方法では、まず、チ
タンシリサイドとタングステンの2層膜の生成が選択的
に行なわれるので、ソース・ドレイン領域上の接触面に
おいて、生成する膜の端の部分でエンクローチメントな
どの侵食が生じないことや、チタンシリサイド膜を薄く
しても、タングステン膜を厚くすることによりシート抵
抗を低くできるなどの利点がある。
【0070】また、層間絶縁膜49をエッチングしてコ
ンタクトホール46を開口するとき、下地のタングステ
ンがエッチングストッパー層となるので、オーバーエッ
チングによってチタンシリサイド膜がエッチングされて
しまうようなことはなく、弗酸を含む溶液に侵され易い
チタンシリサイド膜が、弗酸に侵され難いタングステン
膜で覆われているので、コンタクトホール開口後に、弗
酸を含む溶液により洗浄ができる。そして、コンタクト
ホール46をタングステンの選択成長で埋め込むとき、
下地がタングステンなので、その上にはよりタングステ
ンが成長し易い。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、原料ガスの低密度プラズマの補助によりCVDを行
なうので、シリコンを含む基板上にシリコン面のみに成
膜するという選択性を損なうこと無く、また、プラズマ
による基板へのダメージがほとんど無い状態で原料ガス
の組成物からなる珪化物の成膜を均一に行なえると言う
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施例であるプラズマCVD装置
の構成を示す断面図である。
【図2】この発明の他の実施例を示すプラズマCVD装
置の構成を示す断面図である。
【図3】この発明の他の実施例の半導体装置の製造方法
を示す断面図である。
【図4】この発明の他の実施例の半導体装置の製造方法
を示す断面図である。
【図5】従来のプラズマCVD装置の1例の構成を示す
構成図である。
【符号の説明】
1 プラズマ発生室 2 放電管 3 高周波コイル 4 ガス供給口 5 アパーチャ板 6 反応室 7 ウエハ 8 ヒータ 9 ソースガス供給口 10 排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−108381(JP,A) 特開 昭63−166971(JP,A) 特開 昭60−96763(JP,A) 特開 平3−224223(JP,A) 特開 平2−260420(JP,A) 実開 平2−8132(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C23C 16/42 H05H 1/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜対象のシリコン面を含む基板を載置
    した反応室と、この反応室に連通し、かつこの反応室と
    の境界に複数の穴を備えた絶縁体からなるアパーチャ板
    を配置したプラズマ発生室とを真空排気する工程と、 前記基板を加熱する工程と、前記プラズマ発生室に不活性ガス,水素ガス,または前
    記不活性ガスと水素ガスとの混合ガスの中から選ばれた
    第1のガスを供給し、前記プラズマ発生室と前記反応室
    との間に所定の圧力差を設ける工程と、 前記プラズマ発生室に高周波を印加して前記第1のガス
    のプラズマを生成するとともに、前記プラズマ発生室に
    印加した高周波によって前記反応室内に前記第1のガス
    のプラズマを生成する工程と、 前記反応室内に四塩化チタン,または四塩化チタンとシ
    リコンの水素化物との混合ガスのいずれかの原料ガスを
    供給し、前記第1のガスと前記原料ガスの混合ガスのプ
    ラズマを生成させ、前記基板のシリコン面のみに珪化チ
    タンを選択的に成長させる工程と を備えたことを特徴と
    するプラズマCVD方法。
  2. 【請求項2】 反応室内に載置され成膜対象の基板を載
    置する基板載置台と、 前記基板を加熱する加熱手段と、 前記反応室に連通して所定のガスのプラズマを生成する
    プラズマ発生室と、 前記プラズマ発生室と前記反応室との境界に配置された
    複数の穴を備えたアパーチャ板と、 前記反応室内を真空排気する排気手段と、 前記プラズマ発生室に連通して前記所定のガスを供給す
    るガス供給手段と、 前記反応室内に成膜原料となる原料ガスを供給する原料
    ガス供給手段と、 前記プラズマ発生室に高周波電力を印加する高周波源と
    を備え、 前記アパーチャ板は複数の穴を有する絶縁体からなり、
    前記プラズマ発生室に印加した高周波が前記反応室に漏
    れる構造であり、かつ、前記複数の穴の各々 の径は、前
    記プラズマ発生室内で発生したプラズマが通過できる大
    きさであり、 前記複数の穴の径とこの数は、前記プラズマ発生室に前
    記所定のガスを供給したとき前記反応室との間に所定の
    圧力差を生じせしめる径と数であり、 前記プラズマ発生室に印加した高周波によって前記反応
    室内に前記所定のガスと前記原料ガスとの混合ガスのプ
    ラズマが生成されるものである ことを特徴とするプラズ
    マCVD装置。
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