JP3213819B2 - 磁気共鳴イメージング装置の高周波受信コイル - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置の高周波受信コイル

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JP3213819B2 JP08033192A JP8033192A JP3213819B2 JP 3213819 B2 JP3213819 B2 JP 3213819B2 JP 08033192 A JP08033192 A JP 08033192A JP 8033192 A JP8033192 A JP 8033192A JP 3213819 B2 JP3213819 B2 JP 3213819B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴(以下「N
MR」と略記する)現象を利用して被検体(人体)の所
望部位の断層像を得る磁気共鳴イメージング装置の受信
系に用いられ、二つの導電ループをその感度方向を互い
に直交させて一組に形成して成る高周波受信コイルに関
し、特に被検体に装着して変形したり静磁場内で位置が
偏って周囲の高周波シールドに接近した場合でも、上記
二つの導電ループの共振周波数を略同一とすることがで
きる磁気共鳴イメージング装置の高周波受信コイルに関
する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、被検体の
体軸方向と垂直な方向に静磁場及び傾斜磁場を与える磁
場発生手段と、上記被検体の生体組織を構成する原子の
原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波信号を照
射する送信系と、上記傾斜磁場発生手段又は外部環境が
測定空間に与える電磁的悪影響を遮へいする高周波シー
ルドと、上記の核磁気共鳴により放出される高周波信号
を検出する受信系と、この受信系で検出した高周波信号
を用いて画像再構成演算を行う信号処理系とを備えて構
成されている。そして、静磁場発生手段により被検体に
均一な静磁場を与えながら、核磁気共鳴を励起させる周
波数の高周波信号を送信系の高周波コイルで印加し、こ
れにより被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信系
の高周波コイルで検出するようになっている。このと
き、上記被検体からの核磁気共鳴信号の放出位置を特定
するために、さらに傾斜磁場発生手段で傾斜磁場を与え
ることによりイメージングを行っている。
【0003】このような磁気共鳴イメージング装置にお
ける高周波コイルとしては、従来は、一つの導電ルー
プ、例えばソレノイドコイルまたは鞍形コイルを使用
し、一方向の核磁気共鳴信号を受信するものがあった。
これに対して、S/N比の向上を狙って、二つの導電ル
ープを互いに感度方向を直交させて一組に形成し、二方
向の核磁気共鳴信号を受信するものがある。後者の二つ
の導電ループを組み合わせて成る高周波コイルを直交受
信コイル(Quardrature Detection Coils:以下「Q
Dコイル」と略称する)というが、従来のQDコイル
は、例えば水平磁場方式のものとして鞍形コイルと鞍形
コイルとを組み合わせたものが、垂直磁場方式のものと
してソレノイドコイルと鞍形コイルとを組み合わせたも
のが提案されている。そして、これらのQDコイルは、
樹脂製のリジッドなボビン上に二つの導電ループを巻い
て形成されていた。
【0004】このように、リジッドなボビン上に二つの
導電ループを巻いて形成したQDコイルにおいては、一
つの導電ループを使用したものに比べてS/N比を向上
することができるが、装着する被検体の体形の大小に対
して融通がきかず、被検体との間に空間ができてS/N
比を十分に向上することができないことがあった。そこ
で、QDコイルのボビンをフレキシブルなシート状のも
ので形成し、QDコイルの全体にフレキシブル性を与
え、被検体の体形の大小に対して融通を持たせ、被検体
に巻き付けるように装着してコイルの密着性を良くした
ものが本発明者らによって提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにフ
レキシブル性を与えたQDコイルにおいては、コイル長
の異なるものを用意しておき、被検体の体形に応じて使
用するコイル長を選択する。長さの短いものは本発明者
らが既に提案しているものでよいが、長いものすなわち
被検体の体形が特に大きいときは、受信コイルとしての
QDコイルが、前述の傾斜磁場発生手段(傾斜磁場コイ
ル)と高周波信号照射手段(送信コイル)との間に設け
られた高周波シールドに接近することがあり、その高周
波シールドの影響を受けることがあった。
【0006】また、上記のフレキシブル性を与えたQD
コイルは、主として被検体の胴部の周りに装着して胴体
内を撮影するのに用いるものであるが、例えば肩、腕又
は足などの小局部を撮影する場合は、特にフレキシブル
性を与えることなく、小径のリジッドなボビン上に二つ
の導電ループを巻いて形成した従来からのQDコイルを
用いていた。そして、このリジッドなQDコイルを、被
検体の肩、腕又は足などの局部に装着してNMR信号を
検出していた。この場合は、上記QDコイルは、静磁場
空間の中心から側方へ偏った位置となり、やはり上記と
同様に高周波シールドに接近することがあり、その高周
波シールドの影響を受けることがあった。
【0007】ここで、上記高周波シールドの影響として
は、QDコイルを構成する二つの導電ループの共振周波
数が互いに異なった値となってしまうことが上げられ
る。いま、導電ループのインダクタンスをLとし、キャ
パシタンスをCとすると、一般的にコイルの共振周波数
fは、 で表すことができる。この場合、上記QDコイルの導電
ループが前記高周波シールドに接近すると、式(1)に
おけるインダクタンスLが減少するため、共振周波数f
が高くなる。しかるに、上記高周波シールドの影響は二
つの導電ループで異なる場合が多く、その二つの導電ル
ープの共振周波数が互いに異なった値となってしまう。
このように、二つの導電ループの共振周波数が異なって
くることから、全体としてQDコイルの感度低下を来す
ものであった。従って、磁気共鳴イメージング装置にお
いて、S/N比を十分に向上できず、良好な診断画像を
得られないことがあった。
【0008】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、被検体に装着して変形したり静磁場内で位置が偏
って周囲の高周波シールドに接近した場合でも、二つの
導電ループの共振周波数を略同一とすることができる磁
気共鳴イメージング装置の高周波受信コイルを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による高周波受信コイルは、被検体に静磁場
及び傾斜磁場を与える磁場発生手段と、上記被検体の生
体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせ
るために高周波信号を照射する送信系と、上記傾斜磁場
発生手段又は外部環境が測定空間に与える電磁的悪影響
を遮へいする高周波シールドと、上記の核磁気共鳴によ
り放出される高周波信号を検出する受信系と、この受信
系で検出した高周波信号を用いて画像再構成演算を行う
信号処理系とを備えて成る磁気共鳴イメージング装置の
上記受信系内に設けられ、二つの導電ループがその感度
方向を互いに直交させて一組に形成され、且つ上記被検
体から放出される高周波信号を検出する感度方向が静磁
場に対し直交して配置される高周波受信コイルにおい
、上記高周波シールドに接近する部位には、導電性部
材を各導電ループと絶縁して設置したものである。
【0010】また、上記二つの導電ループは、フレキシ
ブルなシート状部材で形成されたボビン上に形成して
よい。
【0011】あるいは、上記二つの導電ループは、リジ
ッドな円筒状部材で形成されたボビン上に形成してもよ
い。
【0012】
【作用】このように構成された高周波受信コイルは、感
方向を互いに直交させて一組に形成された二つの導電
ループの高周波シールドに接近する部位には、導電性部
材を上記各導電ループと絶縁して設置したことにより、
静磁場空間内で被検体に装着した際の上記高周波シール
ドの影響を遮断するように動作する。これにより、被検
体に装着して変形したり静磁場内で位置が偏って周囲の
高周波シールドに接近した場合でも、上記高周波受信コ
イルの二つの導電ループの共振周波数を略同一とするこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明による磁気共鳴イメージ
ング装置の高周波受信コイルの実施例を示す斜視説明図
であり、図2はその高周波受信コイルの原理及び接続を
示す回路図であり、図3は上記高周波受信コイルが適用
される磁気共鳴イメージング装置の全体構成を示すブロ
ック図である。
【0014】上記磁気共鳴イメージング装置は、核磁気
共鳴(NMR)現象を利用して被検体の断層像を得るも
ので、図3に示すように、静磁場発生磁石2と、磁場勾
配発生系3と、送信系4と、高周波シールド21と、受
信系5と、信号処理系6と、シーケンサ7と、中央処理
装置(CPU)8とを備えて成る。
【0015】上記静磁場発生磁石2は、被検体1の周り
にその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁
場を発生させるもので、上記被検体1の周りのある広が
りをもった空間に永久磁石方式または常電導方式あるい
は超電導方式の磁場発生手段が配置されている。磁場勾
配発生系3は、X,Y,Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁
場コイル9と、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電
源10とから成り、上記シーケンサ7からの命令に従っ
てそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動すること
により、X,Y,Zの三軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,G
zを被検体1に印加するようになっている。この傾斜磁
場の加え方により、被検体1に対するスライス面を設定
することができる。
【0016】送信系4は、被検体1の生体組織を構成す
る原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波
信号(電磁波)を照射するもので、高周波発振器11と
変調器12と高周波増幅器13と高周波送信コイル14
aとから成る。そして、上記高周波発振器11から出力
された高周波パルスをシーケンサ7の命令に従って変調
器12で振幅変調し、この振幅変調された高周波パルス
を高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して
配置された高周波送信コイル14aに供給することによ
り、電磁波が上記被検体1に照射されるようになってい
る。
【0017】高周波シールド21は、上記傾斜磁場コイ
ル9又は外部環境が測定空間に与える電磁的悪影響を遮
へいするもので、静磁場発生磁石2の磁場空間内にて傾
斜磁場コイル9と高周波送信コイル14aとの間に設け
られている。この高周波シールド21により、上記傾斜
磁場コイル9で発生する高周波のノイズを高周波送信コ
イル14aの内方に入れないようにすることができる
が、そのためには、上記高周波シールド21は高い導電
率を有するものでなければならない。また、静磁場の均
一度を乱すことのないように、透磁率は低くなければな
らない。これらの条件を満たす材料として、銅又はアル
ミニウム等の金属箔シートを用いればよい。
【0018】受信系5は、被検体1の生体組織の原子核
の核磁気共鳴により放出される高周波信号(NMR信
号)を検出するもので、高周波受信コイル14bと増幅
器15と直交位相検波器16とA/D変換器17とを有
している。そして、上記高周波送信コイル14aから照
射された電磁波による被検体1の応答の高周波信号(N
MR信号)は被検体1に近接して配置された高周波受信
コイル14bで検出され、増幅器15及び直交位相検波
器16を介してA/D変換器17に入力してディジタル
量に変換され、さらにシーケンサ7からの命令によるタ
イミングで直交位相検波器16によりサンプリングされ
た二系列の収集データとされ、その信号が信号処理系6
に送られるようになっている。なお、この高周波受信コ
イル14bと前記高周波送信コイル14aは、上記高周
波シールド21の空間内に配置されている。
【0019】この信号処理系6は、CPU8と、磁気デ
ィスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT
等のディスプレイ20とから成り、上記CPU8でフー
リエ変換、補正係数計算、画像再構成等の処理を行い、
任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演
算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ20
に断層像として表示するようになっている。
【0020】また、シーケンサ7は、CPU8の制御で
動作し、被検体1の断層像のデータ収集に必要な種々の
命令を送信系4及び磁場勾配発生系3並びに受信系5に
送り、上記NMR信号を計測するシーケンスを発生する
手段となるものである。なお、図3において、送信系内
の高周波送信コイル14a及び受信系内の高周波受信コ
イル14b並びに傾斜磁場コイル9,9は、被検体1の
周りの空間に配置された静磁場発生磁石2の磁場空間内
に配置されている。
【0021】ここで、本発明においては、上記受信系5
内に設けられた高周波受信コイル14bは、シート状の
柔軟性材料から成るフレキシブルなボビン上に二つの導
電ループがその感度方向を互いに直交させて一組に形成
されると共に、被検体1から核磁気共鳴により放出され
る高周波信号を検出する受信方向が静磁場発生磁石2に
よる静磁場に対し直交して配置され、且つ上記各導電ル
ープの外表面にて前記高周波シールド21に接近する部
位には、導電性部材が各導電ループと絶縁して設置され
ている。
【0022】すなわち、例えば垂直磁場方式のQDコイ
ルの場合、図1に示すように、0.5mm程度の板厚の柔軟
性材料から成る細長状のシートでフレキシブルに形成さ
れたボビンBの外表面に、銅板から成る一方の導電ルー
プとしてソレノイドコイル22が接着されると共に、同
じく銅板から成る他方の導電ループとして鞍形コイル2
3が接着されている。このとき、上記ソレノイドコイル
22は、ボビンBを例えば被検体の胴体の周りを囲むよ
うに円筒状に丸めたときに円周方向になるように配置さ
れ、他方の鞍形コイル23は、その受信方向を上記ソレ
ノイドコイル22の受信方向と直交させて配置されてお
り、各コイル22,23はそれぞれコンデンサ24で分
割されて動作電圧を下げるように構成されている。ま
た、上記ソレノイドコイル22と鞍形コイル23との交
差部分25は、両コイル間の容量性結合を緩和するため
に、例えば約6mm程度の隙間があけられている。
【0023】そして、図1の実施例においては、上記細
長状のシートで形成されたボビンBの両端部に、上記各
コイル22,23をループ状に結合するため一方のコネ
クタ26a,26b,26c,26d及び他方のコネク
タ27a,27b,27c,27dが取り付けられてい
る。従って、上記ボビンBを被検体の例えば胴体の周り
に回して、上記各コネクタ26a〜26d及び27a〜
27dをそれぞれ結合すると、図1に示すように円筒を
形成してループ状になり、それぞれソレノイドコイル2
2及び鞍形コイル23ができ上がる。
【0024】さらに、上記ボビンBの一端部及び中間部
においてソレノイドコイル22と鞍形コイル23とが交
差する部分25のシート裏面側には、例えば硬質材料か
ら成る矩形状の底板28が接着されており、この部位の
シート表面側には、上記交差部分25を覆うカバー29
が被されている。そして、この底板28とカバー29と
でボビンBのリジッド部30を形成している。このよう
にリジッド部30を形成したのは、柔軟性材料から成る
細長状のシートだけでは、ボビンBが自由に変形し過ぎ
てソレノイドコイル22と鞍形コイル23との直交性が
悪化するのを防止するためである。
【0025】また、図1に示すように、例えばソレノイ
ドコイル22の途中にインダクタ35が直列に接続され
ている。このインダクタ35は、上記ソレノイドコイル
22全体のインダクタンスを増加させるためのもので、
適宜の固定インダクタンスを有している。この場合、上
記インダクタ35をソレノイドコイル22と鞍形コイル
23のどちらに挿入するかは、被検体の周りに高周波受
信コイル14bを装着した際の変形による各コイル2
2,23のインダクタンスの変化を調べ、このインダク
タンス変化の大きい方のコイルに接続すればよい。な
お、上記インダクタ35の高周波抵抗は、例えばソレノ
イドコイル22のQ値を低下させる要因となるので、で
きるだけ線材の断面積の大きいものを使用するのがよ
い。また、図1において、符号31はソレノイドコイル
22の給電点、符号32は同じくソレノイドコイル22
の接地点を示し、符号33は鞍形コイル23の給電点、
符号34は同じく鞍形コイル23の接地点を示してい
る。
【0026】そして、本発明においては、図1に示すよ
うに、上記ソレノイドコイル22及び鞍形コイル23を
構成する各導電ループの外表面にて前記高周波シールド
21に近接する部位には、絶縁板36を介して導電性部
材37が設置されている。この導電性部材37は、図3
に示すように、静磁場発生磁石2の磁場空間内で高周波
送信コイル14aの外側を例えば角筒状に覆う高周波シ
ールド21の影響を遮断するためのもので、例えば銅箔
から成る。上記導電性部材37を設置する部位は、例え
ば断面横長の角筒状の高周波シールド21の内部にて、
図1に示すように円筒状となって被検体1の胴部に装着
される高周波受信コイル14bにおいては、上方部位と
下方部位ということとなる。あるいは、断面角筒状の高
周波シールド21の縦横比の比率によっては、両側方部
位に設置したり、上方部位と下方部位及び両側方部位に
設置したりすることとなる。なお、上記導電性部材37
の面積が大きくなると、NMR信号検出のS/N比が低
下することとなるので、その面積はできるだけ小さくす
ることが望ましい。図1においては、リジッド部30の
位置と、その両側方の部位とに分割すると共に、適宜の
切り込み等を入れた形状としている。
【0027】このように、上記各導電ループの外表面に
絶縁板36を介して導電性部材37を設置することによ
り、被検体1の胴部に装着された高周波受信コイル14
bが該被検体1の体形に応じて変形し、前記高周波シー
ルド21に接近したとしても、上記導電性部材37の存
在により電磁的に遮断することができる。従って、前述
の式(1)におけるソレノイドコイル22と鞍形コイル
23のインダクタンスLの変化の違いを略同一にでき、
ソレノイドコイル22及び鞍形コイル23の共振周波数
を略同一のままとすることができる。
【0028】図2は上記のように構成された高周波受信
コイル14bの原理及び接続を示す回路図である。図に
おいては、説明の簡略化のためにコイルのチューニング
回路等は省略している。図上、静磁場方向は矢印Sで示
され、一つの平面で回転している磁化ベクトルは、高周
波受信コイル14bを構成するソレノイドコイル22と
鞍形コイル23に90度の位相差を伴った同一信号を誘起
する。ここで、ソレノイドコイル22と鞍形コイル23
とは軸方向が直交して配置されているので、互いに独立
なランダムノイズを伴って高周波信号(NMR信号)が
検出される。このノイズ源となり得るものは、各コイル
22,23の抵抗並びにこれらのコイル22,23の磁
気的結合及び電気的結合などに起因する被検体1からの
等価抵抗である。
【0029】上記ソレノイドコイル22及び鞍形コイル
23からの信号は、増幅器15内の第一のアンプ15a
または第二のアンプ15bでそれぞれ増幅された後、シ
フター38へ入力される。このシフター38は、フェイ
ズシフタ39とアッテネータ40と加算器41とで構成
されている。そして、ソレノイドコイル22からの信号
の位相を上記フェイズシフタ39で90度ずらし、鞍形コ
イル23からの信号と位相を合わせる。一方、鞍形コイ
ル23とソレノイドコイル22とでは感度が等しくな
く、例えば前者の感度を“1”としたとき後者のそれは
“1.4”となっている。従って、この場合は、加算器4
1での信号の加算比率を変えなければ高いS/N比を得
ることができない。このときの最適な加算比率は、12
÷1.42=0.51となる。そこで、鞍形コイル23からの信
号経路の途中にアッテネータ40を挿入し、上記ソレノ
イドコイル22からの信号を“1”としたときに、鞍形
コイル23からの信号が“0.51”となるように調整して
いる。このようにして、上記両コイル22,23からの
信号強度を合わせた後に、加算器41で両信号を加算
し、シフター38から出力される。そして、このシフタ
ー38からの出力信号は、図3に示す直交位相検波器1
6へ送出される。
【0030】このように、上記両コイル22,23から
の信号の位相をフェイズシフタ39で合わせ、加算器4
1で加算すると、ノイズも多少大きくなるが検出信号は
かなり大きくなり、結果としてS/N比が大きくなる。
例えば、一方のコイル22と他方のコイル23の寸法、
形状が等しく、さらに前述の被検体1からの等価抵抗も
等しい場合には、検出信号は2倍に、ノイズは√2倍と
なり、結果としてS/N比は√2倍に向上する。
【0031】なお、以上の説明においては、高周波受信
コイル14bに用いる垂直磁場方式のQDコイルとして
ソレノイドコイル22と鞍形コイル23とを組み合わせ
たものについて説明したが、本発明はこれに限らず、水
平磁場方式のQDコイルとして鞍形コイル23と他の鞍
形コイル23とを組み合わせたもの、或いはその他種々
の形式のコイルを組み合わせたものについても同様に適
用することができる。
【0032】図4は図1に示す高周波受信コイル14b
の変形例を示す斜視説明図である。この変形例は、ソレ
ノイドコイル22及び鞍形コイル23を構成する各導電
ループの外表面に、絶縁板36を介して設置する導電性
部材37を、リジッド部30の位置とその両側方の部位
とにおいて、上記ソレノイドコイル22及び鞍形コイル
23を横断するように連続状に形成したものである。こ
のとき、絶縁板36も同様に連続状に形成されている。
このようにすると、導電性部材37の面積は多少大きく
なって不利な面もあるが、その形状が単純となって製作
容易とすることができる。
【0033】なお、図1及び図4の実施例においては、
導電性部材37を、円筒状となったときの高周波受信コ
イル14bの上方部位と下方部位とに設置したものとし
て示したが、上記高周波受信コイル14bが被検体1の
胴部に装着される場合はベッド上に位置するため、該高
周波受信コイル14bの下方部位とその周囲に設置され
た高周波シールド21の下面との距離は一定に保たれる
こととなるので、被検体1の体形によってコイルが変形
し高周波シールド21との距離が変化する上方部位のみ
に設置してもよい。また、図1においては、ソレノイド
コイル22及び鞍形コイル23ともコンデンサ24でそ
れぞれ分割したものとしたが、両コイル22,23は必
ずしもコンデンサ24で分割しなくてもよい。さらに、
図1では柔軟性材料から成るシートでできたフレキシブ
ルなボビンBの一端部と中間部とにリジッド部30を形
成した例を示したが、本発明はこれに限らず、リジッド
部30は設けなくてもよい。
【0034】図5は本発明の第二の実施例を示す斜視説
明図である。この実施例は、ボビンB′を硬質性材料か
ら成るリジッドな円筒状部材で形成したもので、主とし
て肩、腕又は足などの小局部を撮影するのに用いる高周
波受信コイル14b′に適用したものである。この実施
例でも、ソレノイドコイル22及び鞍形コイル23は図
1に示すと同様にQDコイルを構成するように組み合わ
されているが、肩、腕又は足などの局部に装着するた
め、ボビンB′は小径の円筒状に形成されている。この
場合、導電性部材37を設置する部位は、例えば断面横
長の角筒状の高周波シールド21の内部にて、上記高周
波受信コイル14b′は被検体1の肩、腕又は足などに
装着されていずれか一方の側方へ偏った状態となるの
で、図5に示すように両側方部位ということとなる。従
って、上記高周波受信コイル14b′を肩、腕又は足な
どの局部に装着し、静磁場空間の中心から側方へ偏って
周囲の高周波シールド21に接近したとしても、上記両
側方部位の導電性部材37の存在により電磁的に遮断す
ることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので
感度方向を互いに直交させて一組に形成された二つの導
電ループの高周波シールドに接近する部位には、導電性
部材を上記各導電ループと絶縁して設置したことによ
り、静磁場空間内で被検体に装着した際の上記高周波シ
ールドの影響を遮断することができる。これにより、被
検体に装着して変形したり静磁場内で位置が偏って周囲
の高周波シールドに接近した場合でも、上記高周波受信
コイルの二つの導電ループの共振周波数を略同一とする
ことができる。従って、全体として高周波受信コイルの
感度低下を防止して、磁気共鳴イメージング装置におけ
るS/N比を向上することができ、良好な診断画像を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による磁気共鳴イメージング装置の高
周波受信コイルの実施例を示す斜視説明図、
【図2】 上記高周波受信コイルの原理及び接続を示す
回路図、
【図3】 本発明の高周波受信コイルが適用される磁気
共鳴イメージング装置の全体構成を示すブロック図、
【図4】 図1に示す高周波受信コイルの変形例を示す
斜視説明図、
【図5】 本発明の第二の実施例を示す斜視説明図。
【符号の説明】
1…被検体、 2…静磁場発生磁石、 3…磁場勾配発
生系、 4…送信系、 5…受信系、 6…信号処理
系、 7…シーケンサ、 8…CPU、 14a…高周
波送信コイル、 14b,14b′…高周波受信コイ
ル、 21…高周波シールド、 22…ソレノイドコイ
ル、 23…鞍形コイル、 26a〜26d…一方のコ
ネクタ、 27a〜27d…他方のコネクタ、 36…
絶縁板、37…導電性部材、 B,B′…ボビン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に静磁場及び傾斜磁場を与える磁
    場発生手段と、上記被検体の生体組織を構成する原子の
    原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波信号を照
    射する送信系と、上記傾斜磁場発生手段又は外部環境が
    測定空間に与える電磁的悪影響を遮へいする高周波シー
    ルドと、上記の核磁気共鳴により放出される高周波信号
    を検出する受信系と、この受信系で検出した高周波信号
    を用いて画像再構成演算を行う信号処理系とを備えて成
    る磁気共鳴イメージング装置の上記受信系内に設けら
    、二つの導電ループがその感度方向を互いに直交させ
    て一組に形成され、且つ上記被検体から放出される高周
    波信号を検出する感度方向が静磁場に対し直交して配置
    される高周波受信コイルにおいて、上記高周波シールド
    に接近する部位には、導電性部材を各導電ループと絶縁
    して設置したことを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置の高周波受信コイル。
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