JPH0763459B2 - 磁気共鳴イメージング装置の高周波受信コイル - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置の高周波受信コイル

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JPH0763459B2
JPH0763459B2 JP3351360A JP35136091A JPH0763459B2 JP H0763459 B2 JPH0763459 B2 JP H0763459B2 JP 3351360 A JP3351360 A JP 3351360A JP 35136091 A JP35136091 A JP 35136091A JP H0763459 B2 JPH0763459 B2 JP H0763459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴(以下「N
MR」と略記する)現象を利用して被検体(人体)の所
望部位の断層像を得る磁気共鳴イメージング装置の受信
系に用いられ、フレキシブルなボビン上に二つの導電ル
ープをその感度方向を互いに直交させて一組に形成して
成る高周波受信コイルに関し、特に被検体に巻き付けそ
の体形に応じて変形した場合でも上記二つの導電ループ
の共振周波数を略同一とすることができる磁気共鳴イメ
ージング装置の高周波受信コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、被検体の
体軸方向と垂直な方向に静磁場及び傾斜磁場を与える磁
場発生手段と、上記被検体の生体組織を構成する原子の
原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波信号を照
射する送信系と、上記の核磁気共鳴により放出される高
周波信号を検出する受信系と、この受信系で検出した高
周波信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系とを
備えて構成されている。そして、静磁場発生手段により
被検体に均一な静磁場を与えながら、核磁気共鳴を励起
させる周波数の高周波信号を送信系の高周波コイルで印
加し、これにより被検体から放出される核磁気共鳴信号
を受信系の高周波コイルで検出するようになっている。
このとき、上記被検体からの核磁気共鳴信号の放出位置
を特定するために、さらに傾斜磁場発生手段で傾斜磁場
を与えることによりイメージングを行っている。
【0003】このような磁気共鳴イメージング装置にお
ける高周波コイルとしては、従来は、一つの導電ルー
プ、例えばソレノイドコイルまたは鞍形コイルを使用
し、一方向の核磁気共鳴信号を受信するものがあった。
これに対して、S/N比の向上を狙って、二つの導電ル
ープを互いに感度方向を直交させて一組に形成し、二方
向の核磁気共鳴信号を受信するものがある。後者の二つ
の導電ループを組み合わせて成る高周波コイルを直交受
信コイル(Quardrature Detection Coils:以下「Q
Dコイル」と略称する)というが、従来のQDコイル
は、例えば水平磁場方式のものとして鞍形コイルと鞍形
コイルとを組み合わせたものが、垂直磁場方式のものと
してソレノイドコイルと鞍形コイルとを組み合わせたも
のが提案されている。そして、これらのQDコイルは、
樹脂製のリジッドなボビン上に二つの導電ループを巻い
て形成されていた。
【0004】このように、リジッドなボビン上に二つの
導電ループを巻いて形成したQDコイルにおいては、一
つの導電ループを使用したものに比べてS/N比を向上
することができるが、装着する被検体の体形の大小に対
して融通がきかず、被検体との間に空間ができてS/N
比を十分に向上することができないことがあった。そこ
で、QDコイルのボビンをフレキシブルなシート状のも
ので形成し、QDコイルの全体にフレキシブル性を与
え、被検体の体形の大小に対して融通を持たせ、被検体
に巻き付けるように装着してコイルの密着性を良くした
ものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにフ
レキシブル性を与えたQDコイルにおいては、被検体の
体形に応じて変形させて装着した場合、二つの導電ルー
プの共振周波数がコイルの変形に応じて互いに異なった
値となることがある。ここで、QDコイルの変形による
共振周波数の変化は、その導電ループのインダクタンス
が変化するためであると考えられる。例えば、一方の導
電ループについてコイル変形前の共振周波数をf1
し、そのときのインダクタンスをL1とし、キャパシタ
ンスをC0とすると、 となる。また、コイル変形後の共振周波数をf2とし、
そのときのインダクタンスをL2とし、キャパシタンス
は変わらないとすると、 となる。従って、一方の導電ループの共振周波数は、f
1からf2に変化することとなる。他方の導電ループにつ
いても同様のことが言える。
【0006】具体的には、例えばソレノイドコイルと鞍
形コイルとを組み合わせると共にフレキシブル性を与え
たQDコイルにおいて、コイルの高さ方向を170mmから2
10mmに変化させたとし、この場合170mmでそれぞれのコ
イルの共振周波数が磁気共鳴周波数に合致していたとす
ると、210mmではソレノイドコイルで例えば350KHzだ
け、鞍形コイルで例えば250KHzだけ上記磁気共鳴周波
数からずれる現象が起きることがある。これは、前記
(1)式及び(2)式におけるインダクタンスの変化
(L1−L2)がソレノイドコイルと鞍形コイルとで異な
るためである。このように、二つの導電ループ(ソレノ
イドコイルと鞍形コイル)において、コイル変形に伴う
磁気共鳴周波数からのずれが異なってくることから、全
体としてQDコイルの感度低下を来すものであった。従
って、磁気共鳴イメージング装置において、S/N比を
十分に向上できず、良好な画像を得られないことがあっ
た。
【0007】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、被検体に巻き付けその体形に応じて変形した場合
でも二つの導電ループの共振周波数を略同一とすること
ができる磁気共鳴イメージング装置の高周波受信コイル
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による高周波受信コイルは、被検体に静磁場
及び傾斜磁場を与える磁場発生手段と、上記被検体の生
体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせ
るために高周波信号を照射する送信系と、上記の核磁気
共鳴により放出される高周波信号を検出する受信系と、
この受信系で検出した高周波信号を用いて画像再構成演
算を行う信号処理系とを備えて成る磁気共鳴イメージン
グ装置の上記受信系内に設けられ、フレキシブルなボビ
ン上に二つの導電ループがその感度方向を互いに直交さ
せて一組に形成され、且つ上記被検体から放出される高
周波信号を検出する感度方向が静磁場に対し直交して配
置される高周波受信コイルにおいて、上記二つの導電ル
ープのうち被検体の周りに装着した際の変形によるイン
ダクタンスの変化の大きい方の導電ループには、その導
電ループ全体のインダクタンスを増加させるための適宜
の固定インダクタンスを有するインダクタを直列に接続
し、上記変形によるインダクタンスの変化の大きい方の
導電ループの共振周波数の変化量を調整して他方の導電
ループの共振周波数の変化に合わせるようにしたもので
ある。
【0009】
【作用】このように構成された高周波受信コイルは、フ
レキシブルなボビン上にそれらの感度方向を互いに直交
させて一組に形成された二つの導電ループのうち、被検
体の周りに装着した際の変形によるインダクタンスの変
化の大きい方の導電ループには、当該導電ループ全体の
インダクタンスを増加させるための適宜の固定インダク
タンスを有するインダクタを直列に接続し、上記変形に
よるインダクタンスの変化の大きい方の導電ループの共
振周波数の変化量を調整して他方の導電ループの共振周
波数の変化に合わせるようにしたことにより、被検体の
体形に応じて変形した場合でも上記高周波受信コイルの
二つの導電ループの共振周波数を略同一とすることがで
きる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明による磁気共鳴イメージ
ング装置の高周波受信コイルの実施例を示す斜視説明図
であり、図2はその高周波受信コイルの原理及び接続を
示す回路図であり、図3は上記高周波受信コイルが適用
される磁気共鳴イメージング装置の全体構成を示すブロ
ック図である。
【0011】上記磁気共鳴イメージング装置は、核磁気
共鳴(NMR)現象を利用して被検体の断層像を得るも
ので、図3に示すように、静磁場発生磁石2と、磁場勾
配発生系3と、送信系4と、受信系5と、信号処理系6
と、シーケンサ7と、中央処理装置(CPU)8とを備
えて成る。
【0012】上記静磁場発生磁石2は、被検体1の周り
にその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁
場を発生させるもので、上記被検体1の周りのある広が
りをもった空間に永久磁石方式または常電導方式あるい
は超電導方式の磁場発生手段が配置されている。磁場勾
配発生系3は、X,Y,Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁
場コイル9と、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電
源10とから成り、上記シーケンサ7からの命令に従っ
てそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動すること
により、X,Y,Zの三軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,G
zを被検体1に印加するようになっている。この傾斜磁
場の加え方により、被検体1に対するスライス面を設定
することができる。
【0013】送信系4は、被検体1の生体組織を構成す
る原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波
信号(電磁波)を照射するもので、高周波発振器11と
変調器12と高周波増幅器13と高周波送信コイル14
aとから成り、上記高周波発振器11から出力された高
周波パルスをシーケンサ7の命令に従って変調器12で
振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波
増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置され
た高周波送信コイル14aに供給することにより、電磁
波が上記被検体1に照射されるようになっている。
【0014】受信系5は、被検体1の生体組織の原子核
の核磁気共鳴により放出される高周波信号(NMR信
号)を検出するもので、高周波受信コイル14bと増幅
器15と直交位相検波器16とA/D変換器17とを有
しており、上記高周波送信コイル14aから照射された
電磁波による被検体1の応答の高周波信号(NMR信
号)は被検体1に近接して配置された高周波受信コイル
14bで検出され、増幅器15及び直交位相検波器16
を介してA/D変換器17に入力してディジタル量に変
換され、さらにシーケンサ7からの命令によるタイミン
グで直交位相検波器16によりサンプリングされた二系
列の収集データとされ、その信号が信号処理系6に送ら
れるようになっている。
【0015】この信号処理系6は、CPU8と、磁気デ
ィスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT
等のディスプレイ20とから成り、上記CPU8でフー
リエ変換、補正係数計算、画像再構成等の処理を行い、
任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演
算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ20
に断層像として表示するようになっている。
【0016】また、シーケンサ7は、CPU8の制御で
動作し、被検体1の断層像のデータ収集に必要な種々の
命令を送信系4及び磁場勾配発生系3並びに受信系5に
送り、上記NMR信号を計測するシーケンスを発生する
手段となるものである。なお、図3において、送信系の
高周波送信コイル14a及び受信系の高周波受信コイル
14b並びに傾斜磁場コイル9,9は、被検体1の周り
の空間に配置された静磁場発生磁石2の磁場空間内に配
置されている。
【0017】ここで、本発明においては、上記受信系5
内に設けられた高周波受信コイル14bは、柔軟性材料
から成るフレキシブルなボビン上に二つの導電ループが
その感度方向を互いに直交させて一組に形成されると共
に、被検体1から核磁気共鳴により放出される高周波信
号を検出する受信方向が静磁場発生磁石2による静磁場
に対し直交して配置され、且つ上記二つの導電ループの
うち被検体の周りに装着した際の変形によるインダクタ
ンスの変化の大きい方の導電ループには、その導電ルー
プの全体のインダクタンスを増加させるための適宜の固
定インダクタンスを有するインダクタが直列に接続され
ている。
【0018】すなわち、例えば垂直磁場方式のQDコイ
ルの場合、図1に示すように、0.5mm程度の板厚の柔軟
性材料から成る細長状のシートでフレキシブルに形成さ
れたボビン21の外表面に、銅板から成る一方の導電ル
ープとしてソレノイドコイル22が接着されると共に、
同じく銅板から成る他方の導電ループとして鞍形コイル
23が接着されている。このとき、上記ソレノイドコイ
ル22は、ボビン21を例えば被検体の胴体の周りを囲
むように円筒状に丸めたときに円周方向になるように配
置され、他方の鞍形コイル23は、その受信方向を上記
ソレノイドコイル22の受信方向と直交させて配置され
ており、各コイル22,23はコンデンサ24で分割さ
れて動作電圧を下げるように構成されている。また、上
記ソレノイドコイル22と鞍形コイル23との交差部分
25は、両コイル間の容量性結合を緩和するために、例
えば約6mm程度の隙間があけられている。
【0019】そして、図1の実施例においては、上記細
長状のシートで形成されたボビン21の両端部に、上記
各コイル22,23をループ状に結合するため一方のコ
ネクタ26a,26b,26c,26d及び他方のコネ
クタ27a,27b,27c,27dが取り付けられて
いる。従って、上記ボビン21を被検体の例えば胴体の
周りに回して、上記各コネクタ26a〜26d及び27
a〜27dをそれぞれ結合すると、図1に示すように円
筒を形成してループ状になり、それぞれソレノイドコイ
ル22及び鞍形コイル23ができ上がる。
【0020】さらに、上記ボビン21の一端部及び中間
部においてソレノイドコイル22と鞍形コイル23とが
交差する部分25のシート裏面側には、例えば硬質材料
から成る矩形状の底板28が接着されており、この部位
のシート表面側には、上記交差部分25を覆うカバー2
9が被されている。そして、この底板28とカバー29
とでボビン21のリジッド部30を形成している。この
ようにリジッド部30を形成したのは、柔軟性材料から
成る細長状のシートだけでは、ボビン21が自由に変形
し過ぎてソレノイドコイル22と鞍形コイル23との直
交性が悪化するのを防止するためである。なお、図1に
おいて、符号31はソレノイドコイル22の給電点、符
号32は同じくソレノイドコイル22の接地点を示し、
符号33は鞍形コイル23の給電点、符号34は同じく
鞍形コイル23の接地点を示している。
【0021】そして、本発明においては、図1に示すよ
うに、例えばソレノイドコイル22の途中にインダクタ
35が直列に接続されている。このインダクタ35は、
上記ソレノイドコイル22全体のインダクタンスを増加
させるためのもので、適宜の固定インダクタンスを有し
ている。この場合、上記インダクタ35をソレノイドコ
イル22と鞍形コイル23のどちらに挿入するかは、被
検体の周りに高周波受信コイル14bを装着した際の変
形による各コイル22,23のインダクタンスの変化を
調べ、このインダクタンス変化の大きい方のコイルに接
続すればよい。なお、上記インダクタ35の高周波抵抗
は、例えばソレノイドコイル22のQ値を低下させる要
因となるので、できるだけ線材の断面積の大きいものを
使用するのがよい。
【0022】このような状態で、上記ソレノイドコイル
22に直列に接続したインダクタ35のインダクタンス
をΔLとし、このインダクタンスΔLを接続後の回路の
キャパシタンスをC1とすると、この場合のコイル変形
前のソレノイドコイル22の共振周波数f1′は、前述
の(1)式と同様にして、 となる。また、コイル変形後の共振周波数f2′は、前
述の(2)式と同様にして、 となる。
【0023】ここで、コイル変形前の共振周波数に着目
すると、f1≒f1′とみることができるので、(1)式
と(3)式から C1=C0×L1/(L1+ΔL) となる。これを上記(4)式に代入して整理すると、 となる。この(5)式と前述の(2)式とを比較するこ
とにより、ソレノイドコイル22が変形した際の共振周
波数を、上記挿入したインダクタ35のインダクタンス
ΔLにより変化できることがわかる。すなわち、共振周
波数の変化量を、挿入するインダクタンスΔLで調整で
きることがわかる。
【0024】このことから、被検体の周りに高周波受信
コイル14bを装着した際の変形に伴う共振周波数の変
化が大きい方、例えばソレノイドコイル22にある値の
インダクタ35を直列に接続することにより、その共振
周波数の変化量を調整することができ、上記挿入するイ
ンダクタ35のインダクタンスの値を実験等により適当
な値に決めることにより、他方の鞍形コイル23の共振
周波数の変化に合わせることができる。この点、前述の
段落番号0006の所で具体的に記したコイル変形の一
例において、ソレノイドコイル及び鞍形コイルの共振周
波数の変化量を基に、前記(4)式を用いて挿入すべき
インダクタンスΔLの値を計算すると、0.4μH程度に
なる。そこで、本発明者らは、上記インダクタンスΔL
の値で実験したところ、上記両コイルとも共振周波数の
変化量が250KHzになることを確認した。
【0025】なお、図1においては、インダクタ35を
ソレノイドコイル22の途中に挿入した例を示したが、
本発明はこれに限らず、被検体の周りに装着した際の変
形によるインダクタンスの変化が鞍形コイル23の方が
大きい場合は、その鞍形コイル23の途中に直列に接続
してもよい。また、ソレノイドコイル22及び鞍形コイ
ル23ともコンデンサ24でそれぞれ分割したものとし
たが、両コイル22,23は必ずしもコンデンサ24で
分割しなくてもよい。さらに、図1では柔軟性材料から
成るシートでできたフレキシブルなボビン21の一端部
と中間部とにリジッド部30を形成した例を示したが、
本発明はこれに限らず、リジッド部30は設けなくても
よい。
【0026】図2はこのように構成された高周波受信コ
イル14bの原理及び接続を示す回路図である。図にお
いては、説明の簡略化のためにコイルのチューニング回
路等は省略している。図上、静磁場方向は矢印Sで示さ
れ、一つの平面で回転している磁化ベクトルは、高周波
受信コイル14bを構成するソレノイドコイル22と鞍
形コイル23に90度の位相差を伴った同一信号を誘起す
る。ここで、ソレノイドコイル22と鞍形コイル23と
は軸方向が直交して配置されているので、互いに独立な
ランダムノイズを伴って高周波信号(NMR信号)が検
出される。このノイズ源となり得るものは、各コイル2
2,23の抵抗並びにこれらのコイル22,23の磁気
的結合及び電気的結合などに起因する被検体1からの等
価抵抗である。
【0027】上記ソレノイドコイル22及び鞍形コイル
23からの信号は、増幅器15内の第一のアンプ15a
または第二のアンプ15bでそれぞれ増幅された後、シ
フター36へ入力される。このシフター36は、フェイ
ズシフタ37とアッテネータ38と加算器39とで構成
されている。そして、ソレノイドコイル22からの信号
の位相を上記フェイズシフタ37で90度ずらし、鞍形コ
イル23からの信号と位相を合わせる。一方、鞍形コイ
ル23とソレノイドコイル22とでは感度が等しくな
く、例えば前者の感度を“1”としたとき後者のそれは
“1.4”となっている。従って、この場合は、加算器3
9での信号の加算比率を変えなければ高いS/N比を得
ることができない。このときの最適な加算比率は、12
÷1.42=0.51となる。そこで、鞍形コイル23からの信
号経路の途中にアッテネータ38を挿入し、上記ソレノ
イドコイル22からの信号を“1”としたときに、鞍形
コイル23からの信号が“0.51”となるように調整して
いる。このようにして、上記両コイル22,23からの
信号強度を合わせた後に、加算器39で両信号を加算
し、シフター36から出力される。そして、このシフタ
ー36からの出力信号は、図3に示す直交位相検波器1
6へ送出される。
【0028】このように、上記両コイル22,23から
の信号の位相をフェイズシフタ37で合わせ、加算器3
9で加算すると、ノイズも多少大きくなるが検出信号は
かなり大きくなり、結果としてS/N比が大きくなる。
例えば、一方のコイル22と他方のコイル23の寸法、
形状が等しく、さらに前述の被検体1からの等価抵抗も
等しい場合には、検出信号は2倍に、ノイズは√2倍と
なり、結果としてS/N比は√2倍に向上する。
【0029】なお、以上の説明においては、高周波受信
コイル14bに用いる垂直磁場方式のQDコイルとして
ソレノイドコイル22と鞍形コイル23とを組み合わせ
たものについて説明したが、本発明はこれに限らず、水
平磁場方式のQDコイルとして鞍形コイル23と他の鞍
形コイル23とを組み合わせたもの、或いはその他種々
の形式のコイルを組み合わせたものについても同様に適
用することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
フレキシブルなボビン21上にそれらの感度方向を互い
に直交させて一組に形成された二つの導電ループ(2
2,23)のうち、被検体の周りに装着した際の変形に
よるインダクタンスの変化の大きい方の導電ループに
は、当該導電ループ全体のインダクタンスを増加させる
ための適宜の固定インダクタンスを有するインダクタ3
5を直列に接続したことにより、被検体1に装着した際
のコイルの変形による共振周波数の変化量を小さくする
ことができる。すなわち、被検体1の周りに高周波受信
コイル14bを装着した際の変形に伴う共振周波数の変
化が大きい方の導電ループにある値のインダクタ35を
挿入することにより、その共振周波数の変化量を調整す
ることができ、他方の導電ループの共振周波数の変化に
合わせることができる。これにより、被検体1の体形に
応じて変形した高周波受信コイル14bにおいて、上記
二つの導電ループ(22,23)の共振周波数を略同一
とすることができる。従って、上記高周波受信コイル1
4bの感度を向上することができ、磁気共鳴イメージン
グ装置において、S/N比を向上して良好な診断画像を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による磁気共鳴イメージング装置の高
周波受信コイルの実施例を示す斜視説明図、
【図2】 上記高周波受信コイルの原理及び接続を示す
回路図、
【図3】 本発明の高周波受信コイルが適用される磁気
共鳴イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…被検体、 2…静磁場発生磁石、 3…磁場勾配発
生系、 4…送信系、 5…受信系、 6…信号処理
系、 7…シーケンサ、 8…CPU、 14a…高周
波送信コイル、 14b…高周波受信コイル、 21…
ボビン、 22…ソレノイドコイル、 23…鞍形コイ
ル、 26a〜26d…一方のコネクタ、 27a〜2
7d…他方のコネクタ、 35…インダクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8203−2G G01R 33/22

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に静磁場及び傾斜磁場を与える磁
    場発生手段と、上記被検体の生体組織を構成する原子の
    原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波信号を照
    射する送信系と、上記の核磁気共鳴により放出される高
    周波信号を検出する受信系と、この受信系で検出した高
    周波信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系とを
    備えて成る磁気共鳴イメージング装置の上記受信系内に
    設けられ、フレキシブルなボビン上に二つの導電ループ
    がその感度方向を互いに直交させて一組に形成され、且
    つ上記被検体から放出される高周波信号を検出する感度
    方向が静磁場に対し直交して配置される高周波受信コイ
    ルにおいて、上記二つの導電ループのうち被検体の周り
    に装着した際の変形によるインダクタンスの変化の大き
    い方の導電ループには、その導電ループ全体のインダク
    タンスを増加させるための適宜の固定インダクタンスを
    有するインダクタを直列に接続し、上記変形によるイン
    ダクタンスの変化の大きい方の導電ループの共振周波数
    の変化量を調整して他方の導電ループの共振周波数の変
    化に合わせるようにしたことを特徴とする磁気共鳴イメ
    ージング装置の高周波受信コイル。
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