JP3211622B2 - アルミニウムスクラップの精製方法 - Google Patents

アルミニウムスクラップの精製方法

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JP3211622B2 JP12424795A JP12424795A JP3211622B2 JP 3211622 B2 JP3211622 B2 JP 3211622B2 JP 12424795 A JP12424795 A JP 12424795A JP 12424795 A JP12424795 A JP 12424795A JP 3211622 B2 JP3211622 B2 JP 3211622B2
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶解原料に含まれてい
る不純物を晶出分離し、純度の高いα−Al晶を選択的
に晶出成長させることによりアルミニウムスクラップを
精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶湯中に浸漬した冷却体表面に晶出物を
成長させる偏析法でアルミニウムスクラップを精製する
際、精製純度は、冷却体の表面で凝固する晶出物の形状
に影響される。そのため、精製純度を高めるため、晶出
物の形状コントロールが種々検討されている。たとえ
ば、冷却体として管状体(以下、冷却管という)を用い
たものでは、特公昭59−45739号公報にみられる
ように冷却管のメタル界面深さの上下の外周に断熱材を
取り付け、或いは特公平2−27423号公報にみられ
るように冷却管内部のメタル界面深さ上下にヒータを取
り付けることにより晶出凝固体の形状をコントロールす
る方法が提案されている。
【0003】しかし、冷却管外周に断熱材を取り付ける
方法では、アルミ溶湯に耐える適当な断熱材が少ないこ
と,断熱材が冷却管から剥離し易いこと,操業条件によ
っては断熱材の表面にアルミニウムが凝固し、このアル
ミニウムを取り除くとき断熱材に破損が生じ易いこと等
の問題があり、操業上の問題が多い。また、冷却管内部
にヒータを取り付ける方法では、冷却管を回転させる場
合に電源の取入れ機構が複雑になるだけでなく、高温に
さらされることから絶縁が難しく、且つ断線等のトラブ
ルが多発する等の問題がある。また、冷却管底部に精製
アルミニウムを凝固させない方法としては、特公昭60
−17008号公報にみられるように冷却管底部外面に
断熱材を取り付けたり、特公平5−65415号公報に
みられるように冷却管底部の肉厚を厚くしたり、底面方
向の冷媒の吹出し口を中止したりする方法が提案されて
いる。しかし、底面外部に断熱材を取り付けるとき、断
熱材の剥離等、種々の問題が生じる。しかも、何れの方
法でも底面が完全にアルミ溶湯に常時接触しているケー
スが多く、冷却管が侵食される欠点がある。
【0004】本発明者等も、偏析法によるアルミニウム
スクラップの精製を調査・研究し、その過程で、冷却体
の表面にα−Al晶を晶出させることによりアルミニウ
ム溶湯を生成する方法を開発し、その一部を特願平7−
30109号として出願した。この方法では、図1に示
すような管状の回転冷却体10や図2に示すような円板
状の回転冷却体20を使用する。精製されるアルミニウ
ムスクラップは、精製容器30に収容され、外周からヒ
ータ31で加熱される。また、精製容器30に装着した
蓋体32に設けた温度制御用のバーナ33で加熱するこ
ともできる。これにより、α−Alの凝固点より僅かに
高い温度に保持されたアルミニウム溶湯Mが調製され
る。溶融状態に保持された溶湯Mに、回転冷却体10,
20が浸漬される。管状の回転冷却体10は、軸方向に
ガス通路をもつ内管11の先端部近傍に外管12を嵌め
合せている。内管11は、蓋体32を貫通して上方に延
び、カップリング13を介しモータ14の出力軸に接続
されている。モータ14から延びたアーム15は、モー
タ16で回転される送りネジ17に嵌挿されている。こ
れにより、回転冷却体10は、精製容器30の内部で昇
降自在に回転する。円板状の回転冷却体20も、同様な
機構によって昇降自在に回転する。
【0005】管状の回転冷却体10(図1)は、内管1
1から送り込まれた冷却媒体gがギャップ18を経て外
管12から放出されることにより冷却される。冷却媒体
gには、空気,非酸化性ガス,霧状の水分を含む空気等
が使用される。冷却媒体gの流動により、外管12の管
壁を介して溶湯Mが冷却される。円板状の回転冷却体2
0(図2)は、内管21に外管22を嵌め合わせた二重
管構造をもっており、内管21及び外管22の下端部に
共に半径方向に広がった円形状のフランジ23,24が
取り付けられており、フランジ23には複数のオリフィ
ス25が形成されている。フランジ23から一定の間隔
を保った底壁27が取り付けられている。冷却媒体g
は、外管22に送り込まれ、内管21と外管22との間
を経て、フランジ44と43との間に形成された分配室
28に導入される。次いで、冷却媒体gは、オリフィス
25,25・・を経て冷却室29に流入する。
【0006】冷却室29内の冷却媒体gは、底壁27を
介して溶湯Mを冷却する。冷却媒体gの抜熱能が底壁2
7の面内で均一化されているので、冷却された溶湯Mか
ら底壁27の下面に万遍なくα−Alが晶出する。溶湯
Mとの熱交換によって昇温した冷却媒体gは、冷却室2
9から内管21を経て系外に排出される。溶湯Mの温度
が下がるとき、初晶が金属間化合物の系では、先ず回転
冷却体10,20を冷却する前に溶湯の温度を下げ、た
とえばAl−Si−Fe−Mn系金属間化合物を炉底に
沈降させる。金属間化合物の晶出に伴って、残りの溶湯
Mが純化され、温度が更に下がる。そして、回転冷却体
10,20を冷却すると、α−Al晶の晶出が始まる。
このとき、α−Al晶と溶湯Mとの界面に排出されるS
i,Fe,Cu等の不純物は、回転冷却体10,20の
回転によってα−Al晶から分離され、一部は溶湯Mに
比較して比重が大きな金属間化合物Iとして溶湯M中を
落下し、残りは母液中に拡散する。沈降分離した金属間
化合物Iは、回転冷却体10,20の回転で生じる溶湯
Mの撹拌流により、精製容器30の底部中央に溜る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】管状回転冷却体10の
側面や円板状回転冷却体20の底面にα−Al晶を晶出
凝固させる際、晶出物の形状を制御することが凝固速度
のコントロールにつながり、ひいては晶出物の純度を向
上させることにもなる。管状の回転冷却体10には、図
3の(a)〜(f)に示すような形状でα−Al晶が晶
出する。円板状の回転冷却体20には、図3の(g)〜
(i)に示すような形状でα−Al晶が晶出する。本発
明者等の調査・研究によるとき、これら晶出物の形状の
うちで(e),(f)及び(i)が凝固速度が均一にコ
ントロールされ、得られた晶出物の純度も高くなってい
ることが判った。しかし、晶出物の形状制御は、従来で
は冷却体10,20そのものの材質や断熱構造等の改良
で対応している。このような対応であると、結果として
設備の複雑化や制作コストの上昇等の問題を派生させ
る。本発明は、晶出物の形状が図3の(e),(f)又
は(i)になるように冷却条件を制御することにより、
設備構成自体に影響を及ぼすことなく、従来の精製装置
を使用して純度の高い精製アルミニウムを高生産性で得
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の精製方法は、そ
の目的を達成するため、アルミニウムスクラップを溶解
した溶湯に冷却体を浸漬し、冷却体の表面にα−Al晶
を晶出成長させる際、α−Al晶出温度T0(℃)に対
してアルミニウム溶湯の湯面上方にある雰囲気の温度T
1(℃)をT1=T0−(0〜24)の範囲に維持するこ
とを特徴とする。不純物の一部が金属間化合物の初晶と
して晶出する組成をもつアルミニウム合金を精製する場
合には、初晶として晶出する金属間化合物を炉底に沈降
分離させた後、アルミニウム溶湯に浸漬した冷却体の表
面にα−Al晶を晶出成長させる。湯面の上方約10c
mにおける雰囲気温度がT1=T0−(0〜24)の条件
を満足するとき、好適な冷却条件が得られ、晶出物の形
状が図3の(e),(f)又は(i)になる。操業的に
は、α−Alの晶出温度より雰囲気温度を下げた方が晶
出物の形状制御が容易になる。これは、雰囲気温度を低
くすることにより、晶出物が凝固する際に発生する凝固
潜熱の抜熱が容易になることに由来するものと推察され
る。冷却体としては、図1の管状冷却体10,図2の円
板状冷却体20等を使用することができる。これら冷却
体は、回転式、或いは回転させることなく固定式の何れ
であってもよい。また、図4に示されるような管状冷却
体を使用する場合、内管11の底面にも通気口42を形
成し、底面における冷却媒体の吹出し率を全吹出し量の
0.1〜5%に調整することが好ましい。
【0009】
【作用】α−Al晶は、図3に示すように種々の形状と
なって冷却体10,20に晶出する。晶出物の形状がこ
のように異なることは、次の理由によるものと考えら
れ、純度の高い精製品を得る上では図3(e),(f)
及び(i)の形状が好ましい。管状の冷却体10の側面
にα−Al晶を晶出させるとき、雰囲気温度が低過ぎる
場合、アルミニウム溶湯Mから雰囲気に放散される熱量
が多く、湯面での凝固が促進される。他方、湯面から深
い部分では、凝固潜熱が放散されず、凝固が遅延する。
その結果、α−Al晶出物は、湯面で浴内部に向けて小
径化された形状(a)になる。しかも、湯面における凝
固速度が大きすぎることから、α−Al晶の晶出に際し
て不純物或いは純度の低いAlが晶出物に取り込まれ、
得られた精製品の純度が低下する。底面の吹出し率を大
きくして底面からの冷却を高めた冷却体10では、冷却
体10の下端側にα−Al晶出物が大きく成長する
(b)。このとき、底面における凝固速度が早すぎる
と、底面に成長した晶出物に不純物或いは純度の低いA
lが取り込まれ、側面に成長した晶出物に比較して純度
が低下する。また、(b)の形状をもつ晶出物は、精製
中に冷却体10から脱落し易く、精製効率を低下させる
ことになる。
【0010】雰囲気温度が高すぎる場合には、アルミニ
ウム溶湯から雰囲気に放散される熱量がなく、湯面にお
ける凝固の進行が期待できない。その結果、凝固速度が
遅く、α−Al晶出物は専ら冷却体10の下部に厚く成
長する(c)。また、冷却体10の上部に晶出したα−
Alが剥離し易くなる。アルミニウム溶湯Mに浸漬した
冷却体10の回転速度が高過ぎると、冷却体10の表面
に付着した晶出物が遠心力によって剥離脱落する
(d)。晶出物がこのような形状になる場合には、冷却
体10の回転数を調整することにより、適正形状をもつ
晶出物を成長させることが要求される。雰囲気温度が適
正に維持され、且つ冷却条件が冷却体10の表面に関し
て均一であると、α−Al晶出物は、冷却体10の側面
に均一な厚みで成長する(e)。更に、冷却体10の底
面における抜熱機能を向上させると、底面にもα−Al
晶出物が成長する(f)。このような均一な厚みで成長
した晶出物からは、純度の高い精製品が得られる。ま
た、形状(f)の晶出物は、精製効率を上げる上で有効
である。
【0011】円板状の冷却体20を使用した場合でも、
雰囲気温度が低過ぎると、湯面近傍でα−Al晶出物が
優先的に成長し、冷却体20の下面に成長するα−Al
晶が比較的に減少する(g)。逆に雰囲気温度が高すぎ
ると、凝固速度が遅く、α−Al晶出物が冷却体20の
下面中央部から下向きに成長する(h)。これに対し、
雰囲気温度が適正に維持された条件下では、冷却体20
の下面及び側面にα−Al晶出物が万遍なく成長し
(i)、冷却体20の表面が精製反応に効果的に利用さ
れ、純度のよい精製品が得られる。本発明者等による種
々の実験結果から、図3(e),(f),(i)の形状
をもつ晶出物が形成されるとき、適正な速度で凝固反応
が進行し、晶出物の形状も良好で、純度のよい精製品が
得られることが判った。なかでも、底面の抜熱能を向上
させた冷却体10を使用して得られる晶出物(f)は、
底面の抜熱能を期待していない冷却体10を使用した場
合に得られる晶出物(e)に比較して1バッチ当りの精
製量も多くなり、しかも冷却体10の底面がアルミ溶湯
によって侵食されることも防止される。
【0012】底面の抜熱能を高めた冷却体10として
は、図4に示す断面構造をもつものが使用される。湯面
Lより下方に位置する内管11の側面に複数の通気孔4
1を形成すると共に、底面にも通気孔42を形成する。
そして、通気孔41,42の開口面積を調整することに
より、吹出し率を調整する。たとえば、直径60.5m
mの内管11を使用し、湯面Lから50mmしたの位置
から内管11の先端近傍までの側面に直径8mmの通気
孔41を54個形成する。他方、内管11の底部中央
に、直径5mmの通気孔41を1個形成する。このと
き、内管11の底部における冷却媒体gの吹出し率は、
(π×2.52 ×1/π×42 ×54)×100=0.
7%となる。
【0013】この内管11の底部における吹出し率が0
%の場合、すなわち内管11の底部から冷却媒体gを吹
出さない場合には、冷却管10の外周面の下面が冷却さ
れないため、図3(a),(c),(d),(e)に示
すように冷却体10の下面にα−Al晶が晶出又は成長
せず、冷却体10の表面を晶出物の成長に利用する効率
が低下する。また、冷却体10の下面がアルミニウム溶
湯Mに露出した状態になるので、冷却体10の素材によ
ってはアルミニウム溶湯Mにより冷却体10が侵食され
る。しかし、吹出し率が5%を超えるようになると、冷
却体10の下面における冷却効果が大きくなりすぎ、図
3(b)に示すような晶出物が形成される。この場合、
冷却体10の下面における凝固速度が目標値より早いた
め、下面に成長した晶出物は、冷却体10の側面に成長
した晶出物に比較して純度が悪くなる。他方、吹出し率
を0.1〜5%の範囲に調整した冷却体10では、図3
(f)に示すように冷却体10の側面及び底面が高い効
率で晶出物の成長に利用され、均一な厚みをもち形状が
良好な晶出物が得られる。また、冷却体10の表面が晶
出物で覆われ、アルミニウム溶湯Mによる冷却体10の
侵食も防止される。
【0014】
【実施例】
実施例1:Si:0.64重量%及びFe:0.45重
量%を含むアルミニウムサッシスクラップを溶解したア
ルミニウム溶湯Mに、直径110mmの管状冷却体10
を湯面から300mmの深さまで浸漬し、冷却空気を1
000リットル/分の流量で供給しながら管状冷却体1
0を100r.p.mで回転させた。管状冷却体10と
しては、直径60mmの内管11の底部に通気孔42を
形成し、底部の吹出し率を0.7%に設定したものを使
用した。晶出温度T0 は654〜652℃の範囲である
ので、T1 =T0 −(2〜14)℃となるように炉内の
雰囲気温度T1 を640〜650℃に保持した。この条
件下で、冷却体10の側面及び底面にα−Al晶出物を
15分間成長させた。得られた晶出物は、冷却体10の
底面から上方290mmの位置にある側面に直径340
mmの厚みまで成長していた。また、冷却体10の底面
から下方に20mmの厚みで成長していた。この晶出物
から得られた精製品の純度は、Si:0.22重量%及
びFe:0.13重量%であった。
【0015】実施例2: 実施例1と同じアルミニウム溶湯Mに、直径280mm
の円板状回転冷却体20を浸漬し、冷却空気を3000
リットル/分の流量で供給しながら円板状冷却体20を
50r.p.mで回転させた。晶出温度T0は654〜
652℃の範囲であるので、T1=T0−(0〜8)℃と
なるように炉内の雰囲気温度T1を646〜654℃に
保持した。この条件下で、冷却体20の下面及び側面に
α−Al晶出物を15分間成長させた。得られた晶出物
は、冷却体20の底面から35mmの厚みで直径310
mmまで成長していた。この晶出物から得られた精製品
の純度は、Si:0.20重量%及びFe:0.14重
量%であった。
【0016】実施例3: Si:8.02重量%及びFe:0.68重量%を含む
自動車用アルミニウムスクラップを溶解したアルミニウ
ム溶湯Mに、実施例1と同じ管状冷却体10を湯面から
300mmの深さまで浸漬し、冷却空気を3000リッ
トル/分の流量で供給しながら管状冷却体10を200
r.p.mで回転させた。晶出温度T0は594〜59
2℃の範囲であるので、T1=T0−(0〜24)℃とな
るように炉内の雰囲気温度T1を570〜594℃に保
持した。この条件下で、冷却体10の側面及び底面にα
−Al晶出物を15分間成長させた。得られた晶出物
は、冷却体10の軸方向に関して320mmの長さで直
径240mmの厚みまで成長していた。この晶出物から
得られた精製品の純度は、Si:3.31重量%及びF
e:0.20重量%であった。
【0017】実施例4: 実施例3と同じアルミニウム溶湯Mに、実施例2と同じ
円板状回転冷却体20を浸漬し、冷却空気を3000リ
ットル/分の流量で供給しながら円板状冷却体20を1
50r.p.mで回転させた。晶出温度T0は594〜
592℃の範囲であるので、T1=T0−(4〜24)℃
となるように炉内の雰囲気温度T1を570〜590℃
に保持した。この条件下で、冷却体20の下面及び側面
にα−Al晶出物を15分間成長させた。得られた晶出
物は、冷却体20の底面から25mmの厚みで直径30
0mmまで成長していた。この晶出物から得られた精製
品の純度は、Si:3.20重量%及びFe:0.18
重量%であった。実施例1〜4に示すような実験を種々
のアルミニウムスクラップに対して繰り返した結果、α
−Alの晶出温度に対して雰囲気温度を適正に調節する
とき、形状が良好で純度の高い精製品が得られることを
確認した。すなわち、アルミニウムサッシスクラップの
精製にあたっては、α−Alの晶出温度T0が650℃
付近にあるので、晶出温度T0より0〜10℃低い64
0〜650℃の範囲に雰囲気温度T1を保持することが
有効である。他方、自動車用Alスクラップの精製にあ
たっては、α−Alの晶出温度T0が590℃付近にあ
るので、晶出温度T0より0〜20℃低い570〜59
0℃の範囲に雰囲気温度T1を保持することが有効であ
る。
【0018】比較例:管状回転冷却体10を使用し、本
発明で規定した範囲を外れる条件下で実施例1と同じア
ルミニウムサッシスクラップの溶湯を精製した場合を、
実施例1及び3と対比して図5に示す。雰囲気温度が低
過ぎる比較例1では、湯面近傍の凝固速度が大きく、精
製品の純度が悪かった。雰囲気温度が高すぎる比較例2
では、全体的に凝固速度が遅く、純度が高い精製品が得
られたものの、生産性に問題があった。また、内管底部
からの吹出し率を大きくした比較例3では、形状が不良
な晶出物が成長し、精製品の純度も悪かった。また、円
板状の回転冷却体20を使用してアルミニウムサッシス
クラップの溶湯を精製した場合、雰囲気温度を500〜
530℃に設定すると、図3(g)に示すように、湯面
近傍での凝固速度が大きく、純度の低い精製品が得られ
た。逆に雰囲気温度を720〜750℃と高く設定する
と、図3(h)に示す形状をもつ晶出物が成長し、純度
が高い精製品が得られたものの、低い精製効率であっ
た。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、初晶が金属間化合物である組成をもつアルミニウム
スクラップの溶湯に冷却体を浸漬して、冷却体の側面や
下面にα−Al晶を晶出させることによりアルミニウム
を精製するとき、α−Alの晶出温度との関連で雰囲気
温度を制御している。この温度制御により、α−Al晶
の凝固速度を冷却体の表面全体に均一化することがで
き、純度のよい精製品が得られる。また、管状冷却体の
内管底部に通気孔を形成し、底面冷却能を向上させると
き、管状冷却体の底面にも純度のよい晶出物が成長し、
精製効率が向上すると共に、アルミニウム溶湯による冷
却体の侵食も抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従った精製方法を実施する精製装置
の一例
【図2】 本発明に従った精製方法を実施する精製装置
の他の例
【図3】 雰囲気温度等に影響によって異なった形状に
成長したα−Al晶出物の数例
【図4】 底面の抜熱能を向上させた管状冷却体
【図5】 管状冷却体を使用してアルミニウム溶湯を精
製した場合の操業条件が精製結果に与える影響を対比し
た図表
【符号の説明】
M:溶湯 α−Al:精製された晶出物 I:金属
間化合物 g:冷却媒体 10:管状回転冷却体 11:内管 12:外管
13:カップリング 14,16:モータ 15:アーム 17:送りネ
ジ 18:ギャップ 20:円板状回転冷却体 21:内管 22:外管
23,24:フランジ 25:オリフィス 2
7:底壁 28:分配室 29:冷却室 30:精製容器 31:ヒータ 32:蓋体 3
3:バーナ 41:内管の下部側面に形成した通気孔
42:内管の底面に形成した通気孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−190535(JP,A) 特開 昭63−162823(JP,A) 特開 平5−295465(JP,A) 特公 平2−27423(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 1/00 - 61/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムスクラップを溶解した溶湯
    に冷却体を浸漬し、冷却体の表面にα−Al晶を晶出成
    長させる際、α−Al晶出温度T0 (℃)に対してアル
    ミニウム溶湯の湯面上方にある雰囲気の温度T1(℃)
    をT1 0 −(0〜24)の範囲に維持することを特徴
    とするアルミニウムスクラップの精製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷却体として、底が閉じ
    た管内に同じく底が閉じた管を挿入した形状の二重管か
    らなり、湯面より下方に位置する内管の側面及び底面に
    通気孔を有する断面構造のものであって、内管から冷却
    媒体を送給して二重管の外管内を通して前期冷却媒体を
    外に排出する際、内管の底面における冷却媒体の吹出し
    率が全吹出し量の0.1〜5%である管状冷却体を使用
    するアルミニウムスクラップの精製方法。
  3. 【請求項3】 不純物の一部が金属間化合物の初晶とし
    て晶出する組成をもつアルミニウム合金を溶解し、初晶
    として晶出する金属間化合物を炉底に沈降分離させた
    後、アルミニウム溶湯に浸漬した冷却体の表面にα−A
    l晶を晶出成長させる請求項1又は2記載のアルミニウ
    ムスクラップの精製方法。
JP12424795A 1995-04-25 1995-04-25 アルミニウムスクラップの精製方法 Expired - Fee Related JP3211622B2 (ja)

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