JP3210173B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

Info

Publication number
JP3210173B2
JP3210173B2 JP10317294A JP10317294A JP3210173B2 JP 3210173 B2 JP3210173 B2 JP 3210173B2 JP 10317294 A JP10317294 A JP 10317294A JP 10317294 A JP10317294 A JP 10317294A JP 3210173 B2 JP3210173 B2 JP 3210173B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
main
current
phase
power supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10317294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07322623A (ja
Inventor
茂 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP10317294A priority Critical patent/JP3210173B2/ja
Publication of JPH07322623A publication Critical patent/JPH07322623A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3210173B2 publication Critical patent/JP3210173B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rectifiers (AREA)
  • Power Conversion In General (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単相交流電源から供給
される交流電力を直流電力に変換する電圧形電力変換装
置に係り、特に、単相交流電源の電力変動分を直流側で
吸収するように補償制御した電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の電圧形電力変換装置の構
成図を示す。図中、SUP は単相交流電源、Ls は交流リ
アクトル、CNV はパルス幅変調制御コンバータ(以下、
PWMコンバータと記す)、Cdoは直流平滑コンデン
サ、INV はパルス幅変調制御インバータ(以下、PWM
インバータと記す)、IMは3相誘導電動機である。
【0003】又、制御回路として、直流電圧検出器ISO
、入力電流検出器CTS 、モータ電流検出器CTU 〜CTW
、直流電圧制御回路AVR 、入力電流制御回路ACRS、コ
ンバータ用パルス幅変調制御回路PWMC1 、速度検出器P
G、速度制御回路SPC 、負荷電流制御回路ACRL、インバ
ータ用パルス幅変調制御回路PWMC2 を設けている。
【0004】PWM コンバータCNV は直流平滑コンデンサ
Cdoに印加される電圧がVd がほぼ一定になるように、
交流電源SUP から供給される入力電流Is を制御する。
このとき、入力電流Is を電源電圧Vs と同相の正弦波
に制御することにより入力力率=1で、高調波の少ない
電力変換ができる。
【0005】一方、PWMインバータINV は前記直流平
滑コンデンサCdoを直流電源として可変電圧可変周波数
の3相交流電力に変換し、交流電動機(誘導電動機)IM
を駆動する。この様な単相交流電源から給電を受け、直
流電圧に変換し、更に交流電力に変換して電動機を駆動
するシステムは一般に知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この従来の電圧形電力
変換装置には次のような問題点がある。即ち、単相交流
電源SUP から給電を受けた場合、電源周波数の2倍の周
波数で電力が変動し、その結果、直流平滑コンデンサC
doに印加される電圧Vd がやはり電源周波数の2倍の周
波数で変動する。その電圧変動の大きさはインバータが
出力する有効電力の大きさに比例し、前記直流平滑コン
デンサCdoの容量に反比例する。
【0007】従って、直流平滑コンデンサCdoの容量を
大きくすれば、単相PWMコンバータCNV によって変換
された直流電圧Vd の変動を小さくすることができる
が、装置の重量寸法が大きくなり、コストも高くなる。
特に、電車の駆動システムでは、装置の重量寸法はでき
るだけ小さくすることが望ましく、或程度の直流電圧変
動は許容せざるを得なかった。
【0008】しかし、この直流電圧Vd の変動はインバ
ータ側に影響を及ぼし、インバータの出力電流を変動さ
せる原因となっている。例えば、単相交流電源SUP の周
波数を、50HZとした場合、直流電圧Vd の変動周波数
は100HZとなる。このとき、インバータの出力周波数
が100HZに近づくに従って出力電流の変動が大きくな
り、ビート現象を引き起こす。この結果、電動機IMの発
生トルクが脈動し、振動や騒音の原因にもなっていた。
【0009】又、直流電圧Vd が変動した分インバータ
やコンバータを構成する半導体素子に印加される電圧の
最大値が増加し、より耐圧の大きい半導体素子を使用し
なければならず、変換装置の重量や寸法を増大させ、コ
ストを高くする原因になっていた。
【0010】本発明は、前述の問題点を除去するために
なされたもので、単相交流電源の電力変動分を交直変換
器の直流側に設置した直流アクティブフィルタにより吸
収制御し、直流電圧の変動を無くし、且つ直流平滑コン
デンサの容量を低減できる電力変換装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、単相交流電源と、該単相
交流電源の交流電力を直流電力に変換する主PWMコン
バータと、該主PWMコンバータの直流端子間に接続さ
れた主平滑コンデンサと、該主平滑コンデンサを直流電
源とする負荷装置と、前記主平滑コンデンサに並列接続
され前記単相交流電源の周波数の2倍の周波数付近に共
振周波数を合せたLC直列共振回路と、前記主PWMコ
ンバータの直流回路に設けられる直流アクティブフィル
タを具備し、該直流アクティブフィルタは、直流定電圧
源と、該直流定電圧源の直流電圧を可変電圧の交流電圧
に変換する電圧形PWMインバータと、該電圧形PWM
インバータの交流出力端子に接続された単相変圧器と、
該単相変圧器の2次巻線を介して前記主PWMコンバー
タの直流端子間に接続された直流コンデンサと、前記単
相交流電源の周波数の2倍の周波数に起因して変動する
前記主PWMコンバータの直流電圧の変動を抑制する手
段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、直流アク
ティブフィルタを、変圧器を介して供給される交流を直
流に変換する整流器と、該整流器の直流電圧を可変電圧
の交流電圧に変換する電圧形PWMインバータと、該電
圧形PWMインバータの交流端子間に前記主PWMコン
バータの直流回路を介して直列接続されたリアクトルと
直流コンデンサと、前記単相交流電源の周波数の2倍の
周波数に起因して変動する前記主PWMコンバータの直
流電圧の変動を抑制する手段で構成したことを特徴とす
るものである。
【0013】更に、請求項3に記載の発明は、直流アク
ティブフィルタを、直流定電流源と、該直流定電流源の
直流電流を可変電圧の交流電圧に変換する電流形PWM
インバータと、該電流形PWMインバータの交流出力端
子に接続された高周波コンデンサと、一端が前記主PW
Mコンバータの直流端子の一端に接続され、他端が前記
電流形PWMインバータの交流出力回路を介した前記主
PWMコンバータの直流端子の他端に接続された直流コ
ンデンサと、前記単相交流電源の周波数の2倍の周波数
に起因して変動する前記主PWMコンバータの直流電圧
の変動を抑制する手段で構成したことを特徴とするもの
である。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、直流アク
ティブフィルタを、直流定電圧源と、該直流定電圧源の
直流電圧を可変電圧の交流電圧に変換する電圧形PWM
インバータと、一次巻線が前記電圧形PWMインバータ
の交流出力端子に接続され、二次巻線が前記LC直列共
振回路を構成するリアクトルに並列接続された単相変圧
器と、前記単相交流電源の周波数の2倍の周波数に起因
して変動する前記主PWMコンバータの直流電圧の変動
を抑制する手段で構成したことを特徴としたものであ
る。
【0015】更に、請求項5に記載の発明は、請求項1
乃至請求項4に記載の発明における主PWMコンバータ
の直流電圧の変動を抑制する手段を、前記主PWMコン
バータの交流瞬時電力Pc を演算する手段と、単相交流
電源から供給される平均有効電力Pavを演算する手段
と、前記交流瞬時電力Pc と前記平均有効電力Pavと前
記主平滑コンデンサの電圧検出値Vd とから補償電流指
令値IF * を演算する手段と、該補償電流指令値IF *
から前記LC直列共振回路に流れる電流IFOを減算して
前記直流アクティブフィルタの出力電流指令値IA *
求める手段と、該出力電流指令値IA * に応じて前記直
流アクティブフィルタの出力電流IA を制御する手段で
構成したことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】前述のように構成した請求項1に記載の発明
は、単相交流電源の周波数の2倍の周波数に起因して変
動する主PWMコンバータの直流電圧の変動を、主PW
Mコンバータの直流端子間に接続されたLC直列共振回
路によって抑制し、LC直列共振回路によって抑制しき
れない分を、直流アクティブフィルタを構成する電圧形
PWMインバータの出力電流を制御することによって抑
制するようにしたものである。
【0017】また、請求項2に記載の発明は、単相交流
電源の周波数の2倍の周波数に起因して変動する主PW
Mコンバータの直流電圧の変動を、主PWMコンバータ
の直流端子間に接続されたLC直列共振回路によって抑
制し、LC直列共振回路によって抑制しきれない分を、
直流アクティブフィルタを構成する電圧形PWMインバ
ータの出力電流を制御することによって抑制するように
したものであるが、請求項1に記載の発明と異なる点
は、電圧形PWMインバータの交流出力端子に接続され
た単相変圧器を省略し、電圧形PWMインバータの直流
電圧を別の変圧器から供給される交流を整流器によって
直流に変換して得ている。
【0018】更に、請求項3に記載の発明は、単相交流
電源の周波数の2倍の周波数に起因して変動する主PW
Mコンバータの直流電圧の変動を、主PWMコンバータ
の直流端子間に接続されたLC直列共振回路によって抑
制し、LC直列共振回路によって抑制しきれない分を、
直流アクティブフィルタを構成する電圧形PWMインバ
ータの出力電流を制御することによって抑制するように
したものであるが、請求項1に記載の発明と異なる点
は、直流アクティブフィルタを構成する電圧形PWMイ
ンバータに代えて電流形PWMインバータを用いたこと
にある。
【0019】また、請求項4に記載の発明は、単相交流
電源の周波数の2倍の周波数に起因して変動する主PW
Mコンバータの直流電圧の変動を、主PWMコンバータ
の直流端子間に接続されたLC直列共振回路によって抑
制し、LC直列共振回路によって抑制しきれない分を、
直流アクティブフィルタを構成する電圧形PWMインバ
ータの出力電流を制御することによって抑制するように
したものであるが、請求項1に記載の発明と異なる点
は、直流アクティブフィルタの直流コンデンサが省略さ
れ、LC直列共振回路のコンデンサによりその作用を兼
ねたことにある。
【0020】更に、請求項5に記載の発明は、単相交流
電源の周波数の2倍の周波数に起因して変動する主PW
Mコンバータの直流電圧の変動を抑制するための好適な
一例として、直流アクティブフィルタの出力電流IA
指令値IA * を、主PWMコンバータの交流側瞬時電力
Pc から単相交流電源から供給される有効電力の平均値
Pavを差し引き、変動電力ΔPc =Pc −Pavを求め、
直流電圧Vd で割算することによりLC直列共振回路と
合わせた全体の補償電流指令値IF * =ΔPc/Vd を
演算し、補償電流指令値IF * からLC直列共振回路に
流れる共振電流IFOを差し引くことにより直流アクティ
ブフィルタが供給する電流IA の指令値IA * を求め、
直流アクティブフィルタ電流IA =IA * となるように
流すとことにより、高精度に主平滑コンンデンサの単相
電力の変動分による直流電圧の変動を抑制出来。従っ
て、主平滑コンンデンサはPWMコンバータと3相PW
Mインバータの直流側の高調波成分を吸収するだけの容
量があれば良く、あまり大きなものは必要としない。
【0021】
【実施例】図1は、請求項1に記載の発明の電力変換装
置の一実施例を示す主回路構成図及び制御回路のブロッ
ク図である。図中、SUP は単相交流電源、Ls は交流リ
アクトル、CNV は主PWMコンバータ、INV は主PWM
インバータ、IMは3相誘導電動機、Cd は主平滑コンン
デンサ、LF ,CF はLC直列共振回路のリアクトルと
コンデンサ、DC-AF は直流アクティブフィルタである。
【0022】直流アクティブフィルタDC-AF は、電流検
出器CTA 、直流電圧源EA 、単相電圧形PWMインバー
タVSI 、単相変圧器TR、リアクトルLA 及びコンデンサ
Aで構成されている。
【0023】又、制御装置として、入力電流検出器CTS
、直流電圧検出器PTD 、電流検出器CTF 、負荷電流検
出器CTL 、速度検出器PG、直流電圧制御回路AVR 、入力
電流制御回路ACRS、コンバータのPWM制御回路PWMC1
、速度制御回路SPC 、負荷電流制御回路ACRL、3相イ
ンバータのPWM制御回路PWMC2 、補償電流演算回路CA
L、補償電流制御回路ACRA、単相電圧形PWMインバー
タVSI のPWM制御回路PWMC3 を備えている。
【0024】主PWMインバータINV は、主平滑コンン
デンサCd を直流電源として、直流を交流に変換して、
可変電圧可変周波数の3相交流電力を誘導電動機IMに供
給する。
【0025】即ち、電動機の回転速度ωr を速度検出器
PGにより検出し、速度制御回路SPCに入力する。速度制
御回路SPC は、速度指令ωr * と速度検出値ωr を比較
し、その偏差εr =ωr * −ωr に応じた3相負荷電流
指令値IL * を作る。
【0026】負荷電流制御回路ACRLは電流検出器CTL に
よって検出した3相負荷電流IL (IU ,IV ,IW
と3相負荷電流指令値IL * (IU * ,IV * ,IW
* )とを比較し、その偏差に応じた3相電圧指令値eL
* (eU * ,eV * ,eW * )をPWM制御回路PWMC2
に与える。この結果、3相PWMインバータは3相電圧
指令値eL * に比例した3相電圧VL (VU ,VV ,V
W )を発生し、3相負荷電流IL を制御する。
【0027】尚、誘導電動機IMをベクトル制御すること
により、直流電動機並の出力特性が得られることが知ら
れているが、本発明の要点ではないので、ここでは説明
を省略する。
【0028】3相出力の主PWMインバータINV 及び誘
導電動機IMは直流電圧源(主平滑コンデンサCd )から
見た場合、高調波成分を除けば後述する図5の直流電流
Id2をとる一種の定電流源と見做せる。
【0029】主PWMコンバータCNV は、主平滑コンデ
ンサCd の印加電圧Vd がほぼ一定になるように入力電
流Is を制御する。この時、入力電流Is を電源電圧V
s と同相(または逆相)の正弦波に制御することによ
り、入力力率=1の運転ができる。
【0030】即ち、主平滑コンデンサCd の電圧Vd を
直流電圧検出器PTD により検出し、電圧制御回路AVR に
入力し、電圧指令値Vd * と比較し、その偏差εv =V
d *−Vd を増幅することにより入力電流の波高値指令
Ism* を求める。又、単相交流電源SUP の電圧Vs を検
出し、該電圧Vs に同期した単位正弦波sinωt を求
め、電流波高値指令Ism* と掛け合わせ、入力電流の指
令値Is * とする。即ち、
【0031】
【数1】Is * =Ism* ・sinωt となる。入力電流制御回路ACRSは、電流検出器CTS によ
って検出した入力電流Is と電流指令値Is * を比較
し、その偏差ε1 =Is * −Is を増幅(−k1 倍)し
て、主コンバータCNV のPWM制御回路PWMC1 に入力信
号ec * とする。主PWMコンバータCNV は入力信号e
c * に比例した電圧Vcを交流側に発生し、入力電流I
s を制御する。交流リアクトルLs には、電源電圧Vs
とコンバータ電圧Vc の差電圧VLS=Vs −Vc が印加
される。
【0032】例えば、Is * >Is の場合、偏差ε1 は
正の値となり、PWM制御回路の入力信号ec * は負の
値になる。故に、交流リアクトルLs に印加される電圧
LSが増加し、入力電流Is を増やす。逆に、Is *
Is の場合、偏差ε1 は負の値となり、PWM制御回路
の入力信号ec * は正の値になる。故に、交流リアクト
ルLs に印加される電圧VLSが減少し、入力電流Is を
減らす。従って、入力電流Is は電流指令値Is * に一
致するように制御される。この場合、電流指令値Is *
は電源電圧Vs と同相の正弦波で与えられ、入力電流I
s もそれに追従して制御され、入力力率=1で高調波の
少ない運転を達成している。
【0033】又、直流電圧Vd は次のように制御され
る。例えば、Vd * >Vd の場合、偏差εv は正の値と
なり電流波高値指令Ism*を正の値で増加させる。この
結果、端相交流電源SUP から供給される電力Ps =Vs
・Is は正の値となり、電力Ps が主平滑コンデンサC
d に供給され、直流電圧Vd を増加させる。逆に、Vd
* <Vd の場合、偏差εv は負の値となり、電流波高値
指令Ism* を負の値とする。この結果、主平滑コンデン
サCd に蓄積されたエネルギが単相交流電源SUP に回生
され、直流電圧Vd を減少させる。このようにして、直
流電圧Vd は指令値Vd * に一致するように制御され
る。
【0034】図2は、図1の装置の交流電源側の電圧、
電流ベクトル図の一例を示す。図中、(a)は力行運転
時のベクトル図を示すもので、入力電流Is は電源電圧
Vs に対して同相に制御される。入力電流Is が流れる
ことにより、交流リアクトルLs に電圧VLS=jω・L
s ・Is が印加され、PWMコンバータCNV の発生電圧
Vc は図示のようになる。この時の電圧Vc の大きさV
cmと位相角θ(遅れ)は、次式のように表わされる。
【0035】
【数2】 θ=tan-1(VLSm /Vsm) 但し、 Vs =Vsm・sinωt Is =Ism・sinωt VLSm =ω・Ls ・Ism とする。
【0036】又、同図(b)は回生運転のベクトル図を
示すもので、入力電流Is は電源電圧Vs に対して逆相
に制御される。交流リアクトルLs に印加される電圧V
LSの位相が反転するため、PWMコンバータCNV の発生
電圧Vc の位相角θは進みとなる。
【0037】図3は図1の装置の主PWMコンバータCN
V の力行運転時の電圧電流波形を示すもので、入力電流
Is は主PWMコンバータCNV の発生電圧Vc より位相
角θだけ進む。単相交流電源SUP から供給される瞬時電
力Ps は、
【0038】
【数3】Ps =Vs ・Is =Vsm・sinωt×Ism・sinωt =(Vsm・Ism/2)・(1−cos2ωt) となり、単相交流電源SUP の周波数の2倍の周波数で変
動する。又、主PWMコンバータCNV の瞬時電力Pc
は、コンバータの発生電圧vc とis の積となり、交流
リアクトルLs の電圧降下分だけ変動が大きくなる。即
ち、
【0039】
【数4】Pc =Vc ・Is =Vcm・sin(ωt−θ)×Ism・sinωt =(Vcm・Ism/2)・{cosθ−cos(2ωt−
θ)} となる。Vcm=Vsm/cosθがなり立つので、有効電
力の平均値は、 Pav=Vsm・Ism/2 となる。定常状態ではこの有効電力Pavは負荷(主PW
Mインバータ+誘導電動機)が消費する電力PL に一致
し、電力変動分ΔPc だけが主平滑コンンデンサCd を
出入りする。即ち、
【0040】
【数5】ΔPc =Pc −PL =−(Vcm・Ism/2)・cos(2ωt−θ) となり、主平滑コンデンサCd に流れる電流idcは直流
電圧の平均値をVdoとして、次式のように近似できる。
【0041】
【数6】idc=ΔPc /Vdo =−(Vcm・Ism/2Vdo)・cos(2ωt−θ) =−{Pav/(Vdo・cosθ)}・cos(2ωt−
θ) 従って、直流電圧の変動分ΔVd は次の演算式より与え
られる。
【0042】
【数7】 =−{Vcm・Ism/(4・Vdo・ω・Cd)}・sin
(2ωt−θ) =−{Pav/(2・cosθ・Vdo・ω・Cd)}・si
n(2ωt−θ) =−ΔVdm・sin(2ωt−θ) 即ち、直流電圧変動ΔVd の大きさは負荷が取る有効電
力PL =Pav=Vsm・Ism/2に比例し、主平滑コンデ
ンサCd の容量に反比例する。
【0043】例えば、PL =3,000[kw],Vdo
=2,000[v],f=ω/(2π)=50[Hz],
Cd =0.02[F],cosθ=0.9とした場合、
ΔVd の大きさは、ΔVdm=132.6[v]となる。
図4は回生運転時の各部電圧電流波形を示すもので、コ
ンバータの発生電圧Vc はVs より位相角θだけ進む。
従って、
【0044】
【数8】Pc =Vc ・Is =Vcm・sin(ωt+θ)×Ism・sin(ωt+
π) =−(Vcm・Ism/2)・{cosθ−cos(2ωt
+θ)} となる。Vcm=Vsm/cosθがなり立つので、有効電
力の平均値Pavは、Pav=Vsm・Ism/2となる。定常
状態ではこの有効電力Pavは負荷(主PWMインバータ
+誘導電動機)から回生される電力PL に一致し、電力
変動分ΔPc だけが主平滑コンデンサCd を出入りす
る。即ち、
【0045】
【数9】ΔPc =Pc −PL =(Vcm・Ism/2)・cos(2ωt+θ) となり、主平滑コンデンサCd に流れる電流idcは直流
電圧の平均値をVdoとして、次式のように近似できる。
【0046】
【数10】idc=ΔPc /Vdo =(Vcm・Ism/2Vdo)・cos(2ωt+θ) ={Pav/(Vdo・cosθ)}・cos(2ωt+
θ) 従って、直流電圧の変動分ΔVd は次の演算式より与え
られる。
【0047】
【数11】 ={Vcm・Ism/(4・Vdo・ω・Cd)}・sin(2
ωt+θ) ={Pav/(2・cosθ・Vdo・ω・Cd)}・sin
(2ωt+θ) =ΔVdm・sin(2ωt+θ) となる。
【0048】次に、図1の装置の直流アクティブフィル
タDC-AF の制御動作を説明する。まず、補償電流演算器
CAL により直流アクティブフィルタDC-AF から供給する
電流IA の指令値IA * を演算し、電流制御回路ACRAに
与える。
【0049】一方、電流検出器CTA により直流アクティ
ブフィルタDC-AF に流れ込む補償電流IA を検出し、電
流制御回路ACRAに入力する。電流制御回路ACRAは、補償
電流指令値IA * と補償電流検出値IA とを比較し、そ
の偏差εA =IA * −IA を反転増幅してPWM制御回
路PWMC3 に電圧指令値eA * を与える。電圧形PWMイ
ンバータVSI は電圧指令値eA * に比例した電圧VA
発生し、補償電流Iを制御する。
【0050】すなわち、I >IA となった場
合、偏差εA は正の値となまり電圧指令値eA * は負の
値となって出力電圧VA を負の値にする。この結果、補
償電流IAが増加し、IA =IA * となるように制御さ
れる。
【0051】逆に、IA * <IA となった場合、偏差ε
A は負の値となり電圧指令値eA *は正の値となって出
力電圧VA を正の値にする。この結果、補償電流IA
減少し、やはり、IA =IA * となるように制御され
る。
【0052】図5は図1の装置の等価回路を表したもの
で、主PWMコンバータCNV 及び主PWMインバータIN
V は電流源として表すことができる。すなわち、PWM
制御に伴なう高調波電流を無視して考えると、主PWM
インバータINV の入力電流Id2は直流分Idoだけが含ま
れ、主PWMコンバータCNV の出力電流Id1には直流分
Idoと電源周波数の2倍の周波数で変化する交流分idc
が含まれている。又、LC直列共振回路の共振周波数f
R は電源周波数fs の2倍付近に合せており、共振電流
FOが流れる。ここで、直流アクティブフィルタDC-AF
が補償電流IA=idc−IFOを取ることにより、主平滑
コンデンサCd に流れ込む電流Id3は零となる。正確に
は補償電流IA には高調波電流が含まれていないので、
主平滑コンデンサCd には高調波成分が流れ込むことに
なる。しかし、周波数が高いため主平滑コンデンサCd
の容量は各段に小さくなり電圧変動もほとんど無くな
る。
【0053】図6は図1の直流アクティブフィルタDC-A
F の具体的な一実施例を示す構成図で、(a)は主回
路、(b)は主PWMコンバータCNV の直流電圧の変動
を抑制する補償電流演算回路CAL の構成図である。
【0054】図6(a)において、P、Nは主回路の直
流正側及び負側端子、EA は直流電圧源、VSI は単相電
圧形PWMインバータ、TRは単相変圧器、LF はリアク
トル、CF は直流平滑コンデンサである。単相電圧形P
WMインバータVSI は、スイッチング素子S1 〜S4 と
フリーホイリングダイオードD1 〜D4 で構成されてい
る。また、リアクトルLA は単相変圧器TRの1次側に接
続されている。尚、説明の便宜上、変圧器TRの1次/2
次巻数比は1対1とする。
【0055】また、制御装置は図1に示すように、電流
検出器CTA 、補償電流演算回路CAL、補償電流制御回路A
CRA、単相電圧形PWMインバータのPWM制御回路PWM
C3を備えてい。
【0056】補償電流演算回路CAL は図6(b)に示す
ように、乗算器ML1 ,ML2 、比例演算器OA、加算器AD1,
AD2 割算器DIV で構成されている。又、補償電流制御回
路ACRFは、比較器C1と、制御補償回路GA (s) で構成さ
れている。
【0057】まず、主PWMコンバータCNV の交流側電
圧Vc と入力電流Is の積を乗算器ML2 で求める。この
時、電圧検出値Vc は多くの高調波成分を含んでいるの
で、その代りにコンバータCNV のPWM制御入力信号
(電圧指令値)ec * を用いても良い。同様に、入力電
流検出値Is の代りにその電流指令値Is * を用いても
良い。乗算器ML2 の出力はコンバータCNV の瞬時電力P
c となる。
【0058】又、乗算器ML1 により、電源電圧波高値V
smと入力電流波高値Ismとの積を計算し、比例演算器OA
で(1/2)倍する。この結果は電源から供給される有効電
力の平均値Pavとなる。尚、Ismの代りに指令値Ism*
を用いても良い。
【0059】加算器AD1 により、Pc −Pavを計算し、
変動電力ΔPc を求め、割算器DIVに入力する。割算器D
IV では上記変動電力ΔPc を直流電圧検出値Vdで割
ってその結果を、LC直列共振回路に流れる電流IFO
含めた全体の補償電流指令値IF * とする。この全体の
補償電流指令値IF * は、単相交流電源SUP の電力変動
分ΔPc に基づくコンバータCNV の直流側電流の変動分
idcに等しくなる。
【0060】一方、LC直列共振回路に流れる電流IFO
を電流検出器CTF により検出し、加算器AD2 に入力して
全体の補償電流指令値IF * との差をとり、直流アクテ
ィブフィルタDC-AF から供給する電流IA の指令値IA
* を求める。
【0061】即ち、IA * =IF * −IFOとなる。該電
流指令値IA * は次の電流制御回路ACRFの比較器C1に入
力され、電流検出器CTA により検出した補償電流IA
比較される。偏差εA =IA * −IA は制御補償回路G
A (s) に入力され、反転増幅(−kA 倍)されて、単相
電圧形PWMインバータVSI の電圧指令値eA * とな
る。補償電流がIA =IA * となるように制御されるこ
とは前に説明したので省略する。
【0062】このように、直流アクティブフィルタDC-A
F が補償電流IA =IA * =idc−IFOを取り、LC直
列共振回路がIFOを取ることにより、主平滑コンデンサ
Cdには単相電力の変動分が流れなくなり、電圧変動を
無くすることができる。
【0063】前述の説明においては、直流アクティブフ
ィルタDC-AF の補償電流IA の指令値IA * を演算によ
って求め、直流アクティブフィルタDC-AF を制御する例
を説明したが、例えば、直流回路の電流から直流分を除
去して直流アクティブフィルタDC-AF が補償する電流を
直接検出して、この検出電流に追従するように制御して
も良いが、この場合は、制御遅れによる多少の誤差が生
ずる。
【0064】図7は請求項2に記載の発明の電力変換装
置で用いる直流アクティブフィルタの一実施例を示す構
成図である。尚、LC直列共振回路(LF ,CF )及び
主平滑コンデンサCd は便宜上記載した。
【0065】図中、P、Nは主回路の直流正側及び負側
端子、AC-SUPは交流電源、AC-TR は変圧器、REC は整流
回路、CE はアクティブフィルタDC-AF の直流電源用平
滑コンデンサ、VSI は単相電圧形PWMインバータ、L
A はリアクトル、CA は直流コンデンサである。単相電
圧形PWMインバータVSI は、スイッチング素子S1〜
S4 とフリーホイリングダイオードD1 〜D4 で構成さ
れている。
【0066】また、制御装置は、電流検出器CTA 、補償
電流演算回路CAL 、リミッツタ回路LIM 、比較器C1、電
流制御補償回路GA (s) 、PWM制御回路PWMC3 を備え
ている。
【0067】補償電流演算回路CAL は図6で説明したも
のと同様に構成されている。図6と異なる点は、直流電
圧源EA を交流変圧器AC-TR によって絶縁し、インバー
タVSI の出力変圧器を省いたことである。直流アクティ
ブフィルタDC-AF から供給する電力は基本的には無効電
力であり、直流電圧源EA からは損失分だけを供給すれ
ばよい。故に、交流変圧器AC-TR 及び整流回路REC の容
量は僅かで済みインバータVSI の出力側に変圧器TRを設
けた図6の装置に比べると、小形軽量化が達成できる利
点がある。
【0068】制御回路のリミッタ回路LIM は直流アクテ
ィブフィルタDC-AF から供給する電流IA の最大値を制
限するために挿入している。図8は請求項3に記載の発
明の電力変換装置で用いる直流アクティブフィルタの一
実施例を示す構成図である。LC直列共振回路(LF
F )及び主平滑コンデンサCd は便宜上記載してい
る。
【0069】図中、P、Nは主回路の直流正側及び負側
端子、CHO は直流チョッパ用スイッチング素子、DCH
チョッパ用フリーホイリングダイオード、Lo は直流リ
アクトル、CSI は単相電流形PWMインバータ、CH
高周波コンデンサ、TRは変圧器、CA は直流コンデンサ
である。単相電流形PWMインバータCSI はスイッチン
グ素子S11〜S14で構成されている。
【0070】また、制御装置は、電流検出器CTO ,CTA
,CTF 、比較器C2、電流制御補償回路Ho(s)、補償電
流演算回路CAL 、割算器DIV 、PWM制御回路PWMC4 ,
PWMC5を備えている。
【0071】まず、直流チョッパの動作を説明する。電
流検出器CTO により直流電流Io を検出し、比較器C2に
入力し、電流指令値Io * と比較する。その偏差εo =
Io * −Io を電流制御補償Ho(s)により増幅し、電圧
指令値eo * を作り、PWM制御回路PWMC5 に入力す
る。該PWM制御回路PWMC5 は直流リアクトルLo に印
加される電圧の平均値が前記電圧指令値eo * に比例す
るようにスイッチング素子CHO にゲート信号を与える。
【0072】即ち、電圧指令値eo * が小さい時は素子
CHO のスイッチング周期Tに対するオン期間tONの割合
を小さくし、eo * が大きくなるに従って素子CHO のオ
ン期間tONの割合を大きくしている。
【0073】Io * >Io となった場合、前記偏差εは
正の値となり、電圧指令値eo * が増加し、素子CHO の
オン期間tONの割合が大きくなって直流電流Io を増加
させる。逆に、Io * <Io となった場合、前記偏差ε
は負の値となり、電圧指令値eo * が減少し、素子CHO
のオン期間tONの割合が減って、直流電流Io を減少さ
せる。このようにして直流電流Io はその電流指令値I
o * に一致するように制御される。
【0074】次に直流アクティブフィルタDC-AF として
の動作を説明する。図8の補償電流演算回路CAL は図6
(b) で説明したものと同じで、電源電圧波高値Vsm、入
力電流波高値指令Ism* 、PWMコンバータCNV の電圧
指令ec *入力電流指令Is * 、直流電圧検出値Vd
と、LC直列共振回路に流れる電流検出値IFOなどから
演算によって直流アクティブフイルタDC-AF が流す補償
電流の指令値IA * を求める。補償電流指令値IA *
割算器DIV に入力し、直流電流検出値Io (又は直流電
流指令値Io * )で割って、電流形インバータCSI のP
WM制御の入力信号kA * とする。
【0075】図9は図8の電流形PWMインバータCSI
のPWM制御動作を説明するためのタイムチャート図を
示す。図中、X,YはPWM制御のキャリア信号で、+
1〜−1の間で変化する三角波が多く用いられる。三角
波Y(破線)は三角波X(実線)に対し、180°位相
がずれれている。
【0076】三角波Xと変調率kA * とを比較し、素子
S11とS12のゲート信号g1 を作り、又、三角波Yと変
調率kA * とを比較し、素子S13とS14のゲート信号g
2 を作る。即ち、 kA * >Xのとき、g1 =1で、S11:オン(S12:オ
フ) kA * ≦Xのとき、g1 =0で、S11:オフ(S12:オ
ン) kA * >Yのとき、g2 =1で、S14:オン(S13:オ
フ) kA * ≦Yのとき、g2 =0で、S14:オフ(S13:オ
ン) とする。電流形インバータCSI では、電流Io の流れる
経路を確保するため、素子S11とS12のオン期間が少し
重なるようにラップ期間を設ける。素子S13とS14との
間にも同じようにラップ期間を設けている。
【0077】インバータCSI の出力電流(補償電流)I
A は、素子S11〜S14のオオン/オフ同左によって次の
ようになる。 S11とS14がオンのとき、IA =+Io S11とS13がオンのとき、IA =+0 S12とS14がオンのとき、IA =+0 S12とS13がオンのとき、IA =−Io 図9の最下段に出力電流IA の波形を示す。その平均値
A(av) はkA * ・Ioに等しくなり、補償電流指令値
A * に一致する。図8において、高周波コンデンサC
H は補償電流IA の高調波成分を吸収するために設けら
れる。このようにして、電流形PWMインバータCSI か
ら補償電流IA =IA * が供給される。
【0078】この補償電流IA =IA * はLC直列共振
回路回路(LF ,CF )に流れる電流と加えられ、主P
WMコンバータCNV の直流側の変動電流idcを打ち消
す。その結果、図1に示した主平滑コンデンサCd には
変動電流idcが流れなくなり、直流電圧Vd の変動を無
くすることができる。
【0079】図8の直流アクティブフィルタを用いた本
発明装置によれば、補償電流IA を直接制御することが
できる利点がある。図10は請求項3に記載の発明の電
力変換装置で用いる直流アクティブフィルタの他の実施
例を示す構成図である。LC直列共振回路回路(LF
F )および主平滑コンデンサCd は便宜上記載してい
る。
【0080】図中、P,Nは主回路の直流正側及び負側
端子、Eo は直流電圧源、CHO はDCチョッパ回路のスイ
ッチング素子、DCHはホイーリングダイオード、Lo は
直流リアクトル、CSI は単相電流形PWMインバータ、
H は高周波コンデンサ、CA は直流コンデンサであ
る。単相電流形PWMインバータCSI は、スイッチング
素子S11〜S14で構成されている。
【0081】図8と異なる点は、単相電流形PWMイン
バータCSI の出力変圧器を省略したことである。直流電
圧源Eo の容量は僅かで済み、出力変圧器を省略した
分、直流アクティブフィルタDC-AF の小形軽量化が達成
できる利点がある。他の動作は図8と同様になる。
【0082】図11は請求項4に記載の発明の電力変換
装置で用いる直流アクティブフィルタの一実施例を示す
構成図である。図中、P,Nは主回路の直流正側及び負
側端子、EA は直流卯電圧源、VSI は単相電圧形PWM
インバータ、TRは単相変圧器、LF はリアクトル、CF
は直流平滑コンデンサである。単相電圧形PWMインバ
ータVSI は、スイッチング素子S1 〜S4 とホイーリン
グダイオードD1 〜D4 で構成されている。また、リア
クトルLF は単相変圧器TRの1次側に接続されている。
尚、説明の便宜上、単相変圧器TRの1次/2次巻数比は
1対1とする。
【0083】また、制御装置として、電流検出器CTA 、
補償電流演算回路CAL 、補償電流制御回路ACRF、単相電
圧形PWMインバータのPWM制御回路PWMC3 が設けら
れている。補償電流演算回路CAL は図6( b) で説明し
たものと同じある。
【0084】図11の実施例では、直流アクティブフィ
ルタDC-AF の直流コンデンサCA が省略され、LC直列
共振回路のコンデンサCF によりその作用を兼ねてい
る。即ち、コンデンサCF には共振電流IFOと直流アク
ティブフィルタDC-AF からの補償電流IA の和が流れ、
単相電源の電力変動に基づく変動電流分idcを打ち消す
ように制御される。これにより、直流コンデンサCA
省略し、装置の小形軽量化及びコスト低減を図ることが
できる。
【0085】以上説明のように、本発明の電力変換装置
によれば、単相電源に基づく電力変動分はLC直列共振
回路(LF ,CF )と直流アクティブフィルタDC-AF に
吸収され、直流電圧Vd の変動を除去することが可能と
なる。主平滑コンデンサCdにはPWM制御に基づく高
調波電流だけが流れ、主平滑コンデンサCd の容量を大
幅に低減することができる。
【0086】また、本発明装置では、単相電力の変動分
に基づく補償電流の大部分はLC直列共振回路から供給
されるため、直流アクティブフィルタDC-AF の容量は極
めて小さなもので済む利点がある。
【0087】直流アクティブフィルタDC-AF に用いられ
るPWM制御変換器 (VSI 又はCSI)の容量は、出力変圧
器の1次/2次の巻数比を1;1として考えると、次の
ようになる。
【0088】即ち、単相電源による電力変動分を打ち消
すために、全体の補償電流IF =idcを流す必要がある
が、LC直列共振回路に共振電流IFOが流れるため、直
流アクティブフィルタDC-AF からは、IA =idc−IFO
ただけ流せばよい。この値がPWM制御変換器(VSI ま
たはCSI)の電流容量となる。電流IA =IAm・sin
(2ωt)が直流コンデンサCA に流れ込むことによ
り、コンデンサCA に次式で示される電圧VCAが印加さ
れる。
【0089】
【数12】 VCA=Vd +IAm/(2ωCA )・cos(2ωt) この結果、直流アクティブフィルタDC-AF には、 VA =VCA−Vd =IAm/(2ωCA )・cos(2ω
t) が印加され、PWM制御変換器(VSI またはCSI)の電圧
容量として、VAm=IAm/(2ωCA )が必要になる。
【0090】例えば、負荷PL =3,000[kw] 、直流電圧
Vd =2,000[v]、電源周波数f=ω/2π=50[Hz]、c
osθ=0.9 で運転した場合、全体の補償電流の波高値
は、IFm=VCm・ISm/(2・Vdo)=1,666[A]とな
る。LC直列共振回路にその90% が流れたとして、直流
アクティブフィルタDC-AF の電流の最大値は、IAm=16
6.6[A]となる。また、CA =1000[ μF]とした場合、電
圧容量はVAm=265[v]となる。従って、PWM制御変換
器(VSI またはCSI)の容量は、
【0091】
【数13】 IAm・VAm/2=166.6[A]・265[v]/2=22[kVA] となる。これは、3,000[KVA]の主変圧器に対し、0.7[%]
の容量で済むことを意味する。
【0092】このように、僅かな容量の直流アクティブ
フィルタDC-AF を設けることにより直流電圧変動を無く
することができ、それを電圧源とする負荷装置に安定し
た定電圧を供給することができるようになる。
【0093】
【発明の効果】以上説明のように、請求項1に記載の発
明によれば、単相交流電源の電力変動に基づく直流電圧
の変動を無くすることができ、その分電力変換器の利用
率が向上する。また、PWMインバータ駆動の誘導電動
機で問題となっていたインバータ出力電流のビート現象
が無くなり、電動機の振動や騒音が大幅に低減できる。
また、直流平滑コンデンサの容量を大幅に低減でき、電
力変換装置全体の形状や重量を低減することが可能とな
る。
【0094】又、請求項2に記載の発明によれば、前述
の効果に加え、直流アクティブフィルタの入力側を変圧
器によって絶縁し、出力側の変圧器を省いたことによ
り、直流アクティブフィルタの出力側に変圧器を設けた
請求項1に記載の発明に比べ小形軽量化が達成できる利
点がある。
【0095】更に、請求項3に記載の発明によれば、直
流アクティブフィルタを構成する直流を交流に変換する
変換器を、電流形PWM変換器で構成して前述の効果を
達成したものである。
【0096】又、請求項4に記載の発明によれば、前述
の効果に加え、直流アクティブフィルタの直流コンデン
サを省略し、LC直列共振回路のコンデンサによりその
作用を兼ねさせているので、装置の小形軽量化及びコス
ト低減を図ることができる。更に、請求項5に記載の発
明によれば、単相交流電源の電力変動に基づく直流電圧
変動の抑制を高精度な制御によって達成可能としたもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の電力変換装置の一実施
例を示す構成図。
【図2】[図1]の電力変換装置の動作を説明するため
の電圧、電流ベクトル図。
【図3】[図1]の電力変換装置の力行運転時の動作を
説明するための各部電圧、電流及び電力の波形図。
【図4】[図1]の電力変換装置の回生運転時の動作を
説明するための各部電圧、電流及び電力の波形図。
【図5】[図1]の電力変換装置の動作を説明するため
の等価回路図。
【図6】[図1]の直流アクティブフィルタの具体的一
実施例を示す構成図で、(a)は主回路側の構成図、
(b)は制御回路側の構成図。
【図7】請求項2に記載の発明の電力変換装置に用いる
直流アクティブフィルタの一実施例を示す構成図。
【図8】請求項3に記載の発明の電力変換装置に用いる
直流アクティブフィルタの一実施例を示す構成図。
【図9】[図8]の直流アクティブフィルタのPWM制
御動作を説明するためのタイムチャート。
【図10】請求項3に記載の発明の電力変換装置に用い
る直流アクティブフィルタの他の実施例を示す構成図。
【図11】請求項4に記載の発明の電力変換装置に用い
る直流アクティブフィルタの一実施例を示す構成図。
【図12】従来の電力変換装置の構成図。
【符号の説明】
SUP …単相交流電源 LS
…交流リアクトル CNV …主PWMコンバータ Cd
…主平滑コンデンサ LF …インダクタンス CF
…コンデンサ DC-AF …直流アクティブフィイルタ INV
…主PWMインバータ IM …誘導電動機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/155 H02M 1/14 H02M 7/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単相交流電源と、該単相交流電源の交流電
    力を直流電力に変換する主PWMコンバータと、該主P
    WMコンバータの直流端子間に接続された主平滑コンデ
    ンサと、該主平滑コンデンサを直流電源とする負荷装置
    と、前記主平滑コンデンサに並列接続され前記単相交流
    電源の周波数の2倍の周波数付近に共振周波数を合せた
    LC直列共振回路と、前記主PWMコンバータの直流回
    路に設けられる直流アクティブフィルタを具備し、該直
    流アクティブフィルタは、直流定電圧源と、該直流定電
    圧源の直流電圧を可変電圧の交流電圧に変換する電圧形
    PWMインバータと、該電圧形PWMインバータの交流
    出力端子に接続された単相変圧器と、該単相変圧器の2
    次巻線を介して前記主PWMコンバータの直流端子間に
    接続された直流コンデンサと、前記主PWMコンバータ
    の出力電流に含まれる交流分と前記LC直列共振回路に
    流れる共振電流との差を補償電流指令値として前記電圧
    形PWMインバータを制御することにより前記単相交流
    電源の周波数の2倍の周波数に起因して変動する前記主
    PWMコンバータの直流電圧の変動を抑制する手段を備
    えたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 【請求項2】単相交流電源と、該単相交流電源の交流電
    力を直流電力に変換する主PWMコンバータと、該主P
    WMコンバータの直流端子間に接続された主平滑コンデ
    ンサと、該主平滑コンデンサを直流電源とする負荷装置
    と、前記主平滑コンデンサに並列接続され前記単相交流
    電源の周波数の2倍の周波数付近に共振周波数を合せた
    LC直列共振回路と、前記主PWMコンバータの直流回
    路に設けられる直流アクティブフィルタを具備し、該直
    流アクティブフィルタは、変圧器を介して供給される交
    流を直流に変換する整流器と、該整流器の直流電圧を可
    変電圧の交流電圧に変換する電圧形PWMインバータ
    と、該電圧形PWMインバータの交流端子の一端と前記
    主PWMコンバータの直流端子の一端との間に接続され
    たリアクトルと、前記電圧形PWMインバータの交流端
    子の他端と前記主PWMコンバータの直流端子の他端と
    の間に接続された直流コンデンサと、前記主PWMコン
    バータの出力電流に含まれる交流分と前記LC直列共振
    回路に流れる共振電流との差を補償電流指令値として前
    記電圧形PWMインバータを制御することにより前記単
    相交流電源の周波数の2倍の周波数に起因して変動する
    前記主PWMコンバータの直流電圧の変動を抑制する手
    段を備えたことを特徴とする電力変換装置。
JP10317294A 1994-05-18 1994-05-18 電力変換装置 Expired - Lifetime JP3210173B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10317294A JP3210173B2 (ja) 1994-05-18 1994-05-18 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10317294A JP3210173B2 (ja) 1994-05-18 1994-05-18 電力変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07322623A JPH07322623A (ja) 1995-12-08
JP3210173B2 true JP3210173B2 (ja) 2001-09-17

Family

ID=14347094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10317294A Expired - Lifetime JP3210173B2 (ja) 1994-05-18 1994-05-18 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3210173B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083989A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Toshiba Corp 電気鉄道交流き電システム
US7755916B2 (en) * 2007-10-11 2010-07-13 Solarbridge Technologies, Inc. Methods for minimizing double-frequency ripple power in single-phase power conditioners
JP2017220996A (ja) * 2016-06-06 2017-12-14 田淵電機株式会社 パワーコンディショナー
CN106411161B (zh) * 2016-08-06 2019-11-08 太原理工大学 一种电压不平衡条件下三相pwm变换器及其优化控制方法
DE102018215594A1 (de) * 2018-09-13 2020-03-19 Siemens Mobility GmbH Verfahren zum Überwachen eines Saugkreises eines Stromrichtersystems
CN109286774B (zh) * 2018-10-09 2020-10-02 六安腾达信息科技有限公司 无线视频会议***

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07322623A (ja) 1995-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2791273B2 (ja) 電力変換装置
US4663702A (en) Power converter apparatus and control method thereof
EP0488201B1 (en) Large capacity variable speed driving system for AC electric motor
JPS6137864B2 (ja)
JPS6148356B2 (ja)
JP2869498B2 (ja) 電力変換装置
JP3406512B2 (ja) インバータ装置の制御方法及び制御装置
JP3210173B2 (ja) 電力変換装置
JP3236985B2 (ja) Pwmコンバータの制御装置
JP4549159B2 (ja) 巻線型誘導電動機の制御装置
JP3666557B2 (ja) 電力変換回路
JP2007006601A (ja) 電力変換装置
US12009756B2 (en) Voltage doubling variable frequency drive
JPH0628517B2 (ja) 電力変換装置
JPH0748951B2 (ja) 電力変換装置
JPH0564551B2 (ja)
JP2777173B2 (ja) 電力変換装置
JPS5819169A (ja) Pwm制御変換器の制御方法
JP2609229B2 (ja) 循環電流形サイクロコンバータにおける制御装置
JPH10164845A (ja) Pwm式順変換装置
JP2579905B2 (ja) 車両用電力変換装置
JPH0332303B2 (ja)
Singh et al. A novel harmonic mitigator-based 12-pulse rectification for vector-controlled induction motor drives
JPH0419796B2 (ja)
JP3381590B2 (ja) サイリスタ変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080713

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090713

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090713

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100713

Year of fee payment: 9