JP3208615B2 - 磁気ディスク装置のヘッド位置決め機構 - Google Patents

磁気ディスク装置のヘッド位置決め機構

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JP3208615B2
JP3208615B2 JP08278593A JP8278593A JP3208615B2 JP 3208615 B2 JP3208615 B2 JP 3208615B2 JP 08278593 A JP08278593 A JP 08278593A JP 8278593 A JP8278593 A JP 8278593A JP 3208615 B2 JP3208615 B2 JP 3208615B2
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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
  • Error Detection And Correction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置のヘ
ッド位置決め機構に係わり、詳しくは回動型の支持アー
ムに再生ヘッドと記録ヘッドを別個に設け、前記再生ヘ
ッドでディスクのサーボ信号をピックアップしてトラッ
クサーボを行う磁気ディスク装置のヘッド位置決め機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディスクドライブ装置のヘッド変
位手段としては、支持アームをリニアに移動してヘッド
をディスクの半径方向に変位するリニア型と、支持アー
ムを回転して変位する回動型とがあり、装置の小型・軽
量化などの観点から回動型が好ましい。
【0003】一方、高トラック密度化に対応するために
狭トラック幅でも再生感度特性のすぐれた磁気抵抗型ヘ
ッドが開発されたが、この磁気抵抗型ヘッドは記録能力
がないため、他に記録ヘッドを設けて二つのヘッドを併
設する必要がある。したがって、回動型の支持アームを
採用し、この支持アームに再生ヘッドと記録ヘッドを別
個に取り付けることによって、小型・軽量で高記録密度
記録再生のディスクドライブ装置を作成することができ
る。
【0004】上記ディスクドライブ装置にあっては、再
生ヘッドと記録ヘッドは一定の間隔で配置されて円周上
を変位するため、例えば図18に示すように最内周トラ
ックTi(後述のと同様につき図1参照)で再生ヘッド
Hp、記録ヘッドHrの各中心をトラック中心線C2に
位置するように配置すると、それ以外の位置では双方の
ヘッドHp、Hrの中心がトラック中心線C2に位置し
ないことになる。
【0005】再生ヘッドHpでトラックサーボをかけて
記録モードを実行すると、最内周トラック位置以外では
記録ヘッドHrがオフトラック位置を走査するため、記
録ヘッドHrで記録されるデータ信号はトラック中心線
C2よりオフトラックした位置に記録される。このよう
にして記録された記録信号を再生すると、再生ヘッドH
pの中心がトラック中心線にC2に位置するように制御
されるので、記録ヘッドHrが最内周トラックTi以外
ではデータ信号のオフトラック位置を走査するため、ノ
イズや読み取りエラーなどが発生するという欠点があ
る。
【0006】そこで、再生モード時には再生ヘッドがす
べてのトラックでデータゾーンのジャストトラックを走
査するよう、記録モード時には記録ヘッドをシフトさせ
ることによって記録ヘッドがすべてのトラックでデータ
ゾーンのジャストトラックを走査するようにして、記録
時と再生時でヘッドがオフトラックすることに起因する
ノイズ、読み取りエラーなどの発生を防止したディスク
ドライブ装置のトラックサーボ機構を提供する必要があ
り、これを実現する手段として、例えば本出願人が先に
出願した特願平1-325215号に記載の「ディスクドライブ
装置のトラックサーボ機構」などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記特願平
1-325215号に記載のトラックサーボ機構にあっては、記
録ヘッドをシフトさせる量を求める必要があるが、この
シフト量は各半径および記録ヘッドと再生ヘッドの距
離、ヘッドの支持アームとディスクの回転中心との距離
などによって決まる量である。
【0008】ヘッドの位置する半径は、目的とするトラ
ック番号を指定することにより一意に決定されるが、デ
ィスクの偏心、トラックピッチが完全に均一でないなど
の理由により、あらかじめ正確な半径位置を知るのは困
難である。また、前記記録ヘッドと再生ヘッドの位置は
ヘッドのばらつきなどによって変化する。従って、前記
シフト量をあらかじめ正確に知ることは困難である。そ
の結果、最適なシフト量が求められず、特にオフトラッ
ク量を最適な量に制御することが困難で、磁気ディスク
装置のヘッド位置決めの精度が低下するという問題点が
あった。
【0009】そこで本発明は、最適なシフト量を効率良
く求め、それによってオフトラック量を常に最適な量に
制御することによって位置決め精度を向上できる磁気デ
ィスク装置のヘッド位置決め機構を提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、基端側を回転自在に支持さ
れた支持アームの先端に再生ヘッドと記録ヘッドを別個
に設け、前記支持アームの回転で前記再生ヘッドと前記
記録ヘッドをディスクの略半径方向に移動し、このディ
スクにはサーボ信号を記録するサーボゾーンとデータ信
号を記録するデータゾーンを同一ディスク面上に設け、
前記サーボ信号を前記再生ヘッドにてピックアップし、
このピックアップしたサーボ信号に基づいて前記支持ア
ームの回転位置を変位してトラックサーボを行う磁気デ
ィスク装置のヘッド位置決め機構において、目的トラッ
ク位置における前記再生ヘッドに対する前記記録ヘッド
のディスク半径方向のシフト量だけ反対方向に前記再生
ヘッドをトラック中心よりオフトラックするべく補正制
御する補正手段と、前記オフトラック量を変化させなが
らデータゾーンにおける再生信号のビットエラーレート
を測定する測定手段と、パーシャルレスポンス方式を利
用して記録媒体に記録された所定の記録データを再生す
る再生手段と、前記記録媒体から再生された再生信号の
信号レベルを所定周期でデジタル信号に変換するアナロ
グデジタル変換回路と、前記アナログデジタル変換回路
から出力される出力データに基づいて前記再生信号をビ
タビ復号により復号するビタビ復号回路と、前記再生信
号の信号レベルを所定の基準値と比較して復号するレベ
ル検出復号回路と、前記ビタビ復号回路による復号デー
タと、前記レベル検出復号回路による復号データとを比
較し、これらの不一致を検出するエラー検出手段とを具
え、前記ビットエラーレートが最良となるオフトラック
量を前記シフト量の最適値としてトラッキングを行うこ
とを特徴とする。
【0011】また、好ましい態様として、請求項1記載
の磁気ディスク装置のヘッド位置決め機構において、前
記最適シフト量を数トラック分測定する手段と、その他
の半径位置におけるシフト量を、測定したシフト量を元
に補間によって求める手段と、を具えることを特徴とす
る。
【0012】
【0013】また、請求項1に係る発明は、基端側を回
転自在に支持された支持アームの先端に再生ヘッドと記
録ヘッドを別個に設け、前記支持アームの回転で前記再
生ヘッドと前記記録ヘッドをディスクの略半径方向に移
動し、このディスクにはサーボ信号を記録するサーボゾ
ーンとデータ信号を記録するデータゾーンを同一ディス
ク面上に設け、前記サーボ信号を前記再生ヘッドにてピ
ックアップし、このピックアップしたサーボ信号に基づ
いて前記支持アームの回転位置を変位してトラックサー
ボを行う磁気ディスク装置のヘッド位置決め機構におい
て、前記支持アームの各回転位置における前記再生ヘッ
ドに対する前記記録ヘッドのディスク半径方向の略シフ
ト量だけ反対方向に前記サーボトラックの中心線を前記
データトラックの中心線に対してシフトさせて設け、目
的トラック位置において前記再生ヘッドをトラック中心
よりオフトラックするべく補正制御する補正手段と、前
記オフトラック量を変化させながらデータゾーンにおけ
る再生信号のビットエラーレートを測定する測定手段
と、パーシャルレスポンス方式を利用して記録媒体に記
録された所定の記録データを再生する再生手段と、前記
記録媒体から再生された再生信号の信号レベルを所定周
期でデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路
と、前記アナログデジタル変換回路から出力される出力
データに基づいて前記再生信号をビタビ復号により復号
するビタビ復号回路と、前記再生信号の信号レベルを所
定の基準値と比較して復号するレベル検出復号回路と、
前記ビタビ復号回路による復号データと、前記レベル検
出復号回路による復号データとを比較し、これらの不一
致を検出するエラー検出手段とを具え、前記ビットエラ
ーレートが最良となるオフトラック量を用いて補正制御
しながらトラッキングを行うことを特徴とする。
【0014】請求項4記載の磁気ディスク装置のヘッド
位置決め機構において、前記最適シフト量を数トラック
分測定する手段と、その他の半径位置におけるシフト量
を、測定したシフト量を元に補間によって求める手段
と、を具えることを特徴とする。
【0015】
【0016】
【作用】本発明では、目的トラック位置における再生ヘ
ッドに対する記録ヘッドのディスク半径方向のシフト量
だけ反対方向に前記再生ヘッドをトラック中心よりオフ
トラックするべく補正制御し、オフトラック量を変化さ
せながらデータゾーンにおける再生信号のビットエラー
レートを測定し、このビットエラーレートが最良となる
オフトラック量をシフト量の最適値としてトラッキング
が行われる。
【0017】したがって、最適なシフト量が効率良く求
められることとなり、それによってオフトラック量が常
に最適な量に制御され、位置決め精度が向上する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図6には、本発明の第1実施例が示されて
いる。図1には磁気ディスク装置の概略構成図が示され
ている。図1において、支持アーム1の基端は回転軸1
aにて回転自在に支持されている。この回転軸1aがア
ーム駆動手段(図示せず)にて回転されて下記する再生
ヘッドHpと記録ヘッドHrが最内周トラックTiと最
外周トラックTo間をディスク半径方向に移動する。
【0019】支持アーム1の先端にはスライダ本体2が
取り付けられ、このスライダ本体2に図2に示すごとく
磁気抵抗型の再生ヘッドHpと巻き線型の記録ヘッドH
rとが設けられている。再生ヘッドHpと記録ヘッドH
rは一定間隔隔てて支持アーム1の中心線C4上に配置
され、前方位置に記録ヘッドHr、後方位置に再生ヘッ
ドHpがそれぞれ設けられている。そして、ディスク3
の最内周トラックTi位置で支持アーム1の中心線C
4、すなわち再生ヘッドHpと記録ヘッドHrの中心線
C4がトラック中心線C2と一致するよう配置されてい
る。
【0020】図3にはディスク3のフォーマット図が示
されている。図3において、ディスク3には回転中心を
中心として一定間隔で半径の異なるトラックエリアが構
成され、この各トラックエリアにはサーボエリアEsと
データエリアEdが交互に形成されている。前述した図
18に示すように、サーボエリアEsにはサーボトラッ
クが、データエリアEdにはデータトラックがそれぞれ
形成されており、サーボエリアとデータエリアの間に
は、記録再生アンプを切り替えるための時間をかせぐの
に必要なギャップが設けられている。
【0021】これらの各エリアは、均一に形成された磁
性膜上に記録ヘッドなどによってサーボ情報となる磁化
を記録することによって形成してもよいし、サーボトラ
ックとデータトラックを磁性層、それ以外の範囲を非磁
性層として構成してもよい。また、サーボトラックとデ
ータトラックを凸状態に、それ以外の範囲を凹状態にし
て記録/再生できないように構成してもよい。サーボエ
リアEsはトラックアドレス部TAとクロックマークC
およびファインアドレス部A,B,X,Yとからなる。
【0022】トラックアドレス部TAにはトラックアド
レス信号が記録され、ファインアドレス部A,B,X,
Yにはトラッキングのためのファイン情報が記録されて
いる。クロックマークCには、これらの信号を読み出す
ためのクロックをPLL にて再生するためのクロック情報
が記録されている。 ここで、ファインアドレス部は、
その中心線C1がデータトラックTdの中心線C2と常
に一致するように構成されている。
【0023】データエリアEdよりデータを再生する際
には、前記ファインアドレス部よりピックアップされる
信号により、再生ヘッドが前記トラック中止線C2と一
致するようにトラッキングを行う。一方、データエリア
Edにデータを記録する際には、前記ファインアドレス
部よりピックアップされる信号により再生ヘッドが前記
トラック中止線C2と一致するようにトラッキングを行
うと、ディスク最内周以外の半径位置においては、記録
ヘッドの中心はトラック中心線C2とは異なる場所にシ
フトすることになる。
【0024】このシフト量Xは、再生ヘッドHpと記録
ヘッドHrの間隔をl、データトラック中心線C2と支
持アーム1の中心線C3のスキュー角θとすると、x=
lsinθで求まり、外周トラックへ行くに従って大き
な値となる。ここで、θはヘッドの半径位置、および前
記支持アームの長さなどにより、計算できる量である。
ヘッドの半径位置は、トラックピッチが等間隔であれ
ば、トラック番号より計算できる値となる。
【0025】ところが、トラックピッチが正確に等間隔
でなかったり、前記再生ヘッドと記録ヘッドとの間隔l
のばらつきや経時変化などにより、実際の前記シフト量
は計算で求めた値と異なる場合がある。そこで、本実施
例では各半径位置における前記シフト量を正確に知るた
めに、シフト量を少しずつ変化させながら前記データエ
リアにデータを記録し、各シフト量におけるビットエラ
ーを測定することによって最適なシフト量を求めてい
る。
【0026】図4に、最適シフト量を求める回路のブロ
ック図を示す。図4において、再生ヘッドHpによって
再生された信号は、アンプ10を通ったのち、アドレス
抜取り回路11によってファインアドレスとトラックア
ドレスが検出される。トラックアドレスから計算される
データトラック中心線C2と支持アーム1の中心線C3
のスキュー角θから、おおまかなシフト量x=lsin
θを求める。
【0027】これに対し、補正値発生回路12におい
て、シフト量設定回路13によって設定された値を加え
ることにより、シフト量を設定する。ここで設定された
シフト量を、加算器14によって前記ファインアドレス
に加えて支持アーム駆動モータ15に供給することによ
って、記録ヘッドを目的の位置にトラッキングさせ、デ
ータをデータトラックに記録する。
【0028】次に、補正値発生回路12をオフにするこ
とにより、再生ヘッドをデータトラックにジャストトラ
ックさせ、データ検出回路16によってデータエリアを
再生する。次いで、得られた再生データのビットエラー
をエラー測定回路17によって測定し、先ほどデータを
記録する際に設定したシフト量と、測定したビットエラ
ーレートの値をシフト量エラーレート格納メモリ18に
格納する。
【0029】以上の操作を、シフト量を変化させて繰り
返す。ビットエラーレートは、シフト量を変化させたと
き図5のグラフに示すような変化を示すが、前記記録ヘ
ッドが正確にデータエリアにオントラックして記録され
たときに最良となるはずであるから、このシフト量を最
適シフト量として使用するになる。
【0030】ここで、ビットエラーの測定は、通常行わ
れるように、記録したデータと再生したデータを照合す
ることによってエラーを検出することで行うことができ
る。データの照合は、ハードウェアを用いてリアルタイ
ムに行うこともできるし、データをメモリに取り込んで
マイクロプロセッサならびにソフトウェアを用いて行っ
てもよい。
【0031】図6に、ハードウェアを用いてデータを照
合することによりエラーを検出する回路のブロック図の
一例を示す。図6において、再生された信号から同期回
路21によって同期信号を検出し、セクタの開始点を示
す信号を抽出する。比較データ生成回路22には、デー
タトラックに記録した信号と同一の信号を格納してお
き、同期回路21によって検出されたセクタ開始信号に
より、再生信号に同期した比較信号を出力する。また、
比較回路23によって、再生信号と比較信号を比較し、
不一致が発生した場合ビットエラーが発生したとみなし
て、不一致検出信号を発生する。
【0032】この信号をカウンタ24によってカウント
することにより、ビットエラーを計測する。以上の操作
をディスクの各半径において行うことにより、各半径位
置における最適シフト量を知ることができ、実際のデー
タの記録の際には、この最適シフト量を用いてトラッキ
ングを行う。なお、ディスクの全トラックにおいてこれ
らの操作を行ってもよいし、何点かをピックアップして
その間のトラックは測定した点の値を用いて補間などに
よってシフト量を計算してもよい。
【0033】ここではヘッドが最内周にあるときにθ=
0となる例を示したが、必ずしもこれはこの通りである
必要はなく、これはディスクの回転中心と支持アーム1
の回転中心との距離、支持アーム1の長さなどによって
変化し、これらの値が変化すると、θ=0の位置も異な
る。
【0034】第1実施例の作用再生時において、再生ヘ
ッドHpがサーボトラックTs上を走査すると、再生ヘ
ッドHpがトラックアドレス信号と再生ヘッド用ファイ
ンアドレス信号をピックアップする。これにより、再生
ヘッドHpがサーボトラックにジャストトラックして走
行される。ファインアドレストラックとデータトラック
Tdはその中心線が一致しており、再生ヘッドHpはデ
ータトラックTdにジャストトラックして走行されるこ
とになる。
【0035】記録時において、再生ヘッドHpがサーボ
トラックTs上を走査すると、再生ヘッドHpがトラッ
クアドレス信号とファインアドレス信号をピックアップ
するが、このとき、あらかじめ得られた最適なシフト量
だけシフトさせてトラッキングを行う。これにより、記
録ヘッドHrがデータトラックTdにジャストトラック
して走行されることになる。
【0036】これにより、再生時には再生ヘッドHp
が、記録時には記録ヘッドHrがデータトラックTdに
ジャストトラックして走行されることになる。各半径位
置におけるシフト量はデータエリアEdでのビットエラ
ーレートが最良となるように求められているから、どの
半径位置においても、常に最良のビットエラーレートを
得るようにトラッキングをすることができる。その結
果、オフトラック量を常に最適な量に制御することがで
き、磁気ディスク装置のヘッド位置決めの精度を向上さ
せることができる。
【0037】第2実施例 第1実施例で述べたビットエラーレートの測定では、記
録したデータと再生したデータをビットごとに照合する
ことによってエラーを検出することで行った。この手段
を実現するためには、記録したデータを保存しておくた
めのメモリなどが必要になるうえ、照合をハードウェア
によってリアルタイムで行うためには、再生信号に同期
してデータを出力する回路が必要になるし、照合をソフ
トウェアで行うと照合に時間がかかるため、必ずしも効
率のよいビットエラーの測定ができるとはいえないこと
がある。
【0038】そこで、この第2実施例では、ビットエラ
ーの検出方法として最尤復号とレベル検出を組み合わせ
た方式を使用することで、回路規模を小さくするととも
に記録データを保持しておくことを不要にした例につい
て述べる。なお、ビットエラーを検出する以外の部分に
ついては第1実施例と同様であるため、ここでは示さな
い。
【0039】最初に、本発明の対象である磁気記録装置
における変調符号のパーシャルレスポンスについて説明
する。磁気記録装置における変調符号にはパーシャルレ
スポンスが用いられるが、パーシャルレスポンスの種類
としては、良く使われるものに、図7(a)に示す演算
回路31、図7(b)に示す演算回路32、33を用い
た方式のものがある。なお、PRS(1,1)、PRS(1,-1) 、PR
S(1,0,-1)は動作例の条件判断である。これらのシステ
ム多項式は、それぞれG(D)=1+D、G(D)=1
−D2であり、演算回路31は独立な演算回路32、3
3がいわゆる二つ入れ子で設けられているとみなされ
る。Dは遅延オペレータである。
【0040】すなわち、図7(a)に示す演算回路31
(パーシャルレスポンスはPRS(1,0,-1))では入力デー
タに対して2つ前のサンプルとの間で演算を行うので、
奇数番目のサンプルと偶数番目のサンプルとの間には何
の関係もなく、それぞれが独立なパーシャルレスポンス
PRS(1,-1)の系列とみなすことができる。
【0041】図7(b)に示す演算回路32、33では
入力データに対して奇数番目のサンプルと偶数番目のサ
ンプルとの2つの系列をスイッチ34、35によって切
り換えることで、2つに分けて演算を行っている。つま
り、演算回路32、33(パーシャルレスポンスはPRS
(1,-1))と演算回路31(パーシャルレスポンスはPRS
(1,0,-1))のデコードは本質的には同じであり、ここで
はパーシャルレスポンスPRS(1,0,-1)を例にとって説明
する。
【0042】パーシャルレスポンスPRS(1,0,-1) 自体は
エラーを伝搬する性質があり、ある条件で1ビットエラ
ーがおこると壊滅的なエラーを引き起こすことがあるの
で、記録する前にプリコーディングしておく必要があ
る。これには、パーシャルレスポンスの逆変換を行うも
のをかけておけば良く、この場合の装置全体の構成は、
図8のように示される。
【0043】図8において、41は(1/1−D2)の
処理を実行するプリコーダーであり、記録データはプリ
コーダー41によって(1/1−D2)の演算処理が行
われ、例えば記録データのデータ間の相関を利用して記
録データの値1および−1の間で変化するプリコードデ
ータに変換されて記録チヤンネル回路42に出力され
る。記録チヤンネル回路42では、演算処理回路43に
おいてプリコーダー41の出力に対して(1−D)の演
算処理が行われるとともに、その演算結果に加算器44
でノイズが加算され、後段の演算処理回路45に出力さ
れる。演算処理回路45では記録チヤンネル回路42か
らの出力に(1+D)の演算処理が行われ、その演算結
果はデコーダ46によってデコードされて出力される。
【0044】記録チヤンネル回路42から得られる信号
は、信号レベルを±2とすると図9に示すように{−
2,0,+2}の3つのレベルをとり、これをバイナリ
ーデータにデコードするには、固定しきい値を用いる3
値レベル検出と、最尤復号であるビタビデコーディング
などが考えられる。
【0045】3値レベル検出は、0と+2および0とー
2の間に固定値をもつスレショルドレベルを設定し、サ
ンプル点がどの領域に入るかによってデコードするもの
であり、回路が非常に簡単ですむかわりに検出能力はあ
まり高いとは言えない。これに対して、最尤復号(ビタ
ビデコーディング)は前後のサンプル点の値も使って一
つの系列として、もっとも確からしい系列を推定してい
くという方法で、3値レベル検出に較べて高い検出能力
を持っており、同じデータをデコードした場合には、図
10に例を示すように、ビットエラーレートが1桁から
2桁改善される。
【0046】ここで、まったく同じデータをデコードす
る場合に、二つのデコーダがどのような結果を出力する
かには、次の表1に示す4通りが考えられる。
【0047】
【表1】
【0048】表1において、○は記録したデータが正し
くデコードされた場合、×はエラーが生じた場合であ
る。一つの例として、3値検出でデコードした結果ビッ
トエラーレートがPL、ビタビデコーディングした結果
がPVであったとする。すなわち、前述の表1でパター
ン3)か4)のおこる確率がPL、パターン2)か4)
のおこる確率がPVということになる。
【0049】つまり、PL=P3+P4、PV=P2+P4
いう関係で表される。ここで、前述のように、PV<<
Lとすることができるので、P4≦P2+P4=PV<<
Lなる関係があり、P4<<PLとなる。したがって、
Lに対してP4は無視できる値となり、PL≒P3とみな
すことができる。また、P2+P4<<P3+P4という関
係から、P2<<P3なので、両者のデコード結果が異な
るパターン2)およびパターン3)になる確率が、すな
わち3値レベル検出でのエラー発生確率とみなすことが
できる。
【0050】この性質を利用すれば、以前に何を書いた
かという情報が正しく得られなくても、3値レベル検出
とビタビデコーダの両方を同時に動作させ、両者のデコ
ード結果の比較を行うことによってエラーレートを測定
することができる。また、実際の装置においては、ビタ
ビデコーダからの出力をデコード結果として採用するこ
とになるが、デコーダに入力される信号の品質によって
3値レベル検出のときのエラーレートと、ビタビデコー
ディングのときのエラーレートを予め対応づけておけ
ば、前述のような方法で測定した3値レベル検出のエラ
ーレートを用いてビタビデコーディングしたときのエラ
ーレートを推定することができる。
【0051】次に、ビタビデコーダの回路例を示すが、
その前の準備としてビタビデコーディングについて説明
する。パーシャルレスポンスPRS(1,0,-1) を用いた系か
ら1ビットおきに取り出したひとつの系(つまり、パー
シャルレスポンスPRS(1,-1))についてのトレリスダイ
アグラムを図11に示す。ここでは、ブランチメトリッ
クも合わせて表示してある。これらのブランチメトリッ
クの総和が最大になるようなパスを見つけ出すため、あ
るサンプル時刻kまでのパスメトリックLkは、ひとつ
前のサンプル時刻k−2までのパスメトリックの値Lk
2を用いて、次の数式(1)、数式(2)のように表せ
る。
【0052】
【数1】
【0053】
【数2】
【0054】このメトリックを計算しながら最適なパス
を出力するためには、自乗器が3個、加算器が6個、コ
ンパレータが2個必要となる。さらに、パスを記憶して
おくためのシリアルシフト/パラレルロードレジスタが
必要となる。そこで、パスメトリックを忠実に計算して
いくのではなく、回路を簡単にするためにWoodらの報告
した差動メトリックを用いたアルゴリズムを使用する。
【0055】ここで、状態が二つしかない場合のビタビ
アルゴリズムについて考察する。ビタビアルゴリズムと
は、ある時刻kにおける各々の状態について、そこに至
るまでの尤度がもっとも大きくなるようなパスをひとつ
にしぼりながら、データを決定していくものである。前
述した復号回路(デコーダ)は、それを忠実に実現する
ためのものである。
【0056】一例として、状態が二つしかない場合、そ
の時点で生き残るブランチは、次に示す3通りのパター
ンしかありえない。 状態<−1>→状態<−1>かつ状態<−1>→状態<+1
> 状態<−1>→状態<−1>かつ状態<+1>→状態<+1
> 状態<+1>→状態<+1>かつ状態<+1>→状態<−1
【0057】したがって、状態<+1>→状態<−1>か
つ状態<−1>→状態<+1>のパターンはありえないな
いことが容易にわかる。これらのパターンをそれぞれ→
↑、→→、→↓と書くことにする。そして、それぞれの
ブランチについて、これらのうち、どのパターンが生き
残るのかを、パスメトリックを計算しながら判定してい
くわけである。ここで、いま状態は二つしかないから、
それぞれのパスメトリックの差は次の数式(3)で表さ
れる。
【0058】
【数3】
【0059】この数式(3)に着目して、これを用いて
どのパターンが生き残るかを判定できるか否かを考えて
みる。前述した数式(1)、(2)から次の数式(4)
の関係が成立する。
【0060】
【数4】
【0061】この場合、4yk−ΔLk2が共通なの
で、この値を4および−4と比較してその大小を判定す
ることにより、どちらのブランチを選択したかがわか
る。これを計算することで、前に述べたどのパターンの
ブランチが生き残っているかを判定することが可能であ
る。つまり、パスメトリックそのものを計算しなくて
も、差動メトリックを計算すれば、その過程でパスを決
定することができるのである。 前述した数式(3)か
ら4yk−ΔLk2の値によって3通りに場合分けをし
てかくと、次の数式(5)のように表される。
【0062】
【数5】
【0063】さらに、ΔLk=4yp−4βとおいて変数
変換すると、次の数式(6)のように表すことができ
る。
【0064】
【数6】
【0065】ここで、βと4ypの意味を考えてみる。
βは、次の数式(7)で表される値をとる。
【0066】
【数7】
【0067】βは直前の状態遷移候補(location p)
での遷移のパターンを表している。つまり、現在の時刻
からさかのぼって最初の平行パス以外の遷移(→↑又は
→↓)が候補として考えられる地点での、遷移の種類を
表している。一方、ypは、そのときのyの値である。
【0068】例えば、ひとつ前(つまり確定していない
最後のブランチ)に→↑がおきたらしいときには、β=
+1となり、そのときの判定条件およびβとypの更新
ルールは図12に示すようになる。つまり、βの表す意
味は、式の上でいうと、判定するためのしきい値にオフ
セットを加える役割をしていると見ることができる。
【0069】このように、ひとつ前(location p)の
状態遷移候補と現在のサンプル地点(location k)にお
ける遷移との確からしさを比較し、より確からしい方を
新たな状態遷移候補としながら判定を繰り返していく。
判定に敗れたほうは遷移がなかったとみなされるわけで
あるから、p地点又はk地点の情報を更新できるよう
に、パスを記憶しておくメモリはランダムアクセスがで
きる必要がある。
【0070】このようなアルゴリズムに基づいて回路を
実現すると、そのブロック図は図13のようになる。図
13において、記録チヤンネルからの再生データは奇数
列サンプルおよび偶数列サンプルに分けられて演算処理
が行われ、図13では一例として偶数列サンプルの場合
を詳細に示している。すなわち、記録チヤンネルからの
偶数列サンプルはスイッチ51を介して減算回路52お
よびレジスタ53に供給される。レジスタ53は一つ前
の状態遷移候補ypの値を記憶し、減算回路52は偶数
列サンプルからレジスタ53の値を減算して比較回路
(コンパレータ)54に出力する。
【0071】比較回路54にはしきい値である+2、
0、−2が与えられ、減算回路52からの出力とβを記
憶しているレジスタ55からの出力とに対して、演算処
理を行う。ここで、比較回路54の動作は次の表2、表
3の様にすれば良く、比較回路54からは表2、表3に
示す出力データが出力される。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】56はPLLクロックに基づいて動作し、
kを記憶するアドレスレジスタ、57はpを記憶するア
ドレスレジスタ、58はkあるいはpを選択(セレク
ト)する選択回路、59は選択回路28の出力をアドレ
スとして比較回路54からの出力データ(RAMデー
タ)を記憶するRAM、60は基準クロックに基づいて
カウントアップするカウンタで、カウンタ60の出力を
アドレスとしてRAM59のデータが読み出されて、ス
イッチ61に送られる。スイッチ61は奇数列サンプル
および偶数列サンプルを元の配列に戻し、データ出力が
得られる。
【0075】このような構成を用いれば、自乗器は0
個、加算器は1個、コンパレータは2個で済むことにな
る。ただし、そのほかにパスを記憶しておくためのRA
M59を用意する必要がある。この回路に対し、ある信
号が入力された場合の動作例について次に掲げておく。
なお、RAMとは、RAM59を指す。
【0076】動作例 図14のような入力波形が観測された場合、コンパレー
タ(比較回路54)の動作、各パラメータの変化の様子
を以下に示す。ただし、初期値はyp=−2、β=−1
とする。 k=0:入力k0=1.6 yk−yp>2なので、条件Fであったと判断できる。つ
まり、上向きの発散(以下、適宜divergenceという)で
あるから、βを+1にし、p=0、yp=y0とする。
【0077】k=1:入力k1=0.2 −2<yk−yp≦0なので、条件Bであったと判断でき
る。つまり、平行パスということになるので、β、yp
はそのままで、アドレス1にデータ0を書き込む。
【0078】k=2:入力k2=−0.2 −2<yk−yp≦0なので、条件Bであったと判断でき
る。つまり、平行パスということになるので、β、yp
はそのままで、アドレス2にデータ0を書き込む。
【0079】k=3:入力k3=2 yk−yp>2なので、条件Cであったと判断できる。つ
まり、上向きのdiverg-enceであるから、βを+1に
し、p=3、yp=y3とする。ここでは、前の候補が敗
れたわけであるから、RAMのアドレス0に、データ0
を書き込む。
【0080】k=4:入力k4=0.2 −2<yk−yp≦0なので、条件Bであったと判断でき
る。つまり、平行パスということになるので、β、yp
はそのままで、アドレス4にデータ0を書き込む。
【0081】k=5:入力k5=−0.4 yk−yp>−2なので、条件Aであったと判断できる。
つまり、下向きのdive-rgenceであるから、βを−1に
し、p=5、yp=y5とする。ここでは、前の候補は正
しかったことになるから、RAMのアドレス3に、デー
タ1を書き込む。
【0082】k=6:入力k6=−0.2 0≦yk−yp≦+2なので、条件Eであったと判断でき
る。つまり、平行パスということになるので、β、yp
はそのままで、アドレス6にデータ0を書き込む。
【0083】k=7:入力k7=−2.0 yk−yp≦0なので、条件Dであったと判断できる。つ
まり、下向きのdiverg-enceであるから、βを−1に
し、p=7、yp=y7とする。ここでは、前の候補が敗
れたわけであるから、RAMのアドレス5に、データ0
を書き込む。
【0084】k=8:入力k8=0.2 +2<yk−ypなので、条件Fであったと判断できる。
つまり、上向きの発散ということになるので、β=1、
p=8、yp=y8はそのままで、アドレス7にデータ1
を書き込む。
【0085】次に、3値レベル検出の回路について述べ
る。これについては、ビタビデコーダのサブセットの形
で容易に実現できる。すなわち、現時点でのサンプル値
のみに着目してデコードするわけであるから、一つ前の
状態遷移候補ypやpの値などを記憶しておく必要がな
い。また、同様にβの値も不要になる。したがって、3
値レベル検出回路は図15のようにして構成される。
【0086】図15において、記録チヤンネルからの再
生データは奇数列サンプルおよび偶数列サンプルに分け
られて演算処理が行われ、図15では一例として偶数列
サンプルの場合を詳細に示している。すなわち、記録チ
ヤンネルからの偶数列サンプルはスイッチ61を介して
比較回路62に供給される。比較回路62にはしきい値
である+1、−1が与えられ、偶数列サンプルをこれら
のしきい値+1、−1と比較して演算処理が行われ、比
較結果はRAMデータとしてRAM63に記憶される。
【0087】64はPLLクロックに基づいて動作し、
kを記憶するアドレスレジスタであり、RAM63はア
ドレスレジスタ64の出力をアドレスとして比較回路6
2からの出力データ(RAMデータ)を記憶する。65
は基準クロックに基づいてカウントアップするカウンタ
で、カウンタ65の出力をアドレスとしてRAM63の
データが読み出されて、スイッチ66に送られる。スイ
ッチ66は奇数列サンプルおよび偶数列サンプルを元の
配列に戻し、データ出力が得られる。
【0088】ここで、偶数系列と奇数系列に分ける部
分、およびこれらを再び一つの系列に戻す部分は、先の
ビタビデコーダと共有できる。また、デコードした結果
をRAM43に書き込むためのアドレスレジスタ64
(kを記憶するもの)や、これを読み出すのに必要なコ
ントロール回路も共有することにより回路規模をほとん
ど増やすことなく、ビタビデコーダに3値レベル検出回
路としての機能を付加することができる。
【0089】以上のようにしてビタビデコーダと3値レ
ベル検出回路を同時に実現し、これらのデコード結果を
比較し、異なるものをエラーと見なす回路を付加するこ
とにより、エラーの数をカウントすることができるよう
になる。このブロック図を図16に示す。
【0090】図16において、パーシャルレスポンス方
式を利用して例えば磁気記録媒体に記録された所定の記
録データをアナログ信号で再生した再生信号は、アナロ
グデジタル変換を行うA/D変換回路71に与えられ、
A/D変換回路71はアナログである再生信号をA/D
変換し、デジタルのデータ入力としてビタビデコーダ7
2および3値レベル検出回路を73に出力する。
【0091】具体的には、A/D変換回路71は再生信
号の信号レベルが立ち上がりおよび立ち下がる周期で、
出力信号の信号レベルをデジタル値に変換し、その結果
得られる入力データをビタビデコーダ72および3値レ
ベル検出回路を73に出力する。ビタビデコーダ72お
よび3値レベル検出回路73は上述した方法により、こ
れらの機能を同時に実現する1つの回路として構成でき
る。
【0092】比較回路(エラー検出手段に相当)74
は、ビタビデコーダ72および3値レベル検出回路73
のデコード結果を比較し、そのデコード結果をを出力す
るとともに、異なるものをエラーと見なすエラー検出結
果をカウンタ75に出力する。カウンタ75はコントロ
ール回路76からの指令に基づいてエラー数をカウント
し、カウント結果をエラー数として出力する。
【0093】第2実施例の作用 この第2実施例では、ビットエラーの検出方法として最
尤復号とレベル検出を組み合わせた方式を使用してお
り、この手法によってビットエラーを測定することによ
って、記録したデータを保存しておくメモリが不要とな
り、また通常のディスクドライブ本体に対してほとんど
回路を追加することなくビットエラーを測定することが
できるため、コストアップにならない。
【0094】したがって、ディスクドライブ単体で前記
シフト量の最適化を行うことができるので、例えばディ
スクドライブの組立時において前記シフト量を求めるこ
との他に、例えば電源投入後の初期化の時点や、自己診
断の時点などにおいて前記シフト量を最適な値となるよ
うに更新することもできるようになる。つまり、周囲の
温度の変化や、経時変化などによって最適なシフト量が
異なる値となった場合にも、常に最適なシフト量を得る
ことができる。その結果、前記実施例と同様に最適なシ
フト量が効率よく求められることから、それによってオ
フトラック量が常に最適な量に制御され、ヘッドの位置
決め精度を向上させることができる。
【0095】第3実施例 前記第1実施例および第2実施例で述べた例では、デー
タトラックTdの中心線C2と、サーボトラックの中心
線C3は一致するように配置されていた。つまり、デー
タの再生時には、ピックアップされた再生信号により再
生ヘッドHpがサーボトラックの中心線C3にジャスト
トラックするようにトラッキングを行うことで、データ
トラックにおいても再生ヘッドHpがデータトラックの
中心線C2にジャストトラックするようにし、データの
記録時には、ピックアップされた再生信号により再生ヘ
ッドHpがサーボトラックの中心線C3から前記シフト
量だけシフトした地点にトラッキングを行うことで、デ
ータトラックにおいて記録ヘッドHrがデータトラック
の中心線C2にジャストトラックするようにしていた。
【0096】すなわち、データを記録する際に前記シフ
ト量だけシフトした地点にトラッキングを行うというも
のであるため、シフト量をずらしながら最適なシフト量
を求めるためには、「シフト量の設定→データの記録→
データの再生およびエラーカウント」という手順を繰り
返す必要がある。
【0097】そこで、図17に示すように、あらかじめ
ヘッド間距離や半径などの情報から計算されるシフト量
Scompだけデータトラックの中心線C2とサーボト
ラックの中心線C3を逆方向にずらして配置しておく。
データの記録時には、再生ヘッドHpがサーボトラック
の中心線C1をトレースするようにトラッキングする。
サーボトラックの中心線C1はデータトラックの中心線
C2とは前記計算によって求めたシフト量Scompだ
けずらしてあるから、記録ヘッドHrはデータトラック
Tdの中心線C2にほぼ一致した地点をトレースする。
【0098】データの再生時には、第1実施例と同様の
手法によって求めたシフト量だけシフトしてトラッキン
グを行うことにより、再生ヘッドHpが記録したデータ
トラックの中心線を正確にトレースすることができる。
すなわち、各半径位置における前記シフト量を正確に知
るために、前記データエリアにデータを記録し、シフト
量を少しずつ変化させながら各シフト量におけるビット
エラーを測定することによって最適なシフト量を求め
る。
【0099】ビットエラーレートは、シフト量を変化さ
せたとき前述した図5に示すグラフのような変化を示す
が、再生ヘッドHpが記録したデータトラックに正確に
オントラックしたときに最良となるはずであるから、こ
のシフト量を最適シフト量として使用することができ
る。以上の操作をディスクの各半径において行うことに
より、各半径位置における最適なシフト量を求めること
ができる。
【0100】また、好ましいビットエラーレートの測定
手法として、第2実施例で述べた3値検出と最尤復号を
組み合わせる手段を用いることにより、データゾーンに
記録したデータがどのようなデータ列であっても、しか
もそれが何であるかわからなくてもエラーを検出するこ
とができるから、測定する半径位置においてすでにデー
タゾーンが使用中であれば、(すなわち、何等かの信号
がすでに記録されていれば)エラーレートの測定に先だ
って何か信号を記録する段階を省略してもよい。
【0101】第3実施例の作用 最適なシフト量を求めるためにビットエラーレートを測
定する際に、データを記録するのは1度だけでよく、一
度記録したデータに対してシフト量を変化させながら再
生を繰り返すことになる。したがって、より容易に、よ
り短時間で最適なシフト量を求めることが可能となる。
【0102】また、ビットエラーレートの測定手法とし
て、3値検出と最尤復号を組み合わせる手段を用いるこ
とにより、データゾーンに記録したデータがどのような
データ列であるか知らなくてもビットエラーを検出する
ことができるので、ディスク装置が実際に稼働を開始し
たのち、すでにデータゾーンになんらかのデータが記録
されていても、当該データゾーンにおける最適シフト量
を求めることができるため、シフト量を常に最適に維持
することが可能となる。
【0103】第1実施例〜第2実施例に示した例では、
ビットエラーレートの測定は、データゾーンになんらか
のデータの記録と再生を繰り返しながら行うというもの
であったため、すでに使用されているデータゾーンを使
用することはできないことになる。すなわち、例えば出
荷前において各半径位置における最適なシフト量を求め
ておき、実際の記録再生時にはこのシフト量を用いてト
ラッキングを行う、というような使用法となるので、経
年変化によるシフト量のずれなどを補正することは困難
である。
【0104】これに対して、第3実施例に示す手法で
は、実際にデータを記録されたデータゾーンからの再生
信号を使用してビットエラーレートを求めることができ
るから、経年変化や環境変化によってシフト量が変化し
た場合にも、常に最適なシフト量を求めることができる
という特徴がある。したがって、例えば電源投入時点に
おいて毎回各半径位置におけるシフト量の更新を行うと
か、実稼働何時間おきかにシフト量の更新を行うとかす
ることにより、常に最適なシフト量を維持することが可
能となる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
目的トラック位置における再生ヘッドに対する記録ヘッ
ドのディスク半径方向のシフト量だけ反対方向に前記再
生ヘッドをトラック中心よりオフトラックするべく補正
制御し、オフトラック量を変化させながらデータゾーン
における再生信号のビットエラーレートを測定し、この
ビットエラーレートが最良となるオフトラック量をシフ
ト量の最適値としてトラッキングを行っているので、最
適なシフト量を効率良く求められることでき、それによ
ってオフトラック量を常に最適な量に制御することがで
きる。その結果、ヘッドの位置決め精度を向上させるこ
とができる。また、本発明では、ビットエラーの検出方
法として最尤復号とレベル検出を組み合わせた方式を使
用しており、この手法によってビットエラーを測定する
ことによって、記録したデータを保存しておくメモリが
不要となり、また通常のディスクドライブ本体に対して
ほとんど回路を追加することなくビットエラーを測定す
ることができるため、コストアップにならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ディスク装置の第1実施例の
概略構成を示す図である。
【図2】同実施例におけるディスクのフォーマットを示
す図である。
【図3】同実施例におけるシフト量の算出を示す図であ
る。
【図4】同実施例における最適シフト量を求める回路の
ブロック図である。
【図5】同実施例のシフト量がビットエラーレートに及
ぼす影響を示す図である。
【図6】同実施例のハードウェアによってビットエラー
を検出する回路のブロック図である。
【図7】本発明の係る磁気ディスク装置の第2実施例の
原理であるパーシャルレスポンスを説明する図である。
【図8】同実施例におけるパーシャルレスポンスの逆変
換を行う装置の例を示す図である。
【図9】同実施例における信号レベルの態様を示す図で
ある。
【図10】同実施例における情報再生のためのデコード
態様結果を示す図である。
【図11】同実施例における情報再生のトレリスダイア
グラムを示す図である。
【図12】同実施例における情報再生のビタビアルゴリ
ズムを説明する図である。
【図13】同実施例における情報再生のビタビアルゴリ
ズムを実現する回路例を示すブロック図である。
【図14】同実施例における情報再生の入力波形の一例
を示す図である。
【図15】同実施例における3値レベル検出の回路例を
示すブロック図である。
【図16】同実施例における情報再生の回路例を示すブ
ロック図である。
【図17】本発明の第3実施例とトラックパターンを示
す図である。
【図18】従来の磁気ディスク装置のトラックパターン
を示す図である。
【符号の説明】
1 支持アーム 1a 回転軸 2 スライダ本体 3 ディスク 11 アドレス抜取り回路 12 補正値発生回路 13 シフト量設定回路 15 支持アーム駆動モータ 16 データ検出回路 17 エラー測定回路 18 シフト量エラーレート格納メモリ 31〜33 演算回路 34、35、51、61 スイッチ 41 プリコーダー 42 記録チヤンネル回路 43、45 演算処理回路 46 デコーダ 52 減算回路 53、55 レジスタ 54、62 比較回路(コンパレータ) 56、57、64 アドレスレジスタ 28 選択回路 59、63 RAM 60、55、65 カウンタ 71 A/D変換回路 72 ビタビデコーダ 73 3値レベル検出回路 74 比較回路(エラー検出手段) 76 コントロール回路 Hp 再生ヘッド Hr 記録ヘッド Td データトラック Es サーボエリア Ed データエリア C1 サーボトラックの中心線 C2 データトラックの中心線 C3 支持アームの中心線

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端側を回転自在に支持された支持アー
    ムの先端に再生ヘッドと記録ヘッドを別個に設け、前記
    支持アームの回転で前記再生ヘッドと前記記録ヘッドを
    ディスクの略半径方向に移動し、このディスクにはサー
    ボ信号を記録するサーボゾーンとデータ信号を記録する
    データゾーンを同一ディスク面上に設け、前記サーボ信
    号を前記再生ヘッドにてピックアップし、このピックア
    ップしたサーボ信号に基づいて前記支持アームの回転位
    置を変位してトラックサーボを行う磁気ディスク装置の
    ヘッド位置決め機構において、 目的トラック位置における前記再生ヘッドに対する前記
    記録ヘッドのディスク半径方向のシフト量だけ反対方向
    に前記再生ヘッドをトラック中心よりオフトラックする
    べく補正制御する補正手段と、 前記オフトラック量を変化させながらデータゾーンにお
    ける再生信号のビットエラーレートを測定する測定手段
    と、 パーシャルレスポンス方式を利用して記録媒体に記録さ
    れた所定の記録データを再生する再生手段と、 前記記録媒体から再生された再生信号の信号レベルを所
    定周期でデジタル信号に変換するアナログデジタル変換
    回路と、 前記アナログデジタル変換回路から出力される出力デー
    タに基づいて前記再生信号をビタビ復号により復号する
    ビタビ復号回路と、 前記再生信号の信号レベルを所定の基準値と比較して復
    号するレベル検出復号回路と、前記ビタビ復号回路によ
    る復号データと、 前記レベル検出復号回路による復号データとを比較し、
    これらの不一致を検出するエラー検出手段とを具え、 前記ビットエラーレートが最良となるオフトラック量を
    前記シフト量の最適値としてトラッキングを行うことを
    特徴とする磁気ディスク装置のヘッド位置決め機構。
  2. 【請求項2】 前記最適シフト量を数トラック分測定す
    る手段と、その他の半径位置におけるシフト量を、測定
    したシフト量を元に補間によって求める手段とを具える
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置のヘ
    ッド位置決め機構。
  3. 【請求項3】 基端側を回転自在に支持された支持アー
    ムの先端に再生ヘッドと記録ヘッドを別個に設け、前記
    支持アームの回転で前記再生ヘッドと前記記録ヘッドを
    ディスクの略半径方向に移動し、このディスクにはサー
    ボ信号を記録するサーボゾーンとデータ信号を記録する
    データゾーンを同一ディスク面上に設け、前記サーボ信
    号を前記再生ヘッドにてピックアップし、このピックア
    ップしたサーボ信号に基づいて前記支持アームの回転位
    置を変位してトラックサーボを行う磁気ディスク装置の
    ヘッド位置決め機構において、 前記支持アームの各回転位置における前記再生ヘッドに
    対する前記記録ヘッドのディスク半径方向の略シフト量
    だけ反対方向に前記サーボトラックの中心線を前記デー
    タトラックの中心線に対してシフトさせて設け、目的ト
    ラック位置において前記再生ヘッドをトラック中心より
    オフトラックするべく補正制御する補正手段と、前記オ
    フトラック量を変化させながらデータゾーンにおける再
    生信号のビットエラーレートを測定する測定手段と、 パーシャルレスポンス方式を利用して記録媒体に記録さ
    れた所定の記録データを再生する再生手段と、 前記記録媒体から再生された再生信号の信号レベルを所
    定周期でデジタル信号に変換するアナログデジタル変換
    回路と、 前記アナログデジタル変換回路から出力される出力デー
    タに基づいて前記再生信号をビタビ復号により復号する
    ビタビ復号回路と、 前記再生信号の信号レベルを所定の基準値と比較して復
    号するレベル検出復号回路と、 前記ビタビ復号回路による復号データと、前記レベル検
    出復号回路による復号データとを比較し、これらの不一
    致を検出するエラー検出手段とを具え、 前記ビットエラーレートが最良となるオフトラック量を
    用いて補正制御しながらトラッキングを行うことを特徴
    とする磁気ディスク装置のヘッド位置決め機構。
  4. 【請求項4】 前記最適シフト量を数トラック分測定す
    る手段と、その他の半径位置におけるシフト量を、測定
    したシフト量を元に補間によって求める手段と、を具え
    ることを特徴とする請求項記載の磁気ディスク装置の
    ヘッド位置決め機構。
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