JP3201863B2 - 不揮発性記録装置およびその製造方法 - Google Patents

不揮発性記録装置およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、コンピュー
タ、メモリーカードおよびワードプロセッサ等の機器に
広く利用し得る不揮発性記録装置に関し、特に、高密
度、大容量の記録容量を有し、情報を電気的に書き込み
・読み出しできる不揮発性記録装置およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】上記不揮発性記録装置の一例として、記
録情報の書き換えが可能となったものがある。このよう
な不揮発性記録装置の内、代表的なものとしては、以下
の4種類のものが挙げられる。
【0003】 磁気テープ 磁気ディスク EPROM(Erasable and Programmable Read Only
Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and
Programmable Read Only Memory)等のIC不揮発性メ
モリー 光磁気ディスク。
【0004】以下に各々の特徴を説明する。
【0005】磁気テープは、最も代表的な書換え可能
型の不揮発性記録装置である。安価であるため、オーデ
ィオテープやビデオテープとして最も普及している。ま
た、非常に大容量であるため、コンピュータ用のバック
アップメモリーとしても使用される。
【0006】但し、情報の書き込み・読み出しを連続的
にしか行えないため、ランダムアクセスができず、ま
た、情報の書き込み・読み出しに要するアクセス時間が
長いという欠点がある。
【0007】磁気ディスクは、コンピュータやワープ
ロ等の外部記録装置として使用される。通常、取り扱い
が簡単で安価なフロッピーディスクと、フロッピーディ
スクに比べて記録容量は大きいものの、取り扱いが複雑
で高価なハードディスクとが用いられる。これらの磁気
ディスクは、高速ランダムアクセスが可能であること、
情報の書き込み・読み出しが比較的容易に行える等の長
所を有している。
【0008】尚、磁気ディスクの容量は、3.5インチ
のフロッピーディスク1枚で1メガバイト程度、3.5
インチのハードディスク1枚で40メガバイト程度であ
り、大容量化・高密度化を図る上で限界がある。
【0009】IC不揮発性メモリーは、高密度な記録
を行うことが可能である。IC不揮発性メモリーの代表
的なものとして、書き込みは電気的に行い、消去は紫外
線照射により行うEPROMと、電気的な書き込み・消
去が可能なEEPROMとがある。これらの不揮発性メ
モリーは、小型軽量であること、アクセス時間が短いこ
と、消費電力が小さいこと等の長所を備えている。
【0010】以下、電気的な書き込み・消去が可能なE
EPROMを例として、その詳細を説明する。
【0011】図4は、EEPROMのメモリーセルの一
例を示す断面図である。このEPROMは、シリコン基
板7の表層部に、ソース領域8およびドレイン領域6が
形成され、両者間にチャネル9が形成されている。ドレ
イン領域6の上には、ゲート酸化膜5が設けられ、その
上にフローティングゲート4および制御ゲート2がこの
順に形成されている。フローティングゲート4にはキャ
リアが蓄積・保存され、制御ゲート2がフローティング
ゲート4へのキャリアの注入を制御している。両ゲート
2、4は、シリコン酸化膜等からなる絶縁膜3により分
離されている。さらに、これらの上を覆うようにして、
シリコン基板7上に、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜
等からなる表面保護膜1が形成されている。
【0012】上記構成のEEPROMにおいて、情報の
記録(書き込み)を行う場合には、ドレイン領域6と制
御ゲート2との間に電圧を印加し、ゲート酸化膜5を通
して、キャリアとしてのホットエレクトロンをフローテ
ィングゲート4に注入する。記録情報の消去を行う場合
には、ソース領域8と制御ゲート2との間に電圧を印加
し、Fowlef-Nordheim(N-F)Tunneling現象を利用して、
フローティングゲート4に蓄積されているキャリアを除
去する。他方、記録情報の再生(読み出し)は、ソース
領域8とドレイン領域6との間に形成されるチャネル領
域9の反転電圧の閾値電圧を用いて、ON/OFFの判
断をすることにより行う。
【0013】上記EEPROMにおいては、キャリアの
注入・除去をゲート酸化膜5を通して行うので、ゲート
酸化膜5の膜質と膜厚とは非常に重要である。例えば、
記録容量が1メガビットのEEPROMでは、ゲート酸
化膜5の膜厚は、通常200オングストローム程度の薄
膜であるため、膜質および膜厚の管理が困難である。こ
のため、歩留りの低下によるコストアップが大きな問題
となっている。また、チップの寸法は、通常短辺・長辺
共に7〜10mm程度であるが、記録容量を大きくする
ためにチップ面積を大きくすると、歩留りが低下してよ
りコストアップになる虞れがある。
【0014】上記のような理由により、現状ではEEP
ROMの記憶容量は1〜4メガビット程度に留まってお
り、他の不揮発性記録装置である光磁気ディスクや磁気
ディスク等と比較すると、小さい記録容量となってい
る。
【0015】光磁気ディスクは、光ディスクの一種で
あり、代表的な大容量不揮発性記録装置の1つである。
【0016】図5に、光磁気ディスクの構造の一例を示
す。この光磁気ディスクは、記録媒体として、垂直磁化
特性を示す磁性薄膜15、16を用いる。情報の記録を
行う場合には、磁性薄膜15、16の磁化方向とは逆方
向の弱い磁界の中で、ディスク上の集光領域21にレー
ザ光20を集光して、局部的に加熱する。このことによ
り、磁性薄膜15、16に情報を記録する。他方、情報
の再生を行う場合には、カー効果またはファラデー効果
を利用して行う。即ち、直線偏光されたレーザ光20を
ディスクの上に照射すると、得られる透過光または反射
光は、磁性薄膜15、16の磁化状態に応じて偏光面が
回転したものとなる。この偏光面の回転を、検光子を用
いて光の強弱信号に変換し、光検出器により電気信号と
して検出することにより、情報を再生する。
【0017】上記光磁気ディスクは、文書ファイル用や
画像ファイル用等の大容量記録が可能な記録装置として
実用化されている。
【0018】このような光磁気ディスクは、レーザ光2
0による記録であるため、透明なガラス基板12を通し
て非接触で記録できる。このため、記録面23側のゴミ
は問題とならないという長所を有している。また、基板
面22ではレーザ光の焦点が合っていないため、ビーム
径が数100μm程度と大きくなって、多少のゴミが存
在しても悪影響が生じない。
【0019】さらに、光磁気ディスクは、集光されたレ
ーザ光20を用いて情報を記録・再生するので、高密度
な記録が可能となる。例えば、3.5インチディスクに
より120メガバイト程度の大容量のメモリーを実現す
ることができる。
【0020】但し、光磁気ディスクは、書き込み・読み
出しにレーザ、磁石、回転機構等を必要とするので、周
辺装置が大きく、高価になるという問題点を有してい
る。
【0021】上記の特徴を有するからまでの不揮発
性記録装置の問題点を整理すると、以下のようにまとめ
ることができる。
【0022】(1)大容量・高密度な記録が困難であ
る:フロッピーディスクでは、3.5インチディスクで
1メガバイト程度であり、大容量化・高密度化に対応で
きない。
【0023】EPROM、EEPROM等のIC不揮発
性メモリーでは、高密度化は実現できるが、歩留り上の
制約によりチップ面積を大きくできないため、大容量化
が困難である。
【0024】(2)衝撃、振動に弱い:ハードディスク
では、大容量化を実現するために、ディスクを複数枚集
積しており、また、高密度化に対応するために、磁気ヘ
ッドとディスクとの間隔を1μm以下にまで狭めてい
る。このため、衝撃や振動により破損しやすい。また、
微小なゴミであっても、磁気ヘッドやディスクに付着す
ると、記録装置が破損される。
【0025】(3)書き込み・読み出し用の周辺装置が
大型・複雑・高価である:フロッピーディスク、ハード
ディスク、光磁気ディスクは、共にディスクを回転して
情報の書き込み・読み出しを行うので、モーター等の回
転機構を必要とする。このため、周辺装置が大型化・複
雑化する。
【0026】さらに、ハードディスクでは、ディスクと
磁気ヘッドとの間隔を精密に制御する必要があり、ま
た、耐衝撃性を確保するために緩衝材が必要であるの
で、装置全体が大きく、重くなるという問題がある。
【0027】また、光磁気ディスクでは、書き込み・読
み出しにレーザと磁石とを使用するため、装置が大き
く、重くなり、また、高価になるという欠点がある。
【0028】(4)書き込み・読み出しに時間がかか
る:フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディ
スクでは、ディスクを回転しながらアクセスすべき情報
を探すため、読み出しの高速化を図る上で限界がある。
また、磁気テープでは、書き込み速度・読み出し速度の
両方が遅くなるという欠点がある。
【0029】上記(1)〜(4)の問題点を解決するた
めに、本願出願人は、特平3−138027号および
平3−285136号において、高分子液晶を用い
た不揮発性メモリーを提案している。以下に、その概要
と問題点を示す。
【0030】図6および図7に上記不揮発性メモリーの
構成を示す。この不揮発性メモリーは、液晶層53を2
枚の基板55、52で挟み、その両基板55、52にマ
トリクス状の電極を設けて読み出し・書き込みを行う構
成となっている。
【0031】図6に示す一方の基板55はシリコンから
なり、その上に、下部電極42がA−A’方向(行方
向)に複数本配列されている。下部電極42の上方に、
上部電極41が下部電極42と直交する列方向に複数本
配列されている。上部電極41と下部電極42との間に
は、発熱体44が設けられ、両電極41、42の交差部
がメモリーセル43となる。尚、この図において、54
は電極間絶縁膜、56は配向膜、57はフィールド絶縁
膜を示す。
【0032】他方の基板52はガラスからなり、対向電
極51が形成されて、その上に配向膜56が形成されて
いる。
【0033】両基板52、56は、貼り合わせられ、間
に液晶層53が封入されて、図7に示すようなメモリー
セル43となる。
【0034】上記不揮発性メモリーにおいて、情報の書
き込みは、発熱体44に交流電圧を印加して液晶層53
を加熱することにより行う。加熱後、交流電圧の給電を
停止すると、液晶層53は急冷されてポリドメイン構造
となる。また、交流電圧の給電を徐々に低くすると、液
晶層53は徐冷されてモノドメイン構造となる。液晶層
53をモノドメイン構造にするためには、液晶層53に
電圧を印加しながら冷却してもよい。
【0035】他方、情報の読み出しは、上部電極41と
対向電極51との間に交流電圧を印加し、液晶層53の
電気容量を測定することにより行う。即ち、ポリドメイ
ン構造とモノドメイン構造とでは液晶層53の誘電率が
異なるため、この差に起因する電気容量の差を測定する
ことにより行う。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の不揮発
性メモリーは、高分子液晶を用いているので、以下に示
すような問題がある。
【0037】第1に、シリコン基板55とガラス基板5
2との狭い間隙に、粘度の高い高分子液晶を封入するこ
とが困難である。シリコン基板55とガラス基板52と
の間隙は数μm程度に保持しなければならない。その狭
い間隙に、高分子液晶を封入するためには、温度を上げ
て液晶材料の粘度を下げてから間隙に注入するか、また
はモノマー状態で注入して、その後で重合させる必要が
ある。しかし、高温で注入することは製造上困難であ
り、注入後に重合する場合には、均一な配向状態の液晶
層を得ることが難しい。また、注入を容易にするために
基板間隔を広げることも考えられるが、その場合、書き
込み時に、記録媒体内に加熱状態が異なる部分が生じて
書き込み状態が不良になったり、読み込み時に記録媒体
の容量が小さくなる等の問題が生じる。
【0038】第2に、現状の高分子液晶材料としては、
限られた種類のものしか開発されておらず、開発された
材料は誘電率異方性が小さい。このため、ポリドメイン
構造とモノドメイン構造との配向変化による誘電率変化
が小さく、情報の読み出しが困難である。
【0039】第3に、高分子液晶を用いた場合には、液
晶分子の配向状態を所定の状態に揃えることが必要であ
る。従来、この方法としては、以下の2種類の方法が考
えられている。
【0040】基板上に配向膜を形成する方法:配向膜
の形成方法としては、ポリイミド等の有機樹脂を基板に
塗布し、これにラビング等の配向処理を行う方法と、シ
リコン酸化物等を基板に斜め蒸着する方法とが挙げられ
る。
【0041】液晶層に電圧を印加する方法:液晶材料
は、温度が上がると等方相に相転移する。この状態で液
晶層に電圧を印加しながら温度を下げると、電界の方向
に従って液晶が配向する。よって、装置作製中に、液晶
層の昇温と電圧印加とを行うことにより、液晶分子の配
向状態を所定の状態に揃えることができる。
【0042】しかし、上記の2つの方法には、以下のよ
うな問題点がある。
【0043】配向膜を形成する方法では、高温使用時
に、配向膜の信頼性に問題がある。また、配向膜の形成
工程が製造プロセスとして付加されるので、コストアッ
プにつながる。さらに、ラビング等の配向処理を行う場
合には静電気が発生して、メモリーセルを加熱するため
に用いられる駆動回路のトランジスタ等を破壊するとい
う問題もある。
【0044】液晶層に電圧を印加する方法では、配向
膜の形成は不要となるが、高い印加電圧を用いる必要が
あり、また液晶が配向した状態で固定する必要があるの
で、実現が困難である。
【0045】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、高密度化・大容量化が図れ、書き込
み・読み出しを高速で行えると共に、周辺装置の小型化
・簡潔化および低価格化を実現することができ、製造プ
ロセスを簡略化することができる不揮発性記録装置およ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】本発明の不揮発性記録装
置は、高分子化合物中に低分子液晶からなる液晶滴が分
散されてなる記録媒体と、該記録媒体を加熱して該記録
媒体の熱的な状態変化により誘電率を変化させて情報を
書き込む加熱手段と、該誘電率の変化を該記録媒体に書
き込まれた情報として読み出す電気的な読み出し手段と
を備えており、そのことにより上記目的が達成される。
【0047】前記加熱手段により記録媒体を加熱するこ
とにより、該記録媒体の誘電率を変化させて情報の書き
込みを行い、前記読み出し手段により該記録媒体の誘電
の変化を電気的に検出して情報の読み出しを行うこと
ができる。
【0048】本発明の不揮発性記録装置は、第1電気配
線が設けられ、該第1電気配線の上に、第1電気配線と
交差する状態で、かつ、第1電気配線との間に発熱体を
介して、第2電気配線が設けられた一方の基板と、対向
電極が設けられた他方の基板と、該一方の基板と他方の
基板との間に挟持され、高分子化合物中に低分子液晶
らなる液晶滴が分散されてなる記録媒体とを備え、該第
1電気配線と第2の電気配線との間に電圧を印加して該
発熱体を加熱することにより、該記録媒体の誘電率を変
化させて情報の書き込みを行い、該対向電極と第2の電
気配線との間に電圧を印加することにより、該記録媒体
誘電率の変化を検出して情報の読み出しを行ってお
、そのことにより上記目的が達成される。
【0049】前記両基板の内少なくとも一方がシリコン
からなっているのが好ましい。
【0050】前記液晶滴が、常温でスメクチック相の状
態にあるのが望ましい。
【0051】前記液晶滴が、常温でネマチック相の状態
にあってもよい。
【0052】前記低分子液晶が、温度上昇に伴って、結
晶相、スメクチック相、ネマチック相および等方相の順
に相変化してもよく、結晶相、スメクチック相および等
方相の順に相変化してもよく、結晶相、ネマチック相お
よび等方相の順に相変化してもよい。
【0053】本発明の不揮発性記録装置の製造方法は、
一対の基板と、該一対の基板間に設けられ、高分子化合
物中に低分子液晶が分散されてなる記録媒体と、該記録
媒体を加熱して該記録媒体の物性値の熱的な状態変化に
より情報を書き込む加熱手段と、該物性値の変化を該記
録媒体に書き込まれた情報として読み出す電気的な読み
出し手段と、を備えた不揮発性記録装置の製造方法であ
って、紫外線硬化樹脂材料と低分子液晶とを混合してな
る混合物を、該一対の基板間に封入する工程と、該混合
物に紫外線を照射することにより、該紫外線硬化樹脂材
料を重合させて、該記録媒体を形成する工程とを含み、
そのことにより上記目的が達成される。
【0054】
【作用】本発明の不揮発性記録装置においては、記録媒
体が、高分子化合物中に低分子液晶からなる液晶滴を分
散させてなるポリマー分散型液晶(以下、PDLCと称
する)からなる。PDLCでは、低分子液晶の配向状態
が、液晶滴を囲む高分子化合物壁により決められ、高分
子液晶を用いた場合に必要とされるような配向膜の形成
が不要である。また、液晶滴形成直後における液晶の無
配向状態と加熱冷却時における液晶の無配向状態とが、
ほとんど同じ状態であるので、液晶滴形成後に液晶の配
向状態を揃える必要がない。
【0055】この記録媒体を、液晶滴を構成する低分子
液晶の配向状態の変化が生じる温度まで加熱すると、液
晶の配向状態が変化して、誘電率などの物性に変化が生
じる。この物性の変化が記録媒体に書き込まれた情報と
なる。
【0056】この情報の読み出しは、記録媒体の電気容
量の測定などの電気的な読み出し手段により行うことが
できる。
【0057】低分子液晶として、温度上昇に伴って、結
晶相、スメクチック相、ネマチック相および等方相の順
に相変化するもの、または、結晶相、スメクチック相お
よび等方相の順に相変化するものを用いると、常温でス
メクチック相の状態にある液晶滴とすることができるの
で、メモリーセルの記憶保持性能を良好にすることがで
きる。
【0058】低分子液晶として、温度上昇に伴って、結
晶相、スメクチック相、ネマチック相および等方相の順
に相変化するもの、または結晶相、ネマチック相および
等方相の順に相変化するものを用いると、常温でネマチ
ック相の状態にある液晶滴とすることができる。この場
合、高分子化合物と低分子液晶との相互作用を大きい材
料を選択することにより、メモリーセルの記憶保持性能
を良好にすることができる。
【0059】この不揮発性記録装置の製造において、紫
外線硬化樹脂と低分子液晶化合物とを混合した混合物
を、一対の基板の一方に塗布し、または一対の基板間に
封入して、その混合物に紫外線を照射すると、高分子化
合物中に低分子化合物を分散させた記憶媒体が形成され
る。よって、粘度の高い高分子液晶を封入する場合のよ
うに、温度を上げて液晶材料の粘度を下げてから間隙に
注入する必要がない。
【0060】シリコン基板を用いた場合には、ICの微
細加工技術を応用して微細なメモリーセルを作製するこ
とができる。
【0061】
【実施例】図1は、本実施例の不揮発性記録装置の表面
構成を示す模式図である。この図において、周辺回路は
機能別にブロック毎に分割して示してある。入出力信号
制御部31は、他の装置からの入力信号を信号処理して
記録部34のメモリーセルへ信号(書き込み情報)を送
る機能と、メモリーセルから読み出された信号を信号処
理して、他の装置へ送る機能を有する。論理系制御部3
2は、不揮発性記録装置全体の信号処理を制御する。駆
動回路部33は、論理系制御部32からの指令により、
記録部34のメモリーセルへ電気信号を供給するための
電流を通電する。記録部34は、入出力信号制御部31
から与えられる信号を蓄積し、記録情報として保存す
る。
【0062】図3に、記録部34の構成を示す。記録媒
体として、高分子液晶層ではなくPDLC層73が形成
され、このPDLC層73を2枚の基板75、72で挟
み、両基板75、72にマトリクス状の電極を設けた構
成となっている。
【0063】図2に示す一方の基板75の上に、下部電
極72がA−A’方向(行方向)に複数本配列されてい
る。下部電極72の上方に、上部電極71が下部電極7
2と直交する列方向に複数本配列されている。上部電極
61と下部電極62との間には、記録情報の書き込み・
読み出しを行うべく発熱体64が設けられ、両電極6
1、62の交差部はメモリーセル63となる。
【0064】一方の基板75はシリコンからなり、一般
にIC等に使用される半導体用単結晶シリコンが用いら
れる。また、抵抗値を制御するために、不純物を添加し
てある。
【0065】他方の基板72はガラスからなり、対向電
極71が形成されている。
【0066】両基板75、72は、50μm以下、好ま
しくは1μm程度の一定間隔を開けて貼り合わされ、そ
の間隙にPDLC層73が封入されている。
【0067】PDLC層73は、低分子液晶からなる液
晶滴が高分子化合物中に分散された構造を有する。
【0068】上記低分子液晶としては、高分子化合物と
整合するものであれば、いずれも用いることができる。
例えば、誘電率異方性の大きいフッソ系液晶や、室温に
おいてネマチック相またはスメクチック相を示す液晶等
を用いることができる。また、低分子液晶は、温度上昇
に伴って、結晶相、スメクチック相、ネマチック相およ
び等方相の順に相変化するもの、結晶相、スメクチック
相および等方相の順に相変化するもの、結晶相、ネマチ
ック相および等方相の順に相変化するもの等のいずれも
用いることができる。
【0069】上記高分子化合物の材料としては、光や熱
により重合するタイプの重合材料を用いることができ、
例えば、β−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレ
ート、イソボルニルアクリレートおよびTMPT−A
(trimethylolpropane triacrylate)の混合物などが挙
げられる。
【0070】このPDLC層は、一定の条件下で配向の
メモリー性を示し、このことにより情報の記録を行う機
能を有する。例えば、室温でスメクチック相を示すスメ
クチック液晶では、一定値以上の電圧や熱を加えない限
り、液晶分子の配向状態が変化しない。また、室温でネ
マチック相を示すネマチック液晶では、高分子化合物と
の相互作用が大きい液晶材料を用いると、配向のメモリ
ー性を大きくすることができる。
【0071】フィールド絶縁膜77は、下部電極62と
上部電極61との間に印加される駆動電流がシリコン基
板75へリークするのを防止するため設けられている。
【0072】電極間絶縁膜74は、下部電極62と上部
電極61との間の絶縁性を保つために形成される。この
電極間絶縁膜74は、メモリーセル63の部分で上部電
極62と下部電極61との間に直接発熱体64が挟み込
まれるように、メモリーセル63の部分で開口してい
る。下部電極62と上部電極61との間に10V以上の
電圧が印加される場合もあるので、電極間絶縁膜74は
ピンホールの無い均質な膜質と膜厚とを有していること
が必要である。例えば、プラズマCVD法により形成し
たシリコン窒化膜等を用いることができる。
【0073】下部電極62および上部電極61は、発熱
体64の発熱により温度上昇が生じるので、耐熱性が要
求される。たとえば、減圧CVD法により形成したタン
グステン等を用いることができる。
【0074】発熱体64は、耐熱性を有すると共に、適
度な抵抗値を有する必要があり、また微細加工が可能で
あることが要求される。例えば、減圧CVD法により形
成した高純度な多結晶シリコン等を用いることができ
る。
【0075】上記不揮発性記録装置の製造について、以
下に説明する。
【0076】まず、シリコン基板75上およびガラス基
板72上に発熱体、電極等を形成する。このシリコン基
板75上の発熱体64の形成工程や両基板75、72上
の電極形成工程等については、特平3−138027
号と同様に行うことができる。
【0077】次に、上記両基板72、75の電極形成面
を内側にし、かつ、シリコン基板75上のメモリーセル
73上にガラス基板72の対向電極71が位置するよう
に、両基板72、75を対向させる。この状態で、ガラ
ス基板75の記録部34周辺に当たる部分をシールす
る。
【0078】その後、上記両基板72、75の間隙に、
PDLC層73を形成する。PDLC層の形成は、どの
ような方法で行ってもよいが、例えば以下の方法で作製
することができる: 対向する2つの基板の間隙に、ポリマーカプセルに包
含された液晶滴を形成する方法(特開昭58−501631号公
報) 高分子材料と液晶材料とを共通溶媒に溶解したものを
一方の基板に塗布し、乾燥させて溶媒を除去した後、他
方の基板を貼合わせる方法(特開昭59-226322号公報) 液晶材料と高分子材料とを混合した混合材料を、対向
する基板間に封入し、この混合材料中の高分子材料を紫
外線照射により重合・硬化させる方法(特開昭61−5021
28号公報)。
【0079】この実施例では、以下のようにして行っ
た。
【0080】高分子化合物の材料モノマーと、低分子液
晶と、重合開始剤とを混合し、各々を相溶状態にする。
この時、この混合物は、全ての材料が低分子量であるの
で、粘度が低く、通常の液晶と同じように取り扱うこと
ができる。
【0081】次に、相溶状態の混合物溶液を、両基板7
2、75の間隙に室温で注入する。その後、上記モノマ
ーのタイプにより、例えば、光重合型モノマーの場合に
は350〜400nmの紫外線光を照射し、または熱重
合型のモノマーの場合には加熱することにより、上記モ
ノマーが重合反応を起こして高分子化合物からなるマト
リクスが形成される。この時、低分子液晶は、得られる
高分子マトリクスと相溶せずに相分離を起こすので、高
分子マトリクスに囲まれた低分子液晶滴が形成され、P
DLC層73とすることができる。
【0082】上記のようにして作製されたメモリーセル
63の挙動について、室温でスメクチック相を示す低分
子液晶を用いた場合を例として説明する。
【0083】室温では、液晶滴内の液晶分子は、各液晶
滴毎にランダムに配向したスメクチック相となってい
る。このPDLC層73を加熱すると、各液晶滴内の液
晶分子は、スメクチック相からネマチック相、さらには
等方相へと順番に相転移していく。
【0084】ここで、液晶滴が等方相である状態から、
そのままPDLC層73を冷却すると、上記相転移の逆
の過程をたどってスメクチック相に戻っていく。ここ
で、液晶滴毎の配向は各々独立しているので、PDLC
層73全体から見れば、ランダムな配向状態となる。
【0085】しかし、PDLC層73に電界を印加しな
がら温度を下げた場合には、以下のような挙動を示す。
【0086】液晶滴内の液晶分子がネマチック相の状態
である時にPDLC層73に電界を印加すると、液晶分
子は各液晶滴の中で電界に応じた方向に並んで配向す
る。しかし、ネマチック相の状態のままで電界印加を止
めると、液晶分子の配向は電界を印加する前の状態に戻
って、各液晶滴毎にランダムに配向したネマチック相状
態になる。これは、ネマチック相では液晶分子のメモリ
ー性が低いということを示す。
【0087】そこで、PDLC層73に電界を印加した
状態で、さらに温度を下げてスメクチック相まで相転移
させると、各液晶滴の中で液晶分子が電界に応じた方向
に並んた状態でスメクチック相となる。スメクチック相
は、ネマチック相に比べて液晶分子の運動性が低く、層
構造を有する。そのため、スメクチック相の状態で電界
の印加を止めても、液晶分子は各液晶滴の中で電界に応
じた方向に並んだ配向状態のままスメクチック相を示
す。これは、スメクチック相では液晶分子のメモリー性
が高いということを示す。
【0088】従って、室温でスメクチック相を示し、加
熱した時にネマチック相もしくは等方相となるような低
分子液晶材料を用いれば、メモリー性の高い記憶媒体が
得られる。また、加熱した後で等方相から冷却していく
場合には、等方相からネマチック相とならずに、直接ス
メクチック相に相転移する液晶材料であっても用いるこ
とができる。
【0089】また、室温でネマチック相となる低分子液
晶材料を用いる場合には、液晶滴を囲む高分子壁との相
互作用により液晶分子のメモリー性を高めることができ
る。よって、高分子化合物の材料としては、低分子液晶
材料との相互作用の大きい材料を用いるのが好ましい。
【0090】この実施例では、高分子化合物の材料モノ
マーとしてTMPT−A(trimethylolpropane triacry
late)0.02g、β−(パーフルオロオクチルエチル
アクリレート)0.03gおよびイソボルニルアクリレ
ート0.15gからなるモノマー混合物、低分子液晶と
して室温でスメクチック相であるK24単品液晶(4−
シアノ−4’−n−オクチルビフェニル、TSN:43
℃、TNI:40℃、BDH社製)0.78gを用い、紫
外線による重合開始剤としてIrgacure651(チバガイギ
ー社製)0.03gを用いた。この材料の組み合わせで
は、約15℃以上程度で相溶状態になった。また、混合
物溶液を、両基板72、75の間隙に室温で注入し、波
長350〜400nmの紫外線光を50mW/cm2
1分間照射することにより、PDLC層73を形成し
た。
【0091】上記において、液晶K24は室温でスメク
チック相であるので、液晶滴の中でも室温でスメクチッ
ク相となっている。しかし、各液晶滴におけるスメクチ
ック相の配向方向はランダムであるので、PDLC層7
3全体から見ればランダムな配向状態となり、誘電率異
方性は平均化される。これは、室温でネマチック相を示
す低分子液晶を用いた場合でも同様である。
【0092】尚、液晶K24は誘電異方性Δεが正であ
るので、PDLC層73に電界を印加した時には、電界
方向に配向する。Δεが負である液晶材料を用いた場合
には、電界を印加した時の配向方向が異なるだけで、同
様の記録媒体として用いることができる。
【0093】以下に、本発明の不揮発性記録装置におけ
る情報の書き込み/書き換え・読み出しについて、具体
的に説明する。
【0094】(書き込み/書き換え)外部装置から入力
された情報は、入出力信号制御部31においてバッファ
メモリーに記録され、データ処理後に記録部34に書き
込まれる。書き込みは、シリコン基板75上の上部電極
61と下部電極62とに電圧を印加することにより発熱
体64を発熱させ、PDLC層73を加熱することによ
り行う。
【0095】まず、室温でスメクチック相となる低分子
液晶を用いた場合について説明する。PDLC層73を
加熱して、液晶滴内の低分子液晶がネマチック相または
等方相となった時に、PDLC層73に電界を印加しな
がら室温まで冷却すると、低分子液晶は同じ方向に並ん
だ状態でスメクチック相となる。この時、メモリーセル
のコンデンサー容量は、液晶滴を囲む高分子壁の樹脂成
分または高分子壁に沿って配向している液晶分子による
損失があるものの、液晶滴内の低分子液晶の配向方向に
平行な誘電率により決定される(Δε>0の場合)。
【0096】また、PDLC層73に電界を印加しない
状態で室温まで冷却すると、低分子液晶はスメクチック
相となるが、液晶滴毎の配向方向はランダムであるの
で、PDLC層全体から見れば液晶の誘電率異方性は平
均化される。その結果、PDLC層73の誘電率が等価
的に下がり、メモリーセルのコンデンサー容量は小さく
なる。
【0097】次に、室温でネマチック相となる低分子液
晶を用いた場合について説明する。PDLC層73を加
熱して、液晶滴内の低分子液晶が等方相となった時に、
PDLC層73に電界を印加しながら室温まで冷却する
と、低分子液晶は同じ方向に並んだ状態でネマチック相
となる。また、PDLC層73に電界を印加しない状態
で室温まで冷却すると、液晶滴毎に液晶の配向方向がラ
ンダムなネマチック相となる。この配向状態の違いがコ
ンデンサー容量の差として記録される。
【0098】上記不揮発性記録装置において、書き換え
(上書き)は書き込みと同様にして行うことができる。
また、書き込み/書き換え位置は自由に選択することが
でき、ランダムアクセスが可能である。
【0099】(読み出し)シリコン基板75上の上部電
極61とガラス基板72上の対向電極71との間に測定
用電圧を印加して、PDLC層73の電気容量を測定す
る。液晶滴を構成する低分子液晶が配向している状態と
配向していない状態では、PDLC層73の誘電率が異
なるので、電気容量の差として記録情報の読み出しを行
うことができる。
【0100】また、液晶滴を構成する液晶分子が、基板
に対して垂直に配向している場合には、PDLC層73
は透明状態であるのに対し、液晶分子の配向がランダム
である場合には、光の散乱のためにPDLC層73が不
透明状態になる。よって、メモリーセル63にレーザ光
等の光を照射して、PDLC層73からの反射光を検知
することにより、情報を読み出すことができる。この場
合には、PDLC層73の表面が平坦であることが要求
されるので、PDLC層73の表面にガラス板等の透明
平坦層を設ける必要がある。また、この方法は、光学的
検知手段を含むものの、信号処理手段を含むので、全体
として見れば電気的な読み出し方法と言える。
【0101】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、静的な電気的制御によ記録媒体の誘電率の
変化により情報の書き込み・読み出しができるので、
揮発性記録装置の高密度化・大容量化を図ることができ
ると共に、低電圧での駆動が可能となり、書き込み・読
み出しの高速化を図ることができる。また、光磁気ディ
スクや磁気ディスクのように、回転機構や移動機構が不
要になり、装置構成の小型化・簡潔化・低価格化を図る
ことができる。更には、レーザピックアップや磁気ヘッ
ド等の複雑で精密な構成部品が不要であるので、振動・
衝撃やゴミ付着に起因する装置の破壊を減少させること
ができる。よって、記録保持の安定性を著しく向上させ
ることができる。
【0102】また、IC不揮発性メモリーを用いた不揮
発性記録装置に比べて、メモリーセルの構造を簡潔化す
ることができる。よって、大面積化により記録容量を大
容量とすることができる。また、シリコン基板を用いる
ことにより、ICの微細加工技術を応用することができ
るので、微細なメモリーセルを形成することができる。
従って、大容量で高密度な不揮発性記録装置を実現する
ことができる。
【0103】さらに、記録媒体がPDLCからなるの
で、誘電率異方性の高い低分子液晶を用いることができ
る。このため、メモリーセルのサイズを縮小することが
でき、高密度化が可能となる。また、基板間隙への液晶
注入工程を簡略化でき、基板の配向処理も不要となるの
で、製造プロセスを簡略化することができ、歩留りよく
不揮発性記録装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である不揮発性記録装置を示
す表面構成図である。
【図2】実施例の不揮発性記録装置のメモリーセルを構
成するシリコン基板を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A’線断面図である。
【図4】EEPROMの構造を示す断面図である。
【図5】光磁気ディスクの構造を示す図である。
【図6】従来の不揮発性記録装置のメモリーセルを構成
するシリコン基板を示す斜視図である。
【図7】図6のA−A’線断面図である。
【符号の説明】
31 入出力信号制御部 32 論理系制御部 33 駆動回路部 34 記録部 61 上部電極 62 下部電極 63 メモリーセル 64 発熱体 71 対向電極 72 ガラス基板 73 PDLC層 74 電極間絶縁膜 75 シリコン基板 77 フィールド絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 裕 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−54685(JP,A) 特開 平4−226423(JP,A) 特表 昭61−502128(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 G02F 1/13 G11C 17/00 H01L 27/115

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子化合物中に低分子液晶からなる液
    晶滴が分散されてなる記録媒体と、 該記録媒体を加熱して該記録媒体の熱的な状態変化によ
    り誘電率を変化させて情報を書き込む加熱手段と、 該誘電率の変化を該記録媒体に書き込まれた情報として
    読み出す電気的な読み出し手段と、 を備えた不揮発性記録装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段により記録媒体を加熱する
    ことにより、該記録媒体の誘電率を変化させて情報の書
    き込みを行い、前記読み出し手段により該記録媒体の誘
    電率の変化を電気的に検出して情報の読み出しを行う請
    求項1に記載の不揮発性記録装置。
  3. 【請求項3】 第1電気配線が設けられ、該第1電気配
    線の上に、第1電気配線と交差する状態で、かつ、第1
    電気配線との間に発熱体を介して、第2電気配線が設け
    られた一方の基板と、 対向電極が設けられた他方の基板と、 該一方の基板と他方の基板との間に挟持され、高分子化
    合物中に低分子液晶からなる液晶滴が分散されてなる記
    録媒体と、 を備え、 該第1電気配線と第2の電気配線との間に電圧を印加し
    て該発熱体を加熱することにより、該記録媒体の誘電率
    を変化させて情報の書き込みを行い、該対向電極と第2
    の電気配線との間に電圧を印加することにより、該記録
    媒体の誘電率の変化を検出して情報の読み出しを行う不
    揮発性記録装置。
  4. 【請求項4】 前記両基板の内少なくとも一方がシリコ
    ンからなる請求項3に記載の不揮発性記録装置。
  5. 【請求項5】 前記液晶滴が、常温でスメクチック相の
    状態にある請求項1または請求項3に記載の不揮発性記
    録装置。
  6. 【請求項6】 前記液晶滴が、常温でネマチック相の状
    態にある請求項1または請求項3に記載の不揮発性記録
    装置。
  7. 【請求項7】 前記低分子液晶が、温度上昇に伴って、
    結晶相、スメクチック相、ネマチック相および等方相の
    順に相変化する請求項1または請求項3に記載の不揮発
    性記録装置。
  8. 【請求項8】 前記低分子液晶が、温度上昇に伴って、
    結晶相、スメクチック相および等方相の順に相変化する
    請求項1または請求項3に記載の不揮発性記録装置。
  9. 【請求項9】 前記低分子液晶が、温度上昇に伴って、
    結晶相、ネマチック相および等方相の順に相変化する請
    求項1または請求項3に記載の不揮発性記録装置。
  10. 【請求項10】 一対の基板と、該一対の基板間に設け
    られ、高分子化合物中に低分子液晶が分散されてなる記
    録媒体と、該記録媒体を加熱して該記録媒体の物性値の
    熱的な状態変化により情報を書き込む加熱手段と、該物
    性値の変化を該記録媒体に書き込まれた情報として読み
    出す電気的な読み出し手段と、を備えた不揮発性記録装
    置の製造方法であって、 紫外線硬化樹脂材料と低分子液晶とを混合してなる混合
    物を、該一対の基板間に封入する工程と、 該混合物に紫外線を照射することにより、該紫外線硬化
    樹脂材料を重合させて、該記録媒体を形成する工程と、 を含む不揮発性記録装置の製造方法。
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