JP3200152B2 - 差動入力回路 - Google Patents

差動入力回路

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JP3200152B2
JP3200152B2 JP12057192A JP12057192A JP3200152B2 JP 3200152 B2 JP3200152 B2 JP 3200152B2 JP 12057192 A JP12057192 A JP 12057192A JP 12057192 A JP12057192 A JP 12057192A JP 3200152 B2 JP3200152 B2 JP 3200152B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は差動入力回路に係り、特
に差動入力信号のコモンモード動作範囲を広くする技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】差動信号を入力とする差動入力回路は、
従来より電界効果トランジスタ(FET)やバイポーラ
トランジスタを用いた差動対により実現されてきたが、
差動対を構成するFETのゲート・ソース電圧Vgsやバ
イポーラトランジスタのベース・エミッタ電圧Vbeのた
め、差動入力信号の入力のコモンモード動作範囲に制限
があった。そこで、これを改善するために、Pardo
en,“A Rail−to−Rail Input/
OutputCMOS Power Amplifie
r”、IEEE JSSC Vol.25 No.2
pp.501−504(Fig.1参照)で述べられて
いるように2組の各々異なる導電型の差動対の出力を電
流加算することにより、入力差動信号のコモンモード電
位の動作範囲を広げる方法が考案された。
【0003】しかしながら、このような方法では2組の
各々異なる導電型の差動対の出力電流の方向が逆である
ため、必ず電流加算回路が必要となるので、部品点数が
多くなり、回路規模が大きくなるという欠点があった。
また、異なる導電型の差動対の一方がほとんど動作せず
他方が支配的に動作する入力のコモンモード電位の動作
点や両方が動作するコモンモード電位の動作点におい
て、各差動対の電流源のマッチング誤差や電流加算回路
の誤差のため、差動で得られる出力電流の和が入力のコ
モンモード電位の動作点に依存してばらついてしまうと
いう欠点があった。このため、抵抗負荷を持つ差動増幅
回路に適用した場合には出力動作点のばらつきとなって
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の差
動入力装置にあっては、電流加算回路を必要とするので
回路規模が増大してしまい、小形、軽量化を図れず、ま
た、コスト的に高価なものとなってしまう。また、差動
が得られる出力電流の和がコモンモード入力動作点に依
存してばらついてしまい、安定な出力が得られないとい
う問題点があった。
【0005】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、電
流加算回路を必要とせず、また、差動で得られる出力電
流の和がコモンモード入力動作点に依存せず、更に、入
力のコモンモード電位の動作範囲が広い差動入力回路を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、入力電圧に応じた電圧がゲート電極に与
えられるトランジスタを電流源に接続して第1の差動対
を構成し、導電型の異なるトランジスタの互いのソース
電極間を接続してなるトランジスタ回路を前記電流源に
接続し、前記第1の差動対と並列接続して第2の差動対
を構成し、前記第2の差動対を構成するトランジスタの
内、前記第1の差動対を構成するトランジスタと同じ導
電型のトランジスタのゲート電極に、バイアス電圧を与
えることを特徴とする差動入力回路である。
【0007】更に、本発明は、入力電圧に応じた電圧が
ベース電極に与えられるトランジスタを電流源に接続し
て第1の差動対を構成し、導電型の異なるトランジスタ
の互いのエミッタ電極間を接続してなるトランジスタ回
路を前記電流源に接続し、前記第1の差動対と並列接続
して第2の差動対を構成し、前記第2の差動対を構成す
るトランジスタの内、前記第1の差動対を構成するトラ
ンジスタと同じ導電型のトランジスタのベース電極に、
バイアス電圧を与えることを特徴とする差動入力回路で
ある。
【0008】
【作用】上述の如く構成すれば、入力信号のコモンモー
ド電位Vc が第3、第5の各FETのストッショルド電
位の和よりも低いときには、第3〜第6のFETはオフ
となり、第1、第2のFETによる差動対のみによって
動作する。そして、コモンモード電位Vc がVDD−|V
thp |(ただし、VDDは電源電位、Vthp は第1、第2
のFETのストッショルド電位)よりも高くなると、第
1、第2のFETはオフとなり、第3、第5のFET、
及び第4、第6のFETで構成される差動回路のみが動
作する。また、コモンモード電位Vc が第3、第5のス
レッショルド電位の和より高く、VDD−|Vthp |より
も低い時は、第1、第2のFETによる差動対と第3〜
第6のFETで構成される差動回路はともに動作する。
【0009】このとき、第1のFETのドレインと第6
のFETのドレインが接続され、第2のFETのドレイ
ンと第5のFETのドレインが接続されているので、電
流の方向が一致し、電流加算回路は不必要となる。
【0010】また、共通の電流源から電流が供給される
ので、差動で得られる出力電流の和が、電流源のマッチ
ング誤差によってばらつくことはなくなる。
【0011】FETに代えてバイポーラトランジスタを
用いて構成した場合も同様である。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明が適用された差動入力回路の第1実
施例を示す構成図である。この第1実施例はバイアス電
圧を入力電圧に応じて与えるものである。
【0013】図示のように、電源VDDには電流源I1が
接続され、該電流源I1の出力端は4方向に分岐してい
る。そして、この分岐先は、P−MOSFET(M1)
のソースと、P−MOSFET(M2)のソースと、N
−MOSFET(M3)のドレインと、N−MOSFE
T(M4)に接続されている。
【0014】また、FET(M1,M3)のゲートは、
入力端T1と接続されており、この入力端T1はバイア
ス回路B1とも接続されている。一方、FET(M2,
M4)のゲートは、入力端T2と接続されており、この
入力端T2はバイアス回路B1とも接続される。
【0015】そして、FET(M3)のソースはP−M
OSFET(M5)のソースに接続され、このFET
(M5)のドレインは、FET(M2)のドレイン、及
び出力端T4と接続される。また、FET(M4)のソ
ースは、P−MOSFET(M6)のソースに接続さ
れ、このFET(M6)のドレインは第1のFET(M
1)のドレイン、及び出力端T3と接続されている。
【0016】また、FET(M5,M6)のゲートはバ
イアス電圧Vb を発生するバイアス回路B1と接続さ
れ、該バイアス回路の制御下で動作するようになってい
る。
【0017】次に、本実施例の作用について説明する。
【0018】いま、N−MOSFET(M3,M4)の
スレッショルド電圧をVthn 、P−MOSFET(M
1,M2,M5,M6)のスレッショルド電圧をVthp
とし、また、入力信号のコモンモード電圧Vc を、両入
力端T1,T2の入力電位V1,V2の平均値とする。
即ち、 Vc =(V1+V2)/2 …(1) である。
【0019】そして、回路の最低電位(通常GND電
位、あるいはマイナス側電源電位)をVssとし、この電
位Vssに対して電位VcがVthn +|Vthp |よりも低
い時にはFET(M3,M4,M5,M6)はすべてオ
フ状態となる。したがって、FET(M1,M2)で構
成される差動対が従来通りの差動回路として動作する。
すなわち、入力端T1の電位V1が入力端T2の電位V
2よりも高いときには、FET(M1)のゲート・ソー
ス間電圧(以下、Vgsという)よりもFET(M2)の
電圧Vgsの方が大きくなるので、電流源I1からの出力
電流は、FET(M2)側に多く流れるように分配さ
れ、出力端T3,T4から出力される。
【0020】そして、電位Vc がVDD−|Vthp |より
も高くなると、FET(M1,M2)で構成される差動
対はオフ状態となる。このとき、FET(M3,M5)
のゲート・ソース間には電圧(V1−Vb2)が印加さ
れ、FET(M4,M6)のゲート・ソース間には電圧
(V2−Vb1)が印加される。ここで、Vb2は、V2
連動し、Vb1はV1 に連動するようバイアス回路で制御
されている。
【0021】従って、入力電位V1とV2とで、大きい
電位の入力をもつ方のゲート・ソース間電圧が大きくな
る。そして、電流源I1からの電流は、ゲート・ソース
間の電圧の大きさに応じてFET(M3,M5)側、及
びFET(M4,M6)側に分配されるので、入力電位
V1,V2の大きさに応じて電流が分配されることにな
り、差動回路として動作する。
【0022】また、FET(M5)のドレインが出力端
T4に接続され、FET(M6)のドレインが出力端T
3に接続されるのは、FET(M1,M2)で構成され
る差動対と方向性を一致させるためである。
【0023】このようにして、本実施例では、入力端T
1,T2の電位V1,V2が高くなり、FET(M1,
M2)がオフとなった場合でも、FET(M3〜M6)
で構成される差動対によって動作させることができる。
従って、動作範囲の広い差動入力回路を実現できる。
【0024】また、FET(M1,M2)で構成される
差動対と、FET(M3〜M6)で構成される差動回路
は、ともに出力電流の向きが同じであるので、電流加算
回路は不必要となる。従って、回路の部品点数が減り、
縮小化、低コスト化を図ることができる。
【0025】また、電位Vc ((1) 式参照)がVDD−|
thp |よりも低く、かつ、Vthn +|Vthp |より高
い場合には、FET(M1,M2)で構成される差動対
と、FET(M3〜M6)で構成される差動対がともに
動作状態となる。この際においても、当該差動回路には
唯一の電流源I1からのみ電流が与えられるので、差動
で得られる出力電流の和は一定であり出力がばらつくこ
とはない。
【0026】図2は、前記第1実施例のバイアス回路B
1の具体的な例を示す構成図である。同図に示すバイア
ス回路B1は、入力端T1の電位をレベルシフトして、
FET(M6)のゲートに印加するためのバイアス電位
b1を発生するレベルシフ回路L1と、入力端T2の電
位をレベルシフトして、FET(M5)のゲートに印加
するためののバイアス電位Vb2を発生するレベルシフト
回路L2とで構成されている。
【0027】図3、図4は、前記第1実施例の変形例を
示しており、図3では、バイアス回路B1が入力端T1
の端子電位V1を用いて、FET(M5,M6)のゲー
トに印加するバイアス電位Vb を発生する例を示してい
る。また、これとは反対に図4では、バイアス回路B1
が入力端T2の端子電子V2を用いて、FET(M5,
M6)のゲートに印加する電位を発生する例を示してい
る。
【0028】図5は、本発明の第2実施例を示す構成図
であり、図2に示した回路を差動増幅回路に適用した例
である。この例では、導電型が図2の例に対して反対と
なっている。即ち、FET(M1,M2,M5,M6)
がN−MOSであり、FET(M3,M4)がP−MO
Sとなっている。
【0029】同図において、レベルシフト回路L1は、
電流源I2と、P−MOSFET(M9)と、P−MO
SFET(M7)との直列接続で構成され、FET(M
7)のゲートは入力端T1と接続される。そして、FE
T(M9)のゲートとFET(M6)のゲートが接続さ
れている。
【0030】一方、レベルシフト回路L2もこれと同一
の構成であり、電流源I3と、P−MOSFET(M1
0)と、P−MOSFET(M8)の直列接続で構成さ
れ、FET(M8)のゲートは入力端子(T2)に接続
されている。また、FET(M10)のゲートとFET
(M5)のゲートが接続されている。なお、抵抗R1,
R2は差動入力回路の負荷である。
【0031】このような構成において、いま、入力端T
1の電位V1が上昇すると、FET(M3)のVgs(ゲ
ート・ソース間電圧)が下がり、FET(M3)に流れ
込む電流量が減少する。従って、この分の電流がFET
(M6)のゲートに流れ込み、これによってFET(M
6)のVgsが大きくなる。
【0032】一方、入力端T2の電位V2は、電位V1
に比べて相対的に低くなるので、FET(M4)のVgs
が高くなる。これによって、FET(M6,M4)を流
れる電流が増加し、差動増幅器として動作するのであ
る。差動出力は出力端子(T6,T7)から出力される
ことになる。
【0033】図6は、図5で説明した実施例の第1の変
形例をバイポーラトランジスタを用い構成したもので、
トランジスタQ1のベースには、入力端子T1の入力信
号をトランジスタQL1、電流源IL1で構成されるレ
ベルシフト回路を介して、また、トランジスタQ2のベ
ースには、入力端子T2の入力信号をトランジスタQL
2、電流源IL2で構成されるレベルシフト回路を介し
て接続している。これによりコモンモード電圧VcがG
ND電位付近となってもトランジスタQ1,Q2のコレ
クタ・エミッタ間の電圧を確保しトランジスタQ1,Q
2が抵抗R1,R2による電圧効果により飽和するのを
防ぐことができる。
【0034】図7に示す第2の変形例のように、図5の
トランジスタQ1,Q2をダーリントン接続したトラン
ジスタQA1,QB1とQA2,QB2に各々置き換え
ても良い。この場合はレベルシフト回路は含まない。
【0035】図8は、本発明の第3実施例を示す構成図
であり、図1に示した差動入力回路を2段構成の演算増
幅器に適用した例を示している。
【0036】同図に示すバイアス回路B1は、N−MO
SFET(M7,M8)の並列接続と、P−MOSFE
T(M9)、及び電流源I2とが直列に接続されて構成
されており、FET(M7)のゲートは入力端T1に接
続され、FET(M8)のゲートは入力端T2に接続さ
れている。そして、FET(M9)のゲートは、FET
(M5,M6)のゲートにそれぞれ接続されている。
【0037】また、FET(M1〜M6)で構成される
差動回路の出力側には、負荷としてFET(M11,M
12)から成るカレントミラー回路LD1が接続されて
いる。更に、電源VDDには電流源I4が接続され、この
出力側は出力端T5に接続されるとともにN−MOSF
ET(M13)のドレインに接続される。そして、該F
ET(M13)のゲートは、FET(M12)のドレイ
ンと接続されるとともに、位相補償用のコンデンサC1
を介してFET(M13)のドレインとも接続されてい
る。
【0038】このような構成によれば、各入力端T1,
T2の電位V1,V2のうち高い電位の方をレベルシフ
トしてFET(M5,M6)のゲートにバイアス電位を
与えるように動作する。
【0039】いま、入力端T1の入力電位V1が上昇す
ると、第1実施例で説明したように、FET(M12)
側に多くの電流が流れ、FET(M11)に流れる電流
が少なくなる。従って、カレントミラーの動作によって
FET(M12)に流れ込む電流が制限されるので、余
分な電流がFET(M13)のゲートに流入し、電位を
上昇させる。これによって、電流源I4からの電流がF
ET(M13)を通過して流れるので、端子T5の電位
は下がる。
【0040】また、端子T2の電位が上昇すると、FE
T(M11)に流れる電流が増加する。従って、FET
(M12)は電流源I4から電流を引くことになり、F
ET(M13)はオフとなる。これによって、端子T5
の電位は上昇する。こうして、演算増幅器として動作す
るのである。
【0041】図9、図10、図11は、第3実施例の変
形例であり、図9は2個のレベルシフト回路L1,L2
を用いて構成した例である。また図10は、入力端T2
の電位V2に基づいてバイアス電位Vb を出力するバイ
アス回路B1を用いて構成した例であり、図11は、入
力端T1の電位V1に基づいてバイアス電位Vb を出力
するバイアス回路B1を用いて構成した例である。
【0042】図12は本発明が適用された差動入力回路
の第4実施例を示す構成図をバイポーラトランジスタを
用いて構成したものである。この第4実施例はバイアス
電圧を出力電圧に応じて与えるものである。
【0043】図示のように、電源VDDには電流源I1が
接続され、該電流源I1の出力端は4方向に分岐してい
る。そして、この分岐先は、PNPトランジスタQ1の
エミッタと、PNPトランジスタQ2のエミッタと、N
PNトランジスタQ3のコレクタと、NPNトランジス
タQ4のコレクタに接続されている。また、トランジス
タQ1,Q3のベースは、入力端T1と接続されてお
り、トランジスタQ2,Q4のベースは入力端T2と接
続されている。
【0044】更に、トランジスタQ3のエミッタはPN
PトランジスタQ5のエミッタと接続され、トランジス
タQ4のエミッタはPNPトランジスタQ6のエミッタ
と接続されている。そして、トランジスタQ5とQ2の
コレクタどうしが接続され、トランジスタQ6とQ1の
コレクタどうしが接続され、これらの各接続点は、出力
端子T3,T4に接続されると共に、バイアス回路B1
の加算器A1に接続される。また、トランジスタQ5,
Q6のベースは比較部CMPの出力側に接続されてい
る。
【0045】そして、該比較器CMPのプラス入力端子
には、加算器A1の出力が接続され、マイナス入力端子
には、入力側が電源VDDに接続された電流源I5の出力
端が接続される。なお、電流源I5の電流値はI1より
もやや低い値に設定されている。
【0046】このような構成において、トランジスタQ
1,Q2で構成される差動対は入力端T1,T2のコモ
ンモード電位が、VDD−|Vbe|(ただし、Vbeはベー
ス・エミッタ間電圧)まで動作する。この動作範囲内で
は、加算器A1に入力する電流の和はI1と等しくなる
ので、比較器CMPの出力は、I1>I5なのでVDD
近いプラスの高電位となる。従って、トランジスタQ
5,Q6は共にオフとなり、トランジスタQ1,Q2の
みで動作する。
【0047】その後、入力信号のコモンモード電位が高
くなり、VDD−|Vbe|を越えると、トランジスタQ
1,Q2は共にオフとなってしまう。これによって、加
算器A1に供給される電流値が急激に減少するので、比
較器CMPの出力は最低電位VSSに近づく。その結果、
トランジスタQ5,Q6がオンとなり、トランジスタQ
3,Q5、及びトランジスタQ4,Q6は差動回路とし
て動作するようになる。
【0048】そして、このような動作では、いずれの場
合においても差動回路に供給される電流は電流源I1か
らのみなので、差動で得られる出力電流の和は一定であ
り、ばらつくことはない。更に、トランジスタQ1,Q
2で構成される差動対と、トランジスタQ3,Q5、及
びQ4,Q6で構成される差動回路は、共に出力電流の
方向が同一であるので、方向の異なる電流を加算するよ
うな電流加算回路は不必要となる。
【0049】図13は図12で説明した第4実施例を2
段構成の演算増幅器に適用した例を示す構成図である。
同図に示すトランジスタQ11,Q12は、演算増幅器
の初段を構成する差動入力回路の負荷として動作すると
ともに、差動入力回路の出力電流を電圧に変換する。そ
して、電圧・電流変換を行なうトランジスタQ20,Q
21とともに図12に示す加算器A1を構成する。
【0050】そして、求められた出力電流の和は、トラ
ンジスタQ22,Q23で構成されるカレントミラー回
路にて折り返され、電流源I5の出力電流と比較され
る。その結果、電流I5の方が小さいときには、バイア
ス回路B1の出力電圧が高くなりトランジスタQ5,Q
6をオフさせる。一方、電流I5の方が大きい場合、バ
イアス回路B1の出力電圧が下がりトランジスタQ5,
Q6がオンとなる。これによって、トランジスタQ3,
Q5、及びQ4,Q6から成る差動回路が動作するので
ある。
【0051】図14は、図12で説明した第4実施例を
1段構成の演算増幅器に適用した例を示す構成図であ
る。同図に示すトランジスタQ11,Q12は、トラン
ジスタQ30〜Q33と出力段を構成するとともに、差
動入力回路の出力電流を電圧に変換する。そして、電圧
・電流変換を行うトランジスタQ20,Q21とともに
図12に示す加算器A1を構成する。そして、求められ
た電流の和により、図13で説明したように、トランジ
タQ5,Q6のベース電位を与える。
【0052】図15は、図12で説明した第4実施例を
初段に正帰還の負荷を持つ2段構成の演算増幅器に適用
した例を示す構成図である。同図に示すトランジスタQ
11,Q12は、トランジスタQ34,Q35と正帰還
の負荷を構成するとともに、差動入力回路の出力電流を
電圧に変換する。そして、電圧・電流変換を行うトラン
ジスタQ20,Q21とともに図12に示す加算器A1
を構成する。そして、求められた電流の和により、図1
3で説明したように、トランジスタQ5,Q6のベース
電位を与える。
【0053】図16は、本発明が適用された差動入力回
路の第5実施例を示す構成図である。この第5実施例は
バイアス電圧を差動対の動作状態に応じて与えるもので
ある。
【0054】図示のように、このバイアス回路B1は、
トランジスタQ14,Q15で構成されトランジスタQ
1,Q2による差動対の動作状態を検出するダミーの差
動対と、このダミーの差動対用の電流源I6(電流値は
I1と同じ)と、基準電流源I5から構成されている。
そして、トランジスタQ14及びQ15のコレクタ電流
を加算したものと基準電流源I5の電流と比較して得ら
れるトランジスタQ14及びQ15のコレクタ電位をバ
イアス回路B1の出力電位としてトランジスタQ5及び
Q6のベースに印加する。
【0055】即ち、トランジスタQ1,Q2が動作して
いるときには、これと同様にトランジスタQ14,Q1
5も動作するので、トランジスタQ14,Q15のコレ
クタの電流和は電流I6(I1)と等しくなり、電流I
5との差分により、トランジスタQ5、Q6のベース電
位があがるため、トランジスタQ5,Q6はオフとな
る。
【0056】そして、トランジスタQ1,Q2がオフす
ると、これと同様にトランジスタQ14,Q15もオフ
となり、トランジスタQ14,Q15のコレクタの電流
和は略零となる。従って、トランジスタQ5,Q6のベ
ースの電位が下がり、Q5,Q6がオンとなってQ3,
Q5、及びQ4,Q6から成る差動回路が動作するよう
になる。
【0057】図17は、本発明が適用された差動入力回
路の第6実施例を示す構成図である。
【0058】この実施例では図17に示すように、上述
の第5実施例のダミーの差動対の代わりに、トランジス
タQ1及びQ2による差動対の共通エミッタの電位をト
ランジスタQ16のベースに印加して、トランジスタQ
16のコレクタ電流と基準電流源I5の電流を比較する
ようにした。このような構成でも上述の第5実施例と同
様の効果が得られる。
【0059】尚、上述の各実施例において、一部又は全
部のFET又はバイポーラトランジスタを各々バイポー
ラトランジスタ又はFETに置き換えても同様の効果が
得られる回路を構成することが出来る。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、差動
入力回路の構成要素である電流源が1個であり、従来の
ように2個の電流源を用いないため、差動で得られる出
力電流の和が、電流源のマッチング誤差によりばらつく
ことはなくなる。
【0061】また、従来、異なる導電型の差動対の出力
電流加算のため用いていた電流加算回路が必要なくな
り、回路規模の縮小化、及び低コスト化を図ることがで
きる。
【0062】更に、従来、電流加算回路の誤差のため生
じていた差動で得られる出力電流和のばらつきを防止す
ることができる。また、演算増幅器の初段の差動入力回
路への適用も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成図である。
【図2】第1実施例のバイアス回路を2個のレベルシフ
ト回路で構成した例を示す説明図である。
【図3】端子T1の入力電位のみ用いてバイアス電位を
発生する例を示す説明図である。
【図4】端子T2の入力電位のみ用いてバイアス電位を
発生する例を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す構成図である。
【図6】第2実施例の変形例を示す構成図である。
【図7】第2実施例の変形例を示す構成図である。
【図8】本発明の第3実施例を示す構成図である。
【図9】第3実施例の変形例を示す構成図である。
【図10】第3実施例の変形例を示す構成図である。
【図11】第3実施例の変形例を示す構成図である。
【図12】本発明の第4実施例を示す構成図である。
【図13】第4実施例を演算増幅器に適用した例を示す
構成図である。
【図14】図13の演算増幅器の変形例を示す構成図で
ある。
【図15】図13の演算増幅器の変形例を示す構成図で
ある。
【図16】本発明の第5実施例を示す構成図である。
【図17】本発明の第6実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
M1 第1のFET M2 第2のFET M3 第3のFET M4 第4のFET M5 第5のFET M6 第6のFET I1 電流源 B1 バイアス回路 T1 第1の入力端 T2 第2の入力端 T3 第1の出力端 T4 第2の出力端 Q1 第1のバイポーラトランジスタ(PNP) Q2 第2のバイポーラトランジスタ(PNP) Q3 第3のバイポーラトランジスタ(NPN) Q4 第4のバイポーラトランジスタ(NPN) Q5 第5のバイポーラトランジスタ(PNP) Q6 第6のバイポーラトランジスタ(PNP)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流源に接続された第1と第2のFET
    型トランジスタからなる第1の差動対であって、前記第
    1と第2のFET型トランジスタは、第1と第2の入力
    端子に印加された入力電圧に応じた電圧を受けるゲート
    電極を有し、各々第1と第2の出力端子に接続されたも
    のと、 第1と第2のFET型トランジスタ組からなる第2の差
    動対であって、前記第1と第2のFET型トランジスタ
    組の各々は互いに異なる導電型の2つのFET型トラン
    ジスタで互いのソース電極同志が接続されたものからな
    り、前記第2の差動対は前記第1の差動対と並列に前記
    電流源に接続され、前記第1と第2のFET型トランジ
    スタ組の各々の2つのFET型トランジスタのうち前記
    第1の差動対のFET型トランジスタと異なる導電型を
    持つ一方は、各々前記第1と第2の入力端子に印加され
    た入力電圧に応じた電圧を受けるゲート電極を有し、一
    方前記第1と第2のFET型トランジスタ組の各々の2
    つのFET型トランジスタのうち前記第1の差動対のF
    ET型トランジスタを同じ導電型を持つ他方は各々前記
    第2と第1の出力端子に接続されたものと、 前記第2の差動対の第1と第2のFET型トランジスタ
    組の各々2つのFET型トランジスタのうち前記第1の
    差動対のFET型トランジスタと同じ導電型を持つ方の
    ゲート電極にバイアス電圧を与えるバイアス回路と、 を有することを特徴とする差動入力回路。
  2. 【請求項2】 電流源に接続された第1と第2のバイポ
    ーラ型トランジスタからなる第1の差動対であって、前
    記第1と第2のバイポーラ型トランジスタは、第1と第
    2の入力端子に印加された入力電圧に応じた電圧を受け
    るベース電極を有し、各々第1と第2の出力端子に接続
    されたものと、 第1と第2のバイポーラ型トランジスタ組からなる第2
    の差動対であって、前記第1と第2のバイポーラ型トラ
    ンジスタ組の各々は互いに異なる極性の2つのバイポー
    ラ型トランジスタで互いのエミッタ電極同志が接続され
    たものからなり、前記第2の差動対は前記第1の差動対
    と並列に前記電流源に接続され、前記第1と第2のバイ
    ポーラ型トランジスタ組の各々の2つのバイポーラ型ト
    ランジスタのうち前記第1の差動対のバイポーラ型トラ
    ンジスタと異なる極性を持つ一方は、各々前記第1と第
    2の入力端子に印加された入力電圧に応じた電圧を受け
    るベース電極を有し、一方前記第1と第2のバイポーラ
    型トランジスタ組の各々の2つのバイポーラ型トランジ
    スタのうち前記第1の差動対のバイポーラ型トランジス
    タを同じ極性を持つ他方は各々前記第2と第1の出力端
    子に接続されたものと、 前記第2の差動対の第1と第2のバイポーラ型トランジ
    スタ組の各々2つのバイポーラ型トランジスタのうち前
    記第1の差動対のバイポーラ型トランジスタと同じ極性
    を持つ方のベース電極にバイアス電圧を与えるバイアス
    回路と、 を有することを特徴とする差動入力回路。
  3. 【請求項3】 前記第1の差動対は、前記電流源に接続
    されたソース電極、前記第1の入力端子に接続されたゲ
    ート電極、および前記第1の出力端子に接続されたドレ
    イン電極を有する前記第1のFET型トランジスタと、
    前記電流源に接続されたソース電極、前記第2の入力端
    子に接続されたゲート電極、および前記第2の出力端子
    に接続されたドレイン電極を有する前記第2のFET型
    トランジスタとを備え、 前記第1のFET型トランジスタ組は、前記第1の入力
    端子に接続されたゲート電極および前記電流源に接続さ
    れたドレイン電極を有する第3のFET型トランジスタ
    と、該第3のFET型トランジスタのソース電極に接続
    されたソース電極、前記バイアス回路に接続されたゲー
    ト電極および前記第2の出力端子に接続されたドレイン
    電極を有する第5のFET型トランジスタとを備え、 前記第2のFET型トランジスタ組は、前記第2の入力
    端子に接続されたゲート電極および前記電流源に接続さ
    れたドレイン電極を有する第4のFET型トランジスタ
    と、該第4のFET型トランジスタのソース電極に接続
    されたソース電極、前記バイアス回路に接続されたゲー
    ト電極および前記第1の出力端子に接続されたドレイン
    電極を有する第6のFET型トランジスタとを備える、 ことを特徴とする請求項1記載の差動入力回路。
  4. 【請求項4】 前記第1の差動対は、前記電流源に接続
    されたエミッタ電極、前記第1の入力端子に接続された
    ベース電極、および前記第1の出力端子に接続されたコ
    レクタ電極を有する前記第1のバイポーラ型トランジス
    タと、前記電流源に接続されたエミッタ電極、前記第2
    の入力端子に接続されたベース電極、および前記第2の
    出力端子に接続されたコレクタ電極を有する前記第2の
    バイポーラ型トランジスタとを備え、 前記第1のバイポーラ型トランジスタ組は、前記第1の
    入力端子に接続されたベース電極および前記電流源に接
    続されたコレクタ電極を有する第3のバイポーラ型トラ
    ンジスタと、該第3のバイポーラ型トランジスタのエミ
    ッタ電極に接続されたエミッタ電極、前記バイアス回路
    に接続されたベース電極および前記第2の出力端子に接
    続されたコレクタ電極を有する第5のバイポーラ型トラ
    ンジスタとを備え、 前記第2のバイポーラ型トランジスタ組は、前記第2の
    入力端子に接続されたベース電極および前記電流源に接
    続されたコレクタ電極を有する第4のバイポーラ型トラ
    ンジスタと、該第4のバイポーラ型トランジスタのエミ
    ッタ電極に接続されたエミッタ電極、前記バイアス回路
    に接続されたベース電極および前記第1の出力端子に接
    続されたコレクタ電極を有する第6のバイポーラ型トラ
    ンジスタとを備える、 ことを特徴とする請求項2記載の差動入力回路。
  5. 【請求項5】 前記バイアス回路は前記バイアス電圧を
    前記入力電圧に基づいて求めることを特徴とする請求項
    1または2記載の差動入力回路。
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