JP3199495U - ズボン - Google Patents

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久美恵 田邉
久美恵 田邉
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株式会社ヤマワ
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Abstract

【課題】座ったり、前屈みになったりなど身体の動きに合わせて後股上が無理なく伸縮し、ウエスト部分がずり落ちるのを防ぐことができるズボンであって、前方からみた外観は普通のものと変わりなくスタイリッシュなズボンを提供する。【解決手段】ズボン1は、ウエスト部4の後部の直下に、ウエスト部4の周囲方向に垂直方向(イ方向)に伸縮性を有し、下端部が下に凸の弧状の弓形状の伸縮性生地が形成されている。伸縮性生地5の横幅は後身頃3の股上の横幅より短く、左右端部は左右脇線より内側に形成されている。【選択図】図1

Description

本考案は、ウエスト部のずり下がりを防止するズボンに関するものである。
一般にズボンは、立っている状態において身体に合うように作られており、腰を曲げた状態、座った状態では、ズボン後部のウエスト部分が下がってしまう。そのため、ズボン後部のウエスト部分の下側の腰部分に、胴回り方向にほぼ沿って複数のプリーツを設けた伸縮性の伸縮部を形成したズボンが考案されている(特許文献1参照)。
また、ズボンの股上部の後上側の部位が伸縮性の材料で構成され、その伸縮性の材料が弓形状に形成され、左右の両端部がズボンの前側の左右両端部まで延びているものもある(特許文献2参照)。
さらに、座ったときのお尻の形状に馴染むように、予めお尻の部分に膨らみを設けたズボンも知られている(特許文献3参照)。
実用新案登録第3073977号公報 特開2014−167189号公報 意匠登録第1518953号公報
しかし、従来の各特許文献に記載されているものは、ズボンの後身頃に形成された伸縮部分が左右の前身頃の両端まで伸びており、さらに後身頃は前身頃より大きく作られているため、前方から見た場合、後身頃の両端部分の伸縮部が見えてしまうという問題があった。
そこで、本考案は、座ったり、前屈みになったりなど身体の動きに合わせて後股上が無理なく伸縮し、ウエスト部分がずり落ちるのを防ぐことができるズボンであって、前方からみた外観は普通のものと変わりなくスタイリッシュなズボンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案のズボンは、ウエスト部の後部の直下に、ウエスト部の周囲方向に垂直方向に伸縮性を有し、下端部が下に凸の弧状の弓形状の伸縮性生地を形成したズボンであって、前記伸縮性生地の横幅は後身頃の股上の横幅より短く、左右端部は左右脇線より内側に形成されていることを特徴とする。
この考案によれば、前方から見た外観は特別な感じを受けず、普通のズボンの外観を保っているが、腰部の後部に伸縮性生地を使用していることから、身体の動きに合わせて、無理なく伸縮しウエスト部分がずり落ちるのを防ぐことできる。また、腰が曲がるなど体型の変化にも対応し、ストレスなく着用することができる。
実施例のズボンの正面図である。 ズボンの背面図である。 縫製過程を示す図である。 腰を曲げた状態の説明図である。
以下、本考案に係るズボンの一実施の形態について、説明する。
図1において、ズボン1は前身頃2、後身頃3、ウエスト部4からなり、ズボン1のウエスト部4の後部直下に、伸縮性生地5を設けている。
伸縮性生地5は、図面左右方向(ロ方向)には伸縮しづらい一方、上下方向(イ方向)には伸縮性を有している。ウエスト部4の周囲方向に対して、ロ方向は平行であり、イ方向は垂直である。その形状は、弓形状で下端部が下に凸の弧状になっており、下端部は、左右方向の中央部では水平方向に延びているが、左右に向かうほど、上方に向かう割合が大きくなる曲線を描いている。伸縮性生地5の横幅は後身頃3の股上の横幅より短く、両端は左右脇線6より内側に形成されている。
後身頃3は、股上上部中央の伸縮性生地に相当する部分が凹の弧状に切り欠いてある。この凹の弧状の両端部は、左右脇線6より内側に形成されている。後身頃3の凹の弧状の縁部と伸縮性生地5の凸の弧状の縁部を縫合して一般的な後身頃の形状となり、ウエスト部4を縫合することにより、ウエスト部4の後部直下に伸縮部が形成される。
伸縮性生地5の両端部は、左右脇線6より内側に形成されている。多くのズボンにおいては、左右の脇線の位置は側面を向いている。しかし、脇線の直接的に伸縮性生地を縫合すると、伸縮性生地の伸縮により脇線の位置がずれて、正面のシルエットに影響を与える。図2に示すように、本実施例のズボン1においては例え左右の脇線6が正面から見えたとしても、伸縮性生地5の両端部の位置は左右脇線6より背中側に形成されているため、正面のシルエットに影響を与えずに、普通のズボンと変わりなく、スタイリッシュに保たれている。
図3は、後身頃3と伸縮性生地5の縫製過程を示している。後身頃3は、織布であって、図中においてイ、ロ方向の直交する繊維により構成されている。後身頃3はイ、ロ方向には、ほとんど伸縮しない。一方、イ、ロ方向に対して45度をなす角度においては、イ、ロ方向の繊維の目が正方形から菱形にズレることから、イ、ロ方向の伸縮性よりも大きな伸縮性を有している。
後身頃3は、股上からウエスト部に向けて、左右の後身頃3a、3bに分割されており(分割線を股上線と称す)、さらに、股上線の延長線上で伸縮性生地5は左右対称形状の伸縮性生地5a、5bに分割されている。
まず、後股上右側の後身頃3aと、右側の伸縮性生地5aとを合わせ縫いにより、それらの縫い代31、51を縫合(符号11)する。この際、伸縮性生地5aの下端部は、左側の中央部では水平方向に延びているが、右に向かうほど、上方に向かう割合が大きくなる曲線を描いているため、後身頃3aとの縫合は、その大部分において、後身頃3aを構成する織布の目に対して斜め方向(図中ハ方向)に縫合されることになる。この結果、本来伸縮しない後身頃3aは、伸縮性生地5aに従って伸縮が許容され、伸縮性生地5aのみが極端に延びてしまいスタイルが損なわれることを抑制できる。
左側の後身頃3b、伸縮性生地5bも同様に縫合し、左右の後身頃3a、3b及び伸縮性生地5a、5bの縫い代32、52を合わせ縫いにより縫合する。そして、伸縮性生地5の凸の弧状曲線に沿って、縫い代32、52を後身頃3の凹の弧状切り欠きの内側に縫い付けてゆく。その結果、縫い目9が、伸縮性生地5の下側に表れる。一方、伸縮性生地5a、5bの縫い代52を合わせ縫いにより縫合したことにより、ズボン1の内側において、他の部分よりやや固く伸縮する縫い代合わせ部分を形成している。この部位により、伸縮性生地5の型崩れを抑制している。
図4は、腰を曲げた状態を示しており、ズボン1の後身頃3が引っ張られても伸縮性生地5が伸びることにより、ウエスト部4がずり落ちにくくなっている。また、伸縮性生地5は、股上から左右脇に向けウエスト部4近辺に到る後見頃3と伸縮性生地5の縫合箇所(図中、範囲Pで示した)において、後身頃3の繊維に対して交差する方向ハに縫合されているため、伸縮性生地5の伸縮に対して、本来伸縮しにくい後身頃3も伸縮するようになっており、連続的な変形により、スタイルが保持される。
1 ズボン
2 前身頃
3 後身頃
4 ウエスト部
5 伸縮性生地
6 脇線

Claims (3)

  1. ウエスト部の後部の直下に、ウエスト部の周囲方向に垂直方向に伸縮性を有し、下端部が下に凸の弧状の弓形状の伸縮性生地を形成したズボンであって、前記伸縮性生地の横幅は後身頃の股上の横幅より短く、左右端部は左右脇線より内側に形成されていることを特徴とするズボン。
  2. 請求項1のズボンにおいて、前記後見頃は前記ウエスト部の周囲方向に対して水平、垂直な織り目を有する織物であり、前記伸縮性生地は前記ウエスト部の周囲方向に伸縮しづらく、股上から左右脇に向けた前記後見頃と前記伸縮性生地の縫合箇所において、前記伸縮性生地は後身頃の繊維に対して交差する方向に縫合されていることを特徴とするズボン。
  3. 請求項1のズボンにおいて、前記伸縮性生地は、股上線の延長線上で左右対称形状の伸縮性生地に分割されており、両者を合わせ縫いにより縫合したものであって、股上線の延長線上に沿って他の部分よりやや固く伸縮する縫い代合わせ部分が形成されていることを特徴とするズボン。
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