JP3195075B2 - シルケット加工方法 - Google Patents

シルケット加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,セルロース系繊維のシ
ルケット加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロース系繊維をシルケット加工する
には,その繊維形態に応じて綿状のものはオーバーマイ
ヤーなどのバッチ処理により行う方法,糸状のものはカ
セにして張力をかけながら加工するハンクマーセライズ
加工法,連続で張力をかけながら行う連続シルケット加
工法,布帛状態のものは経,緯に張力をかけながら行う
布帛の連続シルケット加工法などの方法により行われて
いる。
【0003】一方,シルケット加工に使用するアルカリ
剤の種類には,苛性ソーダ,苛性カリ,水酸化リチウム
等の水溶液,液体アンモニア等があり,またこれらを硫
酸ナトリウム,珪酸ナトリウム,塩化ナトリウム等と併
用することもある。
【0004】更に,セルロース系繊維をこれらのアルカ
リ剤でシルケット加工する際には,アルカリ剤の温度を
目的に応じて−10℃〜100℃に設定して加工してい
る。
【0005】シルケット加工はその名の示す通り,セル
ロース繊維,特に木綿繊維の光沢を増すことを特徴の一
つとしており,シルケットの名前の由来である絹様の光
沢が付与される。また,シルケット加工によりセルロー
ス繊維の寸法安定性,特に洗濯による収縮率の改善が見
られる。もう一つの大きな特徴として染色性の改善があ
る。木綿,麻等の天然セルロース系繊維の染色性が改善
され,鮮明色,濃色を容易に出せるばかりでなく,天然
繊維特有の繊維一本ずつの染色性のばらつきが改善さ
れ,染め面がきれいになるという特徴がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方で,セルロース系
繊維にシルケット加工を行うとセルロース系繊維が剛直
化し,風合いが粗硬になるという欠点がある。綿状で加
工した場合には,後の紡績工程で糸状にすることが困難
となり,糸状で加工した場合には,糸が硬化しているた
めに製織や編み立てが困難となる。また,綿状,糸状,
布帛状といった加工形態によらず粗硬になった風合い
は,加工前の柔軟な風合いには戻らない。
【0007】風合いを粗硬にしないためのシルケット加
工法として,アルカリ水溶液の温度を上げて加工する方
法,硫酸ナトリウム,塩化ナトリウムなどの塩類を混合
して加工する方法,液体アンモニアで加工する方法等が
知られている。しかし,アルカリ水溶液の温度を上げた
り,硫酸ナトリウム,塩化ナトリウムなどの塩類を混合
する方法の場合には,室温での苛性ソーダによるシルケ
ット加工よりは風合いは柔らかくなるが,シルケット加
工前の風合いよりは粗硬になるという欠点がある。液体
アンモニアによる加工方法の場合には,室温での苛性ソ
ーダによるシルケット加工より柔らかいか,同等程度の
風合いのものが得られるが,用いるアンモニアは室温で
は気体であるため,加工に際して加工装置に冷却機,気
体回収装置,排気処理装置,防爆装置などを付随させね
ばならず,装置そのものが大がかりとなり,またアンモ
ニアの取扱いが煩雑であるという欠点がある。
【0008】通常のシルケット加工方法ではセルロース
分子が急激に膨潤するため,アルカリの浸透が悪くな
り,綿状,糸状で加工した場合には,加工装置内の部位
の違いにより加工効果がばらつき,均一な加工効果が得
られず,布帛を拡布状で加工しても繊維の表面と内部と
に均一な加工効果を得にくい欠点があった。
【0009】本発明は,このような課題を解決するもの
で,シルケット加工の特徴であるセルロース系繊維の染
色性,寸法安定性の改良効果を生かしつつ,セルロース
系繊維の風合いを柔軟にし,繊維の内部まで均一な加工
効果が得られるシルケット加工方法を得ることを目的と
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は,上述の目的を
達成するもので,次の構よりなるものである。すなわち
本発明は,セルロース系繊維をシルケット加工するに際
し,1000気圧以上の圧力下でシルケット加工するこ
とを特徴とするセルロース系繊維のシルケット加工方法
を要旨とするものである。
【0011】以下,本発明を詳細に説明する。本発明で
いうセルロース系繊維とは,木綿,麻,レーヨン等の天
然,又は再生セルロースよりなる繊維であって,糸状や
布帛状のものにあってはこれらの混用品やポリエステ
ル,ポリアミド,ポリアクリロニトリル,アセテート,
レーヨン等の繊維との混用品であってもかまわない。
【0012】シルケット加工に使用するアルカリ剤溶液
としては,苛性ソーダ,苛性カリ,水酸化リチウム,ア
ンモニア及び第4級アルキルアンモニウム塩等のアルカ
リ剤の水溶液並びに,メタノール,エタノール,アセト
ン等の極性溶媒の溶液を用いることができるが,これら
のうちで,苛性ソーダや苛性カリの水溶液が,加工効果
と経済性の点から望ましい。
【0013】シルケット加工する際の加圧圧力は,10
00気圧以上であることが必要であり,1000気圧以
下では本発明の効果は得られない。シルケット加工後に
柔軟な風合いを維持する加工効果の点からいえば,さら
に好ましくは3000気圧以上である。加工温度はアル
カリ剤の溶液が加圧時に凍結しない範囲であれば,任意
に選ぶことができる。
【0014】シルケット加工装置は,加工するセルロー
ス系繊維の形態により異なるが,目的とする加圧圧力以
上の圧力に耐え得る隔壁を有することを必要とする。
【0015】本発明のシルケット加工方法を綿状で実施
する際には,オーバーマイヤーなどの装置にセルロース
系繊維とアルカリ剤を含む溶液を充填し,1000気圧
以上の圧力を掛け,10秒以上その圧力を保持した後,
除圧してアルカリ剤を洗浄する。また糸状で加工する際
には,糸条をカセにとり,綿状の場合と同様にオーバー
マイヤー等の装置で同様に加工するか,またはチーズに
巻きとりチーズ染色機様の装置で加圧することができ
る。カセどりした糸条のカセを枠に固定した状態でアル
カリ剤溶液に浸漬して加圧すると,セルロース系繊維,
特に木綿繊維の光沢を増すことができる。
【0016】布帛状で処理する場合には,綿状,糸のカ
セ状と同様に布帛をオーバーマイヤー様の装置で加工す
るか,または布帛をアルカリ剤の溶液中にロール状に巻
きとり加圧する方法で行うことができる。オーバーマイ
ヤー様の装置で布帛をシルケット加工する際には,布帛
にシワが付き易いため,詰め込み方に特に注意を要す
る。布帛をロール状に巻きとって加圧する方法では,シ
ワになり難い上に,経緯に適度な張力をかけることによ
り,セルロース系繊維布帛に光沢を付与することもでき
る。
【0017】このように,アルカリ剤を含む溶液中で加
圧処理されたセルロース系繊維は,処理後除圧し,水洗
及び湯洗によりアルカリ剤を充分に洗浄除去する。この
とき必要に応じて酢酸,硫酸等により中和を行っても良
い。アルカリ剤が除去されたセルロース系繊維は,その
後染色,仕上げ等の通常の後加工を施される。本発明
は,以上の構成を有するものであり,本発明方法によれ
ばセルロース系繊維の染色性,寸法安定性を改良し,し
かもセルロース系繊維の風合いを柔軟にする効果が得ら
れ,その効果は繊維の内部まで均一である。
【0018】
【作 用】本発明方法のごとく,1000気圧以上の圧
力下でセルロース系繊維にシルケット加工を施すと,一
般に超高圧下では共有結合は作用を受けないが,イオン
結合や疎水結合は破壊され,水素結合は形成される方向
に進むので,アルカリ水溶液中で膨潤したセルロース分
子が高圧下では常圧下とは異なる結晶構造に変化するこ
とにより,セルロース系繊維の染色性,寸法安定性を改
良するのみならず,セルロース系繊維の風合いをも柔軟
にし,繊維の内部まで均一な加工効果が得られるように
なるものと推測される。
【0019】
【実施例】以下,本発明方法を実施例によって,更に具
体的に説明する。
【0020】実施例1 木綿繊維のみよりなる40番手の紡績糸をカセにとり,
濃度18%の苛性ソーダ水溶液と共に高圧用に改造した
オーバーマイヤーに充填し,25℃の温度下で4000
気圧まで加圧したまま20分間保持してアルカリ処理
(シルケット加工)を行った。その後除圧して,水洗,
湯洗によりアルカリ分を充分に除去し,本発明方法によ
るシルケット加工糸を得た。
【0021】本発明との比較のため,本実施例におい
て,シルケット加工時の圧力を1気圧とするほかは,本
実施例と全く同一の方法により,比較用のシルケット加
工糸(比較例1)を得た。
【0022】本発明および比較用のシルケット加工糸
を, Levafix Blue E-3GLA (ハ゛イエル社製)1.0%o.w.f.濃
度の反応染料で青色に染色したところ,ほとんど同様の
染色濃度に染色されたが,本発明のシルケット加工糸は
比較例1のシルケット加工糸に比べて非常に柔らかな風
合いであった。また,染色後,無地の天竺に編み立てて
みたところ,本実施例の編物には色段,色ムラは無かっ
たが,比較例の編物には著しい色段が発生していた。
【0023】実施例2 木綿繊維/ポリエステル繊維の比率が60%/40%で
ある50番手の紡績糸からなる,経密度120本/イン
チ,緯密度98本/インチのブロードクロスを高圧用に
改造したジッガー内で,35℃に温度を保った濃度25
%の苛性カリ水溶液に浸漬しなから6000気圧の加圧
下で30分間のアルカリ処理(シルケット加工)を行っ
た。この後,除圧して水洗,湯洗してアルカリを充分に
除去し,本発明方法によるシルケット加工糸を得た。
【0024】本発明との比較のため,本実施例におい
て,シルケット加工時の圧力を1気圧とするほかは,本
実施例と全く同一の方法により,比較用のシルケット加
工糸(比較例2)を得た。
【0025】本発明および比較用のシルケット加工織物
を,共に濃度30g/lの反応染料(Remazol Brillian
t Blue R, ヘキスト社製)で連続法により青色に染色し
たところ,染色濃度,洗濯収縮率はほぼ同じであった
が,本発明方法による織物は比較用の織物に比べて非常
に柔らかな風合いを有していた。また,本発明による織
物は,シルケット斑による色段,染斑は発生しなかった
が,比較例の織物はシマ模様の段が著しく発生してい
た。
【0026】
【発明の効果】本発明方法によれば,染色性,寸法安定
性,光沢の改良に加えて,セルロース系繊維の風合いを
柔軟にする効果をも得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系繊維をシルケット加工する
    に際し,1000気圧以上の圧力下でシルケット加工す
    ることを特徴とするセルロース系繊維のシルケット加工
    方法。
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