JP3194784B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JP3194784B2 JP12410892A JP12410892A JP3194784B2 JP 3194784 B2 JP3194784 B2 JP 3194784B2 JP 12410892 A JP12410892 A JP 12410892A JP 12410892 A JP12410892 A JP 12410892A JP 3194784 B2 JP3194784 B2 JP 3194784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種通信装置や各種
電子システムなどに用いられる弾性表面波装置、いわゆ
る弾性表面波コンボルバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、例えば文献Proc.1982
IEEE UltrasonicsSymp.,19
82,pp.447−451に示された従来のこの種の
弾性表面波コンボルバの構成を示したものである。図8
において、1は半導体基板、2は絶縁体膜、3は圧電体
層であり、それぞれ、Si、SiO2 、ZnOを用いて
いる。また、4は対向する幹部4a,4bより突出しか
つ互に平行となった電極指7,7より成るすだれ状電
極、5はゲート電極、6は接地電極である。半導体基板
1上には絶縁体膜2と圧電体層3が形成され、この圧電
体層3上には2つのすだれ状電極4と、上記2つのすだ
れ状電極4の間のゲート電極5が設けられている。圧電
体層3は場所によらず一定の厚さにしてある。
【0003】次に、この従来例の動作について説明す
る。左右2つのすだれ状電極4に、それぞれ、電気信号
を入力すると、圧電体層3の圧電効果により、半導体基
板1上に、弾性表面波が励振される。励振された弾性表
面波は、それぞれ、ゲート電極5を逆方向に伝搬し、ゲ
ート電極5のある位置ですれちがう。このとき、半導体
基板1での非線形効果により、2つの波の積の成分が生
じる。この積の成分は、ゲート電極5全体で加算され、
再び電気信号として、ゲート電極5から取り出される。
ゲート電極5での加算は、弾性表面波がゲート電極5を
伝搬する時間にわたっての積分に相当しているので、上
記出力電気信号は、上記2つの入力信号の畳み込み積分
になる。
【0004】上述したような従来の弾性表面波コンボル
バでは、すだれ状電極4における、電気信号から弾性表
面波への変換効率(以下、第1の変換効率と呼ぶ)は、
すだれ状電極4を設けた領域の圧電体層3の厚さにより
変化する。また、ゲート電極5での弾性表面波から電気
信号への変換効率(以下、第2の変換効率と呼ぶ)も、
ゲート電極5を設けた領域の圧電体層3の厚さにより変
化することが考えられる。さらに、すだれ状電極4での
電気信号から弾性表面波への第1の変換効率が最大にな
る圧電体層3の厚さと、ゲート電極5での弾性表面波か
ら電気信号への第2の変換効率が最大になる圧電体層3
の厚さとは異なることが考えられる。しかし、図8に示
した従来の構成では、圧電体層3は、厚さを場所によら
ず一定として構成されていた。したがって、すだれ状電
極4での第1の変換効率とゲート電極5での第2の変換
効率を共に、高くすることはできない。
【0005】図9は、例えば文献「IEEE Tran
sactions on Sonics and Ul
trasonics,Vol.SU−32,No.5,
1985」670−674頁に記載された従来の弾性表
面波コンボルバの構成を示したものである。図9におい
て、1は半導体基板、2は絶縁体層、3は圧電体層であ
り、ここでは、それぞれの材料としてSi、SiO2
ZnOを用いている。4はすだれ状電極、5はゲート電
極、6は接地電極である。半導体基板1上には等厚の絶
縁体層2と圧電体層3が形成され、この圧電体層3には
2つのすだれ状電極4と、上記2つのすだれ状電極の間
のゲート電極5が設けられている。
【0006】次に、この従来例の動作について説明す
る。すだれ状電極4に電気信号が入力されると、圧電体
層3の圧電効果により、半導体基板1上に弾性表面波が
励振される。2つのすだれ状電極4で励振された弾性表
面波は、それぞれ半導体基板1を逆方向に伝搬し、ゲー
ト電極5ですれちがう。このとき、ゲート電極5下部の
半導体基板1の非線形効果により、2つの弾性表面波の
積の成分が生じる。この積の成分は、ゲート電極5全体
で加算され、電気信号として取り出される。ゲート電極
5での加算は、弾性表面波がゲート電極5を伝搬する時
間にわたる積分に相当している。したがって、出力電気
信号は2つの入力電気信号の畳み込み積分となってい
る。
【0007】上述したように弾性表面波コンボルバの効
率は、前述した従来例で説明したように、主に、すだれ
状電極4での電気信号から弾性表面波への第1の変換効
率と、ゲート電極5での弾性表面波から電気信号への第
2の変換効率で定まる。それぞれの変換効率は、すだれ
状電極4部分の圧電体層3の厚さとゲート電極5部分の
圧電体層3の厚さに依存する。
【0008】第1の変換効率を示す指標として電気機械
結合係数がある。例えば「弾性表面波工学(柴山乾夫
著、電子通信学会、1983年版)」71頁などで良く
知られるように、電気機械結合係数は、弾性表面波の周
波数と圧電体層3の厚さによって変化する。従来の弾性
表面波コンボルバでは、電気機械結合係数が最大となる
ように、例えば中心周波数215MHzで圧電体層3の
厚さを約5μmとしている。
【0009】次に、第2の変換効率について述べる。絶
縁体層2と圧電体層3はともに酸化物層であるので、畳
み込み積分を行なうゲート電極5部分は、金属電極と酸
化物と半導体からなるMOSダイオード構造となってい
る。畳み込み積分はこのMOSダイオードの容量の非線
形性を利用して行なわれる。MOSダイオードでは、ゲ
ート電圧に対する容量の変化率が大きいほど、非線形性
が大きくなる。例えば「半導体工学(深海登世司著、東
京電機大学出版局、1987年版)」150頁に記載さ
れているように、MOSダイオードの容量の変化率を大
きくするためには、酸化物層の容量を大きくすればよ
い。ところで、酸化物層の容量は直列に並んだ絶縁体層
2と圧電体層3との容量により求められる。従来の弾性
表面波コンボルバでは、例えば絶縁体層2の厚さを約
0.1μm、圧電体層3の厚さを約5μmとしている。
したがって、酸化物層の容量は厚く容量の小さい圧電体
層3の容量によって支配的に決定される。圧電体層3の
容量を小さく、すなわち、薄くすれば非線形効果が大き
くなり、第2の変換効率を向上することができる。
【0010】以上のように、変換効率が最大になる圧電
体層3の厚さが、第1の変換効率と第2の変換効率とで
異なるため、従来のように圧電体層3の厚さを一定とし
た場合、双方の変換効率をともに最大とすることはでき
ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように図
8や図9に示す構成を有する従来の弾性表面波コンボル
バでは、圧電体層3の厚さを場所によらず一定として圧
電体層3を構成していたので、第1の変換効率及び第2
の変換効率を共に高くすることができず、したがって動
作効率の向上を図ることが難しいという問題点があっ
た。換言すれば、これらの従来の弾性表面波コンボルバ
では、圧電体層3が等厚であるため、すだれ状電極4を
設けた領域とゲート電極5を設けた領域とで必ずしも変
換効率が最大にならず、大きな動作効率が得られないと
いう問題点があった。
【0012】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、第1の変換効率及び第2の変換
効率を共に最適値に近い値にする構成にし、動作効率の
向上を図れる弾性表面波装置(弾性表面波コンボルバ)
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る弾
性表面波装置は、すだれ状電極4を設けた領域の圧電体
層3の厚さと、ゲート電極5を設けた領域の圧電体層3
の厚さとを異ならせ、かつ、圧電体層3の厚さが異なり
変化する領域において、圧電体層3の厚さを弾性表面波
の伝搬方向に対して階段状に変化させて構成したもので
ある。請求項の発明に係る弾性表面波装置は、ゲート
電極5を圧電体層3に埋め込んで構成したものである。
請求項の発明に係る弾性表面波装置は、圧電体層3の
表面と、ゲート電極5の表面との段差をなくして構成し
たものである。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【作用】請求項1の発明に係る弾性表面波装置において
は、すだれ状電極4を設けた領域の圧電体層3の厚さ
と、ゲート電極5を設けた領域の圧電体層3の厚さとを
異ならせ、かつ、圧電体層3の厚さが異なり変化する領
域において、圧電体層3の厚さを弾性表面波の伝搬方向
に対して階段状に変化させたので、圧電体層3の厚さが
異なり変化する領域における弾性表面波の反射を小さく
抑えることができる。請求項の発明に係る弾性表面波
装置においては、弾性表面波信号を出力電気信号として
取り出すために設けられたゲート電極5を圧電体層3に
埋め込んだので、すだれ状電極4を設けた領域の圧電体
層3の厚さと、ゲート電極5を設けた領域の圧電体層3
の厚さとを異なって設定できる。したがって、すだれ状
電極4と、ゲート電極5での変換効率を共に最適値に近
い値にすることができる。請求項の発明に係る弾性表
面波装置においては、圧電体層3の表面と、ゲート電極
5の表面との段差をなくしたので、圧電体層3とゲート
電極5との段差があった場合に生じた反射による弾性表
面波の伝搬損失が小さくなる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【実施例】実施例1. 図1はこの発明の実施例1に係る弾性表面波装置として
の弾性表面波コンボルバの構成図である。図1におい
て、1は半導体基板、3はこの半導体基板1の上に位置
される圧電体層で、左,右が一段高く成形される。4は
対向する幹部4a,4bより突出しかつ互に平行となっ
たすだれ状電極で、圧電体層3の左右側に位置される。
5は圧電体層3の中央側に位置されるゲート電極、6は
半導体基板1の裏面に位置される接地電極である。
【0024】次にこの実施例1の動作を説明する。左右
2つのすだれ状電極4に、それぞれ、電気信号を入力す
ると、半導体基板1上に、弾性表面波が励振される。励
振された弾性表面波は、ゲート電極5のある位置ですれ
ちがい、このとき、半導体基板1での非線形効果によ
り、2つの波の積の成分が生じる。この積の成分は、ゲ
ート電極5全体で加算され、再び電気信号になり、2つ
の入力電気信号の畳み込み積分として取り出される。以
上の動作は図8に示した従来例の構成と同様である。
【0025】ところが、この実施例1では従来例と異な
り、圧電体層3の厚さを、すだれ状電極4を設けた領域
で厚く、ゲート電極5を設けた領域で薄くなるように異
ならせているため、従来例に比べて、弾性表面波コンボ
ルバの動作効率を高くできる効果が得られる。この効果
について、図2と図3を用いて以下に説明する。
【0026】図2と図3は、前記文献Proc.198
2 IEEE Ultrasonics Symp.,
1982,pp.447−451から引用したものであ
り、図2は、電気機械結合係数と圧電体層3の厚さとの
間の関係を示す特性図、図3は、すだれ状電極4の4つ
の異なる構成法を示す構成図である。図3において、1
は半導体基板、3は圧電体層、7はすだれ状電極4の電
極指、8は対向電極である。図3においてa,b,c,
dはすだれ状電極4の4つの異なる構成を示し、図2に
おけるA,B,C,Dは構成a,b,c,dにそれぞれ
対応する特性曲線を示す。図2は、詳しくは、圧電体層
3の厚さを変えたときの、電気機械結合係数の変化を示
したものであり、半導体基板1がSi、圧電体層3がZ
nOの場合の、弾性表面波の高次モードであるセザワ波
に対する特性が示してある。なお、横軸は、弾性表面波
の角周波数をωで表し、圧電体層3の厚さをhで表した
とき、ωとhとの積ωhで表わされている。
【0027】さて、図1のゲート電極5の下部におい
て、圧電体層3と半導体基板1との境界部に、弾性表面
波によって電位が生じるが、この電位が大きいほうが、
非線形効果によって生じる出力信号が大きくなるので、
高い動作効率が得られる。
【0028】ゲート電極5は、図3において、構成dに
おける対向電極8に対応するものとみなせる。さらに、
上記電位は、電気機械結合係数が大きいほど大きくなる
ので、上記出力信号は、図2に示す特性曲線Dにおい
て、電気機械結合係数が大きいほど大きくなる。図2に
おいて、ωhを例えば7000付近としたとき電気機械
結合係数が最も大きい。したがって、ωhを7000付
近にしたとき、非線形効果によって生じる出力信号が大
きくなり、動作効率が高くなる。
【0029】一方、図1に示した実施例1において、す
だれ状電極4の構成は、図3中の構成aとなっている。
したがって、図2中の特性曲線Aから、ωhを例えば1
2000付近としたとき電気機械結合係数が最も大き
く、すだれ状電極4から効率よく弾性表面波を励振でき
る。
【0030】このように、すだれ状電極4の部分とゲー
ト電極5の部分とでは、変換効率が最大となる圧電体層
3の厚さが大きく異なっている。
【0031】図1に示す実施例1では、圧電体層3の厚
さhを、弾性表面波の角周波数をωとして、すだれ状電
極4の部分では、ωhが12000程度になるように
し、ゲート電極5の部分では、ωhが7000程度にな
るように、場所により変化させている。したがって、す
だれ状電極4部とゲート電極5部での変換効率をともに
最適値に近い値にでき、従来例に比べ効率の大きい弾性
表面波コンボルバが得られる効果がある。
【0032】実施例2. 図4は、この発明の実施例2に係る弾性表面波コンボル
バを示す構成図である。図4において、1は半導体基
板、3は圧電体層、4はすだれ状電極、5はゲート電
極、6は接地電極である。半導体基板1上には圧電体層
3が形成され、この圧電体層3上には2つのすだれ状電
極4と、上記2つのすだれ状電極4の間のゲート電極5
が設けられている。また、圧電体層3の厚さを、すだれ
状電極4を設けた領域で厚く、ゲート電極5を設けた領
域で薄くなるように異ならせている。さらに、圧電体層
3の厚さが異なり変化する領域において、圧電体層3の
厚さを、弾性表面波の伝搬方向に対し階段状に2段階に
変化させている。
【0033】この実施例2の動作は、実施例1と同様で
ある。
【0034】ところが、図4では、圧電体層3の厚さが
異なり変化する領域において、圧電体層3の厚さを、弾
性表面波の伝搬方向に対し階段状に2段階に変化させて
いる。したがって、弾性表面波が上記領域を伝搬すると
き、段差による反射が生じにくく、すだれ状電極4から
励振された弾性表面波が、効率良くゲート電極5に入射
する。したがって、図4の構成では、より動作効率の高
い弾性表面波コンボルバが得られる効果がある。
【0035】さらに、図4では、上述したように、段差
による弾性表面波の反射を小さくできるので、出力信号
に反射による不要な時間軸上のスプリアス応答が生じ
ず、特性の良好な弾性表面波コンボルバが得られる効果
がある。
【0036】なお、図4では、圧電体層3の厚さを、2
段階に変化させた場合を示しているが、圧電体層3の厚
さを3段階以上に変化させても良く、この場合には、段
差による弾性表面波の反射がより小さくなり、上述した
と同様の効果が、より顕著に得られる。
【0037】実施例3. 図5は、この発明の実施例3に係る弾性表面波コンボル
バを示す構成図である。図5において、1は半導体基
板、3は圧電体層、4はすだれ状電極、5はゲート電
極、6は接地電極である。半導体基板1上には圧電体層
3が形成され、この圧電体層3上には2つのすだれ状電
極4と、上記2つのすだれ状電極4の間のゲート電極5
が設けられている。また、圧電体層3の厚さを、すだれ
状電極4を設けた領域で厚く、ゲート電極5を設けた領
域で薄くなるように異ならせている。さらに、圧電体層
3の厚さが変化する領域において、圧電体層3の厚さが
弾性表面波の伝搬方向に対し徐々に変化するように、圧
電体層3の表面に斜めのテーパ3aを設けている。
【0038】この実施例3の動作は、実施例1および実
施例2と同様である。
【0039】図5では、圧電体層3の厚さが変化する領
域において、圧電体層3の厚さが、弾性表面波の伝搬方
向に対し徐々に変化するように斜めのテーパ3aを設け
ているので、圧電体層3の厚さの変化に伴なう段差をな
くすことができる。このため、弾性表面波がこのテーパ
3aの部分を伝搬するとき、段差による反射がほとんど
生じず、すだれ状電極4から励振された弾性表面波が、
効率良くゲート電極5に入射する。したがって、実施例
2と同様に、動作効率が高く、特性の良好な弾性表面波
コンボルバが得られる効果がある。また、この効果は上
述した実施例2よりもさらに顕著に得られる。
【0040】なお、図5では、上記テーパ3aを斜めに
して構成したが、このようなテーパは、これに限らず、
滑らかな曲面となるように構成しても構わない。
【0041】以上示した実施例1,2,3では、半導体
基板1と圧電体層3にそれぞれSi、ZnOを用いた場
合について説明したが、半導体基板1と圧電体層3の組
み合わせは、弾性表面波が励振されれば、どのようなも
のでも良い。また、弾性表面波としてセザワ波以外のモ
ードを用いても構わない。これらの組み合わせによって
は、すだれ状電極4の部分での変換効率が大きくなる圧
電体層3の厚さが、ゲート電極5の部分での変換効率が
大きくなる圧電体層3の厚さより薄くなる場合もある
が、この場合は、圧電体層3の厚さをすだれ状電極4の
部分で薄く、ゲート電極5の部分で厚くすれば良い。
【0042】また、圧電体層3は1層である必要はなく
2層以上あっても良いし、圧電体層3と半導体基板1の
間に、SiO2 などの絶縁体膜を1層以上設けても良
い。また、以上の実施例1,2,3では、すだれ状電極
4やゲート電極5を圧電体層3の上に設けた場合を示し
たが、本発明はこれに限らず、すだれ状電極4やゲート
電極5の少なくとも一部を、半導体基板1と圧電体層3
の間に設けても良い。
【0043】さらに、以上の実施例1,2,3では、簡
単のためすだれ状電極4の対数を1対として示している
が、対数のより多いすだれ状電極4を用いても良く、こ
のときも同様の効果が得られる。この場合、すだれ状電
極4に、アポダイズや間引きなどによる重み付けを施し
ても良い。また、以上の実施例1,2,3では、すだれ
状電極4をシングル電極で表しているが、本発明はこれ
に限らず、すだれ状電極4にダブル電極や他の形状の電
極を用いても良い。
【0044】また、電極指7の間隔を必ずしも一定にす
る必要はなく、チャープ電極など電極指7の間隔が場所
により異なるすだれ状電極4を用いても良い。さらに、
ゲート電極5は1つである必要はなく、ゲート電極5を
弾性表面波の伝搬方向に2つ以上に分割した構成でも良
いし、ゲート電極5を弾性表面波の伝搬方向と垂直な方
向に2つ以上設けた構成でも良く、これらの場合も本発
明の効果が得られる。
【0045】実施例4. 図6はこの発明の実施例4に係る弾性表面波コンボルバ
を示す構成図である。図9の従来例と同一、または相当
部分には同一符号を用いて重複説明を省略する。図6に
おいて、半導体基板1上には圧電体層3が形成され、こ
の圧電体層3上に、2つのすだれ状電極4と、上記2つ
のすだれ状電極4の間のゲート電極5が設けられてい
る。また、ゲート電極5が圧電体層3に埋められてお
り、ゲート電極5の部分の圧電体層3の厚さが、すだれ
状電極4の部分の圧電体層3の厚さより薄くなってい
る。
【0046】次にこの実施例4の動作について説明す
る。すだれ状電極4に電気信号が入力されると、圧電効
果により半導体基板1上に弾性表面波が励振される。2
つのすだれ状電極4で励振された弾性表面波は、ゲート
電極5ですれちがい、半導体基板1部の非線形効果によ
り、2つの弾性表面波の積の成分が生じる。この積の成
分は、ゲート電極5全体で加算され、2つの入力電気信
号の畳み込み積分となって取り出される。以上の動作は
図9に示した従来例と同様である。
【0047】すだれ状電極4部分の圧電体層3の厚さ
は、すだれ状電極4での電気信号から弾性表面波への変
換効率が大きくなるように設定されている。一方、ゲー
ト電極5の部分の圧電体層3の厚さは、ゲート電極5が
圧電体層3に埋められた厚さの分だけすだれ状電極4の
部分の圧電体層3の厚さより薄くなっている。上記の説
明のように、ゲート電極5の部分の圧電体層3の厚さを
うすくすることにより、ゲート電極5の部分に構成され
たMOSダイオードの酸化物層の容量を増加することが
できる。これにより、ゲート電圧に対するMOSダイオ
ードの容量の変化率が大きくでき、ゲート電極5下部近
傍の半導体基板1での非線形効果が大きくなる。したが
って、ゲート電極5での弾性表面波から電気信号への変
換効率が大きくなる。
【0048】実施例5. 図7はこの発明の実施例5に係る弾性表面波コンボルバ
を示す構成図である。図7においては、圧電体層3に埋
め込まれたゲート電極5の表面を圧電体層3と同一表面
としており、ゲート電極5の端部での、圧電体層3とゲ
ート電極5との段差をなくしている。これにより、圧電
体層3とゲート電極5との段差で生じる反射による損失
を抑えることができる。また、ゲート電極5の材料を圧
電体層3の材料と音響インピーダンスの整合を取れた材
料から選ぶことにより、ゲート電極5の圧電体層3間の
伝搬損失を抑えることができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
すだれ状電極を設けた領域の圧電体層の厚さと、ゲート
電極を設けた領域の圧電体層の厚さとを異ならせ、か
つ、上記圧電体層の厚さが異なり変化する領域におい
て、上記圧電体層の厚さを弾性表面波の伝搬方向に対し
て階段状に変化させたため、上記圧電体層の厚さが異な
り変化する領域における弾性表面波の反射を小さく抑え
ることができるので、動作効率が高く、かつ、時間軸上
に不要なスプリアス応答が生じにくく、特性の良好な弾
性表面波装置を実現できるという効果が得られる。ま
た、本願のようなデバイスにおいては、製作上、「階段
状」を形成する方が「テーパ状」を形成するより容易か
つ低コスト化が図れるという効果もある。「テーパ」を
製作する場合は、この部分に何らかの連続的な処理を必
要とするが、「階段」を製作する場合は、一部の膜を積
み上げるか、あるいは、一部の膜を削る等、数回の工程
により容易に製作できるからである。請求項の発明に
よれば、半導体基板上に形成された圧電体層と、弾性表
面波を励振するすだれ状電極と、出力信号を取り出すた
めに設けられた上記圧電体層に埋められたゲート電極と
を備えたもので、すだれ状電極を設けて領域の圧電体層
の厚さと、ゲート電極を設けた領域の圧電体層の厚さと
を異なって設定できるので、すだれ状電極部分と、ゲー
ト電極部分の変換効率をともに大きくすることができ、
動作効率の高い弾性表面波装置を実現できるという効果
が得られる。請求項の発明によれば、圧電体層の表面
と、ゲート電極の表面との段差をなくしたので、圧電体
層とゲート電極との段差で生じる反射による損失を抑え
ることができ、動作効率の高い弾性表面波装置を実現で
きるという効果が得られる。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係る弾性表面波コンボル
バ(弾性表面波装置)の構成図である。
【図2】この実施例1の動作を説明するための電気機械
結合係数と圧電体層の厚さとの間の関係を示す特性図で
ある。
【図3】この実施例1の動作を説明するためのすだれ状
電極の4つの異なる構成法を示す構成図である。
【図4】この発明の実施例2に係る弾性表面波コンボル
バの構成図である。
【図5】この発明の実施例3に係る弾性表面波コンボル
バの構成図である。
【図6】この発明の実施例4に係る弾性表面波コンボル
バの構成図である。
【図7】この発明の実施例5に係る弾性表面波コンボル
バの構成図である。
【図8】従来の弾性表面波コンボルバの構成図である。
【図9】従来の弾性表面波コンボルバの構成図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 3 圧電体層 4 すだれ状電極 5 ゲート電極 3a テーパ 4a,4b 幹部 7 電極指
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和高 修三 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (72)発明者 玉川 恭久 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (56)参考文献 特開 平4−83235(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145 H03H 9/25

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成され弾性表面波を励振させ
    るための圧電体層と、幹部より突出し、互に平行となっ
    た電極指より成って上記圧電体層上に設けられ、かつ入
    力電気信号を弾性表面波信号に変換するためのすだれ状
    電極と、上記圧電体層上に設けられ上記弾性表面波信号
    を出力電気信号として取り出すゲート電極とを備えた弾
    性表面波装置において、上記すだれ状電極を設けた領域
    の上記圧電体層の厚さと、上記ゲート電極を設けた領域
    の上記圧電体層の厚さとを異ならせ、かつ、上記圧電体
    層の厚さが異なり変化する領域において上記圧電体層の
    厚さを弾性表面波の伝搬方向に対して階段状に変化させ
    て構成したことを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 基板上に形成され弾性表面波を励振させ
    るための圧電体層と、幹部より突出し、互に平行となっ
    た電極指より成って上記圧電体層上に設けられ、かつ入
    力電気信号を弾性表面波信号に変換するためのすだれ状
    電極と、上記圧電体層上に設けられ上記弾性表面波信号
    を出力電気信号として取り出すゲート電極とを備えた弾
    性表面波装置において、上記ゲート電極を上記圧電体層
    に埋め込んで構成したことを特徴とする弾性表面波装
    置。
  3. 【請求項3】 基板上に形成され弾性表面波を励振させ
    るための圧電体層と、幹部より突出し、互に平行となっ
    た電極指より成って上記圧電体層上に設けられ、かつ入
    力電気信号を弾性表面波信号に変換するためのすだれ状
    電極と、上記圧電体層上に設けられ上記弾性表面波信号
    を出力電気信号として取り出すゲート電極とを備えた弾
    性表面波装置において、上記圧電体層の表面と、上記ゲ
    ート電極の表面との段差をなくして構成したことを特徴
    とする弾性表面波装置。
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