JP3191536U - 旋回制動機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】全閉位置で可動本体および静止本体の端面が近接するとともに180度開閉でき、コンビニエンスストア、業務用ダイニングキッチンやスナックバーで設置される跳ね上げ式カウンタ用などに適した旋回制動機構を提供する。【解決手段】旋回制動機構は、全閉時において両ブラケットが近接し、全開時において可動ブラケット12は静止ブラケット10と垂直方向で離隔し、プラスチック製の第1および第2リンク14,16の貫通孔41がブラケットの固定シャフト28にそれぞれ密に圧入されることにより、可動ブラケットの旋回を全閉から全開放位置まで常に制動する。【選択図】図5
Description
本考案は、全閉位置で可動本体および静止本体の端面が近接するとともに180度開閉でき、コンビニエンスストア、業務用ダイニングキッチンやスナックバーで設置される跳ね上げ式カウンタ用などに適した旋回制動機構に関する。
コンビニエンスストアまたは業務用ダイニングキッチンでは、特開2005−211125号で開示のように、レジカウンタなどを含む長寸のカウンタが設置され、このカウンタ内へ人が出入りができるように、その一部に跳ね上げ式カウンタを配置している。この跳ね上げ式カウンタでは、可動天板の片縁がヒンジを介して固定天板に回動可能に連結され、カウンタ通行時にはこの可動天板を跳ね上げ、180度旋回するまで回動させる。この跳ね上げ式カウンタを設置するとともに、所望に応じて可動天板の下方にスイング戸を取り付けてもよい。
通常のヒンジを跳ね上げ式カウンタの回動のために取り付けると、可動天板を閉じた通常の状態において、該ヒンジの軸部が可動天板の平面から突き出てしまう。突き出たヒンジ軸部は、運搬すべき商品を可動天板の上に載せた時に引っ掛かったり、カウンタ天板を拭き掃除する際に引っ掛けてケガをするので好ましくない。また、通常のヒンジは、複数個を天板端面の数カ所に取り付けると、可動天板を閉じた時に該可動本体と静止天板との間に隙間が生じるので、商品としての見栄えが悪くなる。
跳ね上げ式カウンタは、通常、跳ね上げ開閉の際に可動天板を常に持っていないと、該可動天板が回動途中から自重で水平位置まで落下してしまい、大きな衝撃や騒音が発生する。このため、特開2007−315013号では、所定の回動抵抗を有するトルクヒンジを用いることにより、天板が自重で自由落下することを規制している。この結果、可動天板は、どの角度の開口位置でも手を離すとその位置で静止し、水平位置まで自由落下することは起こらない。この可動天板は、手によって開いた状態から下方へ回動させ、水平位置に近づいたら、手で押さえるように閉鎖すればよい。この旋回制動機構は、ヒンジが天板表面より下方に位置し且つ可動天板と固定天板との間が隙間が生じないうえに、可動天板が自重で落下して衝撃や騒音の生ずることもない。
特開2007−315013号で開示の旋回制動機構は、ヒンジが天板表面の下方に収納され且つ可動天板と固定天板との間が平坦で近接するので美麗であるけれども、可動天板の開放角度が95〜100度に限定され、最大開口でも可動天板が立った状態になる。跳ね上げ式カウンタは、人が手ぶらで通過するだけでなく、特にコンビニエンスストアでは、配達荷物や店内商品を持った状態で通過することが多いため、開いた可動天板が立った状態であると荷物が可動天板に引っ掛かり、その荷物を傷付けたり落としたりする事故が発生しがちになる。
本出願人は、跳ね上げ式カウンタ用ヒンジとして既に特願2011−160604号などを提案している。本考案の旋回制動機構は、特願2011−160604号に開示の旋回制動機構と比べると、使用パーツが少なくて安価に製造できるうえに、設置に際して両天板の端面に矩形孔を形成するだけでよく、被取付側のカウンタ側の切り込み加工などを要しないので設置が容易である。
本考案は、従来の跳ね上げ式カウンタ用ヒンジなどに関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、構造が単純で使用パーツが比較的少なく、いずれの開放位置においても、可動天板の回動を制動して確実に静止できる旋回制動機構を提供することを目的としている。本考案の他の目的は、可動天板を全開放つまり180度水平になるまで回動でき、両天板への取付も比較的容易である旋回制動機構を提供することである。
本考案に係る旋回制動機構は、可動本体および静止本体にそれぞれ取り付ける1対のブラケットと、1対のブラケットを回動可能に連結する1対のU字形リンクとを備え、U字形側面を有する第1リンクは遊動シャフトを介して可動ブラケットに軸着されるとともに固定シャフトによって静止ブラケットに枢着され、一方、第2リンクは遊動シャフトを介して静止ブラケットに軸着されるとともに固定シャフトを介して可動ブラケットに軸着される。この旋回制動機構は、全閉時において両ブラケットが近接し、全開時において可動ブラケットは静止ブラケットと垂直方向で離隔し、プラスチック製の第1および第2リンクの貫通孔がブラケットの固定シャフトにそれぞれ密に圧入されることにより、可動ブラケットの旋回を全閉から全開放位置まで常に制動する。
本考案に係る他の旋回制動機構は、可動本体および静止本体にそれぞれ取り付ける1対のブラケットと、1対のブラケットを回動可能に連結する1対のU字形リンクとを備え、横長のU字形側面を有する第1リンクは遊動シャフトを介して可動ブラケットに軸着されるとともに回動シャフトによって静止ブラケットに枢着され、一方、第2リンクは遊動シャフトを介して静止ブラケットに軸着されるとともに回動シャフトを介して可動ブラケットに軸着される。この旋回制動機構は、全閉時において両ブラケットが近接し、全開時において可動ブラケットは静止ブラケットと垂直方向で離隔し、第1および第2リンクが回動シャフトにそれぞれ固着され、各回動シャフトに対して、該シャフトとともに回転するワッシャおよびプラスチック製の制動部材を嵌装するともに、さらに皿バネを挿入してナットで締め付けることにより、ブラケットの側面と制動部材の側面とが摩擦面となり、可動ブラケットの旋回を全閉から全開放位置まで常に制動する。
本考案に係る別の旋回制動機構は、可動本体および静止本体にそれぞれ取り付ける1対のブラケットと、1対のブラケットを回動可能に連結する1対のU字形リンクとを備え、U字形側面を有する第1リンクは遊動シャフトを介して可動ブラケットに軸着されるとともに固定シャフトによって静止ブラケットに枢着され、一方、第2リンクは遊動シャフトを介して静止ブラケットに軸着されるとともに固定シャフトを介して可動ブラケットに軸着される。この旋回制動機構は、全閉時において両ブラケットが近接し、全開時において可動ブラケットは静止ブラケットと垂直方向で離隔し、第1および第2リンクに取り付ける板バネ製で湾曲状の保持プラグと、該プラグで外周が取り囲まれ且つ固定シャフトに密に嵌装するプラスチック制動筒体と、制動筒体および保持プラグの平行延長部を貫通してリンク前端部にねじ込むボルトとを有し、該ボルトによって保持プラグで制動筒体を内方へ締め付けることにより、可動ブラケットの旋回を全閉から全開放位置まで常に制動する。
本考案に係る旋回制動機構において、第1および第2リンクは、ほぼ中間部を水平に貫通する連絡シャフトによって相互に回動可能に接続されると好ましい。また、遊動シャフトはブラケット側壁に形成した横スロット内に水平に収納し、可動ブラケットつまりリンクの旋回位置に応じて遊動シャフトは横スロット内を摺動する。
本考案に係る旋回制動機構は、構造が単純で使用パーツ数が比較的少ないので安価であり、既存品とのコスト差は小さいので既存品の用途にも即適合可能である。本考案に係る旋回制動機構は、跳ね上げ式カウンタに取り付けると、場合に応じて可動天板を回動中途で静止させることができ、可動天板の閉鎖時に天板表面から突出する部分がなく、しかも可動天板を180度開放で水平になるまで回動させて完全開放できるので、配達荷物や店内商品を持った状態で通過してもそれらが可動天板に引っ掛かることがない。
本考案に係る旋回制動機構は、跳ね上げ式カウンタに取り付けると、いずれの位置においても、可動天板の回動を制動することにより、可動天板から手を離しても自由落下することがなく、該可動天板の落下による騒音や指詰め事故を未然に防止できる。本考案の旋回制動機構は、跳ね上げ式カウンタの両端面に矩形孔をそれぞれ切削加工して取付けると、機構全体が天板表面の下方に収納されて表側から見えず、全体が面一になってカウンタの美観を損なうことがない。本考案の旋回制動機構は、コンビニエンスストア、業務用ダイニングキッチンやスナックバーで設置される跳ね上げ式カウンタだけでなく、開閉が約180度以下である各種の開閉機器に取り付けることができる。
本考案に係る旋回制動機構1(図2)は、図1に示すように、跳ね上げカウンタ3などに設置する場合には、可動本体が可動天板5に相当し、固定本体が固定天板7に相当する。この旋回制動機構は、図示のような跳ね上げ式カウンタだけでなく、約180度以下の開閉部材を備える各種の開閉機器に取り付けることができる。旋回制動機構1は、図2から図4に示すように、通常、対称形である静止ブラケット10と可動ブラケット12、第1リンク14および第2リンク16を有し、「静止」と「可動」および「第1」と「第2」の用語は説明のために便宜上使用している。例えば、ブラケット10,12は金属製であり、リンク14,16は耐磨耗性が優れたポリアセタールなどのプラスチック製または金属製である。
両ブラケット10,12は、図2および図4に例示するように、幅狭の前端部18,18が直角に屈曲したU字形平面を有し、各前端部にボルト用の皿孔22を設ける。静止ブラケット10には、その両側壁において左上隅に軸孔24および中央上方に水平の横スロット26を形成し、両側壁の軸孔24で第1リンク用の固定または回動シャフト28を水平に支持し、両側壁の横スロット26で第2リンク用の遊動シャフト30を摺動可能に水平に支持する。同様に、可動ブラケット12には、その両側壁において右上隅に軸孔24および中央上方に水平の横スロット26を形成し、両側壁の軸孔24で第2リンク用の固定または回動シャフト28を水平に支持し、両側壁の横スロット26で第1リンク用の遊動シャフト30を摺動可能に水平に支持する。
両ブラケット10,12において、軸孔24,24で支持するシャフト28は、その端部の一方または両方を異形断面に切削し、そこに同じ異形平面の軸孔に挿入してカシメ止めすれば固定シャフトであり、円形の軸孔に挿入して両端を保持すれば回動シャフトである(図11、図12参照)。一方、横スロット26,26で摺動可能に支持する遊動シャフト30は、その両端において樹脂製のスラストワッシャを嵌めてから金属ワッシャ33をカシメ止めすればよく、スラストワッシャの内径は遊動シャフト30の外径にほぼ等しく、該ワッシャの小径部外径は横スロット26の幅よりわずかに小さい。横スロット26は、ブラケット側壁の横長さのほぼ半分であり、その両内端壁は遊動シャフト30が近接できるように半円形平面であると好ましい。
両リンク14,16は、図4に示すように比較的横幅が広く、ほぼ中間部を水平に貫通する連絡シャフト32によって相互に回動可能に接続され、両リンク間にワッシャ34を介在させる。両リンク14,16は、図3および図5から図7に示すように、その側面が横長のU字形であり、両ブラケット10,12内で対称に配置される。リンク14,16において、シャフト32による連結個所がある中間リンク部36の前後端から同方向へ湾曲し、ほぼ直交配置の前リンク部38および後リンク部40を形成する。前リンク部38は後リンク部40よりも2倍近い長さである。
旋回制動機構1を設置するには、図1と図5から明らかなように、可動天板5および固定天板7の端面42に矩形孔44をそれぞれ形成し、該矩形孔の内寸はブラケット10,12の外寸にほぼ等しい。静止ブラケット10を固定天板7の矩形孔44に嵌入すると、該ブラケットの前端部18,18は固定天板7の端面42の凹みと接触し、ボルト(図示しない)を皿孔22,22に挿入してブラケット10をボルト止めする。次に、可動ブラケット12を図7の全開位置まで旋回し、該ブラケットを可動天板5の矩形孔44に嵌入して前記と同様にボルト止めすればよい。
両リンク14,16は、図5の全閉位置においてブラケット10,12内にリンク全体が収納されるように構成され、且つ前リンク部先端の遊動シャフト30が横スロット26内でほぼ後端部に位置する。後リンク部40の先端貫通孔41(図5)には固定シャフト28が圧入され、前リンク部38の先端貫通孔45は遊動シャフト30と緩く嵌合する。両リンク14,16は、図5から図7に示すように、連絡シャフト32で中間リンク部36の中間で接続されているため、可動ブラケット12は静止ブラケット10から横方向へ離れる方向や下向きに旋回できず、図5の矢印方向だけ旋回可能である。
図6のように可動ブラケット12が旋回されると、リンク14,16の中間リンク部36が上方へ回動し、同時にリンク14,16が接続されているので遊動シャフト30,30が横スロット26内で前方へ摺動し、両ブラケット10,12の間隔が拡がりながら旋回するため、可動天板5と固定天板7が図5のように全閉位置で近接していても、可動天板5の旋回時に固定天板7の前端部と接触することはない。図7に示す全開位置に達すると、両ブラケット10,12は、リンク14,16の中間リンク部36の長さから横スロット26の高さ位置の長さを引いた分だけ高さ方向に離隔するので、天板5,7の表面が接触することはない。
旋回制動機構1は、両リンク14,16の貫通孔41(図5)が固定シャフト28に圧入されることによって制動作用を発揮する。貫通孔41の内径は非圧入状態でシャフト28の直径よりも僅かに小さい。このため、両リンク14,16は、例えば耐磨耗性のポリアセタール製であり、しかも図4に示すように横幅が広いことが好ましい。旋回制動機構1は、図1のような跳ね上げ式カウンタ3に取り付けると、可動天板5を任意の旋回位置で静止させることができ、しかも可動天板5を180度開放で水平になるまで旋回させて完全開放できる。
両リンク14,16が金属製や通常樹脂製であれば、図8に示すように、制動作用部として、各リンクの後リンク部40に比較的大きい貫通孔50を設ければよい。例えば、貫通孔50は、その内周面において軸方向にキー溝51を形成した円筒形状である。貫通孔50にはプラスチック制動筒体52(図9)を嵌合し、該制動筒体の円筒部54の外径は貫通孔50の内径とほぼ等しく、該円筒部の内径は非圧入状態でシャフト28の直径よりも僅かに小さい。制動筒体52は、例えば、耐磨耗性のポリアセタール製であるので長期間使用することが可能である。
旋回制動機構1における制動作用部は、図10に示すようにリンク14,16の後リンク部40において、プラスチック制動筒体70と、該制動筒体の外周を取り囲む板バネ製の保持金具72と、制動筒体70および保持金具72の平行延長部を貫通して後リンク部40の底部74にねじ込むボルト76とで構成してもよい。また、シャフト28をリンク14,16を一体化させ、該シャフトが旋回可能であるならば、図11と図12に示すように、制動ディスク90,92および金属ワッシャ88,94を皿バネ96を介してナット98で締め付ける構成でもよい。
旋回制動機構1は、構造が単純で使用パーツ数が比較的少なく、通常2組またはそれ以上を並置し、コンビニエンスストア、業務用ダイニングキッチンやスナックバーなどにおいて、図1に示すような比較的大型の跳ね上げ式カウンタ3の可動天板5および固定天板7に取り付けるのが一般的であっても、このような使用に限定されることはない。旋回制動機構1は、例えば、両リンク14,16の耐荷重や寸法などを変更すれば、地下収納庫の蓋またはマンホールの蓋などに適用することも可能である。
次に、本考案を実施例に基づいて説明するが、本考案は実施例に限定されるものではない。図2から図4に示す旋回制動機構1は、U字形平面を有する両ブラケット10,12を用いる。両ブラケット10、12は、その両側壁の左上隅に一方のリンク用の固定シャフト28を水平に支持し、且つ両側壁の中央上方に水平の横スロット26を形成し、該横スロットで他方のリンク用の遊動シャフト30を摺動可能に水平に支持する。
耐磨耗性ポリアセタール製の両リンク14,16は、図4に示すように横幅が広く、水平に貫通する連絡シャフト32によって相互に回動可能に接続される。両リンク14,16は、図5から図7に示すように、その側面が横長のU字形であり、両ブラケット10,12内で対称に配置される。リンク14,16において、シャフト32による連結個所がある中間リンク部36の前後端から同方向へ湾曲し、ほぼ直交配置の前リンク部38および後リンク部40を形成する。旋回制動機構1は、両リンク14,16の後リンク部40の貫通孔41が固定シャフト28に圧入されることによって制動作用を発揮する。
旋回制動機構1は、長寸のカウンタにおける跳ね上げカウンタ3(図1)において、可動天板5および固定天板7の対向端面42に形成した矩形孔44,44内に両ブラケット10,12を嵌入し、ボルト(図示しない)を皿孔22,22に挿入して両ブラケットを天板5,7にそれぞれボルト止めする。跳ね上げカウンタ3において、可動天板5を固定天板7に対して約180度の全開放位置まで回動可能である(図7参照)。図1と図5に示すように、ブラケット10,12が各矩形孔44内に収納されてボルト止めされると、両天板5,7の対向端面42,42が近接し、さらに天板表面が一致する。
図5において、可動ブラケット12つまり可動天板5は全閉位置にある。両リンク14,16は、図5の全閉位置においてブラケット10,12内にリンク全体が収納されるように構成される。両リンク14,16は、図5に示すように、連絡シャフト32で中間リンク部36の中間で接続されているため、可動ブラケット12は静止ブラケット10から離れる方向や下向きに旋回できず、図5の矢印方向だけ旋回可能である。
可動ブラケット12を図5から図6のように開いていくと、リンク14,16の中間リンク部36が上方へ回動し、同時にリンク14,16が接続されているので遊動シャフト30,30が横スロット26内で前方へ摺動し、両ブラケット10,12の間隔が拡がりながら旋回するため、可動天板5と固定天板7が図5のように全閉位置で近接していても、可動天板5の旋回時に固定天板7の前端部と接触することはない。可動ブラケット12を図6の半開放位置まで回動する際に、可動天板5から手を離しても、該可動天板はその位置で静止する。
可動ブラケット12がさらに旋回され、図7に示す全開位置に達すると、両ブラケット10,12は、リンク14,16の中間リンク部36の長さから横スロット26の高さ位置の長さを引いた分だけ高さ方向に離隔するので、天板5,7の表面が接触することはない。可動天板5を図6から図7までの位置で手を離したり、固定天板7の方へ急に押しても、該可動天板は緩やかに回動するので指詰め事故などが起こらない。可動ブラケット12が180度旋回し、図7の全開放位置に達すると可動天板5は停止する。
図8に示す金属製などのリンク14,16の制動作用部では、後リンク部40に比較的大きい貫通孔50を設け、該貫通孔は円形内周面において軸方向にキー溝51を形成した円筒形状である。該貫通孔の前周端には、浅い円形凹部(図示しない)を形成する。貫通孔50にはプラスチック制動筒体52(図9)を嵌合し、該制動筒体の円筒部54の外径は貫通孔50の内径とほぼ等しく、該円筒部の内径は非圧入状態で固定シャフト28の直径よりも僅かに小さい。
図9に示す制動筒体52は耐磨耗性のポリアセタール製であり、フランジ部54および円筒部56とからなり、該円筒部の外径は貫通孔50の内径とほぼ等しく、該円筒部の内径は非圧入状態でシャフト28の直径よりも僅かに小さい。制動筒体52を貫通孔50内にそれぞれ収納すると、軸方向に設けたキー突条58が貫通孔50のキー溝51と係合して静止し、且つフランジ部54が貫通孔50の円形凹部と密接することにより、制動筒体52はフランジ部54の一部を除いて貫通孔50内に完全に嵌り込む。制動筒体52の円筒部54の長さは、貫通孔50の距離と同じであってもそれ以下でもよい。
制動筒体52をリンク14,16の貫通孔50内に静止収納し、シャフト28を制動筒体52に圧入通過させると、リンク14,16を制動回転可能に支持できる。制動筒体52は、固定シャフト28とともに空回りしないように、該制動筒体の外周壁に軸方向に設けたキー突条58を備えている。このような回り止めは、周壁における複数の溝でもよく、またはその外周面を楕円や矩形などの非円形平面としたり、接着剤で一体化することも可能である。
図10にはリンク14,16の後リンク部40に設置する別の制動作用部を示す。この制動作用部は、後リンク部40の両側壁68の間に、固定シャフト28に密に嵌装するプラスチック制動筒体70と、該制動筒体の外周を取り囲む板バネ製の保持金具72と、制動筒体70および保持金具72の平行延長部を貫通して後リンク部40の底部74にねじ込むボルト76とを有する。
制動筒体70は、その内周面が円形断面である湾曲部と、該湾曲部の両端から接線方向へ平行に延設する延長部78,78を備えることにより、固定シャフト28の周面と接触する湾曲部の内周面が摩擦面となる。制動筒体70の延長部78,78は、通常の状態で所定の縦間隙を有し、この間隙の存在によって湾曲部の内方変形による固定シャフト28の締め付けが可能となる。保持金具72は、制動筒体70の外周面と密接する湾曲部および延長部80,80を有する。ボルト76が上方延長部80を下方へ作用することにより、保持金具72の湾曲部を介して制動筒体70を内方へ締め付ける。保持金具72の湾曲部は、制動筒体70の外周面のほぼ全体を取り囲む。
ボルト76を回すと、保持金具72および制動筒体70を内方へ締め付け、該制動筒体によってリンク14,16を制動する。ボルト76は、そのねじ込み量によって制動筒体70に付与する制動力を容易且つ微妙に調整できる。この保持金具の延長部が横長であれば、ボルト76を複数本立設することも可能である。
図11および図12には、リンク14,16のさらに別の制動作用部を示し、この制動作用部は、シャフト28に相当する回動シャフト82がリンク14,16とともに旋回するように構成する。この制動作用部では、ブラケット10,12の軸孔24(図2)をブラケット側壁においてより内方に位置させると好ましい。回動シャフト82は、図12に示すように、軸方向に沿って周面の両側84,84を平行に切削した非円形軸に形成され、さらに回動シャフト82の一端部または両端部に雄ねじ山86を刻設する。
回動シャフト82には、その後方から金属ワッシャ88および制動ディスク90と、ブラケット10,12に設けた円形の軸孔24、別の制動ディスク92および金属ワッシャ94を順次嵌合する。金属ワッシャ88,94および制動ディスク90,92は、回動シャフト82の非円形軸に対応する非円形の貫通孔を有し、回動シャフト82とともに回転・静止する。制動ディスク90,92は、炭素含有のポリアセタール樹脂のような耐磨耗性エンジニアリングプラスチックの射出成形品であると好ましい。制動ディスク90,92および金属ワッシャ88,94は、その両側面が平坦なドーナツ状である。金属ワッシャ88と94は通常同一形状であり、且つ制動ディスク90と92も通常同一形状である。金属ワッシャ88,94は、制動ディスク90,92と同じ外径または該ディスクよりも多少大きい外径を有する。
回動シャフト82には、さらに3枚の皿バネ96を挿入してナット98を雄ねじ山86にねじ込む。全体を嵌合してナット98で締め付けると、3枚の皿バネ96によって制動ディスク90,92は弾性的に金属ワッシャ88,94で押圧される。回動シャフト82が回転すれば、両制動ディスク90,92および金属ワッシャ88,94はともに回転し、一方、ブラケット10は静止している。
ナット98は、ブラケット10の両側面を制動ディスク90,92と面接触させて機構全体を締め付けることにより、回転する制動ディスク90,92の側面と、静止するブラケット10の両側面が摩擦面となり、回動シャフト82つまりリンク14,16を任意の旋回位置で静止できる。制動機構28の摩擦抵抗つまり制動力は、ナット98の締め付けを変えることで容易に調整できる。
1 旋回制動機構
3 跳ね上げカウンタ
5 可動天板
7 固定天板
10 静止ブラケット
12 可動ブラケット
14 第1リンク
16 第2リンク
26 横スロット
28 回動シャフト
30 遊動シャフト
3 跳ね上げカウンタ
5 可動天板
7 固定天板
10 静止ブラケット
12 可動ブラケット
14 第1リンク
16 第2リンク
26 横スロット
28 回動シャフト
30 遊動シャフト
Claims (5)
- 可動本体および静止本体にそれぞれ取り付ける1対のブラケットと、1対のブラケットを回動可能に連結する1対のU字形リンクとを備え、U字形側面を有する第1リンクは遊動シャフトを介して可動ブラケットに軸着されるとともに固定シャフトによって静止ブラケットに枢着され、一方、第2リンクは遊動シャフトを介して静止ブラケットに軸着されるとともに固定シャフトを介して可動ブラケットに軸着される旋回制動機構であって、全閉時において両ブラケットが近接し、全開時において可動ブラケットは静止ブラケットと垂直方向で離隔し、プラスチック製の第1および第2リンクの貫通孔がブラケットの固定シャフトにそれぞれ密に圧入されることにより、可動ブラケットの旋回を全閉から全開放位置まで常に制動する旋回制動機構。
- 可動本体および静止本体にそれぞれ取り付ける1対のブラケットと、1対のブラケットを回動可能に連結する1対のU字形リンクとを備え、横長のU字形側面を有する第1リンクは遊動シャフトを介して可動ブラケットに軸着されるとともに回動シャフトによって静止ブラケットに枢着され、一方、第2リンクは遊動シャフトを介して静止ブラケットに軸着されるとともに回動シャフトを介して可動ブラケットに軸着される旋回制動機構であって、全閉時において両ブラケットが近接し、全開時において可動ブラケットは静止ブラケットと垂直方向で離隔し、第1および第2リンクが回動シャフトにそれぞれ固着され、各回動シャフトに対して、該シャフトとともに回転するワッシャおよびプラスチック製の制動部材を嵌装するともに、さらに皿バネを挿入してナットで締め付けることにより、ブラケットの側面と制動部材の側面とが摩擦面となり、可動ブラケットの旋回を全閉から全開放位置まで常に制動する旋回制動機構。
- 可動本体および静止本体にそれぞれ取り付ける1対のブラケットと、1対のブラケットを回動可能に連結する1対のU字形リンクとを備え、U字形側面を有する第1リンクは遊動シャフトを介して可動ブラケットに軸着されるとともに固定シャフトによって静止ブラケットに枢着され、一方、第2リンクは遊動シャフトを介して静止ブラケットに軸着されるとともに固定シャフトを介して可動ブラケットに軸着される旋回制動機構であって、全閉時において両ブラケットが近接し、全開時において可動ブラケットは静止ブラケットと垂直方向で離隔し、第1および第2リンクに取り付ける板バネ製で湾曲状の保持プラグと、該プラグで外周が取り囲まれ且つ固定シャフトに密に嵌装するプラスチック制動筒体と、制動筒体および保持プラグの平行延長部を貫通してリンク前端部にねじ込むボルトとを有し、該ボルトによって保持プラグで制動筒体を内方へ締め付けることにより、可動ブラケットの旋回を全閉から全開放位置まで常に制動する旋回制動機構。
- 第1および第2リンクは、ほぼ中間部を水平に貫通する連絡シャフトによって相互に回動可能に接続される請求項1、2または3記載の旋回制動機構。
- 遊動シャフトはブラケット側壁に形成した横スロット内に水平に収納し、可動ブラケットつまりリンクの旋回位置に応じて遊動シャフトは横スロット内を摺動する請求項1、2または3記載の旋回制動機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014001980U JP3191536U (ja) | 2014-04-16 | 2014-04-16 | 旋回制動機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014001980U JP3191536U (ja) | 2014-04-16 | 2014-04-16 | 旋回制動機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3191536U true JP3191536U (ja) | 2014-06-26 |
Family
ID=78224434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014001980U Expired - Lifetime JP3191536U (ja) | 2014-04-16 | 2014-04-16 | 旋回制動機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3191536U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102451812B1 (ko) * | 2021-11-16 | 2022-10-06 | 정민우 | 제품용 이중관절장치 |
-
2014
- 2014-04-16 JP JP2014001980U patent/JP3191536U/ja not_active Expired - Lifetime
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KR102451812B1 (ko) * | 2021-11-16 | 2022-10-06 | 정민우 | 제품용 이중관절장치 |
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