JP3191209U - ラスティック床材 - Google Patents

Abstract

【課題】新品の製品でありながら、長年にわたって使用され続けて来たかのような表面外観を備えたラスティック床材を提供する。
【解決手段】模様印刷層２３の表面には、床材模様として木材調模様が印刷
されてなり、具体的には、木材調模様の一例として木目模様７が印刷されてなる。また、模様印刷層２３の表面には、ラスティック模様としてへこみ５、及びラスティックエッジ６等が形成されてなる。また、木材断面に似せるように、変色部を模様印刷層２３の表面に設けてもよい。これらの模様を有するラスティック床材１は、使い古されたレトロな佇まいをもった高級感のある木床であるかのような印象を使用者に与えることができる。また、模様印刷層２３に印刷される木目模様７は、平面図において縦方向又は横方向に平行な複数の直線状に、木目模様７が設けられてもよい。
【選択図】図２

Description

この考案はラスティック床材に関し、更に詳しくは、新品の製品でありながら、長年にわたって使用され続けて来たかのような印象、及び荒削りな印象を使用者に与えることのできる表面外観を備えたラスティック床材に関する。

従来、バック層とバック層の表面に積層され、フィルム基材の表面に模様を印刷してなる模様印刷層と、その模様印刷層の表面に積層された透明層とを有する積層体からなる床材がある。前記模様印刷層の表面に、木目、石目、タイル様等の模様を印刷することにより、各種の模様を備えた床材が提供される。

例えば、従来の木材調の床材は、天然木で作られた床材と同じ外観を呈することを重要視していた。したがって、従来の前記木材調の床材は、天然木を製材してなる新品の板材の外観を写真撮影し、その写真撮影された板材の外観がフィルム基材の表面に印刷されていた。したがって、従来の前記木材調の床材は、平面視すると、新品の天然木が使用されているかのような外観を呈していた。

また、木材調以外の模様を備えた床材でも、従来、新品の床材であるかのような外観を呈することが好まれていた。新品の床材においては、表面が滑らかであって荒削りではない外観を有することが一般的であった。

しかしながら、近年における需要者の多様化した嗜好から、新品の床材であっても古色蒼然として荒削りな外観を呈する床材が要望されている。

新品の床材でありながら古色蒼然として荒削りな外観の床材及びその製造方法についての従来技術を記載した文献は見当たらない。

この考案の課題は、新品であっても、床材の表面の縁辺部形状に、へこみ等の傷が形成されていることにより、使い古されたかのような印象、及び荒削りな印象を使用者に与える外観を呈するラスティック床材を提供することである。

前記課題を解決するための手段は、
（１）バック層と、バック層の表面に積層され、フィルム基材の表面に床材模様を印刷してなる模様印刷層と、その模様印刷層の表面に積層された透明層とを有する積層体からなり、前記積層体における模様印刷層及び透明層の周囲縁辺形状に傷様のへこみが形成されてなるラスティック床材であり、
（２） 前記積層体は、積層方向から見た平面形状が矩形であることを特徴とする前記（１）に記載のラスティック床材であり、
（３）前記傷様のへこみは、複数のラスティック床材を配列した時に、隣接するラスティック床材同士の接合部に傷様の凹部を形成可能に設けられてなることを特徴とする前記（１）又は（２）に記載のラスティック床材である。

この考案に係るラスティック床材は、模様印刷層及び透明層の周囲縁辺形状に傷様のへこみが形成されているので、未使用のこのラスティック床材を床に張ると、新規に設置したにもかかわらず、年数を経て使用されていたとの外観を呈することになり、レトロ調の雰囲気をその床材設置空間に与えることができる。また、この考案に係るラスティック床材は、前記へこみによって、表面が均一に整えられていない荒削りな外観を呈するので、機械による大量生産品ではなく、手作りによる一品生産品に接した時のような高級感を使用者に与えることができる。

図１は、この考案に係るラスティック床材の一例を示す断面図である。 図２は、模様印刷層の表面に木材調模様が印刷されたラスティック床材の一例を示す平面図である。 図３は、模様印刷層の表面に石材調模様が印刷されたラスティック床材の一例を示す平面図である。 図４は、模様印刷層の表面にセラミック調模様が印刷されたラスティック床材の一例を示す平面図である。 図５は、模様印刷層の表面にモザイク状に配列されたタイル調模様が印刷されたラスティック床材の一例を示す平面図である。 図６は、模様印刷層の表面にテラコッタ調模様が印刷されたラスティック床材の一例を示す平面図である。

図１に示されるように、この考案の一例であるラスティック床材１は、バック層２とそのバック層２の表面に積層された模様印刷層３と、その模様印刷層３の表面に積層された透明層４とを有する積層体である。

バック層２は外部から見えないシートであり、また、床材の種類等に応じて、このラスティック床材全体の厚みを確保し、また、ラスティック床材の弾力性、剛性、機械的強度等を保障する機能、及び／又は、反り防止機能等を有する。このバック層２は、熱可塑性樹脂を用いて形成される限りその製造法に制限がない。バック層２を製造するための原料は、このラスティック床材の用途及び機能に応じて適宜に選定される。

このバック層２の表面に積層される模様印刷層３は、フィルム基材とそのフィルム基材の表面に印刷された模様とを有する。フィルム基材は、塩ビシート乃至塩ビフィルム、ポリオレフィンフィルム乃至ポリオレフィンシート等を挙げることができる。

フィルム基材の表面には、各種の床材模様が印刷されてなる。
床材模様は、一般的に用いられている床材の表面に似せた外観であればよく、例えば、木材調模様、石材調模様、セラミックス調模様、テラコッタ調模様、タイル調模様、畳模様、カーペット調模様、及び人工的な抽象模様等が挙げられる。また、床材模様は、表面が滑らかで一様の色を備えた無地柄であってもよい。尚、模様印刷層３の表面の色は適宜に変更することができる。

また、フィルム基材の表面には、ラスティック模様が印刷されていてもよい。ラスティック模様は、使用者に古風な印象や荒削りな印象を与えるように、使用後の床材に似せた模様を有する。このような使用後の床材に似せた模様として、例えば、変色部やへこみが挙げられる。

変色部は、色彩を調整することにより、色あせた色調にしてもよく、濃い色調にしてもよい。フィルム基材の表面に変色部を設けることにより、ラスティック床材は新品であっても使用年数を経ているようなレトロな印象と、荒削りな印象とを使用者に与えることができる。

図２〜４に示されるように、へこみ５は、床材を床に敷いた場合に、その床材の上で長期間の生活を営むことによる擦り減り、重量物の移動や物体の落下による凹み痕、物体の落下等による欠け等に似せた窪みであればよく、その形状は様々であり得る。また、そのへこみ５の色調は他の部分の色調に比べて褪色したものであり得る。
模様印刷層及び透明槽の周囲縁辺形状に設けられた傷様のへこみは、特に、ラスティックエッジ６と称されることがあり、床材に接した使用者に、使い古された古風な感じや、素材の材質が生かされた荒削りな印象を与えることができる。複数のラスティック床材１を配列した時に、隣接するラスティック床材１に形成されたラスティックエッジ６同士が合わさって、１つの傷様の凹部をラスティック床材同士の接合部に形成することができるように、ラスティック床材１におけるラスティックエッジ６の位置、大きさ等を調節してもよい。

このへこみ５及びラスティックエッジ６は、模様印刷層３及び透明層４の表面に形成されていても良い。

フィルム基材の表面に床材模様及びラスティック模様を印刷する方法としては、グラビア印刷、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷等を挙げることができる。

この模様印刷層３の表面には透明層４が積層される。透明層４は透明であるから、透明層４を通して模様印刷層３に形成されている模様を視認することができる。例えば、図２〜６に示されるラスティック床材１の平面図では、図示されていない印刷層４を通して模様印刷層２３、３３、４３、５３、及び６３が観察される。

図２〜６で示されるように、ラスティック床材は、積層方向から見た平面形状が矩形であることが好ましい。言い換えると、ラスティック床材の平面形状は正方形又は長方形であることが好ましい。平面形状が矩形であると、複数のラスティック床材を行列状に隙間なく配列することが容易である。矩形の一辺の長さは特に制限されないが、１００ｍｍ以上１０００ｍｍ以下程度であることが好ましい。尚、図６で示されるように、平面形状の縁辺には多少の凹凸が設けられていてもよい。

図２に示されるように、模様印刷層２３の表面には、床材模様として木材調模様が印刷されてなり、具体的には、木材調模様の一例として木目模様７が印刷されてなる。また、模様印刷層２３の表面には、ラスティック模様としてへこみ５、及びラスティックエッジ６等が形成されてなる。また、木材断面に似せるように、図示されていない変色部を模様印刷層２３の表面に設けてもよい。これらの模様を有するラスティック床材１は、使い古されたレトロな佇まいをもった高級感のある木床であるかのような印象を使用者に与えることができる。
また、模様印刷層２３に印刷される木目模様７は図２に示される例に限定されず、例えば、平面図において縦方向又は横方向に平行な複数の直線状に、木目模様７が設けられてもよい。

図３に示されるように、模様印刷層３３の表面には、床材模様として石材調模様が印刷されてなり、具体的には、石材調模様の一例として石目模様８及び粒状模様９が印刷されてなる。また、模様印刷層３３の表面には、ラスティック模様としてへこみ５、及びラスティックエッジ６等が形成されてなる。また、石材断面に似せるように、図示されていない変色部を模様印刷層３の表面に設けてもよい。これらの模様を有するラスティック床材１は、使い古されたレトロな佇まいをもった高級感のある石床であるかのような印象を使用者に与えることができる。
また、模様印刷層３に印刷された石材調模様の他の具体例として、例えば、大理石を模したような模様、粒径の小さい砂岩を模したような模様、御影石を模したような模様等が挙げられる。

図４に示されるように、模様印刷層４３の表面には、床材模様としてセラミック調模様が印刷されてなる。具体的には、セラミック製の床材に似せた外観を有するように、表面には僅かなざらつきや濃淡の色調が設けられる。また、模様印刷層４３の表面には、ラスティック模様として、へこみ５及びラスティックエッジ６が形成されてなる。図４には図示されていないが、模様印刷層３の表面には、上薬による光沢に似せた色調が設けられてもよく、絵付けを模したデザインが施されていてもよい。これらの模様を有するラスティック床材１は、使用者に、使い古されたレトロな佇まいをもった高級感のあるセラミック製の床であるかのような印象を与えることができる。

図５に示されるように、模様印刷層５３の表面には、床材模様としてタイル調模様が印刷されてなる。タイルの形状、色、配列の方法等は適宜変更することができる。

図６に示されるように、模様印刷層６３の表面には、床材模様としてテラコッタ調模様が印刷されてなる。図５における模様印刷層６３の表面はテラコッタに似せるように赤茶色で形成され、変色部として退色部１１や濃色部１２等が設けられる。さらに、テラコッタの表面に似せるように、模様印刷層６３の表面には亀裂線１３が印刷されていてもよい。また、ラスティック床材１の縁辺形状は直線にするのではなく若干の凹凸を設けることによって、縁辺形状が粗い本物のテラコッタ製の床材に似せることができる。

なお、模様印刷層の表面に印刷される床材模様は上記の例に限定されず、適宜に設計変更することができる。

この考案に係るラスティック床材は、前記バック層、模様印刷層及び透明層を積層して得られる積層体に、前記へこみが形成されるように、プレス加工をすることにより、製造することができる。プレス加工は、前記模様印刷層及び透明層の周囲縁辺形状にへこみを形成するだけでなく、透明層の上方から金型を押圧することにより、ラスティック床材の表目に凹凸模様、エンボス模様等を形成しても良い。

この考案に係るラスティック床材は、建築物の部屋内の床面に敷設することにより、使い古されたレトロ調の雰囲気や、素材の材質を生かした荒削りな雰囲気を実現することができる。

１ ラスティック床材
２ バック層
３、２３、３３、４３、５３、６３ 模様印刷層
４ 透明層
５ へこみ
６ ラスティックエッジ
７ 木目模様
８ 石目模様
９ 粒状模様
１０ タイル
１１ 退色部
１２ 濃色部
１３ 亀裂線

Claims (3)

1. バック層と、バック層の表面に積層され、フィルム基材の表面に床材模様を印刷してなる模様印刷層と、その模様印刷層の表面に積層された透明層とを有する積層体からなり、前記積層体における模様印刷層及び透明層の周囲縁辺形状に傷様のへこみが形成されてなるラスティック床材。
2. 前記積層体は、積層方向から見た平面形状が矩形であることを特徴とする請求項１に記載のラスティック床材。
3. 前記傷様のへこみは、複数のラスティック床材を配列した時に、隣接するラスティック床材同士の接合部に傷様の凹部を形成可能に設けられてなることを特徴とする請求項１又は２に記載のラスティック床材。

Images