JP3188833B2 - エレベータのロープテンション測定装置 - Google Patents

エレベータのロープテンション測定装置

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JP3188833B2
JP3188833B2 JP29986695A JP29986695A JP3188833B2 JP 3188833 B2 JP3188833 B2 JP 3188833B2 JP 29986695 A JP29986695 A JP 29986695A JP 29986695 A JP29986695 A JP 29986695A JP 3188833 B2 JP3188833 B2 JP 3188833B2
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Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
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Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
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    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L5/00Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes
    • G01L5/04Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes for measuring tension in flexible members, e.g. ropes, cables, wires, threads, belts or bands
    • G01L5/042Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes for measuring tension in flexible members, e.g. ropes, cables, wires, threads, belts or bands by measuring vibrational characteristics of the flexible member
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
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    • B66B5/0087Devices facilitating maintenance, repair or inspection tasks

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  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エレベータのか
ごとカウンタウェイトを吊り下げる複数の主ロープのロ
ープテンションを測定するエレベータのロープテンショ
ン測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エレベータのかごとカウンタウ
ェイトを吊り下げる主ロープには鋼製のワイヤロープが
用いられる。かご重量が重く、かつ昇降行程が長い高速
・高揚程のエレベータでは例えば8から10本の複数本
の主ロープが用いられることが多い。近年、建築物のよ
り一層の高層化によりエレベータも高速・高揚程化して
いる。
【0003】このようなエレベータの主ロープテンショ
ンは、乗り心地の品質上重要な保全項目であり、点検調
整の精度向上と効率化が望まれている。主モータで巻き
上げられる主ロープのテンションにアンバランスがある
場合、ロープ素線の磨耗・破断、スランド切れあるいは
撚り戻り等、ロープ寿命に悪影響を及ぼすだけでなく巻
き上げ機のシーブ溝の早期磨耗にもつながる等の問題が
ある。ひとたびシーブに偏磨耗が生じると、昇降行程が
長い場合に送り出される主ロープ長に差が出て、さらに
ロープテンションのアンバランスを拡大する。これらは
昇降行程に比例して顕著となるため、経時変化によるテ
ンションのバランスの崩れを直すため定期的なテンショ
ン点検と調整が高揚程エレベータで特に必要である。
【0004】しかし、これらは人手による経験的試行錯
誤で行われることが多く、多大な労力と時間を要してい
る。そこで、例えば、特開平5―105349号公報で
提案されたように、ワイヤロープの中間部でロープの振
動数に対応する電気信号を電磁コイルで検出し、その検
出信号に基づいてワイヤロープの張力を演算・表示する
方法及び装置が提案されている。
【0005】図24は上記特開平5―105349号公
報に示された従来のエレベータのロープ張力測定装置を
説明するためのもので、2:1ローピング式のエレベー
タを示す縦断面図である。また、図25は図24のB部
分を拡大したロープ張力測定装置の要部を示す拡大図で
ある。図24に示される2:1ローピング式のエレベー
タでは、主ロープ(ワイヤロープ)1の両端にはロープ
ソケット5a、5bが取り付けられ、かご側主ロープ張
力調整用シャックルばね6a、カウンタウエイト側主ロ
ープ張力調整用シャックルばね6bを介して機械室26
の床27に連結されている。
【0006】上記主ロープ1は機械室26に設置された
巻き上げ機ロープ滑車(網車)21により駆動され、そ
らせ車22を介して送り出される。巻き上げ機ロープ滑
車(網車)21を中心にして両側の主ロープ1が巻き掛
けられたかご上シーブ28とカウンタウエイト上シーブ
29とにかご2とカウンタウェイト(釣り合い重り)4
が吊り下げられている。
【0007】かご2およびカウンタウェイト4を互いに
対向する位置で停止した後、かご2上の作業者が届く位
置に振動数検出手段30を設け、主ロープ1をはさむ状
態に磁石(磁性体)30aを配置して、この状態で、か
ご2上の作業者が主ロープ1を引っ張って手放すことに
より、主ロープ1を中間部で振動させて、このとき、磁
石(磁性体)30aに発生する磁束変化に基づいてロー
プ張力を求めるようになされている。
【0008】すなわち、磁石(磁性体)30aの磁束の
変化に応じてコイル30bに電圧が誘起されるので、こ
の誘起電圧からなる電気信号がコイル30bから出力さ
れ、この電気信号は処理部31の増幅器32により増幅
された後、演算手段34に入力される。次いで、この演
算手段34は、上記の増幅された電気信号に基づいて横
振動周波数fを求めるとともに、次の式(1)からロー
プ張力Tを算出する。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、ρはロープ密度、gは重力加速度
で、これらのロープ密度ρ、重力加速度gは一定である
ことから演算手段34にあらかじめ記憶させるようにな
っている。また、Lは主ロープ1の長さで、この長さL
を次の式(2)により算出して、このロープの長さ情報
を入力器33を介して入力する。
【0011】
【数2】
【0012】ここで、Sはかご2の行程、Hはかご2が
最上階で停止する位置から機械室26の床27までの距
離である。このようにして、演算手段34により求めら
れる演算結果を出力手段35から出力する。
【0013】このように構成された従来例では、主ロー
プ1の振動数を主ロープ1の中間点で検出することがで
き、すなわち、この振動数を検出する位置が主ロープ1
端部のロープソケット5aの取り付け位置とは何ら係わ
りないことから、2:1ローピング式のエレベータの場
合であっても、かご2の上部で主ロープ1の張力を測定
することができる。
【0014】また、非接触式の永久磁石30aにより主
ロープ1の振動数を検出でき、検出位置も制限されるこ
とがないことから、作業者は適宜位置で簡単に主ロープ
1の張力を測定できる。しかも、処理部31は振動数検
出手段30と別体であるので、処理部31を作業者を作
業者が見やすい位置に配置でき、主ロープ1の張力表示
を容易に確認することができる。
【0015】なお、上述した従来例では、2:1ローピ
ング式のエレベータの場合を例示したが、1:1ローピ
ング式のエレベータであっても、作業者はかご2の上部
で主ロープ1の張力を測定することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のエレベータのロープ張力測定装置では後述する
課題がある。 (1)高揚程のエレベータに適用する場合、高揚程のエ
レベータでは著しくロープ長が長いため、現実には図2
4に示すような定常的な振動(定在波)は生じ難く、実
際は、孤立した進行波が発生して、これが主ロープ1上
を伝播することになる。このため、主ロープ1の振動数
よりも、この進行波の通過を精度良く計測することが重
要である。
【0017】(2)高揚程のエレベータで著しく主ロー
プ長が長い場合、加振した際に生ずるロープ振幅が大き
くなり、電磁コイルなどの非接触センサでの検出が不向
となり、一方、加振力を小さくすると振幅は小さくなる
が計測精度が劣化する。 (3)ロープ振動を測定するため、ロープ中間部以外の
測定に不向きである。 (4)電磁コイルを用いるため、主ロープ1と非接触と
するためのセンサ取り付けに工夫が必要であり、複数本
のロープを効率よく計測することが困難であった。
【0018】(5)また、従来のエレベータのロープ張
力測定装置では、ロープ張力を演算結果として求めてい
たため、各主ロープ1の張力値が求まっても、実際にロ
ープ張力を調整するばね調整量は不明であり、精度の高
いロープ張力調整が実際には困難であった。 (6)任意の階での測定を行いたい場合、ロープ張力の
演算に予めロープ長の値が必要であるため、任意の階で
のロープ長を実際のかご上で計測することは困難であ
り、任意階の計測には不向きである。 (7)測定時にいちいち処理部31を作業者が見る必要
があり、かご上の作業には不向きである。
【0019】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、高揚程のエレベータであっても
計測精度を向上させることができると共に、センサ取り
付けや調整量の問題点を解決し、さらにエレベータロー
プ張力調整作業の精度と効率を向上することができるエ
レベータのロープテンション測定装置を得ることを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
タのロープテンション測定装置は、かご及びカウンタウ
エイトを吊り下げる主ロープのテンションを測定するエ
レベータのロープテンション測定装置において、上記主
ロープに加える変位により該主ロープ上に発生する孤立
波である進行波を検出する進行波検出手段と、この進行
波検出手段からの出力に基づいてロープテンション調整
量を演算して出力する携帯型測定器とを備えたことを特
徴とするものである。また、上記進行波検出手段とし
て、加速度検出手段を用い、進行波が主ロープを一往復
する毎に主ロープの水平方向に生じる進行波加速度の最
大振幅の検出に基づいて進行波の通過状況を検出するこ
とを特徴とするものである。また、複数の主ロープの並
列配列方向と直交する方向に上記進行波検出手段を取り
付け固定する取付手段を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0021】また、上記携帯型測定器は、上記進行波検
出手段からの出力に基づいて該進行波の通過情報を演算
する進行波通過情報演算手段と、この進行波通過情報演
算手段により演算された進行波通過情報に基づいてロー
プテンション調整量を演算する調整量演算手段と、調整
量演算結果を出力する出力手段とを内蔵したことを特徴
とするものである。また、上記携帯型測定器は、上記進
行波検出手段からの出力を信号濾過して加速度ピーク値
が識別容易な波形を上記進行波通過情報演算手段に出力
する信号濾過手段をさらに内蔵したことを特徴とするも
のである。また、上記携帯型測定器は、上記進行波通過
情報演算手段の出力に基づいて進行波の通過を音で知ら
せる進行波通過通告手段をさらに内蔵したことを特徴と
するものである。また、上記携帯型測定器は、上記調整
量演算手段の出力に基づいて調整量が設定レベルを越え
た場合に警告音を発生する警告音発生手段をさらに内蔵
したことを特徴とするものである。また、上記携帯型測
定器は、上記進行波検出手段及び測定器の内部構成に電
源供給する電源供給手段を内蔵したことを特徴とするも
のである。
【0022】また、上記進行波通過情報演算手段は、最
大加速度ピーク値検索法、高速フーリエ変換によるパワ
ースペクトラム演算法、自己相関関数演算法、またはセ
プストラム演算法のいずれかに基づいて進行波往復時間
を推定し進行波通過速度を演算することを特徴とするも
のである。また、上記進行波通過情報演算手段は、上記
進行波検出手段からの出力に基づいて進行波通過速度を
演算する進行波通過速度演算手段でなると共に、上記調
整量演算手段は、上記進行波通過速度に基づいて主ロー
プのロープテンションを演算するロープテンション演算
手段でなり、上記出力手段は、ロープテンション演算結
果を出力することを特徴とするものである。また、上記
進行波通過情報演算手段は、上記進行波検出手段からの
出力に基づいて進行波往復時間を演算する進行波往復時
間演算手段でなると共に、上記調整量演算手段は、上記
進行波往復時間に基づいて主ロープのロープテンション
調整用ばねの調整量を演算するばね調整量演算手段でな
り、上記出力手段は、ばね調整量演算結果を出力するこ
とを特徴とするものである。
【0023】また、上記ばね調整量演算手段は、かご総
重量に基づいて任意の測定個所での主ロープの長さを演
算し、演算された主ロープの長さに基づいて主ロープの
ロープテンション調整用ばねの調整量を演算することを
特徴とするものである。また、上記ばね調整量演算手段
は、主ロープ上の異なった測定点間の間隔とそれら測定
点における進行波のロープ通過時刻のずれとに基づいて
主ロープのロープテンション調整用ばねの調整量を演算
することを特徴とするものである。また、上記ばね調整
量演算手段は、演算されたばね調整量にしたがって調整
した場合の全主ロープの進行波の往復時間を演算すると
共に、それら往復時間の最大値と最小値に基づいたばら
つきの評価値を演算し、演算された評価値が調整目標範
囲内にある調整ロープ本数を求め、ばね調整量の絶対値
が大きい順に該調整ロープ本数のばね調整量を指示する
ことを特徴とするものである。また、上記ばね調整量演
算手段は、主ロープ上の異なった測定点間において演算
されたばね調整量の差に基づいて主ロープを巻き掛け駆
動する巻き上げ機ロープ滑車のシ−ブ偏磨耗量を算出す
る偏磨耗量演算手段を内蔵し、上記出力手段は、偏摩耗
量演算結果を出力することを特徴とするものである。
【0024】らに、この発明に係るエレベータのロー
プテンション測定装置は、かご及びカウンタウエイトを
吊り下げる主ロープのテンションを測定するエレベータ
のロープテンション測定装置において、エレベータの停
止状態から起動した時または走行状態から停止した時に
主ロープに生じるロープ振動を検出する振動検出手段
と、この振動検出手段からの出力に基づいて主ロープの
ロープテンションまたはロープテンション調整用ばねの
調整量を演算する演算手段と、この演算手段による演算
結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明を図面を参照して説明す
る。図1は実施の形態1に係るエレベータのロープテン
ション測定装置を説明するための斜視図である。図1に
おいて、1a及び1bは主ロープ、2はかご側主ロープ
1aに吊り下げられたかご枠3に防振支持されたかご、
4はカウンタウエイト側主ロープ1bに吊り下げられた
カウンタウエイト、5aはかご側主ロープ1aの端末を
繋ぐかご側ロープソケット、5bはカウンタウエイト側
主ロープ1bの端末を繋ぐカウンタウエイト側ロープソ
ケットである。
【0026】また、6aはかご側主ロープ張力調整用ナ
ット7aによりかご枠3との間に押し入れられたかご側
主ロープ張力調整用シャックルばね、6bはカウンタウ
エイト側主ロープ張力調整用ナット7bによりカウンタ
ウエイトの枠との間に押し入れられたカウンタウエイト
側主ロープ張力調整用シャックルばね、8はかご2とカ
ウンタウエイト4の下部に繋がれたコンペンロープ、9
は主ロープ1の軸方向に直交して取り付けられ該主ロー
プ1に加える変位によって主ロープ1上に発生する進行
波を検出する進行波検出手段、38は進行波検出手段9
を主ロープ1に固定する取り付けバンド、20は進行波
検出手段9の出力に基づいてロープテンション調整量を
演算して出力するための携帯型測定器である。
【0027】なお、図1に示す実施の形態1の構成は、
かご2とカウンタウエイト4が同じ高さになるように停
止した状態での1:1ローピング式のエレベータの適用
例を示しており、また、主ロープ1の本数は図示した5
本に限らず、本数に制限はない。
【0028】ここで、上記携帯型測定器20は、図2に
示す内部構成を備えている。図2において、10は進行
波検出手段9の出力信号を増幅する検出信号増幅手段、
11は検出信号増幅手段10で増幅した進行波検出手段
9の信号を濾過する信号濾過手段(フィルタ)、12は
信号濾過手段11で処理した進行波検出手段9の信号を
もとに主ロープ1に発生した進行波の通過情報を演算す
る進行波通過情報演算手段しての進行波通過速度演算手
段、13は進行波通過速度演算手段12により得られた
進行波通過速度をもとに主ロープ1のロープテンション
を演算する調整量演算手段としてのロープテンション演
算手段、15はエレベータの物理的定数値を入力するエ
レベータ定数値入力手段である。
【0029】また、16はエレベータ定数値入力手段1
5で入力した定数値とロープテンション演算手段13で
演算した結果を記憶する記憶手段(メモリ)、17はロ
ープテンション演算手段13で演算した結果を出力する
出力手段、18は進行波検出手段9及び携帯型測定器2
0の内部構成である検出信号増幅手段10、信号濾過手
段11、進行波通過速度演算手段12、ロープテンショ
ン演算手段13、エレベータ定数値入力手段15、記憶
手段16、及び出力手段17等に電力を供給する電源供
給手段(バッテリ)、19は記憶手段16に保持された
データを外部の機器と入出力する外部データ入出力イン
ターフェースである。
【0030】なお、この図2の構成例には、主ロープ張
力調整用シャックルばね6(6a、6bの総称)を締め
付ける主ロープ張力調整用ナット7(7a、7bの総
称)の調整量を演算するばね調整量演算手段14も図示
されていて、進行波通過速度演算手段12、記憶手段1
6、出力手段17と接続されているが、この実施の形態
1では、ばね調整機能はなく、ばね調整量演算手段14
の動作機能については後述する実施の形態2で言及す
る。因に、携帯型測定器20内に上記ばね調整量演算手
段14によるばね調整機能を備える場合に、進行波通過
情報演算手段としての進行波通過速度演算手段12は、
進行波通過情報として後述する進行波往復時間を演算す
る進行波往復時間演算手段となり、上記ばね調整量演算
手段14は、進行波往復時間に基づいて主ロープのロー
プテンション調整用ばねの調整量を演算する。
【0031】上述した構成を備える実施の形態1に係る
エレベータのロープテンション測定装置は、例えば図3
に示すように、高揚程の1:1ローピング式エレベータ
に適用され、主ロープ1に変位加振を加えることにより
進行波を発生させる。すなわち、図3は実施の形態1に
係るエレベータのロープテンション測定装置を高揚程の
1:1ローピング式エレベータに適用したときの測定原
理を表す進行波の進行状況を示す図であり、図3におい
て、21は主ロープ1a、1bを巻き掛け駆動する巻き
上げ機ロープ滑車、22はそらせ車、23はコンペンロ
ープ8a、8bに巻き掛けられたコンペンシーブ、24
はコンペンシーブ23を地表と繋ぐコンペンシーブ用ダ
ンパである。
【0032】また、図4ないし図7は図3で発生した進
行波が主ロープ1を伝播する様子を図示した説明図、図
8は進行波検出手段9で計測した進行波の加速度波形の
一例、図9は従来の振動波測定と進行波測定の相違を表
す説明図である。
【0033】次に動作について上述した図3ないし図9
を参照して説明する。一般に、エレベータのかご2とカ
ウンタウェイト4を吊り下げる主ロープ1には鋼製のワ
イヤロープが用いられる。かご2の重量が重く、かつ昇
降行程が長い高速・高揚程のエレベータでは例えば8か
ら10本の複数本の主ロープ1が用いられることが多
い。巻き上げ機ロープ滑車21で巻き上げられる主ロー
プ1のテンションにアンバランスがある場合、ロープ素
線の磨耗・破断、スランド切れあるいは撚り戻り等、ロ
ープ寿命に悪影響を及ぼすだけでなく巻き上げ機ロープ
滑車21のシーブ溝の早期磨耗にもつながる等の問題が
ある。ひとたび巻き上げ機ロープ溝車21のシーブ溝に
偏磨耗が生じると、昇降行程が長い場合送り出されるロ
ープ長に差が出て、より一層、主ロープ1のテンション
のアンバランスを拡大する。これらは昇降行程に比例し
て顕著となるため、経時変化によるテンションのバラン
スの崩れを直すため定期的なテンション点検と調整が高
揚程エレベータには必要である。
【0034】この実施の形態1による主ロープ1のテン
ション点検調整作業は以下の手順で行う。まず、かご2
上に作業者が搭乗するか、停止階より数メータかご2を
下げた状態で昇降口を開いて、かご2上の主ロープ2a
に、例えば取り付けが容易なかご上1m位の位置に、進
行波検出手段9をロープ軸方向に直交してしっかりと取
り付ける。なお、進行波検出手段9の取り付け位置は作
業の容易な位置に取り付ければ良く、特に制限はない。
次いで、進行波検出手段9を取り付けた主ロープ1を手
で把持して、数センチ程度の変位を瞬発的に加えること
により、主ロープ1に進行波を発生させる。加振後に手
による外乱力を加えて進行波に乱れを加えない限り、主
ロープ1をすぐに手放しまたは手放なさなくても良く、
特に制限はない。
【0035】主ロープ1に発生した進行波は、図3
(a)に示すように、発生した時点では一つであるが、
図3(b)に示すように、加振後すぐに加振点から上下
に二つの孤立波に分離する。図4は、図3のA部の進行
波の分離状態を拡大した図であり、主ロープ1に発生し
た一つの孤立波が順次、同図(a)、(b)、(c)、
(d)へと時間が経過するに連れて下方向への進行波f
1と上方向へ進む進行波f2とに分離していく。上方向
に進んだ進行波f2はやがて巻き上げ機ロープ滑車21
にぶつかり、一方、下方向に進んだ進行波f1はかご2
にぶつかる。実際には、かご2は、主ロープ1のロープ
ソケット5、主ロープ張力調整用シャックルばね6、及
び主ロープ張力調整用ナット7を介してかご枠3に繋が
れており、かご枠3はかご2を防振支持しているが、こ
こでは、これらを略してかご2のみ図示している。ま
た、0は加振点を示している。
【0036】かご2や巻き上げ機ロープ滑車21にぶつ
かった進行波f1及びf2は、そこを境界として反射し
て、進行してきた方向に戻って再度進行する。図5はか
ご2や巻き上げ機ロープ滑車21の進行波の波に直交し
た方向の支持状態が非常にしっかりと固定されていた状
態で、固定端とみなされる状態での進行波の反射を図示
した図の一例である。図5(a)では上から下へ主ロー
プ1を進んでいる進行波f1が実線で示され、反射する
波−f1が点線で示されている。図5(b)で固定端に
進行波がぶつかると、位相が反転した進行波が発生し、
図5(c)、(d)と時間が経過するに連れて位相が反
転した−f1の進行波が反射する。なお、ここでは図示
しないが、反射する状況はロープの固定状態により若干
異なり、進行波は進んできたf1と反射する−f1の波
形は反射を繰り返す毎に若干乱れてくる。
【0037】また、図6は分離した進行波f1及びf2
が移動する行程と距離を図示しており、図6(a)では
上方向に進んだ進行波f2、図6(b)では下方向に進
んだ進行波f1の行程を示している。両者共に、主ロー
プ1を一往復した時点で再度衝突することが分かる。
【0038】さらに、図7は進行波が衝突した際の進行
波の変化を図示した図であり、加振後下方向へ進みかご
2で一回目の反射を行い上方向へ進み巻き上げ機ロープ
滑車21で二回目の反射を行い下方向へ進んできた進行
波f1、加振後上方向へ進み巻き上げ機ロープ滑車21
で一回目の反射を行い、下方向へ進みかご2で二回目の
反射を行い上方向へ進んできた進行波f1が加振点0で
衝突する直前の波形が図7(a)に示される。時間の経
過と共に(b)、(c)、(d)と進行波が変化する。
二つの進行波f1とf2が重なった時点で、図7(d)
に示されるように、f1+f2の大きな振幅となる。こ
の大きな振幅を生じる進行波の衝突は、進行波f1とf
2が主ロープ1を一往復して加振点0に戻ってきた時点
にのみ発生する。
【0039】以上説明したように、昇降行程が長い高速
・高揚程のエレベータでは、主ロープ1に、図24で示
される従来例のように、昇降行程の短い主ロープ1に発
生する定常的な波形(定在波)を発生させることは困難
であり、変位加振により、二つの孤立した進行波が発生
し、この二つが加振点に戻り衝突する時に一番大きい振
幅の進行波が発生することから、この一番大きい振幅を
瞬間的に計測する必要がある。
【0040】図8は、主ロープ1に加えた変位加振によ
り発生した進行波によって発生するロープ水平方向加速
度を、図1に示す進行波検出手段9により測定した波形
の一例である。図8に示されるように、主ロープ1は常
に振動している訳ではなく、進行波が進行波検出手段9
の位置を通過する時点のみ振動し、二つの進行波が一往
復して加振点で衝突したときに最大加速度が発生し、主
ロープ1上で進行波が進行、反射を繰り返す毎に振幅が
次第に減衰することが分かる。また、進行波の通過は瞬
時的であり、応答性の高い進行波検出手段9が進行波の
測定に有効であることが分かる。
【0041】また、この実施の形態1では、主ロープ1
に発生させた進行波を計測する進行波検出手段9の取り
付け位置として、かご2やカウンタウエイト4の上1m
位のところとしていたが、この発明による計測原理は上
述したように進行波が衝突する時点での加速度を計測す
るため、変位加振点と進行波検出手段9の取り付け点が
接近していれば主ロープ1のどの位置でもよく測定位置
は限定されない。
【0042】図9は従来例とこの発明の計測原理に係る
計測精度を比較して説明するものである。図9(a)、
(b)は従来例において主ロープ1の長さが短い場合に
発生する定常的振動(定在波)を振動数検出手段30で
計測する状況を示し、また、図9(c)はこの発明によ
る主ロープ1の進行波を進行波検出手段9で計測する様
子を示した図である。
【0043】図9(a)に示されるように、1次の定常
振動が励起して残留した場合、その波の中間部に振動数
検出手段30をおけば、最大振幅が得られるため振動数
の検出の精度が高い。一方、図9(b)に示すように、
たまたま2次の定常振動が励起して残留した場合、中間
部は振動の節となるため振動数の検出精度が低下する。
これに対し、図9(c)に示すように、この発明の進行
波検出手段9で計測される進行波は主ロープ1上を孤立
して伝わっていくので計測位置によらず精度の高い計測
が可能である。
【0044】上記進行波検出手段9により測定された進
行波の測定波形は、図1に示される携帯型測定器20内
の進行波通過速度演算手段12により進行波通過速度に
変換され記憶手段16に記憶される。1本の主ロープ1
の計測が終了した時点で、進行波検出手段9を次の主ロ
ープ1に取り付けて計測を繰り返すことにより、順次全
本数の主ロープ1の進行波速度を計測する。主ロープ1
の進行波は進行波検出手段9により検出され、図2に示
される携帯型測定器20において、検出信号増幅手段1
0によりその検出信号が電圧として増幅され、増幅され
た進行波信号は信号濾過手段11により雑音の低減やD
Cドリフト成分の除去がなされる。このようにして、前
処理された進行波信号は進行波通過速度演算手段12に
より進行波の通過速度に変換される。変換された進行波
通過速度Vi は次の式(3)で与えられる。
【0045】
【数3】
【0046】ここで、lr は測定時の主ロープ長(かご
2から巻き上げ機ロープ滑車21までの距離)、ti
i番目の主ロープ1の進行波の往復時間、nはロープ本
数である。演算された進行波通過速度Vi は記憶手段1
6に保存される。各ロープのロープテンションTi は上
記のようにして求めた進行波通過速度Vi を基にロープ
テンション演算手段13により次の式(4)で演算され
る。
【0047】
【数4】
【0048】ここで、γr 主ロープ1の単位長さあたり
の重量である。以上のように演算されたロープテンショ
ンTi は記憶手段16に保存される。なお、上記の演算
式の中で用いるエレベータの定数値lr 、γr は予めエ
レベータ定数値入力手段15により入力され、記憶手段
16に保存されており、ロープテンション演算手段13
での演算に用いられる。また、進行波検出手段9の計測
によらず、作業者が時計を用いて進行波往復時間ti
手動でエレベータ定数値入力手段15により入力してロ
ープテンションを演算することも可能である。
【0049】このようにして求められ、記憶手段16に
保持されたロープテンションTiは出力手段17により
出力される。また、外部のパソコンや記憶装置及び出力
装置に記憶手段16の内容を出力する場合は、外部デー
タ入出力インターフェース19を通じてデータ転送を行
う。なお、これらの進行波検出手段9、検出信号増幅手
段10、信号濾過手段11、進行波通過速度演算手段1
2、ロープテンション演算手段13、エレベータ定数値
入力手段15、記憶手段16、出力手段17、外部デー
タ入出力インターフェース19には、携帯型測定器20
に内蔵した電源供給手段(バッテリ)18より電力が供
給されるため、携帯型測定器20は可搬性に優れてお
り、作業時の効率を高めることができる。
【0050】実施の形態2.次に、この発明の実施の形
態2について説明する。この実施の形態2に係るエレベ
ータのロープテンション測定装置の構成は上述した実施
の形態1の構成と基本的に同様である。ただし、図2に
示す携帯型測定器20内の構成において、実施の形態1
で用いたロープテンション演算手段13でロープテンシ
ョンを求める代わりに、または追加機能として、ばね調
整量演算手段14が加わっている。すなわち、携帯型測
定器20内に、進行波通過速度演算手段12を進行波通
過情報である進行波往復時間を演算する進行波往復時間
演算手段として用いると共に、その進行波往復時間をも
とに主ロープ張力調整用シャックルばね6を締め付ける
主ロープ張力調整用ナット7の調整量を演算するばね調
整量演算手段14が備えられている。
【0051】次にこの実施の形態2に係る動作について
説明する。上述した実施の形態1では、ロープテンショ
ン演算手段13によりロープテンションを求め、これを
出力手段17により出力していたが、ロープ点検とその
調整作業に具体的に必要な出力結果はロープテンション
ではなく、主ロープ張力調整用ナット7の調整量△xi
である。ロープテンションが分かっただけでは、主ロー
プ張力調整用ナット7の調整は困難である。全ての主ロ
ープ1の進行波通過速度あるいは進行波往復時間ti
測定された後、進行波通過速度演算手段12で求まる進
行波往復時間ti を用いて、ばね調整量演算手段14に
より主ロープ張力調整用シャックルばね6を締め付ける
主ロープ張力調整用ナット7の調整量△xi を次の式
(5)に基づいて演算する。なお、主ロープ張力調整用
ナット7の調整量はロープテンションTi を求める必要
はない。
【0052】
【数5】
【0053】ここで、ξt は各主ロープ1の進行波の一
往復時間ti の二乗の逆数をロープ本数n本分加算し
て、この加算値を主ロープ1の本数nで割った値で、測
定値から求める値であり、次の式(6)で示される。
【0054】
【数6】
【0055】また、krsは主ロープ張力調整用シャック
ルばね6のばね定数ks と長さlrの主ロープ1のばね
定数kr を直列結合して与えられるばね定数で、式
(7)で与えられ、長さlr の主ロープ1のばね定数k
r は、主ロープ1の縦弾性係数をE、主ロープ1の断面
積をAとすると、式(8)で求められる。
【0056】
【数7】
【0057】
【数8】
【0058】以上のようにして演算された主ロープ張力
調整用ナット7の調整量△xi は記憶手段16に保存さ
れる。なお、上記の演算式の中で用いるエレベータの定
数値n、lr 、ks 、E、Aは予めエレベータ定数値入力
手段15により入力され、記憶手段16に保存されてお
り、ばね調整量演算手段14に用いられる。また、進行
波検出手段9の計測によらず、作業者が時計を用いて進
行波の往復時間を手動で計測しエレベータ定数値入力手
段15により入力することも可能である。以上のように
求められ記憶手段16に保持された主ロープ張力調整用
ナット7の調整量△xi は出力手段17により表示され
る。また、外部のパソコンや記憶装置及び出力装置に記
憶手段16の内容を出力する場合は、外部データ入出力
インターフェース19を通じてデータ転送を行う。
【0059】出力手段17により表示された主ロープ張
力調整用ナット7の調整量に基づき、主ロープ張力調整
用ナット7を作業者が調整し、全本数の主ロープ1のテ
ンションを均一に調整する。なお、以上の説明は、かご
上側主ロープ1aについて説明したが、カウンタウエイ
ト4に接続されたカウンタウエイト側主ロープ1bの場
合についても全く同様であり、かご上側主ロープ1aの
テンション調整後、カウンタウエイト側主ロープ1bの
テンションの調整を行う。かご2側とカウンタウエイト
4側の主ロープ1のテンション全てを調整すれば、テン
ション調整は完了する。さらに必要に応じて、確認のた
めの再計測を行う。なお、以上のように、かご側主ロー
プ1a、カウンタウエイト側主ロープ1bの両者の調整
を行う場合、特に計測・調整するエレベータかご2の停
止位置は限定されない。より簡易的な調整法として、エ
レベータかご2を最下階に停止してロープ長を最大とし
た状態で、かご側主ロープ1aのみのテンション点検と
調整を行う方法もある。
【0060】実施の形態3.次に、この実施の形態3で
は、図1に示す進行波検出手段9として、加速度検出手
段の1つである加速度センサを用いてロープ水平方向
(横方向)加速度を計測する。図8は加速度センサを用
いて計測した進行波の波形の一例である。上述した進行
波発生原理の説明より、進行波は主ロープ1を一往復す
る毎に主ロープ横方向に瞬発的な大きな振幅を生じる。
進行波検出手段9として加速度検出手段の1つである加
速度センサを用いることで、進行波の通過の状況が図8
に示されるように明瞭に検出されることがわかる。
【0061】実施の形態4.次に、この実施の形態4で
は、図10に示すように、図2に示す携帯型測定器20
内に、進行波通過情報演算手段としての進行波通過速度
演算手段12の出力に基づいて進行波の通過を音で知ら
せる進行波通過通告手段36と、調整量演算手段として
のばね調整量演算手段14で演算され記憶手段16に保
持された主ロープ張力調整用ナット7の調整量が設定レ
ベルを越えた場合に調整が必要と判断し警告音で知らせ
る警告音発生手段37とをさらに内蔵する。
【0062】次に動作について説明する。かご上での主
ロープテンション点検・調整作業は、かご上の作業空間
が狭く、また照明環境も良くない。このような状況で効
率的な測定を行うには、音出力による操作指示が有効で
ある。上記実施の形態1、2の機能に加えて、進行波通
過速度演算手段13から進行波の通過を知らせる信号を
出力し、これに接続した進行波通過通告手段36により
音を発生しロープ進行波の通過を作業者に的確に指示す
ることができ、計測の終了を的確に判断できる。また、
ばね調整量演算手段14で演算され記憶手段16に保持
された主ロープ張力調整用ナット7の調整量について
も、複数の主ロープ計測後に演算により得られるロープ
テンション調整用のばね調整量が、規定の目標範囲内を
越えた場合、警告手段37により音で作業者に伝達す
る。以上により作業効率が向上する。
【0063】実施の形態5.次に、この発明の実施の形
態5について図11及び図12を参照して説明する。図
12において、25は主ロープ張力調整用ナット7を回
転した際に主ロープ1が回転して捩れが生ずることを防
ぐための主ロープ回転防止用ワイヤ、38は複数の主ロ
ープ1の並列配列方向と直交する方向に進行波検出手段
9を主ロープ1上に取り付ける取付手段としての取り付
けバンドである。
【0064】上述した実施の形態1及び2では、主ロー
プ1に取り付ける進行波検出手段9の取り付け方向と変
位加振方向を特定していなかったが、図11に示したよ
うに、複数の主ロープ1がかご枠3に取り付けられる場
合、各主ロープ1は非常に近接して取り付けられる。変
位加振を隣り合う主ロープ1の方向へ加えた場合、隣り
合う主ロープ1同士が衝突するため、加えた進行波の他
に外乱的振動が加わり、進行波検出手段9による計測誤
差が増す。
【0065】図11及び図12はこのような主ロープ同
士の衝突を防ぐために、主ロープ1への変位加振を加え
る方向を複数の主ロープ1が並列する方向と直角とし、
進行波検出手段9を取り付けバンド38を用いてロープ
並列方向と直角に取り付けることで、ロープ衝突と計測
誤差を防ぐとともに、取り付けバンド38によりロープ
への着脱を容易にして作業効率を向上させる。なお、主
ロープ1の捩れ回転は主ロープ回転防止用ワイヤ25に
より防がれている。
【0066】実施の形態6.次に、この発明の実施の形
態6について図13を参照して説明する。図13は主ロ
ープ1に発生した進行波加速度波形の(a)時刻歴応
答、(b)パワースペクトル、(c)自己相関関数、
(d)セプストラムの各波形を示す一例である。上述し
た実施の形態1及び2における進行波通過情報演算手段
における速度演算手法の一つとして最大加速度ピーク値
検索法を用いる。最大加速度ピーク値検索法は、図13
(a)の進行波加速度波形の時刻歴応答で、進行波が主
ロープ1を一往復する毎に瞬時的に発生する最大振幅と
なる加速度の時刻を演算し、この時間間隔から進行波往
復時間を求め、上記した式(3)に従い進行波速度を演
算する。その際、往復する時間を複数回測定してその平
均値を求めることで測定誤差を低減し、計測精度の向上
が図られ、この場合、5往復する時間はt5=12.7
7秒である。
【0067】同様に、進行波往復時間推定手法の一つと
してFFT(高速フーリエ変換)によるパワースペクト
ル演算法を用いる。図13(a)の時間波形をFFT演
算により周波数領域に変換すると、(b)の波形が得ら
れ、パワースペクトルのピーク値間隔△f=0.39H
zを読みとり、この逆数が一往復時間T=1/△f=
2.56秒となり、この5倍が5往復時間t5=12.
82秒となる。
【0068】同様に、進行波往復時間推定手法の一つと
して自己相関関数演算法を用いる。図13(a)の時間
波形を自己相関関数演算することで、(c)の自己相関
関数波形が得られる。自己相関関数は基となった時間波
形に含まれる最も主要な時間成分を示すことができ、
(c)の一番目のピーク値このt=2.55秒を読みと
り、この5倍が5往復時間t5=12.75秒となる。
【0069】(d)のセプストラム演算も自己相関関数
演算と同様に基となった時間波形に含まれる最も主要な
時間成分を示すことができ、(c)の一番目のピーク値
このt=2.55秒を読みとり、この5倍が5往復時間
t5=12.75秒となる。
【0070】これらの演算解析手法を用いることで進行
波の往復時間を精度良く推定することができる。ロープ
衝突が生じたり、加振が不適切で進行波の生成が良好で
ない場合でも、(c)自己相関関数演算、(d)セプス
トラム演算を行うことで時間波形に含まれる最も主要な
時間成分を示すことができる。このため、これらの推定
法を進行波往復時間推定手段13に用いることが望まし
いが、(a)、(b)、(c)、(d)の順に演算時間
がかかるため、(c)自己相関関数演算、(d)セプス
トラム演算を行う場合、高速な演算機能を持つ進行波往
復時間推定手段13が必要となり、価格の増加を招く。
価格的問題がある場合は、耐外乱性能が若干低下する
が、(a)の最大加速度ピーク値検索法により進行波往
復時間が推定できる。これらの信号処理法を進行波往復
時間推定手段13の処理能力に応じて用いることで、価
格的にも適切な携帯型測定器20が構成でき、高精度な
進行波往復時間が推定できる。なお、各演算法は公知の
手法であり、詳しいアルゴリズムは省略する。
【0071】実施の形態7.次に、この発明の実施の形
態7について図14を参照して説明する。図14は主ロ
ープ1に発生した進行波の時刻歴応答の、(a)加速度
波形、(b)速度波形、(c)位置波形をそれぞれ示す
一例である。エレベータの種類や変位加振の加え方によ
り、図8の加速度波形とは異なり、図14(a)のよう
な加速度ピーク値が識別しにくい波形が生じる場合もあ
る。この場合、上述した最大加速度ピーク値検索法をそ
のまま用いること測定誤差が増す場合がある。
【0072】このように加速度波形のピーク値が読みと
りにくい場合、信号濾過手段11により検出信号の雑音
を低減させるとともに、図2の信号濾過手段11におい
て、1次のローパスフィルタG(s)による積分器を構
成し、加速度波形を積分することで、一回の積分で図1
4(b)の速度推定波形、二回の積分で図15(c)の
位置推定波形を出力することが可能となり、ピーク値の
検索を容易とすることもできる。
【0073】実施の形態8.上述した実施の形態2で
は、式(3)、(6)に示したように、主ロープ張力調
整用ナット7の調整量△xi の演算に測定時の主ロープ
長(かご2から巻き上げ機ロープ滑車21までの距離)
r を用いていた。しかし、任意の階での測定を行いた
い場合、任意の階でのロープ長を実際のかご上で計測す
ることは困難であり、任意階の計測には不向きである。
また、式(3)に示されるように、主ロープ長lr の二
乗の値が主ロープ張力調整用ナット7の調整量△xi
演算に用いられるため誤差の影響が大きい。一方、かご
2の重量mc 、主ロープ1の単位長さあたりの質量γr
と計測により得られた進行波往復時間ti が与えられれ
ば、計測点での主ロープ長さlr は、重力加速度をgと
すると、次の式(9)で与えられる。
【0074】
【数9】
【0075】ばね調整量演算手段14に上記の式(9)
の機能を備えることで、かご総重量に基づいて任意の停
止位置における主ロープ長さlr を得ることが可能であ
り、式(9)を式(5)、(8)に代入することで、主
ロープ長さlr の値を用いずに主ロープ張力調整用ナッ
ト7の調整量△xi の演算が可能となる。また、式
(9)を式(5)に代入した式では、かご2の重量mc
の誤差は一乗でしか影響しないため、主ロープ長さlr
が二乗で影響するのに比べ誤差の影響が小さくできる。
なお、厳密には、かご2の重量mc に、かご側主ロープ
重量の1/2と搭乗者の重量が加えられたかご総重量を
用いる必要があるが、誤差の影響が小さいため中間階に
おけるかご総重量と最下階でのかご総重量が予め分かれ
ば主ロープ張力調整用ナット7の調整量△xi の演算は
可能であり、任意階のロープ張力調整用ナット7の調整
量△xi の演算にはかご2の重量mcを用いた方が有効
である。
【0076】実施の形態9.次に、この発明の実施の形
態9について図15及び図16を参照して説明する。図
15は主ロープ張力調整用ナット7の調整量△xi の算
出した一例であり、図16は図15の算出例を基に調整
本数を変化した場合、これによる張力のばらつきの変化
を図示した一例である。この発明では式(3)によりロ
ープ張力調整用ナット7の調整量△xi が図15に示す
ように8本の各主ロープ1毎に求まる。全ての主ロープ
張力調整用ナット7を演算された調整量△xi 通りに調
整すれば、全主ロープ1のテンションは均一となるが、
主ロープ張力調整用ナット7の調整に要する作業時間は
一本あたり数分を要し、全本数を調整する場合多大な時
間を要する。
【0077】そのため、何本調整すればどの程度ばらつ
きが納まるかが分かれば、ばらつきの調整目標範囲内で
調整ロープ本数がなるべく少なくなるばね調整量を指示
することができる。ある特定の主ロープ張力調整用ナッ
ト7のみを調整量△xi 通りに調整したときの主ロープ
テンションのばらつきを往復時間で示す場合、調整後の
往復時間ti_newは、ある特定の主ロープ張力調整用ナ
ット7のみを調整量△xi 通りに調整したときの主ロー
プテンションTi_newとすると、式(10)で与えられ
ると共に、このとき、主ロープテンションTi_newは、
式(11)で与えられる。
【0078】
【数10】
【0079】
【数11】
【0080】ここで、xj は主ロープ張力調整用ナット
7を調整した値であり、主ロープ張力調整用ナット7を
調整量△xi 通りに調整したロープについては(△xj
+xj )=0となり、それ以外の調整しないロープにつ
いては(△xj +xj )=xj となる。図15の調整量
で絶対値が大きい順に調整した場合の全主ロープの進行
波往復時間の最大値と最小値を基にばらつきの評価値α
は次式(12)で与えられる。
【0081】
【数12】
【0082】式(12)の値を縦軸に、調整本数を横軸
とした場合の式(12)の変化の状況が図16に示され
る。図16よりα値を4%以下とするためには4本の主
ロープ張力調整用ナット7を調整すれば良いことが分か
る。したがって、ばね調整量演算手段14に、式(1
0)、(11)、(12)の演算機能を追加すること
で、上記α値を評価基準の一つとしてα値が調整目標範
囲内にある調整ロープ本数を求め、ばね調整量の絶対値
が大きい順に該調整ロープ本数のばね調整量を指示する
ことができ、主ロープ張力調整用ナット7の作業時間を
短縮することができる。
【0083】実施の形態10.次に、この発明の実施の
形態10について図17及び図18を参照して説明す
る。図17にいて、テンション調整が不適当であった期
間が長い場合、巻き上げ機ロープ滑車21とそらせ車2
2のシーブ溝に偏磨耗が生じ場合がある。ひとたびシー
ブに偏磨耗が生じると、昇降行程が長い場合、送り出さ
れるロープ長に差が出て、さらに、ロープテンションの
アンバランスを拡大する。これらは昇降行程に比例して
顕著である。
【0084】このため、主ロープ1のテンション点検時
に、シーブ溝の偏磨耗量の計測が必要な場合がある。そ
のためには、図17に示すように、エレベータのかご2
を昇降階数の中間階と3/4階に停止して、かご側主ロ
ープ1aの図中丸1の位置と図中丸3の位置におけるテ
ンション計測をすることで可能である。同様に、カウン
タウエイト側主ロープ1bの図中丸4の位置と図中丸2
の位置におけるテンション計測をすることで可能であ
る。
【0085】計測により求まった中間階でのかご側主ロ
ープ張力調整用ナット7aの調整量を△x1/2C=(△x
1,・・・,△xnt 1/2C 、3/4階でのかご側主ロー
プ張力調整用ナット7aの調整量を△x3/4C=(x1
・・・,△xnt 3/4C 、中間階でのカウンタウエイト
側主ロープ張力調整用ナット7bの調整量を△x1/2W
(△x1,・・・,△xnt 1/2W 、3/4階でのカウン
タウエイト側主ロープ張力調整用ナット7bの調整量を
△x3/4W=(△x1,・・・,△xnt 3/4W とする。こ
こで、添字tはベクトルの転置を表す。このとき、かご
側主ロープ張力調整用ナット7aの調整量から求めたシ
ーブ溝の偏磨耗量を△rc 、カウンタウエイト側主ロー
プ張力調整用ナット7bの調整量から求めたシーブ溝の
偏磨耗量を△rW で表すと、これらシーブ溝の偏磨耗量
は次式(13)及び(14)で与えられる。
【0086】
【数13】
【0087】
【数14】
【0088】ここで、Rは巻き上げ機ロープ滑車21と
そらせ車22によるシーブの等価半径、lm は中間階か
ら3/4階へのかご2の移動距離を示し、また、ここで
示すシーブ溝の偏磨耗量は、巻き上げ機ロープ滑車21
とそらせ車22を合わせた偏磨耗量であり、両者の偏磨
耗量△rc と△rW は理想的には一致する。
【0089】上記式(13)、(14)をばね調整量演
算手段14に組み込み、これを基に求めたシーブ溝の偏
磨耗量の一例である図18からも明らかなように、偏摩
耗量△rC と△rW はほぼ一致することが分かる。偏磨
耗量は最大で0.2mm程度であることが分かる。この
偏磨耗量を参考に、巻き上げ機ロープ滑車21とそらせ
車22のシーブ溝の再調整する評価基準が得られ、高度
な品質管理を可能にできる。
【0090】すなわち、ばね調整量演算手段14に、主
ロープ上の異なった測定点間において演算されたばね調
整量の差に基づいて主ロープ1を巻き掛け駆動する巻き
上げ機ロープ滑車21のシーブ偏摩耗量を算出する偏摩
耗量演算手段を内蔵させて、出力手段17から演算され
た偏摩耗量を出力することで、高度な品質管理を可能に
できる。
【0091】実施の形態11.次に、この発明の実施の
形態11について図19を参照して説明する。上述した
実施の形態1及び2や実施の形態8で、主ロープ張力調
整用ナット7の調整量を求めるには、定数値として主ロ
ープ長またはかご総重量のいずれかが必要であっが、こ
れらの値には多少の誤差が含まれることが多い。進行波
検出手段9を2個同時に主ロープに取り付けることで、
これらの定数値無しに主ロープ張力調整用ナット7の調
整量の算出が可能となる。
【0092】すなわち、図19に示すように、主ロープ
1上に△lの間隔を置いて進行波検出手段9aと9bの
2個を取り付け、手による変位加振を主ロープ1に加え
る。これにより、主ロープ1上に進行波が発生するが、
その通過時の最大加速度ピーク値をこれら2個の進行波
検出手段9a、9bで測定すると、進行波の通過時刻に
差があるため、ピーク値の発生する時刻が△t秒ほどず
れる。このときの主ロープ張力調整用ナット7の調整量
△xi は次式(15)で与えられる。
【0093】
【数15】
【0094】以上の式(15)をばね調整量演算手段1
4に組み込み、これを基に主ロープ張力調整用ナット7
の調整量の演算を可能にでき、定数値の誤差の影響を低
減した、高精度な計測ができる。つまり、ばね調整量演
算手段14を、主ロープ1上の異なった測定点間の間隔
とそれら測定点における進行波のロープ通過時刻のずれ
とに基づいて主ロープのロープテンション調整用ばねの
調整量を演算するように構成することにより、定数値の
誤差の影響を低減した、高精度な計測ができる。
【0095】実施の形態12.次に、図20はこの発明
の実施の形態12を説明するための構成図で、図1と対
応部分には同一符号を付して説明を省略する。また、図
21は主ロープ1に発生した走行時の主ロープ振動の加
速度波形を3本の主ロープについて計測した一例であ
る。上述した実施の形態1では、作業者により主ロープ
1に変位加振を加え進行波を発生させていたが、エレベ
ータの走行時には巻き上げ機ロープ滑車21の駆動モー
タの回転むらや主ロープ1と巻き上げ機ロープ滑車21
とのメカニカルな接触等によって巻き上げ機ロープ滑車
21によるランダムな加振が加わり、主ロープに大きな
振動が発生するので、このロープ振動を解析することで
ロープテンションの計測が可能である。
【0096】図21に示される波形はエレベータの上昇
時のかご2上の主ロープ1の水平方向加速度であり、約
10m/s2 の大きなレベルの加速度が発生している。
ロープ長はかご2の上昇に比例して短くなり、短くなる
比率は全ての主ロープ1で同じである。この波形に実施
の形態6などの信号処理を用いることで、ある特定ロー
プ長での相対的なテンションの比較を行い、これを基に
主ロープ張力調整用ナット7の調整量を算出することが
可能である。
【0097】すなわち、図2に示す実施の形態1と同様
に、エレベータの走行時に主ロープに生じるロープ振動
を検出する加速度センサでなる振動検出手段と、この振
動検出手段からの出力に基づいて主ロープのロープテン
ションまたはロープテンション調整用ばねの調整量を演
算する演算手段と、この演算手段による演算結果を出力
する出力手段とを備えることにより、主ロープに発生す
る大きな振動を解析することでロープテンションまたは
ばね調整量の計測が可能となる。
【0098】実施の形態13.次に、図22はこの発明
の実施の形態13を説明するための構成図で、エレベー
タの起動時から停止時までのかご上下方向加速度と主ロ
ープ1の水平方向加速度を測定した一例であり、また、
図23は図22のA部の拡大図で、かご停止時後に残留
した主ロープ1の水平方向加速度である。上述した実施
の形態12では、エレベータの走行時のロープ振動を解
析することでロープテンションの計測を行ったが、かご
停止状態から起動したときの主ロープ1の水平方向加速
度またはかご走行状態から停止した後に残留した主ロー
プ1の水平方向加速度を用いることでもロープテンショ
ンの計測が可能である。
【0099】例えば図23に示されるかご2の停止後の
残留した主ロープ1の水平方向加速度波形に、実施の形
態6などの信号処理を用いることで、相対的なテンショ
ンの比較を行い、これを基に主ロープ張力調整用ナット
7の調整量を算出することが可能である。
【0100】すなわち、図2に示す実施の形態1と同様
に、エレベータの停止状態から起動した時または走行状
態から停止した時の主ロープに生じるロープ振動を検出
する加速度センサでなる振動検出手段と、この振動検出
手段からの出力に基づいて主ロープのロープテンション
またはロープテンション調整用ばねの調整量を演算する
演算手段と、この演算手段による演算結果を出力する出
力手段とを備えることにより、主ロープに発生する大き
な振動を解析することでロープテンションまたはばね調
整量の計測が可能となる。
【0101】なお、以上の各実施の形態では、高揚程の
1:1ローピング式のエレベータの場合を例示したが、
図24に示す2:1ローピング式エレベータ、油圧エレ
ベータ、低揚程のエレベータであっても同様にロープテ
ンションの点検調整が可能である。
【0102】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、かご
及びカウンタウエイトを吊り下げる主ロープのテンショ
ンを測定するエレベータのロープテンション測定装置に
おいて、上記主ロープに加える変位により該主ロープ上
に発生する孤立波である進行波を検出する進行波検出手
段と、この進行波検出手段からの出力に基づいてロープ
テンション調整量を演算して出力する携帯型測定器とを
備えたので、進行波の検出に基づき高揚程のエレベータ
にも適した高精度なテンション測定ができる効果があ
る。また、上記進行波検出手段として、加速度検出手段
を用い、進行波が主ロープを一往復する毎に主ロープの
水平方向に生じる進行波加速度の最大振幅の検出に基づ
いて進行波の通過状況を検出するようにしたので、主ロ
ープに発生する進行波を高感度で高精度にかつ容易に計
測することができると共に、小型軽量なセンサが利用可
能であり、ロープ取り付け作業を容易に実現できる。ま
た、複数の主ロープの並列配列方向と直交する方向に上
記進行波検出手段を取り付け固定する取付手段を備えた
ので、エレベータの主ロープ同士の衝突により発生する
外乱振動の発生を抑制する効果がある。
【0103】また、上記携帯型測定器は、上記進行波検
出手段からの出力に基づいて該進行波の通過情報を演算
する進行波通過情報演算手段と、この進行波通過情報演
算手段により演算された進行波通過情報に基づいてロー
プテンション調整量を演算する調整量演算手段と、調整
量演算結果を出力する出力手段とを内蔵したので、瞬発
的に加えた変位により発生する主ロープ上の進行波を検
出し、その検出信号に基づいて主ロープの進行波通過情
報を演算し、さらにその進行波通過情報に基づいて効率
的なロープテンション調整量を高精度に演算して出力す
ることができる。また、上記携帯型測定器は、上記進行
波検出手段からの出力を信号濾過して加速度ピーク値が
識別容易な波形を上記進行波通過情報演算手段に出力す
る信号濾過手段をさらに内蔵したので、進行波検出手段
の出力を信号濾過手段で前処理することで、進行波検出
手段の測定ノイズも低減でき、さらに積分機能を持たせ
てロープ速度と変位も得られ、進行波通過情報の計測誤
差を低減して測定精度を向上する効果がある。また、上
記携帯型測定器は、上記進行波通過情報演算手段の出力
に基づいて進行波の通過を音で知らせる進行波通過通告
手段をさらに内蔵したので、進行波の通過を音で知らせ
ることができ、したがって、計測の良否を作業者が容易
に判断でき、作業環境が暗く狭いかご上での点検作業に
おいて作業者に的確な指示が与えられ、作業効率を向上
できる効果がある。また、上記携帯型測定器は、上記調
整量演算手段の出力に基づいて調整量が設定レベルを越
えた場合に警告音を発生する警告音発生手段をさらに内
蔵したので、複数のロープ調整量のばらつきが目標調整
範囲を越えた場合に警告音を発生することができ、した
がって、計測の良否を作業者が容易に判断でき、作業環
境が暗く狭いかご上での点検作業において作業者に的確
な指示が与えられ、作業効率を向上できる効果がある。
また、上記携帯型測定器は、上記進行波検出手段及び測
定器の内部構成に電源供給する電源供給手段を内蔵した
ので、可搬性に優れたものとすることができ、作業時の
効率を高めることができる。
【0104】また、上記進行波通過情報演算手段は、最
大加速度ピーク値検索法、高速フーリエ変換によるパワ
ースペクトラム演算法、自己相関関数演算法、またはセ
プストラム演算法のいずれかに基づいて進行波往復時間
を推定し進行波通過速度を演算するようにしたので、進
行波の通過とその伝播往復時間を精度良く測定できる効
果がある。また、上記進行波通過情報演算手段は、上記
進行波検出手段からの出力に基づいて進行波通過速度を
演算する進行波通過速度演算手段でなると共に、上記調
整量演算手段は、上記進行波通過速度に基づいて主ロー
プのロープテンションを演算するロープテンション演算
手段でなり、上記出力手段は、ロープテンション演算結
果を出力するようにしたので、進行波の検出に基づいて
進行波通過速度と主ロープのロープテンションを高精度
にかつ効率的に測定することができる。また、上記進行
波通過情報演算手段は、上記進行波検出手段からの出力
に基づいて進行波往復時間を演算する進行波往復時間演
算手段でなると共に、上記調整量演算手段は、上記進行
波往復時間に基づいて主ロープのロープテンション調整
用ばねの調整量を演算するばね調整量演算手段でなり、
上記出力手段は、ばね調整量演算結果を出力するように
したので、進行波の検出に基づいて進行波往復時間と主
ロープのロープテンション調整用ばねの調整量を高精度
にかつ効率的に測定することができ、調整に必要のない
ロープテンションの演算も不要になるという効果があ
る。
【0105】また、上記ばね調整量演算手段は、かご総
重量に基づいて任意の測定個所での主ロープの長さを演
算し、演算された主ロープの長さに基づいて主ロープの
ロープテンション調整用ばねの調整量を演算するように
したので、測定個所でのロープ長さの値を必要とせず、
任意位置での測定が可能となる。また、上記ばね調整量
演算手段は、主ロープ上の異なった測定点間の間隔とそ
れら測定点における進行波のロープ通過時刻のずれとに
基づいて主ロープのロープテンション調整用ばねの調整
量を演算するようにしたので、ロープ長やかご総重量な
どによらず高精度な測定が可能となる。また、上記ばね
調整量演算手段は、演算されたばね調整量にしたがって
調整した場合の全主ロープの進行波の往復時間を演算す
ると共に、それら往復時間の最大値と最小値に基づいた
ばらつきの評価値を演算し、演算された評価値が調整目
標範囲内にある調整ロープ本数を求め、ばね調整量の絶
対値が大きい順に該調整ロープ本数のばね調整量を指示
するようにしたので、作業時間の最もかかるばね調整の
本数を低減できる効果がある。また、上記ばね調整量演
算手段は、主ロープ上の異なった測定点間において演算
されたばね調整量の差に基づいて主ロープを巻き掛け駆
動する巻き上げ機ロープ滑車のシ−ブ偏磨耗量を算出す
る偏磨耗量演算手段を内蔵し、上記出力手段は、偏摩耗
量演算結果を出力するようにしたので、巻き上げ機滑車
のシ−ブ偏磨耗量を算出でき、シーブ交換・調整の目安
と時期を与えることが可能である。
【0106】らに、かご及びカウンタウエイトを吊り
下げる主ロープのテンションを測定するエレベータのロ
ープテンション測定装置において、エレベータの停止状
態から起動した時または走行状態から停止した時に主ロ
ープに生じるロープ振動を検出する振動検出手段と、こ
の振動検出手段からの出力に基づいて主ロープのロープ
テンションまたはロープテンション調整用ばねの調整量
を演算する演算手段と、この演算手段による演算結果を
出力する出力手段とを備えたので、エレベータの停止状
態から起動した時または走行状態から停止した時にロー
プに作業者が変位加振を加えずにかご上とカウンタウェ
イトの複数本数の主ロープの張力のばらつきを効率的に
測定できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1及び2を示すエレベ
ータかご部とカウンタウエイトでの高揚程エレベータの
ロープテンション測定装置の使用状況を示す斜視図であ
る。
【図2】 この発明の実施の形態1及び2の携帯型測定
器の内部構成を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1を1:1ローピング
式エレベータに適用したときの測定原理を表す進行波の
進行状況を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1で発生した進行波が
主ロープを伝播する様子を図解した説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1で発生した進行波が
主ロープを伝播する様子を図解した説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態1で発生した進行波が
主ロープを伝播する様子を図解した説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態1で発生した進行波が
主ロープを伝播する様子を図解した説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態1及び3で発生した進
行波の加速度波形の一例を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態1を説明する図で、従
来例において主ロープの長さが短い場合に発生する定常
的振動を振動数検出手段で計測する状況と本発明による
主ロープの進行波を進行波検出手段で計測する様子を比
較して示した図である。
【図10】 この発明の実施の形態4の携帯型測定器の
内部構成を示す構成図である。
【図11】 この発明の実施の形態5に係る進行波検出
手段の取り付け部付近を示す上面図である。
【図12】 この発明の実施の形態5に係る進行波検出
手段の取り付け部付近を示す正面図である。
【図13】 この発明の実施の形態6を示す主ロープ1
に発生した進行波加速度波形の時刻歴応答、パワースペ
クトル、自己相関関数、セプストラムの波形の一例を示
した図である。
【図14】 この発明の実施の形態7を示す主ロープ1
に発生した進行波の時刻歴応答、加速度波形、速度波
形、位置波形の一例を示した図である。
【図15】 この発明の実施の形態9を示す主ロープ張
力調整用ナット7の調整量の算出の一例を示した図であ
る。
【図16】 この発明の実施の形態9を示すロープ調整
本数を変化した場合のテンションのばらつきの変化を示
した図である。
【図17】 この発明の実施の形態10を示すエレベー
タ全体のテンション点検位置を示す縦断面図である。
【図18】 この発明の実施の形態10を示すエレベー
タのシーブ溝の偏磨耗量の測定例を表す図である。
【図19】 この発明の実施の形態11を示す概略図で
ある。
【図20】 この発明の実施の形態12示す正面図であ
る。
【図21】 この発明の実施の形態12の一例を示すロ
ープ水平方向加速度波形の波形図ある。
【図22】 この発明の実施の形態13を示すかご上下
方向加速度とロープ水平方向加速度波形の波形図ある。
【図23】 この発明の実施の形態13を示すロープ水
平方向加速度波形の部分拡大図である。
【図24】 従来のエレベータのロープ張力測定装置を
2:1ローピング式エレベータに適用した状態を示す縦
断面図である。
【図25】 従来のエレベータのロープ張力測定装置の
要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 主ロープ、1a かご側主ロープ、1b カウンタ
ウエイト側主ロープ、2 かご、3 かご枠、4 カウ
ンタウエイト、5 ロープソケット、5a かご側ロー
プソケット、5b カウンタウエイト側ロープソケッ
ト、6 主ロープ張力調整用シャックルばね、6a か
ご側主ロープ張力調整用シャックルばね、6b カウン
タウエイト側主ロープ張力調整用シャックルばね、7
主ロープ張力調整用ナット、7a かご側主ロープ張力
調整用ナット、7b カウンタウエイト側主ロープ張力
調整用ナット、8 コンペンロープ、9 進行波検出手
段、11 信号濾過手段、12 進行波通過速度演算手
段、13 ロープテンション演算手段、14 ばね調整
量演算手段、16 記憶手段、17 出力手段、18
電源供給手段、20 携帯型測定器、21 巻き上げ機
ロープ滑車、36 進行波通過警告手段、37 警告音
発生手段、38 取付手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−209109(JP,A) 特開 平5−105349(JP,A) 特開 平5−180713(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/04 - 5/10 B66B 5/02 B66B 5/12 B66B 7/12 G01L 1/00

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 かご及びカウンタウエイトを吊り下げる
    主ロープのテンションを測定するエレベータのロープテ
    ンション測定装置において、上記主ロープに加える変位
    により該主ロープ上に発生する孤立波である進行波を検
    出する進行波検出手段と、この進行波検出手段からの出
    力に基づいてロープテンション調整量を演算して出力す
    る携帯型測定器とを備えたことを特徴とするエレベータ
    のロープテンション測定装置。
  2. 【請求項2】 上記進行波検出手段として、加速度検出
    手段を用い、進行波が主ロープを一往復する毎に主ロー
    プの水平方向に生じる進行波加速度の最大振幅の検出に
    基づいて進行波の通過状況を検出することを特徴とする
    請求項1記載のエレベータのロープテンション測定装
    置。
  3. 【請求項3】 複数の主ロープの並列配列方向と直交す
    る方向に上記進行波検出手段を取り付け固定する取付手
    段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のエ
    レベータのロープテンション測定装置。
  4. 【請求項4】 上記携帯型測定器は、上記進行波検出手
    段からの出力に基づいて該進行波の通過情報を演算する
    進行波通過情報演算手段と、この進行波通過情報演算手
    段により演算された進行波通過情報に基づいてロープテ
    ンション調整量を演算する調整量演算手段と、調整量演
    算結果を出力する出力手段とを内蔵したことを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベータのロ
    ープテンション測定装置。
  5. 【請求項5】 上記携帯型測定器は、上記進行波検出手
    段からの出力を信号濾過して加速度ピーク値が識別容易
    な波形を上記進行波通過情報演算手段に出力する信号濾
    過手段をさらに内蔵したことを特徴とする請求項4記載
    のエレベータのロープテンション測定装置。
  6. 【請求項6】 上記携帯型測定器は、上記進行波通過情
    報演算手段の出力に基づいて進行波の通過を音で知らせ
    る進行波通過通告手段をさらに内蔵したことを特徴とす
    る請求項4または5記載のエレベータのロープテンショ
    ン測定装置。
  7. 【請求項7】 上記携帯型測定器は、上記調整量演算手
    段の出力に基づいて調整量が設定レベルを越えた場合に
    警告音を発生する警告音発生手段をさらに内蔵したこと
    を特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載のエレ
    ベータのロープテンション測定装置。
  8. 【請求項8】 上記携帯型測定器は、上記進行波検出手
    段及び測定器の内部構成に電源供給する電源供給手段を
    内蔵したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    に記載のエレベータのロープテンション測定装置。
  9. 【請求項9】 上記進行波通過情報演算手段は、最大加
    速度ピーク値検索法、高速フーリエ変換によるパワース
    ペクトラム演算法、自己相関関数演算法、またはセプス
    トラム演算法のいずれかに基づいて進行波往復時間を推
    定し進行波通過速度を演算することを特徴とする請求項
    4ないし8のいずれかに記載のエレベータのロープテン
    ション測定装置。
  10. 【請求項10】 上記進行波通過情報演算手段は、上記
    進行波検出手段からの出力に基づいて進行波通過速度を
    演算する進行波通過速度演算手段でなると共に、上記調
    整量演算手段は、上記進行波通過速度に基づいて主ロー
    プのロープテンションを演算するロープテンション演算
    手段でなり、上記出力手段は、ロープテンション演算結
    果を出力することを特徴とする請求項4ないし9のいず
    れかに記載のエレベータのロープテンション測定装置。
  11. 【請求項11】 上記進行波通過情報演算手段は、上記
    進行波検出手段からの出力に基づいて進行波往復時間を
    演算する進行波往復時間演算手段でなると共に、上記調
    整量演算手段は、上記進行波往復時間に基づいて主ロー
    プのロープテンション調整用ばねの調整量を演算するば
    ね調整量演算手段でなり、上記出力手段は、ばね調整量
    演算結果を出力することを特徴とする請求項4ないし9
    のいずれかに記載のエレベータのロープテンション測定
    装置。
  12. 【請求項12】 上記ばね調整量演算手段は、かご総重
    量に基づいて任意の測定個所での主ロープの長さを演算
    し、演算された主ロープの長さに基づいて主ロープのロ
    ープテンション調整用ばねの調整量を演算することを特
    徴とする請求項11記載のエレベータのロープテンショ
    ン測定装置。
  13. 【請求項13】 上記ばね調整量演算手段は、主ロープ
    上の異なった測定点間の間隔とそれら測定点における進
    行波のロープ通過時刻のずれとに基づいて主ロープのロ
    ープテンション調整用ばねの調整量を演算することを特
    徴とする請求項11記載のエレベータのロープテンショ
    ン測定装置。
  14. 【請求項14】 上記ばね調整量演算手段は、演算され
    たばね調整量にしたがって調整した場合の全主ロープの
    進行波の往復時間を演算すると共に、それら往復時間の
    最大値と最小値に基づいたばらつきの評価値を演算し、
    演算された評価値が調整目標範囲内にある調整ロープ本
    数を求め、ばね調整量の絶対値が大きい順に該調整ロー
    プ本数のばね調整量を指示することを特徴とする請求項
    11ないし13のいずれかに記載のエレベータのロープ
    テンション測定装置。
  15. 【請求項15】 上記ばね調整量演算手段は、主ロープ
    上の異なった測定点間において演算されたばね調整量の
    差に基づいて主ロープを巻き掛け駆動する巻き上げ機ロ
    ープ滑車のシ−ブ偏磨耗量を算出する偏磨耗量演算手段
    を内蔵し、上記出力手段は、偏摩耗量演算結果を出力す
    ることを特徴とする請求項11ないし14のいずれかに
    記載のエレベータのロープテンション測定装置。
  16. 【請求項16】 かご及びカウンタウエイトを吊り下げ
    る主ロープのテンションを測定するエレベータのロープ
    テンション測定装置において、エレベータの停止状態か
    ら起動した時または走行状態から停止した時に主ロープ
    に生じるロープ振動を検出する振動検出手段と、この振
    動検出手段からの出力に基づいて主ロープのロープテン
    ションまたはロープテンション調整用ばねの調整量を演
    算する演算手段と、この演算手段による演算結果を出力
    する出力手段とを備えたことを特徴とするエレベータの
    ロープテンション測定装置。
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