JP3187033B2 - カメラの自動焦点調節装置 - Google Patents

カメラの自動焦点調節装置

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JP3187033B2 JP5014090A JP5014090A JP3187033B2 JP 3187033 B2 JP3187033 B2 JP 3187033B2 JP 5014090 A JP5014090 A JP 5014090A JP 5014090 A JP5014090 A JP 5014090A JP 3187033 B2 JP3187033 B2 JP 3187033B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、カメラの自動焦点調節装置、詳しくはカ
メラ等の撮影レンズの自動焦点調節装置に係わり、特
に、フォーカス群の光軸方向の繰出量と、焦点調節動作
のための駆動部材の駆動量が非直線的な関係を有するレ
ンズの自動焦点調節装置に関するものである。
[従来の技術] フォーカス群の光軸方向の繰出量とフォーカス群を駆
動するための駆動部材の駆動量が非直線的な関係を有す
るレンズとしては、例えば、同じ被写体距離に対応する
フォーカス群の無限遠位置からの光軸方向の繰出量が、
設定されている焦点距離によって異なっているバリフォ
ーカル光学系を有するズームレンズがある。
このような光学系では、同一の被写体距離に対して、
ズーミングによる焦点距離の変化に伴ってピント面の移
動が生じる。このピントのずれを補正するためには、ズ
ーミングに伴いフォーカス群の光軸方向の繰出量を適切
な量へ変化させなければならない。そして、このような
ズーミングによるピントの移動を補正した上記光学系の
駆動方式としては、焦点距離によって異なるフォーカス
群の光軸方向の必要な繰出量を一つの関数で近似させ、
焦点距離に応じて、この関数の使用範囲を変えるという
方式の距離環が提案されている。
しかし、このようなレンズの駆動量をピントのずれか
ら直接求めることは困難である。即ち、距離カムを使用
してピント合わせを行う場合、距離環の回転角とフォー
カス群の光軸方向の移動量が比例関係にならないため、
ピントずれを距離環の回転角、つまりフォーカス群の焦
点調節のための駆動量であるが、その角度に変換できな
かった。更に、レンズの繰出量によって、或いは、ズー
ミングによって関数の使用範囲も変化し、そのためにピ
ントのずれを焦点調節のためにフォーカス群の駆動量に
変換することはますます困難なことである。
そこで、このような欠点を除去するために、各焦点距
離情報と各繰出量とピントずれの情報(デフォーカス
量)によって合焦に必要な焦点調節のための駆動量を記
憶手段にデータテーブルとして記憶しておき、各検出量
に応じて駆動量を設定することで、焦点調節を可能にす
る方法が特開昭64−59311号公報によって提案されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] ところが、この特開昭64−59311号公報に開示されて
いる方法では、膨大な記憶容量を持つ記憶手段が必要に
なり現状では実現させることが難しい。
本発明の目的は、このような状況に鑑み、フォーカス
群の駆動量とフォーカス群の光軸方向の繰出量が非直線
形の関係を持つ光学系において、簡単な構成でピントの
ずれを駆動量に変換することができるカメラの自動焦点
調節装置を提供するにある。
[課題を解決するための手段および作用] 第1A図〜第1C図は、本発明の概念を示したものであ
る。本発明のカメラの自動焦点調節装置は、その基本構
成を第1A図に示すようにフォーカス群の繰出量と、この
フォーカス群を駆動する駆動部材の駆動量との関係が非
線形な撮影レンズと、この撮影レンズによる結像面とカ
メラの所定結像面とのずれ方向およびずれ量を検出し、
それらをずれ情報として出力するずれ情報検出手段と、
このずれ情報に基づいて、上記フォーカス群を合焦位置
に移動するための繰出方向および繰出量を決定するフォ
ーカス群ずれ情報決定手段と、上記フォーカス群の基準
位置からの繰出量を検出する繰出量検出手段と、上記フ
ォーカス群ずれ情報決定手段の出力と、上記繰出量検出
手段の出力と、所定の演算式とに基づいて所定の演算を
実行して、上記フォーカス群を合焦位置に移動するため
の、上記駆動部材の駆動量を決定する演算手段とを具備
したことを特徴とするものである。
[作 用] この自動焦点調節装置では、撮影レンズ5を通過した
被写体光の結像面とフィルム面との光軸方向のずれ方向
・ずれ量を検出するずれ情報検出手段1の出力信号を、
この出力信号に基づいて、撮影レンズ5のフォーカス群
の光軸方向の合焦位置と現在ある位置とのずれを演算し
て決定するフォーカス群情報決定手段2によってフォー
カス群の合焦点との光軸方向のずれ方向・ずれ量を示す
信号に変換する。更に、フォーカス群の現在の繰出位置
と上記フォーカス群の光軸方向のずれ方向・ずれ量の情
報とから、合焦に必要なフォーカス群の駆動量を決定す
るフォーカス群駆動量演算手段3において演算し、フォ
ーカス群駆動量として出力する。つまり、ピントずれを
フォーカス群の駆動量に変換する際に、まず、フォーカ
ス群の合焦点の光軸方向のずれの情報を求め、その後、
フォーカス群の駆動量を求める。
また、同じ被写体距離に対応するフォーカス群の無限
遠位置からの光軸方向の繰出量が、設定されている焦点
距離によって異なっているバリフォーカル光学系を有す
るズームレンズにおいて、フォーカス群の光軸方向の繰
出量を補正するために焦点距離によって異なるフォーカ
ス群の光軸方向の必要な繰出量を一つの関数で近似させ
焦点距離に応じて、この関数の使用範囲を変えているレ
ンズ等に関しては、第1B図に示すように、焦点距離調節
光学系5aからの情報を検出する焦点距離情報検出手段6
を設け、その出力である設定焦点距離情報に基づいて、
上記フォーカス群ずれ情報決定手段2において、ずれ情
報検出手段1の出力信号を、上記設定されている焦点距
離情報に応じたフォーカス群の光軸方向のずれ方向・ず
れ量を示す信号に変換する。
また、上記のようなズームレンズの場合、第1C図に示
すように、第1B図と同様に、焦点距離情報検出手段6を
設け、その出力である設定焦点距離情報に基づいて、上
記フォーカス群駆動量演算手段3において、上記設定さ
れている焦点距離情報と繰出量検出手段4からのフォー
カス群の現在の繰出位置信号に応じて、フォーカス群の
光軸方向のずれ方向・ずれ量を示す信号をフォーカス群
駆動量に変換する。
更にまた、上記のようなズームレンズの距離カムの形
状を決める式(関数)については、被写体の距離とその
距離に対するフォーカス群の光軸方向の繰出量の関係が
一次の双曲線関数によく近似できることから双曲線関数
に設定する方が誤差が少なくなる。特に、距離カムの式
をレンズのワイド端をθ=0、至近方向・テレ方向をθ
がプラス、カムのリフト量をZ、A0・B0を距離カム式の
定数として、 Z=B0/(A0+θ) 或いは、 Z=B0/(A0+θ)−B0/A0 とすることでフォーカス群駆動量演算手段3における演
算が、簡単に精度良く求めることができる。
[実 施 例] 以下、本発明を、AF機能を有しレンズ交換式カメラに
適用した実施例について説明する。
第2図は、本発明が適用されるカメラシステムの電源
供給を主体として見た全体のブロック図である。電源電
池11の電圧VCCは電源スイッチ12の閉成時にDC/DCコンバ
ータ13により昇圧され、ラインl0,l1間が電圧VDDに定電
圧化されている。ラインl0,l1間にメインCPU14,バイポ
ーラII回路15,バイポーラI回路16,ストロボ性御回路1
7,レンズ固有データ回路18a,レンズ固定データ回路18b,
データバック回路19が接続されており、バイポーラII回
路15の電源供給制御はメインCPUのパワーコントロール
回路からの信号により行われ、バイポーラI回路16〜デ
ータバック回路19の電源供給制御はバイポーラII回路15
からのパワーコントロール信号により行なわれる。
合焦センサ20,A/Dコンバータ21,AF用CPU22からなるAF
ブロックは電源制御用トランジスタ23を介してライン
l0,l1間に接続されており、このAFブロックに対する電
源供給制御はメインCPU14のAF用パワーコントロール回
路からの信号による上記トランジスタ23のオン,オフ制
御により行なわれる。AF用CPU22はAF用アルゴリズム演
算を行なうための回路で、合焦・非合焦の表示を行なう
AF表示回路24が接続されている。メインCPU14は巻上、
巻戻、露出シーケンス等カメラ全体のシーケンスをコン
トロールするための回路で、上記合焦表示以外の表示を
行なう表示回路25を接続されている。バイポーラII回路
15は巻上、巻戻用モータ制御、レンズ駆動およびシャッ
タ制御等、カメラのシーケンスに必要な各種ドライバを
含む回路で、AFモータ駆動回路26およびAF補助光回路27
等が接続されている。バイポーラI回路16は主として測
光をつかさどる回路であり、測光素子28を有している。
ストロボ制御回路17は内蔵、或いは外付けされたストロ
ボ29に対する発光制御を行なうためのものである。レン
ズ固有データ回路18aは、交換レンズ毎に異なる、AF、
測光、その他のカメラ制御に必要な、固有のレンズデー
タを記憶した回路である。このレンズ固有データ回路18
aに入っているレンズデータのうちAFに必要なデータと
しては、レンズ変倍係数(最適AF係数)、マクロ識別信
号、絶対距離係数a,b,パワーフォーカスデューティ係
数,倍率係数,AF精度スレッショルドETh,レンズ移動方
向,開放F値等である。これらのデータは必要に応じ
て、設定されている焦点距離の情報により読み出される
記憶部が変更され、データが切換られる。レンズ固定デ
ータ回路18bは、交換レンズ毎には異ならない固定した
演算に必要なデータを記憶した回路である。またレンズ
固有データ回路18a,レンズ固定データ回路18bのデータ
は、それぞれカメラ内のメインCPU14またはAF用CPU22等
のメモリ内に記憶するようにしても良い。
上記バイポーラII回路15では電源電圧VDDの状態を監
視しており、電源電圧が規定電圧より低下したときメイ
ンCPU14にシステムリセット信号を送り、バイポーラII
回路15〜データバック回路19の電源供給、並びに、合焦
センサ20,A/Dコンバータ21およびAF用CPU22からなるAF
ブロックの電源供給を断つようにしている。メインCPU1
4への電源供給は規定電圧以下でも行なわれる。
第3図はAFブロックを中心とした信号の授受を示す系
統図であり、AF用CPU22とメインCPU14はシリアルコミュ
ニケーションラインでデータの授受を行ない、その通信
方向はシリアルコントロールラインにより制御される。
このコミュニケーションの内容としては、レンズ固有デ
ータ回路18a内の固有のレンズデータや、絶対距離情報
である。また、メインCPU14からAF用CPU22にカメラのモ
ード(AFシングルモード/AFシーケンスモード/パワー
フォーカス(以下、PFと略記する)モード/その他のモ
ード)の各情報がモードラインを通じてデコードされ
る。さらに、メインCPU14からAF用CPU22へのAFENA(AF
イネーブル)信号はAF,PFの各モードのスタートおよび
ストップをコントロールする信号であり、AF用CPU22か
らメインCPU14へのEOFAF(エンドオブAF)信号はAF,PF
モードでの動作終了時に発せられ露出シーケンスへの移
行を許可する信号である。
また、バイポーラII回路15はAF用CPU22からのAFモー
タコントロールラインの信号をデコードし、AFモータ駆
動回路26をドライブする。AFモータ駆動回路26の出力に
よりAFモータ(レンズ駆動モータ)31が回転すると、レ
ンズ鏡筒の回転部材に等間隔に設けられたスリット32が
回転し、同スリット32の通路を挟んで発光部33aと受光
部33bとを対向配置させてなるフォトインタラプタ33が
スリット32をカウントする。即ち、スリット32とフォト
インタラプタ33はレンズ移動量検出部34を構成してお
り、同移動量検出部34から発せられたアドレス信号(ス
リット32のカウント信号)は波形整形されてAF用CPU22
に取り込まれる。
AF用CPU22からバイポーラII回路15に送られるサブラ
ンプ(以下、Sランプと略記する)信号はAF補助光回路
27をコントロールする信号で、被写体がローライト(低
輝度),ローコントラストのときSランプ27aを点灯す
る。
AF用CPU22に接続されたAF表示回路24は合焦時に点灯
する合焦表示用LED(発光ダイオード)24aと、合焦不能
時に点灯する合焦不能表示用LED24bを有している。な
お、このAF用CPU22にはクロック用発振器35,リセット用
コンデンサ36が接続されている。
また、上記AF用CPU22とA/Dコンバータ21はバスライン
によりデータの授受を行ない、その伝送方向はバスライ
ンコントロール信号により制御される。そして、AF用CP
U22からA/Dコンバータ21にセンサ切換信号、システムク
ロック信号が送られるようになっている。そして、A/D
コンバータ21は例えば、CCDからなる合焦センサ20に対
しCCD駆動クロック信号、CCD制御信号を送り、合焦セン
サ20からCCD出力を読み出し、この読み出したアナログ
値のCCD出力をディジタル変換してAF用CPU22に送る。
次に、本発明の自動焦点調節装置を有するカメラに取
り付けらている撮影レンズ光学系を、第11図によって説
明する。この撮影レンズ光学系は、カメラ本体に固定さ
れていても良いし、或いは、交換可能になっていても構
わない。また光学系は、本実施例に述べるものに限らず
カメラの撮影用のレンズであれば何でも構わない。
この撮影レンズ光学系は、同じ被写体距離に対応する
フォーカス群の無限遠位置からの光軸方向の繰出量が、
設定されている焦点距離によって異なっている5群から
なるズームレンズ構成されている。即ち、レンズL1〜L3
からなる第1群,L4〜L7からなる第2群,L8〜L10からな
る第3群,L11〜L14からなる第4群およびL15,L16からな
る第5群のレンズ光学系で構成されており、この第11図
に示す状態は最大の焦点距離を持つテレ端での状態を示
している。
このズームレンズはテレ側は焦点距離131.5044mmであ
り、ワイド側は36.2932mmである。
次の第2表は、上記各レンズ群の焦点距離・主点位置
・群の厚さのデータを示したものである。
このズームレンズ光学系は、ズーミング操作により第
1群レンズから第4群レンズの位置が変化し、第5群レ
ンズは移動しないように固定されている。また、各レン
ズ群の間隔の変化は一定ではなく、その変化する間隔
を、第11図に示すように、第1−第2群間隔をD1、第2
−第3群間隔をD2、第3−第4群間隔をD3、第4−第5
群間隔をD4として、焦点距離毎の各群の間隔データを第
3表に示す。
また、この第3表には、ズーム操作量のデータも記し
てある。このズーム操作量は、このレンズのズームのた
めのズーム環の操作量(回転量)である。このズームレ
ンズのワイドからテレの状態までのズーム環の全操作量
は73.5度である。この第3表のズーム操作量は、ワイド
を基準として表してある。ズーム環の操作によって光学
系の位置が変更され、それぞれ表に示してある焦点距離
になる。この焦点距離は無限遠状態のものである。
また、このレンズの焦点調節は第1群と第2群を同じ
量だけ光軸に沿って移動させることで行われる。第3表
に示した各焦点距離毎のフォーカス群の、被写体距離に
応じた繰出量を第4表に示す。
この第4表に示すように、被写体距離は無限遠から1.
2mである。至近1.2mの場合、ワイドでは0.58934mmの繰
出量であるのに対し、テレでは2.66037mmの繰出量が必
要である。
つまり、このズームレンズでは、ズーミング操作によ
り変化する焦点距離によって、同一の被写体距離に対応
するフォーカス群の光軸方向の繰出量が異なる。そし
て、そのために、ズーミングピント移動も起きる。この
ため、焦点距離によって異なる繰出量を一つの関数で近
似させ、設定される焦点距離に応じて、この関数の使用
範囲を変更することでズーミングピント移動を補正す
る。この繰出に使用される距離カム関数は、レンズのワ
イド端をθ=0、至近方向・テレ方向をθがプラス、A0
・B0を上記距離カム関数の定数とすると、θのときの関
数値Z(θ)は、 Z(θ)=B0/(A0+θ)−B0/A0 ………(1) で表され、定数A0・B0がズーミングピント移動を無くす
ように最適化されている。最適化のために、各焦点距離
毎の被写体距離(1.2m)に応じたフォーカス群の繰出量
と、焦点距離に応じた上記関数の使用範囲の変更量(7
3.5度)と、上記被写体距離に応じた上記関数の使用範
囲(36.75度)とが使用されている。つまり、ワイドの
無限遠に対応するθは0度であり、至近1.2mでは36.75
度、テレの無限遠に対応するθは73.5度、テレの至近1.
2mではθは110.25度になる。このときの、最適化された
距離カム関数の定数は、 A0=−160.877879(角度単位系) B0=−320.240186(角度単位系) である。第12図に、この距離カム関数による形状が示し
てある。実線の曲線で描いてあるラインが距離カムの形
状である。ライン上の○印は各焦点距離での至近1.2mで
の繰出位置である。図中のXA、XBで示されている値が距
離カム定数A0とB0である。また、図中のS、 で示されている値は、それぞれ誤差の平方和と誤差の平
均値である。このように、上記の方法で決定した距離カ
ムによると被写体距離1.2mの場合のズーミングによるフ
ォーカス群の繰出量のずれは、平均的には0.00001mm程
度になる。
また、実際にこのレンズ系の駆動に用いられる駆動パ
ルスは距離カムの角度36.75度に対して1406.4パルスに
する。このパルスを用いた単位系では、上記の最適化さ
れた距離カム関数の定数A0、B0は、 A0=−6156.698050(駆動パルス単位系) B0=−12255.396077(駆動パルス単位系) となる。
次に、上記第3表に示した各焦点距離(36.2932〜13
1.5044)での被写体距離に応じたピントのずれのデータ
を一覧にしてデフォーカステーブルとして以下の第5表
に示す。被写体距離は、無限遠(表中では99999.99mmで
示してある)、8000mm、6000mm、4000mm、3000mm、2000
mm、1600mm、1200mmである。横軸は各被写体距離に応じ
たレンズの繰出位置を、縦軸はレンズがにらむ被写体の
距離を表している。
そして、第13図と第14図に、それぞれワイド(焦点距
離36.293mm)とテレ(焦点距離131.504mm)での、上記
第5表に示したピントずれと、このピントずれ(d)が
発生したときにフォーカス群を移動させ、合焦させるの
に必要なフォーカス群の繰出量(L)のグラフを示す。
このグラフ中、○印が上記第5表に示したピントずれの
データと合焦に必要なフォーカス群の繰出量を示してい
る。実線のラインは、このピントずれ(d)と合焦に必
要なフォーカス群の繰出量(L)の関係を、(d)と
(L)のデータを用いて最小自乗法により最適化された
最適AF係数A、B、Cを用いて、 L={B}−{A・B/(A+d)}+{C・d}………
…(2) の近似式で表したものである。この近似式と実際に必要
な繰出量との誤差は、ワイドで行き過ぎ・行き足らず
共、0.0001mm以下である。テレでは、行き過ぎ・行き足
らず共、0.001mm程度である。焦点距離毎に、最適化さ
れた最適AF係数A、B、Cを第6表に示す。
次に、第15図によってピントのずれをフォーカス群を
合焦させるための駆動量に変換するアルゴリズムについ
て説明する。
この部分は、第1図のフォーカス群ずれ情報決定手段
2とフォーカス群駆動量演算手段3に相当する。
まず、ピントのずれ方向・ずれ量を検出するずれ情報
検出手段1からのピントずれ情報(d)を、最適AF演算
部7(フォーカス群ずれ情報決定部)において焦点距離
検出手段9が検出した焦点距離情報に適したレンズの固
有データ記憶回路部18a内の最適AF係数A、B、Cを用
いて、フォーカス群の合焦に必要な光軸方向の移動量
(L)に変換する。ピントずれ情報(d)の単位[m
m]、フォーカス群の必要な移動量の単位を[mm]とす
ると、上記第6表の係数と上記の式(2)を用いて
(L)を求めることができる。
その後、距離環回転量演算部(フォーカス群駆動量演
算手段)8において、上記フォーカス群の合焦に必要な
光軸方向の移動量Lの情報を、上記レンズの固有データ
記憶回路部18a内、あるいは演算プログラム中に即値で
書き込まれている距離カム関数の定数A0、B0と距離カム
関数とから、AFのための距離環の回転量(フォーカス群
駆動量)に変換演算する。このときの演算式は、第16図
に示すように、 S1:ズーミングによる距離カムの回転量 S2:測距時のレンズの繰出のための距離カムの使用量 P :AFのための距離環の回転量 L :フォーカス群の合焦に必要な光軸方向の移動量 x0:合焦予定位置での距離カムの全リフト量 x1:S1による距離カムのリフト量 x2:S2による距離カムのリフト量 とすると、 L=x0−(x1+x2) また、距離カム関数式(1)より、 x0=B0/(A0+S1+S2+P)−B0/A0 x1=B0/(A0+S1)−B0/A0 x2+x1=B0/(A0+S1+S2)−B0/A0 ∴L=B0/(A0+S1+S2+P)−B0/(A0+S1+S2) ∴P=B0/(L+(B0/(A0+S1+S2)))−(A0+S1+S2) として、AFのための合焦に必要な距離環の回転量を求め
る演算式が導かれる。
距離カムの式は、上記(1)式の代わりに、 Z(θ)=B0/(A0+θ) を用いても同様の結果が得られる。
上記の(S1)のズーミングによる距離カムの回転量
は、上記第12図に示してあるズーム操作量である。これ
は、第15図に示したように焦点距離情報に応じてレンズ
の固有データ記憶部から引き出しても良いし、あるいは
検出する焦点距離情報が距離カムに回転量に応じたもの
であれば、そのまま、または演算して求めてもよい。角
度をフォーカス群の位置を示すパルス単位系で表すため
には、第3表のデータに、単位回転角当たりのパルス数
(本実施例では1406.4パルス/36.75度)を乗じればよ
い。
本実施例の光学系はズームレンズであるから、演算の
ためには焦点距離情報が必要になっている。特に、同一
の距離の被写体に応じたフォーカス群の繰出量が焦点距
離によって異っているズームレンズであり、この特性を
補正する機構が組み込まれているので、更に演算のため
の係数やデータに、焦点距離やフォーカス群の繰出量に
応じた値が必要になる。このように、この部分の演算は
各レンズの特性に合わせて設定すればよい。肝心なこと
は、ピントのずれの情報を合焦に必要なフォーカス群の
駆動量を求める演算であることである。
次にピントを合わせようとしている被写体の絶対距離
を算出するアルゴリズムについて説明する。
まず、前述のフォーカス群駆動量演算手段からの信号
とフォーカス群が現在停止している繰出位置の信号とか
ら、理想的な合焦状態になるフォーカス群の基準位置か
らの繰出量(x)を求める。
このように、本実施例では、フォーカス群の合焦繰出
位置と現在の繰出位置のずれとしてのフォーカス群駆動
量演算手段からの信号と、フォーカス群が現在停止して
いる基準位置(本実施例では無限遠位置)からの繰出位
置の信号とを用いて、理想的に被写体に合焦するフォー
カス群の基準位置からの繰出量を予測演算し、その値を
用いて被写体の絶対距離を求める。
次に、本発明の自動焦点調節装置を有するカメラの上
記第3図に示したAFブロックを中心とするマイクロコン
ピュータのプログラム動作のフローチャートを説明す
る。AFブロックは、第2図に示したように、メインCPU1
4のAF用パワーコントロール回路を動作状態にすること
によってトランジスタ23がオンして電源電圧VDDが供給
され、これによって、第4図に示すパワーオン・リセッ
トのルーチンの実行を開始する。
このパワーオン・リセットルーチンが開始されると、
まず、<I/Oイニシャライズ>のサブルーチンでAFブロ
ックの駆動回路のイニシャライズが行なわれる。具体的
には、AF表示回路24,AFモータ駆動回路26およびAF補助
光回路27等のオフ並びにメインCPU14とのシリアルコミ
ュニケーションラインのイニシャライズ等が行なわれ
る。
次に、<モード・リード>のサブルーチンで、メイン
CPU14からのモードラインの信号(モード信号)を読み
出し、いかなるレンズ駆動モードを実行するかを判断し
たのち、<タイマ>のルーチンで一定時間を経て、再度
<モード・リード>のルーチンを経てモードの切換時点
を読み取っている。そして、モードの切換えが完了する
までは最初の<モード・リード>に戻る。<モード・リ
ード>のサブルーチンを<タイマ>を挟んで2回通過す
るようにしているのは、モード切換時点での読み取りの
誤動作を防止するためである。
モードの切換えが確実に行なわれて切換前と切換後の
モードが同一になったとき、その切換後のモードを読み
取って各モードのサブルーチンへ移行する。即ち、レン
ズ駆動の各モードとしては、<レンズリセット>,<PF
(パワーフォーカス)>,<AFSIN(AFシングル)>,
<AFSEQ(AFシーケンス)>の各モードがあり、これら
のモードのうちの1つが選ばれると、この選択されたモ
ードのサブルーチンを実行したのち上記<I/Oイニシャ
ライズ>のルーチンへ戻る。<レンズリセット>,<PF
>,<AFSIN>,<AFSEQ>のいずれのモードも選択され
ず、<その他>のモードが選ばれたときなどは、これは
単なるノイズとみなされて、<タイマ>のルーチンで一
定時間の経過後上記<I/Oイニシャライズ>へ戻る。
ここで、<レンズリセット>モードの動作は、レンズ
を強制的に無限遠(∞)の位置まで繰り込み、これによ
って、相対的距離信号、即ち、合焦センサ20から出力さ
れる測距出力信号を無限遠(∞)の位置からのパルス移
動数に置き換えて絶対距離信号に変換しようとするため
のイニシャライズ動作、即ち、絶対距離カンウタのクリ
ア動作である。<レンズリセット>が選択された場合、
この絶対距離カウンタのクリアのあと、例えば5ms経っ
てからI/Oイニジャライズ動作に戻る。また、<PF>モ
ードとは、レンズの距離環を手動ではなく、レンズ駆動
モータ31によって駆動し、レンズのフォーカシング動作
をマニュアルのピント合せ又はフォーカスエイドを用い
て実施しようとするものである。さらに詳しく言えば、
後述するPFUP(アップ)用操作スイッチSW1,PFDN(ダウ
ン)用操作スイッチSW2のオン,オフによってレンズの
繰り出し、繰り込みが行なわれることになる。また、<
AFSIN>のモードの動作は、ワンショットAF動作であ
り、被写体に対してAF動作後にフォーカスロックするも
のである。さらに、<AFSEQ>モードは、連続AFであ
り、このモードでは、レリーズ釦の1段目を動作しつづ
ける限りAF動作を連続的に行なうことになる。
ところで、レンズ駆動の各モードに関する操作スイッ
チとしては、下記の第1表に示すように、4つの操作ス
イッチSW1〜SW4が用いられる。
上記第1表に示す第1,第2の操作スイッチSW1,SW2はA
FモードとPFモードで共通に用いられるものであり、第
3の操作スイッチSW3はオフのときAFモード,オンのと
きPFモードが選択される。AFモードで第1,第2の操作ス
イッチSW1,SW2がともにオフのときレンズリセットモー
ドとなり、ともにオンのときAFSEQモードとなり、第1
の操作スイッチSW1がオフ,第2の操作スイッチSW2がオ
ンのときAFSINモードとなる。PFモードで第1,第2の操
作スイッチSW1,SW2がともにオフ,又はともにオンのと
きはストップモードにあり、第1の操作スイッチSW1
オンのときはモータによって距離環を近距離側に回転さ
せてレンズを繰り出すPFUP(アップ)モードとなり、第
2の操作スイッチSW2がオンのときは距離環を遠距離側
に回転させてレンズを繰り込むPFDN(ダウン)モードと
なる。また第4の操作スイッチSW4は、AFモードのうち
のいずれのモードでオン、オフのいずれの状態にあって
も、また、PFモードのうちのストップモードでオン,オ
フのいずれの状態にあっても変化はないが、PFモードで
オンのときHI(高速)モードとなり、レンズ駆動モータ
31が高速回転し距離環の粗動が行なわれ、オフのときLO
(低速)モードとなり、モータ31(第3図参照)が低速
回転して距離環の微動が行なわれる。
次に、各レンズ駆動モードの動作について第5〜9図
のフローチャートを用いて説明する。
<AFSIN>のモードが選択された場合は、第5図に示
す<AFSIN>のルーチンが実行され、メインCPU14からの
AFENA信号が“H"レベル(アクティブ)になっているか
否かを検出する。レリーズ釦の第1段目の動作でAFENA
信号がアクティブになってAF動作が開始され、<AFSIN2
>のサブルーチンが呼び出される。但し、レリーズ釦の
第2段目の動作が受け付けられるのは、AF動作が終了し
て合焦状態が得られ露出シーケンスが開始されるときで
ある。<AFSIN2>では、後述するように、合焦センサ20
のCCD積分,測距出力の演算およびレンズの駆動等が行
なわれる。そして、この<AFSIN2>のAF動作の結果であ
る合焦,非合焦の表示は、<AFSIN2>の動作の後、AFス
テータスフラグを監視して行なわれる。AFステータスフ
ラグはローコンフラグ(被写体がローコントラストのと
き“1"にセットされるフラグ、以下、LCフラグと略記す
る)、移動フラグ(被写体が移動しているとき“1"にセ
ットされるフラグ、以下、Mフラグと略記する)および
最至近フラグ(レンズを最至近距離以上に繰り出そうと
したときに“1"にセットされるフラグ、以下Nフラグと
略記する)を有しており、これらのうち、いずれのフラ
グとも“0"のとき合焦が可能であり、上記各フラグのう
ち何らかのフラグが立つと合焦不能であるので、AFステ
ータスフラグの監視の結果、同AFステータスフラグが
“0"であれば合焦OKの表示を前記AF表示回路24のLED24a
によって行ない、AFステータスフラグが“0"でなければ
合焦不能の表示を前記LED24bによって行なう。そして、
合焦でなければ、AFENA信号が“L"レベルになるまで待
機し、“L"レベルとなるとリターンする。合焦であれ
ば、EOFAF信号が発せられてAF動作が終了し、メインCPU
14にレリーズ釦の2段目の動作、即ち、露出シーケンス
の開始を待機する状態となる。そして、AFENA信号のチ
ェックが行なわれる。つまり、一度合焦が終了すると、
AFENA信号がアクティブになっていても、その後のレン
ズ動作が禁止され合焦表示のLED24aが点灯したままとな
り、フォーカスロック状態となる。メインCPU14からのA
FENA信号が“L"レベル(インアクティブ)になったとき
は第4図に示すパワーオン・リセットのフローの初期動
作にリターンする。
上記<AFSIN>のモードの動作中、<AFSIN2>のサブ
ルーチンのプログラム動作は第6図に示すようにして行
なわれる。まず、前回の測距演算値(前回の合焦センサ
20の出力パルス)と今回の測距演算値(今回の合焦セン
サ20の出力パルス)とほ比較のためにRETRY(リトラ
イ)フラグがクリアされ、AFループカウンタに一連のAF
動作における最大測距回数がセットされる。このあと、
ある明るさ以上では確実にCCD積分が行なわれるよう
に、ITIMEレジスタにCCD積分時間の最大値がセットされ
る。そして、AFステータスフラグがクリアされ、Sラン
プフラグもクリアされる。ここまでのフローの動作でAF
開始前のイニシャライズ動作が終了する。このあと、<
レンズ・リード>のルーチンが呼び出され、前記レンズ
固有データ回路18aに入っているレンズ内の各データが
読み出されたのち、測距のための<AF>のルーチンが呼
び出される。この<AF>のサブルーチン内では、CCD積
分時にSランプ27aを点灯させる必要があるか否かが判
断され、点灯する必要がある場合にはSランプフラグが
セットされ、必要ない場合にはクリアされる。また、ロ
ーライトフラグ(被写体がローライトのとき“1"にセッ
トされるフラグ,以下、LLフラグと略記する)、LCフラ
グがセット或いはクリアされる。
今、<AF>の測距動作後、LLフラグ,LCフラグのいず
れもクリアされた状態にあるときは、<パルス>のルー
チンを呼び出し、レンズ駆動量が計算される。
この<パルス>のルーチンでは、第7A図,第7B図に示
すように上記<AF>ルーチンで求められたAF(測距)演
算出力値を各撮影レンズ毎のフォーカス群の駆動量に変
換するために、必要なレンズの固有のデータ(最適AF係
数A、B、Cと焦点距離に応じた距離カムの回転量の情
報)を固有データ回路18aから設定されている焦点距離
に応じて読み出す。次に、読み取った最適AF係数とAF演
算出力値によりフォーカス群の現在位置から合焦予定位
置のフォーカス群の光軸方向の駆動量に関する情報を演
算する。その後、設定されている焦点距離に応じた距離
カムの回転量とフォーカス群の現在位置の情報と上記フ
ォーカス群の光軸方向の移動量の情報から非直線形の距
離カムの形状を考慮したフォーカス群の駆動量に相当す
るパルス(アドレス信号)数(LPLS)が計算される。
次に、上記<パルス>のサブルーチンで現在位置から
合焦予定位置までの移動量に相当するパルス数(LPLS)
を求めた後、レンズを合焦状態に駆動する前に、被写体
の絶対距離や撮影倍率を求める<OBJDATA>のサブルー
チンを実行する。
第8図は、上記<OBJDATA>のサブルーチンのフロー
チャートである。図において、撮影レンズを移動する方
向が無限遠端より至近端に向かう<繰出し方向>か否か
がチェックされる。<繰出し方向>なら、絶対距離カウ
ンタにセットされている撮影レンズのフォーカス群の現
在位置における無限遠端からのパルス数(DISCNT)に、
上記<パルス>のルーチンで求めた現在位置から被写体
の合焦予定位置までの移動量に相当するパルス数(LPL
S)を加算して、被写体の合焦予定位置の無限遠端から
のパルス数(OBJPLS)に格納する。<繰出し方向>でな
ければ、つまり繰込み方向なら現在位置における無限遠
端からのパルス数(DISCNT)から、現在位置から合焦予
定位置までの移動量に相当するパルス数(LPLS)を減算
し、この減算結果を合焦予定位置の無限遠端からのパル
ス数(OBJPLS)に格納する。この減算結果が負となる、
つまり<ボロー>が出たら、合焦予定位置は無限遠端よ
り更に無限遠寄りとなるが、これは取りも直さず無限遠
端なので、<OBJPLS←0>つまり合焦予定位置の無限遠
端からのパルス数(OBJPLS)を0に設定する。こうすれ
ば、測距精度を向上することもできる。
このように繰出し方向,繰り込み方向に応じて加算ま
たは減算して得られた合焦予定位置における無限遠端か
らのパルス数(OBJPLS)は、<絶対距離係数a,b、およ
び倍率係数読出し>のルーチンでレンズ固有データ回路
18aより読み出された設定されている焦点距離に応じた
絶対距離係数a,bにより、<OBJDIST←OBJPLS,絶対距離
係数>のルーチンで演算され、被写体距離(OBJDIST)
が求められる。また、上記の合焦予定位置における無限
遠端からのパルス数(OBJPLS)は、上記<絶対距離係数
a,b、および倍率係数読出し>のルーチンでレンズ固有
データ回路18aより読み出された設定されている焦点距
離に応じた倍率係数により、<OBJMUL←OBJPLS,倍率係
数>のルーチンで演算され、被写体の撮影倍率(OBJMU
L)が求められる。ところで、上記<絶対距離係数a,b、
倍率係数読出し>のルーチンでレンズ固有データ回路18
aから読出した絶対距離係数a,bや倍率係数は、焦点距離
やマクロ域においてそれに応じて選択或いは補正演算し
て使用することも可能である。そして、これらの被写体
距離(OBJDIST)と撮影倍率(OBJMUL)は、<OBJDIST,O
BJMUL通信>のルーチンにおいてメインCPU14に向けて送
信される。
メインCPU14では<OBJDIST,OBJMUL受信>で受け取っ
た被写体距離(OBJDIST)と倍率(OBJMUL)を用いて<
ストロボのパララックス補正>や<オートズーム>が必
要か否かを判断する。必要なら<ストロボのパララック
ス補正>や<オートズーム駆動>のためのズーミングの
演算を行なう。CPU14は、この演算結果に基づいてパラ
ラックス補正のためのアクチュエータやズームアクチュ
エータの駆動を、後述する焦点調整のためのレンズ駆動
と平行して行なう。
このように本発明では、合焦までのレンズ駆動量と現
在のレンズの繰出量から理想的な合焦状態のときになる
であろうレンズの繰出位置を求めて、レンズ駆動前に被
写体が合焦した場合の絶対距離,撮影倍率を演算する。
このあと、上記AF演算出力値(ERROR)と、レンズ固
有データ回路18aより読み出したAF精度スレッショルドE
Thとを比較し、上記AF演算出力値(ERROR)がAF精度ス
レッショルドEThよりも大きければ、へ進み、RETRYフ
ラグの判別を行なう。1回目のAF動作では、RETRYフラ
グが“0"であることからRETRYフラグのセットが行なわ
れたあと、上記駆動パルス数がセーブされる。そして、
2回目以降のAF動作ではRETRYフラグがセットされてい
るので、今回の駆動パルス数と前回の駆動パルス数とが
比較される。このとき、前回パルス数に比較して今回パ
ルス数の方が移動量だけ少なめになっていれば、レンズ
駆動により合焦点に近づいたことになるので、次のレン
ズ駆動では、さらに、より一層近づくであろうというこ
とになり、前回パルスに代って今回パルスがセーブさ
れ、<MDRIVAF>のルーチンを呼び出し、レンズ駆動を
行なう。また、絶対距離カウンタに距離環の無限遠
(∞)位置からの駆動パルス数がセットされる。
前回パルスと今回パルスとの比較を行なう目的は、AF
シーケンス全体の発散動作を防ぐことにある。両者を比
較する仕方としては、(今回パルス数):(前回パルス
数×0.5),或いは(今回パルス数):(前回パルス数
×1.5)等が考えられる。AFシーケンスの系が発散状態
にありそうなときは被写体移動中にAF動作を行なわせる
ことが考えられるので、この場合には、速やかにレンズ
駆動を中止し、AF動作の無駄を防ぐためにMフラグをセ
ットしてリターンする。
上記<MDRIVAF>によってレンズ駆動が行なわれたの
ち、AFループカウンタのセットされたAF動作の測距回数
値から1を減じる。そして、この結果、AFループカウン
タの値が0になっていない場合は、ITIMEレジスタに積
分時間をセットし、そして、AFENA信号がアクティブ
(つまり、レリーズ釦の1段目の動作がオン)になって
いるとき、次回のAF動作のために、に戻る。こうし
て、−間のAF動作が繰り返し行なわれる毎にAFルー
プカウンタの値が1回ずつ減じられていくことにより、
次第に合焦点に近づくことになるが、AFループカウンタ
の値が0になってもAF演算出力値(ERROR)が上記AF精
度スレッショルドEThよりも小さくならないときは合焦
不能であるとしてMフラグがセットされることになる。
上記−間のAF動作の結果、ERROR<EThになると、
つまり上記AF演算出力値(ERROR)がピント誤差範囲内
になると、AFステータスフラグをクリアして合焦状態に
至ったことを示し、リターンする。
ここで、上記<AF>の動作後、もし、LLフラグ或いは
LCフラグがセットされていれば、Sランプフラグの状態
がテストされる。このとき、Sランプフラグが事前に
“1"にセットされていれば、AFのための積分動作中にS
ランプ27aが点灯していたにもかかわらずローライト、
ローコントラストの状態になったことになるので、この
場合は、再度LCフラグをテストし、ローコントラストの
場合のみ<レンズNF(合焦不能)>のルーチンを呼び出
し、合焦不能の積極的表示を行なう。即ち、この<レン
ズNF>のルーチンでは、まず、レンズを一旦、最至近位
置まで繰り出したのち、無限遠(∞)位置まで繰り込ま
せ、このレンズの大幅な移動によって積極的に合焦不能
をユーザに知らせる。なお、合焦不能を表わすレンズ動
作としては無限遠(∞)位置から最至近位置へ繰り出す
動作であってもよい。また、この<レンズNF>では、無
限遠(∞)位置に当て付くことにより、レンズ距離環の
無限遠(∞)位置からの駆動パルス数(移動アドレス信
号数)をセーブするための絶対距離カウンタのイニシャ
ライズが行なわれる。もし、ローコントラストでなけれ
ば、ローライトでありながらAFの演算が行なわれたこと
になるので、この場合は、に戻る。
また、Sランプフラグが事前にクリアされていたとき
には、以前にはSランプ27aが消灯していたことになる
ので、LLフラグ、或いはLCフラグがセットされている場
合は、Sランプフラグをセットし、に進む。従って、
2回目以降のAF動作でSランプ27aが点灯することにな
る。
また、被写体が移動している、つまり動体の場合、そ
の被写体距離を複数回測定すれば、被写体の運動の速度
を求めることも可能で、AF駆動の際に、被写体の運動量
を加味して、動体に追従したAFが可能となる。この複数
回のAFは、AF駆動をはさんで行なわれてもよい。また動
体の動きを予測し、ミラーアップ等の時間の遅れを予測
しAF駆動を行なう場合の予測駆動量を設定することもで
きる。
第9図は、このような動体を追尾してAFする際のサブ
ルーチン<AFSIN2A>のフローチャートで、前記第6図
に示したサブルーチン<AFSIN2>のフローチャート中の
動体追尾に関連したルーチンのみを抽出して示したもの
である。図において、前記第6図で既に説明したルーチ
ンについては、その説明を省略して変更ルーチンの説明
のみに止める。
第9図において、<AF>,<パルス>,<OBJDIST>
等サブルーチンで信号処理されて得られた被写体距離
(OBJDIST)と撮影倍率(OBJMUL)との情報は、<合焦
判定>のルーチンで合焦状態にあるか否かが判定され、
合焦状態の情報なら前記第5図に示すフロー<AFSIN>
のサブルーチン(AFSIN2>の次に<リターン>する。ま
た、非合焦なら<1回目のAF>か否かを判定するルーチ
ンに進み、1回目のAFなら<MDRIVAF>へ、1回目のAF
でない、つまりAFが複数回行なわれていれば、<前回OB
JDIST−今回OBJDIST>を求めてその大きさを判定するル
ーチンへ進む。この<前回OBJDIST−今回OBJDIST>のル
ーチンで求められた被写体距離情報(OBJDIST)の前回
情報と今回情報との差が大きい場合は<パルス補正>し
て、十分に小さい場合は直接、<MDRIVAF>のルーチン
に進む。次いで、<予測AFか>を判定するルーチンに進
んで、動体追尾の目的が、動体を追尾して被写体距離を
求めると共にAFが終了してから実際に撮影するまでの間
に動体が移動しているであろう位置を予測してその予測
位置にピント合わせする予測AFなら、これ以上のAFを行
なっても無駄なので、前記第5図に示す<AFSIN>のフ
ロー中のサブルーチン<AFSIN2>の次のルーチンに<リ
ターン>する。また、<予測AF>でなければ<前回OBJD
IST←OBJDIST>のルーチンに進んで、今回求められた被
写体距離(OBJDIST)の情報を、前回得られた被写体距
離(OBJDIST)情報を格納するメモリエリアに格納した
上で、上記<AF>のサブルーチンに戻り、合焦判定され
るまで上記動作を繰返すことになる。
以上述べた実施例では、絶対距離係数a,bや倍率係数
のように演算に必要なレンズ固有のデータは、レンズ固
有データ回路18a内に記憶されており、読み出されて使
用されたが、このレンズに固有なデータは、レンズが固
定されているカメラ等においては、プログラム中に即値
として書き込んでおけば、記憶回路を省略できることは
言うまでもない。
また、以上述べた実施例では、AFの合焦判定の以前に
被写体の絶対距離や撮影倍率を求めていたが、第10図に
示すように合焦判定後にのみ<OBJDATA>のルーチンを
実行するようにしても、理想合焦位置に応じた被写体の
絶対距離と撮影倍率を求めることができる。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、フォーカス群の繰
出量と、このフォーカス群を駆動する駆動部材の駆動量
とが非線形な撮影レンズにおいて、フィルム面でのピン
トずれ量と、フォーカス群の基準位置からの繰出量と、
必要に応じてズーミング位置とを求め、これらに基づい
て所定の演算を実行し、フォーカス群を駆動する駆動部
材の駆動量を直接的に求めているから、簡単な構成によ
り合焦精度を高めることが容易なカメラの自動焦点調節
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1A図〜第1C図は、本発明のカメラの自動焦点調節装置
の概念図、 第2図は、本発明が適用されるカメラシステムの電源供
給を主体とする電気回路のブロック図、 第3図は、上記第2図中のAFブロックを中心とした信号
の授受を示すブロック系統図、 第4図〜第10図は、上記第3図に示したAF用CPUを中心
としたプログラム動作を表したフローチャート、 第11図は、本発明の実施例で使用されているズームレン
ズからなる撮影光学系の構成図、 第12図は、距離カム関数とカムリフト量との関係を示す
線図、 第13図と第14図は、ワイドとテレでの、合焦に必要な繰
出量とデフォーカス量との関係をそれぞれ示すグラフ線
図、 第15図は、ピントのずれを、フォーカス群を合焦させる
ための駆動量に変換するアルゴリズムを説明するブロッ
ク線図、 第16図は、距離カムのリフト量と距離カムの回転量,距
離環の回転量との関係を示す線図である。 1……ずれ情報検出手段 2……合焦レンズ群ずれ情報決定手段 3……合焦レンズ群駆動量演算手段 4……繰出量検出手段 5……撮影レンズ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フォーカス群の繰出量と、このフォーカス
    群を駆動する駆動部材の駆動量との関係が非線形な撮影
    レンズと、 この撮影レンズによる結像面とカメラの所定結像面との
    ずれ方向およびずれ量を検出し、それらをずれ情報とし
    て出力するずれ情報検出手段と、 このずれ情報に基づいて、上記フォーカス群を合焦位置
    に移動するための繰出方向および繰出量を決定するフォ
    ーカス群ずれ情報決定手段と、 上記フォーカス群の基準位置からの繰出量を検出する繰
    出量検出手段と、 上記フォーカス群ずれ情報決定手段の出力と、上記繰出
    量検出手段の出力と、所定の演算式とに基づいて所定の
    演算を実行して、上記フォーカス群を合焦位置に移動す
    るための、上記駆動部材の駆動量を決定する演算手段と を具備したことを特徴とするカメラの自動焦点調節装
    置。
  2. 【請求項2】変倍系とフォーカス群とを含み、フォーカ
    ス群の繰出量と、このフォーカス群を駆動する駆動部材
    の駆動量との関係が非線形な撮影レンズと、 この撮影レンズによる結像面とカメラの所定結像面との
    ずれ方向およびずれ量を検出し、それらをずれ情報とし
    て出力するずれ情報検出手段と、 このずれ情報に基づいて、上記フォーカス群を合焦位置
    に移動するための繰出方向および繰出量を決定するフォ
    ーカス群ずれ情報決定手段と、 上記フォーカス群の基準位置からの繰出量を検出する繰
    出量検出手段と、 上記変倍系の位置に応じた焦点距離情報を検出する焦点
    距離情報検出手段と、 上記フォーカス群ずれ情報決定手段の出力と、上記繰出
    量検出手段の出力と、上記焦点距離情報検出手段の出力
    と、所定の演算式とに基づいて所定の演算を実行して、
    上記フォーカス群を合焦位置に移動するための、上記駆
    動部材の駆動量を決定する演算手段と を具備したことを特徴とするカメラの自動焦点調節装
    置。
  3. 【請求項3】上記撮影レンズは、上記フォーカス群と上
    記変倍系とを連携させて焦点距離の調節を行うことを特
    徴とする請求項2に記載のカメラの自動焦点調節装置。
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