JP3185371B2 - 改良dctの順変換計算装置、逆変換計算装置及び改良dctの順変換計算方法 - Google Patents

改良dctの順変換計算装置、逆変換計算装置及び改良dctの順変換計算方法

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JP3185371B2
JP3185371B2 JP16395192A JP16395192A JP3185371B2 JP 3185371 B2 JP3185371 B2 JP 3185371B2 JP 16395192 A JP16395192 A JP 16395192A JP 16395192 A JP16395192 A JP 16395192A JP 3185371 B2 JP3185371 B2 JP 3185371B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良(Modified)DC
T(離散コサイン変換)の順変換計算装置、逆変換計算
装置及び改良DCTの順変換計算方法に関し、特に、音
声、オーディオや画像信号等のディジタル信号の線形変
換を高速計算するための改良DCTの順変換計算装置、
逆変換計算装置及び改良DCTの順変換計算方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号等の時系列サンプルデー
タ信号を高能率でビット圧縮して符号化する高能率符号
化の一種として、いわゆる直交変換を用いた変換符号化
が知られている。この変換符号化とは、入力信号をブロ
ック単位に直交変換して符号化するものであり、離散コ
サイン変換(DCT)がその代表的な直交変換である。
この変換符号化では、ブロック間の不連続な継ぎ目がノ
イズとして知覚されるようなブロック歪みが問題となっ
ており、これを軽減させるために、ブロックの端部を隣
のブロックとオーバーラップさせることが一般に行われ
ている。ここで、いわゆるMDCT( Modified DCT
あるいは改良DCT)は、任意のブロックの両隣のブロ
ックとそれぞれ半分(半ブロック)ずつオーバーラップ
を持たせながら、オーバーラップ部分のサンプルについ
ての二重伝送がされないものであるため、高能率符号化
に好適である。
【0003】このようなMDCT及び逆変換であるIM
DCTについては、例えば、望月、矢野、西谷、「複数
ブロックサイズ混在MDCTのフィルタ制約条件」、信
学技報、CAS90−10、DSP90−14、pp.55-
60、あるいは、羽豆、杉山、岩垂、西谷、「MDCTを
用いた適応ブロック長適応変換符号化(ATC−AB
S)」、1990年電子情報通信学会春季全国大会講演
論文集、A−197、等に開示されているが、以下、図
7を参照しながら簡単に説明する。
【0004】この図7において、時系列サンプルデータ
の任意のブロック、例えば第Jブロックは、第(J-1) ブ
ロックと第(J+1) ブロックとにそれぞれ半分(50%)
ずつのオーバーラップを持っている。この第Jブロック
のサンプル数をN(Nは自然数)とするとき、第(J-1)
ブロックとの間にN/2 サンプルのオーバーラップを有
し、第(J+1) ブロックとの間にもN/2 サンプルのオーバ
ーラップを有している。これらの各ブロック、例えば任
意の第J ブロック入力時系列サンプル 101に対し、前処
理フィルタあるいは順変換用ウィンドウWhをかけてN
個の時系列データ102を得る。
【0005】この前処理フィルタあるいは順変換用ウィ
ンドウWhの特性は、入力信号の統計的性質に合わせ
て、変換データの電力集中度が最も高くなるようなもの
が選ばれる。このNサンプルの時系列データ 102に対し
て、MDCTの線形順変換処理を施すことにより、周波
数軸上に、入力サンプル数の半分のN/2 個の独立なスペ
クトルデータ 103が得られる。このN /2個のスペクトル
データ 103に対して、IMDCTの線形逆変換の処理を
施すことにより、N個の時系列データ104 が得られる。
この時系列データ104 に、合成フィルタあるいは逆変換
用ウィンドウWfをかけ、105 の時系列データを得た後、
前後のブロックの出力結果と足し合わせて、元の入力時
系列サンプルデータを復元する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記MDC
T、IMDCTを具体的に演算するに際して、例えば、
岩垂、西谷、杉山、「MDCT方式に関する一検討と高
速算法」、信学技報、CAS90−9、DSP90−1
3、pp.49-54 において、FFTを用いて高速計算を実
現する方法が提案されており、これと同じ方法が、特開
平4−44099号公報において提案されている。以
下、ここで提案されているMDCT及びIMDCTの計
算方法について述べる。
【0007】MDCTの定義式は、
【0008】
【数1】
【0009】で与えられる。ただし、 x0 : MDCT入力信号 N : ブロック長 h : 順変換用ウィンドウ関数 y0 : MDCT出力信号 C0 : 定数 で、nは0からN-1 までの整数、kは0からN/2-1 まで
の整数である。ただし、MDCTの処理は、切りだされ
た時系列データに関してブロック毎に独立に行なわれる
ので、ブロック番号Jは省略してある。なお、C0 の値
に関してはMDCTの計算方法には本質的な影響を与え
ないので、ここでは便宜上、C0 =1として話を進め
る。
【0010】この計算を行なうために、先ず、x0 に順
変換用のウィンドウを掛けて次のようにx01を求める。
【0011】
【数2】
【0012】求まったx01から次式にしたがって、x02
を作る。
【0013】
【数3】
【0014】さらに、次式にしたがって、x03を計算す
る。
【0015】
【数4】
【0016】次にx03に次のように係数をかけ、複素信
号列z01を作り出す。
【0017】
【数5】
【0018】これにN/2 の長さのFFTを施し、次の複
素信号列z02を作り出す。
【0019】
【数6】
【0020】こうしてできたz02から次のようにy01
計算すると、
【0021】
【数7】
【0022】これは、上記「MDCT方式に関する一検
討と高速算法」において証明されているように(1) で定
義されたy0 に一致する。
【0023】一方、IMDCTの定義式は次の(8) 式で
与えられる。
【0024】
【数8】
【0025】ただし、 y1: IMDCT入力信号 N : ブロック長 m : ブロック番号 f : 逆変換用ウィンドウ関数 x1: IMDCT出力信号 C1: 定数 で、nは0からN-1 までの整数、kは0からN/2-1 まで
の整数である。ただし、IMDCTの処理は切りだされ
た時系列データに関してブロック毎に独立に行なわれる
ので、ブロック番号Jは省略してある。なお、C1 の値
に関しては、IMDCTの計算方法には本質的な影響を
与えないので、ここでは便宜上、C1 =1として話を進
める。
【0026】この計算を行なうために、まず、y1 を次
式にしたがって並び変え、y11を作る。
【0027】
【数9】
【0028】そして、y11に次の(10)式で示されるよう
に係数を掛け、複素信号列z11を作り出す。
【0029】
【数10】
【0030】これにN/2 の長さの逆FFTを施し、次の
複素信号列z12を作り出す。
【0031】
【数11】
【0032】こうしてできたz12に次の(12)式に示すよ
うに係数を掛け、その実数成分を取り出して次のx11
作り出す。
【0033】
【数12】
【0034】このx11に対し次のように、極性を変更し
ながら次のように並びかえ逆変換ウィンドウをかけると
【0035】
【数13】
【0036】これは、上記「MDCT方式に関する一検
討と高速算法」において証明されているように上記(8)
式で定義されたx1 に一致する。
【0037】しかしこの方法では、長さNの区間毎にス
ペクトルを求めるMDCT及びその逆変換であるIMD
CTの高速演算を、長さN/2 の複素数FFTを用いて実
現しているため、例えば、E.ORAN BRINGH
AM著、宮川、今井訳、「高速フーリエ変換」、科学技
術出版社、第11章、基数2のFFTアルゴリズムの理
論、特に pp.196-198 に記載された算法により実現する
と、 N/4 log(N/2)回の複素数乗算 N/2 log(N/2)回の複素数加算 N/2 個の複素数を格納するワークエリア が必要となってしまい、特に小規模な演算装置で高速に
処理を行なおうとする場合にはまだ十分、効率的である
とは言えない。
【0038】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、MDCT(改良離散コサイン変換)及び
その逆変換としてのIMDCTの演算を、タップ長の短
いFFTを用いて計算することにより、乗算回数、加算
回数等の演算量を低減しワークエリアを少なく、かつよ
り高速化が図れるような信号処理方法の提供を目的とす
る。より具体的には、本発明は、ディジタル信号の線形
変換を高速計算するための改良DCTの順変換計算装置
及び方法、逆変換計算装置及び方法、並びに記録媒体の
提供を目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】本件出願に係る改良DC
Tの順変換計算装置の発明によれば、入力信号に順変換
用ウィンドウを乗算した後、この順変換用ウィンドウが
乗算された出力信号に線形順変換を施してN個のサンプ
ルの入力信号を処理する改良DCTの順変換計算装置に
おいて、上記線形順変換のための部分は、上記順変換用
ウィンドウが乗算された出力信号に前処理を施す前処理
部と、この前処理部の出力信号に高速フーリエ変換と同
等の処理を施すFFT部と、このFFT部の出力信号に
後処理を施す後処理部から構成されており、上記FFT
部の入力信号及び出力信号はそれぞれ長さN/4 の複素信
号であることを特徴とする。
【0040】また、本件出願に係る改良DCTの逆変換
計算装置の発明によれば、入力信号に線形逆変換を施
し、この線形逆変換された出力信号に逆変換用ウィンド
ウを乗算してN/2 個の独立な入力信号を処理する改良D
CTの逆変換計算装置において、上記線形逆変換のため
の部分は、上記入力信号に前処理を施す前処理部と、こ
の前処理部の出力信号に高速フーリエ変換と同等の処理
を施すFFT部と、このFFT部の出力信号に後処理を
施す後処理部から構成されており、上記FFT部の入力
信号及び出力信号はそれぞれ長さN/4 の複素信号である
ことを特徴とする。
【0041】さらに、本件出願に係る改良DCTの順変
換計算方法の発明によれば、入力信号に順変換用ウィン
ドウを乗算する工程と、順変換用ウィンドウが乗算され
た出力信号に線形順変換を施す工程を含むN個のサンプ
ルの入力信号を処理する改良DCTの順変換計算方法に
おいて、上記線形順変換工程は、上記順変換用ウィンド
ウが乗算された出力信号に前処理を施す前処理工程と、
この前処理が施された出力信号に高速フーリエ変換と同
等の処理を施すFFT処理工程と、このFFT処理され
た出力信号に後処理を施す後処理工程とから構成されて
おり、上記FFT処理工程の入力信号及び出力信号はそ
れぞれ長さN/4 の複素信号であることを特徴とする。
【0042】
【作用】入力信号のNサンプルに対して改良DCTの順
変換計算を行うための線形順変換が、長さN/4 の複素信
号をFFT処理する計算により実現でき、計算量や計算
のためのワークエリアを低減することができる。また、
N/2 個の独立なスペクトル入力信号に対して改良DCT
の逆変換計算を行うための線形逆変換が、長さN/4 の複
素信号をFFT処理する計算により実現でき、計算量や
計算のためのワークエリアを低減することができる。
【0043】
【実施例】ここで、本発明に係る装置や方法の具体的な
実施例の説明に先立ち、本発明の計算原理について説明
する。本発明の装置や方法において、MDCT(改良D
CT)の計算を行なうにあたって、先ず、上記(4) 式の
03から、いったん次の(14)式で与えられる N/4個の複
素信号Z01を求め、
【0044】
【数14】
【0045】それから、次式にしたがって、N/2 個のZ
02を計算する。
【0046】
【数15】
【0047】この(15)式のZ02から、次のようにそれぞ
れ長さ N/2の複素信号列Z03、Z04を計算する。
【0048】
【数16】
【0049】
【数17】
【0050】Z03、Z04から次のように N/2個のY01
計算すると、
【0051】
【数18】
【0052】となる。
【0053】これは、上記(1) 式で定義されたy0 と一
致することが次のようにわかる。先ず、上記(14)、(15)
式より、
【0054】
【数19】
【0055】
【数20】
【0056】が成立する。これらを使ってZ03、Z04
計算すると
【0057】
【数21】
【0058】
【数22】
【0059】となり、これらを上記 (18) 式に代入する
と、
【0060】
【数23】
【0061】が成立する。一方、上記(1) 、(2) 、(3)
、(4) 式の関係から
【0062】
【数24】
【0063】が成立するので、これらの(23)、(24)式か
ら、Y01はy0 と一致し、本発明の方法でMDCTの計
算が実現できることがわかる。
【0064】ここで、上記(15)式から明らかなように、
02は N/4の周期であるので、この計算は実際には0か
ら N/4-1までのkの値について計算を実行すればよく、
これは長さ N/4のFFTで実現できる。なお、上記(21)
式からわかるように、Z03はN/4の周期をもつので、上
記(16)式の計算は実際には0から N/4-1までのkの値に
ついて計算を実行すればよく、同様に、上記(22)式から
わかるように、Z04はN/4毎に符号だけが入れ替わる周>
期を持つので、上記(17)式の計算は実際には0から N/4
-1までのkの値について計算を実行すればよく、効率的
に計算を行なうことができる。
【0065】また、本発明においては、IMDCTの計
算を行なうにあたって、上記(9) 式のy11からいったん
次の式で与えられる N/4個の複素信号Z11を求め、
【0066】
【数25】
【0067】それから、次の(26)式にしたがって、N/2
個のZ12を計算する。
【0068】
【数26】
【0069】このZ12から、次の(27)、(28)式のように
それぞれ長さ N/2の複素信号列Z13、Z14を計算し、
【0070】
【数27】
【0071】
【数28】
【0072】Z13、Z14から次のように N/2個のX11
計算し、
【0073】
【数29】
【0074】得られたX11に対して次のように極性変
更、並び換え、逆変換用ウィンドウ掛けを行ないN個の
12を計算すると、
【0075】
【数30】
【0076】となる。
【0077】これは、上記(8) 式で定義されたx1 と一
致することが次のようにわかる。先ず、上記(25)、(26)
式より、
【0078】
【数31】
【0079】
【数32】
【0080】が成立する。これらをつかってZ13、Z14
を計算すると
【0081】
【数33】
【0082】
【数34】
【0083】となり、これらを上記(29)式に代入し、上
記(9) 式の関係を用いると、
【0084】
【数35】
【0085】が成立する。これにnの値によって、上記
(30)式の関係を適用すると
【0086】
【数36】
【0087】
【数37】
【0088】
【数38】
【0089】が成立するので、これらと、上記(8) 式と
を比較して本発明の方法でIMDCTの計算が実現でき
ることがわかる。
【0090】ここで、上記(26)式から明らかなように、
12は N/4の周期であるので、この計算は実際には0か
ら N/4-1までのkの値について計算を実行すればよく、
これは長さ N/4のFFTで実現できる。なお、上記(33)
式からわかるように、Z13はN/4の周期をもつので、上
記(27)式の計算は実際には0から N/4-1までのnの値に
ついて計算を実行すればよく、同様に、上記(34)式から
わかるように、Z14はN/4毎に符号だけが入れ替わる周
期をもつので、上記(28)式の計算は実際には0から N/4
-1までのnの値について計算を実行すればよく、効率的
に計算を行なうことができる。
【0091】このように、本発明の装置や方法によれ
ば、上記(1) 式で定義されるMDCT、及び上記 (3)式
で定義されるIMDCTとも、長さ N/4のFFTを用い
て実現でき、このFFTは、 N/8 log(N/4)回の複素数乗算 N/4 log(N/4)回の複素数加算 N/4 個の複素数を格納するワークエリア により実行することができ、既知の方法に較べ、演算回
数及びワークエリアを大幅に削減することができる。
【0092】なお、MDCTを計算するにあたって、例
えば、上記(16)式から(18)式までの計算をまとめて
【0093】
【数39】
【0094】として、直接、Z02からY01を求めること
も可能である。また、例えば上記(15)式のFFTのかわ
りに
【0095】
【数40】
【0096】をIFFTで計算すると、Z02' はZ02
並び換えたものであるので、Z02' からY01を求めるこ
とも可能である。本発明の方法は、入力がNのMDCT
を計算するにあたって、長さ N/4のFFTと同等の計算
を用い、そのために必要な前処理、後処理を行なうもの
であり、上記(39)式や(40)式を用いてMDCTを計算す
る場合ももちろん、本発明の方法に含まれる。IMDC
Tを計算する場合も、同様に、上記(27)式から(30)式ま
での計算を一括して行なったり、上記(26)式のFFTの
かわりに、I FFTを使用するなどといった方法は、も
ちろん、本発明の方法に含まれる。
【0097】以下、本発明の好ましい実施例について、
図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の方法に
よりMDCT計算を行なう実施例における信号変換手順
を概略的に示すフローチャートである。この図1に示す
最初のステップS01において、例えばPCMオーディ
オデータ等の時系列サンプルデータは、所定サンプル数
(ここでばNサンプル)毎にブロック化される。このと
き、図7に示されるように、隣り合うブロック間のオー
バーラップ量が50%となるように、すなわち互いにN/
2 サンプルずつ重なるように、各ブロックが設定され、
各ブロックのサンプルデータに対して前述した図7 に示
すような順変換用ウィンドウWhがかけられる。このフ
ィルタ処理がなされた Nサンプルの時系列データx
01を、次のステップS02で、これは上記(3),(4) 式に
示す変形を行うことにより、N/2 個の実数データx03
変換する。
【0098】次のステップS03では、上記x03の偶数
番目を実数部に、次の奇数番目を虚数部に割り当て、で
きた複素数に複素係数をかける上記 (14) 式の変形を行
うことにより、N/4 個の複素数データZ01に変換する。
次のステップS04では、上記Z01に対して、FFT
(高速フーリエ変換)処理を施すことにより、周波数軸
上に N/4個の複素データZ02を求める。次のステップS
05では、得られたZ02に対し、上記(16)式〜(18)式の
計算を行うことにより、N/2 個のスペクトルデータY01
を求めてこれをMDCTの出力データとして取り出す。
【0099】図2は、以上のMDCTのための変換を実
現するハードウェアの構成例を示したもので、時系列サ
ンプル・バッファに蓄えられた時系列サンプル・データ
は、MDCT計算回路により、スペクトル・データに変
換される。実際には、大部分の処理がDSP(ディジタ
ル信号プロセッサ)やメモリを用いてソフトウェア的に
実現される。
【0100】この図2において、入力端子11には、例
えばPCMオーディオ信号等の時系列サンプル・データ
が供給されており、これらのデータを時系列サンプル・
バッファ12を介して、所定サンプル数、例えばNサン
プル毎にブロック化し、MDCT計算回路20に送る。
MDCT計算回路20では、上記 (2)式〜(15)を計算す
るために、順次、(2) 計算回路21、(3) 計算回路2
2、(4) 計算回路23、(14)計算回路24、及び(15)計
算回路25が設けられ、(15)計算回路25からの計算結
果の出力Z02は、(16)計算回路26及び(17)計算回路2
7に送られるようになっている。これらの(16)計算回路
26及び(17)計算回路27からの各計算結果出力Z03
04は、(18)式計算回路28に送られ、計算結果出力Y
01が出力端子13より取り出される。
【0101】一方、図3は、本発明の方法によりIMD
CT計算を行なう実施例における信号変換手順を概略的
に示すフローチャートである。この図3に示す最初のス
テップS11において、N/2 個のスペクトル・データy
1 は、上記(9) 式に示される極性変更、並び換えが行な
われ、N/2 個の実数データy11に変換される。次のステ
ップS12では、このy11に対し、偶数番目を実数部
に、次の奇数番目を虚数部に割り当て、できた複素数に
複素係数をかける上記(25)式の変形を行うことにより、
N/4 個の複素数データZ11に変換する。次のステップS
13では、上記のZ11に対して、FFT(高速フーリエ
変換)処理を施すことにより、周波数軸上に N/4個の複
素データZ12を得る。次のステップS14では、得られ
たZ12に対し、上記(27)式〜(29)式の計算を行うことに
より、N/2 個の実数データX11を求める。次のステップ
S15では、得られたX11に対し、上記(30)式に示され
る変換を行ない、N個の実数データX12を求める。
【0102】図4は、以上のIMDCTのための変換、
及びその出力から時系列データを構築するための変換を
実現するハードウェアの構成例を示したもので、IMD
CT計算回路により得られたデータは、逆変換ウィンド
ウをかけられたのち、両隣のブロックのIMDCT出力
データに加算処理され、時系列サンプル・データとして
出力される。
【0103】すなわち、図4において、入力端子16に
は、上記MDCT処理により得られたN/2 個のスペクト
ル・データy1 が供給されており、このスペクトル・デ
ータy1 は、IMDCT計算回路30の上記 (9)式を計
算するための (9)式計算回路31に送られる。この (9)
式計算回路31からの計算結果出力y11は、(25)式計算
回路32を介して(26)式計算回路33に送られ、この(2
6)式計算回路33からの計算結果出力Z12は、(27)式計
算回路34及び(28)式計算回路35に送られている。(2
7)式計算回路34及び(28)式計算回路35からの各計算
結果出力Z13、Z14は、(29)式計算回路36に送られ、
その計算結果出力X11が(30)式計算回路37に送られ
る。(30)式計算回路37からの計算結果出力X12は、I
MDCT計算回路30からの出力として、時系列サンプ
ル・バッファ17を介し、オーバーラップ部加算回路1
8に送られ、出力端子19より時系列サンプル・データ
として取り出される。
【0104】次に、上記MDCTが適用される高能率符
号化装置の一具体例について、図5を参照しながら説明
する。この図5に示す具体的な高能率符号化装置は、帯
域分割符号化、適応変換符号化及び適応ビット割り当て
の核技術を用いている。すなわち、入力されたPCMオ
ーディオ信号等のディジタル信号を、複数の周波数に分
割すると共に、高い周波数程バンド幅を広く選定し、各
周波数帯域毎に直交変換である上記MDCTを行って、
得られた周波数軸のスペクトルデータを、いわゆる臨界
帯域(クリティカルバンド)毎に適応的にビット割り当
てして符号化している。
【0105】図5において、入力端子51には例えば0
〜20kHzのオーディオPCM信号が供給されている。
この入力信号は、例えばいわゆるQMFフィルタ等の帯
域分割フィルタ52により 0-10kHz帯域と 10k-20kHz帯
域とに分割され、0-10kHz 帯域の信号は同じくいわゆる
QMFフィルタ等の帯域分割フィルタ53により0-5kHz
帯域と5k-10kHz帯域とに分割される。帯域分割フィルタ
52からの10k-20kHz 帯域の信号は、直交変換回路の一
例である上述したMDCT(Modified離散コサイン変
換)回路54に送られ、帯域分割フィルタ53からの5k
-10kHz帯域の信号はMDCT回路55に送られ、帯域分
割フィルタ53からの0-5kHz帯域の信号はMDCT回路
56に送られることにより、それぞれMDCT処理され
る。
【0106】各MDCT回路54、55、56にてMD
CT処理されて得られた周波数軸上のスペクトルデータ
あるいは係数データは、いわゆる臨界帯域(クリティカ
ルバンド)毎にまとめられて適応ビット割当符号化回路
57に送られている。このクリティカルバンドとは、人
間の聴覚特性を考慮して分割された周波数帯域であり、
ある純音の周波数近傍の同じ強さの狭帯域ノイズによっ
て当該純音がマスクされるときのそのノイズの持つ帯域
のことである。このクリティカルバンドは、高域ほど帯
域幅が広くなっており、上記0〜20kHzの全周波数帯
域は例えば25のクリティカルバンドに分割されてい
る。
【0107】適応ビット割当符号化回路57は、例えば
各クリティカルバンド毎に、スケールファクタ、すなわ
ち、その中に含まれるスペクトルの信号の絶対値の最大
値で各スペクトル信号を正規化するとともに、正規化さ
れたスペクトル信号を、量子化雑音がそのクリティカル
バンドの信号によってマスクされるだけのビット数で再
量子化し、再量子化されたスペクトル信号を、各クリテ
ィカルバンド毎に求められた該スケールファクタと該再
量子化に使われたビット数とともに出力する。このよう
にして符号化されたデータは、出力端子58を介して取
り出され、テープやディスク等の記録媒体に記録され、
あるいは通信路を介して伝送される。
【0108】次に、上記IMDCTが適用される高能率
符号化装置に対応する復号化装置について、図6を参照
しながら説明する。図6の入力端子61にはスケールフ
ァクタ、再量子化に使われたビット数、及び再量子化さ
れたスペクトル信号を符号化したデータが入力され、ス
ペクトル復号化回路62により、これらのデータからス
ペクトル信号が構築される。これらのスペクトル信号の
うち、10k-20kHz の帯域のスペクトル信号はIMDCT
回路63によって、5k-10kHzの帯域のスペクトル信号は
IMDCT回路64によって、そして、0-10kHz の帯域
のスペクトル信号はIMDCT回路65によってそれぞ
れの帯域の信号波形データに変換される。
【0109】こうして得られた三つの帯域での信号波形
データのうち、先ず、0-5kHzの信号波形データと5k-10k
Hzの信号波形データが帯域統合回路66によって合成さ
れ、0-10kHz の信号波形データに変換されたあと、10k-
20kHz の信号波形データと帯域統合回路67によって合
成され、全帯域にわたる信号波形データが出力端子68
から出力される。
【0110】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、例えば、適用される装置は、上記図
5、6に示す高能率符号化/復号化装置に限定されず、
各種変換符号化装置や符号化を解くための復号化装置等
にも適用できる。
【0111】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、両隣のブロックとそれぞれ50%ずつオー
バーラップさせて切りだしたN個の時系列サンプルデー
タに対して、長さN/4 のFFTを用いて効率良く、改良
DCT(MDCT)の順変換を計算することができ、こ
れにより、計算量やワークエリアを低減して、オーディ
オ信号の高能率符号化装置等を構成することができる。
【0112】また、本発明によれば、N/2 個の独立なス
ペクトルに対して長さN/4 のFFTを用いて効率良く、
改良DCT(MDCT)の逆変換を計算することがで
き、これにより、計算量やワークエリアを低減して、オ
ーディオ信号の復号化装置等を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMDCTの信号変換方法の基本的
な実施例の各工程を概略的に示すフローチャートであ
る。
【図2】上記実施例のMDCTの信号変換方法を具体的
に実現するための構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明に係るIMDCTの信号変換方法の基本
的な実施例の各工程を概略的に示すフローチャートであ
る。
【図4】上記実施例のIMDCTの信号変換方法を具体
的に実現するための構成を示す機能ブロック図である。
【図5】上記実施例のMDCTの信号変換方法が適用さ
れる高能率符号化装置の回路構成の一例を示すブロック
図である。
【図6】上記実施例のIMDCTの信号変換方法が適用
される高能率符号復号化装置の回路構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図7】MDCT(改良(Modified)離散コサイン変換)
及びその逆変換であるIMDCTの処理手順を概略的に
説明するための図である。
【符号の説明】
11・・・・・時系列サンプル・データ入力端子 12・・・・・時系列サンプル・バッファ 13・・・・・スペクトル・データ出力端子 16・・・・・スペクトル・データ入力端子 17・・・・・時系列サンプル・バッファ 18・・・・・オーバーラップ部加算回路 19・・・・・時系列サンプル・データ出力端子 20・・・・・MDCT計算回路 21〜28、31〜37・・・・・計算回路 30・・・・・IMDCT計算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−44099(JP,A) 「高速フーリエ変換」、E.O.Br igham著、宮川、今井訳、S54.12 科学技術出版社発行,pp185〜189 「MDCT方式に関する一検討と高速 算法」、岩垂ほか、電子情報通信学会技 術研究報告、DSP90−13、pp49− 54、1990年6月21日 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30 G06F 17/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号に順変換用ウィンドウを乗算し
    た後、この順変換用ウィンドウが乗算された出力信号に
    線形順変換を施してN個のサンプルの入力信号を処理す
    る改良DCTの順変換計算装置において、 上記線形順変換のための部分は、上記順変換用ウィンド
    ウが乗算された出力信号に前処理を施す前処理手段と、
    この前処理手段の出力信号に高速フーリエ変換と同等の
    処理を施すFFT手段と、このFFT手段の出力信号に
    後処理を施す後処理手段とから構成されており、上記前処理手段は、上記順変換用ウィンドウを乗算して
    得られたNサンプル(第0番から第N-1 番まで)の入力
    信号に対して、0からN/4 −1までのnに対してはn+
    3N/4番目の入力信号の極性を反転させたものをn番目の
    第一の中間信号とし、N/4 からN-1 までのnに対しては
    n-N/4 番目の入力信号をn番目の第一の中間信号とし、
    得られたNサンプル(第0番から第N-1 番まで)の第一
    の中間信号に対して、第2n番目の第一の中間信号から第
    N-1-2n番の第一の中間信号を減じたものを第n番の第二
    の中間信号とし、得られたN/2 サンプル(第0番から第
    N/2 −1番まで)の第二の中間信号に対して、第2n番目
    の第二の中間信号を実部、第2n+1番目の第二の中間信
    号を虚部とした複素信号にexp(-4πjn/N) を乗じた複素
    信号を第n番目の出力信号としたものと同等の信号を出
    力し、 上記FFT手段の入力信号及び出力信号はそれぞれ長さ
    N/4 の複素信号であり、 上記後処理手段は、上記FFT手段の出力である N/4個
    の複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信号に対し
    て第k番目の複素信号に第N/4-1-k 番目の信号の共役複
    素信号を加えたものを2で割ったものを第k番目の第三
    の中間信号とし、上記FFT手段の出力である N/4個の
    複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信号に対して
    第k番目の複素信号から第N/4-1-k 番目の信号の共役複
    素信号を減じたものを2jで割ったものにexp(-2πj(2k
    +1)/N)を乗じたものを第k番目の第四の中間信号とし、
    k番目の第三の中間信号とk番目の第四の中間信号を加
    えたものに exp(-πj(2k+1)/(2N)) を乗じたものの実数
    部をとったものと同等のものを出力する ことを特徴とす
    る改良DCTの順変換計算装置。
  2. 【請求項2】 入力信号に線形逆変換を施し、この線形
    逆変換された出力信号に逆変換用ウィンドウを乗算して
    N/2 個の独立な入力信号を処理する改良DCTの逆変換
    計算装置において、 上記線形逆変換のための部分は、上記入力信号に前処理
    を施す前処理手段と、この前処理手段の出力信号に高速
    フーリエ変換と同等の処理を施すFFT手段と、このF
    FT手段の出力信号に後処理を施す後処理手段とから構
    成されており、上記前処理手段は、上記入力信号のN/2 サンプルに対し
    て、0からN/4-1 までのkの値に対しては第2k番の入力
    信号を第k番の第一の中間信号とし、N/4 からN/2-1 ま
    でのkの値に対しては第N-1-2k番の入力信号の極性を反
    転させたものを第k番の第一の中間信号として、得られ
    たN/2 サンプル(第0番から第N-1 番まで)の第一の中
    間信号に対して、第2k番の第一の中間信号を実部、第2k
    +1番の第一の中間信号を虚部とした複素信号にexp(-4π
    jk/N) を乗じた複素信号を第k番目の出力信号としたも
    のと同等の信号を出力し、 上記FFT手段の入力信号及び出力信号はそれぞれ長さ
    N/4 の複素信号であり、 上記後処理手段は、上記FFT手段の出力である N/4個
    の複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信号に対し
    て、第n番目の複素信号に第N/4-1-n番目の信号の共役
    複素信号を加えたものを2で割ったものを第n番目の第
    三の中間信号とし、上記FFT手段の出力である N/4個
    の複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信号に対し
    て、第n番目の複素信号から第N/4-1-n番目の信号の共
    役複素信号を減じたものを2jで割ったものにexp(-2π
    j(2n+1)/N)を乗じたものを第n番目の第四の中間信号と
    し、n番目の第三の中間信号とn番目の第四の中間信号
    を加えたものに exp(-πj(2n+1)/(2N)) を乗じたものの
    実数部をとったものを第五の中間信号とし、0からN/4-
    1 までのnの値に対しては第n+N/4番の第五の中間信
    号、N/4 から3N/4-1までのnの値に対しては第3N/4-1-n
    番の第五の中間信号の逆極性をとったもの、3N/4からN-
    1 までのnの値に対しては第n-3N/4 番の第五の中間信
    号の逆極性をとったものと同等の信号を出力する ことを
    特徴とする改良DCTの逆変換計算装置。
  3. 【請求項3】 入力信号に順変換用ウィンドウを乗算す
    る工程と、順変換用ウィンドウが乗算された出力信号に
    線形順変換を施す工程を含むN個のサンプルの入力信号
    を処理する改良DCTの順変換計算方法において、 上記線形順変換工程は、上記順変換用ウィンドウが乗算
    された出力信号に前処理を施す前処理工程と、この前処
    理が施された出力信号に高速フーリエ変換と同等の処理
    を施すFFT処理工程と、このFFT処理された出力信
    号に後処理を施す後処理工程とから構成されており、上記前処理工程は、上記順変換用ウィンドウを乗算して
    得られたNサンプル(第0番から第N-1 番まで)の入力
    信号に対して、0からN/4 −1までのnに対してはn+
    3N/4番目の入力信号の極性を反転させたものをn番目の
    第一の中間信号とし、N/4 からN-1 までのnに対しては
    n-N/4 番目の入力信号をn番目の第一の中間信号とし、
    得られたNサンプル(第0番から第N-1 番まで)の第一
    の中間信号に対して、第2n番目の第一の中間信号から第
    N-1-2n番の第一の中間信号を減じたものを第n番の第二
    の中間信号とし、得られたN/2 サンプル(第0番から第
    N/2 −1番まで)の第二の中間信号に対して、第2n番目
    の第二の中間信号を実部、第2n+1番目の第二の中間信
    号を虚部とした複素信号にexp(-4πjn/N) を乗じた複素
    信号を第n番目の出力信号としたものと同等の信号を出
    力し、 上記FFT処理工程の入力信号及び出力信号はそれぞれ
    長さN/4 の複素信号であり、 上記後処理工程は、上記FFT処理された出力である N
    /4個の複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信号に
    対して第k番目の複素信号に第N/4-1-k 番目の信号の共
    役複素信号を加えたものを2で割ったものを第k番目の
    第三の中間信号とし、上記FFT処理された出力である
    N/4個の複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信号
    に対して第k番目の複素信号から第N/4-1-k 番目の信号
    の共役複素信号を減じたものを2jで割ったものにexp
    (-2πj(2k+1)/N)を乗じたものを第k番目の第四の中間
    信号とし、k番目の第三の中間信号とk番目の第四の中
    間信号を加えたものに exp(-πj(2k+1)/(2N)) を乗じた
    ものの実数部をとったものと同等のものを出力する こと
    を特徴とする改良DCTの順変換計算方法。
  4. 【請求項4】 入力信号に線形逆変換を施す工程と、こ
    の線形逆変換された出力信号に逆変換用ウィンドウを乗
    算してN/2 個の独立な入力信号を処理する工程とを有す
    る改良DCTの逆変換計算方法において、 上記線形逆変換工程は、上記入力信号に前処理を施す前
    処理工程と、この前処理された出力信号に高速フーリエ
    変換と同等の処理を施すFFT処理工程と、このFFT
    処理された出力信号に後処理を施す後処理工程とから構
    成されており、上記前処理工程は、上記入力信号のN/2 サンプルに対し
    て、0からN/4-1 までのkの値に対しては第2k番の入力
    信号を第k番の第一の中間信号とし、N/4 からN/2-1 ま
    でのkの値に対しては第N-1-2k番の入力信号の極性を反
    転させたものを第k番の第一の中間信号として、得られ
    たN/2 サンプル(第0番から第N-1 番まで)の第一の中
    間信号に対して、第2k番の第一の中間信号を実部、第2k
    +1番の第一の中間信号を虚部とした複素信号にexp(-4π
    jk/N) を乗じた複素信号を第k番目の出力信号としたも
    のと同等の信号を出力し、 上記FFT処理工程の入力信号及び出力信号はそれぞれ
    長さN/4 の複素信号であり、 上記後処理工程は、上記FFT処理された出力である N
    /4個の複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信号に
    対して、第n番目の複素信号に第N/4-1-n番目の信号の
    共役複素信号を加えたものを2で割ったものを第n番目
    の第三の中間信号とし、上記FFT処理された出力であ
    る N/4個の複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信
    号に対して、第n番目の複素信号から第N/4-1-n番目の
    信号の共役複素信号を減じたものを2jで割ったものに
    exp(-2πj(2n+1)/N) を乗じたものを第n番目の第四の
    中間信号とし、n番目の第三の中間信号とn番目の第四
    の中間信号を加えたものに exp(-πj(2n+1)/(2N)) を乗
    じたものの実数部をとったものを第五の中間信号とし、
    0からN/4-1 までのnの値に対しては第n+N/4番の第五
    の中間信号、N/4 から3N/4-1までのnの値に対しては第
    3N/4-1-n番の第五の中間信号の逆極性をとったもの、3N
    /4からN-1 までのnの値に対しては第n-3N/4 番の第五
    の中間信号の逆極性をとったものと同等の信号を出力す
    ことを特徴とする改良DCTの逆変換計算方法。
  5. 【請求項5】 入力信号に順変換用ウィンドウを乗算す
    る工程と、順変換用ウィンドウが乗算された出力信号に
    線形順変換を施す工程を含むN個のサンプルの入力信号
    を処理する改良DCTの順変換計算方法により生成され
    た符号化データが記録された記録媒体であって、 上記線形順変換工程は、上記順変換用ウィンドウが乗算
    された出力信号に前処理を施す前処理工程と、この前処
    理が施された出力信号に高速フーリエ変換と同等の処理
    を施すFFT処理工程と、このFFT処理された出力信
    号に後処理を施す後処理工程とから構成されており、上記前処理工程は、上記順変換用ウィンドウを乗算して
    得られたNサンプル(第0番から第N-1 番まで)の入力
    信号に対して、0からN/4 −1までのnに対してはn+
    3N/4番目の入力信号の極性を反転させたものをn番目の
    第一の中間信号とし、N/4 からN-1 までのnに対しては
    n-N/4 番目の入力信号をn番目の第一の中間信号とし、
    得られたNサンプル(第0番から第N-1 番まで)の第一
    の中間信号に対して、第2n番目の第一の中間信号から第
    N-1-2n番の第一の中間信号を減じたものを第n番の第二
    の中間信号とし、得られたN/2 サンプル(第0番から第
    N/2 −1番まで)の第二の中間信号に対して、第2n番目
    の第二の中間信号を実部、第2n+1番目の第二の中間信
    号を虚部とした複素信号にexp(-4πjn/N) を乗じた複素
    信号を第n番目の出力信号としたものと同等の信号を出
    力し、 上記FFT処理工程の入力信号及び出力信号はそれぞれ
    長さN/4 の複素信号であり、 上記後処理工程は、上記FFT処理された出力である N
    /4個の複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信号に
    対して第k番目の複素信号に第N/4-1-k 番目の信号の共
    役複素信号を加えたものを2で割ったものを第k番目の
    第三の中間信号とし、上記FFT処理された出力である
    N/4個の複素信号を周期性に基づいて拡張した複素信号
    に対して第k番目の複素信号から第N/4-1-k 番目の信号
    の共役複素信号を減じたものを2jで割ったものにexp
    (-2πj(2k+1)/N)を乗じたものを第k番目の第四の中間
    信号とし、k番目の第三の中間信号とk番目の第四の中
    間信号を加えたものに exp(-πj(2k+1)/(2N)) を乗じた
    ものの実数部をとったものと同等のものを出力する こと
    を特徴とする記録媒体。
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「MDCT方式に関する一検討と高速算法」、岩垂ほか、電子情報通信学会技術研究報告、DSP90−13、pp49−54、1990年6月21日
「高速フーリエ変換」、E.O.Brigham著、宮川、今井訳、S54.12科学技術出版社発行,pp185〜189

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