JPH05216496A - 帯域分割フィルタ - Google Patents

帯域分割フィルタ

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JPH05216496A
JPH05216496A JP4020938A JP2093892A JPH05216496A JP H05216496 A JPH05216496 A JP H05216496A JP 4020938 A JP4020938 A JP 4020938A JP 2093892 A JP2093892 A JP 2093892A JP H05216496 A JPH05216496 A JP H05216496A
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filter
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blocks
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adder
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JP4020938A
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Masataka Nikaido
正隆 二階堂
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多相フィルタにおける正弦波マトリクスの乗
算を、FFTに置き換えることで、装置を簡単化し、高
速演算を可能とする。 【構成】 シフトレジスタ1の出力xとプロトタイプフ
ィルタ係数hを乗算器2で乗算し、乗算出力vを得る。乗
算出力vを2M個のブロックに分け、加算器3で最下位の
ブロックと次のブロックの出力を加算し、さらに次のブ
ロックの出力を加算器4で加算器3の出力に加算する。
以下順次加算し、最後のブロックの出力を加算器5で加
算する。加算器5の出力のうち下位のM/2個を下位ブロ
ックとし、残りを上位ブロックとし、下位ブロックは反
転器6で反転する。上位ブロックを下位入力とし、反転
器6の出力を上位入力として乗算器7でwn=exp(-j2πn
/4M)を乗算する。乗算器7の出力に高速フーリエ変換
演算を施して2M個のフーリエ係数を得て、低域のM個
の係数の実数部のそれぞれを出力とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ信号を圧縮
符号化して伝送する装置の改良に関し、特にオーディオ
信号を複数の帯域に分割して圧縮符号化するサブバンド
符号器に用いられる帯域分割フィルタの改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオ信号をディジタル化し
て、更にそのディジタルオーディオ信号から、人間の聴
覚特性の観点から不要な情報を削除し、結果として情報
量を約1/4程度に圧縮する技術がいくつか提案されて
いる。これらの提案は、大きく分けて、2種類のタイプ
に分類できる。オーディオ信号の帯域をフィルタバンク
で複数のサブバンドに分割し、これら各サブバンド信号
を伝送するサブバンド符号化型のものと、オーディオ信
号を時間窓で切り出しながらフーリエ変換などの直交変
換を施し、その変換係数を情報圧縮して伝送する変換符
号化型のものである。これらの何れも、サブバンド信号
或いは変換係数の情報量を、聴覚特性を利用して圧縮し
て伝送している。
【0003】サブバンド符号化型符号器、及びそれに用
いるフィルタバンクについては、例えば下記の文献
(1),(2)あるいは特許(3)に開示されている。
【0004】(1)「多相直交フィルタ−新しいサブバ
ンド符号化技術(Polyphase Quadrature Filters - A ne
w Subband coding Technique)」ジェイ エッチ ロス
ワイラー(J.H.Rothweiler)著、Proc. IEEE ICASSP83 12
80-1283頁 1983年 (2)「計算効率の良いQMFフィルタバンク (Comput
ationally efficientQMF Filter Banks)」エッチ ジェ
イ ヌスバウマー(H.J.Nussbaumer)著、Proc.IEEE ICAS
SP84 (3)米国特許 第4,691,292号 以下に、サブバンド符号器/復号器を説明し、それに用
いられる従来のフィルタバンクについて説明する。
【0005】図7はサブバンド符号器及び復号器のブロ
ック図である。図7において、左半分の部分が符号器で
あり、右半分の部分が復号器である。始めに符号器につ
いて説明する。分析フィルタバンク701はディジタル形
式の入力信号をK個のサブバンド信号X0(m)〜XK-1(m)
に帯域分割する。最大値検出器702〜704は、フレームと
呼ばれる、連続するm個のサブバンドサンプルの中で、
それぞれX0(m),X1(m),・・・,XK-1(m)の最大値を
求める。図示されていないサブバンド信号X2(m)〜X
K-2(m)に対してもそれぞれ同様の最大値検出器を設けて
おり、フレーム内の各サブバンドの最大値すなわちK個
の最大値を求める。適応ビット割当器708は同一フレー
ムのK個の最大値を元に、伝送容量で制限された利用可
能なビット数の各サブバンドに割り当てるビット配分を
決定する。量子化器705〜707は適応ビット割当器708で
決定されたビット配分に応じて、ディジタル形式のサブ
バンド信号X0(m)〜XK-1(m)をスケーリングし、さらに
再量子化する。マルチプレクサ709は、再量子化された
サブバンド信号と、復号に必要な補助情報、例えば適応
ビット割当器708で決定したビット配分情報、スケーリ
ング情報などをシリアル形式のビットストリーム信号に
変換し、同期パターンを付加して伝送チャネルに送出す
る。以上が符号化器の構成である。
【0006】次に、図7の右半分の復号化器を説明す
る。デマルチプレクサ710は、符号化器から伝送された
ビットストリーム信号からサブバンド信号及び補助情報
を再生する。適応ビット割当器714は、補助情報から各
サブバンド信号の再量子化に用いた量子化方法を再現す
る。逆量子化器711〜713は適応ビット割当器714の出力
に応じてサブバンド信号を元のスケールのサブバンド信
【0007】
【外1】
【0008】0(m)〜
【0009】
【外2】
【0010】K-1(m)に再現する。合成フィルタバンク71
5は、サブバンド信号
【0011】
【外3】
【0012】0(m)〜
【0013】
【外4】
【0014】K-1(m)から元の広帯域信号X(n)を再合成す
る。
【0015】
【外5】
【0016】及び
【0017】
【外6】
【0018】に付いている^は、量子化/逆量子化の処
理によって元の信号と多少異なることを示している。
【0019】このようなオーディオ信号の符号化復号化
器に用いられるフィルタバンクとして、上述の文献
(1)では多相フィルタによる実現が開示されている。
多相フィルタはフィルタバンクの計算において、共通の
計算要素をまとめて計算するようにした効率の良いアル
ゴリズムである。始めに一般的なフィルタバンクを説明
する。図9(a)は、プロトタイプフィルタの周波数特
性である。フィルタバンクを構成する各バンドパスフィ
ルタは、このプロトタイプフィルタに正弦波を掛け算し
て、周波数をシフトすることで得られる。図9(b)
は、周波数ωkの正弦波の線スペクトルを示している。
暗にサンプリング周波数fsでディジタル化されたディジ
タル信号であることを仮定しているので、この正弦波の
スペクトルはfs/2を中心に対称に存在する。図9(a)
のプロトタイプフィルタを図9(b)の正弦波で変調し
て、図9(c)のバンドパスフィルタを得る。このバン
ドパスフィルタの中心周波数は当然ωkである。フィル
タバンクを構成するため、変調信号の周波数とプロトタ
イプフィルタの特性は厳密に設定される。これは、符号
化および復号化の一連の処理によって、元のオーディオ
信号が再生されるために必要である。このため、プロト
タイプフィルタの特性は、それから生成されるバンドパ
スフィルタ群の重ね合わせが平坦な周波数応答となるよ
うに設計される。例えば、IEEE トランサ゛クション ASSP 第3
8号 第11番「フ゜リンセンーフ゛ラット゛リーフィルタハ゛ンクの音声と画
像の圧縮への応用("Application of Princen-Bradley F
ilter Bank to Speech and Compression" T.D.Lookabau
gh et.al.)」の1925頁,22式にそのことが記されてい
る。また、変調信号の周波数もプロトタイプフィルタか
ら作られるバンドパスフィルタが隙間なく並ぶように選
ばれている。すなわち、
【0020】
【数1】
【0021】である。各バンドパスフィルタのバンド幅
はfs/2Mとなる。Mはバンド数である。図9(d)に、
この様にして作られる8バンドのバンドパスフィルタ群
を重ねて示した。図9において、周波数0〜fs/2に8つ
のバンドが存在し、fs/2〜fsにはそれらのイメージが存
在している。図9(d)のように、fs/2をMバンドに等
分割するフィルタバンクは、(数1)のように、ωk
π/2Mの奇数倍となることから奇数型フィルタバンクと
呼ばれる。一方、ωk=2πk/2Mのように、ωkがπ/2Mの
偶数倍となるフィルタバンクは偶数型フィルタバンクと
呼ばれる。フィルタバンクの出力信号すなわちサブバン
ド信号の帯域幅は、元信号の1/Mとなるので、サブバン
ド信号のサンプルをM個に1個のみ採用する間引き処
理、すなわちデシメーションを施して、サンプリング周
波数をfs/Mにすることができ、それによってM個のサブ
バンド信号の合計の情報量を元信号のそれに等しく保つ
ことができる。
【0022】図8は、図9の様なフィルタバンクを、多
相構造を用いないで実現したブロック図である。図8に
おいて、501はシフトレジスタである。入力端子IN
から入力信号x(n)を、64段のシフトレジスタ501に
次々と入力している。表記の簡単のために時刻nにおけ
るシフトレジスタのp段目出力をx(63-p)で表わすと、
出力x(0)〜x(63)のそれぞれは、まず最初に、対応する
プロトタイプのローパスフィルタ係数h(p)を掛けられ
る。すなわち、
【0023】
【数2】
【0024】次に、正弦波s0(0)〜s0(63)を対応する
v(p)に掛けて、それらを加え合わせてバンド0の出力
を得ている。同様に、正弦波s1(0)〜s1(63)を対応す
るv(p)に掛けて、それらを加え合わせてバンド1の出
力を得ている。バンド7まで同様の処理を施して、元信
号を8つのサブバンド信号に分解している。バンドkの
出力bk(n)は、
【0025】
【数3】
【0026】と表せる。ここではプロトタイプフィルタ
に正弦波を掛けてバンドパスフィルタを得る手順は、元
信号にプロトタイプフィルタを掛け算し、その出力に正
弦波を掛けてサブバンド出力を得る手順に置き換えられ
ているが、同じ結果を得ることができる。図8の構成で
は、掛け算の回数は、64×8で、512回必要であ
る。
【0027】次に、同じフィルタバンクを多相構造を用
いて構成した場合を説明する。図10は、多相構造を用
いたフィルタバンクのブロック図である。図10の構成
では、正弦波の周期性を利用して、掛け算の回数を減ら
す工夫をしている。図9において、第kバンクのフィル
タの中心周波数ωkは、(数1)より、
【0028】
【数4】
【0029】である。これを用いると、プロトタイプフ
ィルタを変調する正弦波は、
【0030】
【数5】
【0031】と表せる。ここでn0は正弦波の位相遅延を
一般的に表現するものである。従って、sk(n)は、
【0032】
【数6】
【0033】となり、(数3)は、
【0034】
【数7】
【0035】と変形できる。図10では、共通の掛け算
要素をまとめて実行することで、掛け算の回数は64+
16×8で192回に減じられている。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】上記の図10の従来例
によれば、掛け算回数が図8の従来例の場合に比べて格
段に少なく、符号化装置としての具現化が容易となる。
しかし、このような多相構造を用いた従来例の場合、一
般的に掛け算回数は、バンク数をMとし、プロトタイプ
フィルタの長さをKとすれば、K+2M2となるため、
バンク数が32やそれ以上になるような応用の場合に
は、やはり乗算回数の多さが具現化の際に問題となる。
【0037】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、より乗算回数の少ないフィルタバンクを実現できる
帯域分割フィルタを提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、下記のステップからなる帯域分割フィルタ
である。すなわち、(A) K個の入力ディジタル信号x
(0)〜x(K-1)に、長さKのプロトタイプフィルタ係数h
(0)〜h(K-1)を乗算してK個の乗算出力、v(n)=x(n)・h
(n),n=0,1,‥‥,K-1を得て、(B) このK個の乗算出力v
(n)を、2Mサンプル毎にブロック化してJ=K/2MなるJ
個のブロックを形作り、さらにこのJ個のブロックのう
ち偶数番目または奇数番目どちらか一方のブロックのサ
ンプル値を負号反転したのち、それぞれのブロックから
第n番目のサンプルを集め、それらを加算することで2
M個のg(n)、n=0,1,‥‥,2M-1を計算し、(C) g(n)の先
頭M/2個のサンプルg(0)〜g(M/2-1)の負号を反転し、g(n
-2M)=g(n)の周期性を持って、g(n)をM/2個前方シフト
し、g'(n)=g(n-M/2)を求め、(D) g'(n)のそれぞれに、
対応するWn=exp(-j2πn/4M),n=0,1,‥‥,2M-1を乗算
し、(E) その2M個の乗算出力に対して高速フーリエ
変換演算を施して2M個のフーリエ係数を得て、(F)
この2M個のフーリエ係数のうち、低域のM個の係数の
実数部のそれぞれを、M個のフィルタバンクの出力とす
る。
【0039】
【作用】本発明は上記した構成により、プロトタイプフ
ィルタを正弦波で変調する過程において、FFT演算を
利用できるので、乗算回数が飛躍的に減少し、バンク数
の多いフィルタバンクの具現化を容易ならしめることが
できる。
【0040】
【実施例】実施例を説明するにあたって、始めに本発明
の理論的背景を説明する。
【0041】フィルタバンクの実現方法については前述
した様々な文献、或いは、ロナルドイー クロッキー(R
onald E. Crochiere)及びローレンス アール ラビナ
ー(Laurence R. Rabiner)の共著になる「マルチレート
・ディジタル信号処理(Multirate Digital Signal Proc
essing)Prentice-Hall 1983」に詳しい。これらの文献
によれば、フィルタバンクのk番目のバンクは、図3
(a)のブロック図で表現できる。入力信号x(n)を乗算器3
01,302によって周波数ωkの正弦波と余弦波で変調し、
それぞれをプロトタイプのローパスフィルタ303,304で
帯域制限した後、再び乗算器305,306で周波数ωkの正弦
波及び余弦波で変調して、元の周波数位置に戻してい
る。この例ではこのあとこれら2つの信号を、デシメー
タ307,308を用いて1/Mにデシメーションし、加算器3
09で加算している。図3(a)はそれと等価な図3(b)に変
形できる。図3(b)では、図3(a)の乗算器305,306とデ
シメータ307,308の順序を入れ換えている。乗算器305,3
06はデシメータ307,308の後ろに位置したため、サンプ
ルレートの低い乗算器310,311に置き換えられている。
また、フィルタh(n)であるが、h(n)としては波形歪を軽
減する意味から直線位相であるべきであり、1/2サンプ
ルの位相遅延を扱わずに済むことから、図2(a)のよう
にフィルタ長Kが奇数であれば都合がよい。この時、h
(K-1-n)=h(n)となる。一方、ハードウェアによる計算の
簡便さを考えると、フィルタ長Kとしては2のべき乗で
あるのがよい。そこで、図2(b)のように、h(n)にもう
1サンプルh(0)=0を加え、1サンプルずつシフトしてh
(n)とする。すると、h(K-n)=h(n)となる。これらより、
信号x(n)のk番目のバンク出力であるXk(m)は、Re
{X}をXの実数部として、
【0042】
【数8】
【0043】r=2Mp+nと置いて(nは以前のnと異な
る)、累算Σを2M個ずつに分割し再編する。
【0044】
【数9】
【0045】ωk=(2πk/K)を代入し、K=2MJを考慮する
と、
【0046】
【数10】
【0047】kとして、k=Jl/2;l=整数という制限を設
ける。すなわち、kをJ/2の整数倍にとることで、図4の
ような位置にハ゛ント゛ハ゜スフィルタを移動する。図4で実線で示
されたハ゛ント゛ハ゜スフィルタ群は、lが奇数の場合であり、奇数
型のフィルタハ゛ンクを構成する。また、破線で示されたハ゛ント゛ハ
゜スフィルタ群はlが偶数の場合であり、偶数型のフィルタハ゛ンクを
構成する。ここで、Xk(m)|k=Jl/2=Xl(m)と表すと、
【0048】
【数11】
【0049】
【数12】
【0050】またここで、
【0051】
【数13】
【0052】と置く。奇数型のフィルタバンクを実現す
るために、lとして奇数を選ぶ場合には、
【0053】
【数14】
【0054】となるので、2M毎にh(n)の負号を反転して
h'(n)とおけば、
【0055】
【数15】
【0056】となる。故に、(数12)は、
【0057】
【数16】
【0058】となり、l番目のバンク出力は、g(n-n0)
を離散フーリエ変換(DFT)して、その実数部をとる
ことで得られることがわかる。ここで、DFTは(数1
7)で定義される。
【0059】
【数17】
【0060】DFT[g(n-n0)]は4M点のDFTであ
るが、g(n)は、2M点の値しか持たないため累和Σの範
囲は0〜2M-1である。従って、g(n)の残り2M点は、"0"
として扱う。DFTは、ジェイダブリュー クーリー
(J.W.Cooley)とジェイ ダブリュー ターキー(J.W.Tuk
ey)によって提案された、高速フーリエ変換(FFT)
のアルゴリズムを用いて、図6の流れ図に従って計算で
きる。また、図6に見られるように、4M点のDFT
は、2つの2M点DFTに分解できる。図6において、
W0〜W7は複素正弦波であり、Wn=exp(-j2πn/4M)で与え
られる。奇数型フィルタバンクでは、図4で示されたよ
うに、lが奇数の場合にあたる図6の下半分の2M点D
FTを実行すれば良いことになる。この下半分の2M点
DFTの入力I0〜I7には、図5より、g(n0)〜g(2M-1),g
(0)〜g(n0-1)がそれぞれW0〜W7を乗算されて後、入力さ
れる。
【0061】次に、(数8)や(数16)に現れる変調
信号の位相遅延n0について説明する。図7のようなオー
ディオ圧縮符号化装置では、符号化/復号化を通して得
られる復元信号が元の信号と同じ或いは非常に類似して
いることが望まれる。この観点から、変調信号の位相遅
延n0には制限が加わる。復号器に用いる合成フィルタバ
ンクのブロック図を図6に示す。図6において、デシメ
ーションされたk番目のバンド信号
【0062】
【外7】
【0063】k(m)が、乗算器601、602によって余弦波cos
ωkmMおよび、正弦波sinωkmMで変調される。その後、
インターポレータ603、604でサンプルレートをM倍にし
て、プロトタイプフィルタf(n)で帯域制限され、イメー
ジ部分の除去が行われる。次に乗算器607、608によって
余弦波cosωk(n+n0)、正弦波sinωk(n+n0)で変調し、両
出力を加算器609で加算している。図6では、k番目の
バンク出力の復号が表現されている。
【0064】
【外8】
【0065】(n)の復元には全てのバンクの復元信号出
力を加算する必要があり、図6の加算器610によって他
のバンクの成分を加算合成している。故に、復元信号
【0066】
【外9】
【0067】(n)は、
【0068】
【数18】
【0069】
【数19】
【0070】
【数20】
【0071】ここで、{ }の中は、ωk=(2πk/K) を
代入して整理すると、
【0072】
【数21】
【0073】また、
【0074】
【数22】
【0075】であるので、r-n=s0K、r+n+2n0=s1Kと置く
と、
【0076】
【外10】
【0077】(n)は
【0078】
【数23】
【0079】(数23)の右辺第1項が復元項であり、
第2項がイメージ項である。プロトタイプフィルタとし
て、h(K-n)=h(n)なるフィルタを使用した場合、(数2
3)右辺第1項より、
【0080】
【数24】
【0081】s0=0の場合のみフィルタf(n)とフィルタh
(n)とが重なり、x(n)が復元されるので、
【0082】
【数25】
【0083】故にf(n)=h(n)を用いると、
【0084】
【数26】
【0085】が、元信号復元の条件となる。また、(数
23)の右辺第2項はイメージ成分であり、0となるべ
きである。従って、K=2MJを代入して、
【0086】
【数27】
【0087】m=J(s1-1)を累和Σの真ん中にして、(す
なわち、m-J(s1-1)をmに代入して)
【0088】
【数28】
【0089】
【数29】
【0090】故に、2n0=M と置くとΣの中はキャンセル
されることより第2の復元条件として、
【0091】
【数30】
【0092】が求まる。以下、本発明の一実施例につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0093】図1は本発明の実施例におけるフィルタバ
ンクのブロック図である。図1において、シフトレジス
タ1は、端子INからディジタルオーディオサンプルを
入力し、最新のサンプル512個を記憶している。端子
INから新しいサンプルが入力されると端子OUTか
ら、最古のサンプルから順番にシフトアウトする。51
2段のこのシフトレジスタの最終段のレジスタ出力をx
(0)とし、その1つ前のレジスタ出力をx(1)とし、順次
番号付けして、入力端子INに接続されている先頭段の
レジスタ出力をx(511)としている。乗算器2は、シフト
レジスタの出力x(0)とプロトタイプフィルタ係数h(0)を
乗算して、v(0)を出力する。符号が付されていない同様
の乗算器によってx(1)とh(1)が乗算されてv(1)を得る。
このようにして、v(0)〜v(511)が計算される。次に、加
算器3、加算器4、加算器5及びその他の図示されてい
ない4つの加算器によってg(0)が計算される。すなわ
ち、(数15)より、
【0094】
【数31】
【0095】同様にして、g(1),g(2),‥‥,g(63)が計算
される。g(16)は乗算器7によって、複素正弦波W(n),W
(n)=exp(-j2πn/4M)のn=0における値W(0)が乗算され、
乗算結果はFFT演算器8の入力端子I(0)に入力され
る。g(17)〜g(63)は、同様にして、それぞれW(1)〜W(4
7)が乗算され、結果はFFT演算器8の入力端子I(1)〜
I(47)に入力される。このようにg(n)とFFT演算器8
の入力I(n)の番号の対応が16ずれている。これは(数
16)で、g(n)にn0のシフトを与えていることに対応
し、(数30)におけるMが図1の例では32であるた
め、n0=16となることによる。g(0)〜g(15)は負号反転器
6及びそれと同様の負号反転器によって負号反転され、
その後W(48)〜W(63)がそれぞれ乗算され、FFT演算器
8の入力端子I(48)〜I(63)に入力される。FFT演算器
8は、図5における下半分の2M点DFTを高速に実行
する。図1のFFT演算器8には、図5には、示されて
いなかったビット反転順序への順序並べ変え処理が含ま
れている。そして、低域の半分に当たる周波数成分の実
数部のみをX(0)〜X(31)として出力する。これらを、
それぞれバンク0〜バンク31の出力とする。
【0096】以上のように本実施例によれば、フィルタ
バンクの計算において、プロトタイプフィルタの係数を
サンプルに乗じた後、正弦波で変調してフィルタバンク
を実現する過程の中で、正弦波での変調を、計算効率の
非常に高い高速フーリエ変換を用いて実現できるべく工
夫している。従って、帯域分割フィルタバンクのバンク
数が32やそれ以上に増えてもハードウェアとしての実
現が容易となる。
【0097】以上のように本発明は、入力ディジタル信
号を複数M個のサブバンド信号に分割するディジタル型
の帯域分割フィルタであって、次のような特徴を有する
ものである。すなわち、(A) K個の入力ディジタル信
号x(0)〜x(K-1)に、長さKのプロトタイプフィルタ係数
h(0)〜h(K-1)を乗算してK個の乗算出力、v(n)=x(n)・h
(n),n=0,1,‥‥,K-1を得て、(B) このK個の乗算出力v
(n)を、2Mサンプル毎にブロック化してJ=K/2MなるJ
個のブロックを形作り、さらにこのJ個のブロックのう
ち偶数番目または奇数番目どちらか一方のブロックのサ
ンプル値を負号反転したのち、それぞれのブロックから
第n番目のサンプルを集め、それらを加算することで2
M個のg(n)、n=0,1,‥‥,2M-1を計算し、(C) g(n)の先
頭M/2個のサンプルg(0)〜g(M/2-1)の負号を反転し、g(n
-2M)=g(n)の周期性を持って、g(n)をM/2個前方シフト
し、g'(n)=g(n-M/2)を求め、(D) g'(n)のそれぞれに、
対応するWn=exp(-j2πn/4M),n=0,1,‥‥,2M-1を乗算
し、(E) その2M個の乗算出力に対して高速フーリエ
変換演算を施して2M個のフーリエ係数を得て、(F)
この2M個のフーリエ係数のうち、低域のM個の係数の
実数部のそれぞれを、M個のフィルタバンクの出力とす
る。
【0098】
【発明の効果】本発明は上記した構成を有することによ
って、演算の回数を効率よく削減できるため、帯域分割
フィルタバンクを小さいハードウェアで実現でき、或い
は高速に計算結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における帯域分割フィルタの構
成を示すブロック図
【図2】(a)はフィルタ長が奇数の場合の波形例を示
す波形図 (b)はフィルタ長が偶数の場合の波形例を示す波形図
【図3】(a)は帯域分割フィルタバンクの処理ブロッ
ク図 (b)は(a)と等価な処理ブロック図
【図4】本発明で実現されるバンドパスフィルタ群の周
波数特性図
【図5】本発明で用いる高速フーリエ変換の処理流れ図
【図6】復号器に用いる合成フィルタバンクの処理ブロ
ック図
【図7】従来の帯域分割型圧縮符号化器の構成を示すブ
ロック図
【図8】多相構造を用いないフィルタバンクのブロック
【図9】(a)はプロトタイプフィルタの周波数特性図 (b)は周波数ωkの正弦波のスペクトル図 (c)は図9(a)のプロトタイプフィルタを図9
(b)の正弦波で変調して得られるバンドパスフィルタ
の周波数特性図 (d)は8つのバンドパスフィルタの特性図
【図10】従来の多相構造を用いたフィルタバンクの構
成を示すブロック図
【符号の説明】
1 シフトレジスタ 2,7 乗算器 3,4,5 加算器 6 負号反転器 8 高速フーリエ変換器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディジタル信号を複数M個のサブバ
    ンド信号に分割する、下記のステップからなることを特
    徴とするディジタル型の帯域分割フィルタ。 (A) K個の入力ディジタル信号x(0)〜x(K-1)に、長さ
    Kのプロトタイプフィルタ係数h(0)〜h(K-1)を乗算して
    K個の乗算出力、v(n)=x(n)・h(n),n=0,1,‥‥,K-1を得
    て、 (B) このK個の乗算出力v(n)を、2Mサンプル毎にブ
    ロック化してJ=K/2MなるJ個のブロックを形作り、さら
    にこのJ個のブロックのうち偶数番目または奇数番目ど
    ちらか一方のブロックのサンプル値を負号反転したの
    ち、それぞれのブロックから第n番目のサンプルを集
    め、それらを加算することで2M個のg(n)、n=0,1,‥‥,
    2M-1を計算し、 (C) g(n)の先頭M/2個のサンプルg(0)〜g(M/2-1)の負号
    を反転し、g(n-2M)=g(n)の周期性を持って、g(n)をM/2
    個前方シフトし、g'(n)=g(n-M/2)を求め、 (D) g'(n)のそれぞれに、対応するWn=exp(-j2πn/4
    M),n=0,1,‥‥,2M-1を乗算し、 (E) その2M個の乗算出力に対して高速フーリエ変換
    演算を施して2M個のフーリエ係数を得て、 (F) この2M個のフーリエ係数のうち、低域のM個の
    係数の実数部のそれぞれを、M個のフィルタバンクの出
    力とする。
  2. 【請求項2】 プロトタイプフィルタh(n)の長さKが2
    のべき乗であることを特徴とする請求項1に記載の帯域
    分割フィルタ。
  3. 【請求項3】 プロトタイプフィルタh(n)が、h(K-n)=h
    (n)なることを特徴とする請求項2に記載の帯域分割フ
    ィルタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11503240A (ja) * 1995-03-27 1999-03-23 ドルビー・ラボラトリーズ・ライセンシング・コーポレーション フェーザ測定用単一側波帯フィルタバンクの効率的実施装置
WO2008123317A1 (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha 信号処理装置、エコーキャンセラ、信号処理方法
JP2009530916A (ja) * 2006-03-15 2009-08-27 ドルビー・ラボラトリーズ・ライセンシング・コーポレーション サブフィルタを用いたバイノーラル表現

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