JP3183902B2 - 自動焦点装置 - Google Patents

自動焦点装置

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JP3183902B2
JP3183902B2 JP09487091A JP9487091A JP3183902B2 JP 3183902 B2 JP3183902 B2 JP 3183902B2 JP 09487091 A JP09487091 A JP 09487091A JP 9487091 A JP9487091 A JP 9487091A JP 3183902 B2 JP3183902 B2 JP 3183902B2
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はカメラ等に用いられる
自動焦点装置に関し、特に光軸と垂直方向に移動する被
写体の予測AF、合焦動作を行う自動焦点装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、カメラの自動調節装置に於い
て被写体の動きを検出して処理する装置は数多く提案さ
れている。例えば、特開昭60−166910号公報で
は、所定時間後の被写体像信号の差をとることにより、
被写体像の動きを検出して手振れ警告を行い、合焦でき
ないことを予告している。また、例えば特開昭60−2
14325号公報では、デフォーカス量の変化より被写
体の光軸方向の動きを検出し、所定時間後の被写***置
を予測してレンズ駆動量を補正する手段が開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭60
−166910号公報に開示されているような装置の場
合、撮影者は被写体の動きを検知してピントの合った写
真が得られないと判断するため、撮影機会を失ってしま
っていた。例え撮影したとしても、ピントの合った写真
は得られないものであった。
【0004】また、特開昭60−214325号公報に
開示されているような装置の場合は、被写体の光軸方向
の動きを検出してレンズを追従させているので、光軸方
向に真直ぐに動いている被写体にはピントを合わせるこ
とができるが、次のような場合にはピントを合わせるこ
とができない。
【0005】すなわち、上記装置の場合、図17(a)
に示されるように、被写体1がカメラ2の光軸に対して
直交する横方向(図示矢印G1 方向)に動いているとき
は、デフォーカス量の変化だけを検出しているので、デ
フォーカス検出をしている測距粋より被写体像が外れて
しまっても、該被写体像が測距粋から外れてしまったこ
とを認識できない。このため、所望の被写体像以外の被
写体像についての移動速度を検出してしまう虞れがあ
【0006】また、図17の(b)のように、接近した
2つの距離に被写体1及び1′が並んで存在するとき
に、撮影者がカメラの構図を少し変えると(図示矢印G
2 方向)、それだけで測距対象となる被写体が変わって
しまう。このために、デフォーカス量が変化する。
【0007】このデフォーカス量の変化により、カメラ
は被写体が動いているものと判定してレンズ駆動量を補
正してしまうので、ピントの合った写真を得ることがで
きなかった。すなわち、単にデフォーカス量の変化だけ
を検出しているので、測距対象となる被写体が同一の被
写体であるか検出していなかった。
【0008】この発明は上記の課題に鑑みてなされたも
ので、被写体像の移動を検出することによって光軸方向
の動きだけでなく光軸と直交する横方向の動きを検出し
て、被写体像が測距枠にある限りは常に同一の被写体を
検出することによって動いている被写体に確実に合焦す
ることのできる自動焦点装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に記載
の発明は、図1に示されるように、被写体光の像を2像
に分割する像分割手段と、この像分割手段により分割さ
れた像を各々受光する第1光電変換素子列11及び第2
光電変換素子列12とを有するAFIC13を備える自
動焦点装置に於いて、第1の時刻に於ける上記第1光電
変換素子列11上の第1被写体像位置と、上記第1の時
刻から所定時間経過した後の第2の時刻に於ける上記第
1被写体像位置とに基き第1の相関演算を行うと共に、
上記第1の時刻に於ける上記第2光電変換索子列12上
の第2被写体像位置と、上記第2の時刻に於ける上記第
2被写体像位置とに基き第2の相関演算を行う相関演算
手段と、この相関演算手段による上記第1及び第2の相
関演算に関する出力に基き、それぞれ相関性があるか否
かを判定する相関性判定手段と、この相関性判定手段
が、相関性ありと判定した場合に、上記第1及び上記第
2の被写体像の移動量を上記第1の時刻及び第2の時刻
それぞれの像位置から求める移動量算出部14及び15
を有する移動量演算手段16と、この移動量演算手段1
6の出力に基き、第1の所定時間に引続く第2の所定時
間経過後の第1被写体像位置と第2被写体像位置を予測
する予測演算部17及び18を有する予測演算手段19
と、この予測演算手段19で予測された予測第1被写体
像位置と予測第2被写体像位置とから必要なレンズ駆動
量を演算するレンズ駆動量算出手段20と、から成る駆
動量演算手段を具備することを特徴とする。また、請求
項2に記載の発明は、上記予測演算手段19による上記
第2の所定時間が、レンズ駆動終了時に合焦となるよう
なレンズ駆動量を駆動するに要する時間、または露光開
始までの時間、或いはストロボ発光までの時間であるこ
とを特徴とする。請求項3に記載の発明では、上記予測
演算手段19による時刻t2 に於ける予測像ずれ量Z″
は、時刻t0 に於ける像ずれ量をΔZ′、時刻t1 に於
ける像ずれ量ΔZ、第1被写体像の像移動量をΔXR
第2被写体像の像移動量をΔXLとすると、 ΔZ″=ΔZ+((t2 −t1 )/(t1 −t0 ))(ΔX
R −ΔXL ) または、 ΔZ″=ΔZ′+((t2 −t1 )/(t1 −t0 ))(Δ
R −ΔXL ) により、求めることを特徴とする。更に、請求項4に記
載の発明では、上記移動量演算手段16は、先に移動量
を検出している場合には、上記移動量を求める際の相関
演算を行う範囲を制限することを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1に記載の発明の自動焦点装置にあって
は、被写体光の像が2像に分割され、この分割された像
が、第1光電変換素子列11及び第2光電変換素子列1
2とを有するAFIC13によって各々受光される。そ
して、第1の時刻に於ける上記第1光電変換素子列11
上の第1被写体像位置と、上記第1の時刻から所定時間
経過した後の第2の時刻に於ける上記第1被写体像位置
とに基き第1の相関演算を行うと共に、上記第1の時刻
に於ける上記第2光電変換素子列12上の第2被写体像
位置と、上記第2の時刻に於ける上記第2被写体像位置
とに基き相関演算が相関演算手段で行われる。この相関
演算手段による上記第1及び第2の相関演算に関する出
力に基き、それぞれ相関性があるか否かが相関性判定手
段で判定され、この相関性判定手段が、相関性ありと判
定した場合に、上記第1及び上記第2の被写体像の移動
量が、移動量演算手段16内の移動量算出部14及び1
5で上記第1の時刻及び第2の時刻それぞれの像位置か
求められる。そして、この移動量演算手段16の出力
に基き、第1の所定時間に引続く第2の所定時間経過後
の第1被写体像位置と第2被写体像位置が予測演算手段
19内の被写体像位置予測演算部17及び18で演算さ
れる。予測演算手段19で予測された予測第1被写体像
位置と予測第2被写体像位置からは、必要なレンズ駆動
量が駆動量演算手段を構成するレンズ駆動量算出手段2
0で演算される。このように、異なる時刻での第1、第
2の被写体像信号をそれぞれ比較することにより、移動
量を第1、第2の被写体像毎に検出して、所定時間後の
被写体像位置を第1、第2の被写体像毎に予測して被写
体の動きを予測する。また、請求項2に記載の発明の自
動焦点装置にあっては、上記予測演算手段19による上
記第2の所定時間を、レンズ駆動終了時に合焦となるよ
うなレンズ駆動量を駆動するに要する時間、または露光
開始までの時間、或いはストロボ発光までの時間とす
る。請求項3に記載の発明の自動焦点装置では、上記予
測演算手段19による時刻t2 に於ける予測像ずれ量
Z″は、時刻t0 に於ける像ずれ量をΔZ′、時刻t1
に於ける像ずれ量ΔZ、第1被写体像の像移動量をΔX
R 、第2被写体像の像移動量をΔXL とすると、 ΔZ″=ΔZ+((t2 −t1 )/(t1 −t0 ))(ΔX
R −ΔXL ) または、 ΔZ″=ΔZ′+((t2 −t1 )/(t1 −t0 ))(Δ
R −ΔXL ) により、求められる。更に、請求項4に記載の発明の自
動焦点装置にあっては、上記移動量演算手段16は、先
に移動量を検出している場合には、上記移動量を求める
際の相関演算を行う範囲を制限する。
【0011】
【実施例】以下図面を参照して、この発明の実施例を説
明する。
【0012】図2(a)〜(d)は焦点検出の原理を説
明するためのもので、被写体、カメラ及びセンサの関係
を示した図である。例えば、図2(a)に示されるよう
に、カメラ2に向かって被写体1が真直ぐに近付いてく
る(図示矢印G3 方向)場合、後述する焦点検出装置の
原理により、第1及び第2のセンサ上の第1及び第2の
被写体像は、時刻t1 から時刻t2 の間に互いに外側へ
移動する。この場合、被写体像の移動量ΔxL とΔxR
は等しい。
【0013】また、図2(b)に示されるように、カメ
ラ2に向かって被写体1が光軸と直交する横方向(図示
矢印G1 方向)に平行移動する場合、2つの被写体像は
同じ向きに移動する。この場合、被写体像の移動量Δx
LとΔxR は等しい。
【0014】更に、図2(c)に示されるように、カメ
ラ2に向かって被写体1が左手前に近付く(図示矢印G
4 方向)場合、第1の被写体像(L)は、近付いてくる
ことによる外側への移動量と、左へ平行移動することに
よる左側への移動量が加算されて外側へ大きく移動す
る。一方、第2の被写体像(R)は、近付いてくること
による外側への移動量と、左へ平行移動することによる
左側への移動量が相殺されて移動量は小さくなる。
【0015】同様に、図2(d)に示されるように、カ
メラ2から向かって左後方に被写体1が遠ざかる場合
は、第1の被写体像(L)は、遠ざかることによる内側
への移動量と、左へ平行移動することによる左側への移
動量が相殺されて、移動量は小さくなる。一方、第2の
被写体像(R)は、遠ざかることによる内側への移動量
と、左へ平行移動することによる左側への移動量が加算
されて、内側へ大きく移動する。
【0016】ここで、時刻t1 と時刻t2 の被写体像よ
り、後述する相関演算等の手段により第1及び第2の被
写体像の移動量ΔxL、ΔxR を検出して、右方向への
移動を+とする符号をつけると、光軸方向の被写体像の
移動量はΔxR −ΔxL 、横方向の被写体像の移動量は
ΔxR +ΔxL で求めることができる。時刻t1 から時
刻t2 までの被写体像の移動量ΔxL 、ΔxR が求まれ
ば、時刻t3 での被写体像の位置を予測することができ
る。
【0017】被写体が定速度で動いているとすると、横
方向の被写体像の移動速度は定速度となる。また、光軸
方向への被写体像移動速度は、後述するように厳密には
定速度にはならないが微小な時間間隔では定速度と考え
てよい。
【0018】したがって、時刻t3 での第1の被写体像
の予測位置は、時刻t2 の被写体像位置より数1に示さ
れるΔxL ′だけ移動する。
【0019】
【数1】 同様に、第2の被写体像の予測位置は数2に示されるΔ
R ′だけ移動する。
【0020】
【数2】 また、時刻t2 での第1、第2の被写体像の間隔、すな
わちピントずれ量をΔZとすると時刻t3 での予測ピン
トずれ量ΔZ′は数3の如く求められる。
【0021】
【数3】 この予測ピントずれ量ΔZ′に基いて、レンズ駆動量を
求める。時刻t3 をレンズ駆動終了時に合焦となるよう
なレンズ駆動量を駆動するのに要する時間、または露光
開始までの時間、或いはストロボ発光までの時間とする
ことにより、被写体にピントを合わせることや、ピント
の合った写真を得ることができる。
【0022】ここで、被写体が光軸方向に定速度で移動
しているときの光電変換素子上の被写体像の移動速度に
ついて詳細にみると、以下の如くである。
【0023】すなわち、図3に於いて、被写体(I)の
像は、撮影レンズ(L)によってフィルム面(F)近傍
に被写体像(I′)として結像される。撮影レンズ
(L)の等価的焦点距離をf、等価的厚みをc、フィル
ム面から被写体像までの距離すなわちデフォーカス量を
ΔDとすると、フィルム面から被写体までの距離Rは数
4のようにして求められる。
【0024】
【数4】 したがって、デフォーカス量ΔDは、数5の如くなる。
【0025】
【数5】 レンズ固定で考えると、R−l−2f−c=kとおける
から数6のようになる。
【0026】
【数6】 光電変換素子上の被写体像間隔の合焦時の被写体像間隔
に対するずれ量をΔZと数7のようになる。この数7に
於いて、A、B、CはAF検出光学系で決まる定数であ
り、例えばA=2、B=170、C=85である。
【0027】
【数7】 このことは、特開昭62−100718号公報等に開示
されている。よって、数8が求められる。
【0028】
【数8】 被写体が定速度で移動しているとすると、l=vt+l
0 とおけるから、数9が求められる。
【0029】
【数9】 したがって、被写体像の移動は上式のようになり厳密に
は定速度にはならないことになる。
【0030】しかしながら、焦点距離f=100mm、距
離10m、速度50km/hで動いている被写体の場合、上
記A=2、B=170、C=85として計算すると、合
焦近傍での被写体像の移動量は次式のようになる。 ΔZ=0.0233−{0.0165/(t+0.7116)} ここで、0.3秒までの移動量を表1に示す。
【0031】
【表1】 カメラの焦点調節に於いては、検出間隔は0.1〜0.
2秒であり、予測時間は0.2〜0.3秒であることか
ら、被写体像の光軸方向の移動速度は定速度と考えて差
し支えない。但し、高速で移動する被写体を近距離で検
出する場合は、定速度とは考えられないので、上述した
ようにΔZ=α−{γ/(t+β)}の形で求めてもよ
い。この場合は、被写体像の移動量より光軸方向の移動
量を求めて、第1、第2の被写体毎に横方向と光軸方向
の移動量に分けて求めることができる。
【0032】また、上式の係数αは焦点距離とフォーカ
スレンズの繰出し量により求まるものであり、係数β、
γは例えば時刻t1 、t2 の像ずれ量により求めること
ができる。或いは、係数のβ、γを時刻t1 、t2 、t
3 の像ずれ量より求めてもよい。
【0033】次に、この発明の実施例を説明する。
【0034】図4は、この発明の自動焦点装置が適用さ
れたもので、ズームレンズ機構を内蔵するカメラの光線
図を示したものである。同図に於いて、被写体光線は、
5つのレンズ群と撮影絞りから成る撮影レンズ101を
通り、メインミラー102に入る。撮影レンズ101は
第1群、第2群でフォーカシング作用を行ない、第3
群、第4群がズーム作用を行う第5群は固定である。ズ
ーミング時は第3群、第4群を動かすと同時に、第1
群、第2群をカム構造で駆動しズーミング時のピントず
れを防いでいる。
【0035】上記メインミラー102はハーフミラーに
なっており、入射光量の2/3がファインダ光学系10
3に反射される。入射光量の残りの1/3は、メインミ
ラーを透過しサブミラー104で反射されて、AF光学
系105へ導かれる。AF光学系105は、視野絞り1
06、赤外カットフィルタ107、コンデンサレンズ1
08、ミラー109、再結像絞り110、再結像レンズ
111、AFIC112から成る。
【0036】視野絞り106は、撮影画面中からAF検
出する視野を決定し、再結像レンズ111によって分割
される2つの光像が干渉しないようにするものである。
赤外カットフィルタ107は、AF検出に不要な赤外光
をカットし、赤外光による収差ずれを防ぐ。コンデンサ
レンズ108は、撮影レンズ101による被写体光像の
結像面、すなわちフィルム等価面の近傍に設置されるも
ので、再結像レンズ111と共にフィルム等価面近傍に
結像した被写体光像をAFIC112に再結像させる。
また、再結像絞り110は、光軸に対称で且つ対をなし
いるもので、コンデンサレンズ108を通過した被写
体光線の中から2つの光束を選択して通過させる。再結
像絞りを通過した2つの光束は、AFIC112上の2
つの光電変換素子列に再結像される。
【0037】上記ファインダ光学系103は、フォーカ
シングスクリーン113、コンデンサレンズ114、プ
リズム115、モールドダハミラー116、接眼レンズ
117で構成されている。上記撮影レンズ101を通過
した被写体光像は、フォーカシングスクリーン113に
結像される。そして、結像された像は、コンデンサレン
ズ114、接眼レンズ117を通して撮影者により観察
されることができる。
【0038】メインミラー102とサブミラー104
は、フィルム露光時には図中の点線の位置(図示矢印G
6 方向)に退避する。そして撮影レンズ101を通過し
た被写体光は、シャッタ118の先幕が開く時から後幕
が閉じる時までの間に、フィルム119に露光される。
【0039】図5は、この実施例のカメラのブロック構
成図である。同実施例に於けるカメラシステムには、C
PU201、インターフェースIC202、電源ユニッ
ト203、ストロボユニット204、ミラーシャッタユ
ニット205、巻き上げユニット206、レンズユニッ
ト207、ファインダユニット208、表示ユニット2
09、AFユニット210の各ユニット等で構成され
る。
【0040】CPU201は、カメラシステム全ての制
御を行うもので、シリアル通信ライン211を介して、
インターフェースIC202、LCDIC235、AF
IC240、E2 PROM237とデータの送受信を行
う。また、CPU201とインターフェースIC202
との間には別の通信ラインがあり、各種アナログ信号の
入力、PIの波形整形後の信号入力等を行う。アナログ
信号は、CPU201のA/D変換入力端子に入力され
てデジタル変換される。更に、CPU201は、各種の
演算部やデータの記憶部、時間の計測部を有している。
【0041】インターフェースIC202はデジタル・
アナログ回路混在のBi−CMOSICであって、モー
タ、マグネットの駆動、測光、バッテリチェック、バッ
クライトLED、補助光LEDの点灯回路、フォトイン
タラプタの波形整形回路等のアナログ処理部と、スイッ
チ(SW)の入力シリアル通信データ変換等のデジタル
処理部で構成されている。
【0042】電源ユニット203は、2系統の電源を供
給する。1つはモータやマグネット等のパワーを必要と
するドライバに使われる電源で、常時、電池212の電
圧が供給される。他の1つはDC/DCコンバー213
によって安定化された小信号用の電源であり、CPU2
01よりインターフェース202を通して制御される。
【0043】ストロボユニット204は、ストロボ充電
回路214、メインコンデンサ215、ストロボ発光回
路216、ストロボ発光管217等から成る。低輝度ま
たは逆光状態でストロボの発光が必要な時は、CPU2
01の制御信号によりインターフェースIC202を介
して、ストロボ充電回路214が電池電圧を昇圧してメ
インコンデンサ215に充電を行う。同時に、ストロボ
充電回路214から分圧された充電電圧が、CPU20
1のA/D変換入力端子に入力される。これにより、C
PU201は充電電圧の制御を行う。充電電圧が所定レ
ベルに達したならば、CPU201からインターフェー
スIC202を介してストロボ充電回路214に充電停
止信号が通信されて、メインコンデンサ215の充電が
停止する。CPU201はフィルム露光時に、所定のタ
イミングでストロボ発光回路216を介してストロボ発
光管217の発光開始、発光停止の制御を行う。
【0044】ストロボの発光タイミングには、次のよう
なものがある。後述するシャッタ先幕走行完了スイッチ
244の入力により発光する先幕発光、後幕の走行開始
直前に発光する後幕発光、先幕走行完了から後幕の走行
開始直前の間に等しい時間間隔で等光量だけ複数回発光
するマルチ発光等である。
【0045】ミラーシャッタユニット205は、ミラー
シャッタモータ218と、先幕、後幕の走行を制御する
2つのシャッタマグネット219と、シーケンススイッ
チ群244に含まれる先幕走行完了スイッチ等で構成さ
れる。ミラーシャッタモータ218は、CPU201よ
りインターフェースIC202、モータドライバ241
を介して制御され、その正回転によりメインミラー10
2のアップダウン、撮影絞りの絞り込みと、開放シャッ
タのチャージ(先幕を閉じて後幕を開ける)を行う。
【0046】シャッタマグネット219は、インターフ
ェースIC202を介してCPU201により制御され
る。露光開始時には、先ず開始直前にミラーシャッタモ
ータ218により、メインミラーの退避と、撮影絞りの
絞り込みが行われる。次に、シャッタマグネット219
に通電を行い、マグネットを吸着する露光開始と同時
に、先幕のシャッタマグネット219の吸着が解除され
ることにより、先幕が開かれる。先幕先行完了スイッチ
244の入力から、所望の露光時間経過後に後幕のシャ
ッタマグネット219の吸着が解除されることにより、
後幕が閉じられる。こうして、先幕の開と後幕の閉の間
に、フィルムに露光される。次にシャッタモータ218
の正転によりミラーがダウンし、撮影絞りが開放状態に
なる。同時に、シャッタのチャージを行う。
【0047】尚、シャッタモータ218は、逆転するこ
とによりフィルムの巻き戻しを行うものである。
【0048】上記巻き上げユニット206は、巻き上げ
モータ220とフィルム検出フォトインタラプタ221
等で構成される。巻き上げモータ220は、インターフ
ェースIC202、モータドライバ241を介して、C
PU201で制御される。フィルム検出PI221の出
力は、インターフェースIC201で波形整形され、C
PU201に伝達されて、巻き上げ量フィードバックパ
ルスを生成する。CPU201は、パルス数をカウント
することによって1駒分の巻き上げ量を制御する。
【0049】レンズユニット207は、撮影レンズ22
2、ズームモータ223、ズームギア列224、AFモ
ータ225、AFギア列226、AFPI227、ズー
ムエンコーダ228、絞りPI229、絞りマグネット
230等で構成される。ズームモータ223、AFモー
タ225は、インターフェース202、モータドライバ
241を介して、CPU201により制御される。ズー
ムモータ223の回転はズームギア列224により減速
され、これにより撮影レンズ222のズーム系が駆動さ
れる。また、ズームエンコーダ228は、撮影レンズ2
22を支持する鏡枠の周囲に設置された6本のスイッチ
から成るエンコーダであり、6本のスイッチのON、O
FFデータがCPU201に入力され、ズームレンズの
絶対位置が検出されるようになっている。
【0050】CPU201は、ズームレンズの絶対位置
から焦点距離を求めて、焦点距離記憶部247に記憶す
る。AFモータ225の回転はAFギア列226により
減速され、これにより撮影レンズ222のフォーカス系
レンズが駆動される。一方、AFギア列226の中間か
ら、AFフォトインタラプタ227の出力が取り出され
る。AFPI227の出力は、インターフェースIC2
01で波形整形されてCPU201に伝達され、AFレ
ンズ駆動量フィードバックパルスを生成する。CPU2
01は、パルス数をカウントすることによってAFレン
ズの駆動量を制御する。上記AFレンズのメカストッ
パ、または無限基準位置からの駆出し量はAFPI22
7のパルス量として、CPU201内のレンズ繰り出し
量記憶部246に記憶される。
【0051】絞りマグネット230は、インターフェー
スIC202を介してCPU201で制御される。ミラ
ーアップスタートと同時に、電流が通電されてマグネッ
トが吸着される。撮影絞りは、上述したミラーシャッタ
ユニット205のミラーシャッタモータ218のミラー
アップ動作と同時に、ばねにより機械的に絞り込みが開
始される。そして、所望の絞り値に達した時に絞りマグ
ネット230の吸着が解除されて、絞り込み動作が停止
されることにより設定されるものである。絞りPI22
9の出力は、インターフェースIC202で波形整形さ
れ、CPU201に伝達されて絞り込み量フィードバッ
クパルスを生成する。CPU201は、パルス数をカウ
ントすることによって撮影絞りの絞り込み量を制御す
る。
【0052】ファインダユニット208は、ファインダ
内LCDパネル231と、バックライトLED232
と、測光用8分割フォトダイオード素子233等から成
っている。ファインダ内LCDパネル231は透過形液
晶で構成され、CPU201からLCDIC235に送
られる表示内容に従い、LCDIC235によって表示
制御される。バックライトLED232は、CPU20
1によってインターフェースIC202を介して点灯制
御され、ファインダ内LCDパネル231を照明する。
【0053】上記測光用素子233は、インターフェー
スIC202を介してCPU201で制御される。測光
用素子233で発生した光電流は、8素子毎にインター
フェースIC202に送られ、その内部で電流/電圧変
換される。そして、CPU201で指定された素子の出
力のみが、インターフェースIC202からCPU20
1のA/D入力変換端子に送られ、デジタル変換されて
測光演算に用いられる。
【0054】表示ユニット209は、外部LCDパネル
234、LCDIC235、キースイッチ(SW)群
(1)236等から成る。LCDパネル234は反射型
液晶であり、CPU201からLCDIC235に送出
される表示内容に従い、LCDIC235によって表示
制御される。キースイッチ群(1)236は、主にカメ
ラのモードを設定するためのもので、AFモード選択ス
イッチ、カメラ露出モード選択スイッチ、ストロボモー
ド選択スイッチ、AF/PF切換スイッチ、マクロモー
ドスイッチ等のスイッチが含まれる。これらの各スイッ
チの状態は、LCDIC235を介してCPU201に
読込まれ、これによりそれぞれのモードが設定される。
【0055】AFユニット210は、E2 PROM23
7、コンデンサレンズ238、セパレタレンズ(再結
像レンズ)239、AFIC240等で構成される。
【0056】被写体光像の一部は、コンデンサレンズ2
38、再結像レンズ239によって2像に分割され、A
FIC240上の2つの光電変換素子列に受光される。
AFIC240は、各素子毎に光強度に応じたデジタル
出力を発生するもので、これがCPU201に送出され
てCPU201内の素子出力記憶部245に記憶され
る。
【0057】CPU201は、記憶された素子出力に基
いて、分割された2像の像間隔、或いは所定時間後の各
像の移動量を、内部の相関演算回路248で計算する。
更に、CPU201はAFIC240の光電変換動作を
制御する。E2 PROM237には、後述する光電変換
素子出力の不均一補正データや、合焦時の2像間隔等の
の様々な調整データが、例えば工場出荷時に書込まれ
る。カメラ動作中は、フィルム駒数等の電源OFF状態
になっても記憶しておく必要のあるデータが書込まれる
ようになっている。
【0058】モータドライバ241は、上述したミラー
シャッタモータ218、巻き上げモータ220、ズーム
モータ223、AFモータ225等の大電流を制御する
ためのドライバである。
【0059】補助光LED242は、低輝度時に被写体
を照明するためのLEDである。この補助光LED24
2は、AFIC240が所定時間内に光電変換が終了せ
ず、2像の像間隔が検出できない時に点灯して、照明光
による被写体像をAFIC240が光電変換できるよう
にするためのものである。
【0060】キースイッチ(SW)群(2)243は、
カメラの動作を制御するスイッチ群である。これには、
レリーズスイッチの第1ストローク信号(1R)、第2
ストローク信号(2R)、ズームレンズを長焦点側に駆
動するスイッチ、短焦点側に駆動するスイッチ、スポッ
ト測光値を記憶するためのスイッチ等が含まれる。これ
らのスイッチの状態は、インターフェースIC202を
介してCPU201に読込まれ、カメラ動作の制御が行
われる。
【0061】シーケンススイッチ(SW)群244は、
カメラの状態を検出するものである。これにはミラーの
上昇位置を検出するスイッチ、シャッタチャージ完了を
検出するスイッチ、シャッタ先幕走行完了を検出するス
イッチ、電源スイッチ、ストロボポップアップ状態を検
出するスイッチ等が含まれる。
【0062】また、ブザー245は、AF合焦時、非合
焦時、電源投入時、手振れ警告時等に発音表示する。
【0063】次にAF光学系について説明する。
【0064】上記AF光学系105は、図6に示される
ように、撮影レンズ121の結像面122の近傍に位置
するコンデンサレンズ123と、一対の再結像レンズ1
24L及び124Rによって構成される。撮影レンズ1
21の合焦時に、上記結像面122上に被写体像125
が結像される。この被写体像125は、上記コンデンサ
レンズ123と、上記一対の再結像レンズ124L及び
124Rにより、光軸126に対して垂直な2次結像面
127(光電変換素子列)上に再形成されて、第1の被
写体像128L、第2の被写体像128Rとなる。
【0065】撮影レンズ121が前ピン、すなわち、上
記結像面122の前方に被写体像129が形成される場
合、その被写体像129は、互いに光軸126に近付い
た形で、光軸126に対して垂直に再結像されて第1の
被写体像130L、第2の被写体像130Rとなる。ま
た、撮影レンズ121が後ピン、すなわち、上記結像面
122の後方に被写体像131が形成される場合、その
被写体像131は、互いに光軸126から離れた位置に
光軸126に対して垂直に再結像されて、第1の被写体
像132L、第2の被写体像132Rとなる。これら第
1の被写体像と第2の被写体像は同一方向を向いてお
り、両像に於いて互いに対応する部分の間隔を検出する
ことにより、撮影レンズ121の合焦状態を先ピン、後
ピン等を含めて検出することができる。
【0066】図7は、光電変換素子の原理を示したもの
である。同図に於いて、初めにリセットトランジスタ1
42をONすることにより、ポイント141の電位はV
0 に設定される。次に、リセットトランジスタ142を
OFFすると、フォトダイオード143は受光した光強
度に応じた光電流iを流して、フォトダイオード143
の接合コンデンサ144に蓄積する。これにより、ポイ
ント141の電位は徐々に大きくなる。ポイント141
の電位が基準電圧VREF を越えるとコンパレータ145
の出力が反転し、ラッチ146にラッチ信号を発生しカ
ウンタ147の値(8ビット)をラッチする。
【0067】一方クロックジェネレータ148は、時間
と共に伸長するクロックを発生する。光電変換素子列の
中で、最も早く基準電圧VREF に達した素子よりセンサ
OR信号(OR)149が発生し、スイッチ150を閉
じる。スイッチ150が閉じられたことにより、カウン
タ147はクロックジェネレータ148のクロックをカ
ウントする。したがって、光電変換素子列の中で最も強
い光を受けた素子のラッチ146には、カウンタ出力
「0」がラッチされる。他の素子は、その素子に受ける
光の強さに応じてVREF に達するまでの時間が遅れるた
め、遅れた時間に応じたカウンタ出力がラッチされる。
【0068】最も明るい素子の出力がVREF に達した時
間をt0 とすると、他の素子のVREF に達する時間t
(I) とラッチされるカウンタ出力D(I) には数10の関
係式が成立することが知られている。
【0069】
【数10】 (I) は素子が受光する光強度に応じて変化するので、
カウンタ出力D(I) を読出すことにより、被写体像信号
を得ることができる。尚、カウンタ147は8ビット分
のカウントを行うとカウントを停止する。したがって、
光強度が弱く、t(I) が所定時間より長い素子出力は
「255」に固定される。
【0070】次に、被写体像信号と光電変換素子の応答
時間より、被写体の輝度データを求める。輝度データは
フィルム露出値の計算に利用したり、測距データの信頼
性、AF補助光の必要性、そして動体判定のために用い
られるものである。
【0071】上述したように、光電変換素子出力D(I)
とその応答時間t(I) は、上記数10の関係式が成立す
る。ところで、この光電変換装置は、素子列の中で最も
暗い素子の蓄積電荷が基準電圧に達した時、またはカウ
ンタが8ビットのカウントを終了した時に検出終了信号
を発生する。光電変換装置を制御するCPUは、光電変
換装置にリセット信号を送出してから、検出終了信号が
発生するまでの時間を検出する。以下、この時間のこと
を積分時間と称することにする。
【0072】この積分時間を決定するのは素子列の中で
最も暗い光を受けた素子であり、上述したように、この
素子の出力が最も大きな値となる。したがって、積分時
間Tと素子出力の中の最大値DMAX は数11の関係にあ
る。
【0073】
【数11】 ところで輝度を求める場合、素子列の中の平均的な輝度
を求めなければならない。したがって、数12で示され
る素子出力の平均値の応答時間を求めると、数13の如
くなる。
【0074】
【数12】
【0075】
【数13】 輝度と応答時間は比例関係にあるので、求める輝度Bは
上式を対数圧縮して数14のように求められる。
【0076】
【数14】 ここで、Hは応答時間と輝度を対応づけるための系数
で、均一光源に対する応答時間より、製品個々に測定し
記憶装置に記憶される。これは製品個々で、光学系の明
るさや光電変換感度にばらつきがあるためである。ま
た、画面中の複数の点で輝度を求めたり、複数の光電変
換装置で輝度を求める場合は、各点、或いは各装置毎に
積分時間、素子最大出力を求めて輝度を検出する。系数
Hも各点或いは各装置毎に記憶する。
【0077】数12で示される素子出力の平均値は、全
素子の平均を求めてもよいが、検出光学系により分割さ
れた第1の被写体像と第2の被写体像は等しいものであ
るから、第1の光電変換素子列または第2の光電変換素
子列の何れかの素子列内で平均を求めてもよい。更に、
狭い領域での輝度値を検出する場合は、素子列の中の一
部を用いるとよい。光学系の性能で、光電変換素子列の
一部に被写体像が投影されない虞れのある部分があれ
ば、その部分の出力は平均化しない。
【0078】全素子の中で最も暗い素子に於いて積分時
間が決まることを述べたが、積分時間を決める素子が全
素子の一部であるような光電変換装置の場合には、上述
した最大値DMAX は積分時間を決める素子出力の中から
求める。
【0079】尚、スポット測光等で高精度の輝度値が必
要な時は、無用な光が光電変換素子に入射するのを防ぐ
ために、光電変換中はファインダ内の発光表示や、LC
DのバックライトLED照明を消したり、ファインダ光
路に遮光部材を挿入する。
【0080】光電変換素子は特性上、低輝度時に暗電流
が発生し積分時間と輝度の比例関係が成立しなくなる。
したがって、低輝度時には積分時間、または求めた輝度
値に応じて輝度値を補正する。補正値は光電変換装置個
々で異なるので、予め測定して記憶装置に記憶しておく
か、或いは温度によっても暗電流の大きさが異なるの
で、温度検出手段により検出した温度により補正値を変
えてもよい。
【0081】次に得られた被写体像信号に不均一補正を
行う。
【0082】これは再結像光学系による照度不均一、受
光素子の感度不均一を補正するためのものである。均一
光源に対する各素子出力より計算された補正係数が記憶
装置に記憶されており、被写体像信号入力時に毎回補正
される。
【0083】補正係数は以下のようにして求められる。
【0084】均一光源の光電変換素子出力をD0 (I) と
するとこの素子の応答時間t(I) は上記数10で示され
る。ここでt0は光電変換素子列の中で最も速く応答し
た素子の応答時間であり、均一光源に於いては全素子の
応答時間がt0 であることが望ましい。任意の被写体の
素子出力をD(I)、補正後の素子出力をD′(I) として
応答時間より補正すると、数15のようになる。
【0085】
【数15】 補正係数H(I) は記憶装置に記憶しやすい形に変形し
て、数16の如くする。
【0086】
【数16】 ここで、kは記憶装置の容量内で補正レンジを有効に記
憶するための圧縮係数であり、例えば104である。補
正係数H(I) を用いると上記補正式は数17の如くな
る。
【0087】
【数17】 したがって、数18が求められる。
【0088】
【数18】 ここで、αはD′(I) の値がマイナスにならないように
するためのオフセット値である。この補正は素子出力が
正しく光電変換されたものに対してのみ有効であり、上
述したように、光強度が小さいためにカウンタのカウン
トが停止した内容をラッチした素子出力や、外部より強
制的に検出動作を停止させられた時に蓄積電荷が基準電
圧に達しない素子出力に対しては補正しない。
【0089】次に、2つの被写体像信号により相関演算
を行う。
【0090】この発明の装置に於いては、2種類の相関
演算を行う。1つは従来の合焦検出装置と同様に、検出
光学系により分割された第1の被写体像と第2の被写体
像の間で相関演算を行い、2つの像のずれ量からデフォ
ーカス量を求めるものである。もう1つは、時刻t0
の被写体像と時刻t1 での被写体像の間で相関演算を行
い、被写体像の移動量を求めるものである。
【0091】最初に第1の被写体像と第2の被写体像の
間の相関演算について説明する。
【0092】便宜上、第1の被写体像を像L、第1の被
写体像信号をL(I) とし、第2の被写体像を像R、第2
の被写体像信号をR(I) とする。Iは素子番号で、同実
施例では左から順に1,2,3,…,64である。すな
わち、各素子列は各64個の素子を有している。
【0093】図8のフローチャートを参照して説明す
る。先ず、変数SL、SR、Jに、初期値として5、3
7、8がセットされる(ステップA1、ステップA
2)。SLは被写体像信号L(I) のうちから相関検出す
る小ブロック素子列の先頭番号を記憶する変数であり、
同様にSRは被写体像信号R(I) のうちから相関検出す
る小ブロック素子列の先頭番号を記憶する変数、Jは被
写体像信号L(I) での小ブロックの移動回数をカウンタ
する変数である。次いで、数19により相関出力F(S)
を計算する(ステップA3)。
【0094】
【数19】 この場合小ブロックの素子数は27である。小ブロック
の素子数はファインダに表示された測距枠の大きさと検
出光学系の倍率によって定まる。
【0095】次に、相関出力F(S) の最小値を検出する
(ステップA4)。すなわち、F(S) をFMIN と比較
し、若しF(S) がFMIN より小さければFMIN にF(S)
を代入し、その時のSL、SRをSLM、SRMに記憶
して(ステップA5)、ステップA6に進む。上記ステ
ップA4でF(S) がFMIN より大きければ、そのままス
テップA6に進む。
【0096】このステップA6では、SRから1を減算
し、Jから1を減算する。そして、Jが0でなければ
(ステップA7)、数19の相関式を繰返す。すなわ
ち、像Lでの小ブロック位置を固定し、像Rでの小ブロ
ック位置を1素子づつずらせながら相関をとる。Jが0
になると、次にSLに4を加算し、SRに3を加算して
相関を続ける(ステップA8)。すなわち、像Lでの小
ブロック位置を4素子づつずらせながら相関を繰返す。
SLの値が29になると相関演算を終える(ステップA
9)。
【0097】以上により、効率的に相関演算を行い相関
出力の最小値を検出することができる。この相関出力の
最小値を示す小ブロックの位置が、最も相関の高い像
信号の位置関係を示している。
【0098】次に検出した最も相関性の高いブロックの
像信号について、相関性の判定を行なう。先ず、ステッ
プA10にて、数20及び数21で示されるように、F
M 及びFP の値を計算する。
【0099】
【数20】
【0100】
【数21】 すなわち、被写体像Rについて、最小の相関出力を示す
ブロック位置に対して、±1素子だけずらせた時の相関
出力を計算する。この時、FM 、FMIN 、FP は図9の
ような関係になる。ここで検出した像間隔が、相関性の
高いものであれば図9の(a)に示されるように、相関
出力F(S) は点S0 に於いて0になる。一方、相関性の
低いものであれば同図(b)に示されるように、0には
ならない。
【0101】ここで、数22及び数23のような関性
指数Sk を求める(ステップA11)。
【0102】
【数22】
【0103】
【数23】 相関性指k は、図9よりわかるように、相関性の高
い場合はSk =1となり、相関性の低い場合はSk >1
となる。したがって、相関性指数Sk の値により、検出
する像ずれ量が信頼性のあるものであるか否かが判定で
きる(ステップA12)。実際には、光学系のばらつき
や、光電変換素子のノイズ、変換誤差等により、第1、
第2被写体像の不一致成分が生じるため、相関性指数S
k は1にはならない。故に、Sk ≦αの時は相関性あり
と判断して像ずれ量を求める(ステップA13)。Sk
>αの時は、相関性がないと判断してAF検出不能と判
断する(ステップA14)。
【0104】尚、判定値αの値は約2〜3であるが、製
品個々によってばらつきがあるので調整値として製品個
々に記憶する。
【0105】また、光電変換素子に暗電流が発生すると
相関性が悪くなり、AF検出不能になる確率が大きくな
るので、暗電流の大きさまたは積分時間、或いは温度と
積分時間によって判定値を大きくする。補助光点灯時
は、補助光の色,収差等の影響で相関性が悪くなるの
で、判定値を大きくしてAF検出不能になりにくいよう
にする。相関性がある場合は図9の関係より、数24及
び数25の如く、像ずれ量S0 を求める。
【0106】
【数24】
【0107】
【数25】 合焦からの像ずれ量ΔZは、数26のようにして求めら
れる。
【0108】
【数26】 ここで、ΔZ0 は合焦時の像ずれ量であり、製品個々に
測定され記憶装置に記憶される。Cは温度係数、Tは温
度検出手段により検出した温度、T0 はΔZ0 を測定し
た時の温度でありC×(T−T0 )で光学系の温度変化
による合焦時の像ずれ量の温度補正を行う。また、像ず
れ量ΔZより光軸上のデフォーカス量ΔDは、数27で
求めることができる。
【0109】
【数27】 尚、光軸上のデフォーカス量ΔDよりレンズ駆動量を求
める方法は、従来より数多く提案されているので、ここ
では詳細な説明は行なわない。例えば本出願人が出願し
た特開昭64−54409号公報に開示された方法で
は、数28のようにして求めることができる。
【0110】
【数28】 更に、後述する被写体の移動を考慮しなければ、撮影レ
ンズをΔLだけ駆動することによって合焦状態にするこ
とができる。
【0111】次に被写体像の移動を求めるための相関演
算について述べる。
【0112】時刻t0 での被写体像L′(I) 、R′(I)
と、上述した2像間の相関演算により求められた相関ブ
ロック位置SLM′、SRM′、相関性数Sk ′、像
ずれ量ΔZ′は、一旦CPU内の記憶領域に記憶され
る。次いで、時刻t1 で被写体像信号L(I) 、R(I)
検出する。
【0113】先ず、第1の被写体像信号について、時刻
0 での被写体像信号L′(I) と時刻t1 での被写体像
信号L(I) について相関演算を行う。
【0114】相関をとる様子を、図10及び図11を参
照して説明する。
【0115】被写体像の移動の検出を開始する(ステッ
プB1)時は、変数SLにSLM′−10が代入される
(ステップB2)。変数Jは相関範囲をカウントする変
数であり、ここでは初期値20が代入される(ステップ
B3)。尚、ステップB1で移動量検出済であれば、後
述するステップB4、ステップB5を経てステップB6
に進む。そして、ステップB6にて、数29の相関式に
より相関出力F(S) を計算する。
【0116】
【数29】 次いで、上述した相関演算と同様にF(S) とFMIN を比
較し(ステップB7)、F(S) がFMIN より小さければ
MIN にF(S) を代入し、その時のSLをSLMに記憶
する(ステップB8)。この場合、相関をとるブロック
の素子数は、上述した像ずれ量を求める時のブロックの
素子数と同じ27である。次にSLに1を加算しJから
1を減算する(ステップB9)。Jが負数になるまで相
関式F(S) を繰り返す(ステップB10)。この場合、
±10素子まで変化させて相関をとったが、この相関範
囲は検出したい移動量範囲により決定される。
【0117】したがって、焦点距離の短かい時、すなわ
ち被写体輝度の明るい時などは被写体像移動量が小さい
と予想されるので相関範囲を小さくする。相関範囲を小
さくすることによって演算時間を短かくすることができ
る。逆に、被写体像の移動量が大きいと予想される場合
は相関範囲を大きくする。尚、図10に於いて、SL+
Iが第1の光電変換素子の有効素子範囲を越える時、す
なわち素子がない場合や、光学系によりけられる虞れの
ある素子にかかる時は、F(S) の計算は行われない。
【0118】次に相関性の判定を行なう。上述した第
1、第2の被写体像間隔を求めたときと同様に数30及
び数31の如く求める(ステップB11)。
【0119】
【数30】
【0120】
【数31】 また、相関性数Sk は上記数22及び数23により求
められる(ステップB12)。そして、Sk ≦βのとき
は、相関性ありと判断して移動量を求める(ステップB
13)。
【0121】判定値βは、第1、第2の被写体像間隔を
求めるときの判定値より大きな値とする(βは7程度に
なる)。これは被写体が移動していると波形が変化する
場合が多いので相関性が悪くなる可能性が大きいためで
ある。また、被写体像の移動量が大きいほど相関性が悪
くなるので、焦点距離の大きいレンズ、被写体距離の短
かい時、時刻t0 からt1 までの時間間隔の長いとき、
すなわち被写体輝度の暗い時などは判定値を大きくす
る。
【0122】次に像の移動量ΔxL を求める(ステップ
B14)。上述した第1、第2の被写体像間隔を求めた
ときと同様に、数32及び数33により求める。
【0123】
【数32】
【0124】
【数33】 同様にして第2の被写体像についても相関演算を行い、
相関ブロック位置SRM、移動量ΔxR を求める。
【0125】第1、第2の被写体像の移動量ΔxR が求
められると時刻t1 での像ずれ量ΔZは、時刻t0 の時
の像ずれ量ΔZ′より数34のようにして求められる。
【0126】
【数34】 ΔZに基いてレンズ駆動量を求めることもできるが、同
実施例では数35の如く、時刻t2 での像ずれ量ΔZ″
を予測する。
【0127】
【数35】 時刻t2 を後述する方法で求めて、ΔZ″に基いた量だ
けレンズ駆動することにより、時刻t2 に於いて移動し
ている被写体にピントを合わせることができる。
【0128】一方、上記ステップB13にて、Sk ≦β
の関係でなければ、ステップB15に進み、検出不能
ラグがセットされるようになっている。
【0129】尚、被写体像の移動速度(ΔxR −Δ
L )/(t1 −t0 )が大きすぎる場合は、検出値に
信頼性がないものとして像ずれ量の予測はしない。一
方、被写体像の移動速度が小さく検出誤差と見なされる
場合は、移動速度を0にする。この判定値は焦点距離、
被写体距離、被写体輝度に応じて、被写体の移動量に対
して被写体像の移動量が大きいと予測される場合は大き
くする。
【0130】時刻t2 にレンズ駆動を行わずに、時刻t
1 の検出に引き続いて時刻t3 に被写体像の移動を検出
する場合について述べる。
【0131】この場合、時刻t0 から時刻t1 の間の被
写体像移動量に基いて、時刻t3 での被写体像位置を予
測することができる。予測した被写体像位置の近傍で移
動量を検出することにより、相関範囲を小さくして演算
時間を短くすることができる。また、移動速度の大きす
ぎる被写体や、急激な被写体の変化、手振れ等による誤
検出を防ぐ効果がある。
【0132】図10のフローチャートに於いては、時刻
1 での計算では変数SLにSLM′−10、変数Jに
20を代入することによって時刻t0 で検出した相関ブ
ロックに対して±10素子の範囲で被写体像の移動を検
出した。しかしながら、時刻t3 では既に被写体像の移
動量を検出している(ステップB3)ので、変数SLに
は数36で示される時刻t3の予測被写体像位置が代入
され(ステップB4)、変数Jに10が代入される(ス
テップB5)。
【0133】
【数36】 ここで、INT( )は、括孤内の値の小数点を四拾五
入した整数値を求めることを意味する。
【0134】尚、図10に於いては、時刻t3 では時刻
1 のSLMがSLM′にΔxL にL(I)に代入され
ている。
【0135】これにより、時刻t3 の予測被写体像位置
の±5素子の範囲で被写体像の移動が検出される。図1
1は、時刻t3 での相関の様子を示したものである。
【0136】以上、第1、第2の被写体像について述べ
た。被写体像移動量の検出と同様の相関演算を行うこと
により、時刻t1 から時刻t3 の間の被写体像の移動量
ΔxL ′、ΔxR ′が求められる。
【0137】被写体像の移動量が小さいと予測されるよ
うな焦点距離、被写体距離、被写体輝度の場合には、相
関範囲を更に小さくする。或いは、時刻t1で検出した
移動量ΔxL に基いて相関範囲を決めてもよい。例え
ば、相関範囲を数37に所定数を加えた素子数にするこ
とによって、2倍から1/2倍の速度変化に対応した移
動量の検出ができる。
【0138】
【数37】 次に時刻t0 から時刻t1 の間の被写体像の移動量Δx
L 、ΔxR と時刻t1 から時刻t3 の間の被写体像の移
動量ΔxL ′、ΔxR ′により、手振れの検出を行う。
ΔxL /(t1 −t0 )とΔxL ′/(t3 −t1 )の
変化量、または変化率が判定値より大きい場合には、手
振れと判断し警告表示する。同様に、ΔxR /(t1
0 )とΔxR ′/(t3 −t1 )の比較、或いは
(ΔxR +ΔxL )/(t1 −t0 )と(ΔxR
+ΔxL ′)/(t3 −t1 )の比較によって、手振れ
の判断をする。
【0139】被写体の移動に対して、被写体像の移動が
大きいような焦点距離、被写体距離、被写体輝度に応じ
て判定値を大きくするのは上述した通りである。
【0140】時刻t2 の予測像ずれ量ΔZ″は、時刻t
0 で検出した像ずれ量ΔZ′と時刻t0 から時刻t1
間に移動した被写体像移動量ΔxL 、ΔxR より求めた
時刻t1 の像ずれ量ΔZより数38の如く求められる。
【0141】
【数38】 或いは、被写体像の移動速度を平均化して数39の如く
求められる。
【0142】
【数39】 平均化するかどうかの判断は、焦点距離、被写体距離、
被写体輝度、検出した被写体像の移動速度に応じて行
う。これは上述したように、被写体の光軸方向の移動に
対して被写体像の移動が、厳密には定速度にならないた
めである。
【0143】したがって、焦点距離が短い場合、被写体
距離が長い場合、被写体輝度が明るい場合、検出した移
動速度が小さい場合には平均化する。平均化するときに
移動量、または検出時刻に応じて、新しい検出値ほど大
きい重み付けを行ってもよい。
【0144】被写体像の移動速度(ΔxR −ΔxL )/
(t1 −t0 )と (ΔxR ′−ΔxL ′)/(t3 −t1 )の変化量、ま
たは変化率が所定値より大きい場合は、検出値に信頼性
がないものとして検出不能とする。このとき、被写体の
移動に対して被写体像の移動が大きいような焦点距離、
被写体距離、被写体輝度に応じて、判定値を大きくする
のは上述した通りである。
【0145】尚、手振れ検出した場合でも、被写体像の
移動速度の変化量或いは変化率が小さい場合は、像ずれ
量の予測を行う。これは、手振れは多くの場合、カメラ
と平行方向に発生するためで、光軸方向の移動は起きに
いくいためである。
【0146】以上の説明では、被写体像の移動を検出す
るときに相関をとるブロックの素子数を、像ずれ量を求
めるときの素子数と同一にしたが、ブロックの素子数を
変えることもできる。
【0147】すなわち、ブロック内の重心位置、或いは
コントラストピーク位置を中心とした10素子程度の小
ブロックを求め、前回に検出した被写体像とブロック位
置より新たなブロック位置を設定して、次に検出した被
写体像と相関をとってもよい。
【0148】相関性が小さく、ブロック内に複数の距離
の被写体が含まれると判断される場合は、本出願人が特
開昭63−165809号公報に詳細を示したように、
前回検出したブロックを10素子程度の小ブロックに複
数分割し、次に検出した被写体像と相関演算を行って、
求めるべく被写体像の移動量を求めることもできる。こ
の場合は、複数の移動量が検出されるので、前回検出し
た移動量に近いもの、移動量の一番大きいもの、対応す
るデフォーカス量が最至近を示すもの、更には、重心位
置、コントラストピーク位置の移動量を選択することが
できる。
【0149】こうして、ブロックの素子数を小さくする
ことによって、背景被写体と移動している主被写体を分
離することができる。
【0150】次に、像ずれ量を予測する時刻t2 の求め
方について述べる。
【0151】上述したように、時刻t2 の像ずれ量Δ
Z″は、時刻t1 の像ずれ量ΔZ、時刻t0 から時刻t
1 の被写体像の移動量ΔxL 、ΔxR より数35が求め
られる。そして、光軸上の合焦位置からのデフォーカス
量ΔDは数27に従って求められ、レンズの駆動量ΔL
は数28の如く求められる。
【0152】いま、第1の実施例として、レンズ駆動終
了時に合焦状態となるような時刻t2 を数40で求め
る。
【0153】
【数40】 ここで、ta は時刻t1 からレンズ駆動開始するまでの
時間で、これには上述した相関演算時間、レンズ駆動量
計算時間の他に、カメラのLCD表示やスイッチの入力
判断測光・ストロボ制御等の時間が含まれる。また、k
a はレンズ駆動量に比例した駆動時間を求める係数で、
レンズの種類、焦点距離毎に記憶される。更に、tb
レンズ駆動時の加速、減速等のレンズ駆動量にかかわら
ず発生するロス時間を補正する係数であり、固定値が記
憶されている。
【0154】上記kb は、電源電圧、カメラの姿勢、コ
ンバージョンレンズの装着によるレンズ重量の変化等に
よって設定される係数である。電源電圧が小さくなるほ
どデータのトルクが小さくなるため、駆動時間は長くな
る。カメラを上向きにしてレンズを繰出そうとすると、
レンズの自重のため駆動時間は長くなる。逆にカメラを
上向きにしてレンズを繰込む場合には、レンズの自重に
より駆動時間は短くなる。コンバージョンレンズ等が装
着されレンズの自重が大きくなる場合は、駆動時間は長
くなる。すなわち、上記kb はこれらの影響を補正する
係数であり、電源電圧検出手段による電源電圧、カメラ
姿勢検出手段によるカメラ姿勢とレンズの駆動方向によ
る係数算出手段、及びコンバージョンレンズ等の装着検
出手段の出力によって設定される。
【0155】但し、レンズ駆動を定速度で行う場合は係
数kb は不要である。例えば、被写体像の移動がない場
合、光軸方向の移動がない場合、或いは被写体像の予測
を行わないときは全速でレンズ駆動をするものであって
被写体像の移動を検出して予測した像ずれ量によってレ
ンズを駆動する場合、電源電圧、カメラ姿勢、コンバー
ジョンレンズ等のレンズ重量の変化に応じて決められる
比較的低い一定速度でレンズを駆動するカメラに於い
て、係数kb は不要である。
【0156】尚、tc はレンズ駆動終了後の処理時間
で、モータブレーキ時間、フォトインタラプタの終了処
理時間が含まれる。
【0157】上記数35、数27、数28及び数40を
解くことによって、レンズ駆動終了時に合焦状態となる
ような時刻t2 を求めることができる。しかしながら、
計算式が複雑になり演算時間がかかるため、一般には数
41で時刻t2 を求める。
【0158】
【数41】 ここで、td は数40のta +tb ×kb+tc に数4
1のもつ誤差成分を加味した定数である。また、kc
像ずれ量ΔZ″に比例したレンズ駆動時間を求める変換
係数であり、レンズの種類、焦点距離毎に記憶された値
に電源電圧、カメラ姿勢、コンバージョンレンズ等の装
着によって補正される。
【0159】上記数35及び数41を解くと、時刻t2
の予測像ずれ量ΔZ″は数42の如くなる。
【0160】
【数42】 となる。このΔZ″により、数27及び数28でレンズ
駆動量を求めてレンズ駆動すると、レンズ駆動終了時に
は動いている被写体に対して合焦状態にすることができ
る。
【0161】次に、第2の実施例として露出開始までの
時刻t2 を求める。
【0162】この場合の時刻t2 は、数41と同様に数
43のようになる。
【0163】
【数43】 ここで、td 、kc は上記数41と同じである。te
レンズ駆動終了からシャッタ幕が開放されて露出開始さ
れるまでの時間であり、カメラのLCD表示やスイッチ
の入力判断、測光、ストロボ制御ミラーアップ等の時間
を含む。
【0164】時刻t2 での予測像ずれ量ΔZ″は、数4
4の如くである。
【0165】
【数44】 更に、第3の実施例として、ストロボ発光までの時刻t
2 を求める。これはストロボ発光する時は、写真に写さ
れる被写体像はシャッタ幕が開かれる露出開始時刻より
ストロボ発光時刻の像が中心になる。そのため、ストロ
ボ発光モードではストロボ発光時刻の被写体像位置を予
測した方が、ピントの合った写真が得られるからであ
る。
【0166】この場合の時刻t2 は、数43より数45
が求められる。
【0167】
【数45】 ここで、td 、kc 、te は数43と同じである。tf
は露出開始からストロボ発光までの時間であり、露出開
始のシャッタ幕の開いた直後に発光する、いわゆる先幕
シンクロ発光時には1〜2msecになる。また、露出
終了直前のシャッタ幕が閉じる直前に発光する後幕シン
クロ発光時には、露光時間から所定時間を差し引いた値
になる。
【0168】所定間隔で所定光量だけくり返し発光する
マルチ発光モードでは、tf の値を露出開始から最初の
発光までの時間にするが(先幕シンクロマルチ発光)、
露出開始から最後の発光の時間にする(後幕シンクロマ
ルチ発光)ことによって違った効果のある写真を撮影す
ることができる。
【0169】以上の実施例では、時刻t0 と時刻t1
被写体像より時刻t2 の被写体像位置を予測している
が、上述したように時刻t3 で引き続き検出する場合
は、検出した被写体像の移動速度を平均化することもで
きる。この場合、例えば上記数42は、数46のように
なる。
【0170】
【数46】 次に、この発明の実施例に於ける具体的な動作プログラ
ムについて、図12及び図13のフローチャートに従っ
て説明する。
【0171】先ず、図12のフローチャートに於いて、
このAF検出動作プログラムは、カメラの電源がONの
間は繰返し行われる。
【0172】そして、ステップC1で光電変換素子の光
電変換動作、いわゆる積分が終了していなければ、AF
検出プログラムから抜けて次のカメラ動作プログラムに
移る。これに対し、積分が終了していれば、ステップC
2に進み、AFICより光電変換素子出力が素子数分だ
け一度に入力される。
【0173】次いで、ステップC3で電子出力と積分時
間により被写体の輝度値が計算された後、ステップC4
で光電変換素子の感度ばらつき、AF光学系の照度不均
一性が、記憶装置に記憶された補正値で補正される。ス
テップC5では、既に第1、第2の被写体像ずれ量が検
出できているかが判断される。ここで検出できていない
ときはステップ6に進み、第1、第2の被写体像ずれ
量を相関演算で求める。
【0174】更に、ステップC7で像ずれ量が検出でき
たか否かが判断され、検出できたときは、像ずれ量検出
済フラグがセットされ(ステップC8)、検出不能
グがクリアされる(ステップC9)。一方、上記ステッ
プC7で像ずれ量が検出できなかったときは、像ずれ量
検出済フラグがクリアされ(ステップC10)、検出不
能フラグがセットされる(ステップC11)。その後、
ステップC12にて、像移動検出済フラグがリセットさ
れる。
【0175】また、上記ステップC5に於いて、既に像
ずれ量が検出できているときは、第1、第2の被写体像
毎に被写体像の時間に対する移動量が検出される。すな
わち、ステップC13では、第1の被写体像について前
回のAF検出で入力し記憶しておいた被写体像素子出力
と、今回の被写体像出力との間で相関演算が行われて移
動量が検出される。そして、ステップC14で第1の被
写体像の移動量が検出できたか否かが判断され、移動量
が検出できたときはステップC15に進む。
【0176】このステップC15では、第2の被写体像
の時間に対する移動量が検出される。そして、ステップ
C16で第2の被写体像の移動量が検出できたか否かが
判断され、移動量が検出できたときはステップC17に
進む。
【0177】一方、上記ステップC14、ステップC1
6にて、第1、第2の被写体像について何れかの移動量
が検出できないときは、ステップC6に戻って、第1、
第2の被写体像ずれ量の計算が行われ、移動量の検出は
次回のAF検出からやり直される。
【0178】上記第1、第2の何れの移動量も検出でき
たときは、ステップC17で被写体像の光軸方向の移動
速度が検出される。そして、ステップC18にて、検出
された移動速度が所定速度より速く、被写体が光軸方向
に移動していると見なせるか否かが判断される。ここ
で、移動していると判定できる場合はステップC19に
進んで、被写体移動中フラグがセットされ、移動してい
ると見なせない場合は、ステップC20で上記フラグが
リセットされる。
【0179】その後、ステップC21にて像移動検出済
フラグがセットされる。
【0180】尚、ステップC18で判定される時の所定
速度は、被写体の移動に対して被写体像の移動が大きい
ような焦点距離、被写体距離では判定値を大きくする。
また、前回の判定結果により判定値を変えてもよい。
【0181】また、図13に示されるAF駆動のプログ
ラム動作についても、上述したAF検出動作プログラム
と同様に、カメラの電源がONの間に繰返し行われる。
ステップD1でレリーズスイッチの第1ストローク信号
(1R)が入っていないときは、レンズ駆動が行われな
いので合焦済フラグがクリアされて(ステップD2)終
了する。
【0182】上記ステップD1に於いて、1R信号がO
Nのときは、ステップD3でAFモードがシングルAF
かコンティニアスAFであるかが判定される。シングル
AFの場合は、一度合焦するとフォーカスロックをして
レンズ駆動しないので、ステップD4で合焦済の場合
は、AF駆動が行われない。上記ステップD3にて、シ
ングルAFでない場合はコンティニアスAFと見なさ
れ、一度合焦した後も被写体の変化に従って再AF駆動
がなされる。
【0183】シングルAFで合焦していない時、あるい
はコンティニアスAFの場合はステップD5に進み、像
ずれ量が検出できているか否かが判断される。検出不能
フラグは上述したステップC9、ステップC11で設定
されたフラグで像ずれ量が検出できていればセットさ
れ、検出できていなければリセットされている。
【0184】上記ステップD5にて、像ずれ量が検出で
きていないときはステップD6に進み、スキャンが行わ
れる。スキャンとはAFレンズを高速で駆動しながらA
F検出可能なレンズ位置を探す動作であり、スキャンが
行われた場合は、全てのフラグがリセットされてAF検
出が初めからやり直される。
【0185】一方、像ずれ量が検出できている場合はス
テップD7に進み、被写体像の移動量が検出できている
か否かが判定される。移動量の検出ができている場合に
は、ステップD17、ステップD18に進んで手振れの
計算がなされた後、手振れの判定が行われる。手振れが
起きている場合は、ステップD20で手振れの表示がL
CDまたは発音体で行われる。
【0186】次に、像ずれ量の予測が行われる。ステッ
プD21でレリーズスイッチの第2ストローク信号(2
R)がオンされたか否かが判定される。ここで、2Rと
は、露光開始操作信号のことである。像ずれ量の予測は
上述したように、露光が行われずにレンズ駆動が行われ
るだけのときは、レンズ駆動終了時の像ずれ量が予測さ
れる(ステップD22)。また、ストロボ発光の判定が
なされて(ステップD23)、ストロボ発光が行われな
い露光時には露出開始時の像ずれ量が予測され(ステッ
プD24)、ストロボ発光が行われる露光時にはストロ
ボ発光までの時間で像ずれ量の予測が行われる(ステッ
プD25)。
【0187】上記ステップD7で像移動が検出されてい
ない場合は、ステップD8で被写体が移動中であるか否
かが判定される。像移動検出済フラグは、後述するよう
に、レンズ駆動でリセットされるので、像移動検出され
てなくて被写体が移動中であると判定されるのは、コン
ティニアスAFでレンズ駆動後に起きる。この場合は像
移動が再検出されるまでレンズ駆動は行われない。
【0188】次のステップD9では、検出された像ずれ
量、または予測された像ずれ量に基いて、合焦許容範囲
内に入っているか判定される。そして、ステップD10
にて上述した変換式により、像ずれ量を光軸上のデフォ
ーカス量に変換し、デフォーカス量が合焦許容範囲に入
っているかが判定される。この判定は、合焦許容範囲は
被写界深度、すなわち撮影時の撮影絞りによって決定さ
れる。また、低コントラスト被写体や、低輝度被写体、
長焦点レンズの場合は、検出像ずれ量の変動が大きいた
め、合焦許容範囲を大きくしてAF動作の安定化を図
る。
【0189】更に、上述した相関性数の値によって変
化させてもよい。これは、撮影写真のピント精度が要求
される高コントラスト被写体ほど、高い相関性数が得
られるためである。例えば、相関性数が2以下の場合
は合焦許容範囲は(FNO÷50)mm、2以上の場合
は(FNO÷30)mmというようにして決定される
(FNOとは撮影絞りの値である)。被写体像が移動し
ていると判定された時(被写体移動中フラグがセットさ
れている時)は、予測誤差を考えて、合焦許容範囲を大
きくする。
【0190】上記ステップD10に於いて、合焦と判定
されなかった場合は、ステップD11にて、検出された
像ずれ量或いは予測れた像ずれ量からレンズ駆動量が求
められる。次いで、ステップD12に於いてレンズの駆
動方向が、最後にレンズ駆動方向に対して反転したとき
には、駆動量が補正される(ステップD13)。これ
は、AFモータから撮影レンズを駆動する間に、ギア列
のバックラッシュまたは撮影レンズの駆動系に存在する
カムの嵌合がたによって、駆動方向を反転した場合は、
検出した駆動量だけレンズを駆動しても、バックラッシ
ュまたは嵌合分の空送が発生し、駆動量不足になるため
である。
【0191】補正法としては、バックラッシュまたは嵌
合合分の補正量を記憶装置に記憶しておいて補正するこ
とも考えられるが、ギア列及びカムは、使用状況に応じ
て経時変化が考えられるため、補正量を規定するのは難
しい。同実施例では、合焦許容範囲分を多めに駆動する
ことによって、不足分が変動しても、少なくとも合焦許
容範囲内に入ってAF動作が安定化されるようにする。
例えば合焦許容範囲が光軸上のデフォーカス量で±0.
15mmの時は、レンズ駆動反転時にはバックラッシ
ュ、嵌合がたによる駆動不足を想定して0.15mm〜
0.2mmだけ多めに駆動する。
【0192】ステップD14では、求められたレンズ駆
動量だけAFレンズが駆動される。尚、求められたレン
ズ駆動量がレンズの有効範囲を越えると予測される場
合、すなわちレンズの至近距離位置、或いは無限距離位
置を越えると予測される場合は、至近距離位置或いは無
限距離位置までレンズ駆動された後に、合焦不能と判定
されて合焦不能表示が行われる。
【0193】このレンズ駆動後、ステップD15にてフ
ラグがリセットされる。ここで、リセットされるのは像
ずれ検出済フラグ、検出不能フラグ、像移動検出済フラ
グである。これはレンズの変化により被写体像が大きく
変化すると考えられるので、AF検出を初めからやり直
すためである。
【0194】同様の理由により、ズームレンズが駆動さ
れて焦点距離が変化したときや、フィルム撮影等の比較
的長い時間の間AF検出が行われないときも、これらの
フラグがリセットされ、AF検出が初めからやり直され
る。
【0195】フラグがリセットされた後、または上記ス
テップD10で合焦と判定されたときは、ステップD1
6に進み、LCD及び発音体で合焦表示される。同実施
例に従うと、1R信号以前に検出された像ずれ量で合焦
と判定された場合は、レンズ駆動が行われずに合焦表示
される。こうして、ステップD17で合焦済フラグがセ
ットされ、AF駆動プログラムが終了される。この合焦
済フラグによってカメラCPUは露光動作を行う。
【0196】尚、上述したように被写体像移動中フラグ
はリセットしない。これはコンティニアスAFで、レン
ズ駆動後に最初のAF検出で合焦判定してしまわないよ
うにして引き続き被写体の移動を検出するようにするた
めである。
【0197】更に、同実施例に於いては、レンズ駆動後
に確認のためのAF検出を行っていないが、レンズ駆動
量に応じたり、検出した被写体像移動速度、或いは焦点
距離、被写体距離で予測誤差が大きく見込まれる場合に
は、確認のためのAF検出を行ってもよい。
【0198】次に、他の応用例について説明する。
【0199】図11に示される時刻t3 に於いて、予測
被写体像位置を数47または数48で示される値とす
る。
【0200】
【数47】
【0201】
【数48】 これらの値だけ移動したときのブロックが、光電変換素
子列の有効範囲を越える場合は、所定時間だけAF検出
を停止し、時刻t0 、時刻t1 の被写体像信号で像ずれ
量を予測することによって、AF視野外に移動する被写
体に対してピントを合わせることができる。或いは、ズ
ームレンズを駆動して常にAF視野内に入るように倍率
を変更してもよい。
【0202】また多点測光に応用し、被写体のカメラに
対する横方向の移動量に応じて、予測被写体像位置に対
応する測光素子出力を選択することによって動いている
被写体について、常に測光することができる。
【0203】尚、上述した実施例に於いては、異なる時
刻の被写体像について相関演算を行うことによって被写
体像の移動を検出しているが、検出間隔が短く被写体像
の変化が小さいと予想される場合は、数49に示される
重心位置の変化及び数50に示されるコントラスト中心
位置の変化等によっても検出することができる。
【0204】
【数49】
【0205】
【数50】 この場合精度は落ちるが、演算時間は短く済むので、例
えばデフォーカス量が大きい時のみに行ってもよい。
【0206】更に、図2(a)及び(b)に示されるよ
うに、被写体がカメラに対して平行または垂直に移動し
ている場合、第1、第2の被写体像の移動量|Δx
L |、|ΔxR |は等しいものとしたが、実際にはAF
光学系(図6)のばらつきや、光軸に対する傾きによっ
て差が生じる場合がある。この場合は、被写体像の移動
量を光軸方向、平行方向に分けて移動量に比例して発生
する差分を補正する。補正データは記憶装置に記憶され
る。
【0207】次に、AFICの光電変換動作を途中で打
ち切った時の被写体像移動量の検出方法について説明す
る。
【0208】図7の光電変換素子では、低輝度時には光
電変換動作に長時間を要する。したがって、光電変換素
子をリセットしてから所定時間経過しても光電変換動作
が終了しない場合は、CPUよりAFICに積分停止信
号を送り光電変換動作を途中で打ち切る。この場合、図
7に示されるような光電変換素子では、図14(a)の
ような被写体像信号波形になる。同図(b)は、光電変
換動作を途中で打ち切らない場合の被写体像信号波形で
ある。光源の明るさが時間変化して、時刻t0 では同図
(a)のような波形であり、時刻t1 では同図(b)の
ような波形が得られた時、被写体像の移動は次のように
して検出する。
【0209】先ず、光電変換動作を途中で打ち切った時
(時刻t0 )の被写体像信号の最大出力DMAX を検出す
る。図7のような光電変換素子の場合、DMAX の値は第
1の被写体像、第2の被写体像で同じになる。
【0210】次に、光電変換動作を途中で打ち切らなか
った時(時刻t1 )の被写体像信号のうち、DMAX を越
える出力をDMAXに固定した被写体像信号を作る(図1
4(c))。図14(a)及び(b)の信号で相関演算
を行うことにより、被写体像の移動量が検出できる。時
刻t0 、時刻t1 とも光電変換動作を途中で打ち切った
時は、時刻t0 の最大出力DMAX0と、時刻t1 の最大出
力DMAX1の小さい方に出力を固定すればよい。
【0211】図15に、他の光電変換装置のブロック図
を示す。同図はCCDセンサとして知られている光電変
換装置で、64素子から成る2列の光電変換素子501
と、被写体輝度を検出するモニタ素子502から成る。
1つ1つの光電変換素子内で光強度に比例して発生する
光電源は、蓄積容量に蓄積積分されCCD回路によって
順に読出される。読出された積分出力は、増幅回路50
3によって増幅され、次にA/D変換回路504によっ
てデジタル変換されてCPU505に読込まれる。積分
時間は、モニタ素子502の出力、または外部からの積
分停止信号506によって決定される。
【0212】このような光電変換装置に於いて、時刻t
0 ではモニタ素子出力によって適正積分され、時刻t1
では上述のような理由で外部より積分を途中で停止した
場合、図16(a)及び(b)のような波形が得られ
る。この場合は、時刻t0 、t1 の波形の積分時間の
比、または最大出力値の比、或いは出力総和の比で時刻
1 の波形を補正して、図16(c)のような波形を作
る。
【0213】図16(a)の波形と図16(c)の波形
を相関演算することによって、被写体の移動量を検出す
ることができる。時刻t0 、t1とも、外部より積分を
途中で停止した場合や、時刻t0 、t1 で増幅回路の増
幅率が変った時にも、同様な方法で時刻t0 の波形と時
刻t1 の波形の大きさを、ほぼ同じ大きさにすることに
よって被写体像の移動を検出することができる。
【0214】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、被写体
像の移動を検出することによって光軸方向の動きだけで
なく、光軸と直交する横方向の動き検出するので、被
写体像が光軸に対して直交する横方向に動いているとき
でも、被写体像が測距枠にある限りは常に同一の被写体
を検出することによって動いている被写体に確実に合焦
することのできる自動焦点装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による自動焦点装置の基本構成を示す
ブロック図である。
【図2】焦点検出の原理を説明するためのもので、被写
体、カメラ及びセンサの関係を示した図である。
【図3】被写体、撮影レンズ及び被写体像等の関係を示
した図である。
【図4】この発明の自動焦点装置が適用されたもので、
ズームレンズ機構を内蔵するカメラの光線図を示したも
のである。
【図5】この発明の一実施例のカメラのブロック構成図
である。
【図6】図5のAF光学系の配置を示した図である。
【図7】光電変換素子の原理を示した図である。
【図8】第1の被写体像と第2の被写体像の間の相関演
算を説明するためのフローチャートである。
【図9】相関出力FM 、FMIN 、FP の関係を説明する
図である。
【図10】第1の被写体移動量を求める動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図11】時刻t0 、t1 及びt3 の相関出力の関係を
示した図である。
【図12】AF検出動作プログラムを説明するためのフ
ローチャートである。
【図13】AF駆動動作プログラムを説明するためのフ
ローチャートである。
【図14】図7の光電変換素子に於ける被写体像信号波
形を示した図である。
【図15】この発明の実施例で他の光電変換装置のブロ
ック図である。
【図16】図15の光電変換装置に於ける被写体像信号
波形を示した図である。
【図17】従来の焦点検出を説明するためのもので、被
写体、カメラ及びセンサの関係を示した図である。
【符号の説明】
11…第1光電変換素子列、12…第2光電変換素子
列、13…AFIC、14、15…被写体像移動量演算
部、16…移動量演算手段、17、18…被写体像位置
予測演算部、19…予測演算手段、20…レンズ駆動量
算出手段、201…CPU、202…インターフェース
CPU、203…電源ユニット、204…ストロボユニ
ット、205…ミラーシャッタユニット、206…巻き
上げユニット、207…レンズユニット、208…ファ
インダユニット、209…表示ユニット、210…AF
ユニット、245…素子出力記憶部、246…レンズ駆
出し量記憶部、247…焦点距離記憶部、248…相関
演算回路。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体光の像を2像に分割する像分割手
    段と、この像分割手段により分割された像を各々受光す
    る第1光電変換素子列及び第2光電変換素子列とを有す
    る自動焦点装置に於いて、 第1の時刻に於ける上記第1光電変換素子列上の第1被
    写体像位置と、上記第1の時刻から所定時間経過した後
    の第2の時刻に於ける上記第1被写体像位置とに基き第
    1の相関演算を行うと共に、 上記第1の時刻に於ける上記第2光電変換索子列上の第
    2被写体像位置と、上記第2の時刻に於ける上記第2被
    写体像位置とに基き第2の相関演算を行う相関演算手段
    と、 この相関演算手段による上記第1及び第2の相関演算に
    関する出力に基き、それぞれ相関性があるか否かを判定
    する相関性判定手段と、 この相関性判定手段が、相関性ありと判定した場合に、
    上記第1及び上記第2の被写体像の移動量を上記第1の
    時刻及び第2の時刻それぞれの像位置から求める移動量
    演算手段と、 この移動量演算手段の出力に基き、第1の所定時間に引
    続く第2の所定時間経過後の第1被写体像位置と第2被
    写体像位置を予測する予測演算手段と、 この予測演算手段で予測された予測第1被写体像位置と
    予測第2被写体像位置とから必要なレンズ駆動量を演算
    する駆動量演算手段と、 を具備することを特徴とする自動焦点装置。
  2. 【請求項2】 上記予測演算手段による上記第2の所定
    時間は、レンズ駆動終了時に合焦となるようなレンズ駆
    動量を駆動するに要する時間、または露光開始までの時
    間、或いはストロボ発光までの時間であることを特徴と
    する請求項1に記載の自動焦点装置。
  3. 【請求項3】 上記予測演算手段による時刻t2 に於け
    る予測像ずれ量Z″は、時刻t0 に於ける像ずれ量をΔ
    Z′、時刻t1 に於ける像ずれ量ΔZ、第1被写体像の
    像移動量をΔXR 、第2被写体像の像移動量をΔXL
    すると、 ΔZ″=ΔZ+((t2 −t1 )/(t1 −t0 ))(ΔX
    R −ΔXL ) または、 ΔZ″=ΔZ′+((t2 −t1 )/(t1 −t0 ))(Δ
    R −ΔXL ) により、求めることを特徴とする請求項1若しくは請求
    項2に記載の自動焦点装置。
  4. 【請求項4】 上記移動量演算手段は、先に移動量を検
    出している場合には、上記移動量を求める際の相関演算
    を行う範囲を制限することを特徴とする請求項1に記載
    の自動焦点装置。
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