JP3183545B2 - ブレージングシート用高強度アルミニウムろう材 - Google Patents

ブレージングシート用高強度アルミニウムろう材

Info

Publication number
JP3183545B2
JP3183545B2 JP31306091A JP31306091A JP3183545B2 JP 3183545 B2 JP3183545 B2 JP 3183545B2 JP 31306091 A JP31306091 A JP 31306091A JP 31306091 A JP31306091 A JP 31306091A JP 3183545 B2 JP3183545 B2 JP 3183545B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brazing
brazing material
effect
strength aluminum
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31306091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05104281A (ja
Inventor
整 岡本
平野正和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP31306091A priority Critical patent/JP3183545B2/ja
Publication of JPH05104281A publication Critical patent/JPH05104281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3183545B2 publication Critical patent/JP3183545B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Details Of Heat-Exchange And Heat-Transfer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明はアルミニウムろう材に関し、特
にろう付け接合部の強度を高くすることができるブレー
ジングシート用高強度アルミニウムろう材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
は燃費向上、運動性能向上のため、その車体軽量化が唱
えられて久しい。近年は、社会環境、資源、政治、経済
面からの規制に加え、地球環境問題への対応を迫られて
おり、これらの軽量化要求は、従来とは異質の厳しい機
運となっている。
【0003】アルミニウムによる自動車の軽量化対象
は、多岐に渡り、重要な部品である熱交換器は最もその
要求が強い対象である。アルミニウムは軽量で、加工
性、耐食性及び熱電導率が優れるため、自動車の軽量化
を目的とした熱交換器への適用が他部品に先駆けて進め
られており、既に殆どの熱交換器にアルミニウム材料が
採用されている。したがって、この軽量化要求に応える
には、使用素材を薄肉化してゆく必要がある。
【0004】自動車用熱交換器の代表的なものは、エア
コン系のエバポレータ、コンデンサー及びエンジン系の
ラジエータ、ヒータがあるが、これらはいずれも成形加
工したアルミニウム板材をろう付け法にて接合して組立
られている。従来、これらのアルミニウム板材を薄肉化
した場合、薄肉化によりろう材絶対量が減少し、フィレ
ット面積が減少し、その結果、ろう付け接合部の結合強
度が低下し、破断が発生する。したがって、当然ながら
製品の耐圧強度が低下するため、薄肉化による製品軽量
化が困難であった。
【0005】本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、
薄肉化しても、高い強度のろう付け接合部が得られるア
ルミニウムろう材を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者は、アルミニウムろう材の成分組成につい
て鋭意研究を重ねた結果、ろう材に特にSrを添加する
ことによってろう付け部の凝固組織を著しく微細化する
ことができ、ろう付け接合部の強度を高くすることが可
能であることを知見し、この知見に基づいて更に実験を
重ねて、ここに本発明を完成したものである。
【0007】 すなわち、本発明は、必須成分として、
Si:7〜13%、Sr:0.02〜0.2%及びN
a:0.0005〜0.01%を含有し、必要に応じて
更にMg:0.2〜3.0%及びBi:0.02〜0.
5%の1種又は2種を含有し、残部がAl及び不可避的
不純物からなることを特徴とするブレージングシート用
高強度アルミニウムろう材を要旨とするものである。
【0008】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0009】
【作用】
【0010】従来、ブレージングシート素材の製造時
に、ろう材にP、Sb、Naを添加すると組織を微細化す
る効果が認められているが、P、Sbについては、ろう
付け時に再溶融させた場合、この効果はなくなり、ま
た、Naについては、ろう付け時の再溶融時にも微細化
効果を有するが、添加量を多くすると、ろうの流動性が
低下するため、改善効果には限界があった。
【0011】一方、Srは、素材製造時及びろう付け時
の再溶融時においても著しい微細化効果を有することが
判明した。また、この効果はブレージングシートのクラ
ッド率の違いや、真空ろう付け法及びノコロック付け法
などのろう付け法の違いに影響されないことも判明し
た。本発明のアルミニウムろう材は、Srのこの効果と
共に、薄肉化においても優れたろう付け性、良好なろう
付け接合部が得られるべく、以下に説明するように、成
分調整したものである。
【0012】Si:Siはろう付け性を左右する重要な成
分である。しかし、7%より少ないと状態図的に溶融温
度が高くなり、健全なろう付けができない。一方、13
%より多いと、溶融温度が低く、かつ溶融温度範囲が小
さくなるため、ろう材が健全に溶融しない。よって、S
i量を7〜13%の範囲とする。
【0013】Sr:Srは上述の如くろう材凝固後の組織
を著しく微細化し、ろう付け接合部の強度を著しく向上
させる効果がある。しかし、0.02%より少ないと組
織微細化の効果が得られず、一方、0.2%より多くし
てもその効果が飽和する。よって、Sr量を0.02〜
0.2%の範囲とする。
【0014】Na:Naはアルミニウムろう材の素材製造
時に組織を微細化し、ろう付け後の組織微細化に効果が
ある成分であるが、0.0005%より少ないとその効
果が得られない。一方、0.01%より多いと、その効
果が飽和すると共に、ろうの流動性が低下するので好ま
しくない。よって、Naは0.0005〜0.01%の範
囲とする。
【0015】以上の成分を必須成分とするが、必要に応
じて以下の成分の1種又は2種を適量にて添加すること
ができる。
【0016】Bi:Biはろう付け性を向上させる元素で
あるが、0.02%より少ないとその効果がなく、また
0.5%より多くしてもその効果が飽和するので、Bi量
は0.02〜0.5%の範囲とする。
【0017】Mg:Mgは、真空ろう付け法においてはろ
う付け性を向上させる重要な成分である。しかし、0.
2%より少なくてはろう付け性向上の効果がなく、また
3.0%より多くしてもその効果が飽和するので、Mg量
は0.2〜3.0%の範囲とする。
【0018】なお、本発明のアルミニウムろう材は、種
々の態様が可能であり、例えば、適当な芯材の片面又は
両面にクラッドして使用できる。またろう付け法の種類
によってもその効果を損なわれることはない。
【0019】次に本発明の実施例を示す。
【0020】
【実施例】
【表1】 に示す化学成分のろう材を、3003合金(芯材)の両面
に各々15%クラッドし、0.5mmの厚さとしたブレー
ジングシートを製造した。
【0021】すなわち、芯材は、50mmt×140mmw
×240mmlの3003合金鋳塊を面削して45mm厚と
し、これに590℃×6hrの均熱処理を施した後、熱延
して30mm厚としたものを用いた。また、ろう材は、5
0mmt×140mmw×240mmlのアルミニウム合金鋳
塊を面削して45mm厚とし、これに510℃×6hrの均
熱処理を施した後、熱延して6.4mm厚としたものを用
いた。得られた芯材とろう材を組合せて480℃で1時
間加熱し、熱延により42.8mm厚を3.5mm厚にした
後、冷延にて0.5mm厚とし、これに380℃×3hrの
焼鈍を施して0.5mm厚のブレージングシートを得た。
【0022】得られたブレージングシートを用いて、5
95℃×2min、真空度5×10-5Torrのろう付け条件
で、図1に示すような形状のドロンカップ型エバポレー
タを試作し、耐圧強度を測定した。その結果を表1に併
記する。表1に示すように、本発明例はいずれも著しく
高い耐圧強度を示しており、フィレットの組織(本発明
例No.2)は、図2に示すように著しく微細化されてい
る。一方、比較例は耐圧強度が低く、フィレットの組織
(比較例No.5)は、図3に示すように微細な組織が得ら
れていない。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
薄肉化しても、高い強度のろう付け接合部が得られ、ま
た優れたろう付け作業性のアルミニウムろう材を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドロンカップ型エバポレータろう付け試験片の
形状を示す図で、(a)は全体図、(b)は(a)のA
部拡大図である。
【図2】本発明例のフィレットのミクロ組織(金属組織)
を示す顕微鏡写真(×100)である。
【図3】比較例のフィレットのミクロ組織(金属組織)を
示す顕微鏡写真(×100)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/28 C22C 21/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、必須成分とし
    て、Si:7〜13%、Sr:0.02〜0.2%及び
    Na:0.0005〜0.01%を含有し、残部がAl
    及び不可避的不純物からなることを特徴とするブレージ
    ングシート用高強度アルミニウムろう材。
  2. 【請求項2】 更にMg:0.2〜3.0%及びBi:
    0.02〜0.5%の1種又は2種を含有している請求
    項1に記載のブレージングシート用高強度アルミニウム
    ろう材。
JP31306091A 1991-10-09 1991-10-09 ブレージングシート用高強度アルミニウムろう材 Expired - Fee Related JP3183545B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31306091A JP3183545B2 (ja) 1991-10-09 1991-10-09 ブレージングシート用高強度アルミニウムろう材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31306091A JP3183545B2 (ja) 1991-10-09 1991-10-09 ブレージングシート用高強度アルミニウムろう材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05104281A JPH05104281A (ja) 1993-04-27
JP3183545B2 true JP3183545B2 (ja) 2001-07-09

Family

ID=18036733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31306091A Expired - Fee Related JP3183545B2 (ja) 1991-10-09 1991-10-09 ブレージングシート用高強度アルミニウムろう材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3183545B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003039194A (ja) * 2001-07-30 2003-02-12 Denso Corp 熱交換器用アルミニウムブレージングシートのろう材およびその製造方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2721041B1 (fr) * 1994-06-13 1997-10-10 Pechiney Recherche Tôle d'alliage aluminium-silicium destinée à la construction mécanique, aéronautique et spatiale.
JP2008068293A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Furukawa Sky Kk アルミニウム合金ろう材およびアルミニウム合金ブレージングシート
JP6186146B2 (ja) * 2013-03-15 2017-08-23 株式会社Uacj 熱交換器
US20160161199A1 (en) * 2013-07-29 2016-06-09 Uacj Corporation Aluminum-alloy clad member, method for producing same, and heat exchanger using aluminum-alloy clad member
CN105814219B (zh) * 2014-01-10 2018-09-11 株式会社Uacj 铝合金包层材料及其制造方法、以及使用该铝合金包层材料的热交换器及其制造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003039194A (ja) * 2001-07-30 2003-02-12 Denso Corp 熱交換器用アルミニウムブレージングシートのろう材およびその製造方法
JP4636520B2 (ja) * 2001-07-30 2011-02-23 株式会社デンソー 熱交換器用アルミニウムブレージングシートのろう材およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05104281A (ja) 1993-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4166613B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金フィン材および該フィン材を組付けてなる熱交換器
EP1183151B2 (en) Brazing sheet
JP4822277B2 (ja) ろう付性と耐食性に優れた熱交換器管用アルミニウム合金ブレージングシートおよび耐食性に優れた熱交換器管
JP2001001179A (ja) 耐食性が良好な真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージングシート及びこれを使用した熱交換器
JP2002161323A (ja) 成形性及びろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材
US5398864A (en) Corrosion-resistant aluminum alloy brazing composite
JP3183545B2 (ja) ブレージングシート用高強度アルミニウムろう材
US4511632A (en) Aluminum alloy clad sheet having excellent high-temperature sagging resistance and thermal conductivity
JP3360026B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートのろう付け方法
JPH06218575A (ja) ろう付け用合金
JP2004225061A (ja) 耐食性に優れたアルミニウム合金クラッドチューブ材および該クラッドチューブ材を組付けた熱交換器
JP3876505B2 (ja) 耐エロージョン性に優れた熱交換器用Al合金フィン材
JP2002161324A (ja) 成形性及びろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材
JPH0790442A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよびアルミニウム合金製熱交換器の製造方法
JPH07179973A (ja) 耐食性のすぐれた熱交換器の構造部材用真空ろう付けAl合金ブレージングシート
JP3863595B2 (ja) アルミニウム合金製ブレージングシート
JPH10158770A (ja) 耐食性に優れた熱交換器用ブレージングシートおよび該ブレージングシートを使用した熱交換器
CN114173984B (zh) 铝合金硬钎焊板及其制造方法
JPS6358217B2 (ja)
JP2000096168A (ja) アルミニウム合金ろう材及びアルミニウム合金ブレージングシート
JP2004218044A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金クラッド材
JPS63282230A (ja) アルミニウムブレ−ジングシ−ト
JPS59129749A (ja) アルミ用真空ブレ−ジングシ−ト
JPH0239575B2 (ja)
JP2773950B2 (ja) アルミニウムブレージングシートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080427

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090427

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees