JP3183450B2 - 配線の電流ルート探索方法 - Google Patents

配線の電流ルート探索方法

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JP3183450B2
JP3183450B2 JP09372296A JP9372296A JP3183450B2 JP 3183450 B2 JP3183450 B2 JP 3183450B2 JP 09372296 A JP09372296 A JP 09372296A JP 9372296 A JP9372296 A JP 9372296A JP 3183450 B2 JP3183450 B2 JP 3183450B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線に微弱な信号
電流を流し、配線の信号電流が流れるルート上で信号電
流の電流値と位相を測り、それぞれの測定場所で信号電
流の流れる方向や信号電流が流れる配線ルートの終端条
件が容量成分又はインダクタンス成分又は抵抗成分であ
るかを知ることにより、目的の接地線、通信ケーブル、
電源ケーブル等の配線ルートや接続状態を調査すること
ができる配線の電流ルート探索方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図10はビル内の接地線に電流ルート探
索用信号を信号発生器から印加し、接地線の電流ルート
探索を行う従来方法を説明するための図である。従来の
接地線の電流ルート探索方法は、図10に示すように、
信号発生器1からの電流をスペクトルアナライザやレベ
ル測定器等の信号受信器7で測定し、電流の流れるルー
トを追っていく方法がとられていた。また、信号発生器
からの信号をレファレンス信号としたロックインアンプ
を使用して接地線に流れるノイズ電流の影響を無くし
て、微少な信号電流の大きさと位相を測定できるように
する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
の技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。前
者の方法においては、信号電流の大きさは分かるが向き
が分からないことや、接地線等に接続されている機器へ
影響を与えないようにするために信号電流を小さくする
と、接地線等に流れるノイズ電流により探索が不可能に
なるので、接地線のルート探索を正確に行うことができ
ないという問題があった。また、後者の方法では、レフ
ァレンス信号をメタリックケーブル又は無線電波を使用
して信号発生器からロックインアンプまで伝送する必要
があり、メタリックケーブルを使用する場合にはケーブ
ルの引き回しに稼働がかかるという問題があった。例え
ば、配線に信号を入力する信号発生器と、電流値と位相
を測定するロックインアンプの間にレファレンス信号を
送るための別のメタリックケーブル等で接続する必要が
あった。
【0004】また、ビル内の各階でこの様な測定をする
場合には、測定の都度レファレンス信号を送るためのケ
ーブル等を測定する階の測定場所まで配線しなければな
らない。また、測定場所が種々の階や場所に移動する場
合には、このレファレンス信号を送るための線は長いも
のが必要であり、測定の都度移動させなければならず、
大変な労力と時間が必要であるという問題があった。ま
た、無線を使用する方法では、無線電波が周囲の電子機
器に影響を与える可能性があることや壁等により電波が
届かなくなる場合がある。すなわち、無線信号でも周囲
への影響や伝搬損失等によって実施不可能な場合がある
という問題があった。スペクトルアナライザやレベル測
定器では、印加電流と受信信号の位相差が測定できず配
線方向の特定が難しかった。また、ロックインアンプを
使用する方法ではレファレンス信号を送るための導線を
布線する必要があるため、大きなビル内での測定では作
業性が悪いという問題があった。
【0005】これらに対し、中心周波数f2ヘルツ(H
z)のバースト信号又は正弦波振幅変調信号を使ってレ
ファレンス信号を送ることによって作業性の向上が図ら
れるが、ノイズの多いビルでは、ノイズによって測定に
影響が出ることがある。これを解決するため、中心周波
数f2Hzのバースト信号又は正弦波振幅変調信号をノ
イズの中から精度良く検出するのに、中心周波数f2H
zのバンドパスフィルタを通過させることが考えられる
が、フィルタの通過帯域幅が広い場合には十分なノイズ
除去効果が得られないという問題があった。また、ノイ
ズを低減するためフィルタの通過帯域幅を狭くして、
波数(f2+f1)Hz及び周波数(f2−f1)Hz
の側帯波の周波数成分が抑圧されると、フィルタ出力の
変調度が小さくなり、通過帯域幅をさらに小さくすると
フィルタ出力は一定振幅の正弦波になってしまい、バー
スト又は正弦波変調信号からレファレンス信号が検出で
きなくなるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、レファレンス信号を送る
導線を必要とせずに配線の電流ルートの探索が可能な技
術を提供することにある。本発明の他の目的は、電流ル
ート探索作業時間を短縮することが可能な技術を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、配線に流れるノイ
ズ電流の影響を極限まで低減することが可能な技術を提
供することにある。本発明の他の目的は、ノイズの多い
ビル内でも精度良く測定ができる技術を提供することに
ある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴
は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、レファレンス
信号を、周波数f2の搬送波で接地線に流して検出する
方法であり、また、レファレンス信号をノイズの中から
精度良く取り出すために中心周波数f2、中心周波数
(f2+f1)、または中心周波数(f2−f1)の狭
帯域通過フィルタに分配し、これらのフィルタ出力を加
算することによって、周波数f1の正弦波で振幅変調さ
れた搬送周波数f2の変調信号を得て、これを検波する
ことによって周波数f1のレファレンス信号を得るよう
にするものである。
【0008】本願において開示される発明のうち代表的
なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりであ
る。即ち、本発明は、信号発生器からの信号を配線
加し、ロックインアンプで前記印加した信号を検出し、
前記印加した信号の流れる経路を追跡する配線の電流ル
ート探索方法において、nを9以上の整数とするとき、
前記信号発生器において、周波数f1の正弦波と、周波
nf1の正弦波を1/(2f1)秒間隔で、前記周波
f1の信号と同期をとってオン・オフさせたバースト
とを加算した信号を生成し前記信号発生器から前記
加算した信号を前記配線へ印加し、前記配線ルート上
、前記印加信号により前記配線上を流れる電流を受信
し、前記配線ルート上で受信された電流中の前記バース
ト波成分から周波数f1のレファレンス信号を生成し
前記レファレンス信号に基づき、前記受信された電流中
の周波数f1の正弦波成分をロックインアンプで検出
し、前記検出された周波数f1の正弦波の電流値と位相
差を測定し、配線に印加した信号電流の流れる方向を検
知することを特徴とする。
【0009】また、本発明は、信号発生器からの信号を
配線に印加し、ロックインアンプで前記印加した信号を
検出し、前記印加した信号の流れる経路を追跡する配線
の電流ルート探索方法において、nを9以上の整数とす
るとき、前記信号発生器において、周波数f1の正弦波
と、周波数f1の信号で変調された周波数nf1の正弦
波とを加算した信号を生成し、前記信号発生器から前記
加算した信号を前記配線へ印加し、前記配線ルート上
で、前記印加信号により前記配線上を流れる電流を受信
し、前記配線ルート上で受信された電流中の前記変調さ
れた信号成分を検波器で検波して、周波数f1のレファ
レンス信号を生成し前記レファレンス信号に基づき、
前記受信された電流中の周波数f1の正弦波成分をロッ
クインアンプで検出し、前記検出された周波数f1の正
弦波の電流値と位相差を測定し、配線に印加した信号電
流の流れる方向を検知することを特徴とするまた、本
発明の好ましい実施の形態では、前記変調された周波数
nf1の正弦波は、周波数f1の信号で振幅変調された
正弦波であることを特徴とする。
【0010】また、本発明の好ましい実施の形態では、
前記配線ルート上で受信された電流を、中心周波数nf
1の狭帯域通過フィルタ、および中心周波数(nf1−
f1)の狭帯域通過フィルタに分配し、これらのフィル
タ出力を加算器で加算して得られる信号を、包括線検波
器で検波してレファレンス信号を生成することを特徴と
する。また、本発明の好ましい実施の形態では、前記配
線ルート上で受信された電流を、中心周波数nf1の狭
帯域通過フィルタ、および中心周波数(nf1+f1)
の狭帯域通過フィルタに分配し、これらのフィルタ出力
を加算器で加算して得 られる信号を、包括線検波器で検
波してレファレンス信号を生成することを特徴とする。
また、本発明の好ましい実施の形態では、前記配線ルー
ト上で受信された電流を、中心周波数nf1の狭帯域通
過フィルタ、中心周波数(nf1−f1)、および中心
周波数(nf1+f1)の狭帯域通過フィルタに分配
し、これらのフィルタ出力を加算器で加算して得られる
信号を、包括線検波器で検波してレファレンス信号を生
成することを特徴とする。
【0011】前述の手段によれば、信号発生器からの信
号として周波数f1の正弦波と、f1のn(n>8)
の周波数のnf1の正弦波を1/(2f1)秒間隔で、
オン・オフ(ON・OFF)させた波形の2つの信号を
加算して、探索対象配線(接地線もしくは通信ケーブ
ル、電力ケーブル等のケーブル)に印加し、まず、周波
数nf1の信号成分の振幅から周波数f1の基準信号を
生成する。次に、この基準信号をレファレンス信号とし
てロックインアンプに入力し、ロックインアンプで周波
数f1の信号成分の電流値と位相を検出する。また、周
波数nf1の正弦波をオン・オフさせる代わりに、周波
nf1の正弦波を、周波数f1の正弦波で振幅変調又
は他の変調方法で変調させ、受信側でこれを検波して、
周波数f1の基準信号を生成し、これをレファレンス信
号としてロックインアンプで信号電流中の周波数f1の
正弦波成分を検出する。
【0012】すなわち、配線に入力した測定信号と、基
準信号の加算信号を測定場所で分離し、分離した基準信
号をロックインアンプのレファレンスとして使用して、
測定信号を同期検波して測定することにより、信号入力
点と測定場所が離れた場所にある場合でも、レファレン
ス信号を送るケーブル等の導線で接続することや無線電
波を使うことなく、簡易かつ正確に電流値及び位相を測
定することができる。例えば、接地線等に入力した測定
信号とレファレンス信号の合成信号を測定場所で分離
し、分離したレファレンス信号をロックインアンプのレ
ファレンスとして使用して測定信号を同期検波して測定
する方法において、接地線に流れるノイズ電流の影響を
効果的に抑えることを可能にし、劣悪な電磁環境でも低
レベルの電流を接地線に注入することによって接地線な
どのルート探索をすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてその実施形
態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。
なお、実施形態(実施例)を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。 (従来例本発明を説明する前に、従来例として、本出願人により
先に出願された特願平7−258534号の内容を説明
する。 図1は、本 出願人が先に出願した特願平7−25
8534のレファレンス信号をメタルケーブルで信号
発生器から直接ロックインアンプに入力する電流ルート
探索方法を説明するための回路構成図であ同図にお
いて、1は信号発生器、2は接地線もしくは通信ケーブ
ル,電源ケーブル等のケーブル、3は接地線電極、4は
大地帰路、8は低圧配電系統の2次側接地電極、9は配
電用変圧器、10は電源コンセント、11,11’,1
1”は電流プローブ、12はロックインアンプ、13は
オシロスコープ、14はデバイダ(信号分配器)、15
はレファレンス信号線、16はコンデンサ、Gは信号発
生器1の接地側端子である。図1に示す接地線の電流ル
ート探索方法は、同図に示すように、信号発生器1によ
り1キロヘルツ(kHz)の信号を回路に流すとともに
レファレンス信号をレファレンス信号線15でロックイ
ンアンプ12に送るように接続したものである。
【0014】図1に示す接地線の電流ルート探索方法
は、同図に示すように、信号発生器1の一端子と電源コ
ンセントの接地側電極の導線をコンデンサ16で結合さ
せて、信号発生器1から接地線2、接地線電極3、大地
帰路4、低圧配電系統の2次側接地電極8、電源コンセ
ント10、コンデンサ16を通るループ回路を構成す
る。電流ルートを探索する接地線2に信号発生器1の信
号電流を印加するとともに信号電流をデバイダ14で分
配し、レファレンス信号線15を使ってロックインアン
プ12に伝送する。接地線2に流れる信号電流を電流プ
ローブ11及びロックインアンプ12、オシロスコープ
13により非接触の状態で測定し、信号電流が大きいも
のを探し出すとともに電流方向を検出し、電流プローブ
11を電流プローブ11’,11”の様に想定されるル
ートに沿って同時又は順次測定することにより目的の接
地線(配線)の電流ルートを探索することができる。し
かし、この図1に示す接地線の電流ルート探索方法
は、レファレンス信号を送る導線を必要とするため、大
規模ビルでは取り扱いが不便であった。なお、コンデン
サ16を省いて直接印加することも可能であるが、接続
する線に電圧が出ていないことを接続前に確認する必要
がある。
【0015】(実施形態1) 図2は、本発明の実施形態の測定信号と基準信号の加
算信号を配線に印加し、測定場所でこの加算信号を分離
し、分離した基準信号をロックインアンプのレファレン
ス信号とする電流ルート探索方法を説明するための回路
構成図であ同図において、G1は周波数f1Hzの
測定信号の発振器、G2は周波数nf1Hzの正弦波を
1/(2f1)秒の間隔でオン・オフ(ON・OFF)
した波形を発生する発振器、20は測定部、21はフィ
ルタ、22は基準信号発生器、23はロックインアンプ
である。本実施形態の電流ルート探索方法は、図2に
示すように、配線へは発振器G1と発振器G2の信号を
加算して印加する。次に、測定部20は、ケーブル配線
に流れる電流を検出する電流プローブ11からの電流
を、周波数nf1Hzに同調したフィルタ21を通し、
これを検波して基準信号を発生するための基準信号発生
器22に入力する。この基準信号発生器22からロック
インアンプ23に周波数f1Hzの基準信号を供給し、
この基準信号で同期検波することによって電流プローブ
11からの電流のうち周波数f1Hzの成分の電流値と
位相を測定する。図3の(a)は、発振器G1からの1
kHzの信号、(b)は発振器G2からの20kHzの
信号を0.0005秒でオン・オフ(ON・OFF)し
た信号、(c)は発振器G1とG2からの信号を加算し
たもので、これをケーブルに印加する。
【0016】この信号を配線ルートに流したときの電流
波形による測定原理を以下に示す。図4は、本発明の実
施形態の配線の等価回路側を示し、信号発生器1から
印加した電流をプローブ1,2,3で測定する場合を説
明するための図である。負荷(Z)17の開放と2.2
μFとした2つの条件で測定を行った。なお、プローブ
1,2,3の所に付けた矢印はプローブの極性を示す。
図5は負荷(Z)17を開放にしたときの、プローブ1
とプローブ2の電流波形を示す。 図5から分かるよう
、プローブ1とプローブ2で同一波形となっており、
信号発生器1からの電流がすべてプローブ2の方向に流
れていることがわかる。また、20kHzのバースト信
号を基準に1kHzの信号の位相を見ると位相もずれて
いないことが確認できる。
【0017】図6は負荷(Z)17を2.2μFにした
とき、プローブ1とプローブ2の電流波形を示してい
る。これから、プローブ1の波形で20kHzのバース
ト信号の先頭と1kHz信号のピーク間の時間から、1
kHzの位相を求めるとプローブ1では360μs=1
30°(度)、プローブ2では430μs=155°
(度)となり、プローブ2の位相はプローブ1の位相に
比べて25°(度)遅れていることがわかる。同一の被
測定回路で、メタルケーブルで信号発生器1から直接レ
ファレンス信号をロックインアンプ12に入力して測定
した場合の測定値は21°(度)遅れとなり、ほぼ同等
の測定値が得られたことが確認できた。また、発振器G
1からの1kHzの信号と、発振器G2からの20kH
zの信号を0.0005秒間隔でオン・オフ(ON・O
FF)した信号を加算するかわりに、発振器G2から2
0kHzの正弦波を1kHzの測定信号で振幅変調した
信号を発生し、前述の信号を加算する場合と同様に配線
に印加し、検出側で20kHzの信号から1kHzの正
弦波のレファレンス信号を取り出してロックインアンプ
12に入力することで同様の測定が可能である。
【0018】以上の説明からわかるように、本実施形態
によれば、信号発生器1からの信号としてf1Hzの
正弦波と、f1のn倍の周波数のnf1Hzの正弦波を
1/(2f1)秒間隔で、オン・オフ(ON・OFF)
させた波形の2つを加算した信号を探索対象配線に印加
し、まず、周波数nf1Hz成分の振幅から周波数f1
Hz基準信号を生成する。次に、この基準信号をレフ
ァレンス信号としてロックインアンプ12に入力し、ロ
ックインアンプ12で、周波数f1成分の電流値と位相
を検出する。また、周波数nf1Hzの正弦波をオン・
オフ(ON・OFF)させる代わりに、周波数nf1H
zの正弦波を、周波数f1Hzの正弦波で振幅変調又は
他の変調方法で変調させ、受信側でこれを検波して周波
数f1Hzの基準信号を生成し、これをレファレンス信
号としてロックインアンプ12で信号電流中の周波数f
1Hzの正弦波を検出する。すなわち、配線に入力した
測定信号と基準信号の加算信号を測定場所で分離し、分
離した基準信号をロックインアンプ12のレファレンス
として使用し、測定信号を同期検波して測定することに
より、信号入力点と測定場所が離れた場所にある場合で
も、レファレンス信号を送るケーブル等の導線で接続す
ることや無線電波を使うことなく、簡易かつ正確に電流
値及び位相を測定することができる。
【0019】(実施形態) 図7は、本発明の実施形態における測定部の概略構成
を示すブロック図であり、30は測定部、31は中心周
波数f2の第1狭帯域バンドパスフィルタ、32は中心
周波数(f2+f1)の第2狭帯域バンドパスフィル
タ、33は加算器、34は包絡線検波器である。本実施
形態における測定部30では、ケーブルに流れる電流
を検出する電流プローブ11からの電圧を中心周波数f
2(但し、f2=nf1)Hzに同調した第1狭帯域バ
ンドパスフィルタ31と中心周波数(f2+f1)Hz
に同調した第2狭帯域バンドパスフィルタ32に分配す
る。これらの2つのフィルタの出力を加算器33で加算
し、その出力Aを包絡線検波器34で包絡線検波する
と、周波数f1Hzの信号が得られる。この信号をレフ
ァレンス信号Bとしてロックインアンプ21に入力し、
レファレンス信号Bと同期検波することによって信号発
生器1(図2)から接地線2(図2)等に注入した周波
数f1Hzの探索用信号の振幅と位相差を検出する。
【0020】第8図の(a)は信号発生器1から接地線
2に印加した信号電流波形、図8の(b)は図7の加算
器33の出力Aの測定波形で、中心周波数f2Hzの第
1狭帯域バンドパスフィルタ31及び中心周波数(f2
+f1)Hzの第2狭帯域バンドパスフィルタ32を通
した後の信号を加算したものである。図8の(c)は前
記図8の(b)の波形を包絡線検波した波形であり、こ
れをロックインアンプ21のレファレンス信号Bにする
ことにより、図8の(a)に示す信号電流のうちの周波
数f1Hzの信号振幅及び位相を測定できる。図9
(a)は信号発生器1から接地線2に印加した信号電流
のスペクトルを示す。図9(a)に示すように、探索信
号のスペクトルは周波数f1Hzのにあり、周波数f
2Hzの正弦波をオン・オフ(ON・OFF)した信号
は、中心周波数f2Hzの搬送波とその両側の側帯波で
構成される。
【0021】ここで、図9(b)中のフィルタAのよう
にノイズの影響を低減するために、中心周波数f2Hz
フィルタの通過帯域を狭くしていくと、バースト状に
変調されている変調信号成分が阻止されるため、フィル
タを通過した後の信号は中心周波数f2Hzの一定振幅
の信号となり、レファレンス信号Bが取り出せなくな
る。逆に、レファレンス成分を取り出すためにフィルタ
Bのように、通過帯域幅の広いフィルタを使用すると、
中心周波数f2Hzと周波数(f2+f1)Hzの間に
あるノイズ成分も通過するためノイズの影響が大きくな
る。これに対して、本実施形態の方法では、中心周波
数f2Hzの搬送波成分と、周波数(f2+f1)Hz
の側帯波成分を、それぞれ狭帯域のフィルタAとフィル
タCを使用して取り出し、これらを加算することによっ
てレファレンス信号成分を取り出せるようにするととも
に、ノイズの影響を極力小さくすることが可能となる。
【0022】また、中心周波数f2Hzの正弦波を周波
数f1Hzの探索信号と同一位相で振幅変調して接地線
2に印加した場合には、変調信号のスペクトルは、中心
周波数f2Hz、周波数(f2+f1)Hz、および周
波数(f2−f1)Hzの3種類の周波数成分が含まれ
ており、これらのうち最低2種類を取り出すことによっ
て、周波数f1Hzのレファレンス信号を取り出すこと
が可能である。従って、狭帯域フィルタを使用して同様
にノイズの影響を低減する効果がある。以上、本発明者
によってなされた発明を、前記実施形態(実施例)に基
づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態(実
施例)に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0023】
【発明の効果】本願によって開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。 (1)信号発生器からの信号に測定信号とレファレンス
信号の合成信号を使うことにより、測定点でロックイン
アンプのレファレンス信号を作るので、レファレンス信
号を送る導線を必要とせずに配線ルートを探索すること
ができる。これにより、電流ルート探索作業時間を短縮
することができる。(2) 配線に流れるノイズ電流の影響を極限まで低減す
ることができる。(3) ノイズの多いビル内でも精度良く測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のレファレンス信号を直接ロックインアン
プに入力する電流ルート探索方法を説明するための回路
構成図である。
【図2】本発明の実施形態の測定信号と基準信号の加
算信号を配線に印加し、測定場所でこの加算信号を分離
し、分離した基準信号をロックインアンプのレファレン
ス信号とする電流ルート探索方法を説明するための回路
構成図である。
【図3】本実施形態の測定信号と基準信号の加算を説
明するための図である。
【図4】本実施形態の配線の等価回路を示し、信号発
生器から印加した電流をプローブ1,2,3で測定する
場合を説明するための図である。
【図5】本実施形態の測定結果を説明するための図で
ある。
【図6】本実施形態の測定結果を説明するための図で
ある。
【図7】本発明の実施形態における測定部の概略構成
を示すブロック図である。
【図8】本実施形態における各部位の信号波形図であ
る。
【図9】本実施形態の作用効果を説明するための図で
ある。
【図10】従来のルート探索方法を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1…信号発生器、2…接地線、3…接地線電極、4…大
地帰路、5…電流帰路用接地電極、6…帰路用リード
線、7…信号受信器、8…低圧配電系統の2次側接地電
極、9…配電用変圧器、10…電源コンセント、11,
11’,11”…電流プローブ、12…ロックインアン
プ、13…オシロスコープ、14…デバイダ(信号分配
器)、15…レファレンス信号線、16…コンデンサ、
17…負荷(Z)、20…測定部、21…フィルタ、2
2…基準信号発生器、23…ロックインアンプ、G…信
号発生器1の接地側端子,G1,G2…発振器、30…
測定部、31…第1狭帯域バンドパスフィルタ、32…
第2狭帯域バンドパスフィルタ、33…加算器、34…
包絡線検波器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉本 昇一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−15772(JP,A) 特開 平8−146144(JP,A) 実公 平5−47426(JP,Y2) 実公 平6−20144(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/02 G01V 3/11

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号発生器からの信号を配線印加し、
    ロックインアンプで前記印加した信号を検出し、前記印
    した信号の流れる経路を追跡する配線の電流ルート探
    索方法において、nを9以上の整数とするとき、前記 信号発生器におい
    て、周波数f1の正弦波と、周波数nf1の正弦波を1
    /(2f1)秒間隔で、前記周波数f1の信号と同期を
    とってオン・オフさせたバースト波とを加算した信号を
    生成し前記信号発生器から前記加算した信号を前記配線へ印加
    、 前記配線ルート上で、前記印加信号により前記配線上を
    流れる電流を受信し、 前記配線ルート上で受信された電流中の前記バースト波
    成分から周波数f1のレファレンス信号を生成し、 前記レファレンス信号に基づき、前記受信された電流中
    の周波数f1の正弦波成分をロックインアンプで検出
    し、前記 検出された周波数f1の正弦波の電流値と位相差を
    測定し、配線に印加した信号電流の流れる方向を検知す
    ることを特徴とする配線の電流ルート探索方法。
  2. 【請求項2】 信号発生器からの信号を配線に印加し、
    ロックインアンプで前記印加した信号を検出し、前記印
    加した信号の流れる経路を追跡する配線の電流ルート探
    索方法においてnを9以上の整数とするとき、前記信号発生器におい
    て、周波数f1の正弦波と、周波数f1の信号で変調さ
    れた周波数nf1の正弦波とを加算した信号を生成し、 前記信号発生器から前記加算した信号を前記配線へ印加
    前記配線ルート上で、前記印加信号により前記配線上を
    流れる電流を受信し前記配線ルート上で受信された電流中の前記変調された
    信号成分を検波器で検波して、周波数f1のレファレン
    ス信号を生成し前記レファレンス信号に基づき、前記受信された電流中
    の周波数f1の正弦波 成分をロックインアンプで検出
    し、 前記検出された周波数f1の正弦波の電流値と位相差を
    測定し、配線に印加した信号電流の流れる方向を検知す
    ることを特徴とする 配線の電流ルート探索方法。
  3. 【請求項3】 前記変調された周波数nf1の正弦波
    は、周波数f1の信号で振幅変調された正弦波であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の配線の電流ルート探索
    方法。
  4. 【請求項4】 前記配線ルート上で受信された電流を、
    中心周波数nf1の狭帯域通過フィルタ、および中心周
    波数(nf1−f1)の狭帯域通過フィルタに分配し、 これらのフィル出力を加算器で加算して得られ信号
    を、包括線検波器で検波してレファレンス信号を生成
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    線の電流ルート探索方法。
  5. 【請求項5】 前記配線ルート上で受信された電流を、
    中心周波数nf1の狭帯域通過フィルタ、および中心周
    波数(nf1+f1)の狭帯域通過フィルタに分配し、 これらのフィル出力を加算器で加算して得られ信号
    を、包括線検波器で検波してレファレンス信号を生成
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    線の電流ルート探索方法。
  6. 【請求項6】 前記配線ルート上で受信された電流を、
    中心周波数nf1の狭帯域通過フィルタ、中心周波数
    (nf1−f1)、および中心周波数(nf1+f1)
    の狭帯域通過フィルタに分配し、 これらのフィル出力を加算器で加算して得られ信号
    を、包括線検波器で検波してレファレンス信号を生成
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    線の電流ルート探索方法。
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