JP3180823U - 二重断熱構造家屋 - Google Patents

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Abstract

【課題】家屋を断熱材で二重に包む工法により、二重断熱材の間に静止空気層を設けて屋内の温度変化を少なくし、二台の空調機で効率的に空調する二重断熱構造家屋を提供する。
【解決手段】断熱材で包む工法により断熱処理された家屋1であって、家屋1の屋根3と外壁2と基礎4は、表層断熱材P1と下地断熱材P2からなる二重断熱材Pが配置され、且つ二重の断熱材Pの間に空気層を形成する。更に外壁2が隙間空間Eを有し、屋根3の小屋裏と天井との間の空間Aと、基礎4の底板と床下との間の空間Dには、夫々エアコンAC1,AC2とエアコンに接続された複数のダクト16a、16bを配置し、季節に応じていずれか一方のエアコンを稼働させて複数のダクト16a、16bから暖冷可能に送風することで、外壁2の隙間空間Eを介して空気を循環させて屋内全体を空調する。
【選択図】図1

Description

本考案は、家屋を断熱材で二重に包む工法により、二重の断熱材の間に形成される空気層によって奏される断熱効果または伝熱効果という相反する特性を利用して、効率的に屋内の空調を行う二重断熱構造家屋に関する。
従来から断熱処理された家屋に冷暖房用の空調機(以下、「エアコン」と記す)を配置して、室内を快適な空間にする家屋は知られている。セントラルヒーティングの場合、温水と冷水を供給するエアコン室外機に複数のパイプを接続して、家屋の部屋割りに従って配管されたパイプを通して温水や冷水が供給される。各部屋にはコンベクタ(放熱器)が設置されており、コンベクタを介して暖気や冷気が放出されて空調を行っている。
また、木造家屋の場合は、壁や天井に形成される間隙空間をエアコンから送風される空気の循環通路に利用し、冷気や暖気を自然対流で循環させて、温度差の少ない生活環境に適した室内の温度調整を行っている。
例えば、出願人の考案で、断熱処理された家屋の屋根裏と床下にエアコンを配置し、季節の変化に応じていずれか一方のエアコンを作動させて空調を行うエアコンを用いた快適居住空間を有する家屋が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第3156275号公報
しかし、セントラルヒーティングの場合、温水や冷水の供給用設備が大型となり、且つ複雑なパイプの配管及び複数のコンベクタの設置等で、コストが高くなる課題があった。
また、特許文献1のエアコンを用いた快適居住空間を有する家屋の場合、一層の断熱材による断熱処理では、必ずしも断熱効果は十分とはいえず、特に真夏の屋根から小屋裏に伝わる熱気、外壁や基礎のコンクリートから伝わる熱気や冷気等の輻射熱を十分に遮断することができない問題があった。
本考案は以上の課題に鑑みてなされたもので、屋根と外壁と基礎を断熱材で二重に包む工法により家屋を二重断熱構造にし、空気が持つ相反する特性を利用して、二重断熱材の間に静止空気層を形成して外部の熱を遮断し、且つ二台のエアコンから送風される空気で屋内に自然対流を発生させ、流動する空気の伝熱効果を利用して効率的に屋内の空調を行う二重断熱構造家屋を提供することを目的とする。
本考案は上記の目的を達成するため、以下(1)〜(5)の構成を備えるものである。
(1)断熱材で包む工法により断熱処理された家屋であって、前記家屋の屋根と外壁と基礎は、表層断熱材と下地断熱材からなる二重断熱材が設置され、且つ前記二重断熱材の間に空気層が形成され、更に前記外壁が隙間空間を有し、前記屋根の小屋裏の床と天井との間の空間と、前記基礎の底板と床下との間の空間には、夫々エアコンと該エアコンに接続された複数のダクトを配置し、季節に応じていずれか一方の前記エアコンを稼働させて前記複数のダクトから暖冷可能に送風することで、前記外壁の隙間空間を介して空気を循環させて屋内全体が空調されることを特徴とする二重断熱構造家屋。
(2)前記家屋が二階建てであって、稼働させた前記エアコンから暖冷可能に送風された空気が、二階床と一階天井との間に形成された空間を、前記外壁の隙間空間を介して循環することを特徴とする前記(1)記載の二重断熱構造家屋。
(3)前記屋根に設置される前記二重断熱材は野地板と垂木の間に載置され、前記二重断熱材の前記表層断熱材と下地断熱材の間に等間隔で平行に抑え垂木が配置された空間を有し、該空間に外気を取込んで空気が循環するように形成されていることを特徴とする前記(1)または(2)記載の二重断熱構造家屋。
(4)前記小屋裏の床には、前記屋根に設置される前記下地断熱材を連続して載置することで、前記小屋裏に静止した空気を有する空間が形成されることを特徴とする前記(1)または(2)記載の二重断熱構造家屋。
(5)前記外壁と前記基礎に設置される前記二重断熱材は、前記表層断熱材と下地断熱材の間に格子状の胴縁を挟んで分割された空間を有することを特徴とする前項(1)または(2)記載の二重断熱構造家屋。
本考案に係る二重断熱構造家屋では、二重断熱材の間に静止した空気層を形成して外気の熱を遮断し、且つ屋内に二台のエアコンを設置して季節の変化に応じていずれか一方のエアコンを作動させ、冷気或いは暖気を循環させる空調を行うことで空気の自然対流を発生させ、効率的に屋内の空調を行う二重断熱構造家屋を提供することができる。
本考案に係る二重断熱構造家屋の構造と機能を説明する断面図 外壁の構造を示す分解図 屋根の構造を示す分解図 二階天井と小屋裏の床の構造を示す分解図 二階床と一階天井の構造を示す分解図 一階床と基礎の構造を示す分解図
以下、本考案を実施するための形態を、実施例により詳しく説明する。
尚、実施例では、家屋は二階建て家屋を例に説明するが、平屋でも三階建ての家屋で有っても良く、二階建て家屋に限定するものではない。
図1を使って、本考案に係る二重断熱構造家屋1に設置された二重断熱材Pの配置と、二重断熱構造家屋1の構造と機能を説明する。
本考案の二重断熱構造家屋1は、太陽に晒される屋根3と外壁2と基礎4の一部を、図中に二点鎖線で示した表層断熱材P1と下地断熱材P2を積層した二重断熱材Pで包み込む構造を有し、二重断熱材Pの間には、静止した空気を包含する分割空間G、或いは流動する空気を通す通気空間Jとを備えている。
空気の熱伝達率は、静止した空気の場合は4Kcal/cm・h・℃で断熱特性を有し、流動する空気の場合は最大250Kcal/cm・h・℃で伝熱特性を有する。静止した空気と流動する空気とでは、全く正反対の特性を示すことが知られている。本考案の二重断熱構造家屋1は、この空気の持つ相反する特性を、有効且つ効果的に利用した家屋である。
また、二重断熱構造家屋1に使用される断熱材Pは、断熱素材の両面にアルミニウムを溶着或いは蒸着させたアルミ遮熱材である。特に熱反射機能を有する断熱材Pであって、例えばアストロホイル(登録商標)や、リフレクティクス(登録商標)等の遮熱シートを二重にして使用している。
アストロホイル(登録商標)の通過熱量は、瓦やスレートの下に載置して実施される遮熱試験(照射熱量1000w)において、42〜46w/mの値を示し、遮熱材が無い場合の65〜87w/mの通過熱量に比べて、約20〜40w/m以上の遮熱能力を有しており、リフレクティクス(登録商標)も同等の性能を有している。
本考案の二重断熱構造家屋1では、二階天井裏の空間Bに冷房用エアコンAC1を設置し、冷気Cを任意の方向に送風するため柔軟性のある複数の冷房用ダクト16aが接続されている。また、一階床下の空間Dにも暖房用エアコンAC2が設置され、暖気Hを送風する複数のダクト16bが接続されている。
通常の家屋の構造は、天井や壁や床の内部に多くの隙間や空間が形成されるため、その隙間や空間を介して自然に空気が流れる自然対流が発生する特徴がある。そのため二重断熱構造家屋1では、冷房用エアコンAC1と暖房用エアコンAC2を季節の変化に応じていずれか一方を作動させることで、流動する空気の持つ高い熱伝達機能を有効に利用し、家屋の外壁2の梁5と柱7と土台8で形成された隙間空間Eを介して、冷気C或いは暖気Hを屋内に循環させることで空調を行っている。冷気Cと暖気Hの循環については、図1を用いて後述する。
<二重断熱構造家屋の構造>
次に、本考案の二重断熱構造家屋1を構成する外壁2や屋根3及び基礎4等の構造と、二重断熱構造について以下に説明する。
[外壁の構造]
図2は、二重断熱構造家屋の外壁2の要部の構造である。例えば、屋外に接する面にラスモルタル塗りのジョリパット仕上等の外壁材21を使用し、この外壁材21を構造用合板22に張り合わせ、その内側には二重断熱材Pを構成する表層断熱材P1と下地断熱材P2が、間に枠構造の胴縁20を挟み込んだ状態で梁5と柱7及び間柱7aに固定されている。また、梁5と柱7の室内側の内壁材23の構造は、石膏ボード23aと内壁仕上材23bで形成されている。
表層断熱材P1と下地断熱材P2の間に胴縁20を挟み込んだ二重断熱材Pは、格子構造の胴縁20で細分化された分割空間Gに静止した空気層を包含し、断熱材Pの中の空気の対流を防止して断熱効果を高めている。
また、外壁2の梁5と柱7及び土台8の間に形成された隙間空間Eは、家屋の各部屋間や一階と二階との間の熱の循環を確保する空気の通路となり、隙間空間Eを介して夫々の場所の温度差を低減する自然対流を発生させることで、空気に蓄えられた冷気Cや暖気Hを伝達するという流動する空気による伝熱効果を発揮させている。
[屋根構造]
図3は、二重断熱構造家屋の屋根3の構造である。
二重断熱構造家屋の屋根3は、トラス構造に組まれた小屋組で棟木6と梁5との間に等間隔で斜めに渡された複数の垂木11の上に、二重断熱材Pを載置し、その上面に野地板25、防水処理用ルーフィング26、スレートや瓦等の屋根仕上材27が設置されている。
二重断熱材Pは表層断熱材P1と下地断熱材P2からなり、垂木11の上に幅の狭い下地断熱材P2を敷き、その上に等間隔で配置した抑え垂木11aを挟み込んで表層断熱材P1を載置した構造となっている。特に、表層断熱材P1は垂木11の端まで敷き詰められて屋根全体を覆うように設置され、一方の下地断熱材P2は垂木11と梁5の接合部までカバーする大きさで、表層断熱材P1と下地断熱材P2で大きさが異なる構造である。
軒下の垂木11と梁5の接合部は、抑え垂木11aの高さと設置幅の大きさで、二重断熱材Pの表層断熱材P1と下地断熱材P2の間に複数の開口部11bが形成され、その開口部11bから外気Wを取込んでいる。二重断熱材Pの間に平行に配置した複数の抑え垂木11aで分離された通気空間Jは、分離された空間相互の空気の対流が妨げられることによって、屋根全体への熱の拡散を防いでいる。
また、梁5から棟木6に向って並列に配置された通気空間Jには、軒下の表層断熱材P1と下地断熱材P2の間の複数の開口部11bから、屋外を吹く自然の外気Wを取込むことで、抑え垂木11aで仕切られた空間に停滞する熱を自然の外気Wで換気し、二重断熱材Pの間の空間に熱が停滞することを防いでいる。
[二階天井と小屋裏の構造]
図4は、二重断熱構造家屋1の二階天井14と小屋裏の床12の構造である。
二階天井裏の構造は、梁5に欠込み5aを入れて根太9を組込むことで根太9と梁5を同じ高さにし、その上面に構造用合板を張り付け小屋裏の床12を形成し、更に小屋裏の床12全面を覆うように下地断熱材P2が載置されている。図1に示すように屋根3の垂木11と梁5の接合部において、小屋裏の下地断熱材P2は、屋根3の下地断熱材P2と隙間なく接続され、外壁2の断熱材Pとも接続されている。そのため小屋裏の空間Aは、屋根3の下地断熱材P2が連続して小屋裏の床12の全面を覆うように密閉され、該小屋裏の空間Aに閉じ込められた空気層を静止状態に保つことによって断熱効果を発揮させている。
また、二階天井14の構造は、根太9に取付けられた複数の吊木10に固定されている野縁19に、天井下地の構造合板14aと化粧耐火ボード14bが張り付けられている。そのため小屋裏の床12と吊木10で支えられた二階天井14の間には、二階天井裏の空間Bが形成される。
この二階天井裏の空間Bには、小屋裏の床12の構造用合板の一部を切取って、冷房用エアコンAC1が設置されている。小屋裏に突出した冷房用エアコンAC1の上部は、床材と同じ構造用合板で形成された着脱可能な箱12aを被せ、突出した箱12aの全面を小屋裏の床12全面を覆う下地断熱材P2で被覆して、小屋裏の空間Aと冷房用エアコンAC1及び二階天井裏の空間Bとを隔離している。冷房用エアコンAC1のフィルタ交換等の保守点検作業は、箱12aを取り外して小屋裏から実施することができる。
冷房用エアコンAC1に接続された複数の冷房用ダクト16aは、吊木10に固定された二階天井14の構造用合板14a上面に配管され、冷房用ダクト16aから送風される冷気Cが二階天井裏の空間B全体を冷却している。二階天井裏の空間Bに拡散した冷気Cは、比重が重いため、空気の自然対流によって外壁2の隙間空間Eを介して屋内全体に降下すると共に、屋内の熱い空気の上昇を伴う空気の循環を発生させることで、冷気Cを屋内の隅々まで拡散させている。
[二階床と一階天井の構造]
図5は、二重断熱構造家屋1の二階床15と一階天井17の構造である。
二階床15の構造は、梁5の上に根太9を配置し、根太9の上面に構造用合板15a、耐火ボート15b及びフロア材15cを張り付けて二階床15を形成している。一階天井17は、二階天井14と同様に根太9に取付けられた複数の吊木10に固定された枠構造の野縁19に天井下地の構造合板17aと化粧耐火ボード17bが張り付けられている。そのため、二階床15と一階天井17の間には、一階天井裏の空間Fが形成される。
この一階天井裏の空間Fを、外壁2の隙間空間Eから流れ込んできた冷気C或いは暖気Hが伝搬する。一階天井裏の空間Fに広がった冷気Cは一階天井17から降下し、或いは暖気Hは二階床15から上昇して、冷房或いは暖房時の熱の循環が発生して室内に拡散する。
[基礎の構造]
図6は、二重断熱構造家屋1の基礎4と一階床18の構造である。
ベタ基礎構造の基礎4の立上り4aに載置される土台8は、外壁2の二重断熱材Pの表層断熱材P1と下地断熱材P2で被覆された状態で、立上り4aの上面に固定される。被覆された土台8の上には根太9を配置し、その根太9の上面に構造用合板18bとフロア材18cを張り付けて一階床18を形成している。土台8の上に配置された根太9は、基礎4の底板4bに固定されている複数の金属製束13に支持されている。そのため、底板4bと一階床18との間には、一階床下の空間Dが形成される。
基礎4の立上り4aの内側とコンクリート張りの底板4bの上面は、全面を下地断熱材P1で被覆され、一階床下の空間Dと基礎4とを隔離している。特に、
二重断熱構造家屋1のベタ基礎構造では、土台8を設置する基礎4の立上り4aの内側と、立上り4aから約1mの範囲の底板4bの領域に、断熱材を重ねた積層部Kが形成されている。積層部Kを表層断熱材P1と下地断熱材P2を重ねた二重断熱材Pにすることで、外気に晒された基礎4の立上り4aからの熱の伝達を防ぎ、一階床下の空間Dの温度変化を防止している。尚、積層部Kの幅は、仕様によって異なるため1mに限定するものではない。
一階床下の空間Dには、暖房用エアコンAC2が土台8或いは根太9にボルト等の固定金具24で吊下げられた状態で設置されている。そのため、暖房用エアコンAC2の下部の基礎4には、防水処理がされて内側を下地断熱材P2で被覆された点検溝4cが形成され、当該点検溝4cに作業者が入って暖房用エアコンAC2のフィルタ交換やクリーニング等の保守点検作業を行うことができる。
一階床下の空間Dに設置された暖房用エアコンAC2には、複数の暖房用ダクト16b接続され、下地断熱材P2で被覆された底板4bの上面に配管され、暖房用ダクト16bから送風される暖気Hが一階床下の空間D全体を暖房すると共に、一階床18に形成された吹出し口18aから一階の室内に放出される。また、一階床18には断熱機能を持つ耐火ボートが挿入されていないため、一階床下の空間Dが暖められることで一階床18面全体も同時に暖められ、床暖房の効果を発揮する。
<二重断熱構造家屋の特徴>
本考案の二重断熱構造家屋1の特徴は、熱伝達特性に関する空気の持つ相反する特性を、有効且つ効果的に利用するための家屋である。
そのため二重断熱材Pは、表層断熱材P1と下地断熱材P2に断熱素材の両面にアルミニウムを溶着或いは蒸着させたアルミ遮熱材が使用され、更に表層断熱材P1と下地断熱材P2の間に空気層を形成した構造を備えている。
本考案の二重断熱構造家屋1において、断熱材を二重にする第一の目的は、二重の断熱材と該断熱材の間に形成される静止した空気層の持つ断熱機能との相乗効果によって、断熱機能を更に高めることにある。
外壁2の構造は、図2に示すように二重断熱材Pの表層断熱材P1と下地断熱材P2の間に、格子状に組まれた胴縁20を配置して分割空間Gを形成し、断熱材Pの間の空気の対流を防止する静止した空気層を形成している。
また、太陽に晒される屋根3の断熱構造は、図3に示すように二重断熱材Pの間の通気空間Jに自然の外気Wを呼び込んで熱の換気を行うと共に、更に小屋裏の空間Aを下地断熱材P2で密閉して静止した空気層を包含させて断熱空間を形成するという、空気の持つ相反する特性を組合せた断熱構造を有している。
本考案の二重断熱構造家屋1において断熱材を二重にする第二の目的は、外気と隔離された屋内空間に、冷気Cや暖気Hを帯びた空気を利用して自然対流による空気の循環を発生させることである。
二重断熱構造家屋1では、外壁2の隙間空間Eを二台のエアコンから送風された空気が循環する通路に利用することで、自然対流により熱が伝達されて家屋の各部屋或いは一階と二階の間の温度差を低減している。
空気は、冷気Cや暖気Hを帯びることで比重に違いが発生するため、その比重の違いにより冷気Cを帯びた空気は下降し、暖気Hを帯びた空気は上昇する。その結果、伝熱効果の高い流動する空気の循環が発生し、効率的に屋内の空調を行うことができる。
更に木造家屋は、天井や壁や床の内部構造に多くの隙間が形成されているため、その隙間空間Eを介して冷気Cや暖気Hを帯びた空気が循環するように自然対流を発生させることができる。
<冷気と暖気の循環>
冷気Cと暖気Hの循環について、図1を使って以下に説明する。
冷気Cの循環は、図1に示すように二階天井裏の空間Bに設置された冷房用エアコンAC1を稼働させ、当該冷房用エアコンAC1に接続された複数の冷房用ダクト16aから冷気Cが放出されることで発生する。
比重の重い冷気Cを帯びた空気は、二階天井裏の空間B全体を冷却すると共に、二階室内に冷気Cが降下して自然対流が発生する。また、冷気Cを帯びた空気は、外壁2の梁5と柱7で形成された隙間空間Eを伝搬し、一階天井裏の空間F全体に拡散する。一階室内は、一階天井17が冷却されて比重の重い冷気Cが下降し、一階室内に空気の対流が発生する。更に、冷気Cを帯びた空気が、外壁2の隙間空間Eを伝搬し一階床下の空間Dに広がることで、断熱処理された屋内全体が冷気Cを帯びた空気の循環によって冷房される。
次に、暖気Hの循環は、図1に示すように一階床下の空間Dに設置された暖房用エアコンAC2を稼働させ、接続された複数の暖房用ダクト16bから暖気Hが放出されることで発生する。
下地断熱材P2で被覆された底板4bの上面に配管された暖房用ダクト16bから放出される暖気Hは、一階床下の空間D全体を暖房すると共に、一階床18に形成された吹出し口18aから一階室内に暖気Hを放出する。また、一階床18面も、一階床下の空間Dが暖められることで床面全体が暖められて床暖房の効果を発揮し、床面から暖気Hが上昇する。
一階室内は、比重の軽い暖気Hを帯びた空気が上昇することで、一階室内に空気の対流が発生する。暖気Hを帯びた空気は、一階床下の空間Dから外壁2の土台8と柱7の間の隙間空間Eを伝搬して上昇し、外壁2の内側全体に広がっていく。
隙間空間Eを上昇した暖気Hは、一階天井裏の空間Fを伝搬し二階床15を温め、二階の床面からも暖気Hが上昇し二階室内に対流を発生させて暖気Hが広がっていく。更に外壁2の隙間空間Eを上昇した暖気Hが、二階天井裏の空間Bに広がることで、断熱処理された屋内全体が暖気Hを帯びた空気の循環によって暖房される。
以上、本考案の二重断熱構造家屋は、空気の循環を断熱処理された屋内で発生させることで、流動する空気の持つ高い熱伝達機能を有効に利用し、冷房用エアコンと暖房用エアコンを季節の変化に応じていずれか一方のエアコンを稼働させ、発生した冷気或いは暖気を循環させて空調を行うことができる。
AC1 冷房用エアコン
AC2 暖房用エアコン
A 小屋裏の空間
B 二階天井裏の空間
C 冷気
D 一階床下の空間
E 隙間空間
F 一階天井裏の空間
G 分割空間
H 暖気
J 通気空間
K 積層部
P 二重断熱材
P1 表層断熱材
P2 下地断熱材
W 外気
1 二重断熱構造家屋
2 外壁
3 屋根
4 基礎
5 梁
6 棟木
7 柱
8 土台
9 根太
10 吊木
11 垂木
12 小屋裏の床
13 束
14 二階天井
15 二階床
16 ダクト
17 一階天井
18 一階床
19 野縁
20 胴縁
21 外壁仕上材
22 構造用合板
23 内壁材
24 固定金具

Claims (5)

  1. 断熱材で包む工法により断熱処理された家屋であって、
    前記家屋の屋根と外壁と基礎は、表層断熱材と下地断熱材からなる二重断熱材が設置され、且つ前記二重断熱材の間に空気層が形成され、
    更に前記外壁が隙間空間を有し、
    前記屋根の小屋裏の床と天井との間の空間と、前記基礎の底板と床下との間の空間には、夫々エアコンと該エアコンに接続された複数のダクトを配置し、
    季節に応じていずれか一方の前記エアコンを稼働させて前記複数のダクトから暖冷可能に送風することで、前記外壁の隙間空間を介して空気を循環させて屋内全体が空調されることを特徴とする二重断熱構造家屋。
  2. 前記家屋が二階建てであって、稼働させた前記エアコンから暖冷可能に送風された空気が、二階床と一階天井との間に形成された空間を、前記外壁の隙間空間を介して循環することを特徴とする請求項1記載の二重断熱構造家屋。
  3. 前記屋根に設置される前記二重断熱材は野地板と垂木の間に載置され、前記二重断熱材の前記表層断熱材と下地断熱材の間に等間隔で平行に抑え垂木が配置された空間を有し、該空間に外気を取込んで空気が循環するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の二重断熱構造家屋。
  4. 前記小屋裏の床には、前記屋根に設置される前記下地断熱材を連続して載置することで、前記小屋裏に静止した空気を有する空間が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の二重断熱構造家屋。
  5. 前記外壁と前記基礎に設置される前記二重断熱材は、前記表層断熱材と下地断熱材の間に格子状の胴縁を挟んで分割された空間を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の二重断熱構造家屋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019100056A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 パナソニックホームズ株式会社 天井部構造
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