JP3179294B2 - 鋼材の耐火被覆構造と耐火被覆方法 - Google Patents
鋼材の耐火被覆構造と耐火被覆方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼構造建築物におい
て、鋼管柱等の鋼材を耐火材で覆った耐火被覆構造と耐
火被覆方法に関するものである。
て、鋼管柱等の鋼材を耐火材で覆った耐火被覆構造と耐
火被覆方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】鋼構造建築物では、専門の職人が柱・梁
などの主要構造部に耐火被覆材を施すことにより耐火建
築物としている。被覆材を施す方法としては、湿式工法
による場合と耐火板などを張り付ける乾式工法とがある
が、施工現場環境の改善や工期短縮の点からして乾式工
法の方が有利であり、この方法が増加する傾向にある。
この場合の耐火被覆材としては、石膏ボードが取り扱い
性や作業性の点で有利であるが、石膏ボードは、火災の
際の加熱によってバインダーとしての結晶水が脱水さ
れ、非常に脆くなり、割れを生じて脱落し、耐火性能が
損なわれるという不都合がある。このような石膏ボード
の脱落を防止する方法として、石膏ボードの厚みを大き
くする方法、繊維で強化した特殊石膏ボードを用いる方
法、ビスや接着剤を多用したり或いは多数の針金などを
巻き付けることによって割れても出来るだけ脱落しない
ようにする方法、があり、また、鋼材自体の温度上昇を
防ぐ方法として、鋼管柱等の内部にコンクリートを充填
して全体の熱容量を上げ、鋼材自体の温度上昇を防ぐ方
法、などが採られている。
などの主要構造部に耐火被覆材を施すことにより耐火建
築物としている。被覆材を施す方法としては、湿式工法
による場合と耐火板などを張り付ける乾式工法とがある
が、施工現場環境の改善や工期短縮の点からして乾式工
法の方が有利であり、この方法が増加する傾向にある。
この場合の耐火被覆材としては、石膏ボードが取り扱い
性や作業性の点で有利であるが、石膏ボードは、火災の
際の加熱によってバインダーとしての結晶水が脱水さ
れ、非常に脆くなり、割れを生じて脱落し、耐火性能が
損なわれるという不都合がある。このような石膏ボード
の脱落を防止する方法として、石膏ボードの厚みを大き
くする方法、繊維で強化した特殊石膏ボードを用いる方
法、ビスや接着剤を多用したり或いは多数の針金などを
巻き付けることによって割れても出来るだけ脱落しない
ようにする方法、があり、また、鋼材自体の温度上昇を
防ぐ方法として、鋼管柱等の内部にコンクリートを充填
して全体の熱容量を上げ、鋼材自体の温度上昇を防ぐ方
法、などが採られている。
【０００３】例えば、図３は角形鋼管柱に耐火材として
の石膏ボードで耐火被覆を施した従来例であって、鋼管
柱(１)の四周に４枚の下張り石膏ボード(２)を配置し
て、各石膏ボード(２)(２)…の端部に跨る用にして各コ
ーナー部分にＬ型の鉄板製当板(3)(3)…をあてがって、
その外側から針金(５)を巻いて締め付け、これによって
下張り石膏ボード(２)(２)…を保持している。更に、そ
の外側に繊維で強化した上張り石膏ボード(４)(４)…を
四周に配置して、外側から前記当板(３)へ到達するよう
にビス(６)(６)…をねじ込んで固定するとともに、多数
のステイプル(７)(７)…で、下張り石膏ボード(２)と上
張り石膏ボード(４)とを相互に連結するようにしてい
る。更に、鋼管柱(１)の内部には、熱容量の大きいコン
クリート(８)を充填している。
の石膏ボードで耐火被覆を施した従来例であって、鋼管
柱(１)の四周に４枚の下張り石膏ボード(２)を配置し
て、各石膏ボード(２)(２)…の端部に跨る用にして各コ
ーナー部分にＬ型の鉄板製当板(3)(3)…をあてがって、
その外側から針金(５)を巻いて締め付け、これによって
下張り石膏ボード(２)(２)…を保持している。更に、そ
の外側に繊維で強化した上張り石膏ボード(４)(４)…を
四周に配置して、外側から前記当板(３)へ到達するよう
にビス(６)(６)…をねじ込んで固定するとともに、多数
のステイプル(７)(７)…で、下張り石膏ボード(２)と上
張り石膏ボード(４)とを相互に連結するようにしてい
る。更に、鋼管柱(１)の内部には、熱容量の大きいコン
クリート(８)を充填している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記図３の従来例は、
前記した脱落防止策の殆どを施したもので、まず、ビス
(６)に加えて多数のステイプル(７)を打ち込むことで、
石膏ボード(２)(４)が割れても脱落しないようにしてい
るが、施工作業がそれだけ面倒になり、作業時間を要す
る欠点がある。また、下張り石膏ボード(２)は、Ｌ型の
当板(３)と針金(５)によって保持されているだけである
ので、外側の石膏ボード(４)が脱落すると簡単に脱落し
てしまい、針金(５)の本数を多くすると、それだけ作業
が面倒になることになる。しかも針金(５)の締め付け作
業自体面倒な作業である。
前記した脱落防止策の殆どを施したもので、まず、ビス
(６)に加えて多数のステイプル(７)を打ち込むことで、
石膏ボード(２)(４)が割れても脱落しないようにしてい
るが、施工作業がそれだけ面倒になり、作業時間を要す
る欠点がある。また、下張り石膏ボード(２)は、Ｌ型の
当板(３)と針金(５)によって保持されているだけである
ので、外側の石膏ボード(４)が脱落すると簡単に脱落し
てしまい、針金(５)の本数を多くすると、それだけ作業
が面倒になることになる。しかも針金(５)の締め付け作
業自体面倒な作業である。
【０００５】また、上張り石膏ボード(４)は、特殊石膏
ボードであるため、高価である。この場合、各石膏ボー
ド(２)(４)の厚みを厚くしても、コスト高となるととも
に、この場合には、柱全体の外形が大きくなり、室内の
面積がそれだけ減少する欠点もある。更に、鋼管柱(１)
内部にコンクリート(８)を充填すると、鋼管柱(１)自体
が非常に重くなり、且つ充填のためのコストが非常に高
くつく欠点がある。
ボードであるため、高価である。この場合、各石膏ボー
ド(２)(４)の厚みを厚くしても、コスト高となるととも
に、この場合には、柱全体の外形が大きくなり、室内の
面積がそれだけ減少する欠点もある。更に、鋼管柱(１)
内部にコンクリート(８)を充填すると、鋼管柱(１)自体
が非常に重くなり、且つ充填のためのコストが非常に高
くつく欠点がある。
【０００６】この発明は、このような従来の欠点を解消
して、柱などの鋼材を石膏ボードなどの耐火被覆材で被
覆する乾式工法の耐火被覆において、熱による耐火被覆
材の脱落防止を、作業性が良好で且つ低コストに行える
ようにすることを目的としてなされたものである。
して、柱などの鋼材を石膏ボードなどの耐火被覆材で被
覆する乾式工法の耐火被覆において、熱による耐火被覆
材の脱落防止を、作業性が良好で且つ低コストに行える
ようにすることを目的としてなされたものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の耐火被覆構造は、鋼材の表面を耐火被覆
材で被覆するものにおいて、前記耐火被覆材が鋼材の全
周を覆う下張り被覆材とその下張り被覆材の表面全周を
覆う上張り耐火被覆材とからなり、下張り被覆材はその
表面を覆うようにしてその外表面に張り付けた鉄板材を
備え、且つ、前記鋼材のコーナー部に対応してこの下張
り被覆材にV字溝が形成されて、このＶ字溝部分で折れ
曲がった状態で前記鋼材外周に巻き付けられ、更に、鉄
板材の周方向の一方の端部は下張り被覆材より突出して
他方の端部側の鉄板材と重ね合わせられていて、この鉄
板材の外側の上張り被覆材外側から、前記重ね合わせ部
においてはその重ね合わせ部を通過するようにして鉄板
材を貫通してねじ込まれたビスで、それら被覆材及び鉄
板材が固定してあることを特徴とするものである。
め、この発明の耐火被覆構造は、鋼材の表面を耐火被覆
材で被覆するものにおいて、前記耐火被覆材が鋼材の全
周を覆う下張り被覆材とその下張り被覆材の表面全周を
覆う上張り耐火被覆材とからなり、下張り被覆材はその
表面を覆うようにしてその外表面に張り付けた鉄板材を
備え、且つ、前記鋼材のコーナー部に対応してこの下張
り被覆材にV字溝が形成されて、このＶ字溝部分で折れ
曲がった状態で前記鋼材外周に巻き付けられ、更に、鉄
板材の周方向の一方の端部は下張り被覆材より突出して
他方の端部側の鉄板材と重ね合わせられていて、この鉄
板材の外側の上張り被覆材外側から、前記重ね合わせ部
においてはその重ね合わせ部を通過するようにして鉄板
材を貫通してねじ込まれたビスで、それら被覆材及び鉄
板材が固定してあることを特徴とするものである。
【０００８】上記において、耐火被覆材が石膏ボードで
あって、また、鋼材として角形鋼管を用いることが考え
られる。即ち、脱落防止の目的としては特に石膏ボード
に対して有効であるが、必ずしも石膏ボードに限られる
もではない。また、外側被覆材に繊維等で強化した特殊
石膏ボードを用いても差支えない。
あって、また、鋼材として角形鋼管を用いることが考え
られる。即ち、脱落防止の目的としては特に石膏ボード
に対して有効であるが、必ずしも石膏ボードに限られる
もではない。また、外側被覆材に繊維等で強化した特殊
石膏ボードを用いても差支えない。
【０００９】同じくこの発明の耐火被覆方法は、鋼材の
表面を覆う下張り被覆材とその被覆材の外側面を覆う鉄
板材を一体とし、且つ、前記鋼材のコーナー部に対応し
て下張り被覆材に折曲げ用のＶ字溝を形成したものを、
鉄板材の端部同士を重ね合わせるようにして前記鋼材表
面の全周を覆うようにして巻き付けて仮保持し、しかる
後、その外側に上張り被覆材を設置するとともに、その
上張り被覆材の外側から、前記重ね合わせ部においては
その重ね合わせ部を通過するように鉄板材を通過してビ
スをねじ込んで固定することを特徴とする。
表面を覆う下張り被覆材とその被覆材の外側面を覆う鉄
板材を一体とし、且つ、前記鋼材のコーナー部に対応し
て下張り被覆材に折曲げ用のＶ字溝を形成したものを、
鉄板材の端部同士を重ね合わせるようにして前記鋼材表
面の全周を覆うようにして巻き付けて仮保持し、しかる
後、その外側に上張り被覆材を設置するとともに、その
上張り被覆材の外側から、前記重ね合わせ部においては
その重ね合わせ部を通過するように鉄板材を通過してビ
スをねじ込んで固定することを特徴とする。
【００１０】
【作用】上記この発明によれば、下張り被覆材の表面全
周に亘って鉄板材で被覆しているので、火災の熱によっ
て被覆材に割れを生じるようなことがあっても、少なく
とも下張り被覆材が脱落するのを防止することが出来
る。また、上張り被覆材の外側からねじ込むビスでその
上張り被覆材のみならず鉄板材同士をも固定するので、
鉄板材は簡単に仮固定しておくだけで良く、正式な固定
は最後の段階に行うだけで良いため、作業性が非常に良
好である。特に、下張り被覆材と鉄板材は予め一体化さ
れているので、これらを同時に施工でき、下張り被覆材
を取り付けた状態で仮に固定するといった作業が不要で
ある。
周に亘って鉄板材で被覆しているので、火災の熱によっ
て被覆材に割れを生じるようなことがあっても、少なく
とも下張り被覆材が脱落するのを防止することが出来
る。また、上張り被覆材の外側からねじ込むビスでその
上張り被覆材のみならず鉄板材同士をも固定するので、
鉄板材は簡単に仮固定しておくだけで良く、正式な固定
は最後の段階に行うだけで良いため、作業性が非常に良
好である。特に、下張り被覆材と鉄板材は予め一体化さ
れているので、これらを同時に施工でき、下張り被覆材
を取り付けた状態で仮に固定するといった作業が不要で
ある。
【００１１】
【実施例】実施例は、角形鋼管柱に耐火被覆を施した場
合であって、以下、その施工順序に従って説明する。
合であって、以下、その施工順序に従って説明する。
【００１２】図１〜図３において、(11)が角形鋼管柱、
(12)がこの角形鋼管柱(11)の外表面を被覆する下張り被
覆材としての下張り石膏ボード、(13)は、更にその外側
を被覆する薄肉の亜鉛鉄板を示している。下張り石膏ボ
ード(12)は、前記角形鋼管柱(11)の外周面全周に亘って
被覆できるような幅を有し、かつ、その端部は、それら
の端部同士が互いに重なるように傾斜状に切り落とし(1
4)されている。この下張り石膏ボード(12)の外側面に、
予め前記亜鉛鉄板(13)が接着して一体に張り付けられて
いる。この状態において、下張り石膏ボード(12)は、角
形鋼管柱(11)の各コーナー(15)に対応するようにして、
Ｖ字型にカットされた溝(16)(16)…が形成され、これに
よりこのＶ字溝(16)(16)…を介して、角形鋼管柱(11)の
外周面に沿って折曲げ可能とされている。この場合、図
示していないが、通常石膏ボードには、その一方の表面
に紙製の表面シートが貼り付けられており、この表面シ
ートを残してＶ字溝(16)を形成することにより、そのＶ
字溝(16)(16)間の各片が分離しないように保持される。
そして、この紙の表面側に前記亜鉛鉄板(13)を張り付け
ておくことによって、より確実に各下張り石膏ボード(1
2)の各片が分離することなく一体として取り扱うことが
できる。また、亜鉛鉄板(13)の前記角形鋼管柱(11)周方
向の一方の端部は、下張り石膏ボード(12)よりも突出さ
れて、一方の端部側の亜鉛鉄板(13)の端部へ重ね合わせ
られる重ね代(17)とされている。
(12)がこの角形鋼管柱(11)の外表面を被覆する下張り被
覆材としての下張り石膏ボード、(13)は、更にその外側
を被覆する薄肉の亜鉛鉄板を示している。下張り石膏ボ
ード(12)は、前記角形鋼管柱(11)の外周面全周に亘って
被覆できるような幅を有し、かつ、その端部は、それら
の端部同士が互いに重なるように傾斜状に切り落とし(1
4)されている。この下張り石膏ボード(12)の外側面に、
予め前記亜鉛鉄板(13)が接着して一体に張り付けられて
いる。この状態において、下張り石膏ボード(12)は、角
形鋼管柱(11)の各コーナー(15)に対応するようにして、
Ｖ字型にカットされた溝(16)(16)…が形成され、これに
よりこのＶ字溝(16)(16)…を介して、角形鋼管柱(11)の
外周面に沿って折曲げ可能とされている。この場合、図
示していないが、通常石膏ボードには、その一方の表面
に紙製の表面シートが貼り付けられており、この表面シ
ートを残してＶ字溝(16)を形成することにより、そのＶ
字溝(16)(16)間の各片が分離しないように保持される。
そして、この紙の表面側に前記亜鉛鉄板(13)を張り付け
ておくことによって、より確実に各下張り石膏ボード(1
2)の各片が分離することなく一体として取り扱うことが
できる。また、亜鉛鉄板(13)の前記角形鋼管柱(11)周方
向の一方の端部は、下張り石膏ボード(12)よりも突出さ
れて、一方の端部側の亜鉛鉄板(13)の端部へ重ね合わせ
られる重ね代(17)とされている。
【００１３】上記のように、下張り石膏ボード(12)と亜
鉛鉄板(13)とを予め一体化したものを、図２のように角
形鋼管柱(11)の外周面に沿って巻き付けて設置するとと
もに、前記重ね代(17)側の端部部分を図１のように、複
数の仮固定用の紙テープ(18)(18)等によって開かないよ
う仮保持させておく。
鉛鉄板(13)とを予め一体化したものを、図２のように角
形鋼管柱(11)の外周面に沿って巻き付けて設置するとと
もに、前記重ね代(17)側の端部部分を図１のように、複
数の仮固定用の紙テープ(18)(18)等によって開かないよ
う仮保持させておく。
【００１４】上記のようにして、下張り石膏ボード(12)
と亜鉛鉄板(13)を同時に施工した後、その外側に上張り
石膏ボード(19)を施工するものである。この上張り石膏
ボード(19)も、上記のように取付けた亜鉛鉄板(13)の折
曲げコーナー部に対応して、予め、表面シートを残して
Ｖ字溝(25)を形成することによって、各四方向の側面部
分が一体となったものを前記と同様に巻き付けるように
施工する。しかる後、その外側から、タッピングビス(2
1)を複数個所でねじ込むとともに、このビス(21)を前記
亜鉛鉄板(13)を貫通させて下張り石膏ボード(12)まで届
かせることによって、これらの下張り石膏ボード(12)、
亜鉛鉄板(13)及び上張り石膏ボード(19)を互いに一体化
させる。また、前記重ね代(17)部分においては、この重
ね代(17)部分を貫通させるようにタッピングビス(21)を
ねじ込んで、その亜鉛鉄板(13)の端部同士を固定して、
仮に上張り石膏ボード(19)が脱落しても、この亜鉛鉄板
(13)が離脱させないように保持させる。
と亜鉛鉄板(13)を同時に施工した後、その外側に上張り
石膏ボード(19)を施工するものである。この上張り石膏
ボード(19)も、上記のように取付けた亜鉛鉄板(13)の折
曲げコーナー部に対応して、予め、表面シートを残して
Ｖ字溝(25)を形成することによって、各四方向の側面部
分が一体となったものを前記と同様に巻き付けるように
施工する。しかる後、その外側から、タッピングビス(2
1)を複数個所でねじ込むとともに、このビス(21)を前記
亜鉛鉄板(13)を貫通させて下張り石膏ボード(12)まで届
かせることによって、これらの下張り石膏ボード(12)、
亜鉛鉄板(13)及び上張り石膏ボード(19)を互いに一体化
させる。また、前記重ね代(17)部分においては、この重
ね代(17)部分を貫通させるようにタッピングビス(21)を
ねじ込んで、その亜鉛鉄板(13)の端部同士を固定して、
仮に上張り石膏ボード(19)が脱落しても、この亜鉛鉄板
(13)が離脱させないように保持させる。
【００１５】上記において、下張り石膏ボード(12)と亜
鉛鉄板(13)は、角形鋼管柱（11）の全外周をカバーでき
るような長さに一体に形成しているが、例えば二分割し
て二度に亘って取付けることも考えられる。この場合で
も、予め下張り石膏ボード(12)と亜鉛鉄板(13)が一体に
取付けられているので、従来のものに比較して施工性は
遙かに良好である。また、外側の上張り石膏ボード(19)
も複数枚のものを個別に取付けるようにしても良い。
鉛鉄板(13)は、角形鋼管柱（11）の全外周をカバーでき
るような長さに一体に形成しているが、例えば二分割し
て二度に亘って取付けることも考えられる。この場合で
も、予め下張り石膏ボード(12)と亜鉛鉄板(13)が一体に
取付けられているので、従来のものに比較して施工性は
遙かに良好である。また、外側の上張り石膏ボード(19)
も複数枚のものを個別に取付けるようにしても良い。
【００１６】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、鉄板材
によって、下張り被覆材を全周に亘って被覆しているこ
とから、火災の際の熱によって下張り被覆材が脱水状態
となった場合であっても、少なくとも、この下張り被覆
材については、脱落することがなく、内部の鋼材の温度
上昇を抑えることができるという効果が得られる。その
ため、多数のビスやステープル或いは針金等を用いて、
数カ所で固定しておく必要がなく、ビス打ち作業等が遙
かに簡単に行え、作業性が大幅に向上する。
によって、下張り被覆材を全周に亘って被覆しているこ
とから、火災の際の熱によって下張り被覆材が脱水状態
となった場合であっても、少なくとも、この下張り被覆
材については、脱落することがなく、内部の鋼材の温度
上昇を抑えることができるという効果が得られる。その
ため、多数のビスやステープル或いは針金等を用いて、
数カ所で固定しておく必要がなく、ビス打ち作業等が遙
かに簡単に行え、作業性が大幅に向上する。
【００１７】しかも、このビス打ちは、上張り被覆材を
設置した最後の段階で、前記鉄板の重ね合わせ部分を貫
通するようにしてねじ込むだけでよく、作業の途中では
テープ等で仮に保持しておくだけでよいから、作業性が
更に向上する。また、このビスにより下張り被覆材と上
張り被覆材及び鉄板が相互に確実に一体化されて支持強
度が増大するとともに、鉄板材の端部同士をも一体に結
合されることから、より強度の高いものが得られる。加
えて、鉄板材が全周を被覆しているので、対衝撃性も優
れている。もちろん、耐火性が良好となるから、鋼管柱
内部にコンクリート等を充填する必要はないし、或いは
厚みの大きい石膏ボードや特殊石膏ボード等を用いる必
要がなく、低コストに実施できるという効果が得られ
る。逆に、繊維等で強化した強度の高い被覆材を用いれ
ば、より厚みを薄く出来る利点が得られる。
設置した最後の段階で、前記鉄板の重ね合わせ部分を貫
通するようにしてねじ込むだけでよく、作業の途中では
テープ等で仮に保持しておくだけでよいから、作業性が
更に向上する。また、このビスにより下張り被覆材と上
張り被覆材及び鉄板が相互に確実に一体化されて支持強
度が増大するとともに、鉄板材の端部同士をも一体に結
合されることから、より強度の高いものが得られる。加
えて、鉄板材が全周を被覆しているので、対衝撃性も優
れている。もちろん、耐火性が良好となるから、鋼管柱
内部にコンクリート等を充填する必要はないし、或いは
厚みの大きい石膏ボードや特殊石膏ボード等を用いる必
要がなく、低コストに実施できるという効果が得られ
る。逆に、繊維等で強化した強度の高い被覆材を用いれ
ば、より厚みを薄く出来る利点が得られる。
【００１８】更に、この発明では、下張り被覆材と鉄板
材が同時に施工されるため、例えば鉄板材の取付け前に
下張り被覆材を仮固定するといった作業も不要で、より
作業性が向上する。
材が同時に施工されるため、例えば鉄板材の取付け前に
下張り被覆材を仮固定するといった作業も不要で、より
作業性が向上する。
【図１】この実施例を示す角形鋼管柱の耐火被覆構造の
一部切欠斜視図である。
一部切欠斜視図である。
【図２】下張り石膏ボードと亜鉛鉄板とを一体化したも
のを角形鋼管柱へ取付ける施工途中の状態を示す一部切
欠斜視図である。
のを角形鋼管柱へ取付ける施工途中の状態を示す一部切
欠斜視図である。
【図３】図１の要部の横断面図である。
【図４】従来の耐火被覆構造を示す一部切欠斜視図であ
る。
る。
(11) 角形鋼管柱 (12) 下張り石膏ボード (13) 亜鉛鉄板 (16) Ｖ字溝 (17) 鉄板の重ね代部分 (18) 仮固定テープ (19) 上張り石膏ボード (21) タッピングビス
フロントページの続き (72)発明者 中塚 直哉 大阪市北区大淀中一丁目１番88号 積水 ハウス株式会社内 (56)参考文献 特開 平８−68129（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−42270（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) E04B 1/94 E04C 3/32 B32B 13/06
Claims (4)
- 【請求項１】 鋼材の表面を耐火被覆材で被覆するもの
において、前記耐火被覆材が鋼材の全周を覆う下張り被
覆材とその下張り被覆材の表面全周を覆う上張り被覆材
とからなり、下張り被覆材はその外表面を覆うようにし
てその外表面に張り付けた鉄板材を備え、且つ、前記鋼
材のコーナー部に対応してこの下張り被覆材にV字溝が
形成されて、このＶ字溝部分で折れ曲がった状態で前記
鋼材外周に巻き付けられ、更に、鉄板材の周方向の一方
の端部は下張り被覆材より突出して他方の端部側の鉄板
材と重ね合わせられていて、この鉄板材の外側の上張り
被覆材外側から、前記重ね合わせ部においてはその重ね
合わせ部を通過するようにして鉄板材を貫通してねじ込
まれたビスで、それら被覆材及び鉄板材が固定してある
ことを特徴とする鋼材の耐火被覆構造。 - 【請求項２】 上記耐火被覆材が石膏ボードである請求
項１の耐火被覆構造。 - 【請求項３】 鋼材が角形鋼管である請求項１又は２の
耐火被覆構造。 - 【請求項４】 鋼材の表面を覆う下張り被覆材とその被
覆材の外側面を覆う鉄板材を一体とし、且つ、前記鋼材
のコーナー部に対応して下張り被覆材に折曲げ用のＶ字
溝を形成したものを、鉄板材の端部同士を重ね合わせる
ようにして前記鋼材表面の全周を覆うようにして巻き付
けて仮保持し、しかる後、その外側に上張り被覆材を設
置するとともに、その上張り被覆材の外側から、前記重
ね合わせ部においてはその重ね合わせ部を通過するよう
に鉄板材を通過してビスをねじ込んで固定することを特
徴とする鋼材の耐火被覆方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20367994A JP3179294B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 鋼材の耐火被覆構造と耐火被覆方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20367994A JP3179294B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 鋼材の耐火被覆構造と耐火被覆方法 |
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