JP3172126B2 - 4サイクルエンジン - Google Patents

4サイクルエンジン

Info

Publication number
JP3172126B2
JP3172126B2 JP24835697A JP24835697A JP3172126B2 JP 3172126 B2 JP3172126 B2 JP 3172126B2 JP 24835697 A JP24835697 A JP 24835697A JP 24835697 A JP24835697 A JP 24835697A JP 3172126 B2 JP3172126 B2 JP 3172126B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chain
engine
crankshaft
bracket
guide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24835697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1181952A (ja
Inventor
裕一 河本
雅斗 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP24835697A priority Critical patent/JP3172126B2/ja
Publication of JPH1181952A publication Critical patent/JPH1181952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3172126B2 publication Critical patent/JP3172126B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B67/00Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for
    • F02B67/04Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus
    • F02B67/06Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus driven by means of chains, belts, or like endless members

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項の発明は、自動二輪車
や小型滑走艇に搭載されること等を目的とする4サイク
ルエンジンであってバルブ駆動用のカムとともにオイル
ポンプなどの補機をクランク軸によって駆動する形式の
もの、およびその4サイクルエンジンに組み込まれるチ
ェーンガイド用ブラケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】4サイクルエンジンにおいて吸気および
排気のバルブを開閉動作させるためのカムは、伝動チェ
ーン(カムチェーン)を介して駆動されるのが一般的で
ある。つまり、クランク軸とカム軸との双方にスプロケ
ットが取り付けられたうえ、それらに伝動チェーンが巻
き掛けられている。エンジンが運転されるときのクラン
ク軸の回転が、その伝動チェーンやスプロケットを介し
カム軸に伝達されて、カムが回転するのである。
【0003】4サイクルエンジンにはオイルポンプやウ
ォーターポンプ、スターターなどの補機が付属してお
り、これらもクランク軸によって駆動されるが、それら
への動力伝動手段としては、従来、ギヤ(歯車)が多用
されている。クランク軸から補機の入力軸までが一段ま
たは複数段のギヤのみによって接続されるか、または、
クランク軸の回転をまずギヤによって減速したのち伝動
チェーンにて伝えるべくギヤとチェーンとが併用され
る。特開昭59−46313号公報には、オイルポンプ
等に対する動力伝達手段としてギヤのみを使用した例が
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】4サイクルエンジンに
おける補機の駆動をクランク軸からギヤを介して行うこ
とは、クランク軸とその補機の入力軸とが接近している
場合はよいが、両者間がかなり離れている場合には不利
な点が多い。たとえば、もし一段のギヤのみによって動
力伝達をしようとすれば、両者の軸間距離に応じた大き
な半径(合計すると軸間距離に等しくなるような半径)
を有する二つのギヤを組み合わせる必要があるので、各
軸の周囲360°の範囲にそれぞれのギヤが広いスペー
スを占め、エンジンが大型化してしまう。それを避ける
ために小さなギヤを複数段にわたって組み合わせること
も考えられるが、ギヤを支持するための同数の軸を当該
複数のギヤと接触しないように配置することが必ずしも
容易でないため、エンジンの構成が複雑になる場合が多
い。また、そのような事情により、大きなギヤを使うに
しても小さなギヤを多数配置するにしても、エンジンの
重量がかなり増してしまうことになる。重量についての
このような不利は、ギヤとチェーンとを併用する場合に
も解消されることはない。
【0005】請求項に記載の発明は、バルブ駆動用のカ
ムと他の補機とをクランク軸によって駆動する形式をも
ち、クランク軸とその補機の入力軸とがかなり離れてい
るエンジンを、できるだけ大型化・複雑化・重量化させ
ることなく構成できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した4サ
イクルエンジンは、クランク軸の動力によってカムとと
に補機(のうちの一または二以上)を駆動するため補
機の軸に伝動チェーンを巻き掛け、そのチェーンと、カ
ムの駆動のためカム軸に巻き掛けた伝動チェーン(いわ
ゆるカムチェーン)と平行にして同じクランク軸上に巻
き掛け、補機駆動のためのチェーンにチェーンガイドを
添わせるとともに、当該チェーンガイドとカム駆動のた
めのチェーンのチェーンガイドとを、一つの共通のブラ
ケットを介して取り付けた4サイクルエンジンにおい
上記ブラケットを、エンジンに固定される部分と、
一方のチェーンガイドを一体的に取り付ける部分と、他
方のチェーンガイドを揺動可能に取り付ける部分とを含
めて形成したことを特徴とする。なお、本出願にいう
「補機」とは、オイルポンプやウォーターポンプ、スタ
ーターなど、出力に直接関係するものではないがエンジ
ンの円滑な運転を補助する機器であってカム以外のもの
をさす。また、チェーンを平行にするというのは、巻き
掛けた状態でチェーンのなす平面が互いに平行になるよ
うにすることをいう。
【0007】この請求項1の4サイクルエンジンは、補
機のうちのいずれかに対し、クランク軸の動力をチェー
ンのみによって伝達する。チェーンによる動力伝達手段
のためには、その補機の入力軸とクランク軸とにスプロ
ケットを取り付けたうえそれらにチェーンを巻き掛ける
ことになるが、軸間距離がある程度大きい場合には、ギ
ヤにより動力伝達する場合に比べて占有スペースが小さ
く、構造が簡単であるほか軽量でもある。占有スペース
が小さいのは、各軸上のスプロケットが、一段のギヤの
みによって動力伝達するときのような大きな径をもつ必
要がなく、またチェーンそのものも軸間をつなぐだけで
軸の周囲360°に広がることはないからである。構造
が簡単であるのは、複数段のギヤによって動力伝達する
場合のように軸間に複数のスプロケットが配置される必
要がないからである。補機への動力伝達手段をこのよう
に小型で簡単なものにできると、当該手段、ひいてはそ
れを含む4サイクルエンジンを軽量化することも可能で
ある。なお、チェーンとしてはローラチェーンが一般的
であるが、たとえばサイレントチェーンを使用するな
ら、ギヤのみを使用した場合と同程度かまたはそれ以下
のレベルにまで運転時の騒音を低下させることもでき
る。
【0008】クランク軸と補機の入力軸との軸間距離が
大きい場合に有利であるため、この請求項1のエンジン
は、クランク軸と補機の入力軸との間が離れた大型のエ
ンジンとして好適であるほか、収容スペースに寸法上の
制約等があって補機をクランク軸から離れた位置におく
必要のあるエンジンとしても有効である。たとえば、エ
ンジンの搭載スペースが狭いことや重心位置を下げる必
要があることを理由として、クランク軸に近い下方の位
置ではなくその側方の比較的遠い位置に補機を配置する
小型滑走艇や自動二輪車用のエンジンなどは、後者の点
でこの請求項1のエンジンが利点を発揮できるものであ
る。
【0009】
【0010】また、上記エンジンにおいて、補機駆動の
ための伝動チェーンを、カムの駆動のための伝動チェー
ンと平行にして同じクランク軸上に巻き掛け、補機駆動
のための伝動チェーンのチェーンガイド(のうちのたと
えば一つ)と、カムの駆動のための伝動チェーンのチェ
ーンガイド(のうちのたとえば一つ)とを、一つの共通
のブラケットを介して取り付けている。このブラケット
の数がチェーンガイドの数よりも少ないため、その分の
占有スペース、重量および組み立ての容易さの点でエン
ジンを有利に構成できる。また、ブラケットの数が少な
いとそれをエンジンの内壁に固定する箇所も少なくて足
りるが、多数の動作部品が密集しているエンジンの内部
においてブラケットとその固定箇所との数が少ないとい
うことは、エンジン内の各種部品の配置を極めて簡単化
でき、無駄な重量を省けることになる。したがって、こ
の請求項のエンジンも小型で簡単かつ軽量なものに構
成され、その製造コストの削減が容易である。
【0011】
【0012】この請求項のエンジンは、小型化・簡単
化・軽量化さらには製造コストの低減が一層容易であ
り、また、収容スペース上の制約から補機をクランク軸
から離れた位置におく必要のあるエンジン等としてなお
好適である−といった利点を有している。
【0013】また、このエンジンの場合、上記した共通
のブラケットが、小型で簡単なものに構成される。補機
駆動用の伝動チェーンをカム駆動用の伝動チェーンと平
行にして同じクランク軸上に巻き掛けているため、少な
くともクランク軸の付近では両チェーンが接近し、した
がってそれらのチェーンに添わせるチェーンガイドもク
ランク軸の付近で接近し合っているからである。接近し
て配置されるチェーンガイドを取り付けるための共通の
ブラケットは、離れた位置にあるチェーンガイドのため
のものよりも、当然ながら小さくシンプルに構成され、
エンジンの小型化等を一層推進する。
【0014】請求項に記載したブラケットは、4サイ
クルエンジンに組み込まれて二つのチェーンガイドを取
り付けられる(したがって、これらチェーンガイドのう
ち一つは補機駆動のための伝動チェーンに添わせられ、
他の一つはカムの駆動のための伝動チェーンに添わせら
れる)ブラケット(二つのチェーンガイドに共通のブラ
ケット)として、エンジンに固定される部分と、一方の
チェーンガイドを一体的に取り付ける部分と、他方のチ
ェーンガイドを揺動可能に取り付ける部分とを含めて形
成している
【0015】このブラケットは、一方のチェーンガイド
を一体的に取り付けるとともに他方のチェーンガイドを
揺動可能に取り付けてエンジンに固定される。請求項
のエンジンに組み込まれる上記した共通のブラケットで
あるから、小さくシンプルに構成されてエンジンの小型
化・軽量化等に寄与する。
【0016】上記のとおり二つのチェーンガイドが取り
付けられエンジンに固定されたこのブラケットは、さら
に、補機駆動用およびカム駆動用の各伝動チェーンに対
して案内機能とともにチェーンの張力を維持する機能を
発揮することができる。ブラケットに対して一体的に取
り付けられるチェーンガイド(固定式チェーンガイド)
が上記のうち一方の伝動チェーンにおける張り側に添っ
てそれを適切に案内し、また、ブラケットに対し揺動可
能に取り付けられる他方のチェーンガイド(揺動式チェ
ーンガイド)がもう一方の伝動チェーンの緩み側に添
い、その緩みに追従して揺動することにより、案内機能
をなすとともに当該チェーンに常に適切な張力をもたせ
ことができる請求項2の4サイクルエンジンは、請
求項1の4サイクルエンジンにおいて上記一方のチェ
ーンガイド(固定式チェーンガイド)を補機駆動用チェ
ーンの張り側に、上記他方のチェーンガイド(揺動式チ
ェーンガイド)をカム駆動用チェーンの緩み側に、それ
ぞれ添わせ、上記ブラケットを上記クランク軸の一側方
で、上記補機駆動用チェーンの張り側と上記カム駆動用
チェーンの緩み側とが接近した位置に配置されたことを
特徴とするこの請求項2の4サイクルエンジンは、請
求項1に記載した4サイクルエンジンの特徴を併せ持つ
もので、一方の伝動チェーンの張り側と他方の伝動チェ
ーンの緩み側とが、極めて接近した位置ですれちがって
いる。すなわち、補機駆動用およびカム駆動用の各伝動
チェーンが、互いに異なる方向から(つまり、異なる方
向にある補機入力軸とカム軸とから)同じクランク軸上
に巻き掛けられる場合、たとえば図3のように、クラン
ク軸21(回転向きを矢印で示す)の一側方(図の左
上)では補機駆動用チェーン35の張り側とカム駆動用
チェーン34の緩み側とが接近してすれちがい、他の側
方部分では補機駆動用チェーン35の緩み側とカム駆動
用チェーン34の張り側とが接近する。その図3中のブ
ラケット47のように一方のチェーンの張り側と他方の
チェーンの緩み側とが接近した位置に配置されることに
よって、このブラケット47は、二つのチェーンガイド
を介しチェーンの案内機能と張力維持機能とを発揮する
ことができる。請求項3の4サイクルエンジンは、請求
項1または請求項2の4サイクルエン ジンにおいて
記ブラケットをエンジンのクランクケースの壁面に固定
し、上記ブラケットの一側にゴム製または樹脂製のチェ
ーンガイドを一体化し、他の一側にブラケットピースを
固着し、そのブラケットピースと上記ブラケットとの間
にピンを支持させ、そのピンを介して上記カム駆動用チ
ェーンの案内溝をもつゴム製または樹脂製のチェーンガ
イドを揺動自在に取り付けたことを特徴とするこの請
求項3の4サイクルエンジンは、構成上、請求項1およ
び2に記載した4サイクルエンジンの特徴を併せ持つも
のであり、エンジンのクランク軸とその補機の入力軸と
の軸間距離が大きく離れているエンジンにおいては、多
数の動作部品が密集している。このようなエンジンのク
ランクケースの壁面を利用して、上記ブラケットを固定
することができる。さらに、上記ブラケットの一側のチ
ェーンガイドと他の一側のチェーンガイドが、ゴム製ま
たは樹脂製のため、チェーンの騒音を低下させることが
でき、上記ブラケットの一側のチェーンガイドがチェー
ンの張りを適切に案内し、他の一側のチェーンガイドは
適切な案内と共にチェーンに適切な張力をもたすことが
できる
【0017】
【発明の実施の形態】発明の実施についての一形態を図
1〜図5に紹介する。図1は4サイクルエンジン10に
ついて一部を断面で示した正面図であり、図5における
I−I断面図である。図2は、そのエンジン10の縦断
面図であって図1におけるII−II断面図、図3は、図1
のうちクランク軸21の付近を示す詳細図、図4は、そ
の図3におけるIV−IV断面図である。そして図5は、そ
のエンジン10を搭載した小型滑走艇1につき一部を透
視して示した全体側面図である。
【0018】図5に示す小型滑走艇1は海岸や湖岸の近
くの水上を滑走する乗り物であり、船底ハル2の上にデ
ッキ3やシート4、ハンドル5などを取り付けて一人〜
数人が搭乗できるようになっている。下部後方にある水
ジェットポンプのインペラ7にて加圧、噴出される水ジ
ェットにより推進され、水面上を滑走することができ
る。インペラ7はエンジン10により駆動されるが、そ
のエンジン10は、船体の長さ方向のほぼ中央のエンジ
ンルーム8内に搭載されている。エンジン10の出力は
弾性継手(図示せず)を介してインペラ軸9へ伝えら
れ、そのインペラ軸9がインペラ7を回転させる。図中
の符号15はエンジン10の吸気通路であり符号16は
排気通路である。
【0019】エンジン10は4気筒4サイクルエンジン
であり、図2のように、シリンダヘッド11とシリンダ
ブロック12 およびクランクケース13等の内側にピ
ストン25などが4組配置されている。ピストン25の
それぞれはクランク軸21に連結されており、そのクラ
ンク軸21が、上記のとおりインペラ軸9(図5)に接
続されている。クランク軸21の回転向きは、図1およ
び図3における右回りである。
【0020】図1のようにシリンダヘッド11内には、
動弁機構(図示せず)を駆動するためのカム軸22(カ
ム本体は図示せず)が2本平行に設けられ、それらへの
動力伝達のためには、当該カム軸22とクランク軸21
との間に伝動チェーン34(形式上はサイレントチェー
ン。機能上、カムチェーンと呼ばれることもある)が巻
き掛けられている。符号31Aと符号32のそれぞれ
は、その動力伝達のためにクランク軸21およびカム軸
22に取り付けられたスプロケットである。
【0021】また、図1中の符号24は、このエンジン
10における補機の一つであるスタータモーターであ
る。エンジン10の始動時には、バッテリ(図示せず)
によってこのモーター24を回し、小歯車24a・大歯
車24bおよび小歯車24c・大歯車24dという2段
のギヤを介してクランク軸21を回転させる。大歯車2
4bと小歯車24cとは同軸上にある。エンジン10の
始動後にはモーター24が駆動されることのないよう、
歯車24dとクランク軸21との間には一方向クラッチ
(図2における符号24x)が内蔵されている。なお、
モーター24は電気機器であり防水性を補うのが好まし
いことから、エンジンルーム8内に多少の水が入ってき
てもそれに浸かることのない比較的高い位置に取り付け
てある。
【0022】このエンジン10では、シリンダブロック
12およびクランクケース13の側部に潤滑油用のオイ
ルタンク14を備えた、いわゆるドライサンプの潤滑方
式をとっている。ドライサンプ式にしたのは、クランク
ケース13の底部にオイルパンを設ける必要性をなくし
てエンジン10の高さを抑制し、小型滑走艇1の小型化
および低重心化をはかるためである。ドライサンプ式と
したことから、クランク軸21等の回転体が潤滑油面に
接することによる出力低下がない、また、エンジン10
内でのかきあげによる潤滑油の撹拌がないので油温上昇
を抑制できるなど、小型滑走艇に適した多くの利点も付
随する。ドライサンプ式であるから、このエンジン10
においては、クランクケース13の底部にはオイル受け
としての簡単な通路(図示せず)のみが形成されてお
り、エンジン10内の各部に供給された潤滑油はその通
路内を経由してオイルタンク14に送られ、そこに貯留
される。そしてこの潤滑油が、動弁機構(図示せず)や
伝動チェーン34、クランク軸21の主軸受(図示せ
ず)など、エンジン10内の各部に供給される。
【0023】クランクケース13の底部からオイルタン
ク14に向けて潤滑油を送り、またそのオイルタンク1
4からエンジン10内の各部に潤滑油を供給するのは、
エンジン10の補機の一つであるオイルポンプ23の作
用である。コンパクト化をはかるため、オイルポンプ2
3としては、クランクケースの底部からオイルタンク1
4へ潤滑油を送るスカベンジングポンプ(図示せず)
と、そのオイルタンク14から各部へ潤滑油を圧送する
フィードポンプ(図示せず)との双方を一つの入力軸2
3a上に設け、かつ双方のケーシングを連結したものを
使用している。
【0024】このエンジン10では、オイルポンプ23
の駆動を、その入力軸23aとクランク軸21と間に巻
き掛けた伝動チェーン(サイレントチェーン)35によ
り行っている。すなわち、クランク軸21上では前述の
スプロケット31Aに隣接させてスプロケット31Bを
取り付け(図2を参照)、一方の入力軸23a上にもス
プロケット33を取り付けて、前述のチェーン34と平
行な平面内でスプロケット31B・33間にそのチェー
ン35を掛け渡すことにより、動力伝達を行わせる。
【0025】クランク軸21と入力軸23aとの間の動
力伝達をチェーン35によって行っているのは、図1の
ようにそれらの軸21・23a間が互いにかなり離れた
位置にある(軸間距離が約100mm)ため、ギヤを用
いるよりも構成が簡単になるからである。つまり、この
ように距離のあるクランク軸21・入力軸23a間で
は、チェーン35とスプロケット31B・33とによる
動力伝達構造は、ギヤ等による構造よりも小型で軽量で
ある。軸21・23a間にそれだけの距離がある理由
は、イ)ドライサンプ式にしたのと同じく、エンジン10
の高さを抑える目的から、オイルポンプ23をクランク
軸21の真下の位置には配置できなかったこと、ロ)上述
のように浸水を考慮してクランク軸21の斜め上方には
スタータモーター24が配置され、かつ、それとクラン
ク軸21との間の空間は2段のギヤ24a〜24dによ
って占められているため、それらとの接触を避けてオイ
ルポンプ23を配置する必要があったこと−などにあ
る。つまり、エンジン10を小型・低重心にするととも
に電気部品を船底部から離して配置する、という小型滑
走艇1に特有の事情に基づいて、オイルポンプ23およ
びその入力軸23aの位置がクランク軸21から遠く離
れているのである。なお、スタータモーター24からク
ランク軸21への動力伝達を伝動チェーンでは行ってい
ないのは、モーター24・クランク軸21間の減速比が
極めて大きいために、伝動チェーンによる動力伝達を行
うとしても小型のスプロケット間をチェーンでつなぐと
いう簡単な構成をとり得ないからである。
【0026】カム軸22に巻き掛けた伝動チェーン34
に対しては、図1のように、張り側(図中の右側)に固
定式のチェーンガイド41を取り付けるとともに、緩み
側(左側)に揺動式のチェーンガイド42を取り付けて
それぞれチェーン34の外側表面に接触させている。揺
動式のチェーンガイド42の上部には、内部にラチェッ
ト機構を含むチェーンテンショナーアッシー43を係合
させており、長期使用によってチェーンが伸びるなどチ
ェーン34が緩みがちな場合には、そのチェーンテンシ
ョナーアッシー43がチェーンガイド42を内側へ押し
て張力の低下を防ぐようになっている。
【0027】オイルポンプ23の入力軸23aに巻き掛
けた伝動チェーン35に対しても同様に、張り側(図中
の上側)に固定式のチェーンガイド44を取り付けると
ともに、緩み側(下側)に揺動式のチェーンガイド45
を取り付けてそれぞれチェーン35の外側表面に接触さ
せている。揺動式のチェーンガイド45の下面にはチェ
ーンテンショナーアッシー46を係合させて、チェーン
35の緩みを防止している。アッシー46は、図3のよ
うに、筒46a内に入れた圧縮コイルバネ46bの先に
キャップ46cを装着したもので、ピン45aを支点に
して揺動可能に取り付けたチェーンガイド45を、その
コイルバネ46bの作用でキャップ46cが上向きに押
し上げる。
【0028】このエンジン10においては、図3に示す
ように、上述した伝動チェーン34用のチェーンガイド
42と伝動チェーン35用のチェーンガイド44とを、
一つの共通のブラケット47上に取り付けている。ブラ
ケット47は板金製で、3本のボルト47aによって図
4のようにクランクケース13の壁面上に固定してい
る。このブラケット47に対し、一側にはゴム製(また
は樹脂製)のチェーンガイド44を一体化し、他の一側
には、上記ボルト47aのうち2本を用いてブラケット
ピース47bを固着し、それらブラケット47・ピース
47b間にピン42cを支持させ、そのピン42cを介
して揺動自在なようにチェーンガイド42を取り付け
る。チェーンガイド42は、チェーン34用の案内溝を
もつゴム製(または樹脂製)の本体42aを金属製の基
部42b上に付けたものである。
【0029】二つの伝動チェーン34・35は、図3の
ようにクランク軸21上の接近した位置に巻き掛けられ
ており、ブラケット47を設けた側(二つのチェーン3
4・35にて狭く区切られた側で、クランク軸21に対
して図3の左上側)ではチェーン34の緩み側とチェー
ン35の張り側とが極めて接近している。そのため、チ
ェーンガイド42と同44とは、共通する一つのブラケ
ット47上にコンパクトに取り付けたものであるにもか
かわらず、チェーン34の緩み防止とチェーン35の案
内とを適切に行うことができる。
【0030】以上、実施形態の一つを紹介したが、上記
以外の形態によっても発明を実施できることは言うまで
もない。たとえば、クランク軸21の回転向きが図3の
矢印と逆である場合にも、同様に構成された(つまり、
チェーンガイドの一つを一体的に取り付けて他の一つを
揺動自在に取り付けた)ブラケットを使用し円滑に機能
させることができる。その場合、チェーン34の張り側
とチェーン35の緩み側とが接近していることになるた
め、固定式のチェーンガイドによってチェーン34を案
内させ、揺動式のチェーンガイドによってチェーン35
の緩みを防止させ得るからである。また、同様に構成さ
れたブラケットは、図3のブラケット47を設けた側と
は反対の側(クランク軸21から見て図3の右下側)に
も配置して同様の機能をなさしめることができる。その
側にも、一方のチェーンの張り側と他方のチェーンの緩
み側とが接近しているからである。
【0031】そのほか、オイルポンプ23に代えまたは
オイルポンプ23とともに、他の補機に対して、クラン
ク軸の動力を伝動チェーンにより伝達することとして上
記のような構成をとるのもよい。また、小型滑走艇以外
のエンジンとして発明の4サイクルエンジンを構成する
こと等も可能である。なお、発明の応用として、補機用
のチェーンをタイミングベルト等に置き換えることも、
場合によっては可能である。
【0032】
【発明の効果】請求項1に記載した4サイクルエンジン
は、つぎのような効果を有している。すなわち、 1) 補機のうちの一以上に対してクランク軸の動力を伝
動チェーンのみにより伝達するため、それらの間の軸間
距離がある程度大きい場合などに動力伝達手段を比較的
小型で簡単、かつ軽量なものに構成することができ、エ
ンジンをコンパクト化し製造コストを低減することが可
能である。また騒音も低い。
【0033】2) クランク軸と補機の入力軸との間が離
れた大型のエンジンや、収容スペースに寸法上の制約等
があって補機をクランク軸から離れた位置におく必要の
あるエンジン(たとえば小型滑走艇や自動二輪車用のエ
ンジン)などとして、上記1)のメリットがとくに顕著で
ある。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】3) 伝動チェーンやチェーンガイドの配
置との関係で一つの共通のブラケットがとくに小型で簡
単なものに構成されるため、エンジンの小型化、簡単
化、軽量化コストダウンなどの効果を併せ持ってい
【0038】
【0039】4) このブラケットに取り付けるチェー
ンガイドが、補機駆動用およびカム駆動用の各伝動チェ
ーンに対し、案内機能とチェーンの張力維持機能とをそ
れぞれ発揮する。したがってこのブラケットは、コンパ
クトでありながら、エンジンを円滑に運転するのに必要
な複合的な機能をなす。請求項2に記載の4サイクルエ
ンジンは、請求項1の効果のほか、さらに5) クランク軸の一側方で、補機駆動用チェーンの張
り側とカム駆動用チェーンの緩み側とが接近した位置に
配置されているので、一つの共通のブラケットが小さく
シンプルに構成されて、エンジンの小型化、軽量化等に
寄与する請求項3に記載の4サイクルエンジンは、請
求項1および2に記載した効果のほかさらに、 6) 多数の動作部品が密集しているエンジンの内部に
おいて、一つの共通のブラケットをクランクケースの壁
面を利用して固定することができる7) チェーンガイドが、ゴム製または樹脂製でチェー
ンの案内溝をもつため騒音が低下でき、チェーンに適切
な案内と張力をもたすことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施について一形態を示すべく4サイク
ルエンジン10の一部を断面で表した正面図であり、図
5におけるI−I矢視図である。
【図2】図1のエンジン10の縦断面図であって、図1
におけるII−II断面図である。
【図3】図1のうちクランク軸21の付近を示す詳細図
である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図であってブラケット
47の詳細図である。
【図5】図1等に示すエンジン10を搭載した小型滑走
艇1につき、一部を透視して示した全体側面図である。
【符号の説明】
1 小型滑走艇 10 4サイクルエンジン 21 クランク軸 22 カム軸 23 オイルポンプ(補機) 23a 入力軸 34・35 伝動チェーン 41・42・44・45 チェーンガイド 47 ブラケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 67/06 B63H 21/14 F01M 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸の動力によってカムとともに
    補機を駆動するため補機の軸に伝動チェーンを巻き掛
    け、そのチェーンと、カムの駆動のためカム軸に巻き掛
    けた伝動チェーンとを平行にして同じクランク軸上に巻
    き掛け、補機駆動のためのチェーンにチェーンガイドを
    添わせるとともに、当該チェーンガイドとカム駆動のた
    めのチェーンのチェーンガイドとを、一つの共通のブラ
    ケットを介して取り付けた4サイクルエンジンにおい
    上記ブラケットを、エンジンに固定される部分と、一方
    のチェーンガイドを一体的に取り付ける部分と、他方の
    チェーンガイドを揺動可能に取り付ける部分とを含めて
    形成したことを特徴とする4サイクルエンジン
  2. 【請求項2】 上記一方のチェーンガイドを補機駆動用
    チェーンの張り側に、上記他方のチェーンイドをカム駆
    動用チェーンの緩み側に、それぞれ添わせ、上記ブラケ
    ットを上記クランク軸の一側方で、上記補機駆動用チェ
    ーンの張り側と上記カム駆動用チェーンの緩み側とが接
    近した位置に配置されたことを特徴とする請求項1記載
    の4サイクルエンジン。
  3. 【請求項3】 上記ブラケットをエンジンのクランクケ
    ースの壁面に固定し、上記ブラケットの一側にゴム製ま
    たは樹脂製のチェーンガイドを一体化し、他の一側にブ
    ラケットピースを固着し、そのブラケットピースと上記
    ブラケットとの間にピンを支持させ、そのピンを介して
    上記カム駆動用チェーンの案内溝をもつゴム製または樹
    脂製のチェーンガイドを揺動自在に取り付けたことを特
    徴とする請求項1または2記載の4サイクルエンジン。
JP24835697A 1997-09-12 1997-09-12 4サイクルエンジン Expired - Fee Related JP3172126B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24835697A JP3172126B2 (ja) 1997-09-12 1997-09-12 4サイクルエンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24835697A JP3172126B2 (ja) 1997-09-12 1997-09-12 4サイクルエンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1181952A JPH1181952A (ja) 1999-03-26
JP3172126B2 true JP3172126B2 (ja) 2001-06-04

Family

ID=17176891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24835697A Expired - Fee Related JP3172126B2 (ja) 1997-09-12 1997-09-12 4サイクルエンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3172126B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4573743B2 (ja) * 2005-09-30 2010-11-04 本田技研工業株式会社 補機駆動用伝動機構を備える動力装置
JP4573762B2 (ja) * 2005-11-30 2010-11-04 本田技研工業株式会社 内燃機関の潤滑装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1181952A (ja) 1999-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7216615B2 (en) Engine device for motorcycles
JP2002266653A (ja) 雪上車
JP4361560B2 (ja) 自動二輪車用エンジン
US7156060B2 (en) Cam drive gear and valve operating system drive gear for engine
US8485155B2 (en) Internal combustion engine
JP3184438B2 (ja) 内燃エンジン
JP2001073729A (ja) 4サイクル船外機
JP3172126B2 (ja) 4サイクルエンジン
EP1221560B1 (en) Engine for a vehicle
US7263958B2 (en) Valve drive mechanism in an internal combustion engine
JP4321100B2 (ja) 船外機用縦型エンジンの二次バランサ
JP2011105148A (ja) 車両用パワーユニット
JP5580026B2 (ja) 内燃機関の動弁駆動装置
US6360711B1 (en) Engine holder structure for four-cycle outboard motor
JP3767277B2 (ja) 船外機用4サイクルエンジン
JP2006090241A (ja) 自動二輪車の4サイクルエンジン
WO2023047868A1 (ja) 内燃機関
JP3155730B2 (ja) 4サイクルエンジン
JP2005308001A (ja) エンジンのバランサ装置
JP4161774B2 (ja) 4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造
JP3815109B2 (ja) 船外機のエンジン
JP3455965B2 (ja) 船外機
JP2516488Y2 (ja) Dohcエンジンのシリダヘッド
JP3549605B2 (ja) エンジンの発電機配置構造
JP2011105147A (ja) 車両用パワーユニット

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090323

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100323

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110323

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees