JP3172100B2 - リフレクタの製造方法 - Google Patents

リフレクタの製造方法

Info

Publication number
JP3172100B2
JP3172100B2 JP22279296A JP22279296A JP3172100B2 JP 3172100 B2 JP3172100 B2 JP 3172100B2 JP 22279296 A JP22279296 A JP 22279296A JP 22279296 A JP22279296 A JP 22279296A JP 3172100 B2 JP3172100 B2 JP 3172100B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin film
film layer
metal film
resin
insulating substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP22279296A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09121117A (ja
Inventor
亮 山下
功一 古川
光明 織笠
義高 川田
繁樹 松中
訓顕 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP22279296A priority Critical patent/JP3172100B2/ja
Publication of JPH09121117A publication Critical patent/JPH09121117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3172100B2 publication Critical patent/JP3172100B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Aerials With Secondary Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば人工衛星
等の宇宙航行体に搭載するのに好適するリフレクタの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アンテナシステムにおいて
は、2枚の前面及び後面リフレクタを積重して配設し、
この前面及び後面リフレクタを用いて、いわゆるV偏波
あるいはH偏波の電波を選択的に反射して自由空間に放
射するデュアルグリッドリフレクタ方式のものがある。
このリフレクタ方式は、前面及び後面リフレクタの反射
面に互いに直交する金属膜層パターン(グリッドライ
ン)を形成して、その前面及び後面リフレクタの反射面
に対向して給電部をそれぞれ対向配置し、給電部から放
射されるラインに平行なV偏波あるいはH偏波を選択的
に反射して自由空間に放射する。
【0003】上記V偏波は、例えば前面リフレクタの金
属膜層パターンに略平行な電界成分を有し、一方の給電
部から放射されると、前面リフレクタの金属膜層パター
ンで反射される。他方、H偏波は、前面リフレクタの金
属膜層パターンと直交する電界成分(即ち、後面リフレ
クタの金属膜層パターンと略平行な電界成分)を有し、
他方の給電部から放射されると、前面リフレクタを透過
して後面リフレクタの金属膜層パターンで反射される。
【0004】ところで、このようなリフレクタを製造す
る製造方法としては、特公平5ー57762、特公平5
ー577641号公報、特開平6ー260739号等に
開示されるているものがある。即ち、これらの公報に開
示される製造方法は、いずれも導電性膜をリフレクタ本
体を構成する絶縁基板製の表皮材に形成して、この導電
性の膜上に液状の感光性レジストを塗布する。次に、こ
の導電性膜上の感光性レジストにレーザ光を照射して露
光し、さらに現像を施して光を照射しない部分を除去
し、露出した上記導電性膜をエッチング処理して所望の
金属膜層パターンが形成されている。
【0005】しかしながら、上記製造方法では、感光性
レジストを表皮材に塗布して露光・現像処理を施さなけ
ればならないことにより、そのリフレクタ製作に大形の
現像設備、レジスト除去設備、暗室設備等が必要となる
ために、リフレクタの大口径化の促進に制約を受けると
いう問題を有する。また、上記製造方法では、露光・現
像処理の際の現像工程において、その像に歪みが生じる
ために、その像の歪みによる寸法誤差により、リフレク
タの大口径化を図ると、製作精度の低下を招くという問
題を有する。
【0006】さらに、このようなリフレクタを製造する
製造方法としては、特開平6ー226477号公報に開
示されるものがある。この公報に開示される製造方法
は、基層の金属化層上に抵抗性被覆を被着して、この抵
抗性被覆上にレチクルプレートと称するホトマスクを被
せ、このホトマスクを透してレーザ光を抵抗性被覆に照
射して該抵抗性被覆をパターン形状に対応して除去(r
emove)する。次に、エッチング処理を施して、抵
抗性被覆の除去された基層の金属化層を除去し、その
後、基層の金属化層上の抵抗性被膜を除去して金属化層
パターンを形成する。
【0007】ところが、上記製造方法では、抵抗性被覆
を除去するのにホトマスクを用いる構成上、そのパター
ン形状に応じて、ホトマスクを交換しなければならない
という問題を有する。
【0008】また、これによると、レーザ光の光幅に制
約があり、ホトマスクを用いて大きなパターン形状に対
応する抵抗被覆を除去するため、その加工パターン形状
に制約を受けるという問題を有する。
【0009】さらに、曲面上にパターン加工するために
必要な座標変換、すなわち、投影面に基本パターンを投
影した図形を加工することが困難である。従って、デュ
アルグリッド反射鏡、周波数選択反射鏡に要求されるパ
ターン形状を精度良く製作する事が困難であるという問
題を有する。係る製造方法の問題は、特に、最近の宇宙
開発の分野で要求されているリフレクタの大口径化を図
る場合に、重大な課題の一つとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のリフレクタの製造方法では、大形の暗室設備等が必
要となるために、リフレクタの大口径化の促進が困難で
あるという問題を有する。
【0011】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、容易にして、簡便な製作を実現したうえで、高精
度な製作精度を実現し得るようにしたリフレクタの製造
方法を提供することにある。
【0012】
【0013】
【0014】
【発明が解決しようとする手段】この発明は、反射面を
構成する絶縁基板に金属膜層を形成する第1の工程と、
前記絶縁基板の金属膜層上に可剥性樹脂を塗布して樹脂
膜を形成する第2の工程と、レーザ光を前記金属膜層を
覆う樹脂膜にスリット状に照射して該樹脂膜をスリット
状に除去したスリットを形成して、該スリット間の樹脂
膜を剥がし取るマスキング処理を施す工程であって、前
記レーザ光のレーザ光照射部と、前記絶縁基板側を3次
元的に駆動制御して、金属膜層を覆う樹脂膜にスリット
状に照射し、該樹脂膜のマスクを前記金属膜層上にパタ
ーン形状に対応して形成する第3の工程と、前記第3の
工程でマスキング処理を施した前記絶縁基板上に露出さ
れる金属膜層を、エッチング処理して除去する第4の工
程と、前記第4の工程でエッチング処理を施した前記絶
縁基板の金属膜層を覆う樹脂膜を除去し、金属膜層パタ
ーンを露出させる第5の工程とを備したリフレクタを製
造するように構成した。
【0015】上記構成によれば、絶縁基板上に金属膜層
と樹脂膜を順に積層して形成し、その樹脂膜に対してレ
ーザ光を照射して該樹脂膜をスリット状に除去してスリ
ットを形成し、このスリット間の樹脂膜を除去してマス
クを樹脂膜で形成した後、エッチング処理を施し、その
後、絶縁基板の金属膜層を覆う樹脂膜を除去することに
より、金属膜層パターンが形成される。従って、レーザ
光を用いたマスク形成処理とエッチング処理を施すだけ
の製作設備を備えるだけで、簡便に高精度な金属膜層パ
ターンの形成が可能となり、容易にリフレクタ本体の大
口径化にも対応することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して詳細に説明する。先ず、この発明
の一実施の形態に係るリフレクタの製造方法を説明する
に先立ち、この発明の適用される偏波選択方式のアンテ
ナシステムについて、図1及び図2を参照して説明す
る。
【0017】即ち、第1及び第2のリフレクタ1,2
は、それぞれが例えば、曲面形状に形成され、図1に示
すように指向方向に積重して配設されて前面鏡及び後面
鏡を構成する。そして、これら第1及び第2のリフレク
タ1,2の反射面には、第1及び第2の給電部3,4が
対向配置される。
【0018】また、これら第1及び第2のリフレクタ
1,2には、その反射面に図2に示すように金属膜層パ
ターン(グリッドライン)1a,2aが互いに直交して
設けられ、この金属膜層パターン1a,2aで第1及び
第2の給電部3,4からの放射されるラインに平行なV
偏波及びH偏波をそれぞれが選択的に反射して自由空間
に放射する。
【0019】上記V偏波は、例えば第1のリフレクタ1
の金属膜層パターン1aに略平行な電界成分を有し、第
1の給電部3から放射されると、第1のリフレクタ1の
金属膜層パターン1aで反射される。他方、H偏波は、
第1のリフレクタ1の金属膜層パターン1aと直交する
電界成分(即ち、第2のリフレクタ2の金属膜層パター
ン2aと略平行な電界成分)を有し、第2の給電部4か
ら放射されると、第1のリフレクタ1を透過して第2の
リフレクタ2の金属膜層パターン2aで反射される。
【0020】ここで、この発明の一実施の形態に係るリ
フレクタの製造方法について、図3を参照して説明す
る。即ち、第1の工程では、リフレクタを構成する表皮
材10を、絶縁基板、例えばアラミド繊維/エポキシ樹
脂複合体で所定の曲面を有する鏡面形状に形成する(図
4参照)。この表皮材10には、その反射面全体に金属
膜層、例えば銅箔を付着して銅膜層11が形成される。
そして、第2の工程では、表皮材10の銅膜層11上
に、ストリッパブルペイントと称する剥離性に優れたい
わゆる可剥性樹脂が塗布されて樹脂膜12を積層する如
く形成する。
【0021】ここで、樹脂膜12としては、例えば大京
化学製のビニール系共重合樹脂を主成分とする可剥性樹
脂が用いられる。そして、この可剥性樹脂は、例えば赤
色等の染料を混入して所定の色彩に設定することによ
り、銅膜層11上に塗布して樹脂膜12を形成する際、
その色彩を見て塗布状況の判断が可能なことで、容易な
塗布作業が実現される。また、可剥性樹脂は、除去する
際に溶剤を使用する必要がなく、例えば手作業で簡単に
剥がすことができる。
【0022】次に、エッチングマスク形成工程に移行さ
れて、図5に示すように表皮材10が、その樹脂膜12
を上面として、エッチングマスク形成装置を構成するX
ーYテーブル20に装着される。そして、表皮材10の
樹脂膜12には、レーザ光源21から発射される例え
ば、KrFエキシマレーザ光等のレーザ光がレーザ光照
射部22のレンズ22a,2bを介して照射されて、該
樹脂膜12の所定部が除去され、いわゆるパターンニン
グが行われる(図6参照)。これにより、表皮材10上
の樹脂膜12は、除去されていない部分が銅膜層11上
に残され、その残った部分が、例えばグリッドラインと
称する銅膜層パターンを遮蔽するエッチングマスクとし
て供される。
【0023】この樹脂膜12は、色彩を施しておくこと
で、そのエッチングマスク形成状態の容易な確認が可能
となり、エッチングマスク形成の高精度化と共に、歩留
まりの向上が図れる。
【0024】即ち、このXーYテーブル20は、テーブ
ル駆動部24に接続され、該テーブル駆動部24を介し
てX軸及びY軸方向に二次元的に駆動制御される。この
XーYテーブル20には、上記レーザ光照射部22が対
向配置される。
【0025】レーザ光照射部22は、光学系駆動部25
を介してXーYテーブル20に対向して矢印A,B方向
に移動自在に設けられ、その入力側にレーザ光源21が
光学的に接続される。このレーザ光照射部22は、例え
ば周知のテレセントリック光学系で構成され、レーザ光
源21からのレーザ光をXーYテーブル20の表皮材1
0の樹脂膜12上に、そのレーザスポットのずれ量がほ
とんどなく、高精度に照射を実現する。
【0026】上記テレセントリック光学系により、Xー
Yテーブル20上の表皮材10の銅膜層11上の樹脂膜
12に照射して該レーザ光で樹脂膜12を除去する。こ
れにより、銅膜層11上には、除去後に残された樹脂膜
12が、銅膜層パターンを遮蔽するエッチングマスクと
して存在される。この際、樹脂膜12に照射するレーザ
光は、その樹脂膜12の厚さ寸法が20μmであれば、
エネルギ密度1j/cm2 で40ショット、照射するこ
とにより樹脂膜12の除去が行われる。
【0027】そして、上記テーブル駆動部24及び光学
系駆動部25には、制御部26が接続される。制御部2
6は、テーブル駆動部24及び光学系駆動部25を相対
的に制御して、レーザ光照射部22の照射位置及びXー
Yテーブル20の表皮材10の樹脂膜12とを曲面形状
に対応して3次元的に駆動し、レーザ光照射部22から
のレーザ光が樹脂膜12上に所定のパターン形状を除い
た部分に照射して、該樹脂膜12を除去する。
【0028】これにより、表皮材10の銅膜層11上に
は、銅膜層パターンに対応して樹脂膜12が残されて、
その樹脂膜12によりマスクされた状態となる。これに
より、樹脂膜12は、高精度の精度で除去されて、銅膜
層パターンのエッチングマスクとして銅膜層11上に配
置される。
【0029】また、上記制御部26には、上記レーザ光
源21が接続され、該レーザ光源21を上記テーブル駆
動部24及び光学系駆動部25に連動して駆動制御して
レーザ光を上記レーザ光照射部22に出力される。
【0030】そして、銅膜層11上に樹脂膜12による
エッチングマスクが形成された状態において、例えば露
出された銅膜層11上には、さらにレーザ光が、例えば
10ショット程度以上照射され、露出した銅膜層11上
の酸化膜や樹脂膜12の再付着物質が除去されて銅膜層
11のクリーニングが行われる。この樹脂膜12の除去
後の銅膜層クリーニング処理により、銅膜層11は、次
の工程におけるエッチング処理において、安定したエッ
チング速度が得られて、高精度なエッチングが可能とな
る。
【0031】次に、上記樹脂膜12によるエッチングマ
スクの形成された表皮材10は、例えば塩化第2鉄をエ
ッチング溶液として、周知のエッチング処理が施されて
露出された銅膜層11がエッチング除去される。この
際、銅膜層11は、樹脂膜12の除去後に実行される銅
膜層クリーニング処理により、安定したエッチング処理
が実現される。
【0032】その後、エッチングマスクを構成する樹脂
膜12は、銅膜層11から剥離されて除去され、ここ
に、表皮材10上に銅膜層パターンが形成される。そし
て、上記のように銅膜層パターンの形成された表皮材1
0は、例えばアラミド繊維/エポキシ樹脂複合体で形成
される図示しないハニカムコアの一方面にフィルム状接
着剤を用いて接着され、このハニカムコアの他方面に
は、例えば表皮材10と同材料の表皮材がフィルム状接
着剤を用いて接着されてデュアルグリッドリフレクタと
称するリフレクタ本体が製作される。
【0033】ここで、例えば上記リフレクタ本体の表皮
材10の銅膜層パターンを含む反射面には、図示しない
保護膜が被着される。これにより、表皮材10は、保護
膜(図示せず)により、その銅膜層パターンを含む反射
面が保護される。この保護膜(図示せず)としては、例
えばリフレクタ本体を組立てる前に、表皮材10の銅膜
層パターンを含む反射面に被着するようにしても良い。
【0034】なお、表皮材10は、レーザ光を用いて樹
脂膜12の除去あるいは銅膜層11に直接的に照射して
該銅膜層11のクリーニングを行う際、該レーザ光のパ
ルス幅が数10nmと非常に短いため、その表皮材10
に熱損傷を及ぼすことなく、安定した除去が実現され、
リフレクタとしての電波透過特性が初期特性状態に保た
れることが確認されている。
【0035】このように、上記リフレクタの製造方法
は、表皮材10上に銅膜層11と樹脂膜12を順に積層
して形成し、その樹脂膜12に対してレーザ光を照射し
て該樹脂膜12を除去し、その残りの樹脂膜12で銅膜
層11上のエッチングマスクを形成した後、エッチング
処理を施して表皮材10の反射面に銅膜層パターンを形
成するように構成した。
【0036】これによれば、レーザ光を用いて銅膜層1
1上の樹脂膜12を除去してエッチングマスクを形成す
るエッチングマスク形成処理と、エッチング処理を施す
だけの製作設備を備えるだけで、簡便に高精度な銅膜層
パターンの形成が可能となるために、従来の方法に比し
て製作設備の簡略化が図れて、容易にリフレクタ本体の
大口径化に対応することができる。
【0037】また、これによれば、レチクルプレート
(ホトマスク)を用いることなく、銅膜層11上に樹脂
膜12のエッチングマスク形成が可能なことにより、簡
便にして、容易なパターン形成作業が実現される。
【0038】なお、上記実施の形態では、レーザ光を銅
膜層11上の樹脂膜12に直接的に照射して該樹脂膜1
2を除去し、銅膜層11に樹脂膜12によるエッチング
マスクを形成して、エッチング処理を施すように構成し
た場合で説明したが、このエッチングマスク形成方法に
限ることなく、例えば図9及び図10に示すように銅膜
層11上にエッチングマスクを形成してもよい。
【0039】即ち、銅膜層11上に塗布して形成した樹
脂膜12に対してレーザ光を先ずスリット状に照射し
て、該樹脂膜12をスリット状に除去して一対のスリッ
ト12b、12bを形成し(図9参照)、このスリット
12b,12b間の樹脂膜12を剥離する如く除去して
銅膜層11上に樹脂膜12によるエッチングマスクを形
成し(図10参照)、エッチング処理を施すように構成
する。
【0040】これによれば、略同様にレーザ光を用いて
樹脂膜12を除去するエッチングマスク形成処理とエッ
チング処理を施すだけの設備を備えるだけで、簡便に高
精度な銅膜層パターンの形成が可能となり、リフレクタ
本体の大口径化の促進を容易に図ることができる。
【0041】また、これによれば、レーザ光の照射によ
る樹脂膜12の除去を最小限にしたうえで、樹脂膜12
の除去面積を大きく設定することが可能となることによ
り、レーザ光により除去された樹脂膜12のエッチング
処理面への再付着の軽減が図れるため、さらに有効な効
果が期待される。
【0042】このエッチングマスク形成時における樹脂
膜12の再付着に関しては、例えば図11に示すレーザ
光を用いてスリット状に樹脂膜12を除去して、スリッ
ト12b,12b間を剥離する如く除去してエッチング
マスク形成した後、エッチングしてパターンを形成した
場合の方が、図12に示す樹脂膜12の除去部分に対し
てレーザ光を直接的に照射して除去することにより、エ
ッチングマスク形成した後、エッチングしてパターンを
形成した場合に比して、除去した樹脂膜12の再付着部
12aによる銅膜層11のエッチング残り部が殆どない
ことが実験的にも確認される。
【0043】上記銅膜層11として、例えば銅箔を用い
る場合には、市販されいてる銅箔の幅が600mm程度
と限定されることで、リフレクタの大口径化を図ると、
継ぎ目が生じることがある。そこで、この銅箔で形成す
る場合には、例えば前述したように表皮材10上に銅箔
で形成した銅膜層11を形成して、この銅膜層11上に
樹脂膜12を形成し、所望のパターン形状に対応してエ
ッチング処理して銅膜層パターンを形成した状態で、こ
の樹脂膜12を含む表皮材10上に上述した可剥性樹脂
を塗布した補助樹脂膜40を形成する(図13参照)。
次に、銅膜層11上の樹脂膜12は、図14に示すよう
に補助樹脂膜40と共に除去され、その後、銅膜層11
に形成された継ぎ目11aに、例えば導電性塗料を塗布
することにより補助銅膜41を形成する(図15参
照)。その後、図16に示すように表皮材10上の補助
樹脂膜40が除去され、ここに、継ぎ目11aを挟んだ
銅膜層11が補助銅膜41を介して連続される。
【0044】上記銅膜層11の継ぎ目11aに形成する
補助銅膜41としては、例えば銅膜層11が銅以外の金
属材料で形成される場合には、同様の金属材料で形成さ
れることとなる。
【0045】また、上記実施の形態では、ライン状の銅
膜層パターンを形成したデュアルグリッドリフレクタに
適用した場合で説明したが、これに限ることなく、その
他、例えば図17及び図18に示すようにリフレクタ本
体の表皮材30に銅膜層31によるリング形状の銅膜層
パターンを多数個、所定の間隔に形成した周波数選択型
リフレクタ(FSR)方式のリフレクタにおいても適用
可能である。
【0046】この銅膜層パターンは、その形状がリング
形状に限ることなく、使用周波数等に応じて適宜に設定
され、上述したデュアルグリッドリフレクタと同様にレ
ーザ光を用いたエッチングマスク形成工程、これに続い
てエッチング処理工程が実施されて形成される。
【0047】さらに、上記実施の形態では、金属膜層と
して、銅箔を用いて銅膜層11を形成した場合で説明し
たが、この銅膜層11に換えて、アルミニウム等の各種
金属材料を用いて表皮材10上に金属膜層をメッキ、ス
パッタリング、蒸着等により形成して、これらの金属膜
層上に樹脂膜12を形成した後、同様に樹脂膜12をレ
ーザ光で除去して、該樹脂膜12で金属膜層上にエッチ
ングマスクを形成し、金属膜層パターンを形成するよう
に構成することも可能である。係る事情は、補助銅膜4
1においても同様であり、該補助銅膜41をアルミニウ
ム等の他の金属材料に置換え構成することが可能であ
る。
【0048】また、さらに、上記実施の形態では、銅膜
層パターンを表皮材10に形成した後、この表皮材10
をハニカムコアに接着してリフレクタ本体を形成するよ
うに構成した場合で説明したが、これに限ることなく、
例えば表皮材10上の反射面に銅膜層11を形成し、そ
の表皮材10をハニカムコアに接着してリフレクタ本体
を形成した後、樹脂膜12を順に形成して、レーザ光を
用い樹脂膜12を除去してエッチング処理を施して銅膜
層パターンを形成するように構成してもよい。
【0049】さらに、上記実施の形態では、樹脂膜12
を除去するのに紫外線レーザ光を用いて構成した場合で
説明したが、これに限ることなく、可視レーザ光、赤外
線レーザ光等の各種のレーザ光を用いて構成することが
可能である。
【0050】但し、可視レーザ光、赤外線レーザ光を用
いて加工を行う場合には、樹脂膜12の光学的特性が重
要であり、使用するレーザ光の波長に対して吸収率が高
い樹脂膜12を設定する必要がある。樹脂膜12の光学
的特性の例として、大京化学製プラスティーコートMR
の分光特性を図7に、同じくプラスティーコート#10
0の分光特性を図8に示す。
【0051】レーザ光源21として、実用性の高いSH
GーYAGレーザ光(波長532nm)を利用する場合
には、波長532nmに対する吸収率が20%程度しか
ないプラスティーコート#100では加工することが困
難である。これに対し、波長532nmの光に対する吸
収率が90%以上あるプラスティーコートMRを用いる
と、レーザ光が効率良く樹脂膜12に吸収されて良好な
加工が可能となる。
【0052】このように、あらゆる種類の樹脂膜12に
対して略100%に近い吸収がある280nm以下の紫
外線レーザ光を用いる場合と異なり、可視又は赤外線レ
ーザ光を用いた場合には、それの波長で吸収率の高い樹
脂膜12を使う必要がある。
【0053】また、上記実施の形態では、レーザ光照射
部22をテレセントリック光学系で構成して、レーザ光
源21からのレーザ光を略平行な光強度を有したレーザ
光に変換して樹脂膜12に照射するように構成した場合
で説明したが、これに限ることなく、例えば図19に示
すようにテレセントリック光学系に代えて集光光学系3
3を用いてレーザ光照射部34を構成して上記レーザ光
源21からのレーザ光をレーザ光照射部34で集光させ
て表皮材10上の樹脂膜12に照射するように構成して
もよい。この場合、レーザ光照射部34の光学系駆動部
32は、上記制御部26で光軸方向に移動制御され、樹
脂膜12上に集光される。よって、この発明は、上記実
施の形態に限ることなく、その他、この発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々の変形の実施が可能であることは勿
論である。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、容易にして、簡便な製作を実現したうえで、高精度
な製作精度を実現し得るようにしたリフレクタの製造方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の適用されるアンテナシステムの概念
を説明するために示した側面図。
【図2】図1のアンテナシステムのリフレクタを示した
平面図。
【図3】この発明の一実施の形態に係るリフレクタの製
造方法の手順を示したフローチャート図。
【図4】図3で製作される表皮材の一部を取り出して示
した断面図。
【図5】図3に用いられるパターン形成装置を示した配
置図。
【図6】図3のパターン形成状態を示した斜視図。
【図7】ストリッパブルペイントの分光特性を示した特
性図。
【図8】ストリッパプルペイントの分光特性を示した特
性図。
【図9】この発明の他の実施の形態の一部を示した斜視
図。
【図10】図9の樹脂層の剥離作業を示した斜視図。
【図11】樹脂膜をスリット状に所定の間隔に除去して
スリット間を剥離したマスク形成工程の加工状態を示し
た平面図。
【図12】樹脂膜の広い範囲をレーザ光で直接的に除去
したマスク形成工程の状態を示した平面図。
【図13】銅膜層を銅箔で形成する場合の製造手順を示
した一部斜視図。
【図14】図13に続く製造手順を示した一部斜視図。
【図15】図14に続く製造手順を示した一部斜視図。
【図16】図15に続く製造手順を示した一部斜視図。
【図17】この発明の適用される周波数選択型リフレク
タを示した平面図。
【図18】図17の銅膜層パターンの一部を拡大して示
した平面図。
【図19】この発明の他の実施の形態に係るレーザ光を
樹脂膜上に照射するための集光光学系を示した配置図。
【符号の説明】
1,2…第1及び第2のリフレクタ。 1a,2a…金属膜層パターン。 3,4…第1及び第2の給電部。 10,30…表皮材。 11,31…銅膜層。 12…樹脂膜。 20…XーYテーブル。 21…レーザ光源。 22,34…レーザ光照射部。 22a,22b…レンズ。 24…テーブル駆動部。 25,32…光学系駆動部。 26…制御部。 12a…再付着部。 12b…スリット。 40…補助樹脂膜。 41…補助銅膜。 11a…継ぎ目。 33…集光光学系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川田 義高 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株式会社東芝生産技術研究所内 (72)発明者 松中 繁樹 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株式会社東芝生産技術研究所内 (72)発明者 後藤 訓顕 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株式会社東芝生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−226477(JP,A) 特開 昭60−86292(JP,A) 特公 平5−57762(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 15/00 - 15/24 H01Q 17/00 H01Q 19/00 - 19/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射面を構成する絶縁基板に金属膜層を
    形成する第1の工程と、 前記絶縁基板の金属膜層上に可剥性樹脂を塗布して樹脂
    膜を形成する第2の工程と、 レーザ光を前記金属膜層を覆う樹脂膜にスリット状に照
    射して該樹脂膜をスリット状に除去したスリットを形成
    して、該スリット間の樹脂膜を剥がし取るマスキング処
    理を施す工程であって、前記レーザ光のレーザ光照射部
    と、前記絶縁基板側を3次元的に駆動制御して、金属膜
    層を覆う樹脂膜にスリット状に照射し、該樹脂膜のマス
    クを前記金属膜層上にパターン形状に対応して形成する
    第3の工程と、 前記第3の工程でマスキング処理を施した前記絶縁基板
    上に露出される金属膜層を、エッチング処理して除去す
    る第4の工程と、 前記第4の工程でエッチング処理を施した前記絶縁基板
    の金属膜層を覆う樹脂膜を除去し、金属膜層パターンを
    露出させる第5の工程とを具備したリフレクタの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第5の工程は、第4の工程でエッチ
    ング処理を施した前記金属膜層を覆う樹脂膜を含む絶縁
    基板上に、補助樹脂膜を形成して、前記金属膜層上の樹
    脂膜を樹脂膜上の前記補助樹脂膜と共に剥がし取り
    出した前記金属膜層の継ぎ目に補助金属膜を形成した
    後、前記絶縁基板上の補助樹脂膜を除去して金属膜層パ
    ターンを形成することを特徴とする請求項1記載のリフ
    レクタの製造方法。
  3. 【請求項3】 反射面を構成する絶縁基板に金属膜層を
    形成する第1の工程と、 前記絶縁基板の金属膜層上に樹脂を塗布して樹脂膜を形
    成する第2の工程と、 レーザ光を前記金属膜層を覆う樹脂膜に照射して該樹脂
    膜を除去するマスキング処理を施す工程であって、前記
    レーザ光のレーザ光照射部と、前記絶縁基板側を3次元
    的に駆動制御して、金属膜層を覆う樹脂膜に照射し、該
    樹脂膜のマスクを前記金属膜層上にパターン形状に対応
    して形成する第3の工程と、 前記第3の工程でマスキング処理を施した前記絶縁基板
    上に露出される金属膜層を、エッチング処理して除去す
    る第4の工程と、 第4の工程でエッチング処理を施した前記金属膜層を覆
    う樹脂膜を含む絶縁基板上に、補助樹脂膜を形成して、
    前記金属膜層上の樹脂膜を樹脂膜上の前記補助樹脂膜と
    共に除去し、露出した前記金属膜層の継ぎ目に補助金属
    膜を形成した後、前記絶縁基板上の補助樹脂膜を除去し
    て金属膜層パターンを形成する第5の工程とを具備した
    リフレクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光は、可視レーザ光または紫
    外線レーザ光であることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載のリフレクタの製造方法。
JP22279296A 1995-08-24 1996-08-23 リフレクタの製造方法 Expired - Lifetime JP3172100B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22279296A JP3172100B2 (ja) 1995-08-24 1996-08-23 リフレクタの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-215594 1995-08-24
JP21559495 1995-08-24
JP22279296A JP3172100B2 (ja) 1995-08-24 1996-08-23 リフレクタの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09121117A JPH09121117A (ja) 1997-05-06
JP3172100B2 true JP3172100B2 (ja) 2001-06-04

Family

ID=26520951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22279296A Expired - Lifetime JP3172100B2 (ja) 1995-08-24 1996-08-23 リフレクタの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3172100B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09121117A (ja) 1997-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1994026495A1 (en) Apparatus and process for the production of fine line metal traces
JP2592369B2 (ja) 多層配線回路基板の製造方法及び誘電体ミラーマスクの製造方法
JP2004341454A (ja) 光電気混載基板の製造方法
JP2012528357A (ja) 基板をフォトイメージングする方法及び装置
US5572564A (en) Reflecting photo mask for x-ray exposure and method for manufacturing the same
US5650249A (en) Method for making precision radomes
EP0787558B1 (en) Method of manufacturing reflector
KR101695293B1 (ko) 레이저 패턴 마스크 및 이의 제조 방법
US5231263A (en) Liquid crystal mask type laser marking system
JP3172100B2 (ja) リフレクタの製造方法
EP0119310B1 (en) Method of fabricating a pellicle cover for projection printing system
JPH10261916A (ja) リフレクタの製造方法
JPH07241690A (ja) レーザ加工用誘電体マスクとその製造方法
JP2983451B2 (ja) リフレクタの製造方法
JP2002001560A (ja) 樹脂フィルムのレーザ加工方法
JPH1020509A (ja) 液晶表示素子の製造方法および液晶表示装置
JPH10263871A (ja) レーザー加工用誘電体マスクの製造方法
JPH0876357A (ja) レーザ転写加工用マスク
JPH09230610A (ja) 投影露光方法および装置
CN112882354B (zh) 一种通用型光刻设备及光刻工艺
JPH0691066B2 (ja) 感光性有機樹脂膜の形成方法
JPH03210987A (ja) 光処理装置
JPH05262537A (ja) 穴付き部材の製造方法
JPH1093226A (ja) 薄膜配線用パターンの形成方法
JPH03120714A (ja) X線露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080323

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090323

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100323

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100323

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110323

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110323

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120323

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130323

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130323

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140323

Year of fee payment: 13

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term