JP3166917U - 樹脂粉体塗装金属ロープ - Google Patents
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Abstract
Description
この対策として、従来、素線の1本1本に樹脂塗装を施し、そうした塗装素線を撚り合わせてストランドやロープを得る方法が提案されているが、素線を1本1本樹脂塗装するには時間と手間がかかり、また、撚り合せる際に塗装が損傷されることが避けがたく、実使用においてこの損傷部から錆が進行してしまうなど品質が落ちる問題があった。
本考案のロープは、前記のような腐食環境における落石防止柵やガードケーブルなどの各種安全施設に使用される比較的太径のロープに主として供される。
(L/d)×100≧6…(1)
L:隣り合う素線間における塗膜の凹み長さ(mm)
d:素線の直径(mm)
さらに、ロープ本体表面に施された樹脂粉体焼付け塗装膜が、ピンホールがなく厚さが40〜170μmでかつ以下の(1)式を満たし、隣接する素線の谷間の輪郭どおりのV状の膜となっているとともに、ストランドの谷間においても隣接するストランドの外輪郭に沿った膜を形成している。
(L/d)×100≧6…(1)
L:隣り合う素線間における塗膜の凹み長さ(mm)
d:素線の直径(mm)
ピンホールがなく、塗装膜厚が40〜170μmであるうえに素線間塗膜の凹み条件を特定し、ロープを構成する素線の外形を表面上はっきり識別することができるほど薄く均一かつシャープな輪郭に塗装されているため、ロープの柔軟性を十分に発揮させることができる。また、前記素線間塗膜の凹み条件により、塗膜が薄く均一かつシャープな輪郭であるので、使用時にロープ同士を交差させてクランプ金具で挟持したときにロープの滑りによるずれが防止され、確実に直交状に固定することが可能になる。
これによれば、溶融温度に達したときに粘性が水に近い物となるので、撚り合わされた素線間の微細な凹凸や隙間をよく濡らして固化される。しかも耐候性がよく、塗膜が強靭で例えば引張試験での破断時の強い衝撃でもロープの地肌から塗装が剥離することがなく、更に伸びが30%以上で密着性が抜群にすぐれ、密着強度がエポキシ樹脂の3〜5倍にも達するので、ロープを曲げたときにも塗装表面に亀裂が発生せず耐久性にも優れている。
なお、樹脂粉体に顔料を配合することにより所望の色調にすることできるので、存在を目立たせ、逆に存在を目立たせない金属ロープとすることができる。
また、好適には、ロープを構成する素線の表面に防食めっきが施されている。これによれば、防食めっきと樹脂塗装とにより2重の防食が図られるので、耐久性をよいものにすることができる。
以下添付図面を参照して本考案の実施例を説明する。
図1と図2は本考案にかかる樹脂塗装金属ロープの一例を示しており、1は6mm以上の直径のロープ本体であり、複数本の素線1aを撚りあわせたストランド1bの複数本を撚り合せて構成され、この例では、3×7構造となっており、各ストランド間には谷部3が形成されている。
前記素線1aの材質としては、耐食性が要求されるものであり、通常、鉄または鋼からなっており、表面に亜鉛、亜鉛アルミ合金などによるメッキが施されている。
ここで、イソフタレル酸成分を限定したのは、8%未満では密着性が損なわれ、20%を越えると結晶性が低下するからであり、粘度を限定したのは、結晶化の進行を抑制しつつ良好な流動性によってめっき層の表面を被覆するには高い分子量の重合体であることが必要だからである。
前記変性飽和ポリエステル樹脂樹脂は、一定温度に達すると粘性が著しく低下して水のようないわゆるしゃぶしゃぶの状態になる。このため微細な隙間にも入り、そこにある固体を濡らし固化して被膜を形成する。しかも、密着性が非常にすぐれ、密着強度が150kg/cm2にも達する特性がある。
具体的には、塗装膜の厚さは40〜170μmである。厚さの下限を40μmとしたのは、樹脂の粒径の関係から40μm以下に薄くするとロープ表面から塗膜表面に抜けるオープンポア状のピンホールが発生してしまうからであり、上限を170μmとしたのは、これ以上の厚さではロープがこわくなり、曲げにくくなって取扱い性が悪くなるとともに、小さな曲げ半径で曲げたときに部分的に亀裂が入る危険があるからである。
ショットブラスト工程は、ロープ表面(めっき層)と樹脂との強固な密着性を得るためであり、ショット材がロープ表面全周に噴射されることにより、表面を細かい凹凸からなる梨地状に処理される。
高周波加熱はロープを走行させながらロープに高周波コイルにより高周波を印加するのもので、ロープ表面から内部に熱拡散して均一な加熱状態となる。樹脂粉末はロープ表面に接している下層から溶融し、ショットブラストによる無数の凹凸に流入してくさびのように食いこんで密着され、素線の表面、ストランドの表面に均一な膜を形成する。
具体例1:
亜鉛めっきを施した7本の素線を撚り合わせたストランドを3本撚り合わせた図1に示す3×7構造の直径18mmのワイヤロープ本体に、塗膜厚が平均120μmの非常に均一で(L/d)×100が8.2(%)のピンホールのない薄い樹脂粉末焼付け塗装を施した。この塗装は、引張破断時の強い衝撃でも剥離することなく、塗膜の密着性も良好で、通常の非塗装ロープの巻収に用いられる直径540mmのドラムに巻き付けても剥離やクラックが生じないことが確認された。塩水噴霧試験機にかけて5000時間を経過しても錆やクラックの発生は皆無であった。
亜鉛めっきを施した19本の素線を撚り合わせたストランドを更に7本撚り合わせた図2に示す7×19構造の直径6mmのワイヤロープ本体に塗装した。
塗膜厚は平均70μmでピンホールがなく、(L/d)×100が7.9(%)であった。この塗装は、引張破断時の強い衝撃でも剥離することなく、塗膜の密着性も良好で、通常の非塗装ロープの巻収に用いられる直径280mmのドラムに巻き付けても剥離やクラックが生じないことが確認された。塩水噴霧試験機にかけて5000時間を経過しても錆やクラックの発生は皆無であった。
1 金属ロープ本体
1a 素線
1b ストランド
2 樹脂粉体焼付け塗装膜
L 隣り合う素線間における塗膜の凹み長さ(mm)
d 素線の直径(mm)
Claims (1)
- 3本以上の素線を撚り合わせてなるストランドの複数本を更に撚り合わせた金属ロープ本体表面全体に、ショットブラストを施した後、予熱を施し、静電塗装装置を用いて樹脂粉体を付着させた後、高周波加熱装置内を通過させて高周波を印加することにより、変成飽和ポリエステル系樹脂粉体が焼き付け塗装されているロープにして、前記ロープ本体表面に施された樹脂粉体焼付け塗装膜が、ピンホールがなく厚さが40〜170μmでかつ以下の(1)式を満たし、隣接する素線の谷間の輪郭どおりのV状の膜となっているとともに、ストランドの谷間においても隣接するストランドの外輪郭に沿った膜を形成していることを特徴としている。
(L/d)×100≧6…(1)
L:隣り合う素線間における塗膜の凹み長さ(mm)
d:素線の直径(mm)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010007679U JP3166917U (ja) | 2010-11-24 | 2010-11-24 | 樹脂粉体塗装金属ロープ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010007679U JP3166917U (ja) | 2010-11-24 | 2010-11-24 | 樹脂粉体塗装金属ロープ |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006151573A Continuation JP2007321269A (ja) | 2006-05-31 | 2006-05-31 | 樹脂粉体塗装金属ロープ |
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JP3166917U true JP3166917U (ja) | 2011-03-31 |
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ID=54878046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010007679U Expired - Lifetime JP3166917U (ja) | 2010-11-24 | 2010-11-24 | 樹脂粉体塗装金属ロープ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3166917U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115679727A (zh) * | 2022-12-30 | 2023-02-03 | 天津市新天钢中兴盛达有限公司 | 低油脂厚护套的风塔用无粘结预应力钢绞线及其生产方法 |
-
2010
- 2010-11-24 JP JP2010007679U patent/JP3166917U/ja not_active Expired - Lifetime
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CN115679727A (zh) * | 2022-12-30 | 2023-02-03 | 天津市新天钢中兴盛达有限公司 | 低油脂厚护套的风塔用无粘结预应力钢绞线及其生产方法 |
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